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1954-02-16 第19回国会 参議院 大蔵委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月十六日(火曜日)    午後一時五十分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大矢半次郎君    理事            小林 政夫君            菊川 孝夫君    委員            青柳 秀夫君            木内 四郎君            藤野 繁雄君            前田 久吉君            三木與吉郎君            成瀬 幡治君            野溝  勝君            松永 義雄君            堀木 鎌三君            平林 太一君   政府委員    大蔵省主計局次    長       原  純夫君   事務局側    常任委員会専門    員       木村常次郎君    常任委員会専門    員       小田 正義君   説明員    大蔵省銀行局総    務課長     大月  高君   参考人    日本開発銀行理    事       松田 太郎君    日本開発銀行審    査部長     竹俣 高敏君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○租税金融制度及び専売事業等に関  する調査の件(金融問題に関する  件)   —————————————
  2. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) これより大蔵委員会を開会いたします。最初にお諮りいたします。去る十二日の理事会申合せによりまして、本日、日本開発銀行松田理事、並びに竹俣審査部長の御出席を求めましたが、両君を参考人としてその発言許可することに御異議ありませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。よつてさよう決定いたしました。租税金融制度及び専売事業等に関する調査を議題といたしまして、いわゆる造船融資及び利子補給について、先ず大蔵省主計局次長説明を求めます。
  4. 原純夫

    政府委員原純夫君) 利子補給予算についての御説明でございますか。
  5. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) さようでございます。
  6. 原純夫

    政府委員原純夫君) 御説明申上げます。外航船舶建造資金貸付利子補給予算でございますが、二十九年度予算案におきまして三十七億五千二百万円を計上して御審議をお願いいたしております。前年度、即ち二十八年度予算額は七億八百万円でございます。この三十七億五千二百万円という金額は、御承知通り外航船舶建造融資につきまして金融機関に対して利子補給を行なつて海運業者利子負担の軽減を図り、そして海運業を助成強化しようとするものであります。  そこでこの三十七億五千二百万円の内訳を申上げますると、三本になつております。大きく申しまして二本、その一つ二つにわかれている。先ず大きな一つの頭は外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法にかかる分でございます。これが三十六億二千九百万円であります。これは市中銀行外航船舶建造融資をいたします場合、御案内の通り六次以降の分でありますが、それに対しまして五分と市中金利との差額を補給するという性質のものでございます。二十八年度予算におきましては、それに該当しますものが五億六千百万ございます。これに開発銀行から融資をされますものに対して補給いたします利子が一億一千五百万というものが計上されてございます。つまりこの外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法系統におきましては、市中銀行の貸します分と、開発銀行の貸します分と二本であつたのでありますが、二十九年度におきましては、市中銀行の貸します分についてのみ予算に計上いたしております。これは開発銀行の分につきましては、関係条文を、別途お願いいたしております補助金の整理に関する法律案におきまして規定を削除して参るというつもりでおるわけでありますが、別途、開発銀行の側において利息の支払について猶予を与えるという措置をとつて頂くつもりにいたしております。只今までが大きな第一の部類のものであります。  第二の部類は、これは額は割合小さいのでございますが、臨時船質改善助成利子補給法に基きまして、昭和二十八年度及び遡りまして二十八年の一月以降二十八年度を通しまして、二隻分、スクラツプにすれば一隻分について、特別の利子補給を行うという法律が成立しておるわけでありますが、この系統で二十九年度予算に計上しておりますのが一億二千二百万でございます。一番初めに二十八年度額は三千百万ということに相成つております。両者合計いたしましたものが先ほど申しましたような二十九年度における三十七億五千二百万、それから二十八年度における七億八百万という数字に相成る次第であります。一応概略説明で、あと質問に待つことにいたしてよろしゆうございますか。
  7. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) では次に開発銀行松田理事に、造船融資内容と、それから補給金を実際どういうふうにして渡しておるか、その概況を御説明願いたいと思います。
  8. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それから決定する経緯、どうして決定するのかという……。
  9. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) なおそれから決定の手続等について御説明を願います。
  10. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 一応開発銀行の現在の貸付総額等につきまして概略を申上げまして、それから海運関係について言及さして頂きたいと思います。  現在の私のほうの貸付金残額は二十九年一月末で総額三千二百四十億になつております。これの内訳を申しますと、先ず第一に、開発銀行になりましてから貸付けましたもの、いわゆる開発資金貸付と言つておりますが、これが千二百四十五億、それから復金承継をいたしました分は、いわゆる復金承継貸付と申しておりますものが五百二十九億、それから見返承継貸付、言い換えれば見返資金承継いたしましたので、その貸付が私のほうの分に入つております、それが現在残高が千四百十二億、それからなお火力借款関係外貨貸付をいたしましたものが現在では十一億、それから農林漁業或いは中小企業公庫等に私のほうで開発資金として貸付けました分とか、或いは復金から承継しました分を又向うに移したわけでありますが、そういつたことで、法律上私のほうから公庫のほうに貸付けた形になつておりますものが四十三億、そういうような関係で、総額三千二百四十億という残高になつております。  なおこれに見合います資本金といたしましては、現在二千四百六十二億二千万円、それから政府からの借入金が七百三億、こういう数字になつております。そのほかがいわゆる準備金等で見合うわけでありますが、以上が大体の現在の貸付総額関係でございます。  次にこのうち造船融資関係がどうなつているかという点を申しますというと、昭和二十八年度分としては、政府のほうでおきめ頂きました分が二百二十億となつております。そのうち、十二月末現在の貸付承諾額が二百十九億ということになつております。  なおこれまでの造船関係貸付の累計を申しますというと、いわゆる利子補給対象となりますもの、詳しく申上げまするならば、貨物船については、第六次船以降、それから油槽船、即ちタンカーにつきましては、第七次の後期以降というものが利子補給対象となつているわけでありますが、その利子補給対象となつております分が総額六百六十億になつております。  それから第四次以前、言い換えれば、第一次以降第四次、利子補給対象外になつておりますものが二百七十億、従いまして利子補給対象になつているもの、なつていないもの、合計いたしますと九百三十億という数字に相成ります。  以上が大体数字的の御説明でありますが、次に海運融資をいたしますまでの経緯についてお話を申上げたいと思います。  御承知のように、開発銀行が一昨年の十月までに見返資金承継いたしまして、従いまして当時見返資金として海運融資をいたされておつたわけでありますので、承継後は開発銀行海運融資も担当することとなつたのであります。それで開発銀行といたしましても、この海運融資は、何分にも最初のことでもございますので、特に我が国の海運政策という観点から、どういう船主選考をいたしますについての基準が適当であるかということについて、運輸省のほうに公文を以てお尋ねをいたしたわけであります。これに基きまして、運輸省といたしましては、運輸省内にございます海運造船合理化審議会に、その船主選考基準を諮問せられまして、その答申を得て、船主選考基準というものが私どもに示されたのであります。これにつきましては第九次のいわゆる前期と、第九次の後期と、この二回に分れまして、開発銀行になりましてから融資をいたしておるのでありますが、いずれも今申しましたように、船主選考基準につきましては、運輸省にお願いをしまして、造船合理化審議会にその選考基準を諮問されて、答申を得ておるのであります。その選考基準について私のほうが船主選考をいたすわけでありますが、その選考基準につきましては、前期の場合と後期の場合とは、多少選考基準内容が異なつております。例えば前記におきましては、船主事情第一義として、造船所事情は従として考えるという点が一つと、それから又第二の問題といたしましては、船主選考に当つては、簡単に申しまして、航路計画というものについて十分検討を加える。それから次に船主資産信用力について、いいものから考えて行く。それからその次に、船主経営能力という点について、十分検討を加える。これらの点を総合して結論を出す。で、なお従的な考えではあるが、造船所事情についてもよく考えてもらわなくちや困る。こういう答申でございます。  それから後期に至りましては、今申しました船主事情第一義として、造船所事情を従として考えるという項目は落ちまして、船主選考について、先ほど申しました航路計画と、それから船主資産信用力、それから船主経営能力ということのほかに、更に海運業専業としておる会社と、兼業している会社との間においては、専業者のほうを優先するという点と、それから船価の低減に対して、船主及び造船所の努力の度合を考慮に入れることということと、それから、それとほぼ同じような意味で、造船所事情を十分考えなければいかん、こういうようになりました点であります。  それからなお後期におきましては、この船主基準は、単に開発銀行融資に際しての船主選考基準であるのみならず、この利子補給、並びに損失補償制度の適用による船主選考基準にもなり、同時に又、運輸大臣が最後に決定した船主に対して、建造許可をお与えになつて、そこで初めて正規の意味船主が決定するわけでありますが、その運輸大臣建造許可基準にもなるというような点が違つておるのであります。いずれにいたしましても、そういうような船主選考基準というものを、海運造船合理化審議会に諮問をして頂きまして、その答申を得て、そうしてその答申に基きまして審査を進めるわけでありますが、今申したうちで、船主資産信用力、或いは経営能力という点は、これは専ら開発銀行のほうで審査をする。航路計画でありますとか、或いは造船所事情であるとかいう点であるとか、これは海運政策、或いは造船政策に関連することでございますので、この点については専ら運輸省のほうで担当して頂く。そうして資産信用力の点と、それから航路計画、乃至は造船事情の点とを互いに比べ合いまして、そうして両者意見の一致したところで船主をきめて行く、こういうような方法をとつたのであります。
  11. 小林政夫

    小林政夫君 造船所事情はどつちが考慮するのですか。
  12. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 造船所事情は、運輸省のほうで考慮して頂く、こういうような根本方針の下に、前期におきましても、後期におきましても、船主を決定するという筋で参つたのであります。大略だけを申上げまして、あとは御質問に応じましてお答えさして頂きます。
  13. 小林政夫

    小林政夫君 先ず主計局のほうへ質問しますが、この利子補給及び損失補償が、当初内閣提出よりも大巾に修正を要する、そういうことについて、主計局判断運輸省ではなくて、主計局としては、一体ああいうような大巾の修正をする必要があると認めておられるかどうか。
  14. 原純夫

    政府委員原純夫君) 原案がその後修正されましたことは、御存じ通りであります。従いまして、原案考え方と、修正考え方とは違うのでありますが、いろいろな角度から関係方面の方々の意見を容れて修正ができたということで、原案修正案は勿論違うわけでありますが、まあそれだけ違う利子補給が必要かどうかという判断については、いろいろと海運業経営状態、その過去、現在、将来というものについての見方によつてつて来るわけでありますので、かなりな幅で判断は分れ得ると考えております。
  15. 小林政夫

    小林政夫君 二十九年度の予算に計上された三十六億二千九百万円の算出の基礎、これをもう少し詳細に知らせて頂きたい。
  16. 原純夫

    政府委員原純夫君) 先ず六次貨物船の勘定におきまして、一億八千五百万円というものをここに計上しております。七次の貨物船及び油送船で十一億二千五百万円。これは百万円以下切捨てて申上げております。それから八次の貨物船油送船合計で十四億六千六百万円、九次の合計で七億九千六百万円、十次の分の見込みといたしまして五千四百万円、合計いたしまして三十六億二千九百万円という金額を計上いたしております。
  17. 小林政夫

    小林政夫君 これはまあ六次、七次、八次、九次、十次、こういうわけですか。この十次まで取上げた……、どういう基準でそこまで取り上げるのかというようなことはどうですか。
  18. 原純夫

    政府委員原純夫君) いつから始まるかというような点は、御存じ通り六次の貨物船、それから油送船においては七次以降ということでありますので、そういう計算をいたしております。そうしていつまでの利払い分について計上するかと申しますと、二十九年度におきましては二十八年度の下期の分が利払い期が参るというのが一つ、それから二十九年度の上期の分の利払い期が参るというのが二つ、その両者予算に計上するという建前で計上いたしております。
  19. 小林政夫

    小林政夫君 そういうまあ利払い期が来るということは、個々船主について検討されて、それを積算してそういうことになる、だから一々の個々船主に当つて計算されておるわけですね。
  20. 原純夫

    政府委員原純夫君) この関係台帳というようなものが運輸省にございます。そうしてこれはまあ台帳でございますから副本がないのでございますが、予算計上の際は、それをいわば主計局側人間とそれから運輸省側人間とが、もうどこに幾らいつ貸したというのが出ております。そうして、この利払いは今度は幾らということ、そうして法律利子補給を見る限度というものが書いてございます。それを計算いたしまして一々作業をしてまとめ上げるということでございます。
  21. 小林政夫

    小林政夫君 だから運輸省は勿論その台帳があるのでしようけれども、あなたのほうでも、これだけの数字を出すに当つては、そういうふうに一々数字を当られたわけだから、少くともコピーというか、資料としては、どの船主に対してこういう利子補給をするのだという仕訳がわかるはずなんですね。
  22. 原純夫

    政府委員原純夫君) 只今申しましたような建前から一船ずつ引いて参りますから、それの各船主はわかるわけでございますから、原本から拾えばわかつて参りますが、拾つてまとめたものはまだ持つておりません。
  23. 小林政夫

    小林政夫君 運輸省も今御承知のように非常にごたごたしておるので、予算数字を弾かれたあなたのほうで、この利子補給をやられた船主について、開銀融資市中融資に分けて、船主別にどの船主幾らというのを、今の六次、七次、八次、九次、十次というふうに分けて資料として出して頂きたい。
  24. 原純夫

    政府委員原純夫君) 一緒にそうやつて作業いたしました原本でございますね、これは運輸省のほうにございますので、委員長から運輸省のほうに御要求頂きたいと思います。
  25. 小林政夫

    小林政夫君 それでは私は、主計局が計算したのだから、主計局から出せると思うけれども、これはどこから出たつていいのですから、要するに委員長において、必ず次の委員会までにその資料を整えるべく努力して頂きたいと思います。
  26. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 努力いたします。
  27. 小林政夫

    小林政夫君 それから開銀のほうに御質問というより資料の要求をいたします。今いろいろ承わりましたが、開銀のほうで融資をされた、勿論、開銀が独自の判断融資をされたのは、第九次前期後期以降ということになるわけですが、その前から復金或いは見返資金等を継承されて、一応今開銀で貸金の管理をされておる造船融資がありますが、この融資の今の融資残高を、そういつた造船計画年次別に分け、そうしてあなたのほうの担当のものが、これも復金、見返資金開銀になつてから、こういうことにも分けて、船主別及びその船主はどこへ船を造ることを注文したかということも、あなたのほうではわかると思いますから、そういう資料を整えて御提出を願いたいのであります。なおその際に、市中銀行との協調融資ということもありますから、あなたのほうでは、市中銀行のどこの銀行がどれだけ出しているかということもわかることであつて、そういうことも併せて出して頂きたい。それから、その融資によつてどういう船を造つたか、いつ融資がきまつて、船の竣工、いつどういう船が竣工したかということもわかれば、それも出して頂きたい。それと同時に、今政府のほうからお聞き及びのような資料を出しますが、それに対して利子補給はどうなつておるのか。あなたのほうの側からお考えになつて利子補給がどういうふうになつているかということも、併せて、今のようなものを一覧にして頂くと結構だと思います。
  28. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 承知いたしました。
  29. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 資料の場合に、資産信用力、それから経営能力は、あなたのほうで担当されておるのでございますが、その資料となる経営能力については、重役の氏名、これを一つ是非提出願いたいと思います。それから資本金、それから現在の資産信用力を判定される基礎となる負債はどれだけある、利益はどういうふうに上げておつたか、経営状態はどうなつておるかというようなことを、今決算が出ている、あなたのほうの判定する場合に出したやつだけで結構ですから、会社別一つお出し願いたい。この会社を、例えば山下汽船が、昭和二十八年はどういうふうな経営状態であつたかということを一つ出して頂きたい。
  30. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 承知いたしました。
  31. 小林政夫

    小林政夫君 私も今菊川氏の発言で思い出したのですが、丁度菊川氏の要求した資料に合致すると思いますが、今、開銀管理をしておられる融資先船主について、融資を受けた時期から今日までの、これは恐らくいずれも株式は公開されておるのだろうし、考課状が頂ければいい。
  32. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その考課状は、最近のでよろしいのですか。
  33. 小林政夫

    小林政夫君 全部期間中の……。
  34. 松田太郎

    参考人松田太郎君) つまり第五次なら第五次の計画造船をされるとすれば、それからの考課状でございますね。
  35. 小林政夫

    小林政夫君 そうです。ということは、おわかり願つていると思いますが、利子補給も遡つてつたりしている。年二回の決算でしようけれども、決算毎の或る時期においてはどういう状態であつたかということが一応見たいわけです。ずつとトレースできる意味において、あなたのほうで、まあ復金融資以来から、政府資金融資した以降のその当該船主考課状です。それを一つまとめてもらえればいいと思います。
  36. 松永義雄

    松永義雄君 簡単に伺います。この融資をするのに建造許可を前提とするというのは、勿論、運輸大臣許可だろうと思うんですが、この建造許可合理化審議会建造計画というか、そうした計画によつて海運業者或いは造船主というか、そうした者に建造許可をする場合に、命令とかいうような意味は含まれていないんですか。
  37. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 御質問命令の点がよく私にはわかりませんけれども、今の造船合理化審議会運輸大臣建造許可関係を先に申上げれば、御承知のように、昨年でございましたが、臨時船舶造船調整法という法律ができまして、そうして尤もその場合にも船舶管理法というふうな法案がございまして、建造許可はすべて運輸大臣がおやりになつてつたのでありますが、臨時船舶造船調整法が昨年できましてからというものは、運輸大臣造船主許可をする場合に、こういう事項について検討をして結論を出せという事項があります。その事項の一部に海運造船合理化審議会に諮つてこうこういう事項基準をきめる必要があるというように法律になつております。従つて先ほど申しましたように、海運造船合理化審議会船主選考基準をきめました際に、その選考基準内容というものは、開発銀行融資基準にもなり、又同時に運輸大臣船主を決定して建造許可をなさるその基準にもなるという関係になつているのでありますが、その命令とおつしやいます意味がちよつと私にはわかりかねます。
  38. 松永義雄

    松永義雄君 海運業者なり、今造船主なりが、仮りに船を造つて利益が上りそうもないから造るのは嫌だという場合はどうなさるんですか。
  39. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は、運輸省のほうにおかれましては、いついつから開発銀行のほうで第何次船の申込みを受け付けることになつたからといつて、大体申込み要領というのがございますが、そういう申込み要領船主協会並びに造船工業会のほうにお示しになつて、そうして希望する人がその要領を見て私のほうに申込んで来るということでございます。こういう人に対して船を造るようにしなさいというような命令はございません。
  40. 松永義雄

    松永義雄君 そうすると、造船につきましては、別に運輸省開発銀行政府というか、何か責任はないわけですね。
  41. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 先ほど申しましたように、造船合理化審議会船主選考基準に、船主事情につきましては、先ほど申しましたような航路計画資産信用力経営能力といつたようなものを見ると同時に、御承知のように造船所はそうした当時から空白状態を続けておりまして、そうして造船所空白を続けるということは、社会的に見ても非常に大きな問題であるので、船主選考する場合には、造船所状態もよく頭に入れて選考する。従つて運輸省のほうにおかれましては、船主選考する際に、今申しました航路計画というものと、それから造船所のそういう状態十分頭に入れられて、造船政策というような点からその合理化審議会答申に基いて御検討なさる、こういうことになつております。
  42. 松永義雄

    松永義雄君 まあ命令という言葉はおかしいんですが、勧告なり、国策であるから、君のほうで造つたらいいじやないか、そういつたようなことは、運輸省なり、合理化審議会なりにそういうことはないわけですね。
  43. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 一般的にも、又具体的に、こういう船を、何と申しますか造らなければならないから、君のところは是非それで造れというような命令乃至指示というものはありません。
  44. 松永義雄

    松永義雄君 別のことを伺いたいのですが……、市中銀行なり開発銀行なりが融資した場合に抵当とかというものはついているのですか。
  45. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 担保の点は、最も私のほうで頭に入れた点でございまして、そういう意味で、抵当権と申しますか、担保はとつております。
  46. 松永義雄

    松永義雄君 共同して融資するというような場合がある場合に、それは抵当はどうなんでしようか。
  47. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 例えば第九次の点につきまして申上げましても、建前として開発銀行のほうから七割、残りの三割は市中銀行からつくということがございますので、今の担保につきましても、市中さんのほうはどちらかというと私のほうよりも先順位につけたいというお話もあるようであります。併し開発銀行銀行としてその点は同一順位ということで、両方が同じ順位につけております。
  48. 松永義雄

    松永義雄君 二十九年度予算説明を見ると、二十八年度には開銀利子補給があり、二十九年度には零になつておるのですが、それはどういうわけですか。
  49. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は、大蔵省のほうからお話頂くのが筋かと思いますが、私に御質問がございますれば一応私のほうの見解を申上げますが、実は私のほうといたしましては、本来私のほうの金利がどうあるべきかということにつきましては、かねていろいろ検討しております。先般、電力と海運については、従来七分五厘の金利でございましたのを、一分引下げておる。併しながら私のほうといたしましては、その私のほうの本来の金利と、それから三分五厘なら三分五厘という、この場合の、国会でおきめ頂きました差は、勿論本年度におきましても又来年度におきましても要求いたしたい。その点は大蔵省のほうにも縷々御説明をし、又公文書を以てお願いいたしたのでありまするが、来年度の緊縮予算という建前からして、そういう補給金式のものは出すわけに行かないという御方針で、我々としましてもやむを得ずそうきまりますれば従わざるを得ない、こう思つておるわけであります。
  50. 松永義雄

    松永義雄君 どうもわかつたような、わからないようなことですが、開発銀行政府機関だからというのか、どういうわけで片一方が零で、片一方は数字が出ておるか。こういう点なんです。
  51. 原純夫

    政府委員原純夫君) 今回、二十九年度の予算を御承知通り非常に緊縮して組みますについて、外航船舶融資利子補給、これはやはり相当大きな項目に考えられたわけであります。そこで只今お話のありましたような、開発銀行は全額政府出資であり、そして剰余がありますれば国庫に納めるという制度になつておりますために、それに利子補給をやるのはおかしいという形式論のほかに、やはり利子補給の制度といたしましても、これを三分五厘というところまで補給で出すというのは如何か、この辺は頑張つて頂くという趣旨で、つまり企業の責任で、当座、利子は待つけれども将来は返してもらうというような形に持つてつて、せめてそのくらいは頑張つてもらつて然るべきであろうという二つの理由から、今回のように変えるという考えになりまして、別途提出を予定いたしております補助金等の整理に関する法律案におきまして、開銀に対する利子補給の制度を廃止するように法律をお改め願いたいということをお願いすることになつているわけであります。
  52. 松永義雄

    松永義雄君 開発銀行は、別に金融債とか社債とかいうものは募集しないのですか。民間の金は入つて来ないのですか。
  53. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 私のほうは、法律の上で、政府からの出資、それから借入金、或いは外国の金融機関からの借入金ということに限定されておりまして、私のほうは開発銀行債といつたようなものを出すことは認められておりません。
  54. 小林政夫

    小林政夫君 二十九年度に開銀造船融資をする金利は幾らですか。
  55. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 私のほうは六分五厘と考えております。今のお話のように、又これは正式に大蔵省のほうからもそういう趣旨で御通達を頂いたわけでありますが、何分にも先般船主の負担を三分五厘にするような海運界の状態であるので、又同時に、他方、只今御説明のように、利子補給開銀に対してするわけに行かんが、その間については開発銀行のほうで何とか善処するように、こういうお話でございますので、私のほうとしては、只今のところ、勿論来年度の金利としては六分五厘ですか、三分五厘と六分五厘との間の差というものは、何と申しますか、出世払いと申しますか、海運界の状況がよくなつて来た際にそれを払つて頂くということで、徴収を延期すると申しますか、そういうような形をとろうかと考えております。
  56. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると六分五厘と三分五厘の三分は、徴収を延期するということは、開銀の経理からいうとどうなんですか。未収利息というものを立てるわけですか。
  57. 松田太郎

    参考人松田太郎君) お話のような未収利息になつております。
  58. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、決算ではどうなりますか、それはやはり未収利息なんだから当然収益に上つて来る。そうすると、政府のほうへの納付金は、そういうものは入つた勘定において納付する……。
  59. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 利息は、現実に入りましたものを前提にいたしまして納付をいたしますので、今の場合にはそれは入りません。
  60. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、政府への納付金というものは、開銀から政府へ納付する納付金は、どういう基準で納付するのですか。
  61. 大月高

    説明員(大月高君) その年度の具体的な収入を基準といたしまして、収入の中から、借入金、資金運用部から金を借りておりますので、その借入金の利息を払い、経費を払いまして、残りの中から、貸倒れ準備金を、現在のところ千分の七差引きまして、その残額を納付金といたす計算になつております。
  62. 小林政夫

    小林政夫君 今のあなたが挙げただけでは、未収利息を差引くということにはならんね。
  63. 大月高

    説明員(大月高君) 計算上、その点は現金収入となつておりますので、現実に収入いたしましたものを基準にいたしまして納付する、こういうことでございます。
  64. 小林政夫

    小林政夫君 そういうことは、君、会計経理上おかしいじやないですか。専売公社とかいうものでも、これはまあ主計局のほうから質したほうがいいと思いいますが、だんだん企業経理に移つて行く。今までは流動資産は専売益金を納めるときに引いておつたものを、流動資産利益のほうに入れる、こういうような経理のやり方まで変えて行つておるときに、いやしくも企業会計というけれども、銀行である開銀が、大福帳的な、現金が入つたものだけを納付するのだというような経理の方法はどうなのですか。
  65. 原純夫

    政府委員原純夫君) これはまあ金融機関の経理のやり方といたしまして、長年そういうようなやり方を踏襲して来ておるわけであります。これは金融機関の健全性というような見地からも考えられたものであろうかと考えられるのでありますが、長年それでやつておるというようなことで、それに然るべき理由があるのじやないかというふうに我々は考えておるわけであります。
  66. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると日本銀行もそうですか。
  67. 大月高

    説明員(大月高君) 私、今、詳細な計算の基礎を持つておりませんが、多分そうなつておるだろうと思います。正確なことはあとで調べて……。
  68. 小林政夫

    小林政夫君 一応調べて、今の政府関係金融機関、例えば国民金融公庫とかいろいろありますが、その納付の場合において、未収入利息というものは、納付金を算定するときに帳簿上の益金から引いて考えておるのかどうか。一遍、各政府関係金融機関について資料を出して下さい。
  69. 堀木鎌三

    ○堀木鎌三君 今、小林君の質問されたのはどうも僕は納得できないのだけれども、今、小林君は未収入利子と言われたのだが、少くとも、会社で、一企業体が利益があるかないかということは、収入未済の分と、それから支払未済の分というものが上つて来なければ、本当の損益計算にならないような気がするのですね。で、今のような若しも会計の建前つたら、銀行の都合で幾らでも収入未済を建てれば利益が減つて行くというような考え方では、実際のところを言えば会社の会計にならない、非常におかしな計算になつて来るような気がしますが、正確に御記憶がなければ、今小林君の請求した資料で明らかになることかと思いますが、只今までは何か正確に御記憶があるように言われるのだけれども、率直に言えばないから、もう一遍調べてみよう、こういうことでございますか。
  70. 大月高

    説明員(大月高君) 全体の、日本銀行関係或いは政府機関の関係、甚だ不正確で恐縮でございますが、多分そうなつておると思いますが、正確な資料を持つておりませんので、これは後刻御返事申上げます。
  71. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 普通銀行方面についてはどういうふうな扱いになつておりますか。
  72. 大月高

    説明員(大月高君) 銀行の経理といたしましては、経費の落し方につきまして、成るべく資本を充実するという意味におきまして、資産の面におきましてはできるだけ現金主義による。それから債務の面におきましてはできるだけ発生主義による、こういうような原則を立てておりますが、やはりこの原則と収入の面においては食い違つておらないのであります。
  73. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 未収利息については銀行のあれでは収入に立てない、こういう扱いになつているかどうか。
  74. 大月高

    説明員(大月高君) この点も詳細に私は今記憶にございませんが、税務当局といろいろ打合せをして基準を立てておりますところでは、今申上げたことに多分間違いないと思います。
  75. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 次回までにその点をはつきりお答えできるように願います。
  76. 小林政夫

    小林政夫君 今の未収利息を立てるということを松田さん言われましたが、この開銀予算ですね、予定貸借対照表の三十年の三月三十一日現在の中にはどこへ含まれているのですか。
  77. 松田太郎

    参考人松田太郎君) それは含まれておりません。
  78. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、先ほどの未収利息を立てるということは、ただ別勘定で、これは未収だということだけで、帳簿操作としては未収利息を立てないということですね。要するに収入と見ないということなんですね。
  79. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 先ほどの私の言葉がまずかつたと思いますが、おつしやる通りであります。
  80. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、要するに将来出世払いではあるが、今のところ予定してない。結局二十九年度だけをとつて見れば補給をしたと変りはない。一応、前の補給の態勢でも出世払いなんだから……。これは一体金額にしてどのくらい見積られるか。九千九百九十五億という一兆円予算のために、ただ政府への納付金を少くしてそうして支出を減らしたというにすぎないのじやないか。この点は原君どうですか。それと開銀のほうで一体金額はどう予定されるのか。
  81. 原純夫

    政府委員原純夫君) 金額は概数でございますが、約二十億ということでございます。なお趣旨は、先ほど松永委員の御質問に対してお答えいたしましたように、全額政府出資の金融機関、而も剰余金を政府に納付させるという場合に利子補給するのは如何にも形式からいつておかしいということと、それからもう一つ、先ほどお話がありました点に関連するわけでありますが、一つ海運業界も三分五厘というところまでは助けてもらう、まるまる助けてもらうというのじやなくて、やはり伸して来たら返すというだけの責任はとつてほしいということで、その二つの趣旨でさようなことにいたしたいと思つております。
  82. 小林政夫

    小林政夫君 伸して来たら返すというのは、政府が直接利子補給していたつて同じです。そういうことなら一割或いは一割五分以上の配当のある場合には返すことになつている。そういうことは理由にならないので、結局あなたのほうの筆先で、九千九百九十五億に二十億加えれば一兆なにがしになるので、それのカモフラージユにすぎない操作をやつているということになる。建前はそういう理窟はつくけれども……。
  83. 原純夫

    政府委員原純夫君) 不勉強で年限をちよつと今すぐ持ち出せないのですが、利子補給の場合は収支がよくなれば返すということになつておりますが、それに時間的な期限が附してあつたと思います。従いまして、今回のやり方では期限がなくなるという点が違つて来はしないか、こういうふうに考えます。
  84. 小林政夫

    小林政夫君 いや、期限が附してあつたつて十五年以内ということなんだから、いつでもいい、一割五分以上の決算利益を計上する場合にはそれ以上の分を半分返す、補給を受けた限度において返すということなんです。そうすると、松田さんのほうでは、未収の六分五厘と三分五厘の差額の三分は、どういうことになつたら……出世払いというか、出世したという状態はどういう状態を想定されるのですか。
  85. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 只今その点につきまして運輸省なり大蔵省といろいろお話をしておるのでありますが、例えば利子補給法のほうで行きますと、例えば一割の配当ができるだけの利益が上つた場合には利子補給を停止する、或いは一割五分以上の配当が行えるような利益が上つた場合には、すでに利子補給をしたものを返還させるというような規定でございまして、私どものほうとしてはその前に基準を立てまして、そういう利益の出るもつと前に、或る程度の利益が上がれば返してもらおう、こういう考えでありました。その程度をどういう工合にするかということについて、今、関係御当局のほうと御相談をしておるわけであります。
  86. 小林政夫

    小林政夫君 それでは、予算審議などに入る前までには、我々参議院が予算審議に入るまでには確定いたしますか。
  87. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 確定いたします。
  88. 小林政夫

    小林政夫君 確定次第御報告を願いたい。
  89. 松永義雄

    松永義雄君 ちよつと一点……補給というのは贈与なんですか。利子補給というのは贈与ですか。
  90. 原純夫

    政府委員原純夫君) 一応補給するのでありますが、法律に、利益を計上しました場合には或る程度以上に参ればそれは補給をとめる。それからなお或る程度以上になつたならば既往において補給したものを返してもらう。ただそれをいつまでも引つ張るということをしませんで、契約の結ばれたときから十五年以内であるというふうにいたしておりますので、海運界が好況の時期が割合に近く参りますれば返つて参る、併し長く不況であるというような場合には返らない場合もあるかも知れないという金でございます。
  91. 松永義雄

    松永義雄君 それは今から死んだ子の年を数えるようなもので、法律が通つちやつたのだが、なぜ貸すという利子借りというような形をとれなかつたか。やつたものを返すというのは一体どういう根拠によつて取り上げることができるのですか。そういう約束があるから取り上げるというのですか。
  92. 原純夫

    政府委員原純夫君) 今の補給、それから交付金、補助金というようなものでも、実は仰せの通り、返る場合には、何と言うか、用語例が確定いたしますと、ぴしつとお答えできるのでありますが、実はその辺の用語例の統一ができておりません。本件につきましては、やはり何と申しますか、今非常に海運界が不況にある、何とか支えて行かなければならんという場合に、この貸付だけの考え方ではちよつといけないのじやないかというような感覚、つまり十五年というものに絡まつた実体的な感覚でありまして、全部を返すというのはいけないんじやないかということをやはり考えて一応やる、ただよくなつたらストツプをし、更によくなつたら返すというような、甚だ中間的な何でございますが、こういうような制度にいたしたわけで、用語例についてはなお時間を得て勉強をし統一いたして参りたいと思いますが、それにいたしましても、補給と読んで必ずしも不当というまで、強く全部必ず返すのだというまでの感覚ではやつておらないつもりでございます。
  93. 松永義雄

    松永義雄君 そうすると、こういう場合はどうなんですか。融資する場合に合理化審議会というものが基準を作る、そうすると基準通り開発銀行融資する、ところがその条件に従わないような行動を若し海運業者なり造船会社なりがとつた場合は、その贈与の契約というものはどういうことになるのですか。極端なことを言えば、こういう船を造れといつて基準を与えておるにもかかわらず、それと違つた船をこしらえるとか、或いは金の使い方が悪いとかいつたようなことをした場合に、そういう基準条件として利子の補給をしておるのに、そういう基準を守らない場合においては、その補給した行為というものは取消すことができるのかどうか。わからなければ法制局なりに相談してはつきりしたことを答弁して頂きたい、思い付きでなく。
  94. 原純夫

    政府委員原純夫君) この利子補給及び損失補償法の第十四条というのに、この会社に対する勧告等の権限を運輸大臣に与えておるのであります。不当な経理の是正その他経理の改善に関する勧告、それから不当な競争の排除についての必要な勧告、業務又は経理の監査ということができるようになつております。勧告に従わなかつた場合におきましては、その事実が生じた日までに支給を受け、又は受けるべき利子補給金に相当する金額の全部又は一部を国庫に納付することを命ずることができる、ということになつております。
  95. 松永義雄

    松永義雄君 そうすると今やかましいリベートの問題ですが、最初から一つ聞くのですが、リベートとは一体どういうことですか。誰が誰に金を与えるんですか。
  96. 小林政夫

    小林政夫君 関連して。前の僕の言つた問題に対して主計局から答弁がないのですが、一兆円予算というのは、あなたの言う理由では理由にならんよ。政府補給金を歳出として出す代りに、その開銀から納付額を出させる。こういうことは技術操作であつて、特に政府機関だから補給金を出すのをやめて、開銀の納付額を減らすという、これは事実ですけれども、そこに、そういう一兆円に、九千九百九十五億という五億におさえるために、二十億というものを別にとつたというふうな技術的な配慮があると見ざるを得ないので、その点はどうですか。そうですとは答えにくいでしようが、そういう見方も成り立ちますという程度の答弁はできると思う。
  97. 原純夫

    政府委員原純夫君) 実は一兆円にまとめまするために随分苦労をいたしました。先ほども申上げましたように、その苦労の際に、外航船舶建造融資利子補給金というものは、できるだけ切りたいというつもりはございました。それが結局はつきり切りきれない。やはり出世払いであるけれども、一応三分五厘以上は徴収を猶予しようという結論なつたわけでございます。その辺はそれで二十億を浮かしたというほどきわどくいたしたつもりはないのであります。経過を率直に申上げますと、そういうことでございます。
  98. 小林政夫

    小林政夫君 それから、先ほどは開銀の経理の仕方をお尋ねしたわけですが、相手方はどういう経理をしているか。今の利子、今度の場合で言うと、三分五厘と六分の差額というものは未払い利息に建てるのか。又従来の政府補給金はどういう経理をしておるのか。
  99. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点につきましては、未払い利息として損金処理という形をとつてもらわざるを得ぬかと思つております。
  100. 小林政夫

    小林政夫君 それから既往の政府補給金に対しては、どういう経理をしておりますか。
  101. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は大蔵御当局のほうから御答弁を願うほうが至当かと思います。
  102. 原純夫

    政府委員原純夫君) 船会社は、利子補給によつて安くなりました利率、つまり五分で借りるのであります。ただそれは利子補給によつて安くなつておるのだから、将来この利益を計上した場合には、或る程度以上の場合には返させる、返させると言いますか、その額を出させるということでありますから、船会社のほうは損金処分の利子が五分で計算されるというだけのことだと、当座はそう考えておりました。
  103. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、今のは市中銀行の場合ですね、開銀の場合は補給金を引くと三分五厘、そうすると二十八年度までのものは三分五厘の支払利息で計算する。二十九年度からは利子が上つたとして未払利息で六分五厘に立ててやると、こうですか。
  104. 原純夫

    政府委員原純夫君) 三つの時期に分けて申し上げます。二十八年の八月十五日、法律が施行になりましてから、九月三十日、これは第一期の利払経理になるわけであります。これまでは利子補給額が一分五厘、開銀が貸します利率は一分五厘を七分五厘から引きました六分、但し、うち三分は先ほどのような出世払として猶予する、それが第一期のことでございます。  それから第二期は、七分五厘の金利を今年の二月一日以降六分五厘に改められました。従いまして十月一日から一月三十一日までの時期でありますが、これは利子補給がゼロになる。三分五厘と七分五厘との差四分について出世払いの猶予がある。  それから二月一日以降におきましては、六分五厘というのが、開銀の金利に関しましては三分五厘との差三分について猶予があるというふうに相成つております。
  105. 小林政夫

    小林政夫君 だから、その経理をどうやつているかというのです。その猶予でなしに、船主のほうは一体そういう猶予を受けたものを未払利息に立てておるのかどうか。  もう一遍聞きますが、二十五年十二月一日以降に遡つて補給金を出す。そうした場合に、あなたのほうは金融機関へ出したんでしようが、船会社のほうは金融機関から利子をまけてもらう、それは去年の八月三日ですか、この法案が通つて、それから施行された。だから一遍にうんと今までの利子補給金が入つたことになる。そういうものは経理上どういうふうにやつておるのか。そうして又それは普通の経理をするならばそれだけ経費がなくなつて利益になる。税法上はどう扱つておるのか。
  106. 原純夫

    政府委員原純夫君) 第一の、船会社開銀に待つてもらいます分については、船会社のほうは未払勘定を立てると思います。  それから第二の古い分を固めてとおつしやるのですが、それは六次、七次というような分につきまして、すでに経過した期間の利子について補給をして出すということはないのでございます。その六次、七次の契約のものであつても、二十八年八月十五日以降利子が進行するものについて補給するということでございます。
  107. 小林政夫

    小林政夫君 と思いますというのは、はつきり運輸省ではわかるのですか。
  108. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 小林委員の質疑に関しての答弁がどうもはつきりいたしませんが、従来の扱いはどういうふうになつておるか。それから今度利子の延払、これをどういうふうに経理するか、まだきまつていないなら、船会社のほうとよく協議して、将来の経理方法も明らかにして、次回までにはつきりさして頂きたいと思います。  速記をとめて。    〔速記中止〕
  109. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記をつけて下さい。
  110. 松永義雄

    松永義雄君 先ほど質問したことですけれども、リベートのことですが、いずれ資料が出るかと思いますから、精細資料を調べた上で改めてこの次に質問いたしたいと思うのですが、但しリベートというものは一体どういう実体であるか。それからそれに対する法律観念はどういうことであるか。それから先ほど御説明になりました勧告、或いはリベートと関連して補給金を取消すこともできるのかどうか。一体そういうような点について精細質問したいと思いますから、いずれ法制局長官も出て来てもらいまして、十分一つ研究した上ではつきり一つ考慮して頂きたいという希望を申上げて、今日は一応この程度で終ります。
  111. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 ちよつと松田さんにお尋ねしますが、今、造船融資は七割は開銀で、三割は市中銀行ということになつておりますが、その経緯をもう少しお尋ねしたいのですが、造船計画運輸省のほうで立つて、そして船主協会と、造船協会へ、こういう造船計画をする、それでこれだけの利子補給でやるんだということが、予算も示されて、そうなつたときに各船主から申込みがあるというのですが、造船協会はこれは必要ないと思うのですが、船主のほうから、わしのほうで一つ造りたいから融資を願いたいというので、運輸大臣へこれが出て行く。そうすると、その申請書によつて海運造船合理化委員会というのが、この船主には造ることを認めてやろうということをここで決定するのですか。それとも今のお話でしたら、あんたのほうで一部は審査をする。そうして審査意見というものを出すのですか。運輸省のほうでは運輸省のほうで出す。それを合理化委員会のほうへ出して、これを合理化委員会のほうで最終的決定をするのか。その点一つ……。
  112. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 海運造船合理化審議会では船主の選挙の基準をきめるだけでありまして、そこで何ら具体的な船主の決定はいたしません。そうして先ほど申しましたように、その申込要領で大体船価の七割を開発銀行で行くとか、それから基準船価と申しますか、トン当り幾らという一応の基準とトン当りの価格を運輸省でおきめになりまして、これに重量トン数を掛けたものと、どつちか低いほうで申込めというような、そういう申込要領ができました。それによつて船主のほうから開発銀行のほうに申込んで参ります。恐らく開発銀行にこういう申込みをしたということは運輸省のほうへ勿論行つておると思いますが、正式の書類は開発銀行のほうへ申込をして参ります。
  113. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そういたしますと、開発銀行審査が通れば大体においてこれは造船ができるということになるのでございますか。あなたのほうの審査さえ通れば、一番ポイントというのはあなたのほうの審査ですか。
  114. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は、先ほど申しましたように、合理化審議会基準に、資産信用力経営能力の点と、海運政策造船政策の点と、大きく申しましてその二つに分れるわけです。私のほうは、海運政策とか、造船政策とかいう点は、何分私のほうでわかる問題でありませんので、この点はそのほうの主管官庁である政府のほうでお考えになりまして、そうして私のほうは、資産信用力経営能力の点等から金融機関として調べまして、そうして私のほうの考えも、又運輸省考えも、両方そこで検討いたしまして、そうして意見の一致したところできまる、こういう恰好であります。
  115. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、言葉の上ではそういうふうになるが、事務的の運び方ということになりますると、あなたのほうで一応、後期の分であつたなら、資産信用力経営能力、これ二つがあなたのほうの審査になりまするから、あなたのほうはこれは合格した、これは申込書によつてこれは合格したということになりますると、その上で今度は運輸省のほうで、別途一項から四、五というようなところをやつております。それと突き合せ会議という最終的な決定の会議というものは開かれるのでございますか。開かれる場合は、どういうメンバーで最終決定のメンバーがやるのですか。
  116. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 最終段階は、私のほうの総裁と、それから運輸大臣両者お会いになつておきめになるのです。その事前に、私ども開発銀行の事務当局と、それから運輸省海運局、その他の事務当局の間で大体話合いをいたしまして、大体その話合いのついたところで、総裁、大臣がお会いになつてきめる、こういう結論でございます。
  117. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、事務当局としては順位、或いは点数等で表示するか、甲乙丙にするか、一、二、三、四に順位をつけるか、そういうものが、開銀案というものと、それから運輸省案というものが出揃つて、それを以て運輸大臣と、それから開銀総裁が寄つて、最後案はこれならこれにしようという決定をされるわけですか。
  118. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は大体私のほうで順位なら順位をつけまして、そうして運輸省の事務当局のほうに事前に話をいたします。又運輸省のほうは、あらかじめ私のほうに、航路計画、並びに造船所事情から、こういうのを推薦するということを言つて来ておるわけであります。そうして又私どものほうは、その推薦のうちから特に選んでもらいたいということも両方の話合いがついておりますわけであります、初めに。そういうことでそれを両方で検討いたしまして、大体私のほうとしては、運輸省の言い分があれば、それをその都度、役員会のほうに御報告しまして、そうしてその点はいいだろう、この点はどうだろうかということを事前に役員会のほうに諮りまして、そうして私のほうとしてはこういう考えだということを、その都度、運輸省に話しまして、そうしてそこで一応の結論が出まして、その結論についてまあ再確認と申しますか、そういうような形で、大臣、総裁が最後にお会いになる、こういう恰好でございます。
  119. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、まあ俗に言われる造船申請書を出して、それが通るまでには非常な運動が展開せられているということを、よくまあ巷間、これは噂ですが、飛ぶということになりますと、先ず開銀に対する運動、それから運輸省に対する運動、船主としてはこれは仮りにあつたとするならば、申請書を出して放つておくと、何も言うて来んと、あなたのほうから呼び出しがあるまでよう出て来られんとかいうことは、私は先ずあり得ないと思う。これは巷間飛んでいる噂などから考えて、いろいろな運動をするのであるが、それでは開発銀行に対する運動と、運輸省に対する運動が並行して進められる、こういうふうな結果になるのですか。まあ収賄とか、そういう問題は別ですよ。あなたのほうにいろいろ陳情申請等に行くと、こういうことになるわけですか。
  120. 松田太郎

    参考人松田太郎君) もう非常にたくさん私のほうには陳情に見えられます。恐らく運輸省のほうにもそうじやないかと思いますが、少くとも私のほうには非常にたくさんのかたが見えます。
  121. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、その陳情を受付ける一応矢面に立たれるのは、松田さんがお立ちになるのですか。
  122. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は、私のほうは全部役員会できめますものですから、各理事それぞれに見えますし、それから或いは関係部局のほうにも行くのじやないかと思いますけれども、少くとも我々理事のほうには、皆のところに見えますというような状況であります。
  123. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうして最終的な開銀の態度決定は、理事会の決定によつて、決定する、こういうことになつているのですか。
  124. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その通りでございます。
  125. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうして、一旦あなたのほうが決定し、運輸省のほうも最終の決定をするということになつたら、今度は市中銀行に対するこの三割も借り得るというのは、これは一体船主がみずから借りに行くものであるか、それとも、もう開銀のほうでこれは斡旋をしてやることになるのですか。どうなのですか。
  126. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 市中銀行は自分の責任で借りて来ますのでありまして、開銀が斡旋をするというのではございません。
  127. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、併し市中の三割が仮りに借りられないというような場合も起り得ることであると思うのですが、そういうことは全然ないのですか。
  128. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 事実問題としてはそういうことはございませんが、私はあり得る問題だと思うのであります。市中が結局三割をつけなければ、それは成立しないわけでございますから、結局駄目になるということであります。
  129. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうしますと、あなたのほうへ借りに行く場合には、先ず市中の三割は見通しがついて、借りれるということを保証されてから、あなたのほうへ来るものか。それともあなたのほうの七割が決定してから、市中銀行へ借りに行くのか。これはどつちが先になるのか。
  130. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 私のほうの七割が決定いたしましてから、市中銀行に話を持つてつてきめるという恰好になつております。或いはもう実際問題としては、市中銀行にも並行してやつておられるかも知れませんけれども、考え方としましては、うちの七割がきまつてから、この市中の三割という確約書を以て、そしてうちの七割がつき、三割の確約書がつくということになつて、始めて運輸省のほうでそれに対して建造許可を与えまして、建造許可が与えられますと、そこで私のほうは正式に融資が決定されまして、そうして船主のほうと契約書を取り交わす、こういうことになるのであります。
  131. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、まあ仮りに運動が起つているとするならば、船主としてやろうとする場合に、今もお話のございましたように、汚職だとか、そういう問題は私お尋ねしませんが、運動しなきやならんということになると、船主側としては……、仮りに私個人が船主としてやるとするならば、先ず開銀のほうに行つて、これを運動しなきやならん。それから運輸省をやらなきやならん。それから市中銀行のこの三割のほうもやらなきやならん。こういうことになるわけですな。三つ整わなきやならん……。
  132. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 三つ通らなければいけません。
  133. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それは、かくいたしまして、一応、船が一艘造れるということに最後決定をするのでございますが、あなたのほうでも、これらに対するいわゆる資産信用力、それから経営能力等は、これはもう一番あなたのほうの調査対象にしなきやならんと思うのでありますが、従いまして、個々審査をするときが一番やはりポイントになるのじやなかろうかと思うのです。まあ運輸省の最後の決定をする場合には……。従いまして、これらの審査理事の一人として最終決定をされる場合におきましては、これはそれぞれ理事が持つている資料によつて、感じによつて発言するとか、投票するとかいうふうな御決定になるものか。或いは総裁の最後決定、決裁を仰ぐまでは、やはり皆意見を述べるだけ、こういうふうな方式をおとりになつているのか。これは、内容は重大な問題だと思いますので、一つ……。
  134. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点につきましては、審査部長からの、各社を審査いたしました内容を役員会にかけるわけであります。そうして役員会で、各理事は、意見を言うべきところは意見を言い、又その質すべきことは質すという意見の交換をいたします。そうして最後に総裁がそれを決定する。こういう恰好になつております。
  135. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうするならば、最終決定は、結局今まあ平林さんが言われた、総裁に決定権があるのであつて理事会において採決をしてきめるとか、或いは秘密投票によつて、採点方式をとるというような、こういうような方式をとられてはいないのですか。
  136. 松田太郎

    参考人松田太郎君) そういう方式はとつておりません。従つて最後の決定権は、私の立場としましては、開発銀行においては総裁にあるわけであります。    〔「だから重大だよ、大変な問題だよ」と呼ぶ者あり〕
  137. 小林政夫

    小林政夫君 今の運輸省が推薦をしますね。いろいろな基準によつて航路計画等と睨み合せて推薦する。今までの融資を……。その事例で、運輸省が推薦をしたものを、あなたのほうで資産信用力、或いは経営能力考えられて、いけないと、落したという事例があつたのですか。
  138. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 私のほうといたしましては、運輸省から推薦がありましたものについて、事細かに調べまして、大体A、B、Cというようなランクをつけまして、そうして運輸省のほうに連絡をとるわけであります。
  139. 小林政夫

    小林政夫君 だから、その運輸省が推薦したものの中で、あなたのほうでA、B、Cというランキングを付けてやられるんだが、あなたのほうのCというようなものは今まで必ず落ちるということなんですか。その点はどうなんですか。
  140. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点につきましては、私のほうはA、B、Cの順序は付けますが、例えばそのC等につきましては、A、Bに比べれば悪いけれども、併しいろいろの補強工作ですが、例えば担保の点が、他社から担保を提供するというようなことで申出ているものもございますし、又或いは連帯債務として同じ系列の一流会社に付くというようなこともございますが、そういうような補強工作が付くものならばこれはいいというようなものもございます。結局そのうちで運輸省のほうが、最後に申しましたように航路計画造船事情から更に十分検討されてきめる、こういうような事情でございます。
  141. 小林政夫

    小林政夫君 だから私の思つているのは、今、菊川氏の質問で、どうも開銀運輸省とがどつちが決定権を余計持つておるかという点が狙いなんですがね、聞いているのは……。並列しておるのか或いは少くともあなたのほうでお取り上げになるときには運輸省が推薦して来なければ取り上げない、更にその運輸省の推薦したものを、金融眼的な、金融業者としての眼で見ての判定を付ける。最後はその総裁と運輸大臣との話合いというのですがね。実際問題としてウエイトはどつちにあるんですか。
  142. 松田太郎

    参考人松田太郎君) それは両方とも大体同じようなウエイトじやないかと思つておりますが、要するにそういう意味で、私のほうが資産信用力及び経営能力の点から検討をいたしまして、それから運輸省のほうは先ほど申しましたように航路計画及び造船事情から検討いたしまして、そして両者意見の交換をいたしまして、そして意見の一致したところできまる、こういうことでございますから、ウエイトにそう大して開きはないと思います。
  143. 小林政夫

    小林政夫君 それじやついでに資料を要求しておきますが、第一次から十次までその運輸省船主募集しますね、いろいろ基準が変つてるようですが、これはどうせ公表したものでしようから、あなたのほうへ融賃を申込んで、適格船主と言いますかね、この基準があるはずですね、これを一つずつとまあ一次、二次、十次まで資料として出してもらえませんか。
  144. 松田太郎

    参考人松田太郎君) それは合理化審議会基準というようなものでよろしいのでございましようか。
  145. 小林政夫

    小林政夫君 それに適格したものがあなたのほうへ融資を申込むわけでしよう。ですから、合理化審議会に必ず今まで全部かけておりますか、一次から……。
  146. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 合理化審議会のほうへかけるようになりましたのは、たしか八次の後期からかと存じますが、その前はいろいろな方法があるようであります。
  147. 小林政夫

    小林政夫君 ですから、そのいろいろな方法を、どういう変遷があるのか、一次から最近までの運輸省で取上げる基準ですね、これを資料として、これはまあ運輸省から要求すべきでありましようけれども、あなたのほうでどうせ受付けておられるのだから、あれば全部……。あなたのほうでは、八次の合理化審議会以降の分しかないというのなら、その前の分は別の機関から出す……。
  148. 松田太郎

    参考人松田太郎君) それは、できますれば九次前期後期、私のほうで取上げました分は私どものほうで集めてもよろしゆうございますが、その前の分は私のほうは関係がございませんから、運輸省のほうからお取寄せ願いたいと思います。
  149. 小林政夫

    小林政夫君 その資料委員会としてとつて下さい。
  150. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 承知しました。
  151. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それじや次に、五の、「船価の低廉について十分に努力した者」、こういう条項がついておりますが、ところが、俗に言うリベートがあつたとか何とか言われるのですが、あなたのほうでは、この船価の低廉について努力したということは、原価計算、或いはその船を一艘造るに世界的な原価はどういうふうになつておるかというようなことも勿論調べられて、そうして今度は安い良い船を造るという計画を出して来たものを、これを優先的に採用する。こういうことになつておるのだろうと思いますけれども、そういうような標準は十分お調べになつておるのですか。
  152. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点につきましては、各社から、一応、船価幾らということになつておる場合に、どういう構成でそういう船価なつたかということについては、資料を求めまして、そうして私のほうでも素人でありますが、十分検討して、十分わからないときは運輸省の船舶局が所轄をしておりますものですから、そのほうにも聞きましてやつておる、こういう状況であります。
  153. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それで最後の決定は……先ほどのをもう一遍お尋ねしておきたいのですが、開銀総裁が理事会に諮つて、そうして最終決定を総裁がやつて、そうして開銀のほうは、この船主、この船主ということにきまるということと、運輸省のほうが又独自にやるのか。そのきめる前にもう一遍折衝してきめるまでに行つたときに喰い違いがないようにして、運輸省運輸省で独自の審査をやつて、それを寄せ集めて調整を図るのか。これはどういうふうになつておるのですか。
  154. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 前にお話なつたようなことでやつております。つまり私のほうも運輸省のほうと事務的に折衝いたしまして、そうして大体意見の一致したところで、私のほうとしましては総裁がそれを決定をされまして、そうして運輸省運輸大臣がお考えをきめられると思います。そのあと両者がおきめになる、こういう恰好になります。
  155. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、運輸省の代表として事務折衝に当られるのはどなたか。それから開銀は誰が当られるか。この点一つ
  156. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 運輸省のほうにおいては主として海運局長が当ります。それから私のほうは私が当ります。
  157. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、結局ポイントはあなたと岡田海運局長との折衝が大体山になる、こういうことになるわけですか。
  158. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点につきまして誤解があるといけないと思いますが、私のほうとしましては、私が向うのほうに話をいたします場合にも、一々役員会にかけて、その役員会の結論を持つて向うに連絡して、そうして向うから話があつたことはすべて役員会にかけて、そうして役員会の意向によつて返事をするという形であります。一応その間の使いと申しますか、使いと言つては語弊があるかも知れませんが、折衝を、そういう意味での向うとの連絡をやつておりますので、つまり我々理事開銀におきましてそれに対する決定権も何もございませんので、理事が例えば海運局長と話をして、これはこうしよう、ああしようという結論を私の権限でするわけに行かない、その都度役員会の意見を聞いてそれを向うに連絡する、こういう意味の折衝です。
  159. 青柳秀夫

    ○青柳秀夫君 速記をやめて頂きます。
  160. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  161. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 速記を始めて。
  162. 平林太一

    ○平林太一君 大蔵省にこの際答弁を……。主計局次長原純夫君が来ておられますので……。これは重大な質問です。あなたのほうは、開発銀行法の第四十二条「大蔵大臣は必要があると認めるときは、日本開発銀行に対して報告をさせ、又はその職員をして日本開発銀行の事務所に立入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他必要な物件を検査させることができる。」これは国会において我々が議決した。そしてあなた方にこの公務を、いわゆる大蔵省の行政事務として、こういうことをいたすべしということで、日本開発銀行というものを作つたのです。こういうことをおやりになつておるかどうか。もはや今日かくのごとく、今日の質疑応答によくこれは明瞭である。こういうことをおやりになつておるかどうか。原君から伺いたい。
  163. 原純夫

    政府委員原純夫君) 銀行局総務課長がみえておりますので、そのほうから……。
  164. 大月高

    説明員(大月高君) 開発銀行に対する大蔵大臣の監督権は、只今平林委員お話のように、四十二条に基きまして、報告を取り、それから検査をするという権限を持つております。その他、役員の任免権その他あるわけでございますが、これは適時必要に応じて報告をとつております。ただ検査につきましては、まだ今までやつたことはございません。
  165. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、今の答弁はよく了承した。それで、この際は検査を即刻にすべきである。第四十二条を適用して、いわゆる開発銀行の業務状況、経理状況、それから、そのいわゆる総裁、副総裁がどういう動きをしておるか。これは検査をすればちやんとわかる。これは要求いたしておく。それに対して御答弁を伺いたい。
  166. 大月高

    説明員(大月高君) 検査をするかどうか、或いは報告を取るかどうか、いろいろ監督の態様がございますので、十分研究いたしまして、検査の必要があれば検査をするということにいたします。
  167. 平林太一

    ○平林太一君 必要があるということは、国会としては、大蔵委員の私としては、全国民を代表して、今日いわゆるこの開発銀行に対しては検査を必要とする。今日は……。これをしないということになりまするというと、あなた方は自己の職務というものを完全に遂行しないという重大な問題になります。ですから、ここで総務課長にそういうことのイエスを、ここでなにをするということは暫らく待つとして、今日帰つて十分御協議されて下さい。  それから第二は、四十条は、その検査の結果、業務命令を発動するということになつておるが、これは今日まで展開された日本開発銀行の実情から言えば、当然これは業務命令を発動すべき今日の段階になつておるのだから、このこともあわせてここで即答を私のほうから求めることは、あなたの権限においてできないのだから、避けておきますが、それだけの用意を、業務命令を発動するという用意の下に、検査をいたすということを、この際、私のほうから強く要求いたしておきます。これは法律だから、法律以外の行為をせよということではありません。このことを至急帰られて、関係当事者と……、大蔵大臣小笠原君にもこの間よく話してあるので、大体わかつておるはずですから、第四十条と第四十二条を至急発動して下さい。資料といつたようなものは、原君に御参考までに申上げておきますが、今日委員が要求したところの資料を、開銀の今来ておる両君に資料を出すようにということですが、資料というものは、五日なり、六日なり、十日なりかかるが、その資料を出しても、その資料なるものは、今日までの例から言つても、その資料というものは、自己に都合のいい、自己を弁護、庇護する資料しか出ない。これは当り前のことである。だから、その資料に対して、例えば我々が学校の先生から資料をもらつて、それに基いてそれによつて問題をやるということでは、この問題は済まされん問題である。ですから、あなたのほうが開発銀行の事務所に立入つて報告を求める、立入つて開発銀行の内部へ入つて、そうしていわゆる帳簿を実際に検査して、又その総裁、副総裁からもその経緯を聴取して、そうしてそれを我々のほうへ報告しなければ、これは厳正なる資料とはなり得ない。これはどうしても、事ここに至りますれば、大蔵省はこれはしなければならんことであるから、その点を強く要求いたしておきます。
  168. 大月高

    説明員(大月高君) 只今第四十条の業務命令お話がございましたが、この開発銀行法の建前といたしましては、極力その業務は自主的に行わしめるという根本方針で、できております。従いまして、細目につきまして、一々大蔵大臣において指示をするということは、極力避けるという方針で運営をしておるわけでございます。勿論、四十条二項の業務命令を出す権限はございます。これはよくよく必要な場合に、どうしても命令を以て措置しなければいけないというような場合に出すという方針をもつておりまして、できれば命令ということでなく、お互いの話合い或いは監督ということで処置いたしたいと思うのです。勿論必要がある場合にこの業務命令を出すということは、これは勿論差支えないわけであります。それから開発銀行から出します資料について信憑性がないというようなお話もございましたが、只今行政としてやつておりますところでは、金融機関の報告というものは大体信憑性があるものであるという前提で私どもは行政をやつておる次第でございまして、何らか重要な書類に間違いがあるとか、故意に歪曲した問題があるというときに初めて問題になると存じております。又検査にいたしましても、直接そこへ立入つてみなければどうしてもわからないというような場合にやるべきであると考えるわけでありまして、できるだけ開発銀行の自主性というものは尊重して参りたい。  それからもう一つ開発銀行の業務につきましては、政府機関でございますので、会計検査院において、会計、経理の面は厳重に毎年検査いたしております。決算の報告も出ておるわけでございまして、そういう点におきまして、政府全体といたしましての監督は又別の面からも併せて十分やつていることと承知いたしております。
  169. 平林太一

    ○平林太一君 こういうことなんですね。今の答弁だが、今あなたの御答弁になつたことは、この条例というものを非常に歪曲しておる、我々から言いますれば……。ですからやはり行政に携わる者は法律によつてやるのだから、その通りのことは、この字句をよく御覧になればよくわかる。この字句の通りにおやりなさいということなんです。そうすれば当然これは何らかの開発銀行に対する発動というものは出なくちやならん。それは今日あなたに対して何かここで即答しろということは、私あなたの職務上に対しまして、そういうことは考えられないわけであります。これは大蔵大臣がこの間来て、考えましようということで、それは成るほどそうだということなんです。これは併し大蔵省がこのままに何らかの措置をとらないで、言を左右にして、而も中の内容を歪曲してしないということになりますと、これは法律というものは何らの用をなさないことになる。法律はただの紙になる。大衆にのみ厳重であるということであり、小さな事件にのみ、大衆がやつた行為に対してのみ厳然として法律というものは冷厳そのものである。開発銀行という大きなものに対しては、大蔵省から開発銀行に対して、いわゆる事務所に立入らなければいかんのです。立入つて報告を求めるということであれば、あなたのおつしやる資料というものは私の見解と異なつてつたが、そういうものではない。世の中の常識なり現実というものは……。誰が資料を寄越すのに自分に不利な資料など寄越す者はない。必ず自分に有利な資料というものを提供するのは当り前であるから、これは法律、条例に基いて、開発銀行の中へ入つてお調べになつて、その結果を国会に、国民に報告するということで、一向差支えないと思いますから、そういうふうに申上げておきます。
  170. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は菊川委員質問に関連してでございますが、松田さんにお尋ねいたしますが、海運局から出て来る船主の推薦順位というものは、あなたのほうの出されるA、B、Cという同じような順位が出て来て、あなたのほうが選ばれる場合に、その推薦順位の中にあるものをあなたのほうから選ばれるわけですか。そうでなくて全然別の角度からあなたのほうへ申出があるときに、資産、信用、経営能力というもので選んでおられるのですか。
  171. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点はこういうことなんです。運輸省のほうとしても、船主航路計画、或いは造船所事情というような点から、事前にそういう点に適合するものを開発銀行のほうに推薦をするわけでありますから、開発銀行としてはその中から資産信用力、並びに経営能力の点についていいものを選んで、そうして意見の一致をみたところで決定する、これについて、航路計画とか、或いは造船所事情とかというような点から落ちるものについて、こちらが審査をしてはどうかという考え方も勿論あつたのであります。併しながら事実問題としましては、この申込を締切りましたのは確か八月の二十二日が締切りでありまして、そうして運輸省のほうからその推薦がございましたのは九月四日と記憶しております。それでその間、私どものほうとしましては、勿論申込がありましたものについては、いずれも資産、信用並びに経営能力等については審査もしておりましたが、併し九月の四日に至り、向うのほうから航路計画並びに造船所事情からして、こういう経緯の者を推薦する、それについてはA、Bと分かれて推薦されております。
  172. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると、大ざつぱに申しまして、大体あなたのほうがそれは八月二十二日に締切られて、そうしていろいろと調査をされた。併し非常にいいもの、あなたのほうで言えばAに適合するところの推薦の中で、全然落ちておつたというようなところが事務折衝になるのか。本当なら、推薦の中から選ばれるというなら、もう事務折衝をする必要はないのじやないか。もつと言えば総裁と大臣と会う必要がないじやないか。どういうところが事務折衝になるのですか。
  173. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は御承知のように、二十八年度の計画として、三十万トン計画が立つた。そのうち二十九年度の上期に約十万トン、詳しく申しますと九万一千トンばかりのものがきまりました。下期が二十一万トンでございますか、その程度のものがあるわけであります。その点は運輸省はそれ以上に当るところを多く推薦して見えておるのであります。その推薦のうちから、私のほうが資産、信用、経営能力の点から向うに申上げておるようになつております。推薦がお話のようにきちんとトン数に相当する分に限定されていれば、今お話のようなことは起るかも知れませんが、向うの推薦はそれ以上のトン数になると申しますか、船主の数から申しましても、隻数から申しましても、今の二百二十億なら二百二十億の二十八年度の資金計画それに上廻るものを推薦して参つておるのであります。そのうちで、そういう資産、信用、経営能力その他の事情を申上げまして、更に向うから、そのうちから造船所事情航路計画から、こういう工合にしたいという意見が出るわけであります。
  174. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それから、融資の場合に、先ほどお聞きしておりますと、開銀の七がきまつてから市中銀行の三ということがあとからきまつたということですが、実際、船主からあなたのほうに行つて、いろいろ事情を訴えられて、私のほうは大丈夫ということで、市中銀行の三は確保されている、或いは造船所はかくかくのところだというような、そういうところまで言つて、実際陳情と申しますか、運動をされるのではありませんか。
  175. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 自分のほうの造船所はどこだということは、これは申込の書類に上つております。ですから、その点は初めからはつきりしております。今の、自分のほうは市中銀行はできますとか、ですから開銀のほうにお願いしたいといつた言い方はいたしません。
  176. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それに関連して……。そうすると、造船所といたしましては、これは船主との間の折衝だけであつて、全然開銀だとか運輸省には関係がないのか。造船所事情というのがあるのですね。選考基準の中に……。造船所はここにやらすという指示は全然なくて、ただ三井船舶なら三井造船にやらせるとか、石川島にやらせるとかいうことなのか。その点はどうなるのか……。
  177. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点はなお詳細は運輸当局からお聞き頂くのが一番正しいかと思いますが、実際船主が申込んで参ります場合に、今の造船所事情と申しますか、各造船所の、どこの造船所に作らすかということをちやんときめて参つて来るわけです。船主が申込んで来るわけです。従つて甲乙の造船所がありまして、そうして造船所事情から見て、空白状態が長いとか、そういうような点から見て、又造船所の技術或いは経験というような点から見て、こういつた造船所がいいというような場合には、それにそれぞれ船主がついておりますね、その船主の状況が大体同じである。而もその場合に造船所事情から見れば甲よりも乙のほうがいいような場合には、造船所事情からして、それについて申込んで見えている船主のほうを採用するというようなことがあり得るという意味なんですね。
  178. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、場合によつては、船主の希望する造船所運輸省なりが変更させることもあり得るということですね。今言つた、例えば三井造船のほうではいつも船台が空いている。石川島のほうは混んでいるというような場合には、石川島のほうを三井に廻したらどうかというようなことはあり得るわけですね。
  179. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点につきましては、今回の場合で申しますと、船主の決定になりますまでにはそういうふうなことはございません。又実際問題としてそういうことは運輸省としてはなさらないのです。ただ船主が決定しましても、一、二、船主並びに造船所のほうの意向も伝えられたようでございますが、造船所あとから変更されたようなことはあるようでございます。
  180. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 先ほどの私に対する御答弁の中で、船主協会とそれから造船工業会のほうに、こういうふうに知らすということをあなた最初に御説明になりましたですね。船主が勝手に自由に選ばれるということであつたならば、造船工業会のほうに知らす必要がないと思うのです。なぜ造船工業会のほうにそれを知らせるのかということが一つ。  それからもう一つは、各造船所は、いろいろ主だつた造船所はございますけれども、この造船所というものは、殆んど技術においても、それから船をこしらえる能力といいますか、同じ船一隻こしらえましても、いいのができるところと、あんな精巧な機械でございますから、いい船ができるところと、それから二流というのがあると思う。昔から言つてつた三菱の長崎造船所などは、何と言つても、これはわかりませんけれども、技術陣といい何といい、良いと思います。播磨などというのは、昔は二流だと我々は見ておつたのですが、今はどうなつておりますか、そういう点については殆んど水準は一緒だ、こういうふうに見ておるのかどうか、あなたのほうの見解は……。  それからトン当りの値段というものはどこでも一定したものであるか。こんなものはどうなつておりますか。審査される場合、全然あなたのほうでは見ないというわけではないでしようね。運輸省のほうはあとで聞きますけれども……。
  181. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 今の第一の点は、運輸省のほうで私のほうに対する申込み要領というものはこういうものだけれども、それについてなぜ運輸省のほうが主としておやりになるかと申しますと、それには、例えば九次の前期或いは後期についても、こういう種類の船でこういう型の船を政府としては要望している。それから又これに対しまして、大体船価の七割というものが開銀から融資される。それから又同時に、船価の七割という計算の仕方と、それからトン当り船価基準幾らにするとかというちやんと表になつております。そうして、それにその重量トン数を掛け合せたか、その船価の七割と今の基準トン当りの船価の重量トンをかけ合せたものに対する価格と、いずれか低いほうというふうな標準もあるわけで、そういうような造船所関係の標準もございますから、恐らく運輸省としては船主協会造船工業会両方にやつていらつしやるのじやないかと思います。これは前から運輸省のほうがそうなさつておるわけであります。  それから第二の、今の造船所事情上によりまして、これは先ほど申しましたように、どこまでも造船所事情については運輸省考え方を私どもは尊重いたしまして、それに対して、私のほうが、仮にこの点に疑問の点があれば運輸省には伺つておりますけれども、これは運輸省造船事情に対するお考えを私のほうにおいては尊重いたしております。  それから第三の船価の問題でございますけれども、これについては、先ほど申上げましたように私のほうといたしましても、船主のほうから資料は取りまして、そうして同じような船もありますが、同じような仮にトン数にいたしましても、そこにいろいろ構造の違いがあるわけでございます。そういう構造の違いが必要かどうかということについては、私ども聞きますし、又そういうわからんところは、先ほど申しましたように、船舶局のほうにもお伺いしまして、そうして私のほうとしてはそういう点を素人なりに比較検討いたしまして、そうして大体こういう船価ならいいだろうというような考え方をきめるわけでございます。
  182. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 先ほど菊川君も尋ねておられたのですが、結局そうすると、造船所というものは船主とぴたつと一緒になつちやつていて、切離された例は一度もない。あなたのところに運動に来るというようなことを先ほどおつしやられましたが、そういう場合には船主ばかりではなくて、くつついたところの造船所も一緒になつてあなたのほうにいろいろとお願いをするという、こういう形がとられているというふうに了解してよろしうございますか。
  183. 松田太郎

    参考人松田太郎君) そういう場合も勿論ございます。今の船主さんも見えますし、それから造船所さんと一緒になつてお見えになることもあります。
  184. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これは参考のためにお聞きしたいのですが、造船所を決定するということは、船主が、本当に船主造船所だけの間できまつちやうことが今までの例である。言葉の上ではそういうこともあり得るというのじやなくて、実例というのは殆んど船主造船所だけできまつている。こういうふうに見て差支えございませんか。
  185. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 先ほど申しましたように、船主が申込んで参ります場合には、造船所をきめまして申込んで参つております。そういうことを私から申上げていいかどうかわかりませんが、考え方としては私はいろいろあると思う。例えば、いつもお話申上げますのですが、仮に電力会社融資を申込んで来る場合には、あらかじめどの請負業者にやらすからなんといつて申込んで来ない。私のほうは、総裁も言われるのですが、私のほうでは船主を決定する、従つて運輸省にも船主だけを申込んで来させるようにしてもらつたらどうか。そうして船主がきまつたあとで、船主がもつといい船を勉強して造る造船所に注文するという、そこに競争が行われれば、自然、船価も下つて来るのじやないかということを申上げるのですが、運輸省としても、いろいろ造船所事情もおありと思いますが、運輸省としてはそういう方法はお考えになつているのじやないかと思いますが、現実の問題としては、船主が申込まれるときには、船主がどの造船所に自分のところはきめるからということをはつきりきめられて申込んでおります。
  186. 小林政夫

    小林政夫君 実際、事務当局だけで本当にきまらなくて、そして総裁と大臣が出てきめるというようなことが多いのか、実情は。或いは事務当局関係で大体きめてしまつて、形式的に総裁と大臣がきめられることが多いのかということが一つ。  もう一つは、秘密会などで、何かの資料などで、あなたのほうが船主がこんなことだという順位というものをここに参考資料として……、信用問題があるかと思いますが、出されるようなことを我々が要求したとしたら、どちらかの立場において発表されることができるものかできないものか。この二点を伺いたい。
  187. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 今の最初の総裁と大臣云々ということにつきましては、私のほうといたしまして、やりましたのは前期後期二回ございます。両方とも事務的に話がつきまして、その上で、総裁、大臣がおやりになつたのです。  それから今の資料につきましては、これは監督官庁の大蔵当局の御意見も受けなければならないと思いますが、これは私個人としましては、そういう御要求があるならば、秘密会にはして頂かなければならんと思います。そういうお話を申上げてもいいじやないかと思つておりますが、これは私個人の考えです。
  188. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 今の点に関連して、ちよつと不躾けなお尋ねをしますが、感情を害さないように……。陳情々々と言いますが、あなたのほうへいろいろ希望を申述べたり懇談に見えると思うのですけれども、これは主としてお会いになるのはどこでございますか。
  189. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 私のほうに面会室がございまして、その面会室で会います。
  190. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それじや、まあ船屋さんというのは、非常にそういう戦術は、陳情戦術は上手で、帰りにもう待ち受けておつて、ちよつと自動車が待ち受けておつて盛んに運動をするということは、これは公然運輸省あたりの噂として聞いておるのですがね。あなたのほうに対してもそういう誘惑等というものは実際あるかどうか。この点について率直に一つお答え願いたい。これはあなたを信用していますから……。今晩は一つここでこういう具合に招待……、或いはマージヤン招待、或いはゴルフ招待等は、実際問題としてあるものかないものか。そういう点について、あつても、あなたが行つたという意味じやないのです。そういうことが事実あるものかどうか。それを一つお答え願いたい。
  191. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 私の知つておる範囲においてはございません。
  192. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、開銀に対しては少くともそういうものは全然ない、こういうわけですね。向うが来てあなたのほうはお会いになるのも、面会所で会われるだけであつて、そういうものは全然ないと、こういうお話ですな。
  193. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 私の知つておる範内においてはございません。
  194. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それでは、次にお尋ねしたいのですが、依頼に来る場合に、いろいろその会社を支持しているとかいうような、或いは造船所が或いは自分の地元であるというような関係で頼まれる場合も、私らでも、例えば或る造船所の労働組合が、これは一つ運動してもらいたいということもあり得るので、その場合、将来頼みに行かなければならん場合もあると思いますが、そういう国会議員なんかでも依頼を受けてあなたのほうの面会所にやつて来る場合があり得るのですか。
  195. 松田太郎

    参考人松田太郎君) そういう場合はございます。特に造船所の組合のかたが見えまして、それからその土地の町長と申しますか、或いは村長さんとかそういうかたも非常に熱心なところはお見えになります。
  196. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 その点については国会議員でもやつぱり行く場合もあるわけですか。
  197. 松田太郎

    参考人松田太郎君) たまにはお見えになることもございます。
  198. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それじや今まで見えられた国会議員の名前等については、これは秘密会でもいいからお聞きするわけには参りませんか。
  199. 松田太郎

    参考人松田太郎君) そういうことはどういうものでしようか……。
  200. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 速記に載らなくても結構ですがね、一つお聞きして……。我々も将来行くかも知れない。造船所の組合から頼まれて、一つつてくれ、大蔵委員一つ……、まだ行つたことはございませんけれども、そういうことは何も悪いことじやないことです。いいことだと思うのですがね。
  201. 松田太郎

    参考人松田太郎君) そういうことはどうでございましようか。そういうところまで申上げることはお許し願つたほうがいいのじやないかと思いますが……。
  202. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それじや、まあそれはお聞きしませんが、その次に、最後に申上げたいのですが、やつぱり個々の決定をする場合には、最終的決定は開銀総裁と運輸大臣にある、こういうことはやつぱり一つのあなたの今のお話でしたが、問題点になる。というのは、委員会がありましてもこれは原則をきめるだけであるというところから、この委員会が最終的決定をする場合には、これは認めるか認めぬかをずつと十何人かの委員がおりましてこれに対して投票してきめるとか、そうしてその委員会が責任を持つということになりますると、或る程度今までの問題は防げるのじやないかと思います。それからもう一つは、造船所船主との……今のあなたのお話で大体はつきりしたのですが、造船所船主はあらかじめ決定してしまつている。普通でしたら、大体何億というような船を拵える場合には、これは競争入札と申しますか、というようにやるのですけれども、大体併しこの郵船会社は三菱を使うとか、三井船舶は三井造船を使うとか、これは従来からの関係、これは親子の関係にありますので、そういう場合は別といたしまして、そうでないような場合に、これはずつと初めから決定してしまつているというところに、多少のリベートというのですかな、割戻しが来るというやつですね。割戻しを条件に決定して、そうして融資の運動をすると、俗に言われているその事件が起る危険性が多分にあるのじやないか。そういうように思うのですが、どうですか、その点。カンとして……。
  203. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点、私として何とも申上げるわけには行きませんけれども、事実としてはそうなつておりますし、それから恐らくそれについてはいろいろな沿革もございましようと思いますけれども、その点、詳しくお聞きになるならば運輸省のほうからお聞き願いたいと思います。
  204. 小林政夫

    小林政夫君 私はこれは率直にお答え願いたいと思うのですが、今の菊川委員との質疑応答を聞いておつて、これはもう従来開銀を作るときからの話なんですが、大体、銀行として開銀の自主性を尊重する、先ほどの総務課長のお言葉にも、開銀の自主性云々ということがあり、そうして大蔵大臣或いは銀行局長も、口を開けば開銀の自主性を尊重してやるのだ、要するに国は造船にいくら、それから電源開発にいくらというふうな資金の大割をするだけであつて個々融資については開銀の金融マンに委せる、こういうことを言つている。ですから、今の造船融資については、最後の、一体どの船主にやらせるかということまで運輸大臣と相談をしてきめるということは、これは著しくあなたのほうの自主性はないということを言つていい。その点について特に、審査部長も見えているようですが、あなたの業務運営の場合において、開銀の自主性という点から考えて、所感を……これは一運輸省に限らんと思いますが、通産省或いは農林省その他の、これは私はこの前に、大月総務課長じやないのですが、前の総務課長から政府部内の開銀とのタツチする点を表にしてもらつておりますが、実際問題としては非常に自主性が少いのじやないかという気がするのですが、どうですか。
  205. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点につきましては、お考えの点御尤もと思うのでありますが、ただ海運につきましては、先ほど申しましたように、船主選考基準というものも合理化審議会から答申が出ておりまして、そうして船主選考内容といたしまして、先ほど来申しました大きく言つて二つの要素を含んでおりますものですから、従つてこの問題に関しては、お話のようにいわゆる開発銀行の自主性というものは多少欠けるのじやないかということになるのであります。その点は、開発銀行としても、この船の問題については今の合理化審議会選考基準がございます以上やむを得ない、こういう解釈でございます。
  206. 小林政夫

    小林政夫君 だから、基準はいいんですよ。その基準の中において、一応あなたのほうは基準を度外視するわけに行かないから、基準は、衆智を集めて合理化審議会基準を立てれば、それであなたのほうが独自の判断をするというか、そのベースに乗つたものを、その枠内であなたのほうが独自な判断で、この船主にやらせるということをきめられればいいので、いろいろ金融業者としての眼を以て御覧になつて、その基準に乗るのがたくさんあるから、その中からセレクトされればいいので、形式的な基準に乗つているけれども、どうも経営能力がゼロだというようなものを、まあABCと付けて、Cへいろいろな理由があるかも知れませんが、とにかく運輸大臣が何とかかんとか言つたようなところでやらざるを得なくなるところに問題が発生するのじやないか。だから、最後は小林総裁がきめられるならば、小林総裁に全責任を持つてもらう。基準にはずれたことをやればこれは問題にならんけれども、あなたのほうの自主性という意味からいえば非常に損われて、担当のあなた方としては不満なのじやないか。一つ率直に聞かしてもらいたい。遠慮する必要はない。
  207. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は、先ほど申しましたように、選考基準二つの要素、即ち資産信用力の点、経営能力の点、それから航路計画造船事情の点、そうして資産信用力及び経営能力の点につきましては私のほうが責任を持つて選考をいたします。  それから最初にちよつと申上げましたように、結局最後は運輸大臣建造許可権を持つておられまして、仮に私のほうが幾ら船主選考いたしましても、運輸大臣が、特に航路計画の点とか、或いは造船事情の点とか、或いは又運輸省運輸省として資産信用力の点を検討していらつしやるようであります。そういう点から、運輸大臣建造許可をしないということであれば、そうなるわけであります。従つて、そこは私のほうで資産信用力の点からきめました点と、運輸大臣建造許可というものが合いますことが望ましいことでありますので、そういう意味で今の協議をいたしておるということなんです。
  208. 小林政夫

    小林政夫君 そうすると、造船融資の場合は、造船許可というものがあるから、そこまで運輸省がタツチして来るのであつて、そういう行政官庁に許可権のないものについてはそういうことはやつておらん、大いに自主的にやつておる。こういうことでいいんですか。
  209. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 勿論その通りであります。
  210. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 原次長にお尋ねしますが、出世証文ということですが、これは三党協定とも関係があると思いますが、恐らくそういうところから来ておるのか、大蔵省自身がそういうことをおきめになつておるのか、その間ちよつとその点のところを一つ説明願いたいと思います。
  211. 原純夫

    政府委員原純夫君) 先ほど申上げました八月十五日から九月三十日までの第一段階のところで申上げると一番いいと思うのでありますが、利子補給一分五厘、そういたしますと開銀の利率が七分五厘でありますから、一分五厘引きまして六分にしかならないのでございます。ところがあの当時三党いろいろ御相談なさいまして、そうして修正について委員会でも御質問がございましたが、最終三分五厘にするようにしたいというふうなことがございましたので、従いまして六分を三分五厘にするというための二分五厘は、これはもう待ちのことにいたさなくてはいけない、それが、利息は、何と言いますか金利はそれだけあるわけでありますが、その分は出世証文として待とうということにいたしたのがその経緯でございます。
  212. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうすると、あなたのお話はなかなかわかりにくいように説明しておられるわけですが、三党協定で三分五厘にとどめなきやならんのだ、こういうことがきめられておるから、そこでこういう問題が出て来たんだ。すると、大蔵省じやなくて三党協定のほうから何かもう少し詳しい、というのですか、こうこうせよというような指示とか、こうやつたほうがいいじやないか、この金はこうやるんだというようなことまで、実は申合されておつて大蔵省に対して連絡があり、それをこうやつてつたというようなふうじやないのですか。
  213. 大月高

    説明員(大月高君) 只今の原次長の御説明をもう少し詳細に分析して申上げますと、当時の三党協定と言われますものにつきましては、開発銀行の実質的な金利を三分五厘にするということが言われておるわけであります。その協定に基きまして当時の予算修正を受けたわけでございますが、大蔵省の立場といたしましては、党の協定があつたからと言つて強制措置をとるのは適当でないと判断いたしております。併しこの三党協定がございました結果といたしまして、予算修正になりましたその予算委員会の席上において、国会の意思として表明されておるのが二つございます。昭和二十八年の予算修正に関する衆議院の予算委員会で、二十八年の七月十七日でございますが、河本敏夫議員が予算修正の提案理由の説明をしておられるわけでございます。その中に、今の実質三分五厘と、こういうことが出ておる。具体的に出ておりまして、その提案理由を是認して国会においてあの予算修正されたものだと、こういうふうに解釈いたしておるわけであります。又参議院の予算委員会におきましても、同じく三浦辰雄議員が提案理由の説明をしておいでになるわけでございますが、それも同様の趣旨が明らかにせられておる。従つて国会における意思をそういうものといたしました場合に、行政官庁といたしましてもどうこうという問題があるわけでございますので、この事実を開発銀行に伝えたわけでございます。金利の決定権は、先ほど小林委員からお話がございましたように、大蔵省で持つておるのではなくして、開発銀行開発銀行の金利をきめるという建前を従来からとつております。法律上もそうなつておりますので、この間に関するいきさつは、こういうように国会の意思がきまつて予算修正になつたのであるから、そういう事情を前提にして金利の問題についても検討してみたらどうかということを開発銀行に申したわけであります。三分五厘にしろということは申す建前じやないということで、検討されては……こういう事情になつておるのだから、ということだけを検討つたわけでありまして、その結果、実質三分五厘にするということと、法律では契約金利、即ち七分五厘と利子補給を受ける一分五厘との差以上を取つてはいけないということが利子補給法にございますので、それらの事情を勘案して開発銀行が徴収猶予の措置をとる、こういうようないきさつでございます。
  214. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 最後にもう一点だけ審査部長さんにお尋ねいたしたいと思うのですが、いろいろお聞きしておつて、この資産信用力と、経営能力、成るほど字に書いたら簡単でございまして、その通りだと思うのですが、これが非常にむずかしいことだと思う、実際問題として。それの審査というものはどういう……基準表なんというものはできておられるのでありますか。一々の会社をこう当つてみて、これなら大丈夫だ、こういうふうにおきめになるのですか。一体どういうふうにきめられるか、これが一つと、もう一つ、あなたのほうで資産信用力……競争があるものですから、資産信用力の上のものから採るということになりますると、これは常識的に考えましても、大体日本郵船であるとか、大阪商船なんとかいうものの船主というものは、これは資産信用力においては、これは一応我々常識的に考えても優先になつて、皆それに行つてしまうと思うのですが、どうしてもそういうものが優先すると、こういうことになると思うのですが、それらのバランスをどういうふうに考えておるか。それから又、大会社である郵船というようなところは、どうしてもやはり船をたくさん割当してやらなければならん。小さな船主とは比べものにならんと思うのです。これらは一体どういう按排をされるのか。そういう点について具体的に御説明願いたい。
  215. 竹俣高敏

    参考人竹俣高敏君) 先ず最初に、どういう方法で資産信用力を調べるかということでございますが、言い換えますれば、結局、銀行の見方になるわけでございます。それで、私どもは船だけには限らないのでございますが、すべて企業を見ます場合に、大体集約いたしまして五つのポイントを先ずつかみます。その五つのポイントとは何かと申上げますれば、これは常識でおわかりになることと思いますが、企業は経営でございますから、経営者を先ず見なきやならん。これが先ず第一点でございます。それから第二点は、その企業が、我々の言葉では事業の素質と申しておるのでございますが、結局、企業の育成価値如何ということでございますね。それが第二点。それから第三点は現況がどうであるかということです。第四点は、これは銀行から特に見ますので、財政状態如何ということ、言い換えますれば、バランス・シートを見るということ。それから第五点、最後の点、これは或る意味で金融の結論になる問題でございますが、償還能力如何ということ。別の言葉で言えば、これは収支の関係を先ず見まして結局収益から返して行くというのがオーソドツクスでございますので、結局最後に、収支状態と言つても何でございますが、結局償還能力と見たらよろしゆうございますので、この五つの点から見ます。なぜこういう五つに分けるかと申しますと、経営者如何ということは、今後の経営がその経営者に任してどの程度に期待していいかという、いわば一種の期待感と申しますか、そういうものでございます。それから第二の、事業の素質、言い換えれば育成価値如何ということも、結局これは将来にかかる問題でございます。言い換えれば、見通しの問題に繋がりますので、そういうようなことだけでは見方によつて見通しとはかなり開きができて来る、そういうようなことではいかんので、現況は如何ということで、第三番目に現況如何ということを入れたのであります。同様に、財政状態如何ということも、これは現実の財政状態であつて、結局過去の何期間かの結果並びに財政状態の現われたバランス・シート、これはもう予想とか何とかいうことを許さない非常に厳格なものであるということで、まずそういうことです。それから最後の償還能力ということは、やはり収支予想に基きますから将来の見通しということになりますが、経営者の如何を考え、企業の育成価値如何を考える。現在損しておるというのは、財政状態というものはいわば人間一つの体力みたいなものです。仮に一時間か二時間調子の悪いことがあつても、言い換えれば飯を食わないことがあつても、体力の強いやつはいいわけです。或いは素質がいい、人間で言えば頭が非常にいい、非常にいい事業であつても、財政状態が悪いと、すぐ脆く倒れてしまつて、その素質を活かすべくもないということもございますので、今申上げましたような五つの項目というものは一つも抜き差しならんものだというふうに、一応考えます。これを、今度は船の海運業の問題でございますので、それに当てはめて考えますれば、経営者のほうは特にほかの事業と変ることはない。言い換えれば従来の経営者の経歴であるとか手腕、それからその社長、会長以下何人か重役さんがおられまするが、その中の融和の状態、それから業界の風評、それからもう一つは、そういう会社は多くの銀行取引を持つておられまするから、銀行の風評というものがございます。そういつたようなものを総合いたしますると、先ず大体経営者がどうであろうかという総合判断が成立つ、こうお考え頂けばいいと思います。  それから次に事業の素質及び育成価値ということを特に海運業界において言うと、かなりむずかしいのでございますが、御承知のように海運事業と申しましても、定期船業者もございます、いわゆるライナーがございます。それからトラムパーがございます。それからみずから運航されないところのオーナーがございます。それから、こういうのとちよつと感じが違うのでございますが、今申上げましたのは貨物船でございますが、油槽船をやつておられるタンカー会社がございます。タンカー会社をなぜのけるかと申しますと、結局海運事業というのは、或る所に荷物を揚げ卸しして、而も非常に能率的にやる、これが国際的に世界に信用を得るゆえんです。ところがタンカーのほうになりますと、油を出し入れするということはそれほどの技術は必要でないというので、一応これは分けたほうが実際はいいと思いますので、我々は分けておりますが、大体において、ライナー会社から申上げますと、特にこのライナー、定期船をやつておられる会社は、国際信用力、別の言葉で言えば「のれん」といつたようなことが極めて大切でございますので、これを考える。……少し飛ばしますが、トラムパーについては結局やはり手腕、国際信用力、それから今度造る船の採算といつたようなものをこれは皆考えます。それからオーナーについては少し違いまして、その船をどこへ貸すか、これは極端に言えば、どこへ貸してもいいと思いますが、大体どこへ貸すかという系統がきまつておりまして、或いは今度造船のときに求めて来たこの船はどこへ貸すかということがきまつておりまするから、その貸し先の良さ悪さということを勘案いたしまして、結局その会社の採算の良さ悪さといつたようなものを考える。まあ以下詳しく申上げますれば切りがございませんが、大体そういつたようなことで、その企業の育成価値と会社の素質といつたようなものを見て行く。  それから次に第三番目の現況如何ということは、これは結局保有船舶量或いはその持つておる船、船舶構成と言いますか、何トンくらいの、或いは何ノツトのどういう船級のものを持つておるか、その大きさ少なさから見て行く、まあそういうことでございますね。  それからトン当りの収益、そういつたようなものを見て、財政状態は、これは特別に申上げるまでもございませんで、バランス・シートの分析であるという、まあ一言で申上げておきます。  それから償還能力、これはオーソドツクスから申上げますれば収益能力の分析でございますが、御承知のように、なかなか将来の船会社は収益から返すということもできません。それによつてまあ利子補給というような問題に発展したのだろうと思いますが、にもかかわらず、国際的に太刀打ちできるような競争が成り立つためには、特に開発銀行なんかを動員して金を出さなければならん。その場合に、それではその償還能力を何で見るかというようなことが出て参りますれば、先ず最も明確に出て参りまするのは担保余力の有無でございます。それから次に、これは特に市中銀行なんかで気にするのでございますが、金を貸して、まあどうせ状況が悪いのですからそう簡単にはとれないが、利息は払つてもらわないと困る。従つて我々は利払能力ということで順序を付けるというようなことで、利払能力を考えます。  以上申上げました五つの項目を成るべく数字的に言い表わそうということで、数字で取上げまして、その五つの項目それぞれにつきましてまあ大体レベルに達しておるものをBに、それから特にレベルより上に擢んでておるものをA、それ以下のものをC、決定的に駄目なものをDというふうに大体四段階くらいに考えます。それでその五つの項目についてA、B、C、D、それぞれ付くと思いますが、経営者はいいが素質はBであるとか、素質はいいが経営者が悪い、という場合には、これは無意味である、なぜならば、結局例えて申上げますれば、経営者が悪ければ信用が置けんではないかということになりますので、その四つを睨みまして、結局総合的に、これは融資対象として順位として最もこれはよろしいとか、これはどのくらいだというような判定をして行くというようなことできめております。
  216. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、その審査で、今詳しく御説明になりまして大体よくわかりましたが、一応人間のやることとしては合理的だと思うのですが、そこで、今までには相当あなたのほうで不合格になつたのはございますか。幾らぐらい申請が来て、申込が出て来て、不合格になつた、こういうのがありますか、去年。
  217. 竹俣高敏

    参考人竹俣高敏君) 実は申込がありましてから運輸省の推薦をされたものの中から一応選ぼうということでございましたが、すぐ御推薦がございませんので我々は作業を始めたわけでございます。作業する立場として始めておりますその途中で以て、運輸省からの御推薦があつた、御推薦がありましたのがかなり数が多く推薦されたわけでございますが、その中では決定的に悪いものはございませんで、実は推薦された名簿を、リストを我々見せられたときに、成るほどよく選ばれたという感じはしたのでございます。併しこれは金融業者の建前から言えば、その中でも最もいいものから並べたい、こう考えるわけでございますね。それで私のほうとしては先ほど松田理事から申上げましたように、A、B、C、Dというようなランク付けをいたしまして、従つて今の御質問運輸省から御推薦になつた中で、いわゆる全然落第だ、全然箸にも棒にもかからんというようなものは入つておりませんです。
  218. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それは申込というものは相当数はあなたのほうではあるのですから、だからそれを審査されるのですが、殆んど審査には通つたということになるわけですね、あなたの今のお話では。不合格というやつはない……。
  219. 竹俣高敏

    参考人竹俣高敏君) 結局申込の貨物船が四十五社五十三隻、油槽船が十社十隻であります。これを二十二日に締切りまして、二十四日から我々作業を始めまして、二週間でこれを先ず非常に鞭打つてつたわけでございます。それで、その途中で運輸省から御推薦になられましたもので、この数をちよつと忘れたのでございますが、運輸省から推薦されたものについて今私が申上げた次第でございます。
  220. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 あなたのところは申込についてはどうですか。これは全部通つたのですか。分けたというのは……。
  221. 竹俣高敏

    参考人竹俣高敏君) ABCDに分けましたのは、御推薦になつたものについて分けました。
  222. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それではもう運輸省から推薦のないものは……。
  223. 竹俣高敏

    参考人竹俣高敏君) それは実は、今事実を申上げますると、推薦になる前に調べておりましたものですが、その中で特にいいというものを御推薦になつたが、実は我々から見れば、こういうものもあるということを、両方で事務折衝いたしますときには勿論意思表示をいたしております。もつと申上げますると、これは我々の仕事の順序なのでありますが、非常に量も多いもので、而もかなりむずかしい問題を短時日の間にやろうという場合には、これは荒削りと申しますか、先ず先ほど言いましたような基準からこれはと思うものを拾い上げて、それから御推薦を頂いたもののほかにも、数件でございましたが、かなりいいものもあつて、ところがそれは何と言いますか、運輸行政的な見方、航路事情といいますか、造船事情とは全然無関係に我々は金融業者の見方で見たのですから、そういう……まあそれであるが故に運輸省は御推薦にならなかつたかと思いますが、そういうことでございます。
  224. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 いや、ちよつと松田さんの先ほどのお話では、あなたのほうへ申込が来て、運輸省の御推薦などということはお話にならなかつたが、あなたのほうでは一応態度を決定する、岡田君が運輸省の態度を決定して持ち寄つて協議をするということであつたが、運輸省の推薦ということは実は全然お話はなかつたのですが、審査部長は運輸省の推薦ということをやかましく言われておられますが……。
  225. 松田太郎

    参考人松田太郎君) その点は、先ほど私は運輸省の推薦ということは申上げております。つまり先ほど日にちでも申上げましたが、八月二十二日に締切りまして、九月四日に運輸省から今言つた推薦があつた。併し八月二十二日から九月四日までの間に、私のほうは申込があつた以上は……。これは件数で申しますならば、貨物船四十五社五十三隻、油槽船十社十隻の申込はありました。
  226. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それは全部通つたのですか。
  227. 松田太郎

    参考人松田太郎君) それは全部申込です。
  228. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そのうちで幾ら融資ができたのですか。
  229. 松田太郎

    参考人松田太郎君) そのうち決定したものが、貨物船が十七社十九隻、それから油槽船が五社五隻、それから移民船というのがございます、移民船が一社一隻。
  230. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 そうすると、約半分ぐらいですな、通つたのは。
  231. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 全部で申しますと、隻数にすると六十三隻に対して二十五隻ですね。
  232. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 約半分足らずですね。これは、こういうふうな何というか、これだけより通らなかつたということは、これは資料として極秘資料でもお出し願つてもいいのですか。
  233. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 通りましたものですか。
  234. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 通らなかつた分、申込のあの分など……。
  235. 松田太郎

    参考人松田太郎君) それは差支えありません。
  236. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 これだけ申込があつた、何社からこれだけあつて、こういう船の申込があつたが、併し通つたのはこれだけだというのは、お出し願つていいのですな。
  237. 松田太郎

    参考人松田太郎君) それはよろしいと思います。
  238. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 件名別に、どこどこの船会社からこういう申込があつた……。
  239. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 表にいたします場合、船会社の名前と、それはどこの造船所に注文することになつたとか……。
  240. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それの通つたものはこれとこれという……。
  241. 松田太郎

    参考人松田太郎君) 全部の表を作りまして、そのうち通つたものに丸をつければ……そういう意味資料でございましよう。
  242. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それから次に、今、審査部長のお話経営能力云々というのですが、盛んにまあ経済雑誌なんかで叩かれておるのは、どの船会社も赤字でありながら非常に厖大なる交際費を使つておるということは顕著である。ほかの会社一般の企業と比べまして或いは紡績会社であるとか、或いは鉄道会社であるとかいう諸種の会社と比べまして非常に交際費を厖大に使つておるというのが、船会社一つの特徴だと、こういつて経済雑誌等においては指摘されておるのですが、これらの点については、あなたは審査の場合にお気付きにならなかつたか。今の御説明の中にいろいろあつたが、これは大事なことだと思う。黒字のときにはどんどん宣伝費を、人を使つてもいい、交際費を使つてもいいが、赤字を出しており、利子補給を受けておりながら、交際費などというものは、今のお話では、松田氏は会いに来た者は全部応接室で会つておるので、一切そういう、ほかのほうの交際は……、私の知つている限りは交際費は要るはずはないと思いますがというのですが、そういう点はどこで交際費を使つたというふうに、あなたのほうではこれは審査の一番重要な点だと思うが、最近やかましく言われるので、あなたのほうに行くには一文も要らない、あなたのほうに行けば応接室で会うだけだと、運輸省は知らないが……。大分この頃問題になつておるから、運輸省もそういう点については最も追究しなければならない点だと思うが、そういう点、審査部長としては如何にお考えですか。
  243. 竹俣高敏

    参考人竹俣高敏君) よくわかりませんけれども、もともと船会社というのは派手であつたらしい。ということは、少し船腹が足りなくなると非常に船価が騰つて儲かつたらしい。これは何年に一回は非常にブームが来るということ、それで悪くなつてもなかなかこいつは人間として直ぐ生活を切詰められないといつたような、これは人間の弱点だと思いますが、そういつたようなことは船会社の通弊であつたと思います。併しこれにも会社によりまして非常に地道にやつておられる人と、或いは我々がちよつと数字などを見て多少そういう交際費といいますか、経費が多いと思われるような所も勿論ございました。そういうところは当然我々の審査においては点が悪くなつて来ております。
  244. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 これで打切りますが、全般論として、非常に船会社はどこも赤字で、而も国家の、国民のえらい税金で補助しておるのも同じことですが、その補助を受けておる会社が、いやしくもその交際費に一体よそよりも桁外れの交際費を使うということは、我々としては、これはもう常識上、道義上から言つても許されないことだと思う。そういうのが平気で通つて行く、審査経営能力信用力というときに通つて行くということになると、おかしいと思うが、そういうのを先ず自粛させるためには、割当せずにおいてそして次にこれは巧く自粛した場合には割当をするというようなことは、私は考えなければならない問題だと思うのですが、この点について、どういう方面に一体、これはあなたのほうは信用力というようなものを調べる場合に、船会社は派手であつた、その惰性でそれはやむを得ないと、こういうふうに言い切つてしまわれましたけれども、どんな方面に使つておると、あなたはこれを睨んでおられますか。審査されたときには、これは経営能力資産信用力というようなことは、これは重要なフアクターになるのではないかと思うが、例えば重役が飲んだり食つたりしてしまつておるというようなことでは、これは交際費の名目で社用族が横行するということであれば、この条項に落第だ、ところが他日を期して宣伝費に使つておるということであれば別問題ですが、そういうのは審査されましたか。
  245. 竹俣高敏

    参考人竹俣高敏君) どうも御質問がむずかしいので、お答えし難いのでありますが、私どもは例えば財政、今の話で非常に会社に身分不相応な金を使つておれば、会社の財政状態が漸次悪くなつて、これはその年々の、その期その期の収支状態が悪くなつて来るというところに現われて来るわけであります。それで、払どもが審査いたしましたもので、何といいますか、合格いたしましたもの、それについて、それほど目に余るような数字には必ずしもなつておりません。感覚としては一般の企業に比べれば派手であるというようなことが常識的に言えるのかも知れませんけれども、私どもが短時日ではございましたが、二週間の間に五十数社ですか見たときに、或いは時間が足りなかつたが故ということが或いは言えるかもわかりませんが、非常にそう乱痴気騒ぎなんかしておつて会社に穴をあけておつた、従つてそこの財政力、或いは財政のバランスと申しますか、資産、負債の割合というようなものが非常に調子が悪くなつていたというようなものは、必ずしも見つかりません。
  246. 菊川孝夫

    菊川孝夫君 それは、僕らがほかの経済雑誌等で調べたところによりますと、総資本金に対する交際費の割合、或いは人件費に対する交際費の割合、これは人件費ばかりとは言わんです、紡績会社なんかは人をたくさん使つておるから。鉄道会社とかも。だから人件費に対する交際費の割合、資本金に対する交際費の割合、それらのいろいろの割合を比率で見ると、船会社は一番高いのですよ。それから借入金との比率等を比べましたときに、一番、借入金じやなかつたな、借入金はちよつと多いから……。借入金は船会社は厖大ですから……。まあ資本金対、それから人件費対とか、物件費対とか、そういうようなのを調べたときに一番船会社が多いのですよ。やはりこういうのもお気付きにならなければならん問題じやないかと思うのですが、まあえらい時間をとりましたからこれで打切ります。じや資料を成るべく早くお出し願います。
  247. 原純夫

    政府委員原純夫君) 先ほどリベートの関係お話がございましたが、事実をつかむのに非常にむずかしいのでありますので、主としては運輸省のほうに声をお掛け頂きたいと思いますが……。
  248. 松永義雄

    松永義雄君 私の聞きたいのは、具体的の事件になつているリベートがどんなになつているかということを聞いておるのではない。リベートとはどんなものかということを聞いておる。そこまであなたに責任を負わせて研究して来てもらいたいということを言つておるのではなくて、こういう事件が起きてから、リベート、リベートと言つておるが、国際的慣習だとか、いやそういうものは慣習ではないとか言つておる。そのリベートとは何ぞやということを言つておるのです。
  249. 原純夫

    政府委員原純夫君) それも私たちのほうでじかに扱つておるのではないので、運輸省のほうに伺つてもらつたほうがいいと思つて、今言つたのですが、如何ですか。
  250. 松永義雄

    松永義雄君 それじや運輸省のほうで来て、私のほうでは知りませんと言われては困るんで、だからあなたのほうから一応答えてもらう。そして又運輸省のほうからも答えてもらう。そう事がむずかしいものではないので、リベートとは何か、辞書にも出ておるが、だからその程度でいいから調べてもらいたい。
  251. 原純夫

    政府委員原純夫君) 我々も一向わからないのですが、非常に何かむずかしいもののようでありますので、是非この点、主管の省でありまする運輸省にお聞き頂きたい。そのほうが……。
  252. 小林政夫

    小林政夫君 それじやそうしましようよ。  資料を持つて説明に見えるときに、私も今菊川氏の質問したようなことは一応聞きたいと思つて、一応資料を拝見して聞きたいと思つていたのですが、経営分析において、特に交際費、寄附金というようなものがどういうふうになつているかということですね、これはまあ詳しくは必要ありませんよ。説明のできる材料を以て、ただ漠然たる話じやなしに、計数的な実例を挙げればこうだということの説明のできる腹案を持つてこの次に来て頂きたい。
  253. 大矢半次郎

    委員長大矢半次郎君) 本日各委員から請求のありました資料は成るべく早く提出願います。  本日はこれを以て散会いたします。    午後四時五十五分散会