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説明員(
清井正君)
只今御
質問のございました「おつとせい」問題でございますが、これは随分長い間の懸案にな
つておるものであります。終戦前は
日本で海上猟獲をいたしておつたのでありますが、終戦後これを禁止いたしておりまして、日米加、昔はソヴィエトも入
つておりましたが、
関係国間でこの「おつとせい」問題について国際条約を結ぶまでは勝手に
日本側で海上猟獲等の
措置をしないという約束を実はいたしておるのであります。それに引続きまして三国で共同
調査を一昨年いたしたのであります。その目的は
日本へ「おつとせい」が回避して参りまして相当魚族に対しまして被害を与えるということを我々としては
考えておりますので、それがどの
程度の被害があつたのであるか、或いはどういうような島からどういうような経路を経てどのくらいの数が
日本側の海面に回遊して来るのであるか、そういうことを
調査いたしまして、今後のその問題の解決に資したいということで、昭和二十七年に日米加の三国で共同
調査をいたしたのであります。その結果につきましては各国ともそれぞれ
意見がございまして、それぞれの生物学者が詳細に
調査をいたしたのでありますが、その共同
調査である
関係上、三国間の
意見を調整して
一つの
報告書にまとめ上げなければならん問題があつたのであります。これにつきましては先般東京におきまして三国の生物学者が会合いたしまして、最後の仕上げをいたしたのであります。そのときにおきましても相当、数の問題、或いは本質的な
問題等につきまして議論があつたようでありまして、一週間の予定が二週間近くも実はかかつたのでありますが、結局のところ
結論に到達することができました。そこで
只今報告書を起草して、それぞれの責任者がそれぞれの
政府に正式に共同
調査の
報告書を提出いたす段階にな
つておるのであります。そこでこの正式
調査ができますというと、今度は条約の話合いに移る段階にな
つて参るのであります。私
どもといたしましてはこの共同
調査と、引続きの条約の問題につきまして、先般からいろいろ
外務省を通じて打合せをいたしておつたのでありますが、いよいよ
只今御
説明申上げました
通り共同
調査が正式に完成をいたしましたので、この完成した共同
調査報告に基いて今度は具体的に条約交渉に入るということになるのであります。かねてから北海道、東北、関東北部の沿岸にかけて業者のかた
がたが、何とかして海上猟獲をするということについての非常に熱心な御
陳情があつたのでありますが、私
どもといたしましては
陳情のあるなしにかかわらず生物学的な
観点から或る
程度の
結論を得たのであります。而もこの点につきましては私
どもといたしましても自信を持
つて今後日米加の三国のいわゆる正式な条約交渉に入る段階に入り得たと私は
考えるのであります。そこで直ちに
外務省とも折衝いたしまして、相手国との正式な条約の折衝に入る段階に入
つておるのでありまして、目下事務当局間においてその折衝、それについて相談いたしておる最中であります点を御了承願いたいと思います。