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1954-05-24 第19回国会 参議院 水産委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月二十四日(月曜日)    午後二時十六分開会   —————————————   委員の異動 五月二十二日委員山田節男君辞任につ き、その補欠として片岡文重君を議長 において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     森崎  隆君    理事            秋山俊一郎君            千田  正君    委員            青山 正一君            野田 俊作君            森 八三一君            木下 源吾君            菊田 七平君   政府委員    調達庁不動産部    長       山中 一朗君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    海上保安庁警備    救難部長    砂本 周一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○輸出水産業振興に関する法律案  (衆議院提出) ○日本国における国際連合軍隊の地  位に関する協定実施に伴う土地等  の使用及び漁船操業制限等に関す  る法律案に関する件 ○水産政策に関する調査の件  (東支那海における漁業安全操業に  関する件)   —————————————
  2. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは只今から水産委員会を開会いたします。  本日は議題の第一、輸出水産業振興に関する法律案を先ず審議いたしたいと思います。この法律案につきまして、いろいろ御意見を一応お聞きして、その上で修正等の問題につきまして意見があればまとめたいと思いますので、一応速記をとめ懇談会に移りたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それじや只今から懇談会に移ります。速記をとめて下さい。    午後二時十七分速記中止    ——————————    午後二時五十六分速記開始
  4. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。  それでは委員会を続けます。輸出水産業振興に関する法律案につきましては、各責からいろいろ御意見もありますので、大体御意見趣旨を勘案いたしまして、早急に修正案を作りまして本委員会にお諮りすることにいたしたいと思いますので、そのように御了承願いたいと思います。  もう一回懇談会をいたしますので速記をとめて下さい。    午後二時五十七分速記中止    ——————————    午後三時十一分速記開始
  5. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。  それでは次に調査案件一つといたしまして目下建設委員会審議中の日本国における国際連合軍隊地位に関する協定実施に伴う土地等使用及び漁船操業制限等に関する法律案に対する修正案というものか一応ここに出ておりますので、これを中心審議をいたしたいと思います。なおこの修正案はお手許にあると思いますからそれを御覧願いたいと思います。なおこれに関連いたしまして衆議院のほうからも、お手許にあると思いますが、少し変つた修正案が参つておりますから、念のために衆議院の案がここにございますから、衆議院のほうでは大体各派話合いがすでにまとまつたようでありまして、鈴木善幸代議士からさつき私もらつたのであります。その修正案を読み上げますと、「日本国における国際連合軍隊地位に関する協定実施に伴う土地等使用及び漁船操業制限等に関する法律案の一部を次のように修正する。  附則第三項及び第四項をそれぞれ附則第四項及び第五項とし、第二項の次に次の一項を加える。  3 国は、国際連合軍隊により日本国との平和条約の最初の効力発生の日から第二条の規定による措置がとられるまでの間に行われた漁船操業制限又は禁止により、従来適法に漁業を営んでいた者が漁業経営上こうむつた損失を、日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約に基き駐留する合衆国軍隊水面使用させるための漁船操業制限等に関する法律昭和二十七年法律第二百四十三号)の規定による損失補償の例により、補償する。」  こういうように修正案では一応話合いができたそうでございますから、これを参考にいたしなから本委員会で一応原案として出しました修正案をお諮りいたしますから御意見を逐次御発表頂きたいと思います。
  6. 千田正

    千田正君 今委員長のお読み上げになつただけではちよつと判断がつかない。衆議院の案が我々の手許に来ていないというとどこにどれほどの差があるという見当がつかないのです。大体今伺つておるところを見るというと、衆議院の案というものが、安全保障条約に基いてアメリカ側日本との間に約束されたこの補償に関する例に倣つてアメリカ軍隊以外の国連軍による損害もその例に倣うというふうなのが根本のようであります。その我々の案との間にはどういう差があるかということは、ちよつと今おつしやつただけではすぐに結論が出そうにもないのですが。
  7. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 これはもつと検討して見なければわかりませんが、今ちよつと見たところでは例に倣うとなれば我々が修正しようとするものと少し違つて来ると思う。というのは、この協定効力発生までの間における期間に対する損害補償は我々は行えと言つておる。ところが例に倣うということでそれは見舞金ということになるのではないか。見舞金とは書いてないけれども、その例に倣うということになると見舞金で行くということになる。そんなら初めからそう言うたら何も修正しないでいいんじやないかとちよつと考えられる。
  8. 千田正

    千田正君 今秋山君が言うた通りに、見舞金として出してしまえばあとはいわゆる請求権というものはそれでなくなる。
  9. 森八三一

    ○森八三一君 今委員長の読まれたのは附則を直すということで、この前委員会で案が出て来て協議したのはそういうようなことについては当然国が補償地位に立つのだという主張でありましたのでやはり法律本文にそういう国に義務が発生すると明記しておらないと、附則のほうにちよこんと入れたのでは法律の体系としてどうかと私は思う。我々はそれが国の義務であるということを主張しておる。その条項があつてそれに伴つて何か附則で書くならいいと思うが、本来の主張附則に持つて来て加えるというのは何か割切れない感じがします。
  10. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 本委員会只今審議しておりますのは、本委員会で一応皆様方趣旨を勘案して出しましたこの。プリントによる修正案中心でございます。そこへ衆議院側話合いのついた修正案が持つて来られましたので、これを参考として一つ委員会修正案を討議して頂きたい、こう申したはずでございますから、どしどし御意見をお願いします。
  11. 青山正一

    青山正一君 田口さんが来ていろいろ説明されたのと、大分或る意味からいうとかけ離れておるように考えられるから、これははつきりとこちらの案で進んで行つたらどうですか。
  12. 千田正

    千田正君 これは衆議院としては複雑化を防ぐためか、単純に考えたほうが手取早いという考えでやつたのか、要するに今までアメリカとの間にやられたように、倣えばいいということのようですが、我々はもう少し真剣に本筋を割つて考えなければならんじやないか、そういう意味相当慎重に考えてやつておるつもりです。
  13. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後三時十九分速記中止    ——————————    午後三時三十六分速記開始
  14. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。  それでは委員会を続行いたします。  本法律案修正に関しましては各委員意見通り参議院で一応出しまして、この修正案中心にいたしまして建設委員会に強く申入れたいと思います。なお衆議院での各派で一致した修正案趣旨は同じでございまするが、これが附則で調つてあるところに参議院側修正案違つた点がありますので、この点は両院の法制局十分打合せをして頂きまして、一本にまとまつたものを、できますならば本院の修正案通りのものを衆議院にも御理解頂きまして建設委員会のほうにこれを申入れたいと思います。  それで次にもう一カ所修正を要する点がございまるので、この問題につきまして附則第二の「附近」というところでございまするが、これにつきまして調達庁のほうから一応それについての解釈と御意見を伺いたいと思います。
  15. 山中一朗

    政府委員山中一朗君) お答えいたします。只今委員長お話にありました今度の法律改正に伴いまして、附則第二項で「日本国内及びその附近に配備されたアメリカ合衆国の陸軍、海軍又は空軍」と申しておつたのを「日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊」というように提案いたしておるのでありまするが、この問題につきましては我我といたしまして、特別損失行為者としての軍隊範囲が実質的に何ら縮小されたのでもありませんので、むしろこの際削つたほうがいいのじやないかと存じておるわけであります。と申しますのは、特別損失補償法におきますところの配備されておる軍隊行為損失が、我々の行政権と申しますか、統治権と申しますか、日本政府の今までの相手方との話合い施設を提供しておる、或いは軍の行動が合意の上でなされておるものに関しましては、すべて過去においても現在においても、大体拾い上げましたところは全部日本国内で起るわけであります。従いましてこの際これを削除したほうが疑義が残らなくていいのじやないか、と申しますのは、「附近」という言葉が我々といたしましても、別に厳格な意味において領海三マイル説とか何とかいうものをとつておるのではありませんが、旧日本行政権の及んでおりました沖繩或い小笠原諸島あたりにおきまして、占領行政から来るところのいろいろな条件がその住民の生活権に与える問題につきまして特別損失補償法が適用されるのではなかろうかというようなことでいろいろ照会やら交渉があるわけでありますが、こういうことが曾つて行政措置上いろいろ疑義を招きまして、相手方にも不便を与えるというような考え方から今度削除しておるわけであります。
  16. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 何かこの点について御質問ありませんか。
  17. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そういたしますと過去において、現在までの間においてアメリカ合衆国軍隊日本国内及びその附近に配備された合衆国陸海軍或いは空軍といつたようなものが漁業に及ぼした影響という事実は全然なかつたわけですか、過去において、過去というのは現在までの間において……。
  18. 山中一朗

    政府委員山中一朗君) 日本国内或いはその附近に配備された軍隊漁業に及ぼした影響は全然なかつたとは申せません。御存じの通りアルフアベット地区その他におきましても、その軍隊の好意によりまして相当制限して影響がある場合がございます。併しここで申しますところの特別損失に該当するような損害があつた例は全然ございません。
  19. 青山正一

    青山正一君 それではお聞きいたしますが、例えば今年の一月でしたか、或いは去年の暮あたりから若狭湾空軍演習しておる。あの方面は御承知通り相当きんちやく網と申しますか、或いはまき網と申しますか、相当漁業を大きくやつておるわけなんですが、その空軍演習によつて相当漁獲高も減少されておる。こういうふうな建前の行き方に進んでおるものはこれは附近とみなすのですか、それとも国内というふうに考えて進むべき性質のものですか、その点について承わりたいと思います。
  20. 山中一朗

    政府委員山中一朗君) 答弁申上げます。今青山委員から具体的な例につきまして御質問がございましたのでありまするが、あの辺は御承知通り附近に該当する場合が相当あると思います。併しながら例といたしましては表日本にもああいうエアーと、エアーというか、対空戦区域はございましたのですが、併しながらそういう場合も若し相当影響がありまして補償いたすべきときには漁船操業制限措置で今までやつておるわけであります。ただ向うとのいろいろな交渉の結果、対空戦については漁船操業制限は必要なしということになりまして、又実際問題として漁業にどういう影響がありますか、我々も非常に関心を持つておるわけでありますが、相成るべくは漁獲影響のないものであれば、操業制限措置などを講ぜずに空戦地域演習をやつてもらつたほうがいいという考え方から、その方面制限は全部撤去したわけであります。若狭湾につきましても相当上空におけるところの対空軍の相互間の演習でありますので、あの辺につきましては、地域としては指定しておりますが、操業制限その他の措置は講じていない次第であります。
  21. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう一遍伺いますが、この附近に配備されたアメリカ合衆国軍隊ということは、沖繩とか、或いは小笠原ですか、或いは朝鮮とか、ああいつたようなところを附近と称するのですか。
  22. 山中一朗

    政府委員山中一朗君) お答えします。我々が考えておる附近というのはそこまで広い範囲ではないように考えております。と申しますのは、朝鮮なり沖縄というような、朝鮮はちよつと性質が違いますが、沖繩にしましても小笠原諸島にしましても確かに日本の領土にまだあると我々は考えておるのでございますが、全然行政権は現在及んでいないわけであります。従いましてあの辺でどういう軍の施設をするか、或いはどういう行動をするかということにつきましては、政府とのいろいろ会議を持ちます合同委員会施設特別委員会と何らの話合いもないわけであります。従いまして我々の考えておる附近というのは、通俗な言葉で言いますれば、日本の国と、或いは少し出て我々の生活と申しまするか、或いは実際上の行動半径と申しますか、非常に目障りになる程度のところにおいて日本国影響があるという点が、行政協定本文などにありまするイン・アバウント・ジヤパンというアバウトに該当するのじやないか。はつきりした定義は、ではアバウトはどこであるかということについて遺憾ながら政府内でも一致した見解はないようでございますが、大体そういうような点で非常に漠然としてはおりますが、日本政府話合いのできる範囲内のところを我々は附近と、こういうふうにとつているわけであります。
  23. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この附近というのは、軍隊が配備されている所をいうのでしよう。演習するとか何とかいう場所ではなくして、その軍隊が、この条文によると国内及びその附近に配備されたアメリカ合衆国軍隊、こうあるから、配備されたというのは、そうすると海の上のことになるのですか。
  24. 山中一朗

    政府委員山中一朗君) 日本では大体海の上ではないかと考えております。
  25. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうすると、そういう事例が先ずないというわけですね。
  26. 山中一朗

    政府委員山中一朗君) 艦船あたりがそのところに碇泊したこともあると思います。ただ特別損失補償法ではその軍隊行為が問題になるわけでありまして、ここで我々の言つております配備されたということだけで強く絞りますと、御指摘のような範囲が縮小された感じになりますが、特別損失補償法は、その配備された軍隊行為行政権範囲内にありますれば、それは自然に救済されると我々はとつております。
  27. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 私の伺いますのは、こういう行為とか何とかではなくて、配備されたというのはどういう意味かという意味なのですよ。陸上とか港の中なら、船なり、或いは軍隊なり、或いは飛行機がそこに配備されているということが言えるが、日本附近ということになると、まあ沖繩附近です、朝鮮日本附近だといえば言えないことはない、そういうところに配備されている軍隊行為、こういうふうな考えか。そうではなしに、日本国内に繋がつている水面とか何とか非常に狭い範囲のものか、どつちかということを聞いているわけなのです。
  28. 山中一朗

    政府委員山中一朗君) 只今秋山委員お話のように、後段で、非常に日本の国から接近した範囲沖繩とか朝鮮附近というふうに指定していないと我々は承知しております。
  29. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ほかにこの点につきまして御質疑ございませんか。……では一応この問題はこれで御了解頂いたものと考えます。速記をとめて下さい。    午後三時四十九分速記中止    ——————————    午後四時二十九分速記開始
  30. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。  それでは只今協議いたしました通り、本法律案修正に関する修正意見につきましては、内容は前回申しました通り、衆参両委員会とも一致しておりますので、表現の形式はいろいろ変つておりましたが、法制局に研究を頂いた結果、どちらでも大体趣旨は合致するという観点に立ちまして、一応衆議院修正案を以て建設委員会に強く要望することに決定いたしたいと思いますが、御異議、ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 森崎隆

    委員長森崎隆君) ではそのように取計らいまして、その趣旨に従いまして明日午前十時から連合委員会を開きたいと思います。  速記をとめて下さい。    〔速記中止
  32. 森崎隆

    委員長森崎隆君) 速記を始めて下さい。  東支那海の件につきまして御質疑を願います。
  33. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 最近新聞で見ますと、東支那海方面において中共と国連との間に何かいざこざがあつて、日本漁船が非常に行動範囲を狭められて、中には退去の指令をした。日本漁業団体から警告を発したとか何とかいうようなことを言つておりますし、新聞の点ですが、台湾の沿岸五十カイリ以内に入る場合には台湾の当事者ですかの許可を受けるとか、通告しろということがあつたということですが、最近どんな状況にありますか。その点海上保安庁におわかりでございますか。
  34. 砂本周一

    説明員砂本周一君) 海上保安庁に入ります情報といたしましては、大体新聞に出る程度で、U・P電とか外国電報とかが入るのでございまして、何ら正式のものはどこからも受けておりません。ただ御承知でございましようが、漁船操業しております場合に、これは多くは台湾に近い海面でございますから中国の艦艇がその漁船に近付きまして、先ほどおつしやいましたような注意を与え、他の漁船に対してもその附近に入らないように伝えるような指示を与えておるのでございます。併し正式には何らどこからも私のほうはそういう指示に接しておりません。
  35. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうすると、こういう情報外務省でなければわからんのでしようか、あなたのほうではどこでわかるのか、全然見当つきませんか。日本の周辺と言つてはおかしいが、日本漁業者がそういうふうな困難な事態に立至つたときに、その情報がどこにも日本ではわからないということもおかしいと思うのですが、どこで聞けばわかるのでしようか。
  36. 砂本周一

    説明員砂本周一君) 先ほど申上げましたように、漁船もそういう場合に遭遇いたしますといろいろ通報いたしますので、その傍受によつてキヤツチする場合もありますが、漁船が帰りましてからその状況は正式に文書その他で通知をして参ります。そういう程度でございまして、これに対するいろいろな情報につきましては私のほうとしては内容にもよりますが、外務省その他に直ちに連絡はいたしております。その根源とか一般の情勢につきましてはやはり外務省関係のほうが正確な御判断がつくのじやないかと、かように考えております。
  37. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 それではいずれ他日そういう情報のわかるところの当局に来て頂いてもう少し伺いたいと思います。今日はこの程度でやめます。
  38. 森崎隆

    委員長森崎隆君) それでは今日はこれを以て散会いたします、    午後四時三十四分散会