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1954-11-13 第19回国会 参議院 水産委員会 閉会後第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月十三日(土曜日)    午前十一時二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 孝平君    理事            千田  正君    委員            島村 軍次君            森崎  隆君            松澤 兼人君            苫米地義三君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君   説明員    水産庁長官   清井  正君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○水産政策に関する調査の件  (台風被害対策に関する件)   —————————————
  2. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 只今より水産委員会を開会いたします。  最初に二十九年度災害に関する件を議題に供します。水産庁長官よりこれに対する対策の、今までに決定いたしております対策の概要を御説明を願います。
  3. 清井正

    説明員清井正君) 本年度水産関係災害の問題でございますが、起りました当初の緊急措置といたしまして、いろいろ、殊に被害のひどかつた北海道方面等一時的な要望がありましたことにつきましては、なおその他の地も含めまして農林中金等から融資をいたしてその場の間に合せ的な繋ぎをいたしておるのでありまして、御存じの通り、本回の被害漁船漁具、一般の共同施設等を通じまして非常に大きな被害でございましたし、漁港等におきましても相当被害があつたわけであります。そこで只今全般の問題につきまして農林水産につきましてこれが金融問題として取扱います場合は、御承知通り公庫を利用いたします場合と、農林中央金庫のいわゆる系統団体金融を利用いたします場合と二つに分れて来るわけでございます。取りあえずの繋ぎ農林中金でいたしておりますが、これは本格的に取上げます場合にどちらからこれを融資するような措置をとるかということは非常な実は問題でございます。農林関係は大体これは経営資金等多うございますので、農林中央金庫系統を利用して行きたいというのが大体の考え方でありますけれども、私ども関係ではいわゆる漁船、或いは施設等が多うございますので、これは農林中金系統だけでなしに、公庫融資も考えたい、こういうようなことでいろいろ相談をいたしておるのであります。ただ御承知通り只今と申しますか今までの災害復旧といたしましては、御承知通り殆んど全部が系統機関を通じてやつておるのであります。農林中金その他の系統機関を通じまして特別立法いたしまして、その裏打ちといたしまして損失補償利子補給措置を講ずるということで公庫に殆んど利用していないのであります。系統機関のみを利用してやつておるのであります。そこで今回もこれをどういうふうに取扱うかということが農林水産関係の問題と関連いたしまして、目下部内においても相談をいたしておりますし、大蔵省ともいろいろ話合を目下進めている最中であります。  そこでお配りをいたしておりますのは、十月十六日に決定いたしました二十九年災害対策てありますか、関係がありますところを特に申上げたいと思いますが、それは農林省関係全部であります。一といたしまして公共施設災害復旧は三、五、二−三割、五割、二割の復旧率によつて着手する、これに必要な繋ぎ融資をやるということでございますが、この問題につきましては私のほうといたしましては漁港であります。漁港が問題となつておりまして、只今各県に係官が出張いたしまして、くまなく災害を受けた漁港について実地調査をいたしているのであります。これがもうじき、と申しましてもやはり十一月一ぱいはかかろうかと思いますが、大体実地査定を終るわけであります。そういたしますというと、漁港全体の復旧予算というものがきまるわけであります。政府全体といたしましては漁港だけでなしに、あらゆる公共事業につきまして全部査定をいたしまして、そこで復旧に要する災害対策公共事業費総額がきまるわけであります。きまりましてから所要の決定を見るという段取りになるわけでありますけれども、現在は折角係官が総動員で出掛けまして、地方災害実情調査いたしている最中であります。尤も緊急な繋ぎ融資の分につきましては、無論予算とは別途に繋ぎ措置といたしまして、これは資金運用部からの融資等の途があるわけでありますが、これにつきましてはまだ本格的になつたものはございませんが、二、三の県から問題が出ておりまして、大蔵省相談をいたしている最中であります。そういうような状況でありまして、目下折角査定の最中であるというふうに御了承願いたいと思うのであります。  それからこの問題でありますが、これが施設農林水産業施設でありますが、漁船漁具を含む被害については、農林漁業金融公庫融資によるものとし、これに必要な資金を確保するためにいろいろの措置を講ずる。こういうことでありますが、なお非常に災害が大きうございまして、従つて所要資金が大きくて資金がとても足らない、農林漁業金融公庫資金ではとても足らないというような場合には、立法措置を講じて行きたいということであります。  それからいわゆる魚田開発北海道に限りますが、魚田開発の場合も入植者住宅等施設が壊れまして、これを復旧する場合には特別の措置を講ずるというのであります。この問題が三と関連をいたすのでありますが、一応のこの建前といたしましては、とにかく農林漁業金融公庫の枠を拡大いたしまして、そこでこの枠の操作によつて水産業施設も全部やつて行きたいという建前であります。併しどうしてもその枠で収まり切らんというときには立法措置を講じて、今までのような利子補給損失補償立法措置を講じて、系統機関でやつて行こう、こういう考え方であるのであります。只今のところこの問題につきまして、非常に慎重に相談いたしているのでありますが、なかなか公庫の枠の問題は簡単に見通しはつきかねるようであります。ところが一方農林関係が非常に大きな災害でありますので、これとの関係で、只今公庫の枠の中で水産関係をどの程度見るかという問題について相談をしておる最中で、まだきまつておりません。併し公庫といたしましては、若しも資金が不足するということになれば、今までのように立法化ぜざるを得ない。その場合は当然系統金融機関融資ということになるのであります。  北海道魚田開発住宅者入植施設復旧でありますが、これは補助金で実施をいたすわけであります。この問題につきましても又相談をいたしておる最中であります。  次は三でありますが、これは経営資金であります。いわゆる農林のほうに多いのでありますが、水産業者経営資金でありますが、この問題につきましては、利子補給損失補償というような立法措置を講じて参る。そして系統金融機関から融資を行わせる。これがため必要により農林債券資金運用部引受枠等の増大が行われるのであります。  第二項には開拓者の問題が入つておるのでありまして、前年に引続き被害甚大な地域開拓者に対する融資は、三年以上の据置期間を設ける等特別の措置を講ずることとし、これがため必要な資金財政措置を講ずることとする。  なお二十八年災害に関する特別措置法によつて融通を受けた農林漁業者で、再び災害を受けたものについては、本年度償還分について延期し得るごとく措置すること。ということでございますが、要するに、三のほうは経営資金でありまするから、当然これは利子補給損失補償の従来の行き方で行きまして、立法をいたして資金枠をきめて金融機関から融資をして、それについて政府から利子補給をし、損失を補償する。無論地元が負担して、地元が負担したものについて政府が補償する。そういうことにきめております。こういうふうに、一応この文章では経営資金系統金融機関施設のほうは公庫ということになつていますが、只今申した通り総額関係で二の漁船関係漁具関係等系統機関のほうに廻ることになりますかどうか、この点を大蔵省相談しておるのであります。要するに、公庫の枠もなかなか殖えないというような状況でありますので、この点は恐らく相当部分が従来のような方法で行くことになる。つまり三の措置によつて系統機関からの融資で行わぜるということになるのではなかろうか。従つて、そのためには立法を必要といたしますれば、これは水産関係については農林とは別に特別立法を作つて行くということになりはしないかと思いますが、これはいずれもまだ確定をいたしておるわけではありません。只今大蔵省相談をいたしておるわけであります。いずれにしても、全体の災害の枠、農林水産業の枠と公庫の枠と全体の財政計画関連をいたしますので、はつきり私からこういうことになるのだと申上げることができないのは甚だ残念であります。とにかく公庫といたしましては、どつちになるかということは今考えを進めているところであります。  四、五は特別関係ございません。  六の農業災害の甚大なる地域については、実情に応じて救農土木事業開墾作業等を実施すること。これは特に北海道において考えられておる。北海道の今回の異常な災害冷害等も含めるわけでありますが、災害において漁港等救農土木事業をやつたらどうか。これはこの前、東北地方の問題について救農土木事業でやつたことがあるのでありますが、これはまだはつきり話はきまつていないようであります。何とかしたいということで話を進めておりますが、するかしないか、又枠をきめるとしてもどのようにするかはさまつていないようでありますが、公庫としては救農土木事業の一環として漁港についても行いたいということで進められておるのであります。  それから先は直接関係、ございませんが、主として農業林業関係の問題でございます。  十二にございますのが、それがいわゆる農業災害補償法漁船損害補償法による保険金については速かに本払又は概算払を行う。漁船災害保険義務加入制度対象現行二十トンを百トンまで引上げるよう法的措置を講ずる、こういうことになつているのでありますが、これは申すまでもなく、保険金については只今概算払のできる分についてはどんどん概算払いをいたしております。それから本払の必要な分についても本払をいたすということで、一現に保険に入つておるものについての措置は滞りなくやつておるのであります。ただ一つ今度の被害を受けた船が非常に小さい船であります。特に瀬戸内海方面は非常に小さい船でありまして、保険に入つていないというものが相当多いのでありますので、二十トン以下でありましても、とにかく現行加入率をもつと引上げるということの必要な措置をどうしてもやらなければならんのであります。制度の普及を図ることは勿論でありますが、制度自体につきましても、もつとよく考えて行きまして、不時の場合に備えるための恒久的措置をどうしても作り、而もそれを零細な漁船所有者がたやすく払えるような措置をどうしても併せ行わなければならんのでありまして、この点につきましては、毎回災害の起るたびに恒久問題として考えるべきであるという御意見を各委員から承わつておりますし、我々もそう思つておるのでありまするが、何しろ財政問題が伴います関係上、非常に考慮を要する問題でありまして、とにかく現行のままでもまだ入つておらんのであるから、とにかくそれを入りやすくするようにということについて、行政的措置は勿論、或いは財政的な裏打ち等も十分考えて行かなければならん問題だと思うのであります。この点はかねがね各委員から御熱心なる御意見を承わつておるところでありますから、今回の問題につきましても、現地視察の報告の中にもその点が強調されておつたように拝察いたしておるのであります。なお我々といたしましても、この点は十分考えて行かなければならんと思つておるところであります。  なお第二項といたしまして、義務加入制度の問題、二十トンを百トンまで引上げる問題、これは改めて説明するまでもないのでありますが、現在のところ、二十トンまでの船の三分の二が加入を決議いたしますれば、残りのものも全部入る。そういたしました場合には四分の一の限度で国家が保険料を負担するということになつておりますのを、百トンまで引上げるという方針でやつております。これは今度の実は保険が殆んどこれは小さな零細な船ばかりでありまして、いわゆるこの制度と直接の関連はないのが大部分であります。従つて、現在二十トン以下のものを今申上げた通り二十トンに引上げるのも問題であります。現在の二十トン未満現行制庭をもつと拡充したいという点もあるのでありますが、併し同時にこれは災害保険制度といいますか、農業災害補償制度の問題と関連いたしまして、特にこれは考えて行かなければならん問題でありまするので、この点はすでにたびたびご意見があり、国会におきます御審議の経緯もありますることでありまするのでこの点も只今大蔵省折衝をいたしておるところであります。  このほか十六の気象観測及び試験研究の問題でありますが、これは冷害のための気象観測、或いは台風状況観測でありますが、僅かな人員でございますが、水産庁といたしましても実行いたしておるのでありますが、まだ実行の手初めでありまして、まだそれを行政的に効果の挙るところまで行つていないことは残念でありますが、これは今後といたしましても、冷害のための気象観測、或いは太平洋方面海洋気象等観測に力を注いで行きたいということで、来年度におきましては所要予算を要求いたしておるのであります。そういうところでありまして、結局只今まで具体的なはつきりしたことを申上げられないのは甚だ申訳ないことでありますが、只今折角部内並び大蔵省相談をいたしておる最中でございまして、方向といたしましては先ほど申上げました通り漁港はこれは公共事業でございますが、それはそれとして取扱いましても、それ以外の漁船漁具共同施設、非共同施設養殖施設養殖物、その他を通じまして施設関係公庫経営費関係中金系統融資という建前でありますが、枠の次第によつて水産関係はこれは切離して、全部系統機関損失補償利子補給で行うという従来の方法でやるか、或いは公庫の中から、漁船の中の相当部分公庫で見て、残り中金で見るということにいたしますか、そこら辺のところが山になつているのでありますが、いずれにしろ全体の枠との関連がありますので、どういうふうにすれば一番災害復旧のためにうまく行くかという見通し関連を持ちましてきめて行かなければならん問題でありますので、目下折衝をいたしておる最中であるのであります。中途半端な御説明で恐縮ですが、現状は大体そういうふうになつている次第です。
  4. 森崎隆

    森崎隆君 私只今方針伺つたのでございますが、二、三点お聞きしたいことがありますが、公共施設関係災害復旧は前年度通り三、五、二の比率で、この方式でやつて行く、誠に結構です。現在係官のかたが現地に急派されまして、実態調査をやつておられるわけです。これに伴なつ予算が出るということになりますと、臨時国会に果して災害復旧に関する災害補償予算が組めるか組めないかという問題かありますが、時期的に見てどういうことになるのですか、この点。
  5. 清井正

    説明員清井正君) 私といたしましても、その点ははつきり実は御返事申上げられないのでありますが、これはどういうふうに時間的な関係処置をいたしたらいいでありましようか。私ども事務的に申しますと、従来の場合と同じ方法でずつと措置して、間に合わない緊急のものは繋ぎ融資で一応間に合しておいてやるということで行きますと、恐らくこれを全部終りますのには少くとも今月一ぱいくらいかかると、こう思つておるのであります。そういたしますというと、来たるべき臨時国会災害復旧予算との関係はどうなるかという御質問でありますが、その点につきましては財政事務当局或いは政府部内において時間的な関係をいろいろ御相談なさつているようでありまして、私どもといたしましては一日も早く調査を終りまして、所要措置をとりたいと思つておりますが、ちよつとその点についてははつきり申上げられないので恐縮でございます。いずれよく相談をいたしまして……。
  6. 森崎隆

    森崎隆君 これは臨時国会を召集することになつていますが、するとすれば来月初め、できますならば今月終り頃いやでも開かなければならん。そうすると災害があつてから、今日までほぼ二カ月近くになつている。臨時国会の時期というものについては或る程度見通しというものがあるはずです。そうなりますと、全力を挙げて臨時国会災害関係予算を出し得るように、調査を当然進めて行かなければならない。これは決していやみを言うわけではないのですけれども、そういうふうに間に合せるための努力というか、時間的な努力というものは私は必要だと思いますのでお聞きしたわけですが、せいぜいこれは早くして頂きたい。補正予算を組むとか、そういう方針政府のほうでなさるものだと思います。が、とにかく間に合せて、一日も早く予算を組まれて下部に流せるようにして頂きたいと思います。  それから第二点としまして、今漁船災害保険関係お話がありまして、誠に結構だと思います。これはやはり保険制慶を根本的に考えて見なければならんと思うのです。現在全国的に見て漁船数の何%程度保険加入をしておりましようか。大体の数はわかりませんでしようか。
  7. 清井正

    説明員清井正君) 第一点の問題につきまして御意見伺つたのでございますが、おつしやる通りであります。私どもといたしましても決してなまけておつたわけでなくて、事務的にできる限度でいたしているのでありますが、ただこれが予備費との関係もございますので、補正予算という形をどの税度でやつて、或いは現行予備費からこの点を出すかという問題とからむのじやないかと思うのであります。予備費ということになりますと、すぐ補正予算関連がなくてできるかも知れませんが、いずれにしても御趣旨の通りなのであります。この点は事務的にも調査を支給終りまして、又同時に財政的にも、これは政府方針とも関連をするわけですが、努力をいたしまして措置をとりたいと思つております。  それからら保険の問題について御質問でございますが、これは只今保険課長も来ておりますので、なお足らない分は保険課長からも御説明申上げることにいたします。現在の保険加入率でありますが、普通保険、いわゆる普通の保険でありますが、大体全体で、これはまあ船の隻数で十月の十四日現在、三三・六%ということになつているのであります。そうしてトン数別に分けて見ますと、〇から四・九まで、即ち四・九トン以下の小さい船が三二・七%という加入率であります。それから五トンから十九トンまでが三一・八%、二十トンから四十九トンまでが三九・二%、それから五十トンから九十九トンまでが七二・二%、それから百トンから九百九十九トン、千トン以上はかけませんが、百トンから九百九十九トンまでが五七・八%ということで、結局平均いたしまして三三・六%というふうになつておりますのが十月十四日現在でございます。これを見ますと結局二十二トンまでは大体三一・二%、まあ三二%ぐらい、それからまあだんだん上るに従つて率が高くなつている恰好になりますが、二十トンから四十九トンまでが三九・二・五十トンから九十九トンまでが七三・二こういうふうに五十トンから九十九トンまでは非常に上つているわけであります。しかしながら零細のが大体三二%ぐらいの加入率というふうに現在なつているわけでございます。
  8. 森崎隆

    森崎隆君 今のパーセンテージを見ましても、これは私も大体わかつてつたのでありますが、今回の災害を見ましても少くとも二十トン未満の船には第一段階として何とかして大体強制加入をさせるような途を講じなければなかなか入らないと思うのです。実際災害というときに一番災害のあおりを食つてもう処置なしというのは二十トン未満の零細な漁民が対象である。又これこそ本当に救わなければいけないものじやないかと思うわけなんであります。そこで現行法で今は純保険料の五割が補助でございますから、あとの五割はまあそれ以外の人の負担でありますが、そういう点の対策を、補助率を上げるとか何とかの方途を以て、少くとも現行法ではもう三〇%前後ぐらいしか入つていないのだから、強制加入をさせる前提としてもつと補助率引上げまして、そうして強制的に入れることによつて、将来災害があつた場合には漁船についてはもう保険で行くのだ、特別に漁船災害補償ということで予算を組む必要はない。災害、それ、保険料支払いということですべては救われるような途をこれは作らないと困ると思う。大体今のお話しの二十トン以上、特に五十トン以上百トンまでのところはみんな業者としては相当大きな業者でございまして、保険制度の意義というものを十分認識しております関係上、五十トンから九十トンまでのが七三%入つておる。我々が当面考えるべき問題は、二十トン未満のものについてこえはできますならば一〇〇%まで強制加入をせしめて、その代りに保険料金というものは十分一つ今の制度としてもつと有利な方式を国で以てきめて行くというようなことが望ましいのじやないかと思いますが、何かそういうようなことにつきまして将来の御方針でも承わることができますれば幸いに思います。そういう私の意見に対して水産庁の御方針といいますか、長官の所見を伺いたいと思います。
  9. 清井正

    説明員清井正君) 只今の御質問の点でありますが、確かにこの表を見ましてもむしろ二十トン以下のほうは現行二分の一を負担しなくても加入率はいいのであります。むしろ問題は二十トン以下のほうに問題があるわけであります。殊に災害が起りました今回の状況からいたしますと非常に零細な船が受けているのであります。而もこれが実は金融を受けてやるといたしましても担保力或いは信用等から考えましてもこれはとても個人々々じやできそうもないと思います。恐らくこれは組合としての責任でやる、或いは相互で協同してやるという形でないとなかなかできないと思いますが、それだけに災害が起つたときに金融に対する見込というものも相当政府がバツクしなければならないということに勢いなるのであります。従つてお話通り漁船災害に対する保障制度というものを恒久化いたしまして、一々そのたびごとに考えるということでなしに、保険制度でこれを賄うということのほうが確かに結構なことでありまして、又そこまで行くことが本当の保険制度建前であります。そういうことで実はこの前の予算のときに御説明申上げたかも知れませんが、漁船保険全体の問題として見ますれば只今二十トンまでは国が純保険料の二分の一を見る、併し入り方が御承知通り、当然強制加入じやないのでありまして例えば同じ協同組合の中の資格者の三分の二が入ろうじやないかということできめれば残りの三分の一が当然入つて来る、そうすれば残りも自然入つて来ると、こういう形になつておりまして、いわゆる当然強制加入じやないのです。そういう点が一つ、それから今問題になりましたように二十トン以下じやなしに、二十トンから百トンまでは二分の一負担させようということでこの前の国会で通過して、又それが改正になつたという関係なつておりますので、そこに問題が一つあるわけであります。それから更に現在搭載されております漁具については、船と一緒に全損した場合は見るという法規の建前なつておりますが、実際上は財政関係で見ておらないのでありますが、そういうふうに搭載漁具も見たらどうかというところに問題があるのだと思います。更に進んで定置網のうちの一部についてやはり見たらどうかということでありますが、これはお説の通りであまりす。それから更に根本的にいわゆる漁獲保険といいますか、災害による漁獲保険というところまで進んだらどうかということでいろいろ保険制度自体についての注文が多いわけであります。又多いということも現在の保険制度そのものが現在の水産業の態勢に即応ずるのにはまだ不十分だということを物語るわけであります。こういうふうに問題がいろいろあるわけであります。そこで私どもといたしましては、いろいろの問題を背負つておるわけでありますけれども、実際の状況といたしまして非常に予算の拘束もあることでありまして、やはり重点的に勢いやらざるを得ないのであります。どこに壷点を置かるべきかということが問題であります。現在の範囲を拡げるという方向に持つて行くのが、或いは現在のものを更に強くして行く方向に持つて行くのかというところに問題があるわけであります。そこで二十トンを更に百トンにまで引き上げるというのはむしろ現在のを拡げて行こうということであります。それから二十トン未満のやつのものでさえ三二%しか入つていないからそれをもつと一〇〇%入るようにしたらどうかと、中を充実するような問題があるわけであります。そこに問題がおのずから重点が分かれるわけでありますが、御承知通り、又お話通り確かに現在の三二%という問題は無論我々も、それから漁船保険中央会でもできるだけこれを普及いたしましてとにかく一〇〇%までなるようにしたいということでいろいろ手を尽しておりますけれども、なかなかこの三〇%という率を引上げるということはそう簡単ではない。やはり保険料の負担というものが無論この保険料が大体今百円について三円ぐらいの純保険料で、付加保険料が三円の二割乃至三割ぐらいが標準になつておるのでありますが、まあそういうような負担に対してもよう負担し切らんという点もあるでしようし、或いは制度そのものについていわゆる不時の用意ということに怠るとそういう安易感から入らないというようなこともありましようし、いろいろあるわけでありますが、いずれにしろこの三十数%というものをこの際引上げて一〇〇%にするというためには恐らく法的措置としては当然加入と申しますか、有資格者は当然入るのだという行き方をさせる、方法としてあるわけであります。併しながら同時にそれはそのバツクとなるところの保険料というものをどう取扱うかということが当然問題になつて来るわけであります。恐らくこれは全部国が負担するということでは保険制度ではないのでありまして、これはむしろ災害があつたときには国が補償するというような恰好になつて参りますが、これは私は災害保険制度という制度である以上はどうしても入つた以上は当人が負担しなきやならん。その負担の率がどうなるかという問題だと思うのであります。そうなりますと当然に加入させられた、併し自分は財政的な負担をしなきやならんのだという問題になつて来る。それがこの保険制度全体の建前から見ますとどういうようにこれを考えて行くか、或いは強制加入なり当然加入という行き方が保険制度の全体の体系から見てどういうふうに考えて行かなきやならないか、又そういうふうにした場合に、やはり本人の負担というのは起るわけでありますから、本人の負担というものをどの程度これを見てやるか、つまり一〇〇%ということになりますというと、これ又保険制度であるかどうかという問題も検討しなければならないし、又その方向へ考えるといたしましてもそこはおの、ずから財政的な負担が殖えるわけでありますから、そこをどういうふうにして行くかというようなことが保険制慶自体の問題と財政負担の問題と睨み合せて、又現在の水産僕界の施策から要求されるいろいろな点を睨み合せて考えて行かなきやならん問題であると思うのであります。当然加入にするということにつきましては、私どもといたしましては、只今申上げた通りかねがね前回にもそういう御意見を伺いましたし、只今も御意見を伺つて、確かに一つの方向であります。とにかく災害補償というものをもつと強化しなきやならんということは当然なんです。何とかして行きたいと思うのであり、それについての方向として現在考えられておる問題についてどこに重点を置いて考え方を進めて行くべきかということが問題であるわけであります。お話の点につきましては、実はこれは私のほうの係のほうでも実は只今この問題点について検討いたしております。数字等につきましてもいろいろ当たつておりまするけれども只今まだその段階でございまして、それ以上こうしたい、ああしたいということまで申上げるまで至つていないことが恐縮でございますが、確かに私どもとしては何らか全般の問題といたしましてこの保険制度の今後の拡充、而も業者をこれにできるだけ入らせるというためにはどういうふうにしたらいいのか、どういうふうにしたら余計入るようになるのかということを真剣に検討を加えて行かなきやならん問題だというふうに考えておるのでありまして、なお一つ研究をさして頂きたいと考えております。
  10. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  11. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記をつけて。
  12. 森崎隆

    森崎隆君 さつき長官から大体の御方針を承わりました中で、遡つてもう一点だけ聞きたいと思いますが、これはまあ一つ長官の予想というものを聞くことになるかも知れません。施設災害の補償関係、又は魚田開発なんかも入りましようし、それから又経営資金の場合も入りまするが、施設のほうでは農林漁業金融公庫の枠を拡げて行つて、これによつてまあ何とか融資の途を引きたい吾そのときにそれで不足の場合には立法措置をとると言われました。この立法措置というものは一体果して可能性があるのかどうか見通しについて承わりたい。これは長官立法措置をとろうと思つているというのだから、それで了承をしていいのでございまするが、非常に大事な、この立法措置は大事な問題でございますので、見通しについて聞きたい。  それから同時に経営資金関係利子補給損失補償等についても大体可能性があるかないか、そんなことを今頃聞くのはおかしいと言えばそれまででございますが、やはり長官がおつしやる限りはま現を期してやつておられると思う。その見通し等につきまして更に簡単で結構でありますから承わりたいと思います。
  13. 清井正

    説明員清井正君) 実はその点が相談をいたしておるところでありまして、御心配の点は十分わかるのでありますが、只今これは結局建前経営資金系統で行く、施設公庫で行くという本来の金融機関建前でありますから、それで考えているわけでありますが、問題は要するに公庫災害の枠が一体どのくらいになるかどうかということに関連するわけであります。で公庫災害の枠が相当殖えて来ますれば当然公庫の枠の中から施設全部含ませてやれるということになりましよう、公庫の枠がてんで問題にならなければ、恐らくこれはやめるが、或いは極く小部分だけ見る、例えば共同施設だけ見て、あとの施設は全部系統機関でやつて行くということになるかもわからない。それで公庫融資の枠はどなのかということでありますが、これは御承知通り農林省だけではきまりませんので、国会体の財政投融資の計画に引つかかります。公庫の回収の枠も多少ありますけれども、回収金の枠を殖やして見ても、どのくらい一体回収金が殖えるのか、又殖えた分うち災害に廻ぜるのはどのくらいあるのか、無論それだけでは足りないのでありますから、それで一般の予備金なり、財政投融資で以て農林漁業金融公庫政府から出資するとか、或いは預金部の金を廻すとかいろいろあるわけであります。要するに公庫災害の枠を殖やすためには、御承知通り回収金を廻すのと、それから預金部から貸してくれるのと、それから一般会計から出資するのと、これだけあるのであります。どういうふうに今日やるかということが実はぎまつていないわけであります。それがきまりますれば、それを見合つて、では水産関係にどの程度これが入り得るかということの見通しがつきますと、初めて法律として出さなければならんかどうかということもきまつて来るわけであります。と同時に、又一方この公庫の問題でありますが、中金といたしましても、その金融力がいつまでも続くわけではございません。現在は豊富でございますが、いつまでも豊富というわけではございませんから、そこで経営資金を、これは農林水産、非常に大きな金額になるわけであります。水産経営資金というものはほかに比べれば少いのでありますが、それを一体どういうふうに中金としては賄うかどうかということが中金自体のこれは経理の問題として起つて来るわけです。或いは中金……、この前のときも非常に問題になりましたことは御承知通りでありますが、中金としてこれを引受ける自信がなければやはり何らかの財政措置を講じて、中金資金源を殖やして行くということを講じられなければ引受けられないということを中金は言うだろうと思う。そういう問題へからむわけでありまして、とにかく全体の資金計画というものが、丁度今、昨日、今日あたり大蔵省相談しておる最中でありまして、その見通しによつてきまつて来ると思うのであります。ですから私自身の考えといたしましては、先ほど申上げた通り、これは水産だけ一本にいたして、そうして先ず利子補給損失補償という従来の特別立法と同じ行き方をとる、で、経営資金はそれで行きますけれども、恐らく公庫としてもわからんだろうから、やはり経営資金と同様に中金系統金融漁船漁具も見るということに持つて行かざるを得ないんじやなかろうかと、これは私だけの考え方でありますが、と思つておるのであります。併しこれを国全体として立法したいということで考えますれば、当然その裏付けとして公庫で貸してくれという話になつて来るわけでありますから、いずれにしましても私どものほうは、どつちになろうととにかく水産災害復旧に十分である、十二分とは申上げられなくても、とにかく自信を持つてやれるというところまで来なければ、私どもといえども、事務的な措置はできない問題であります。その点を実は相談しておるその最中でありますので、非常に抽象的なことを申上げて恐縮でしたが、そのやつておる最中でありますので、何とも申上げられませんが、私としては今申上げたようなことで、こういうふうにやつて行きたいということでやつておる次第でございます。御了承を願いたいと思います。
  14. 森崎隆

    森崎隆君 さつきも委員長からの御報告の通り、責任者の大臣が来られないので、どうにも質疑もできないし、今頃になつてまだ方針がきまつていないなんて、非常に遺憾千万なことだと考えるわけなんです。それで各府県のほうでは信連その他に対しまして或る程度資金を出してすぐに融資の途を講ずるということを今もやつておるらしい。県自身の独自の立場でやるというようなことは全部でございますが、そこで各府県あたりからも、或いは漁連からも希望がありますのは閣議でやはり早く決定をして、閣議決定の線を府県知事のほうに通達をしてくれ、これがまあ非常に大きな補償の基礎になるわけなんであります。そうすれば市中銀行でも相当出すという声はたくさんあるわけであります。ですから今頃になつてもまだ閣議決定もなされていないというのは非常な溢路になつております。この程度のことは何人かの大臣が寄つて相談してくれればいい。どうせ出すなら早くこの程度の枠は与えるという閣議決定をしてこれを府県知事のほうへ流して行けば、それだけでも府県知事のほうは相当大幅な預託をして、それで繋ぎ融資が取りあえず府県の中で賄われる県が相当あるのじやないかと思うわけです。この閣議決定というものは早くやつてもらいたいと思いますが、何ら今までそういうことがないのですが、こういう点について長官はこれまでも農林大臣を通じ又災害対策本部長を通じましてどの程度要求されまして、それに対してどういうような大臣のお話であるか、内情がわかりましたら承わりたいと思います。
  15. 清井正

    説明員清井正君) 私どもといたしましては、災害が起りまして取りあえずの措置といたしまして繋ぎの問題があつたわけであります。その問題につきましては逐次これは中金と連絡をとつて中金も将来必ず政府がやつてくれるであろう、或いは従つて地元の県も或る程度のことはやつてくれるであろう、損失補償にいたしましてもやつてくれるだろうということを前提として融資をいたしておるのであります。これは無論閣議決定という言葉はなくても、何かそういうことであるということを前提としてやるということで今やつてもらつて来ておるわけであります。大臣に本逐一報告申上げて、又大臣からもしよつちゆうお尋ねがありまして、只今のようなことでやつておるということをここで申上げておるのでありまして、農林水産を通じまして私どもといたしましては事務的にはできるだけ繋ぎは早くやるということで措置いたしましたが、更に根本の問題につきまして今申上げたようなことで、早く閣議決定をしてもらいたいということで相談をいたしておるのでありますが、いずれにしても農林水産だけじやなしに、全般の関係省とも関係がありますし、資金の枠が全体の予算のこととも関係があるのでありまして、大蔵省との関係差かく時間を費やしてきまらないというような実は状況でおるような次第であります。私どものほうといたしましても今後はできるだけ、極力早く閣議決定を受けて結論をつけてやつて行くようにいたしたいと考えるのであります。尤も確かに方向としてきまれば金融機関なり、関係の公共団体が仕事がやりやすいということは御承知通りであります。そこで中金のごときも今申上げた通り閣議決定はないけれども大体今まで通りの方向でやつて行くのだろうから、そういうことを了承してやろうということで、できる限度において今まではやつてもらつておるような状況でありまして、無論十分ではありませんが、やるだけのことはやつておるわけであります。今後具体的な根本問題につきましては今申上げたような方向に副うてできるだけ早く結論を得るように、やつてもらうように努力いたしたいと存じております。
  16. 千田正

    ○千田正君 大体災害に対する方針については只今森崎委員質問に対して長官から縷々説明がありましたので、  一応は了解しますけれども、先ほどから問題になつております通り、これは速急に解決しなければならない問題であつて、自由党を除く各派が臨時国会を急遽召集して、こうしたいわゆる災害復日に対する問題を一日も早く解決すべき問題であるとして特に国民の声を背景として要求しておるにもかかわらず、政府は相変らず何らの処置も講じなければ方針も決定しない。而も本日の委員会は災害対策本部の担当大臣であるところの加藤国務相を呼んで、政府の所信を明らかにすべきはずのこ委員会にさえも報告ができない。こういうことであつては到底今の政府に対して我々は信頼をかけるわけには行きませんけれども 現実の問題を我々は出張して来て調査するというと、非常に国民の、いわゆる現地の農民なり、漁民なりの声というのは国会はどうしているんだと、こういう声を強く我々は要望されるのでありまして、この際至急この問題を解決して欲しい。この点については今も森崎委員から特に重点的に質問がありましたから、私はあえて追加しての質問はいたしません。ただ現業の長官であるところの長官から、特に対策本部に対して至急この問題の解決を図るようなことについての側面からの要求を出して頂きたいということであります。そこで災害以外に私は二点だけ今度の調査について特に感じた点がありますので、この点を伺つておきたいと思うのでありますが、それは高知県に参りましたところが、いわゆる室戸岬を中心とするところの、かつお、まぐろ漁業、これはやはりビキニの災害相当受けている。この問題に対して、どうも静岡、或いは神奈川を中心として水産庁なり、政府なりが考えているようだが、業者そのものは何も神奈川や、静岡に限つたわけじやなくて、四国にも、或いは東北にもある、こうしたビキニの損害に対する補償問題を早く解決して欲しい。これが一つの要望であつたことを特に長官のお耳に入れておいて頂きたいと思うわけであります。  それからもう一つは兵庫県の瀬戸内海の沿岸におけるところの、曾つての戦争後瀬戸内海に廃棄しました爆弾、殊に黄燐弾、非常にまあ害毒を持つているところの薬物でありますが、これが沈下しておつて、最近に至つてこれが出て来ておる。そのために漁業区は勿論のこと、漁業に従事するところの漁夫、或いは潜夫、その他がそれにやられて、原子爆弾ほどの強い被害はないが、糜爛性の爆弾のその処置のために、その被害は広範囲に亘つている。これに対する処置をどうしてくれるか、こういう漁民の訴えがありましたので、この点は何か方法を講じているのかどうか、或いはもうすでにその調査が済んでおつて、これに対する対処方針がきまつているのかどうか、この二点を災害復旧の問題のほかに伺つておきたい。  第三点は、森崎委員からもたびたび聞いておられますからわかりましたが、この、とかく今までの災害復旧は大体調査が済んで査定が終つてから、その現地にその資金が来るのがもう何カ月も遅れている。災害復旧といつても、早く言えば夏蚊屋を欲しいというときに、まあ冬の毛布が来たり、冬に夏のものが配給されるというふうな、非常に迅速度を欠いていて復旧にはならない。その間において非常に苦しむという点がどこからもそういう苦情が来ておりますので、これは何とか決定をしたならば速急に末端に行き届くというような方針を立ててもらいたい。殊にどうも当年度災害査定の後に、割当になるのが大体二割程度である。そうして災害復旧を完成するのが三年も、四年もかかる、こういうことでは、災害復旧の本当の政府の親心も我々は感ずるわけには行かない。どうか災害復旧はせいぜい二年ぐらいの間に復旧が完成するような方針を立ててもらいたい。これは強い要望でありますので、この点についての長官の御意見を承わつておくと同時に、特に私が要求するのは冒頭に申上げました通り政府首脳部においては荏苒として未だこれに対する対策ができておらない。かようなことであつては囲えの非難は当然のことであると思いますので、現業官庁の長官であられる長官から当局の首脳部に対して強く国会の要望を伝えて頂きたいということを要望しておきます。
  17. 清井正

    説明員清井正君) 只今の問題でございますが、荏苒日を過して何ら適切な処置がとられないという意味において先ほどは森崎委員から、只今は千田委員からお叱りを受けたのでありますが、私どもにいたしまして竜事務的にはできるだけのことを実はいたしておるつもりでありますが、いろいろ財政上の問題がございますし、その他いろいろな問題がございますので、なかなか最後的な決定が欠けておることにつきましては私どもも責任があるのでありまして、今後できるだけの努力をいたしまして速かに具体的な措置に入れるような措置をとつて頂くように、私どもといたしましても十分努力いたしたいと思つておる次第であります。なお御質問のありました、かつお、まぐろ、殊に高知県の問題についてでありますが、これは確かに高知の問題につきましては、私どもといたしましては決して軽視をいたしておるわけじやないのであります。これは何と申しましても静岡、神奈川が中心になりましたのは、静岡県は御承知通り事の発端地でありますし、神奈川は三崎という日本一の港がありますために問題になつたのでありますが、高知はそれに次ぐものでありまして、特に高知は自治検査をやつておりまして、ときどきいわゆる廃棄まぐろが出ますために、余計関係の業界に影響を与えているのであります。無論融資措置につきましてもちよつと金額は今覚えておりませんが、静岡、神奈川と同時ではございませんけれども、それに次ぐ措置といたしまして実施をいたしておるわけであります。  それから廃棄まぐろの関係被害者に対しましては、先般もちよつと申上げましたが、これも他県と同様に取扱つておりまして、報告を厚生省のほうからとりましてすぐこれを計算いたしまして外務省を通じてアメリカ側に要求し、又すでにやりますものについては二回内渡しを実施いたしておるといつたよう状況であります。  今後この問題につきましては先般の問題の一つといたしまして、折角努力を続けて行かなければならない問題と思つております。又特に高知についてないがしろにしたということは私どもといたしましてはいたしておるつもりはないのでありますので、この点は御了承願いたいと思います。  それから黄燐弾の問題につきまして、この点につきましてはちよつと私もこういう問題があるということは実は聞いておつたのでありますが、それがどの程度に実は漁業に影響があつてこれをどういうふうに処置をしなければならないかという問題につきましては私ども実は詳しく知つておらないのであります。この点は恐縮に存ずるのであります。なおよくこの点は御調査を頂きたいと思います。これは具体的にまあ先般お話伺つたのでありますが、なお私のほうといたしましてもこの点は十分調査をいたしまして、必要でありますれば何か手を打たなければならないと思つております。そういう事件があるということだけは知つておりましたけれども、詳しい話は知らなかつたのであります。その点は恐縮に存じますが、なお速かに調査をいたしまして措置をとりたいと思つています。  それから例えば災害復旧等につきましても早く手を打てということもこれは無論結構そうしなければならんのでありまして、併しこれは実際問題といたしまして災害復旧の問題は御承知のことと思いますが、これは財政上の補助金をいたします場合に非常にあとから問題を起す場合があるのでありまして、どうしても実地を調べなければならないということが強く要請されておるのであります。殊に会計検査のほうの立場から非常に強く要望されておるのでありまして、どうしても実地を査定してからでなければ動き得ないのでありますので、いろいろな関係で遅れていた。従つてそのためにも繋なぎ融資があるわけでありますが、そういうことは理由にならないかも知れませんが、我々としてはできるだけ早く、とにかく査定をして関係者に早く所要補助金が行くように努力しなければならんと思つております。復旧の割合も一応参考にということで考えておるわけでありますが、成るべく早く復旧しなければならないという問題でもありますが、これも事務上の問題、又財政上の問題と関連いたしますので、御趣旨の点は十分受けまして検討をいたし、その方向で努力いたさなければならないと思つておりますが、まだ直ちにこうするということは申上げられないのは遺憾であります。御趣旨の点は十分御了承いたしておる次第であります。
  18. 千田正

    ○千田正君 もう一つ特にこれは我々が行つた所ばかりじやなく、一般のほうの御調査の場合にもそういう御報告があつたようでありますが、最近非常に強力な毒性のある農薬、農薬の使用による沿岸漁民に与える影響、例えば最近ドイツ製の科学農薬、或いは日本で又外国製のものをまねて作つた、或いはそれ以上の強力な農薬を使用する結果、この農薬が沿岸に流れ出て、殊に小漁民の、零細漁民の生活の対象になる「えび」であるとか、小魚介類に対する影響は非常に大きい。そのために、最近農薬の使用に対して何か禁止をしてもらう方法はないか、こういうことで徳島県、或いは瀬戸内海その他の県の沿岸小漁民のほうからの訴えが強いのでありますが、併しこれは同じ農林省の関係でありますからして、農業と漁業との関係でありますから、農林省内において話合いがつくものと思いますけれども、これの善処方法を考えないというと、沿岸漁民は相当強い意思を持つてこの問題の解決に当ろうとしておりますので、長官のほうでこの点について農業関係のほうと十分にお話合いがありましたかどうか、或いは今後この問題についてお話合いをする機会を持つてこの問題を解決されるかどうか。この点を一点伺つておきたいと思います。
  19. 清井正

    説明員清井正君) 只今お話、実は非常にむずかしいと同時に重要な問題だと思つております。私どもも話は聞いております。まあ。パラチオン剤によります農薬の被害でありますが、これも農薬を施用してから三日ぐらいたちますれば、沈澱いたしまして川から流れましてもそう被害はない。併しその前に雨でも降つてすぐ流れ出したりすると非常に被害があるのだということを言われております。有明海の被害について地元の試験場で調査した結果があるのですが、確かに農薬によつて魚に非常に被害があるという試験場の調査がございます。ただ、その魚が減つたのが全部農薬の結果によるものかどうか、逆必ずしも真ということは言えないのでありますが、農薬による害を受ける。割合に鯉とか鮒とかいうものは強いのですが、「あみ」などは非常に弱いというような結果も出ているようであります。私どもとしましては、これは水産関係からいたしまして極めて重要な問題だと思います。これは農薬の問題でありますから、全部の農業者関係ということになります。そこで実は農業改良局の担当とは前から連絡をとつておるのであります。向うも十分検討いたすようにしております。私どものほうも検討をいたすということで進めております。ただ、最近起つたことでありまして、一部の試験場の調査はありますが、まだ広くそれが全般的の調査でないのでありまして、我我といたしましては、この問題は確かに重要な且つ困難な問題でありまするから、我々といたしましても、もつと広く調査をいたしまして、確かにこれがこの程度被害があるならあるということをよく確かめなければいかんと思います。それと同時に、これが行政措置をどういううふにするかということが問題になつて参ります。ただこれが今申しました通り、逆必ずしも真でない問題でありますからその点をやはり相当業者としては考えて行きませんと農薬全般との比重の問題になつて来ますから我々といたしましてはこの問題を極めて慎重且つ重要な問題として取扱つて行きたいと思つております。御注意の点十分尊重いたしまして今後慎重に検討して行きたいと思つております。
  20. 千田正

    ○千田正君 この問題について我々、農林省の関係の問題であり、片一方は農業改良局の問題等に関係する問題であつて、一方においては特に「えび」の被害が非常に大きい。「えび」であるとか魚介類、こういうものに対する被害が非常に大きいという訴えがあり、併し漁民のことですから科学的根拠に基いての調査が十分できておらない。そこでお願いなんですが、水産庁関係水産試験場とか、或いは水質汚濁関係の技官等のかたで特にこの問題について調査に派遣される一つの機会を持つて頂きたい。これを特にお願いしておきます。
  21. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時十二分散会