運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1954-08-12 第19回国会 参議院 水産委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年八月十二日(木曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————   委員の異動 八月十日委員曾祢益辞任につき、そ の補欠として片岡文重君を議長におい て指名した。 八月十二日委員平井太郎君、片岡文重 君及び森崎隆辞任につき、その補欠 として田中啓一君、田畑金光君及び江 田三郎君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 孝平君    理事            秋山俊一郎君    委員            田中 啓一君            江田 三郎君            田畑 金光君            苫米地義三君   事務局側    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   説明員    大蔵省理財局地    方資金課長   牧野 誠一君    水産庁長官   清井  正君   —————————————   本日の会議に付した事件水産政策に関する調査の件  (ビキニ被爆事件に関する件)   —————————————
  2. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 只今より水産委員会を開会いたします。  本日の議題はビキニ被爆に関する補償の件であります。只今出席政府側関係者は、水産庁長官清井正君、大蔵省理財局地方資金課長牧野誠一君の両君であります。最初に委員各位に御報告いたしたいことがございます。八月九日の委員会で皆様御承知通り政府国内対策の内容は勿論、生産者等に対する融資の額についても発表の時期に至つていないというような答弁でありましたから、同日の午後三時に私と楠見委員島村委員の三名で大蔵省に参りまして小笠原大蔵大臣に会見して、ビキニ水爆実験に伴う損害の補償に関し国内対策を速かに決定するよう申入れましたところ、小笠原大蔵大臣は次のように甲されました。融資の問題は当初神奈川県、静岡県に対する一億五千万円のほか、神奈川静岡両県以外の都道府県の分として更に一億五千万円を預金部資金より融資することに八月の六日金曜日に決定いたしまして、大蔵省事務当局に示してあります。その際事務当局はその一億五千万円を更に減額するわけには行きませんかと私に尋ねましたので、私はこれは事務当局の腕次第だと答弁いたしました。そういうわけでありまして大蔵省事務当局水産庁と目下この問題に関し折衝中であると思います。又六大都市市場流通部面への融資一億五千万円については二つ条件、即ち第一は利子を必ず期限に支払うこと、第二は融資金額期限に必ず返済すること、この二つ条件農林省が責任を持つて引受けることができれば融資してもよろしいと決定しました。これに対し、私どもから小笠原大蔵大臣に対して、大蔵事務当局神奈川静岡両県以外の府県生産者べも融資の一億五千万円を削減すべく水産庁折衝しているようで、今日に至つて決定していないが、甚だ遺憾であるからこの際大臣のすでに八月六日に示した一億五千万円を削減するようなことなく、速かに決定するよう事務当局べ指示されたい旨を申入れましたところ、大蔵大臣は了承されました。次に楠見委員から生産者への融資神奈川静岡県分一億五千万円と、両県以外の府県生産者の分一億五千万円、計三億円では甚だ僅少であるから、これを増額するよう申入れておきました。以上御報告いたします。  なおこれに関連しまして農林大蔵当局の御説明をお願いいたします。
  3. 清井正

    説明員清井正君) 只今委員長からお話を承わつたのでありますが、私ども大蔵事務当局十分打合せを今までいたして参つておるのであります。大蔵省のここに来ておられる課長さん、並びに理財局長がその主任として仕事に当つて頂いておるのでありますが、前回の静岡神奈川に対する預金部資金融資の問題と同一方法によつて他県にも融資をしたいということについて相談をいたして参つて来ておつたのでありますが、昨日遅くなりまして大体私ども大蔵省相談をいたして参りました根本的な方針については、生産者に関する分についてはそれでよろしい、そういうことでやろうじやないかということになつたのであります。金額等の点につきましては、まだ最後決定というよりもむしろこれは各県に貸付をいたしまして、県において操作をするという性質上、県の意向も十分聞く必要がございますし、又県によりましては非常にかつお、まぐろ大型船の数が少いというようなことがありまして、そういう程度のものにまで行くかどうかという問題も実際問題としてもいろいろあろうか思うのであります。要するに問題を更に具体化いたしまして、それぞれ具体的な話にいたしまして、更に各県と交渉いたし、関休業者意見を聞き話を進めました結果、最後的な話をきめるということにいたしたということになつております。原則的には私どもの考えました方側でやつて行こうじやないかということで事務的には実は話をいたしておるりであります。まあそこで私どもといたしましてはいよいよこれは数字は別といたしましてもやり方としては本ぎまりとなつたと思いますので、早速関係の者で只今具体的に案を練りまして、更に一歩進めた具体案検討いたしておる最中でありまして、近日にも内係当局と具体的な話に入り得るのではないかと考えておるのであります。それからお話がございました流通業者関係で書ますが、これ又いろいろ説明をいたしておりますし、大蔵省からもいろいろ質問がありまして、いろいろと資料を提出いたしておりますが、この問題につきましてはなお相談を続けておる最中であります。いずれこの問題につきましても何らかの結論を得たいということで考えております。まだ本日のところはきまつたということは申上げられないのでありまして、なお相談をいたしておるということを申上げておきます。
  4. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 大蔵省のほうで何か……。
  5. 牧野誠一

    説明員牧野誠一君) 只今の問題になつております水爆実験の被害に伴いましていろいろ政府から融資をする問題でございます。これは言うまでもはいことでございますが、私ども取扱つております資金運用部資金というもの、これは融資する対象というものが極めて限定されておりまして、公共団体とか、或いは公庫であるとか、公社であるとか、そういうようなものに限られておりますので、漁業者或いは仲買人という人に融資をするという場合にはこれはいろいろ方法について間接の、ぐるぐる廻したような方法をとらなくちやならないという問題を生じますので、方法についてもいろいろやりにくい面がございます。それで、而も間に入ります人も直接にはその人に貸すということになります。地方公共団体というものの債務というような形になりますが、その直接に借りる人の意思というものも問題の中に入つて来ると思います。方法についていろいろ問題があるわけであります。それで今の問題につきましては、当初いろいろろお話がございまして先ず第一番に静岡神奈川と、この両県に対しまして事務的に正確な数字を申上げますと、私のほうから、大蔵省の本省から財務局へ静岡県と神奈川県を通して融資しろということを通知いたしました額は一億二千万円でございます。それでなおそれについて水産庁から若干追加して欲しいというお話もございます。それから更に静岡神奈川以外の都道府県の分について同じような方法について融資をして欲しいというお話一つと、それから更に六大都市仲買人、これに対しまして若干の融資をして欲しいというお話がございます。それで只今水産庁長官が申上ずました静岡神奈川以外のその他の都道府県の分につきましてこれは大体こういう方法でこういう額でというようなことで、ただその方法の具体的な細部、或いは金額等につきましては若干計数整理を今いたしております。移動を生ずるかも知れません。こういうことでやろうということで今その作業をいろいろ資料を揃えまして続けておるところでございます。それから更に六大都市仲買人、これに対します分でございます。これについても考え方としては融資をいたしたいということでやつておりますが、これにつきましては何分流通段階でございますので、なかなか計数とか、或いはその方法とかいうものがなかなかつかみにくくていささかあとの問題につきましては時間を若干とつておるような次第でございます。これにつきましても大体こういう方法融資をしたらどうかということで今具体的に水産庁、或いはその他の直接資金運用部の金を政府から借ります府県或いは市町村というようなものとも若干話を進めようというようなことで今水産庁とは毎日いろいろ数字を付き合わせまして作業を進めておる最中でございます。その点御報告申上げます。
  6. 江田三郎

    江田三郎君 今の水産庁大蔵省の話を聞いておりますと、やり方は本ぎまりになつたけれども数字は別としているというようなことを水産庁のほうから言うし、大蔵省のほうのお話では静岡神奈川も一億二千万程度、それ以外のところは、及び流通業者のほうは作業中というようなことですが、そうしますと、大蔵大臣が本委員会委員長なり委員各位に対して言明されておる静岡神奈川の一億五千万、それ以外の分一億五千万、この数字とは非常に違つて来るのですか、どうでございますか。
  7. 清井正

    説明員清井正君) この点は実は前からのずつと続きになつておりまして、只今江田委員がおつしやつておられましたが、初め、一億五千万という枠が初めきまつたのであります。これは今回のこととは関係ないのでありますが、初めこれはいわゆるまぐろ生産業者なり、生産地ということで初め一億五千万という枠がきまつたのであります。併し実際問題といたしましてもこれは御承知通り静岡とか、神奈川は大部分大きい県であります。その他いろいろ県はございますが、二大県なんでありまして、まあそこへ現実には集中いたしたのでありまして、現在一億三千三百万の枠が出ておるのでありますが、ところが私どもといたしましてはこの静岡神奈川両県の折衝過程並びに両県に貸しますればやはりその均衡上両県以外のまぐろ生産県にも貸付けざるを得ないということになるのであります。まあそういうような事情からいたしまして、私ども更に他県へ貸付する金額についていろいろ相談をいたしまして、専門家にいろいろ計算をさせまして、それで一定数字を出したわけであります。そこで大蔵省相談をいたして参つたのであります。初めは御承知通り金融事情であります。いろいろな問題があつたのでありますが、大臣からのお話もございましたし、又先ほど委員長からもお話があつたのでございますが、結局本筋としてはこれは大体私どもが計画いたしましたことでやろうということにきまつたのであります。ただ金額幾らとかきめますよりは、先ず問題は各県々々との相談になるわけでありますから、具体的に最後幾ら同県に対して貸付けるという最後的な数字はまだ県においては交渉して見なければわからない、併しこういう金額、こういう算定方法でやろうということについては大蔵省でこういうことでやろうじやないかということで臨時的には話合いがついておるのであります。
  8. 江田三郎

    江田三郎君 融資方法について意見一致を見たということですが、それは意見一致は見るだろうと思います。問題は枠が幾らになるかということにかかつて来ると思うのでして、一体あなたがたのほうで今水産庁なり大蔵省事務当局の間でいろいろ資料を基にして検討せられておるというのは、静岡神奈川以外のものもおよそ大蔵大臣言明しておられましたところの一億五千万程度というものを目標にしてやつておられるのですか、そういう数字とはかけ離れた数字になつておるのですか、上ですか、下ですか。あなたがた折衝中で、折衝して見なければわからんというけれども事務当局作業しておるというのだから、およその数字はあると思うのです。それはどうなんです。
  9. 清井正

    説明員清井正君) 私ども折衝いたしております過程におきましていろいろ無論算出の細かい県別数字は出しておるのであります。従つてそういうふうな算式でそういうふうにやつておることは事務当局了解をとつておる。併し現実幾らの枠になるかという数字については検討中で、算出基礎になる数字については事務当局話合いがついております。大体大蔵大臣お話なつ数字に近い数字であります。
  10. 江田三郎

    江田三郎君 何かちよつと奥歯に物が挾まつておるようですが、大体事務当局のほうで作業されるということになれば、私は数字というものはほぼきつちりしておると思うのです。まさか借主になるところの地方府県がおれのほうは余りだくさんはいやだということはないと思うのですが、そういう点は大蔵省のほうは、両県以外のものはおよそ一億五千万程度大臣言つた……これはまあ政治的な発言でしようから、それが事務的になれば多少の食い違いがあるとしても、大枠としては、その程度のものは出せる、又出そうとして作業中である、こう了解してよろしいか、大蔵省のほうはどうなんですか。
  11. 牧野誠一

    説明員牧野誠一君) ただ数字はやはり細かい点になりますといろいろな出し方があるわけでございます。それで、大体そういうふうな金額をめどにして、今数字を、静岡神奈川のほかとバランスがとれるようにということで数字検討中でございますので、近く成案を得る段階に……これはもう割合近日中に行けると思つておりますが、ただこの一億五千万、これの額を何らかはつきり約束しろとおつしやられると、実は事務屋というものはどうも割合ごう数字を固める際に臆病なものでございますから、それを固めてしまわないうちにずばり言つてしまえとおつしやられてもちよつとそこまでは申上げられないのですけれども、大体バランスをとるようにということで、今一生懸命作業しているところなんでございますが、近日中に数字は得られるだろうと思つております。
  12. 江田三郎

    江田三郎君 私が今あなたにお尋ねしたのは、およそ大蔵大臣言明せられておる線と近い数字になるかどうかということをお聞きしておるわけなんです。その程度のことは私はつきりお答えできるのじやないかと思います。どうも近頃私ども、まああなたとは初対面で甚だ失礼ですけれども、私なんかが今まで農林委員会においてこの間も農薬補助金決定が問題になつて、そういうときに災害の異常発生については農薬補助金を出す、こういうことは農林大臣言明によると、大蔵大臣農林大臣意見一致しておるのだ、そのあと作業事務当局で進めてくれ、こういうことになつておるのだ、こういうのにあなたのほうの原君あたり委員会出席されて、まるでそれとは違つた答弁をされて、一体事務当局というものが政治をやつているのか、大臣というものが何をしているのかわからんじやないか。あなたのことは私はよく知りませんが、近頃大蔵省理財局あたりは大変な権威を持つているように思えて、事務の範囲を逸脱しているのじやないかという気が私どもはいたしますので、そこで今大蔵大臣はこういう言明をされた。これははつきり委員長が報告されたのだから私は嘘じやないと思う。そうすると、あとは大よそこの大蔵大臣言明の線に沿うて事務的に作業が進められるべきものだと思うのです。だから私がお聞きするのは、神奈川静岡以外の分も大蔵大臣の言われる一億五千万という大枠に近い数字できまるのですかということを聞いているのです。それはやつて見なければわからんと言つても、もう作業を進めておられて、それがやつて見なければわからんという段階ではないと思う。ただ府県折衝が残つているとしても、大よその数字というものは大体わかつていると思うので、これが最後の一円なり十円なりを言うのではなくして、ラウンド・ナンバーとしてはそういうものか、大蔵大臣言明大枠と似たようなものか、これだけのことをお聞きするのは、私はやはり明確に答えて頂きたいと思う。そういう答えができんということになると、一体誰が政治をし、誰が事務をするのかわからんということになつて来るわけでありまして、その点一つ……私ども将来に亙つて言質をとろうとかなんとかいうのでなしに、一応の見当がつかなければ、休会中の委員会というものは、又その返事を待つてもう一遍開くということはできんと思う。我々あつさり帰れるように一つはつきり言つて下さいよ。
  13. 清井正

    説明員清井正君) 私からお答え申上げます。只今江田委員のおつしやることはよくわかるのであります。私ども事務的に折衝して参つておりまして、私ども立場としてもいろいろ主張があります。大蔵省としても財政を預かつている立場としていろいろ御主張があるわけであります。その他これを算出する場合におきましても、これは静岡神奈川に少いながらも貸付をするとすれば、相当の均衡という問題も考えなければならんということがあるわけで、総枠につきましてもいろいろ実は苦心をして相談をして参つたのであります。又先ほど私申上げましたのも結局貸付をする場合におきましても、これは飽くまでも県の財政を通つて行く形になる財政資金でありますから、県に貸付をする、県が漁信連なり一定金融機関を通じて貸付る、こういう形になります。それで同じく私どもが計算いたしました場合にも、静岡神奈川以外の全部を対象としたのでありますが、府県によりましては非常に船数が少いということもありましようし、或いは漁業者によつてはそれほど借りなくてもいいという場合もありまして、話をしてくればどの程度一体金額に収まるかということがちよつとはつきり判断がつかないということが、事務的に計算する立場に立つとはつきりお答えを申上げかねる、こういうことだと思うのであります。併し話といたしましては、私ども一定算出をして数字的に話をしているのであります。只今お話申上げた通り、原則的にその算出方法で行こう、こういうふうに事務的には了解がついているわけでありまして決して大蔵大臣言つたこれと離れるとか離れないとかいうことでなしに、その基礎なつ数字に基いて具体的に今後話をして行こう、こういうことでありまして、御了承願います。
  14. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ちよつと私からお尋ねいたしますが、実はこの問題は先月の三十、三十一日の両日委員会を開きました際に、もう暫らくたてばきまる、それで大体九日頃委員会を開けばきまるだろうというような安藤国務大臣からもお話がありまして開催したのです。ところが、全然話がまだ委員会においてはつきりする段階至つていないということです。これでは困るというので、大蔵大臣にお尋ねしたら、先ほどのような御答弁大蔵大臣が一億五千万円よろしいと言われるには、これは腰だめでやられたのではなくて当然今までに大蔵農林両省事務当局折衝していた数字に基いて言われたものであろうと思うのです。それはそのあと大蔵大臣が、更にこれは事務当局からの要求で、一億五千万円をもう少し値切るわけに行かないかというようなお話に対してそれは君たちの腕次第だという等外をされているところを見ても明らかだろうと思うのであります。それで今大蔵省当局説明によりますると、どうもそれが納得できないのです。今あなたがた大蔵大臣の言われる腕次第の腕を振つているところなんですか、どうなんですか。一つ地方資金課長からはつきり一つ答弁して頂きたい。
  15. 牧野誠一

    説明員牧野誠一君) この問題については、腕を振つているというような段階ではございません。これは先ほど私若干申上げましたが、静岡神奈川についてすでにきめました分、これとバランスをとるということでほかの県について実施しようじやないかということで、話を進めている最中であります。それでその間にいろいろ府県の数も今度は非常に多くなり、それから又その結果割合小口府県というようなものも非常に多くなると思います。それで話が腕を振うとか振わないとかという段階ではございませんで、計数を整理して相手方とも若干の話をつけるという段階にあるわけであります。
  16. 江田三郎

    江田三郎君 どうも聞いておつてわからんのですが、静岡なり神奈川の分は一応きまつた。そうしてやり方については、これと均衡とつやり方で行くのだ。その際勿論あなたがたのほうではいろいろなデータというものは集まつている。そうするともうちやんと概算金額というものは出るわけです。或いはその中で府県の需要によつて、我々そういうこと想像できませんけれども府県として拒否される分があると思う。拒否されんということなら、およそどのくらいの県があるということはわからんはずはないと思う。一体何と何と資料が足らんのですか。長官どうです。資料がちやんときまつておれば、方法については意見一致しているというのだから、概算金額は出るじやありませんか。何か足らんものがあるのですか。余りくどくやらんで適当にやつて下さい。
  17. 清井正

    説明員清井正君) 重ねて御質問でございますが、無論私申上げました通り静岡神奈川貸付けました実績の比較のとれるように他県に貸付をする。この原則はその通り実施せざるを得ないのであります。そこで私どももそういう観点から、いろいろ資料を出しまして折衝いたしまして、恐らく最終的段階に達したところであります。原則的には大蔵省折衝してやつているわけでありますことは、たびたび申した通りであります。ただ最後的な数字ということになりますと、無論実施段階でありますから、実施段階の具体的な相談に入つて各県と相談する。県によつては非常に隻数の少い県もある。或いはこういう方法によらずに、ほかの方法でやつているところもあるし、こういう方法なら引受けないという問題も起つて来るかも知れない。具体的に各県に当つて見ようじやないか、当りました結果最後にまとまつ数字を出す、こういうようなことに相成つておるのであります。そういうことで以てやつて行こうということを資金課長も申上げたと思うのであります。私ども一定数字算出をいたしておりますけれども大蔵省との最後的な折衝等の都合もありますので、そういうことで以て実際実施段階に入つた最後の結果、数字をまとめる、こういうことになると思います。基礎数字としては大蔵大臣の言われた数字に近いものが、基礎数字になつているわけであります。そういうことで実施段階に入つてから、こういうことであります。
  18. 江田三郎

    江田三郎君 何でこの最後のところで変つて来るのか、ちよつとわからんのですね。この最終段階に来ている。そこで今私がお聞きしたのは、我々には想像できないけれども、あなたがたがこうやつて作業されたものについて、或いは県でそれは面倒だからおれのほうはやらん、こういうところがあるかも知れない。併しそういうことを別問題にすれば、今長官のいわゆる最終段階で出ておる数字というものは大よそ一億五千万と似通つたものかどうかと、どうしてそれを言うちやいかんのですか。何の差障りがあるのですか。それもただ今までの経過がなければそういうことで或いは我々も引下つていいかもわからない。併し大蔵大臣がこの一億五千万なら一億五千万という数字をきめているけれども事務当局のほうではこれを減額したいと言う。そこでそれを減額するのはお前たちの腕だということを大臣はつきり言うている以上、あなたがたが何かカーテンを引くというと、そのカーテンの奥は水産長官の言われるのとは違うのじやないか、誰でもそういう心配持ちますよ。一体徒らに不安を長引かせることがあなたがたの目的なんですか。そうじやないでしよう。皆心配して傍聴にも来ておられる。傍聴の人は別にしても、委員会としてももう終つている委員会を又この日を改めて開いており、これでつかなければ、又もう一遍開かなければならない。どうしてそれをはつきり言わんのですか。
  19. 清井正

    説明員清井正君) 先ほど委員長からもお話がありましたが、これを負けさせる、いわゆる値切るのが事務当局の腕だというお話があつたのでありますが、私ども事務局同士相談しておることは、そういうことは一切ないのであります。飽くまでもいわゆる現在貸付けている県との均衡を考慮いたしまして、均衡を失しないようにやろうじやないかということであります。而も各県々々の数字も私どもが損害額を計算した数字があるのでありますから、その数字基礎といたしまして、地域ごとに実は計算をいたした数字はあるのであります。その数字大蔵大臣が言われた数字に近いようなわけでありますが、そういうことで大蔵省とも実は相談いたしておるのであります。ただ最後的な数字が申上げられないというのは、只今資金課長が言われた通り、又私ども説明いたします通り、具体的な段階にいよいよ入つてから、具体的段階相談した上で最後的な数字が出て来るであろうということでありまして、基礎数字についての根拠は大蔵大臣のおつしやつていることとこれは変りないと思うのであります。要するに単に大蔵省が査定を少くとも値切るということに私ども事務的にやつているというふうな印象を受けられるかも知れませんけれども、決してそうではない。まあ根本的には話がきまつておるのでありますが、実施段階に入つて最終的な数字が出るだろう、単に私のほうの出した数字大蔵省が値切るというようなことではなく、今言つたような静岡神奈川、その他の均衡において出して行きたい。私どもはそういう均衡において貸付するようにやつて行こう、こういうことであります。決して大蔵大臣のおつしやつたことと違つているということじやないというふうに私ども了解いたします。
  20. 江田三郎

    江田三郎君 大蔵省、その通りですか。
  21. 牧野誠一

    説明員牧野誠一君) 一億五千万とかいろいろお話が出ておりますが、それから或いは腕の振い方とかいろいろ出ておりますが、只今水産長官が申上げました通り、腕を振うとか、振われるとかいう問題でないのでございまして、計数を固めておるという段階でございますから、大体静岡神奈川から類推いたしまして、それと均衡を失しないようにという点を申上げたのでございますが、そうすると大体の数字は、そう飛び離れた数字は私どもは出ないのじやないかとは、これは思つております。それでどうも、今数字を固めております最中だものですから、最終的な数字ちよつとまだ出ておりません数字なので申上げにくうございますが、大体均衡を失しないということで他の都道府県に配分をしようということでございますから、大体御了解願えるのじやないかというふうに思つておりますが。
  22. 江田三郎

    江田三郎君 そうややこしく言わんでいいじやないかなあ。私はもう簡単に聞きますよ。今水産長官の言われた通りですかというのですよ。大蔵大臣が何を言うたというて、そんなことは言わんたつて、そんなことは我々知つたこつちやない。あなた文句があつたら大蔵大臣に言われたらいいので、要するに水産長官が今答えられたこととあなたのほうは同じ見解を持つているかどうかということです。
  23. 牧野誠一

    説明員牧野誠一君) 同じでございます。
  24. 江田三郎

    江田三郎君 それなら水産長官のお答えで行きますというと、この各府県数字を合せると、大よそ大蔵大臣言つた一億五千万と大差ない、こういうことですから、私は了解します。
  25. 苫米地義三

    苫米地義三君 今の問題は、この前国会から委員長初め二名の委員が出て行つて大蔵大臣に面接したそのときに、はつきりと静岡神奈川は一億五千万円、その他の県に対しては一億五千万、それだけは出すという言明を得たのでありますから、あと事務当局幾ら責めても、それを覆えすわけにはいかんと思うので、ただ分配の上において公正を期しなければならんから、そういう立場におきまして両当局事務的に確認する、そういうふうに理解して私は差支えないと思うのですよ。それはそれでいいと思いますが、今の一億五千万円とかいうことは、実は応急の処置なんですね。而も根本的それを解決するという意味でなく、僅かに一部に融通をしようという措置なんですね。然るにビキニの問題に対する関係は、そういうただ応急処置だけでは解決されるべき問題じやないと私は思うのです。従つて直接の損害であるとか、間接の損害であるとかいうことを引つくるめて、もつと根本的に考えなければならん問題があるかと思います。そのことは国内問題ばかりでなく、相手国である米国に対しての交渉にも相当根拠がある強い折衝をいたして行かなければならんと思う。その意義をやはり国会は国会として、若しそういうふうに皆さんの御意見一致するならば、その点を明確にいたしておいて、そうして一方は外交交渉にもなりましようし、一方は直接間接、而もこれからなお起るべき予想もあります損害に対して如何にするかということは、これは重要な問題でありますかり、かような点についてこの委員会意見をまとめるとかいうことが必要でないかと思うのですが、これは委員長からお諮り願つて御処置を願いたいと思います。
  26. 小林孝平

    委員長小林孝平君) ちよつと速記をとめて下さい。   〔速記中止〕
  27. 小林孝平

    委員長小林孝平君) 速記を始めて下さい。今苫米地委員からお話がありましたが、本日は出席委員のかたも少うございますから、後日事務当局意見をとりまとめまして、適当の機会に委員会を開催いたしまして、この問題を審議いたしたいと存じます。別に御質疑もなければ、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十分散会