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政府委員(楠本正康君)
お答え申上げます。その後の被災者の状況でございますが、すでに一般に先般申上げましたように、
福龍丸乗員二十三名はすべて東京に参りまして、うち七名は東大病院、他は国立第一病院に収容されて手当を受けておるわけでございます。東大病院に入院いたしておりますうち三名につきましては、先般御
報告申上げましたように、極めて憂慮すべき状態が今日なお続いておりまして、病状は一進一退の状況でございます。これの予後につきましては今ここで
はつきりしたことは申上げる
段階でございません。併しながら他の患者、東大に入院しておる者或いは国立第一病院に入院いたしておりまする者も、さしたる悪化する傾向もございません。これらの予後はおおむね心配はないものと
考えてよいのではないかと
考えておりますが、併しこれらとても
放射能物質がかなり体内に吸着されておりますので、今後の推移というものは特に注意をしなければならんものと
考えておりますが、何分にも甚だ不徹底な
お答えになりますが、的確なる治療
方法というものは、今日まだございませんのみならず、
日本としても、或いは世界各国におきましても、初めて取扱う疾病である
関係上、甚だ確定的なことを申上げられないのは遺憾でございますが、以上が症状の
経過でございます。なおこれらのこの患者の負担その他につきましては、目下取扱は船員保険の給付の限界を大幅に幅を持たして
考えまして、目下それらの治療上等につきましては何ら支障のない現状でございます。一方これらの治療その他に関しまする経費に関しましては、
外務省を通じまして目下その
補償を
要求すべく資料を提出済みでございます。なお
生活費等についてはたまたま船員保険におきまして、当初四カ月間だけは全額が
生活費として支給されますので、これ又取りあえずの経費には困らぬ現状でございます。又一方患者を持
つておる
家族といたしましては、見舞その他に余分な経費のかかることは当然でございますが、これらにつきましては
漁業組合その他にお願いをいたしまして、これ又取りあえずの
措置として御迷惑のかからんような
方法を講じておるものでございます。なおこれらの後段の経費につきましても、当然見舞金その他の形で何らかの
補償を受くべくこれ又
外務省に資料を提出してございます。