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1954-10-11 第19回国会 参議院 水産委員会 閉会後第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月十一日(月曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————   委員の異動 十月九日委員松澤兼人君辞任につき、 その補欠として片岡文重君を議長にお いて指名した。  出席者は左の通り。    委員長     小林 孝平君    理事            青山 正一君            千田  正君    委員            島村 軍次君            森崎  隆君   説明員    水産庁長官   清井  正君    水産庁次長   岡井 正男君    水産庁漁政部漁    政課長     家治 清一君   —————————————   本日の会議に付した事件水産政策に関する調査の件  (昭和三十年度水産関係予算に関す  る件)   —————————————
  2. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 只今より水産委員会を開会いたします。  本日は昭和三十年度水産関係予算に関する件を議題に供します。最初水産庁よりこれに関して説明をして頂くことにいたします。
  3. 家治清一

    説明員家治清一君) それではお手許に差上げました資料に基きまして概要の御説明を申上げます。  最初に概括的に申上げますと、おわりのほうから申上げますが、最終水産庁関係の全体の予算額が全部で、公共事業費を含めまして、約百二十七億となつております。前年に対比いたしますと、二倍強、前年が実行予算で以て五十一億余りでございますので、二倍強の要求なつております。特に漁港の整備事業でございますが、これは非常に事業量がたくさんございますにかかわりませず予算が少いのだという現状でございまして、来年度要求といたしましては、前年は三十億余りでございますが、これを七十八億という要求にして大蔵省と折衝をしたいと、こういう要求なつております。公共事業を除きました予算といたしまして八%でございますが、要求額四十八億、本年の実行予算額は二十一億、ざつと四倍でございます。それで中身に入つて最初の頁から主なところについて御説明申上げます。  二番の漁船乗組員養成事業、これはずつと継続しておる仕事でございまして、御承知のように船に乗りますには船長とか航海士とか或いは機関士とか或いは無線を積んでおります場合は通信士といろものは免状を必要といたします。その免状をとらせるために養成講習をやつておるのでございますが、来年度予算の新らしい項目としましては、従つて甲種二等航海士甲種二等機関士、それから二級無線通信士、これの養成事業をやりたいというのが新らしいものでございます。この問題は御承知のように前国会で船舶職員法臨時特例が出まして、二カ年を限りまして、遠洋区域の、特に遠洋のうちいわゆる甲区域と言いますが、日付変更線から東、それから南緯十三度から南、そろいつた遠い区域に、これはかつおまぐろ船でございますが、出ますので、そういつた場合には非常に高い資格要求がありますので、これを若干低めたのでありますが、これに併せまして所定期間の間にできるだけ所定資格を持つ航海士機関士無線通信士を養成したい、こういう考えで予算要求したわけでございます。  それから四番は、これは小型機船底曳網漁業減船整理実施しておりまして、それの五カ年計画最終年事業でございます。これを行いますれば、大体三十年度所定減船整理計画が実行できる、完成できるという次第でございます。  それから次の五番の中型機船底曳網漁業整理転換、これは二十八年度から仕事を開始しまして、一応我々の計画では三カ年計画ということで二百二十八隻、これは漁場に比べて操業力の非常に大き過ぎるところへ、これの整理転換のための漁具或いは船の改造費とかいうようなものに対して国の補助金を出しまして、例えばかつお、まぐろ、或いはさんまというようなほうに転換させる仕事もやつております。それの第三年目の計画でございます。  それから一つ飛ばしまして、七番目の沿岸漁業調整でございますが、これは漁業制度改革実施、或いは漁業法実施のための諸経費でございまして、この中身は、例えば府県沿岸漁業調整指導をいたします。職員設置、それから海区漁業調整委員会設置費用、或いは漁業調整関係訴訟事件がありますので、そういつた訴訟事件事務費、そういつた経費内容なつております。ここでは二十九年度におきまして、従来は全額負担ということになつておりましたが、二十九年度に限りまして、補助金等整理に関する法律によりまして、例えば職員設置は二分の一、それから調整委員会関係全額乃至二分の二補助というふうに切り下げられておりますので、これを本来の趣旨通りに元へ戻して全額補助ということで要求いたしております。なお若干委員会開催回数増加、これは昭和三十一年度になりますと、漁業権の切替えがありますので、こういうことを考慮いたしまして、委員会開催回数増加要求いたしております。  それから八番目の漁業転換促進、これはこの予算に計上しておりますのは極めて少額の事務費でございます。漁業転換の主たる内容は、融資のほうに委ねられております。これは別途農林漁業金融公庫融資計画というほうへ入りまして要求しております。ここで計上しておりますのは、中央指導経費並びに府県指導経費というわけのものでございます。  それから九番でございますが、九番はこれは一口に申上げますと、農林省によりまして沿岸沖合漁業の秩序を守るための取締船を動かす、その動かす経費でございます。大体においては前年と同じような考え方をしておりますが、一部船をもつと能率のいいものに変えるという経費が殖えておりますのと、特に沖合取締のために新造船一隻を造りたいという要求をしております。これは百二十トン型の船を現在水産庁が持つておりますのに白嶺丸というのがありますが、大体白嶺丸級の船を造りたいという要求がこの中に入つておりますので金額が殖えております。  それから十番目の新漁場開発でございますが、これは新規項目でありまして、ここに入つておりますのは、実は日本近海の新らしい漁場開発調査したいというのでございます。これが基本的な漁場調査と言いますのは、相当みつちりやらなければできないのでありまして、あとに出て参ります対馬暖流総合開発調査、或いは太平洋岸漁場開発調査というようなのは、主として試験研究機関中心にして調査をしておるのでございますが、ここで言つております新漁場は、これは一応或る程度資源的には調べておる漁場でございまして、ただそれが経営的にどの程度操業が引合うかどうかという点を、いわゆる経営試験調査といいますか、ということを狙つております。ここへ出しましたのは、ここへ書いておりますように、中型機船底曳の割合深い所、従来曳いておる深さよりも或いは二倍乃至二倍半というように、まあ三百メートル乃至四百メートル、そういうような深い所を曳く漁場、それから捲網或いは捲網関係で隠岐堆とか大和堆とか、そういつた漁場附近、そこへ行けば大体あると考えられておりますが、若干新らしいために危険を感じて業者の船は出られないというような所につきまして、これは指導的にといいますか、計画的に関係業者の若干の者を募りまして、それに底曳関係では県のほらから試験船が参加して隊を編成してやります。それから捲網関係は、これは県の試験船は参加いたしませんが、県の職員が参加して試験操業をやつてみる、こういうのでございまして、それに対して県の試験船の場合においては、燃料の二分の一、それからその他の場合につきましては三分の一乃至四分の一の補助金を出しまして開発調査をやりたい、こういう考え方でございます。  それから十一番の水産増殖でございますが、これは従来考えております或いは実施しておりますところを拡充強化してやりたい、こういうのでございまして、備考に書いておきましたように、内容としましては内水面資源維持、それには放流事業、これは県の行います放流事業補助でございます。それからその次の種苗確保態勢整備、これも県で作ります例えば種苗養成所、そういつたものの施設補助金でございます。それから遡河性鮭鱒増殖事業補助金、これは今まではとれておりませんが、大体北海道では国営で鮭鱒孵化事業をやつておりますが、その他の都府県におきまして同種の経営鮭鱒獺化事業をやつておられる所につきましての運営費補助をいたしたい、こういうふうな新規要求でございます。それから浅海保護水面管理と申しますのは、これは大体重要な保護水面として指定されておりますが、これはその保護水面管理維持費補助金でございます。それから浅海増殖開発といたしましては、従来やつております耕萩整地或いは搭土事業、まあ大体海の土地改良でございます。それから築磯、これは例えば投石或いは岩礁爆破、こういう仕事でございます。それから、岩面掻破、そういつたことのほかに、以上は主に海藻類或いは貝類対象になりますが、そのほかに魚礁設置事業がございまして、これは本年度予算で初めて計上せられました。いわゆる魚のアパートの設置費補助でございますが、これを瀬戸内海のみならず、その他の浅海面におきましても設置を助成して参りたい、こう考えております。それから産卵場の造成は、たこでございまして、たこ産卵場としてたこ壼に台を付けたようなものですが、そういうものを投下しまして、たこ産卵場を造成することによつてたこ増殖を図りたい、こういうのでございます。それからなお重要貝類増殖でございますが、これは現在はほたて貝につきまして、この増殖のための補助金が出ておりますが、来年度におきましては、ほたて貝のほかに更に、も貝も対象として取上げております。  次の内水面については、これは沿岸について申上げましたことを内水面においても同様に内水面漁業調整においてやりたい、内水面漁場管理委員会補助費として三分の二補助全額として要求したいということが内容なつております。  十三番は、北海道石狩河口におきます内水面鮭鱒流刺網漁業、これを外へ出すという整理転換を二十八年度から実施いたしておりますが、これも三カ年計画最終年度でございます。  あとは大体前年度とたいして仕事のやり方としては変つておりませんので、ずつと飛ばしまして十七番に参りますが、十七番の中小漁業融資保証保険特別会計繰入四億五千万円でございますが、これは御承知昭和二十七年の補正でできたのでございますが、中小漁業基金協会、これは府県設置されまして、その協会融資保証をいたしまして、そうして中小漁業者に対する漁業金融円滑化を図る、その場合に基金協会保証しましたものを国が更に補填する、保証債務を国が保証するということで特別会計が設けられておるのでございますが、これは当初五億の基金特別会計へ繰入れられておりますが、その後の事業量がどんどん殖えて来ましたに件いまして基金がどうしても五億では不足でございますので、四億五千万円の増額を見ております。これは当初の計画では大体十四億の基金が要る、これを可及的速かに充足する、こういうことになつておりまして、当初に繰入れてもらいました五億、更に来年度四億五千万円増額したい、こういうのでございます。  それから十八番の漁船損害補償実施でございますが、ここで一番大きな問題は、漁船保険義務加入制度の限度の問題でございます。法律では昭和二十九年四月一日からは、百トン未満漁船については義務加入制度が布かれ、それに対して国庫保険料の半額を負担する、こういうことになつておりましたのを、やはり先ほど申上げました補助金等整理に関する法律によりまして、二十九年度に限りまして、その百トン未満というものを一応読み替えまして、結局やはり二十トン未満という線に読み替えることになつたのでございますが、三十年度においては、法律規定通り百トン未満義務加入、それに対する二分の一の国庫負担ということで要求を出しております。それでそのほかに若干新らしいものとしましては、搭載漁具保険実施したい、これは漁船の搭載しております漁具が、漁船が全損いたします場合、つまり沈没或いは行方不明、そういつた全損いたしました場合には、その搭載漁具も併せて保険対象になり得るのは、法律上はなり得るということになつておるのでございますが、これは予算的にはまだ認められなくて、今まで推移しておりますが、来年度からはこの搭載漁具漁船と運命を共にして全損した場合について保険対象にしたい、従つて或るトン数以下のものは義務加入する、その場合に国庫負担が伴う、こういうことで予算要求をいたしております。なお特殊保険事故、いわゆる拿捕事故がずつと殖えております。そのためにすでに本年度におきましては赤字でございまして、こういつた赤字を来年度一般会計から繰入れてもらう、そのための料金もこの中に入つております関係上、前年度に比べまして著しく大きなものと思われるのであります。漁船乗組員給与関係も同様でございまして、若干の赤字が本年度から出ておりますので、来年度その赤字をカバーするために一般会計から繰入れを要求しております。  それから十九番の漁業災害調査研究、これは実は本年度一部若干の経費を以て実施中でございますが、狙い漁業災害補償制度というものを確立したい、そのために大体その基礎となる危険率、或いは被害額の、何といいますか、計算の基礎、そういつたデータを精密に調査をいたしたいというのでございまして、本年度特別会計の中に若干、百万余りの金を計上して、現在定置その他沿岸漁業の極く一部について調査中でございますが、これを更にもう少し、重要な漁種漁業種類につきまして、調査をいたしたい、これは来年度及び来々年度にかけまして計画を立てておりますが、その一部を要求しております。  それから二十番の輸出水産業振興でございますが、これは輸出水産業振興法実施経費でございます。内容は、大体輸出水産業振興審議会或いはその他の事務経費と、それから海外における普及宣伝の諸経費というような、こういうようなものであります。それから二つ飛ばしまして、二十三番の魚食普及でございますが、これは実は食生活改善と相関連しまして、魚食食生活改善と適応して推進するというために、狙いの第一点は、農山村といいますか、比較的今まで魚食に親しまない所におきまして、その地方の食糧事情というものとからみ合して、如何にうまい工合に魚食というものを、これを織込むかというようなことを研究し、普及するための、これは移動展示会なり或いは移動展示講習会、そういつたものをやつてみたいという考え方であります。それともう一つは、これは学校給食を通じまして、やはり魚食普及を図りたいという趣旨で、丁度脱脂粉乳学校給食と一緒に取上げられておりますが、その脱脂粉乳が果す部分と、そのほかに、まあ学童が必要とする蛋白量の一部をこの罐詰、これはまあいろいろな衛生関係その他の関係から、どうしても罐詰などにならざるを得ないのでございますが、罐詰でその蛋白分の一部を補給するということにいたしまして、これを比較的安い時期に計画生産し、それを持つていて適時学校給食計画に織込むというための利子補給経費でございます。  それからあとは大体事務費乃至は水産庁指導取締船の諸経費でございますが、二十九番になります。二十九番の遠洋漁業取締指導監督並びに新漁場開発、ここでの新漁場開発と申しますのは、これはここに書いてありますように、太平洋のずつと南東のほう、先ほどちよつと乗組員養成で申しましたが、ずつと遠い甲区域というほうに当る、その附近におけるまぐろ調査及び印度洋方面の、やはりまぐろ調査でございます。この場合太平洋東南部における資源調査のために、従来の水産庁が持つております船ではどうしても足りませんので、五百トン級の調査船一ぱいを新造したい、こう考えて要求いたしております。それから印度洋方面では、これは傭船を用いまして、五百トン級一隻と、あと百五十トン乃至二百トン級のキャツチヤー二隻、三隻で以て操業させて、その調査をしたい、こういう考え方要求いたしております。そのほかは以西の取締が六ぱい、或いは太平洋方面取締が四はいということになると、そういうものが要るわけでございます。  それから三十番目、ちよつとお断り申上げますが、アラフラ海の白蝶貝等採取漁業につきましては、本年或いは昨年もすでに出ておりまして、それに対してこちらからも取締指導船が出ておりますが、前年度は実は予算関係で一応本予算には計上しないで、行くことがはつきりきまつたら予備費で考えるということになつておりまして、予備費なつております。従いまして二十九年度のほらは千四百万ついておりますが、これは予備費でございますが、本年はこの指導取締船濠洲側との暫定協定の上で、常時我が国取締船当該漁場に出るということになつております関係上、取締船傭船の隻数の増加なつております。  それから三十一番でございますが、南方漁業基地利用によるまぐろ漁業経営合理化促進対策、これは実はまぐろがずつと南に行きますと、もつと船を大きくするか、乃至は母船経営にならざるを得ないわけでありますが、百トン前後のまあ中型まぐろ船が、今のビキニ附近まで行つているのが、それが帰つた問題で、その地域を避けるといたしますと、どうしても何か陸上基地というものを或る程度確保してやらなければならない。そこでこれはまあまだ具体的に交渉が進められ、きまつたということは聞いておりませんが、一応目標としては、サモア諸島或いはその周辺の海域につきましてその陸上基地を或る程度共同経営なり何なりで確保することによつて、その中型漁船操業させたい、こういうことで取りあえず調査いたしますために、政府が船を雇いましてその事業をやりたい、こういうことであります。  それから三十二番の海外漁場開発と申しますのは、これはアルゼンチン沖合水産庁の持つております一番大きな船でありますが、東光丸で以て大体半年に亙りまして向らへ行きまして調査をいたしたい、こういう経費であります。で、大体半年と申しましても、一万二千海里ぐらい片道あるそうでありますので、大体片道が五十日乃至六十日かかるそうであります。現地における調査期間というのは、比較的短かいのでありますが、そこでは底曳或いは浮魚の調査、そういつたものを先方の政府共同調査をし、将来の地区の開発乃至は移民の問題に資したい、こういうのであります。  それから三十三番は、大して前年と変りございません。これはちよつと新らしいものとしましては、速力標柱というものを整備したいというのが出ておりますが、これは戦争前乃至戦争中マイル・ポストというのが作られ、そうしてそれが活用されておつたようでありますが、これは要するに、船自身速力を自分で測る、そのための標柱でありますが、これが懐われております部分を整備したい、こういうのであります。  それから三十四番の漁業指導監督通信施設整備というのは、これは中央無線電信施設を設けたい。送信並びに受信をいたしまして、大体殆んど全世界と申しますか、太平洋或いは北、南、それぞれにおきまする我が政府監督船調査船との連絡、或いは操業船との連絡、そういつた施設を設けたい、こういう経費でございます。  あとは、ずつと飛びまして三十八番でございますが、インドも太平洋水産理事会会議、これを来年度日本で開かれる予定でございますので、その要求経費を計上いたしております。このIPCというのは、大体太平洋及びインド洋に関係のある各国の試験研究といいますか、資源調査なり、そういつた試験研究をやります人たちが集まりまして会議をするのでございますが、これは我が国も一昨年から加盟しておりますし、それが来年度日本で開かれるということになつております。  それから三十九番の水産研究管理運営及び水産資源開発でございます。これは金額が若干殖えておりますのは、対馬暖流調査の継続と、それから太平洋岸におきます漁況、海況調査、この仕事を現在やつておりますよりももら少し区域を拡げたい、こういう点と、それから瀬戸内海或いは伊勢湾におきまする漁場調査、これは大体魚群探知機等最近進歩いたしましたので、それを使いまして入漁関係或いは漁場計画、そういつたものを立てますために、非常に錯綜しておりまする漁場におきまして、海底の状況、或いは資源状況、まあ資源と申しましても、大体魚群探知機で測つたり、或いは若干の試験船による試験調査をやりまして、何といいますか、実態の調査をいたしたい、こういうのでございます。そのための補助金が殖えましたために、前年度に比しまして約二千万くらいの増になつております。  それから四十番の冷害対策海洋調査、これは前年に引続きまして実施して行きたいと考えております。  それから四十一番の輸出冷凍水産物品質改善研究費、これは実は黄肌鮪が冷凍して出しまして向うへ行つてから罐詰にするまでの間に非常に黒くなる。これはクレームがついて参りまして、その率も相当高いというので、何とか、どういう原因で黒くなるのかということを実は調査したい、これは現状ではどこがポイントであるかということがまだ究明できておりませんので、先ず鮪をとるとき、それから船内における処理、それから持つて来てからの貯蔵、加工の問題、そういう一連の調査をやりましてその問題点を究明したい、こういう経費でございます。内容は、乗組んだり、それからその必要な材料をとつたり、こういう経費でございすず。  それから四十二番の国際漁業生物調査というのが出ておりますが、これは新規要求でございますが、内容鮭鱒生態調査、鯨の標識調査でございます。これは昨年、或いは本年におきましても、一部北洋の出漁の場合には政府も船を雇いまして調査をやつておるのでありますが、これは或る程度、何といいますか、日米加漁業委員会も発足し、いよいよ生体調査というものの如何が現在の条約内容に影響があるというような状態になりましたので、これは政府としてこの調査にもつと本腰を入れて、相当のスケールの船を出しまして、そうして生態調査をやりたい、こういうものであります。鯨の標識調査は、これは年々要求しておりますが、なかなか通らないのでございますが、どうしても鯨の標識放流をやらなければならないのでありまして、これを要求いたしております。  それから最後に四十三番でございますが、これは水産業技術改良普及事業の拡充でございます。内容的に一番の重点は、技術改良のための技術員の増員と、それから改良普及員の新らしい設置でございます。で、水産技術改良は、農業関係に比べましてはずつと遅れております。そのために我々としては、何とか早く農業或いは林業に遅れないようにこの組織の確立を図りたいのでございますが、実は二十八年度予算でやつと専門技術員というものを六十九名設置するということが通りまして、同時に先達漁船というものを中心とする研究グループを作り、そのグループに県の水産試験場の人が器材を持つてつて、従来の伝承的な技術を科学的に解明し、その結果を普及するという糸口をつけてもらつたのでありますが、本年度は残念ながら新らしい要求は駄目になりましたし、先達漁船普及のほうも、若干は認められたのですが、有力な増加はなかつたのでございますが、来年度におきましては、そういう先達漁船普及というものをもつと拡げたいということと、それから六十九名の専門技術員では到底足りませんので、やはり六十何者の増加、それからもうすでに或る程度先達漁船の効果が進んでおりますので、そこで解明された技術普及するというために普及員設置要求いたしております。その人件費の新らしい増というものがこの中の一番重要項目でございます。  あとは大体真珠検査所、或いは研究所、水産講習所北海道鮭鱒孵化場、こういう附属機関に対しまする経費要求でございますが、大体遅れておりまする施政をもつと早くしたいというようなことが内容なつております。  非常にまとまらなかつたかも知れませんが、概要以上の通りでございます。
  4. 森崎隆

    ○森崎隆君 お尋ねいたしますが、第一頁の四の小型機船底曳網漁業関係整理の問題でございますが、これはやはり十馬力まで本当にやる決意でございますか、どらですか。まあ最初の頃は補助金が三十万なり四十万出ますからできたのでありますが、今は非常に小さくなつておりますから、これを補助されましても、五、六万くらいが出ておるのではないか、これではどうにもならないのですね。それから瀬戸内の或る地方によりますと、十馬力以下になると、海底深度、又海底の泥土の関係なんかから事実上不可能になるというようなことがありまして、どうしても十三馬力あたりまでは何とか許してもらいたいという懇請が強いのでありますが、この点についてどんなお考えか、先ず第一点として具体的に伺いたい。
  5. 岡井正男

    説明員(岡井正男君) 只今の森崎先生のお尋ねでございますが、この点は行政に携わつておる我らとして、一番今当面の差迫つた問題といたしまして苦慮いたしております。で、再三に亙りまして出先機関である瀬戸内海の事務局をして、瀬戸内海の隅々まで一応精査さした結果、その前に、事は足りませんでしたが、小型整理瀬戸内海を除く府県では全国的に予定通り遂行いたしております。問題の焦点は瀬戸内海だけに現在かかつておる次第でございます。それで先ほど申上げたように、事務局をして十分に調査させました。それで今の段階は、各府県の意向並びに現在までの資源関係調査等を総合いたしまして、十馬力まで原則的にやはり遂行することは先ず妥当であると、併し現在香川の一部、山口の一部、愛媛の一部、兵庫の一部あたりに十三馬力を残している海区があるわけでありまして、それらは相当数まだ残つておりますので、これを急速に十馬力まで下げるということが作業上非常に困難であることが一点、いま一つは、これを十三まではとにかく下げることが容易であると、それは若干エンジンをいじることも大して困難でなかつたわけですが、十三を十まで下げさせますと、その船自体の運用が非常に困難であるのみでなく、エンジンも全部取替えなければならないというようなことで、関係業者がこうむる財政的な負担というものが非常にかさばるという点も、我々としては考えてやらなければならぬのではないかと思います。ひるがえつて資源的に、他の関係業者が非常に迷惑であれば、そういうふうな海区のものに強要することが公共性を持つわけでございますので、強要すべきでありますが、それらを暫らく見送るということのプラス・イナスをいろいろ検討したわけでございます。一面におきましては、行政方針として決定して通達したものを途中で変えるということは、将来いわゆる漁政上悪影響を及ぼすという点も一つは考えられるわけでございます。又大阪府のごとく、十まで落すための困難性については、府会で府の単独助成をしてまで中央の方針に則らしたというような府県におきましては、府自体でも非常に困るというような文句も出ておるわけであります。それで結局我々としては、資源関係並びにそういうふうな特定の地区を持つ府県とすでに大体において十までは下ろし得るという見通しをつけた府県との漁業調整上円満に行くか否かという二点を一応調査させたわけであります。今まで一、二回会合も瀬戸内海事務局をして行わしめたわけでございますが、その結果、現在はそういう海区について暫らく調査の期間をおいて、その間にまあできる限り十まで下げさす。併し調査の期間をおこうというのは、結局他府県調整資源関係を再検討する期間を暫らくおこうということに現在の段階では相成つておるわけであります。
  6. 森崎隆

    ○森崎隆君 この問題は、まあ国の方針でこれをやつておりまして、丁度最終年度なつておるので、この方針を曲げるというようなことは私たちも言いたくないのでありますが、今日までの整理の経過から見て、十三馬力というものが一つの絶対条件になつておるような関係もあるので、これはもう私たちのほうでどうということも言いにくいのでございまするが、本庁において県当局並びに県の漁業調整委員会等と十分に一つ連繋をとられまして、そこのところを合理的に整理実施に万全を期して頂きたいと思います。それと補助額の問題、これはだんだん値下げになつておるものがあるのですね。これも転換したいという希望者は随分おるのですが、今から考えてみますと、初年度あたりに転換をした者は有利に転換できた。少くともまあ手取三、四十万はあつたわけです。これで有利な途なんかも考慮してもらつて今転換をやつておるものがあるのですが、現在のこの段階、特に不況時代で、トン数も非常に引下げられた現在、補助というものをもらつても、これは十万までは手に入らぬ現状ですから、この点は若しいろいろな関係で有利に考えましたならば、整理の問題も或る程度うまく行くのではないかと思うわけです。今絶対絶命の災害等もありまして困つておるような状況でありますので、特にこの点については善処方をお願いしたいと思います。  それから四枚目のさつき課長さんからお話のありました十七番目ですね。基金協会の問題ですが、これは例えば瀬戸内の香川の例をとりますと、六千万くらいで三億くらいの融資ができるようですが、これはこの間堀部さんのほうからいろいろ陳情もあつたと思いますが、設備関係は三分の一という枠があつて、これはすでに出してしまつていて困るし、ところが経営関係の資金のほう、即ち運転関係のほうは何ほどか余つておるということ聞をきますので、その三分の一のこの枠というものは、この際災害等のこともかみ合せて何か一つ特別に枠を拡げるような措置がつくかつかないかという問題、これを一つ努力をしてもらいたいと思うわけです。  それから十八番の損補の問題ですが、これはまあ当然先般の法律制限は本年度一ぱいということで、まあ堪えられないところを我々忍んで来たのですが、当然こらして出して頂いて、これは通るものと確信いたしておりますが、ここで問題になりますのは、今度の台風災害でも実は出て来たのですが、二十トン未満義務加入はすでに決定してやつておるはずなのでございますが、実際災害の結果蓋をあけて見ますと、先月で丁度期限が切れたとか、三カ月前に切れてまだ次の契約ができていないとかいつたような問題ができて、今非常に弱つておるわけです。これは或る意味で漁業者関係のほらに悪い点が勿論あるわけですが、義務加入ということについて、もう少しやはり本庁のほうから各府県を通じて強力に、折角こういう法律なつたのですから、これを実施強要というとおかしいけれども、強く定めておくことが、災害なんかのときの保証になると思いますが、この点について強く一つ、今後義務加入という法律がある限りは、必ず実施せしめて、災害のときにはああよかつたという気持を持たせるように、やはり立ち遅れておる漁民全体に対する法律施行の義務者としての政府の責任でもあるかと考えるわけでございまするから、これも一つ併せて考えて頂きたいと思います。  それから二十二番でお聞きいたしますが、学校給食用に罐詰を使用したい、これは非常に私結構だと思う。今のように脱脂粉乳だけでは十分ではない。最近は学校給食予算もぐんぐん削られております。それでこれは九百六十七万ですね、この利子補給基礎計算をちよつと説明して下さい。
  7. 家治清一

    説明員家治清一君) 詳しい計算は実は持つて参りませんので、後ほど……。
  8. 森崎隆

    ○森崎隆君 あとからで結構です。
  9. 家治清一

    説明員家治清一君) 大体考え方を申上げますと、完全給食をやつております学校、これはA、B、Cと三クラスに分けられるそうですが、一週に四日以上がA、三日がB、それから二日がCだそうです。そのA、B、Cにつきまして、蛋白を給する場合に、大体一食約十二グラムだつたですか、すると大体水産罐詰で二グラムだつたと思いますが、その程度一食についてやりたい。それで大体対象児童数を出しまして、対象児童数の十割というのはちよつと多過ぎる、というのは、海に沿つておる所、それから生のまま食べられるような所、そういつた所を考えますと、大体七割くらいが対象になるので、その対象児童の七割に対しまして、先ほど申しました摂取量を掛けまして、それを罐詰に換算いたしまして、それで約十万ケースくらいだと思います。これは普通の市販の小罐ですと、罐材料の価格が大部分を占めますので、大罐を作らせまして、これを貯蔵しております。こういうやり方であります。
  10. 青山正一

    ○青山正一君 ちよつとお伺いしたいのですが、先ほど森崎委員からお話のあつた小型底曳整理の問題なんですが、これは大体瀬戸内海或いは伊勢湾、東京湾あたりを中心としておりますが、瀬戸内海にはそういつた例はなかろうと思いますが、県によつて整理を受けておる半面において、内緒で又やつておるというようなこともちよちよい聞いておるわけなんですが、そういう例はあるのですか、ないのですか、その点についてお聞きしたいと思います。
  11. 家治清一

    説明員家治清一君) 残念ながらお話のようなことを若干聞かぬでもございません。
  12. 青山正一

    ○青山正一君 そうすると、瀬戸内海あたりは非常な束縛を受けておるところがほかの県へ行きますと、そういうふうな例が残念ながら少々聞かぬでもないというようなお話なんですが、私は少々じやなしにたくさんということを聞いておるわけなんです。これは県の係官の都合によつてどうにでもできるというような建前で進んで行つておりはせぬかと思うのですが、こうした予算を取る上において、一方においてはそういうふうな面もある。ところが反対にそういうふうな手合いも出ておるというような点については、よほど考えて頂かなければならぬと思います。これは御参考までに申上げておいたわけなんですが、それからこの中型機船底曳網の問題について、これの整理もいろいろ出ておるわけなんですが、私が非常に残念に思うのは、底曳のほうの関係は非常な或る意味では特典を受けておる。ところがその他の漁業は非常に特典を受けていない。例えばはつきり申上げますと、北洋への進出も、これは底曳整理の問題が対象なつて北洋に出ておる。これは県によつては裏日本あたり、例えば新潟県とか或いは富山県とか或いは秋田県とかそういうふうな所で、底曳業者があまりいない。いないところへ相当北洋の割当を受けておる。ところが一つ自営しておる底曳業者が二つも三つもいわゆる北洋の権利を持つておる、こういうようなことが往々に出やすいように私は思うのですが、この底曳のみを対象として北洋に結び付けて考えて行くと、勿論漁法は底曳に結びついて行かなければならぬとは思いますが、もう一つやはり何かこういつた点、底曳だげじやなしに、他の方面、例えば捲網のほうもあろうと思いますし、或いはかつお、まぐろのほうもあろうと思いますし、或いは以西底曳あたりの関係業者をそういつた面に転換させて行くというような手もあるのではなかろうかと思うのですが、その点についてちよつと伺つておきたい。
  13. 岡井正男

    説明員(岡井正男君) 只今御注意を含めたような御質問でございますが、御承知のように北洋鮭鱒漁業が戦前から長い間休んでおつたのが、とにもかくにもまる三年前から再開せられまして、現在のところは相当有利な結果を得ておるわけでございますが、その間に若干国としてずるいといえばずるいわけでございますが、時あたかも、丁度以東底曳が非常に過剰になつて、これを先ず整理しなければいかぬということが一つ乗つた時期でございますので、いろいろ内部的に研究した結果、戦前に依存度の高かつた府県で、戦前に鮭鱒に船を相当出しておつた府県を、全部実績を表で現わしまして、それに率を掛けまして、その中から整理をすべき底曳を優先的にやろうという方針を先ず内部的にきめて、それを推し進めて行つたわけでございまするが、併し青山先生が御指摘になつたような点も全然我々として考えぬのではないのでございまして、例えば日本海のごときは船は少かつた、併し人間、いわゆる労務提供の側からいえば、日本沿岸府県というものは、秋田にしろ、山形にしろ、ずつと福井、石川まで非常に多い、むしろ太平洋沿岸よりも多いということを考えまして、これは日本海に関する限りは、船の実績だけを比例をとつてやるということは無理であろう、こういうことで適当な船がなくても、特に日本海については割当をいたしております。なおこの考え方につきましては、日本海側に対しましては、日本海の関係県から相当きつい要望がございまして、これは人間的な依存ということにもう少しウエイトを置くべきであるというきつい要望がございます。それで我々としても今後その点については若干考えさせられるのじやないか、かように思うております。
  14. 青山正一

    ○青山正一君 今の問題に関連いたしまして、例えばそういつた面には非常に農林漁業金融公庫あたりも、いろいろ船を建造する上において大変お力を入れられておるような向きが非常に多いようなんですが、ところがその半面において、例えばかつお、まぐろの増トンとか、そういつたものがその影響、逆作用で却つて全然その建造を受けられないというような状態が非常に多いように思われるのですが、その点についての見解はどうですか。
  15. 岡井正男

    説明員(岡井正男君) そういう点もありまするが、日本海のような特殊な依存度を北洋のほうの漁業に置かなければ裏作が全然できないというような特殊海区における建造につきましては、内部的には便宜上優先とまで行かなくても、早くいえば非常に理解のあるような進め方をいたしておるつもりですし、今後もそういたしたいと思います。
  16. 島村軍次

    ○島村軍次君 公共事業費の最後の漁港整備以外に、私よく内容を知りませんが、ほかに公共事業費として水産関係で計上しておるものがあるかどうか。それからもう一つ、今青山委員のお話にかつた農林漁業金融公庫の本年度の、たしか金融額のほうで承わると六百億くらい要求されておるようですが、その内訳を、水産関係で前年度に比してどういう内訳になつておるか、ちよつと簡単に伺いたい。
  17. 家治清一

    説明員家治清一君) 公共事業は漁港関係だけでございます。二十八年度までは魚田開発公共事業の中に入つておりましたが、これは本年度からは非公共事業の一般のほうに入つておりますので、漁港だけでございます。それから公庫予算の中におきまする水産関係でございますが、これも正確なのはあとで持つてつて説明申上げますが、大体漁船関係は約五十億でございます。漁船建造の融資要求しておりますのは約五十億、その他が約三十億足らずだと思います。大体七十七億、八十億足らずの内容なつております。その他のほうは今まであります、例えば漁港の整備に関しまする地元負担の金と、それから共同施設、これは例えば共同製氷、冷蔵庫関係でありますとか、或いは漁業の自営関係とか、そういつた共同施設、それから魚田開発関係融資、主なところはそういう内容でございます。
  18. 島村軍次

    ○島村軍次君 内訳を一つ前年度に対して出して頂きたい。要求額で結構です。それから前回に災害関係をおやりになつたようでしたが、私は丁度欠席をいたしましたので……、資料をまだおまとめ中かも知れませんが、災害の被害状況ということでなくて、施設のほうの、つまり予算としてどういう方面の要求をされるのか、ちよつとここの資料には予算関係のがないようですが、まだ要求の進行中というか、要求中ということだと考えますけれども、その内容をわかつたら一つ調べて出してもらいたい。それからもう一つは、やはり今度の災害では、この前御意見が出たかも知れませんが、今森崎さんがお話になつたように、災害による漁船の難破というものが非常に多くあつて保険に入つておらないものが相当数が多いのですが、これは昨年の災害の時分にも問題になつたのでありますが、結局騒いだだけで、保険に加入、未加入の問題については何もやらなかつた、こういうことだと思う。そこで実際の問題として考えますというと、やはり入つておらないというような人が実際は後の生業資金に困るという実情ではないかと思うので、その資金の問題については、前回で大蔵省へ御折衝中であるというふうにも承わりましたけれども、むしろ大蔵省へ折衝するのは、災害の場合は御案内の通りつなぎ資金だけなんです。いわゆる補助対象なつておるものの繋ぎ資金だけではこれは意味をなさぬと思うのです。で、むしろ積極的にこういう問題に対して、公庫によるか、特に災害関係では資金を出して、そうしてそれの利子補給をやるということになれば、これは非常に有効に使われるのじやないかと思うのですが、重複になるかも知れませんが、その点若しお考えがあつたら承わりたい。
  19. 家治清一

    説明員家治清一君) 災害関係でございますが、これは漁港関係につきましては、五月までの分、本年の災害のうちの冬季風浪災から五月に至りまする分につきましては、これは大蔵省に要求しておりまして、その分は一部北海道につきましては決定いたしましたが、そのほかにつきましてはまだ決定はしておりませんが、或る程度近々決定になると思います。  それから五月以降の災害につきましては、実は取りまとめて要求する準備中でございます。で、お話が出ましたように、緊急つなぎ融資の問題につきましては、これは災害の非常にひどい所につきましては、すぐ連絡をとりまして、応急的な工事をやりますつなぎ融資要求しようということで、県は県で地方の財務部と連絡をとつて参りまして、それで財務部を通して大蔵省あたりにも通じております。それから水産部のほうからこちらへ参りまして、大蔵省の数字と突き合せまして要求するということに相成つております。で、本来の復旧費は、これは予備費或いはその池の方法で以て、これは現に法律が出ておりまして、その法律に基きまして国が復旧費を補助するわけでございますから、その費用の要求をする手配になつております。  それからその他漁船漁具或いは養殖施設、その他共同、非共同施設につきましては、お話もありましたように、とにかく融資の問題を解決しなければならぬ。つきましてはこれについて或いは利子補給するとか、或いは損失補償をするとかいうような方法が一番いいのでございまして、まあその線で準備をいたしておりますが、それに対しまするそういつた法律が出ますにつきましての応急をどうするか、これにつきましては、今各県の被害報告は完全だとは実は申上げられないのでございますが、大づかみに言いまして、大体この前もこの委員会で漁政部長が話されましたように、ざつと考えまして百億くらいの被害がある、そのうち漁港その他を抜きまして、どうしても融資対象として取上げなければならないものは二十億乃至二十五億が今のところ要求され、こういうふうに御説明申上げておりますが、大体二十五億或いはもうちよつと多くなるかと思います。そういつた融資を確保するためにどういう措置をとるか、これを目下検討中でございますが、方向としては、やはり利子補給、損失補償ということの方針を早くきめてもらいまして、それに基いて大体各府県の態勢を整備してもらつて、農林中金その他信連等によつて応急融資をやつてもらう、こういう方向で努力して行きたい、こういう考えで今或る程度内訳のわからぬところ、少くとも辻棲の合わぬところは今整理中でございます。
  20. 島村軍次

    ○島村軍次君 それからこれは只今の御説明の点は、一つ農林省全体についていずれおやりになるだろうと思うのでありますが、今回の災害は、案外水産関係で大きく、漁船の側も殆んど流れてしもうたとか、大破して使えないというようなものが、私の県あたりでもずつと沿岸地方は非常に多いのであります。そこでこの点は強く一つ要求して頂きたい。何らかの形で実現をさすようにすることは、あの零細な漁民を救うゆえんだと、私深く確信を持つて、釈迦に説法でありましようが、一つ予算の場合には是非ともさような措置をとつて頂きたい。それからもう一つは、漁船保険内容について、これはあと私勉強したいと思うのでありますが、ここの予算要求以外に現在、保険の何というのか、保険組合の内容及び赤字がどういうふうになつているのか、先ほどの説明によれば、拿捕等のために赤字相当出ておるというお話ですが、赤字の処置方法についてどういう考えを持つておられるか。保険制度というものは、少し不注意になりますというと、案外国の負担がいつの間にか増額するというようなことになりがちなのは、農作物の場合と同じようなものではないかと思います。別の機会に一つ内容の調書を頂くと同時に、簡単に今現在の赤字がどのくらいの程度で、どういう措置を講ぜられるか、簡単で結構ですが、御説明願いたい。
  21. 家治清一

    説明員家治清一君) 赤字の点で、或いは私大急ぎで御説明申上げましたので、言葉が足りなかつたかと思いますが、今の保険組合の赤字というのは、保険組合自体としましては、特殊な場合を除きまして、大体ないのだろうと思つております。実は保険の九割までは国庫で再保険いたしまして、従いまして殆んど大部分は国が責任を持つております。それからもら一つは、この保険内容は普通保険ですね、丁度農業共済のような部分に当りまする普通保険のほうは、実はこの予算では赤字を出しておりませんで、赤字補填を要求いたしておりません。特殊保険の勘定、それから給与保険の勘定の部分だけは赤字が出ておるのでございます。ですから普通の災害等によつて顛覆した、或いは行方不明になつた、破損したという事故に対しまする保険給付は、大体独立採算の範囲内でやつております。いずれ詳しいことは又後ほど差上げますが、実は国の持つております再保険特別会計で出ました赤字のすべては、拿捕保険と給与保険勘定で出ておるのでございます。これは拿捕保険と給与保険につきましては、実は考え方によりますと、保険にして必ずしも保険源は独立採算ということではないというような考え方で運営をされております。と申しますのは、本当の拿捕事故というものの危険率算定は非常に困難でございますし、又最近の実績で危険率の算定をやりますと、保険料がうんと上るわけでございます。それは上げないということで話合いをして、できて、予算要求しておりますので、従いまして結局危険率保険料に見合わない。そのために相当赤字が出ております。たとえて申しますと、来年の予算要求赤字補填で要求しておりますのは、特殊保険三億三千九百万円、約三億四千万円、給与保険で千五百万円、これは前の三億四千万円は実は若干推定数字が入ります。この十一月末までに拿捕せられるであろう推定の数字も若干入りますから、これは予算がはつきりきまりますまでには、実績に基きまして或いはこれより減るかも知れない、或いはこの程度になるかも知れませんが、若干ペンデイングなものでございます。この数字は結局国の何といいますか、権益の第一線に立つ漁業者を守るために、この保険制度をできるだけ勉強してといいますか、無理をして国のほうが赤字の出たときには見て上げよう、こういうような考え方で行きたい。こういつた拿捕或いは給与保険、拿捕事件に関する保険を除きましては、飽くまでも独立採算でございます。
  22. 森崎隆

    ○森崎隆君 島村委員から災害の問題が出ましたが、それに関連して、よろしゆうございますか。
  23. 小林孝平

    委員長小林孝平君) どうぞ。
  24. 森崎隆

    ○森崎隆君 特に今度の災害の問題では、これは非常な問題がたくさんあろと思うのですが、質問もしたいし、意見も申上げたい。護岸工事と同様、漁港なんかも同じですが、私の県なんかは地盤沈下で上に何センチかつけたのですが、これは非常に最近改造していいのができておる。これは下が弱いものですから、下が欠けてしまつて、結局全部総倒れになつてしまつておる。災害復旧のときには原形復旧という枠がある。あの枠はどうかならぬものかと思うが、パラペツトとか胴づけなんかもうちよつとやれば、もつとしつかりしたもので、あの台風でも避けられたかも知れない。これは建設関係にも熱心に考えてもらわなければならぬ問題だと思うのですが、こういう点につきましても、農林関係で一つそういう意見を出して、そういう原形復旧プラス・アルフアのもつと強いものに作り変えるという計画で、予算措置その他をやつてもらいたいのが一つ、それからもう一つ、災害の問題でついでに申上げたいのは、今島村委員の質疑に対しまして、水産庁のほうでは、大体百億程度の被害に対して二、三十億程度というようなことを仰せられましたが、これはどういう根拠から出ておるのか、それをお尋ねしたい。と申しますのは、以前の北海道の東海岸の災害のときには、たしか十五、六億くらいの災害で、それに対する漁船漁具等の融資が大体五〇%ですね、八億程度出ておる。少くともそれと同等のものに考えると、百億に対しては五十億程度のものは当然考えられて然るべきじやないかと思うが、今度の災害では、百億に対して二十億乃至二十五億というふうにおつしやられたのですが、数字の誤りがあれば結構ですが、そういう本当の考えでしたら、どこからそういうものが出たか、はつきり伺いたい。
  25. 家治清一

    説明員家治清一君) 数字の点について御説明申上げましたが、大体百億と申上げましたのは、漁港を含んだ被害額を申上げたのでございます。それで漁港分がその中で三十五、六億ございます。それを差引きますと、約六十億くらいのものになります。それから大体二十五億見当と申上げましたのは、やはり対象になります分は、大体施設或いは設備資金が主でございまして、若し経営資金を入れるといたしましても、経営資金の内容といたしましては、御承知のように融資対象を大体現金支出部分に限る、そういうようにしぼられておる、過去の例はそうなつております。そういう場合に例えば種を買う、漁場復旧自体は、これはちよつと漁場といいますか、漁場復旧ですが、漁場復旧自体は対象になりませんで、一応種を買う金と言いますと、やはりそれに対する融資率が出るということでございまして、大つかみに申上げまして、まだすつかりまとまつておりませんけれども、二十五億ぐらいを上廻るというような見当になるかと思います。
  26. 森崎隆

    ○森崎隆君 原則は変つてないわけですね。その点ははつきりしておきたいと思います。それかうもう一つ、融資の問題で一昨々日ですかも話をしたのですが、漁業権証券の問題がいろいろあるわけなんです。この前に北海道の災害のときには、全国から買い集めて全部ぶつ込んだのですね。今度はやはり逆に又買い上げてぶつ込んでもらわなければならぬわけです。私のほうも、香川なら香川だけを考えましても、北海道の災害のときに出したのは大体八百万ほどあるわけです。これは災害の漁協の十七組合だけについて出ておるのですが、これは当然戻してもらえると思う。その上に県なら県から考えても四千万ぐらいあるわけだ。十七組合の災害を受けた地域についてもその千二、三百万ぐらいのものがあるわけですね。こういうものもやはりどうするかという問題は、当然道はわかつておると思うのですが、これについて一体どう考えるか、同等にこれは取扱つてもらわなければならぬ。あちらの災害はどうだ、こちらの災害はどうだというふうに別扱いにされては困ると思いますが、これは一体どんなにお考えですか。
  27. 清井正

    説明員(清井正君) 大変私遅れまして恐縮でございました。先ほどから島村委員、森崎委員からお話を承わつたのでありますが、今度の災害の問題、北海道等も非常な災害がございましたが、非常な特色の一つは、瀬戸内海沿岸の割合に小型の漁船の被害が多いということが非常な特色だと思います。これは台風が突如として襲つて来たというようなこともあるので、むしろ岸につないでおつたり、或いは港に入れておつた船に非常に破損を受けたとか、或いはに陸揚げておつたのが非常な風によつて破損を来たしたというようなことで、小型の或いは一トン、ニトンというような船が非常な災害を受けたということが一つの特色かと私は思つておるのであります。従つてこれに対する救助措置と申しますか、融資措置ということもそういつた特色のあることをよく考えてかからなければいかぬ、こういうふうに実は考えております。そのためには個々の生産業者に対して個々に融資するということも無論あるのですが、できますれば或いは組合と申しますか、共同の力で以てこれをやる、そうしてその信用保証なりその他のやつも成るべく地元の公共団体等にむしろやつて頂くわけですが、やはり共同の力によつて信用力その他を増強するというような方法でもつて行かなければならぬのじやないか、実際問題としてそういうふうになると思うのでありますが、そういうふうなことも考えておるのであります。無論政府といたしましても、できるだけのことをいたさなければなりませんが、やはりそういうような特色もあるということを考えて見なければならぬと思うのであります。そこで只今も漁業権証券のお話もあつたのですが、先般もこの冬の北海道のときには一時漁業権証券を資金化いたしたのでありますが、その後御承知通り一般的に漁業権証券を約二十二、三億現金化いたしたのでありますが、これは御承知通り農林中央金庫等の系統団体の預金と申しますか、その金融力の増強と申しますか、そういう観点から実はいたしたのであります。そこで只今は中金の系統団体の余裕金が相当あるわけであります。そこに今度の問題が起りましたので、従つて改めて今度又漁業協同組合等が持つております漁業権証券を資金化するというような問題等も起つて来るわけであります。我々といたしましては、なお中央金庫等ともこの間から相談をいたしておりますが、或いは漁業権証券をすぐそのまま資金化するということも問題でありますが、漁業権証券を担保として金融を受けるという方法もあるのであります。むしろ漁業権証券と申しますのは、御承知通り政府のほうで資金化を計画いたしますとすぐ現金化いたすものでありますから、割合に担保力がなかつたのでありますが、今度は御承知通り資金化がむずかしいと思いますので、国債と同様の担保力を持つて来るわけでありますので、むしろ系統団体が余裕金が多いのでありますから、いわゆる漁業権証券を資金化する問題よりも、むしろ漁業権証券を担保として金融を受ける、或いはもつと進んで行きますれば、漁業権証券を資金化して中金系統機関に預金をしたその預金を担保として融資を受ける、こういうようなことも考えられるのであります。いずれにいたしましても、私のほうといたしましては、いろいろな方法を考えまして、目下中金とも相談いたしておるのでありまして、今申上げたような実情もございますので、そういつた実情も睨み合せまして、なるだけ早く、而も実効の上るように金融措置をつけるためにはどういうふうにしたらいいかということを相談中であります。御承知通りの事情でありますので、只今のお話の証券の取扱いということも急速に進行する問題の一つといたしまして、今中金と相談をいたしておる最中であります。この点御了承願いたいと思います。
  28. 森崎隆

    ○森崎隆君 今の証券の問題、土曜日に大蔵省に行つたのですが、証券は担保にはならぬという意見が非常に強く述べられました。これは御承知通りであります。今後是非やつてもらいたい。それからもう一つは、担保にして融資をしてもらつた場合に、当然金利がつくわけです。これは保有者のほうから考えておかしいのです。自分の財産を出してそれを資金化してそれに利子を払うという馬鹿なことはない。これは当然完全な利子補給というものが出て来なければならぬ。こんな点よく考慮に入れて早急にやつてもらいたいと思います。
  29. 青山正一

    ○青山正一君 二点だけお聞きしたいと思いますが、この予算内容を見ますると、非常に沿岸漁業とか或いは沖合漁業のいろいろな行詰り、例えば資源的な問題とか、或いは経営上の行詰り、こういつた問題を打開するようなふうに組み立てられておるわけです。例えば漁船の大型化とか或いは遠洋化ということを強く打ち出しておるわけなんです。そういつた面から、本年度予算の長所というような面は、この点が非常に大きく掲げられるだろうと思いますが、この新漁場開発を本格化したというような面から考えて非常に結構な予算だと思います。例えばこの予算の中に南太平洋とか或いはインド洋西部、こういつたところを開発してかつを、まぐろの漁業に重点を置く、こういうようなことは非常に結構だと思いますが、この東南アジアのタイとか或いはビルマ、パキスタン、或いはインドあたりと、この予算上に現われておるようなふうで相当何か折衝の過程において大分問題が進んでおるのですか、どうですか。例えばFOAの問題あたりにからんで、相当各国とのつながりができておるのですが、どうなんですか、この点について承わりたいと思います。
  30. 清井正

    説明員(清井正君) 只今の御質問にお答えする前に、ちよつと私森崎委員にお答え漏うした点がありますのでお答え申上げますが、漁港についてちよつと御質問がごございました。この点は復旧事業というのは原形復旧が原則である。併し原形復旧ではちよつと困るので、ちよつと手直しをすれば非常によくなるということがあるのであります。それは御承知通りなんであります。私どもも実はその御意見の通りだとかねてから考えておりまして、実は先般の予算と申しますか、本年度予算を編成するときも、これは漁港だけではありませんが、全般的にもそういうことを議論に出したのでありますけれども、なかなか実はうまく行かなかつたようなことがあるのであります。本年度予算編成に際してもやはり同様なことを実は考えまして、いわゆる原形復旧だけでなしに、この際極く僅かな改良と申しますか、何らかの附加工事をすることによつて本来の復旧事業を完璧にするのだということにしたいということでそういう予算も考えておるのであります。併し実を申しますと、復旧事業ということがやはり検査院あたりで非常な批難事項になりますので、実は非常な問題があるわけであります。そこで復旧事業と申しましても、果してどこまでが復旧事業でどこまでが改良事業であるかということが実際問題としてわからぬというようなことで、現実に非常にむずかしい問題があるのであります。私どもといたしましては、お話の御趣旨はよく了承いたしておりますし、私もそう感じておりますので、何とかいたしたいと思つておりますけれども、非常にむずかしい問題もあるということを御了承願いたいと思います。  それから只今の青山委員の御質問でありますが、予算編成に当りまして、広く海洋漁業を堅実に発展するという意味におきましては、何と申しましても東南アジアに相当重点を置かなければならぬことは御承知通り、又御指摘の通りであります。私どもといたしましても、先般FOA関係で、主としてアメリカのFOA関係の援助が広く行われておるわけでありますが、その点について、漁業関係がやはりアメリカとしては手に余る、アメリカの漁業と申しまして、なかなか簡単にすぐ東南アジア方面に適用されるものではない、東南アジアの沿岸漁業或いは沖合漁業につきましても、やはりその経済状況、風俗、民度その他の状態から申しましても、やはり日本の漁業の指導を受けるべきではないか、又そのほうがいいということで、むしろアメリカのFOAの指導の実際は、大使館で実際の取扱いをする、大使館から日本政府連絡がありまして、現実には日本の水産のほうで東南アジアのほうの実際の援助、指導をやつてくれないかという話があるのであります。これは大分前の話でありますが、私どもとしましても、財政的にどうこうと言いましてもむずかしいけれども、技術なり、その援助することについてはやぶさかでないということを申上げておるのであります。そこで二、三お話がございますけれども、まだ緒についておる程度で具体的に各国から申出があつたというところまで行つておりません。併しながら私どもといたしましては、東南アジア各国からそれぞれ漁業者指導なり、或いは漁業の指導なり漁具の改良なり或いは魚田の改造ということにつきまして、いろいろの援助の要請がありますれば、できる限度においては、できるだけ応援をいたしたいということでいろいろ相談はいたしておりますが、まだ具体的にきまつておるものは僅かでございます。その他一般に業界の話合いとして二、三関係の国と、いろいろの沿岸漁業に発展する国の間でいろいろ相談が進んでおるようでございますけれども、私どものほうが直接タツチする問題といたしましては、むしろ技術指導なり漁業の改良に関する指導について、当該国政府と相談をするという建前になつておりますので、業界のほうの話とちよつと別に進んでおるような次第であります。これも勿論別々に行くべきではないのでありまして、業界のほうとも協調を保ち、進展させる場合においても、我々も十分連絡をとつて、我々の方針と合致する方法で当該国と協調を保つて行かなければならないと考えておりますので、今後よく業界の動向にも注意を払つて参りたいと思います。
  31. 青山正一

    ○青山正一君 私東南アジアを廻つて来たわけなんですが、その際にタイ国のピブン、それから水産庁の研究調査部長とか或いはウドムといろ向うの業者、この三人にお会いしたのですが、三人のお方の話によりますと、大体十月の二十日過ぎにタイ国ではいろいろ水産調査団というものを結成しまして当地に、つまり日本へやつて来る、その際にFOAの顧問が一人連れだつて行く、こういうふうなことを正式に、言葉でありましたが、お伝えを願つたわけです。そういうふうな通知が来ておるかどうか、それかうタイ国あたりのピブンと会つた際におきまして、湾内においての操業はなかなかむずかしい、例えば十のうち七は自国の漁業者でやらなければならぬ、三は日本の漁民を使つてもかまわぬ、併しインド洋に面した方面はできるだけ援助しよう、例えば給水の関係とか或いは油、つまり給油の関係とか或いは食糧の関係とか、そういつた面ではできるだけ全面的に骨を折ろう、そういつた関係から十月二十日にいろいろ漁撈の方面、或いは製造の方面、或いは養殖の方面、或いは行政の方面、そういつた面の使節団を五人だけ派遣したい、その五人以外に業者からも二、三人あるこういうふうなお話を承わつたわけですが、そういうところを見ますと、只今長官のお話のあつたFOAを通じての関係相当進んで行くのじやないか。例えばタイ国あたりは相当向うで日本のFOAの基金によつて冷蔵庫を作つてほしいとか或いは合弁の会社を作る上においても積極的にそういつた操作をやつて頂きたいというふうな希望が非常に多いわけですが、そういつた点について、まだ発表の限りではなかろうと思うのですが、大体相当具体化しておるのですかどうなんですか、その点について承わりたいと思います。
  32. 清井正

    説明員(清井正君) 只今のお話は私も承わつております。先ほどの御質問に具体的に申上げなかつたので大変恐縮でしたが、タイの関係では先般お話を承わつております。そこでこの秋でございますか、四、五人の人が来るから専門的によく指導教育をしてもらいたい、こういうような実は話がありまして、私どもといたしましては、できる限りの御援助を申上げるという約束を実はいたしておるのであります。併し申上げました通り、これはひとり一国だけの問題ではございませんので、お話の通りFOA全体の考え方のようでございますから、今後東南アジア方面と密接な関係が出て来るのじやないかと思いますので、私どもとしては、先ほどお答え申上げました根本方針に則つて努力をいたして参らなければならぬ、こう考えております。
  33. 青山正一

    ○青山正一君 もう一点だけお聞きいたしたいと思いますが、東南アジアへ行つておる漁業者というのは、サルベージも同様でありますが、非常に日本においては漁業者として信用のない方が行つておる。信用のないというと語弊がありますが、例えば向うに行つてかつを、まぐろをやろうとする漁業者が沖縄漁民が行つておる。或いは瀬戸内海、広島漁民が行つておる。そういう所で非常に日本の漁業者に対する信用度というものが落ちておるように見受けられるのでありますが、今後はやはり水産庁なり或いは大日本水産会というような主たる団体自身が推薦して、そうしてそういつた漁業者を選択してやるべきが本当だろうと思う。それが今までタイ国におきましても、或いはフイリピンにおきましても、いろいろ問題があるのは、恐らくそういつた漁業の面に十分納得の行かない人が行つておるからして問題があるのですが、その点について水産庁のお考えは如何ですか。
  34. 清井正

    説明員(清井正君) 現在までの海外の漁業発展と申しますか、海外の国と日本の漁業者との関係は、これはいい悪いは別といたしまして、大体業者間の話がついてから私のほらに話が来るのが先ず普通であつたのであります。と申しますのは、私どものほうの許可とかということの関係はございませんので、輸出関係なり外貨関係でありましたので、通産、大蔵当局が主なようになつて参りましたので、大体の話がついてから私どものほうとしては情報としてそれを承わるというようなことがしばしばあつたわけであります。恐らく東南アジア方面においてもそういうふうな事態が相当あるわけだと思います。私どもといたしましては、只今申上げたような趣旨でございます。併しそうかと申しまして、すぐ統制してどうこうというわけにも無論いかぬ問題でございますので、むしろ友好国との漁業の問題を通じての協調ということでございますから、そういうような観点に立ちまして、業界の大日本水産会も相当これに対しては強い関心を持つておることだと思いますので、そういう方面とも十分連絡をとりまして、私どもといたしましては、やはり信用ある日本の漁業の進展、それから当該国との親善と申しますか、そういうようないろいろな意味を持つ海外の発展でございまするから、そういう観点からこの問題については十分慎重に取扱つて行きたいと考えております。
  35. 森崎隆

    ○森崎隆君 一つだけ十一の水産増殖関係、今の魚礁は大体どのくらいのものになつておりますか、瀬戸内海、全国に幾らというのは。
  36. 家治清一

    説明員家治清一君) 瀬戸内海とその他とは実は区別はできておりませんが、今年は魚礁設置は百五十カ所を予定しておりましたが、来年の要求はその倍額を要求しております。金額的に申上げますと、今年が約二千五百万円でございますが、来年度要求としましては、約六千六百八十万ほど要求をいたしておるのであります。
  37. 小林孝平

    委員長小林孝平君) じや本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十一分散会