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1954-11-09 第19回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月九日(火曜日)    午後一時三十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     上條 愛一君    理事            竹中 勝男君            常岡 一郎君    委員            中山 壽彦君            榊原  亨君            高野 一夫君            谷口弥三郎君            横山 フク君            高良 とみ君            前田  穰君            藤原 道子君            湯山  勇君            山下 義信君   国務大臣    厚 生 大 臣 草葉 隆圓君   事務局側    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省医務局長 曾田 長宗君    厚生省保険局長 久下 勝次君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○参考人の出頭に関する件 ○社会保障制度に関する調査の件  (新医療費体系に関する件) ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  新医療費体系に関して参考人から意見を聴取することについて、その人選、日時等委員長に一任となつておりましたが、各委員の申入れに基いて理事及び小委員長の方々と協議の結果、十一月十五日、十六日の二日間、いずれも午後一時から、意見を聴取することといたしました。参考人は十二人を選出いたしました。即ち十五日には高橋長太郎氏、徳川夢声氏、古垣鉄郎氏、小椋青天氏、水越玄郷氏、野澤清人氏、それから十六日には宮田重雄氏、桐原藻貝氏、斎藤斎氏、荒垣秀雄氏、未高信氏、中山義秀氏、以上であります。右御報告申上げます。   —————————————
  3. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは新医療費体系に関する件を議題といたします。前回に引続き、質疑を続行いたしたいと思います。御質疑を願います。
  4. 榊原亨

    榊原亨君 政府からお出しになりました資料のうちで、病院診療所における実態で、診療の部門の区分をしておいでになる資料があります。全般的な議論をしておいでになる二頁であります。初めの全般的な結論ような御説明のあります二頁のところでありますが、その二頁の費用から換算した点数現行点数という欄がありますが、それがその合計のところがどちらも一六三九六という数が出ておるのであります。で、各診療行為現行点数に換算いたしました場合に、一六三九六という数が出た。ところが、費用から換算した点数も、やはり一六三九六という数が出ておるということにつきましては、どういう御計算でこうなつたのでありますか、御説明をお願いいたしたいと思います。
  5. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) この数字が合つておりますのは、各診療行為区分によりまして計算されました経費総額というものによつて、一万六千三百九十六点を按分いたしたのであります。
  6. 榊原亨

    榊原亨君 診療点数現行点数で当てはめた場合に、この一六三九六。ところが、その費用は必ずしも一六三九六とならんと思うのでありますが、如何でございましようか。
  7. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) ここに出しました表の目的は、現行点数と実際に費用計算をいたしました結果とどういうふうに食い違つておるかということを示しておりますので、これはむしろ誤解を生じませんためには、両者を百分比で出しておいたほうがよかつたかと考えておるのであります。これは全くただ一万六千三百九十六というのを、実際に計算した費用額に応じて、各診療行為区分割りつたというものでございます。
  8. 榊原亨

    榊原亨君 今のお話によりますと、例えば診察にいたしまするというと、その診察診療行為を全部、現行健康保険点数に換算した場合に、その総額を一万六千三百九十六といたしまするというと、その一万六千三百九十六の現行医療費のうち診察は一万六千三百九十六分の三百七十八であつて診察に要する費用は一万六千三百九十六分の二千五百十五であると、こういうふうな意味だと、こうおつしやるのでありますか。
  9. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) さようにお考え下されば結構だと思つております。
  10. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますると、一番右のほうにありまするところの差額、AからBを引いた差額プラスマイナスで出ておる。例えて申しますと、今問題なりました診察にいたしますると、二千百三十七マイナスになつておるということは、これは何を意味するのでありますか。
  11. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) この絶対値には、十分な意味を持たせることは困難かと思うのであります。このプラスマイナス、及びこの数字で現わされております大小というものについての、一つ傾向というものを見た表であります。
  12. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますると、差額AからBを引いたというこの数は、何も意味がない数である。ただマイナスになつておるか、プラスになつておるかという傾向を見るだけの参考だと、こんなふうにとりましてよろしうございますか。
  13. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) この二頁から三頁にかけて載つております表は、さよう目的のものであります。なお先ほど御説明申上げますときに、数字のときに、千単位で書いてありますので、位取りをちよつと間違えたかも知れませんが、その点は訂正しておきます。
  14. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますると、このAからBを引いた差額というものは、ただ、傾向を見るだけだ。ここに出ておる数字というものは何にも信憑性がないということになりますと、診察のほうで余計収入を医者が得ておらんとか、或いは投薬のほうで余計あれを得ておるとかいうようなことの結論が出ているようでありますが、それはもうはつきり言えないことでありますですね。例えば非常に数字が開いておれば別でありますけれども、例えば七十とか八十とか百とかいうようなことは、もうこういう数字は何にも信憑性がないことであります。ただAとBとはパーセントを示しておるだけということになりますと、そういうことである。ところが、本文の結論のところにおきましては、この数に文句を言わせます。更に診察料に何点を振り向ける、投薬の何点を引くというよう結論をこの数字から出しておられると思うのでありますが、その点は如何でございますか。
  15. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 私、この表の主なる目的ということを申上げたのでありまして、それによつてどういう行為に、この実際に計算された費用よりも余分の報酬が支払われる、如何なるものについてはその支払いが不足であるかということを見まして、そうしてそこに大きい差があるということを、一つ傾向として見たのでありまして、これを是正いたすということのためには、如何よう方法をとればよろしいのでございますかということをここに説明申上げまして、そうして今回全面的にではございませんが、そのうちの一部分を、つて、この主なる不均衡を是正するということが或る程度目的を達し得るであろうというふうに考えた次第でありましてそれが果してどのよう現行支払点数と、それから新たに採用いたそうとしております新体系というものに移つた場合とで、どのよう点数増減が起るかということを、最後の第三表、附表三というところに挙げました幾つかの表に示してあるのでありまして、この数字は具体的な意味を持つておるわけであります。で、このようにして参りますると、只今お話もございましたように、多少の増減が出て来るということになつたのであります。第二頁、三頁に掲げましたのは、今申上げたように、大体の傾向を見るというつもりであつたのであります。なお、傾向を見ると申しましたのですが、細かく御説明申上げますならば、この第二頁、三頁に載つております表中、費用から換算した点数と申しますのは、今申上げたように、先ずどれだけの経費がかかつたかということを算出いたしまして、そしてそのときの計算上の一点単価というものが幾らになるか、たしかこれは病院の場合には十三円五銭だつたと思うのでありますが、その額で以て割つた数字がここに出た数字であるというようなことでありまして細かくお考え下されば、この数字にも全然意味がないというものではないのであります。併しここに表示いたしました目的は、最初に申上げた通りであるというふうに申し上げておきます。
  16. 榊原亨

    榊原亨君 非常に御答弁が込みいつているのでありますが、結局この表の現行点数Aと申しますものは、診療した現行点数に換算した場合に、診察料は三十七万八千点だと、こういうことである。ところが、その診察に要した費用は、結局申上げると、二百五十一万五千点ではないのですね、これはただ比重を示しておるだけですから。それでは実際の費用から換算いたしました点数は、幾らでございますか、この診察に要した点数は…。
  17. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) この表で診察に対する現行点数Aというふうに書いてございますのは、現実に支払われた報酬点数であります。それからこの費用から換算した点数Bというところに挙げておりますこの数字は、現在この診療報酬を支払われてはおらないのでありますが、例えば内科小児科というような患者の場合に、現実にその診療のために労力は費やしておるのであります。で、その労力を、医師の技術料と申しますか、人件費と申しますか、これから換算して算出いたす。勿論その際に診察に要した、費消した物件費というものも入つているわけであります。こういうようなものを加えて費用計算いたしまして、で、それをこの総費消額総点数から算出し計算上の一点単価というもので割つたのが、ここにございますような二百五十一万五千点というふうになつたということでございます。
  18. 榊原亨

    榊原亨君 AとBとを比較いたしまして殖えたとか減つたとかいうことを見ますためには、費用から換算いたしました費用そのものを、今お話になりました総点数で割るということで、はつきり何点ということが出て来るわけでありますのに、どうしてもその最後の計の千六百三十九万六千を合せるために、このBをパーセントような割合に換算してしまつた。それですから、現行点数の三十七万八千というものと、二百五十一万五千というものを比べる何らの根拠がないわけです。ただ両方パーセントを比べて引いてみましても、それは無意味なことでありますから、従つてこの数字と申します差額の、AからBというものの差額出しておりますのは、非常に大きな離れました何千点というところは、或いはそういう傾向を示すかも知れませんけれども、プラスマイナス零に近いところのもの、例えば五千とか、七万とか、十万幾らというところにおきましては、意味をなさんというふうに思いまするし、殊更ここにAからBを引いた差額という数をお出しなつ意味は、何も意味をなさんと思うのでありますが、統計調査に詳しい医務局長は、はつきりお答えをして頂きたいと思います。
  19. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) ここに出しました数字というものは、只今申しましたように、計算上の単価から算出したのだというふうに申上げましたが、その計算上の単価とは何かということを申しますれば、結局B欄に該当する実経費が挙つておるわけであります。その総額が出て参ります。その総額をこの千六百三十九万六千というもので割つたのであります。さようにして出て来たもので、この各診療行為別経費を割つております。従つて最後合計のところは、この総額点数で割つて、そうしてその値で又総額を割つておりますから、結局割つた数に戻つて行くということになるわけでありまして、経費如何ようにかかつたといたしましても、そのときのそれに該当する診療行為なるものは、行為の実質は、この点数で以て現わされているというふうに考えられます。この各診療行為点数によつてその内容を示すということになりますると、この費用から換算された点数というものに全然意味がないというわけには行かんのでありまして、この総体においてここにありますような一千六百三十九万六千点に該当する実際に診療行為がここにあるわけでありまして、その行為労力、或いは費消いたしました物というものによつてこれを分けてみますならば、それぞれ診察投薬注射というふうに挙げてありますよう工合に、この点数按分されて参るということでありまして、これは決して無意味数字ではないというふうに考えております。
  20. 榊原亨

    榊原亨君 成るほど診察投薬注射というものの費用比重を示す数にはなるかも知れませんが、併しながら実際の診察投薬注射によつて入りましたその収入と、要した費用との比較をいたします場合に、プラスなつたとかマイナスなつたとか、赤字であつたとか黒字であつたとかという対比をいたします場合におきましては、この数字は無意味である。ここにお挙げになりましたB欄は私は無意味である。これは何といたしましても一千六百三十九万六千というものを合せるためにお作りになつ作文でしかない。このB欄は、何といたしましても、これは私は少くともこのものは意味をなさんものである。各診療行為におきますところの費用按分は、成るほどわかるでありましよう診察に要した費用は一万六千三百九十六分の二千五百十五ということははつきりわかります。併しながらその按分されましたパーセンテージを、前の収入パーセンテージ比較いたしまして、そうしてそこに差額幾らということをお出しになりましても、これは無意味であります。これ以上は、はつきりそう聞いておつたのでありますから、もう意見になりますから申上げませんが、少くとも私はこれは了解することはできない。
  21. 竹中勝男

    竹中勝男君 ちよつと関連して。今の数字ですが、このBは、この標準は今度の新しい医療費体系計算ということになりますか。
  22. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) ここに掲げました表は、私どもの思考の経過と申しますか、さようなものが現われておるのでありまして、話が、或いは時間をちよつと頂戴するのも恐縮かも知れませんけれども、細かいことに相成りましたので、もう少し説明さして頂きますならば、ここに掲げております二頁の費用から換算した点数、殊に診察というものにつきましては、内科小児科ように、明らかに診察のためにどれだけの時間を費したかというようなことの明確なものについて計算をしたのであります。これも前に御説明申上げました通り、物はその際に費消した物であります。人件費等は、時間で算出したものを加えて計上したわけであります。ところが、後に新医療費体系として採用いたしましたのは、このうちの全部ではございませんで、このうちの診察投薬注射、それから処置はその一部、それから補綴というものだけを取上げまして、あとのものにつきましてはプラスマイナスがありましても、これには一応手をつけなかつたというのでございます。それから更に診察につきましては、前にも御説明申上げました通り、初めは診察に要した労力というようなものが明確な内科小児科的な診察、或いは眼科耳鼻科でも、初診のときというようなものだけをとつてつたのでありますが、実際の診療報酬支払の状況から考えますならば、眼科耳鼻科の場合の再診の場合にも、やはり内科小児科と同じように再診料を支払うような形が望ましいであろうというように考えました。その代り、その経費眼科耳鼻科等の簡易な処置というものをその診察料の中に含めるということにいたしますと、大体バランスがとれてくるというふうに考えたのであります。従いまして附表三にあがつて参ります診療行為同友という欄がございます。そのうちの初診、再診というこの回数の中には、内科小児科的な回数だけではございませんで、眼科耳鼻科ような場合の再診というものも計上してございます。これが附表三にあがつておる診療行為回数と、二表と申しますか、二頁、三頁にあがつております表の診察回数と食い違つております理由であります。
  23. 竹中勝男

    竹中勝男君 御説明わかつたようでわからないのですがね。これがプラスマイナスがセロになつておりまして、そうすると、このきちつとプラスマイナスゼ口なつたというのは、偶然になつたのですか。そういう意図のもとに逆に換算されてですね、そしてこれを当てはめられたのですか。若し今のよう費用から計算した点数というふうに、内容を伺いましても、内科小児科だけをとつてこうやられた、而も初診なんでしようが、そうすると、二五一五という数字になつて来ると、以下同じですが、これはこういうよう一つ一つについてやられて行つて、偶然にプラスマイナス・ゼロになるということは、私にはわからないのです。それで逆に計算……一つ標準からこれに合うように、一六三九六という数に合うようにとつて来られたのですか、統計上…。
  24. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) これは無理に合せたものではございません。先ほども申上げましたように、計算過程としましては、診察行為に費した費用というものが出て参ります。で、これは皆様がたにお配りしてございますこの初診、再診、往診というようなものに対して、どれだけ経費がかかつたかというよう費用計算の、この横に書いてありますこの資料を差上げてございます。この費用個々診療行為に対する費用というものを頻度に掛けて参りまして、そうすると、ここに経費が、診察に要した経費というものが出て参る。それから投薬につきましては、投薬剤数がここに出ております。その一剤当り幾らかかつたかというようには、これから又出て参ります。それを掛け合せた金額が、第二段に出て参ります。かようにいたしまして、ずつとその他入院というところまで、個々診療行為に対してどれだけの費用がかかつたかというもとの資料がございます。これから算出して、経費がここに出て来る。それを合算いたしましたのがその合計の総経費になつて来るわけであります。その総経費でございますが、これを比較いたしますものとしては、診療行為の、何と申しますか、行為実態というものは、一応点数で以て現わされておる。これは点数でなくて金額でやるということも一つ方法でございますが、とにかく点数診療報酬が一応出ておりますので、その点数に該当した行為が行われましたときに、その総点数がその金額によつてどういうふうに分れて来るかというふうに考えて按分した、というふうに考えて頂いてもよし、或いは私が先ほど申上げましたように、その総経費をここに出ております総点数というもので割りますと、一点当り経費が出て参ります。その一点当り経費でこれを割るということになるのであります。
  25. 竹中勝男

    竹中勝男君 ちよつと、そうすると、診療行為に要した費用計算の仕方というその評価ですね、診療行為をどういうように評価するかという標準は、今度の新医療費体系に基く標準でやられたというわけなんですか、そこを私は聞きたい。
  26. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) この経費計算の細かい進め方というものにつきましては、二度目ですか三日目でございましたか、そのときにお配りいたしましたその費用計算の、行為別費用計算課程と表題を付けておきました六、七頁に亙る資料を差上げました。そうしてそれに対して一応御説明を申上げたのであります。で、そのときに御説明申上げたよう方法計算した経費でございます。
  27. 竹中勝男

    竹中勝男君 それが偶然に現行点数と一致したということが、私にはわからないのですがね、AとBが、結局トータルにおいて一致するという結果が出て来たということが。即ち医療費が、これによつては結局医療費というものが増減がないという結論は確かに出ておるわけなんですけれども、結論に至る過程が私は全くわからない、その計算の仕方というものが。
  28. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 只今も申上げたのでありますが、今申上げたよう工合にして、経費が一応計算できる。そういたしまして、その経費点数に直すということの問題なのでありますが、この点数と申しますのが、これを換算する方法が、どういう方法が一番妥当であるかということが、問題になつて参ると思うのであります。で、その場合に経費として費しました総額というものは、ここで計算では出ておりますが、これが実際調査の結果もどうかということになりますと、これもこの前にお話申上げたかと思うのですが、その数字と非常によく合致して来ておるわけなんであります。それで、併し極く僅かに十数銭の違いがあつたかと思うのでありますけれども、一点単価と十数銭の違いがあつたかと思いますが、その違つた数字計算するのも一つでございます。それからもう一つは、ここに実際に今繰返し御説明申上げたようにして計算された総経費、その総経費がこの点数で以て現わされる行為に該当するのでありますが、その一点に対して幾らに当るかという単価計算しましてこれは先ほど私は病院の場合はこれは十三円五銭と申しましたが、十二円五銭のようであります。今これを繰返してみましたが、十二円五銭という数字が出て来ておるのであります。その数字でこれを割つて参つたということでありまして、これを今度収入と申しますか、平均の収入、一点当り収入に対してこれを換算してみるというよう方法もないではないと思うのでありますが、それも収入のほうはなかなか理屈で計算が困難なのでありまして、まあどれをどの単価で以て割つて行くかということが、勿論計算としては方法が今申上げたところではあるわけであります。併しここで比較いたしますものとしては、診察投薬注射処置というようなものについてどこにウェイトが不当にかかつておるかというようなことを見ますためには、むしろこれの揃つて参つておりますものが比較としては合理的なものでないかということが考えられますので、私ここに出しました数字が必ずしも不当ではないというふうに考えておる次第であります。
  29. 榊原亨

    榊原亨君 私が考えますのに、例えば診察をいたしまして、診察のために収入いたしました現行点数とそれに要しました費用比較いたしますためには、現行点数が三百七十八点、診察による収入が三百七十八点といたします。そういたしますと、現行のこのときの単価が例えば十円といたしますと、三百七十八掛ける十円、これが結局診察による収入である。ところが、支出のほうを比較いたしますという場合には費用を十円で割つて、そうして出ました点数比較すればいいのでありまして、はつきり言えるんです。ね。現行点数のこのときの単価費用割りさえすれば、はつきり比較が出て来る。それを無理に、費用の総勘定をしましたものから無理に出て来ましたところの、いわゆる末端の両方合計を合せますために作りました病院においては十二円五銭、診療所においては十九円幾らという単価でお割りなつたから、そこで合計のところは按分だけれども、比較というふうになると、単価の値段が違うから比較はできない、こういうことなんです。従つてこれは両方比率を、例えば現行点数におけるところの各診療部面比率を現わし費用の各診療部面については比率を現わしているだけのことである。その比率両方比べて、それが何点多いとか少いとかいうようなことはできないのですよ。これはあなたが何と言つても、この新医療費体系というものは医療費を増大しないという前提の下に無理に逆算して作つた作文であると、こう言わざるを得ないのです。私は医務局長の心情は甚だ御同情申上げますけれども、これは何としても説明できないはずです。明敏なる頭脳を持つ医務局長がそんなことをとやかくおつしやろうとも、我々は了解できない。そこなんです。端的にそのときの単価で要した費用を割れば、この点数と三百七十八点と比べてみれば、すぐわかる。その作業ができていない。
  30. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 只今の御意見に対しましては、現行点数というものがここに上つておりますが、この行為保険診療であつたならば何点に該当する行為であるかということになつて参りますと、現実にはこれは全部保険診療ではないのでありまして、この約三〇%余りの行為というものは、これは自由診療になつておるわけであります。従いましてこの行為に該当する点数というものを掲げておるのでありますから、従いましてこれにただ保険の点数というものを掛けて行つたのが実情に合つているというふうにも申しかねる事情にあることを、申し添えさして頂きたいと思います。
  31. 湯山勇

    ○湯山勇君 非常にむずかしい御説明をなさいますけれども、私はもつと簡単におつしやつて頂くのがいいと思います。というのは、この前私、この例によるのはどういうことかというと、これは按分したのだというお話がありましたので、それならば現行点数Aというのは、現行点数を掛けたものとこの数をそのまま見まして、それに現行点数単価を掛けたものが費用になる。ところが、費用から換算した点数Bのほうは、その掛けた計数が現行点数と違つておる。従つて、各項目について言えることですけれども、最後の計の場合には、そこでいえば現行点数は一万六千三百九十六ですけれども、換算した点数の場合にはこれにNという計数がつかなければならないはずでございます。そうすると、今言われたようなNという計数のついたものを現行点数の計数のついていないものから引いても無意味ではないかということが、御質問の趣旨だと思いますので、その計数がどうあるかという御説明をして頂かないと、このプラスマイナスがゼロになつたという意味を、どうにも私どもが認めがたいし、意味を知る必要もないような感じがするのですが、その点を明確にして頂ければいいと思うのです。
  32. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 現在の収入、各診療行為別収入額というものと、今度費用から計算いたしました経費額、従つてそれに対する適正な報酬額というものとの比較ということでございますれば、現在一点当り平均いたしまして幾ら収入があつたかということは、出て参ります。これを只今の表に載つておるAならばAというものにその単価を掛けて参るということにいたしますれば、この金額が各項目ごとに出て来るわけであります。それから又B欄につきましては、今御説明申上げました通り、この欄で計算いたしました十二円五銭というものを各点数に掛けて参りますれば、これも金額が出て参ります。従つてその金額として相互に差引をいたしますれば、その差が出て参る。で、これは直ちに換算で以て出て来る数字でございます。ただここで見ましたのは、再々御説明申上げました通り、大体どの行為にウェイトが余計かかつている、どの行為には非常に報いられることが薄いかということをここで以て見たいということが主であつたために、むしろパーセンテージ出してお示しするということのほうが、その目的であつたならば、明確だつたかも知れないというふうにお答え申上げます。
  33. 湯山勇

    ○湯山勇君 確認いたしたいと思いますが、我々常歳的に言えば、点数金額とは一致するものというように考えておつたし、又点数というのはそういうことの便宜上作られたもりだから、当然まあ二数が同じであれば金額も同じでなくちやならないということになつておると、常識的に思うのですが、そこでこの表では点数の上ではプラスマイナス・ゼロとなつておるけれども、金額の上では必ずしもゼロでないということが確認されるかどうか、この点だけお確かめいたしたいと思います。
  34. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 只今申されました通り点数は同じ行為に対する報酬でございますから、一応点数を揃えた。併し実際の経費は、そのときの支払われた額というものと経費計算をいたしました結果と、その間には食い違いがございましたということであります。
  35. 竹中勝男

    竹中勝男君 余りこれがはつきり出過ぎるから、疑問になるのですね。診療行為に要した費用計算、例えば診察行為にしてもこういうふうに金額はつきり出る、榊原博士の言われるよう一つ傾向率と言いますか、何と言いますか、テンデンッゲーゼッッみたいなものを出せばよいのですが、こういうプラスマイナス・ゼロになつたというような、こういう正確な、会社の会計報告みたいな形で出されるから、こういう疑問がいろいろ出て来るので、Nを附け加えたらよいと思う。そういうものがないから、それでこれがどうも如何にも作文に見えて来る。素人だつたら、これで増減はないのだなあと見ますけれども、我々から見ると、如何にもこれは、こういうゼロになつてきちつと最後数字まで合うということが、疑問になる。
  36. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 却つて問題を紛糾させるかも知れませんが、新医療費体系というものはあくまでも医療報酬の支払い方の問題であるというふうに、一応私どもは考えました。従いましてこの支払い方が変つたということだけで、今までの赤字がなくなりましたり、黒字になつたり、或いは却つて赤字が殖えるというようなことは、生じないようにというふうに考えておりますので、一応点数単価というものは、これは別個に更に検討をしなければならん。併しながらこの点数自身は、同じ診療行為が行われた限りにおいては、同じ点数で現わしてそれを如何よう按分し替えることが、配分し替えることが、より妥当であるかというふうに考えた次第であります。さような根本的な考え方があるので、御指摘のような或いは誤解を生ずるかも知れんような形をとつたのであります。
  37. 榊原亨

    榊原亨君 その資料の六頁のところを一つ承わらして頂きたいと思います。「(2)初診料、再診料。診療所における医業経済に関する調査の結果によれば初診料は六・二〇三点、再診料は四・五九五点」というのでありますが、これは診療所調査をなすつたことから出て来ておるのでありますか。
  38. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) これは診療所資料から算出したのであります。
  39. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますと、昨日も初診料は六点で以下切り捨てるとか丸めるとかいうお話があつたのでありますが、病院から出て来た初診料というものは幾らであるのでありますか。
  40. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 計算したものがすぐに見つからないのでありますが、それは差上げました資料の先ほど申上げました診療行為別費用計算表というもの、五頁でございます。その五頁に病院初診、再診、往診の費用計算が出ております。これを病院におきましての計算上の単価割りますると、初診料が八七九点、再診料は五七〇一点ということになつております。
  41. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますると、診療所よりもまあざつと二点、病院のほうが初診料が高いという御調査でありますのに、ここに結論的にお出しになりましたのでは、初診料は六点なんぼ、それを丸めて六点だというお話でありますが、そうすると、病院のほうはおとりにならなかつたのですか。
  42. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 病院診療所におきまして、診察料のみでないのでありますが、いろいろな診療報酬点数を定めて参ります場合には、別建てにいたす、病院診療所で別個の点数を定めて行くということは、非常に事務的には煩わしいこととなると思うのであります。これは一つ方法は、両者の平均で参ろということも行き方であるのであります。そういたしましたときに、診療所のほう、病院のほうに多少ずつ無理が参りますので、それをあとで補正して参らなければならんという問題が起つて来る。どうせ補正をするということでありますならば、むしろ病院のほうをとり、或いは診療所のいずれかをとつてそして他方の食違いを補正して参るということのはうが、より容易な方法である。私どもとしましては、病院も非常に重要ではございますけれども、今極めて、何と申しますか、この医療費問題が大きく響いて参りますのは、何といつてもより多くの医師の人たちが働いておられます診療所というものを基準にしてできるだけそこに実情と食違いのないよう体系を立てて行くことが妥当であろう。そのことから起つて来る病院に対する不在みと申しますかこういうものについては、又別個に考えて参る。一つの例を申上げますならば、病院におきましては、お示ししました総括表のところでもおわかりのように、病院においては入院料というものがこれが相当大きい。プラスをなしておるのであります。従いましてその病院の入院料というものに今回は手を触れないということにいたしますれば、他のところで出て来る幾分のマイナスというものは、そちらで以て或る程度カバーできるのではないか。少くともそういう道がある。或いは補正するといたしますれば、その入院料を殊更に殖やすとかいうような、若しも多過ぎるならば、入院料を少し下げるとかいうような余地があるのではないか。診療所のほうにおきましては、その補正の方法が非常にむずかしいというようなことも考慮のうちに入れまして、そして診療所を一応基準として立てて行く。これは病院で今のように食違いがあるということは、他に補正の方法があろうというふうに考えた次第なのであります。
  43. 上條愛一

    委員長上條愛一君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  44. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 速記を始めて下さい。
  45. 榊原亨

    榊原亨君 今のお話によりますというと、初診料におきましては、安いほうの診療所点数をおとりになつて、はるかに高いほうの病院における初診料のほうは、入院料のほうで何とか補正できる見込みがあるかも知らんから、そのほうはとらなくつて診療所のほうをとつた、こういうお話に承わつたのであります。そこで私はこの前から草葉厚生大臣に申上げましたように、この医療費体系と申しますものは、診察料処置料と、注射料だけを取上げて、あとのところはそのままにしておくわけには行かない。丁度網の目のようなものでありますから、一方を取上げれば、必ず一方に影響を及ぼして来る。頻度の上においても影響を及ぼして来るから、全般的にしなければならない、こういうことを申上げたのでありますが、それはそういうことでなしに、今特別に分業に直接必要なものだけを取上げるということでありますが、その口の裏からすぐ医務局長は、病院における初診料のアンバランスについては、これは入院のほうで考慮しなきやならんということを、もう今すでに言つておる。この点に非常な矛盾が私はあると思う。又もう一つは、こういうふうな、而も安いものも、高いものもあるということでございますならば、これはまあ両方を平均いたしまして、そして適当な額にきめるべきものであると思いますのに、殊更安い診療所のほうの初診料だけをおとりになつて、これが適正なる初診料であるとおきめになる。その差額が一点以上もあるということになりますというと、これは何と好意的に私見ましても、保険経済を膨脹させないために、又分業による医療費の枠を拡げないために、先ほども合計においては何もわからんよう数字を使つて、帳尻を合わせ、又例えば一例をとつてみると、初診料については安いほうの診療所のものをとる。これは私申上げましたように、一番低い限界でございますところの、ベッドを持たない療養所の診療費だけを、まあ今健康の保険診療をやはり調査をしまして数字出して行くことも、これは私賛成であります。ところが、病院も調べ、診療所も調べ、そして都合のいいときは、病院のほうの調べの数字をとる。都合の悪いときは、診療所をとる。一体この資料はどういう方針で資料計算なされ、その材料をとつておられるか。算出の基礎になる方針がはつきりしておらん。そしてそれは一向……厚生省の自分の御都合のいいほうの数字をとつていらつしやるとしかわからん。病院診療所を調べ、その診療所というのは、たくさんあるうちのたつた十三カ所しか調べない。その診療所から出たところの初診料の値段が六・二〇三であるということは、これは初診料六点だ、こうおつしやるのでありますが、一方において病院のほうはそれより遥かに、一点も二点も高い数字が、現にこの資料にも出ておる。それは入院のほうで何とかするのだ、こういうお話でありますが、一体どういう御方針でこの資料から御計算をしていらつしやるのでありますか。その点一つ医務局長、如何です。
  46. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 先ほど私が御説明申上げましたことに、ちよつと言葉の足りなかつたところもあるかと思うのでありますが、一応診療所費用計算を基礎として単価をきめた。そしてあと、それから出て来る歪みというようなものについては、更に検討し、補正する方法を講ずるということを申上げたのでありますが、そのことはここにお示しいたしました数字のほかに補正するということを申したのではないのでありまして、そういう含みを持たせましてそして今回の医療費体系というものを立てたというのでありまして、結局ここに多少不足分がある。併しながら一方においては病院の入院費等でプラスが出ております。これを減らさずにそのまま存置して置くというよう方法をとつて、そしてそれをこのよう方法で先ずよかろうというふうに考えました根拠は、附表三にございますように、一方この診療報酬として今までよりは新体系において減じます点数はしかじか、それからそれに対応して殖える報酬はどれだけかということを見まして、そして大体今までと報酬点数が殆んど変りがないということを確かめましたので、このことによつて、新医療費体系に移つたから今までの経営が急に楽になつたとか苦しくなつたとかいうことは、これでは起らないのでありますが、今まで通り報酬点数は確保できるというふうに考えたので、先ずこの新体系に移つて行つても混乱は生じないというふうに考える次第であります。
  47. 榊原亨

    榊原亨君 何とおつしやつても、ここに病院初診料は何点ということを出しておられんということで、厚生省の御意図になつておることはすぐわかる。例えばその次の同じページの薬剤料というところを見て御覧になればわかる。病院では投薬薬品は〇・九五一点、診療所では〇・九三四点、これは同じような、数が合うたところだけをここに書いておられる。そしてその初診料のほうの一点も二点も違うところは、一向病院のほうは書いておられない。診療所だけのことをお書きになるのなら、ここに病院のことを出す必要はない。わざわざ合うところだけはこういうふうにちやんと、病院では〇・九五一点、診療所では〇・九三四点、これは大体同じだ。もう何といたしましても、これは作文であります、この資料は。大体そこのところにございます調剤技術料〇・五九三点がどこから出て来たか、それを一つ承わりたいと思います。
  48. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) この調剤料の〇・五九三点と申しますのは、御指摘の通り診療所計算から出て参つておるのであります。それからそれに対しまして、なぜその下に投薬薬品の費用は、病院幾ら、それから診療所幾らというふうに出したかという、このお話なのでありますが、これは診療所に支払われるものではございませんで、むしろ薬局に支払われるものなのであります。これはその薬品がどういうふうに使われるようになりますか、多少これは原価によつて動いて参るものなのであります。この調剤の費用というものは、この薬品の原価に応じて平均一剤についてこれだけの調剤料を附加えて出せばよろしいというよう意味でございまして、一つの調剤費として、個々投薬の場合に算出されます基礎としての調剤料でございます。それに対して薬品は、個々の場合に異なつた薬品の実費が加わる、さよう意味でございまして、で実情がどうなつてつたかということを御参考までにここに載せてあるのであります。
  49. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますと、病院の調剤技術料幾らです。
  50. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) ちよつとこれも計算してございませんが、たしか四円…
  51. 榊原亨

    榊原亨君 今更計算しなくたつて、こんなことはちやんと出ていなければならない。今薬とあれとを分けようという重大なときに、病院資料から何が出ているかわからんということは、病院のほうは見てもみないんだろう。病院のほうはこういう数字出して、我々は寝ずに計算しているんですが、厚生省のほうは一向そういう計算もしてないんですか。あなたがわからなければ、係官でもいい。誰かわかる係官がおつたら、係官でもいい。そういうことも計算しないで、新医療費体系も何もあつたものじやないですよ、これは。
  52. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) ちよつとお待ち下さい。
  53. 榊原亨

    榊原亨君 待つなら何ぼでも待つけれども、時間ばかり経つ。係官も、一つ計算してない。一体厚生省はほんとにまじめにこれをやるつもりですか
  54. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 経費が、金額として七円七十九銭になつております。これを十二円五銭で割つたものが、点数になるんです。
  55. 榊原亨

    榊原亨君 何ぼです。私は計算するのが面倒です。そこでちよつと計算して下さい。何点か……。間違わんよう一つお願いしたい。
  56. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 〇・六五点になるのです。
  57. 榊原亨

    榊原亨君 〇・六五点であれば、これは又だいぶ違うんですが、そうすると、これは又都合のいいほうだけをとつておるということになる。これはどうにもわけがわからなくなつて来るんでありますが、こういうことで新医療費体系とかなんとかいつて私どもに審議をしろといつたつて、私どもはそれはできないと思う。
  58. 山下義信

    ○山下義信君 厚生大臣に対する前回の質疑の続きをいたしたいのでありますが、その前に、私の質問の気持を大臣に申上げまして、率直な御答弁を得たいと思う。私どもは医薬分業に関しまする議員提出の延期法案を抱えておりまして、御承知のように、継続審査になつておるわけであります。たまたまそれを不可分でありまする新医療費体系の国会報告をお願いしまして、先ほど御報告になつた。新医療費体系の御報告を検討さして頂くことは、不可分でありまするが故に、即医薬分業の実施に関する重要な問題として、そういう含みで検討しておることは言うまでもない。たまたま昨今のような政情から行きますというと、次の臨時国会の状態は逆賭を許しません。従いまして、私どもは休会中継続審査に付しましてこうして出て来て勉強しておりますことが、実に重大な意義があると考えておる。或いは臨時国会が開会されましてそれら関係の法案或いは政府の関連の施策を検討する余裕がないのではないかというふうに考えておる。従いまして、昨日の質疑のときに私は自分の心持を申上げたんでありますが、我々といたしましても、適当な機会に我々の考えをきめまして、或いは表明をする必要があるのではないかとさえ考えております。従いまして、こういう専門的な御議論は、只今榊原委員その他の方々が、すでに従来御検討になつております。私ども静かに傾聴しているわけでありますが、私は全体的な問題で、どうしてもこれは政府の考え方を聞いておかなければ、この新医療費体系の実施につきましても、その他の関連の問題につきましても、我々が検討を加える上におきまして判断を下しかねるという諸点につきまして、伺いたいと思うのであります。  昨日は医療費の問題、医療費が高くなるか安くなるかという問題につきまして伺いまして、一応の御答弁を得たのでありますが、なおそれに関連をして、又その他の諸問題につきまして、若干お尋ねしたいと思うのであります。本日は私はここに列席の時間を、長く持つておりませんので、途中でその他の質問は保留させて頂くかもわかりませんので、あらかじめその点は御了承を得たいと思うのであります。従いまして私は大臣から率直に政府の御方針を、お肚を承わつておきたいと思うのであります。それは医療費増減に及ぼす影響をもう一度伺います前に伺つておかなければなりませんことは、今保険経済におきまする医療費支払高が異常に増嵩の傾向にありますることは、御提出の資料はつきりわかつております。それで、この保険経済におぎまする医療費の支払高の激増の情勢は、政府の見通しはどうかということを伺いましたら、昨日保険局長は、これはこの増加の趨勢は、こういうまあ増加の状況が持続すると思うというお見通しの答弁であつたのでありますので、それで私はすぐに、新医療費体系が保険経済に及ぼす影響について、如何なる好影響を及ぼすのかという、政府がここぞと力んで力説されるであろうと思われる質疑を申上げたところが、意外にも、さしたる影響はないものと思うという御答弁であつたのであります。その点はあとで又伺いたいと思うのですが、従いまして、私は前提として伺つておきたいと思いますることは、医療費の支払高がかくのごとく増嵩の一途を迫るということになりますと、保険経済は一体どうなるでございましよう。今年度もまあまあと少いわけでございますが、赤字はどのくらい出て来るという見通しを持つておいでになるか。そこで私が伺いたいと思いますことは、こういう医療費の増嵩の趨勢に対して政府はどういう対策をお持ちになつておられるかということです。で、この異常な医療費の増嵩の情勢をこのままに放つて置こうというのか、もう増加し放題にして置こうというのか、どこかでこれは何とかせなければならんからこれを、言葉は悪いが、つ何とか抑制というと言葉が悪いが、この異常なる情勢は、これが若し異常だというならば、正常化する。これが正常な状態だというなら仕方がない。これは保険経済全般に考えなければならない。異常な状態というならば正常化するということについて、何か考えることがあるか。昨日保険局長と質疑応答した中では、この医療費の支払の内容については憂慮すべき点は殆んどないと言わんばかりの答弁であつたので、世間で種々に取り沙汰いたしておる。従つて私は率直に、質問の要旨が長くなつて済みませんが、新医療費の狙いとするところは、一にはこの異常なる保険の医療費の支払について何か寄与するところを期待しておるのではないかと思つてその点を聞きますと、その点に対する保険局長の期待は極めて薄い。そんなことを余り多く期待していないというような答弁です。そこで他に、この異常な保険経済における医療費のこの増嵩の状態に対して、何か政府においては考えるところがあるかどうかということ、それから先ほど申上げました保険経済の前途の見通しはどうか、若し赤字というようなことの状態になるならばどういうことを考えておるかということにつきまして確たる一つ御方針を承つておきたいと思います。
  59. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) だんだんと御質問の御趣旨でございまして、実はお話ように、保険医療の保険経済が誠に、当初予算等から考えまして、増大いたしておるのであります。私の記憶では、本年度この状態でありますと、大体五十六億程度の増になるのではないかと考えております。そこでこれは相当多額の赤字。この原因については昨日保険局長からいろいろと申上げたと存じまするが、いろいろな点から考えて来なければならないと思います。これは或いは加入者の増、或いは医療内容の向上、或いは薬品の向上、いろいろな問題があると思います。この趨勢が今後こういう状態で行くかどうかという問題につきましては、これはもう少し根本的な点から検討してかからなければならないと存じまするが、従つてその根本に対して政府はこれらの状態に対する根本対策をどうするか、又どういたすべきか、これが最も中心の問題であろうと思います。その第一前提、根本前提と申しまするか、というものの上に医療の合理化というものが、私どもは今回新医療費体系において提案した。又皆さんの御審議を頂いておるわけであります。従来の医療費と申しまするかから考えますると、御承知のように一本になつておりまするから、技術も或いは薬価も一本の形になつておる。これをそれぞれの立場において合理化いたして、そうしてそれぞれの技術とそれから物との面を区別し、医師、薬剤師という責任の分担をしながら、医療の合理化を図る。これが先ず根本前提ではないか。従つてそれに即応いたしまして、新医療費体系という面におきましても、この点を重点的に今回御審議を頂いておる面において取上げて参つたので、これだけで全部解決するとは私どもも勿論考えませんが、少くとも根本問題は、そこにメスを入れてかかつて、医療の合理化と医療の向上というものに備えるだけの制度というものを作つて来なければならんのじやないか。その制度の上に運用をよくして行くということが、今後の医療の進歩を来たす根本問題じやないか、かような観点から実はこの新医療費体系も考え、又医薬分業に備える方針としての行き方もとつて参つておる次第であります。
  60. 山下義信

    ○山下義信君 それで、その保険経済の膨脹を新医療費体系のみで阻止することはできんことは言うまでもない。それでこの新医療費体系がいくらか、膨脹の趨勢に対しても、医療制度の合理化によつて寄与するのだということを、ざつとでいいから、具体的に御立証願いたい。大臣から具体的な御答弁ができなければ、保険局長から、或いは医務局長からでもよろしゆうございますから、どれだけ寄与するのかというお考えを、具体的に承わりたい。それは昨日も申上げましたように、政府の資料ではいろいろ増減についてまちまちな資料が出ておる。それから昨日も保険局長が余り大したことがないと言うごとく、或いはその他の場合においても、このたびの新医療費体系医療費に及ぼす影響は実に何百分の一であつて、実に微弱なものであるということを、しばしば政府当局は答えておる。大臣は昨日のはつきりした御答弁で、相当大きな期待を持つている、医療費は低下するという確信を持つているというお言葉であつたのでありますが、どうもはつきりしない。従いまして、新医療費体系が保険経済に及ぼす、つまり医療費を低下させるということについて、どういう立証ができるか。これは御信念でよろしゆうございますから、お見通しでよろしゆうございますから、これはできるだけ具体的に御答弁願いたい。その前に私は大臣に伺いたいのは、この保険経済の現状並びに将来の趨勢に対して、五、六十億の赤字については、それがそれだけにとどまる場合にはいろいろ御処理の方法もありましようが、この趨勢は変化がない見通しだと保険局長は言うのです。然らば昨日や今日だけの問題でなしに、相当これは将来に亙る大きな問題である。で、ただいろいろ小手先のことでは、これは解決がつかんと思う。何か根本的な御対策がなくちやならん。そういう根本的な対策なしにやられるということになれば、我々の恐れるのは、我々が関心を持たざるを得ないことは、結局保険経済のために種種好ましからん施策が行われて、或いは給付の制限となり、或いは一部負担の議論が出て来、或いは場合によつては保険料の引上げであるとか、或いは従来関係者の間で主張されておるところの差額の徴収であるとかいうような事柄が考えられて、被保険者のために一大不利益の結果を来たすようになることを私どもは恐れるのです。医療費の支払がどうなろうとこうなろうと、被保険者の利益が、受くべき給付の内容が現状を阻害せんというならば、傍観してよろしいのでありますが、これは政府の問題でなくしてこの状態を放擲せられて、この何というか、根本的解決策をお立てにならなければ、やがて波及するところは被保険者に及ばざるを得ないということを非常に憂慮する。つきましては政府はこの保険経済に対する根本的の対策として、例えば国費の負担をどうする考えであるか、このままで政府は知らん瀕して行くつもりであるかどうであるか。私どもではこれは議論はいたしません、私見は述べませんが、この際十分なる国費の負担なくいたしましては、この保険経済の趨勢において好ましい解決をつけることは私は不可能である。この点につきまして厚生大臣の御所信を承わりたいと思います。
  61. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) 御尤もな御意見だと存じます。私どもも実は、只今申上げましたように、本年度において大体赤字が五十六億ぐらいの程度で済む状態と、現在把握いたしておりますが、このパーセントが今後三十年度或いはその後においての趨勢にどう影響して来るかは、予算の組み方、或いは御指摘のような負担の問題等も関連して来ると存じます。併しここ当分は医療の向上、医療の内容という点から考えましても、従来の医療費よりも低下することはなしに、全体の国民医療負担というものは増して来る傾向にあるということだけは、全体に考えられる。そこでそういう場合において、国費負担の問題が、この負担の上からの患者負担或いは被保険者負担というものよりも、強く要望される点であり、又考慮すべき点として、只今の御指摘は十分納得する点でございます。ただこれらの問題は、誠にいろいろな予算上の影響するところが大きいのであります。私どもといたしましては、やはり或る程度は国費負担というのは、このパーセントに応じて考慮すべきものだ、昨日もちよつと申上げておいたのでありますが、そういう考え方で、現在のままでずつと行くということは、これはなかなか困難だ。それであるならば、全部患者負担だけに転嫁して置くわけには行かないのであります。従つてそれに応じた国費負担というものも或る程度勿論これは考えて行かなければならん。保険経済にもいろいろな種類がありますから、種類の内容等の改善或いは向上という点から考えましても、ものによりますると、だんだんと現在よりも殖やして行くという傾向は当然とつて行かなければならないと考えております。ただ全体のパーセントの置き方をどの程度にするかというのが、予算との睨合せ等がここに生じて参りますが、方向といたしましては私どもさように、御同感に考えております。
  62. 山下義信

    ○山下義信君 政府の基本方針は、健康保険に対する国費の負担を当然すべきであるという基本方針を只今明言されましたので、その点はよくわかりました。来年度の予算で健康保険に対するこの国費負担を御要求になるお考えでございますか。若し御要求になるお考えとするならば、どの程度の国庫負担を御要求になるお考えでありますか。
  63. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 数字に亙つてのお尋ねでありますから、私からお答え申上げます。只今記憶いたしておりますのは、政府管掌健康保険でございます。各種、私どものほうに関係しておりまするのは、そのほかに組合管掌健康保険及び船員保険の療養給付部門であります。いずれも明年の財政状態を考慮いたしまして、療養給付費に対する一割五分相当額の要求をいたしております。政府管掌健康保険の場合には、その一割五分相当額になるものが五十八億円になつております。
  64. 山下義信

    ○山下義信君 組合管掌の健康保険は幾らになりますか。
  65. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 正確に予算の要求の額は記憶いたしておりませんので、間違うといけませんから、後ほど申上げさせて頂きます。
  66. 山下義信

    ○山下義信君 大体何でございましよう、政府管掌と大差はないのでしようね。
  67. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 被保険者数から申しますと、片方が、政府管掌健康保険で五百万を超えております。五百十万の政府管掌保険があります。組合管掌保険は三百万を超える程度でございまして、その比率から申しますと五分の三になるわけでありますが、実際問題といたしましては、組合管掌健康保険の被保険者数につきましては、療養給付費は高まつております。従いまして五十八億円、約六十億に対しまして、四十数億円であると記憶しておりますが、その程度以上のことは後ほど調べまして……。
  68. 山下義信

    ○山下義信君 あとで御通知を願います。私は、厚生省が明年度の健康保険に対する国費の補助を要求しておる。この予算を財政当局が入れるかどうするかということは、非常に私は大きな問題であると思います。これが新医療費体系も、医薬分業も、あらゆる諸問題の解決に非常に大きな私は関係があると思う。言い換えると、これは忌揮なく言うと、国費を健康保険に出すか出さんかということがきまらなければ、私は分業の可否も、新医療費体系も、言えないくらい関係がある。これがきまらないでは、すべてこの問題はストップしてもいいくらいの私は大きい問題だと思う。健康保険制度の死活に関する問題で、健康保険制度が死んでしまつて、新医療費体系も何もあつたものではない。ですから、健康保険制度を生かすためには、今日は新医療費体系も分業もあつたものではない、先ず国費の負担ということが先決問題で、これを注ぎ込んで、この健康保険制度の崩壊を先ず防いで、確立しておいて、そうしてその他あらゆる改善の問題について、大いに新医療費体系その他に寄与することは第二、第三であると言つていいくらい、私は重要な問題であると思う。この国費の負担についての厚生省の要求予算について、その成否の見通し、又厚生大臣の熱意について、私は一言承わつておきたい。
  69. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) この健康保険に対しまする国費の負担の増額関係においては、私どもも只今の山下委員ように考えております。大変大きい問題であり、又必要なものであります。従つて、その実現方に努力をいたして参りたいと存じております。そろそろ予算の折衝等も始まつて参つておりますが、全体的の睨合せ等もありまして誠にいろいろ困難な状態もあろうと存じまするが、厚生省としては医療の向上と内容の充実は、どうしても力を注いでやつて行かなければならない点でございます。この点に関しましては、私どもも強く我々の主張を進めて参りたいと存じております。
  70. 山下義信

    ○山下義信君 私は繰り返して言うておきます。国民健康保険に対する国の補助ができるかできないかということが、すべてに先行する非常な大きな問題であるということだけは重ねて申上げて当局の御努力を願つておきます。先ほどの新医療費体系が保険経済に及ぼす、つまり保険の医療費に及ぼす影響について、これが医療費が安くなる、低下する、ということについて、何か具体的な御答弁が得られましようか。
  71. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 先ほど保留いたしました数字がわかりましたから、申上げさして頂きます。政府管掌健康保険の保険給付費財源として一割五分相当額は、私先ほどちよつと違つておりました、五十九億三千万円でございます。日雇健康保険に対しましては、御承知の通り、本年度は一割の国庫負担があつたのでございますが、来年度は給付内容の改善を図りますために、三分の一国庫負担を要求いたしております。その額が九億五千九百万円になつております。それから船員保険特別会計に対しまして、一五%相当額の金額は三億二千万円、それから健康保険組合に対しましては、補助金の形で参りまするが、給付費補助金は一割五分相当額が三十七億一千七百万円でございます。なお御参考のために国民健康保険に対します金額も申上げておきたいと思いますが、これは従来から二割相当額が国から出ておるのであります。助成交付金という名目で出ております。これは本年度四十七億円でございましたが、来年度の要求額は六十二億五千九百万円でございます。
  72. 山下義信

    ○山下義信君 先ほどの、それでは、答弁を一つお願いいたします。
  73. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) そこで、先ほどの御質問の新医療費体系が保険経済にどういうふうに影響しているか、この点は昨日もちよつと私概括的に申上げたのですが、新医療費体系になり、又医薬分業を明年一月一日から実施いたしましても、直ちには増減等には余り影響はないだろう、但し根本的には影響して来る階段にある、こういう意味のことをお答えを申上げたつもりでございます。そこでその移行の行き方は、余りに急激な変化というものを私ども望んでおりませんから、従つてここでなるべく無理のない移行というのが必要ではないか、そういう意味においても考えて、申上げたつもりでございます。ただ根本的な問題といたしまして、新医療費体系になりました場合の基本的な考え方が、医薬等に対する行き方等も実は相当厳密な標準薬価等をきめまして、そうしてそれによる取扱い方等を薬局にやつて来る場合においては進めて行く。従つてそういう点から考えましても、医療、医薬の実際の取扱い方等について低下する方針をとつて行きたい、かように考えております。
  74. 山下義信

    ○山下義信君 私は新医療費体系が、まあこれは合言葉のようになつておりますが、医薬分業の名に潜んで、医療内容の向上、医療費の低下、この二つが立証せられなければ、何のことだかこれはわけがわからない。従らに医療費並びに医療制度の混乱を招来して、国民に迷惑を及ぼすだけである。意味をなさない。そして一番肝心要めの目的、利益とするところはこれは政府もはつきりおつしやつて、これだけ国民に裨益する、これだけ医療費が安くなるのだ、これだけ医療内容が向上するのだ、然るが故に新医療費体系はやらなければならんだのだ、かるが故に医薬分業もいいだのということを、政府みずから責任を負つて国民に明確に徹底せしめる必要がある。それだけの見通しと、具体的な説明がつかなければ……。私は医薬分業の賛成者やら反対者から、各々の論争もこれは参考に聞きます。併しながら、それらの関係者から言われることよりか、政府は責任を負つてできるだけ明確に、万難を排して、言うべきことは歯に衣を着せずに言うべきだと思う。それで先ず何と言つても、国民は医療費が安くつくことを望むのである。これが一番わかりがいい。医療内容の向上と言つても、素人にはわかりつこない。とにかく医療費が安くつくことを立証してもらわなければならん。これが高くつくということは、非常に迷惑をこうむるところの一つです。もつと一つ、今のような抽象論でなしに、一々数字を挙げて何十何億何千とまでおつしやつて頂かなくてもよろしゆうございますから、こういうふうに見ておるということを、責任を以て、一つお知らせ頂きたい。  それには、政府の総体的な説明資料を見ると、若干の見通しは持つておる。例えば、内科小児科においては著るしい増減は見ないけれども、耳鼻咽喉科は有利な……有利なとは何か、耳鼻咽喉科の収入が殖えるということだ。これはやはり全体的には医療費の増嵩を若干政府みずからも認めておる。その他にも、そういうようなことを言うておるところがある。かと思うと、私は資料からここに抜萃しておりますが、濫療の施設或いは濃厚の施設、それらについては不正水増しが抑制される。政府の正式な報告資料の中にはつきりと、そういうものは排除せられて行くから、言うまでもなくそういう点の節約ができると言わんばかりのことが言うてある。そういうことについては、聞いてみるというと、触らんように触らんように、そういうことはそういう弊害はございませんと言わんばかりのことを言う。何か医療費の上においてただ増減をしないというのでは意味をなさないので、増のほうはしなくてもいいから、減のほうは我々も望まなければならん。国民医療費の上において何ら利益するところなしに、徒らに混乱を来たすというのでは、意味をなしません。少々不便でも、少々ややこしくても、これだけの利益があるのだということならば、大いに新制度も採らなければならないかもわかりません。私はそういう点についてはつきりと、我々素人にわかるように、いや国民にわかるように、この席を通してお示しを願いたい。そういうことが不明瞭であるならば、私どもも考えなければならん。
  75. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) 私は至つて抽象的に申上げたのであります。これも御指摘の通りであります。実は具体的な数字等をいずれ御報告申上げる。保険点数にして協議会のほうへかけるときに出せというお話がありましたので、あすこにははつきり点数として現われて参りまするから、従つて又御覧を頂き、又そのときに或いは申し加えることもあろうかと存じまして、今日はそういうふうに申上げたのであります。一方におきましては、新医療費体系、医薬分業の実施に当つては、投薬、薬価というものが少くとも私どもの現在の見当からしますと、大体一割程度は低下するという点数が現われて来ると存じております。これは今盛んに作業しております。その作業の結果、その点数に表わしましたときに、はつきり一つ御検討を頂きたいと思います。又只今お話になりましたような点につきましても、そういういろいろ水増しというようなことも、現在では私どもないとは言えないのであります。これは実は全体がそうという意味じやございません。全体は私どもは大体いいと存じます。併しいろいろな形において、当委員会で保険の改善等についても御検討頂いたように、ああいう内容におきましても、検討いたしました場合に、相当従来とも考えべき点があろうと思います。これ以上余り申上げると却つてどうかと存じまするが、一般的には私ども必ずしもそうじやない。ただ特殊的な現象において相当考慮して行かなければならないという問題等もあり、そういう点についての改正というので、いわゆる医薬の合理化によつてなし得ろ点が多々ありはしないか、かように考えます。
  76. 山下義信

    ○山下義信君 衆議院のほうの参考人の中で、国保の関係者、それから健保の関係者、組合の関係者の陳述しておるところを見るというと、この新医療費体系の実施に対して、非常にそれを歓迎して喜んでいるよう傾向がない。それで陳述もあいまいであるが、研究も不十分であるとみずから称しておりますが、両者は何となく医療費が増嵩するような感じを述べている。政府のほうでは、そういう感じを述べておることについてどう考えておりますか。何と言つたつて大事なことは、健康保険諸制度に及ぼす影響なんですから、あれらにも十分研究さしたらどうかと思う。衆議院へ出て来て言うところを見るというと、近頃拝見したのでというようなことを言つておりまして、政府から話を聞いて十分研究しているような形跡がない。ああいう団体にも政府の考えを語つて、十分研究をさして置くというようなこともしなかつたのですか。その点について御答弁を願いたい。
  77. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) 実はこの新医療費体系を作りまして、それを急いで国会に御報告申上げた。これによつて、本当は関係機関と申しますか、団体等にも、お話ように、十分その内容説明し、徹底し得るようにいたして参らなければならないと存じておりましたが、実はそこまで本当は手が回りかねておつたというのが率直な状態であります。発表いたしましてから、その後はだんだん御検討にもなつておりましようが、併しその内容等において、或いは不十分な検討の城を脱していないというそしりは、おつしやる通りだと存じます。今後におきまして私ども、この内容の徹底ということには、十分意を注いで参りたいと思つております。
  78. 山下義信

    ○山下義信君 今、医療費に及ぼす影えを、今までの薬剤のおよそ一割くらいは安くなるだろうという大臣の注目すべき御答弁があつたのですが、これは一つ私も十分研究いたしまして、その内容等につきましても、適当なときに伺います。  次に、私は政府のお考えを聞いておかなければならんことは、今度の新医療費体系のいろいろ医師に対する技術料の評価をいたしまする基礎、言うまでもなく医師の生活費、つまり言い換えるというと、医師の俸給というものを基準にしてきめておるわけです。結局政府は医師の収入というものがどのくらいあればよいと考えておるわけでありますか、基本方針は。私はそれに対する政府の一定の見解がなければならんと思う。今までどうとか、二十七年度の三月がどうとか、如何にも拠りどころのある数字を基礎にせられておるようであるが、それはそのときの数字であつて、私はスライドとかなんとかそんなようなことは言いません、一体この社会保険医として委嘱しようとするその相手方の医師の収入というものは、どのくらいあつたらいいんだ、どのくらいの収入を与えようとするのか、一つの基準というものが政府のほうになくちやならん。人にものを頼む、それを遇する、その人に与える所得というものを、この程度は与えなければ保険医療の担当はお願いできないという一つの、つまり言い換えれば、医師の待遇の一つの政府の基準というものがなければならん。それがあるならば、はつきりこれを出しておかなければならん。それをただ、医療費のほうでこれは儲からんとか、これじや安いとか高いとか言うのじやなくて、国が社会保険に対するところの医師に与うべき収入はこの程度与えなければならんという、なにか一定の方針というものが私はあるべきと思う。その点について政府の見解を承わりたい。
  79. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 大変むずかしいお尋ねでございまして、省内におきましても実はそのへんの問題について、まだはつきりした検討をいたしたこともございません。従いまして結論を明確に申上げることができないのは、甚だ申しわけなく思うのです。漠然とした言い方をしてお許し頂きますならば、現在の単価決定の際に一つの考えが現われておりまするように、又それが限度としていいかどうかは問題があるといたしましても、少くとも一般勤労者より、医師という特殊の職業でありまする関係上、一般勤労者の水準よりも高いものを支払うのが至当であると思います。その限度をどうすべきかということにつきましては、今日まだ結論を得ておりません。
  80. 榊原亨

    榊原亨君 先日お出しになりました各国の医師、労働者、年収比較というものに、医師の年収と熟練労働者の収入の倍率、非熟練労働者の倍率というものがあるのでありますが、現行の社会保険の医療費におきましては、医師の年収というものが熟練労働者の何倍になつておりますか、或いは非熟練労働者の何倍になつておりますか、日本の国の指数をお示し願います。
  81. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 調査の時期を一にしております二十七年三月の、労務者と申しますか、勤労者の平均の収入が一万二千八十六円になつております。これは労働統計年報によるわけであります。そのうち生産労働者、労務者は一万八百円、管理事務等に従事する者が一万六千六百二十三円ということになつております。これによりますと、病院と申しますが、診療所の医師の収入が、確か差上げました資料にあると思うのでありますが、無床診療所で二万七千円、それから有床診療所で三万幾らというふうになつてつたかと思うのであります。そういたしますると、二倍二分幾らでございますが、この平均に対しましては……。そのくらいになります。
  82. 榊原亨

    榊原亨君 私のお尋ねいたしますのは、健康保険の医療費においてその倍率はどうなつているかということをお聞きするのです。全部の医師の収入というのではない。厚生省がお示しになりました医師の収入は、最高八万七千円から最低一万五千円までの間をとつておいでになるのですから、その全部じやなしに、今の健康保険におきまして、政府のお出しになりました非熟練労働者、熟練労働者、それの収入の何倍が医師の収入ということになつておりますか。もう端的に数字だけおつしやつて頂けばいい。ここに政府がお出しになりました各国の数字が三・八とか、五とか出ておりますから、それは熟練労働者において何ぼ、非熟練労働者において何ぼ、倍率さえおつしやつて頂ければ結構であります。
  83. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 倍率の計算をしておりませんから、ほかの立場から申上げさして頂きます。
  84. 榊原亨

    榊原亨君 私の申上げますのは倍率でありますから、この次までにその倍率を一つお示しを願いたいと思います。今の健康保険の収入を見ましても、医師の、又非熟練労働者、熟練労働者、いろいろ条件があると思いますから、こういう厚生省がお出しになりました資料の条件について、今の健康保険の医療費においてはどうだという倍率を一つお示しを願いたい。
  85. 山下義信

    ○山下義信君 先ほどの質疑を、もう私の時間がないですから、簡単に伺いますが、結局政府は保険医の収入についてはどの程度の収入を与えるつもりだという基準がないということ、これは先ほど大臣の言われた今度の新らしい点数表が出てその表をみてみなければわかりませんが、今度は総医療費だけは増減のないようにまあしてあるけれども、医師の収入は減小するようになつておりますね。そのことは事実ですね、そうですね。
  86. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 特に薬治料におきましてはこれが二つに分割されまして、そうしてその一部分は医師の報酬として残るのでありますが、一部分は薬局に支払われることになりますので、その意味におきましては、医師の総収入はその分だけ減じて参ります。併し私ども薬局に回ります分は、診療報酬と申しますか、薬剤料ということに、医師のところで調剤いたしましてもこれだけの経費はかかるかというふうに考えておりますので、実収入には影響がなかろうというふうに考えております。
  87. 山下義信

    ○山下義信君 私は収入が減るだろうということを聞いているので、収入が減つても、それだけ経費が要らなくなるので利益の点においては変化はない……利益を聞いているのじやない。収入を聞いている。収入は薬局へ払うだけのものが引去られて行くのでありますから、収入が減るということは事実です。それだけの収入が減つても、前と同じよう費用病院診療所もかかつたならば、ますます赤字になる。そうですね。ですから、それだけの行為に対するだけの原価計算で言えば所要の経費は節約して不要に属するように経営して行けば、それは実収入には関係ない。収入が減る……その収入が減ることを私は端的に伺いますが、或いは又昭和二十七年の三月の医師の受くる報酬を基準として考えられておつても、よしんば政府のお考えの中に低きに失しても、今日保険患者の取扱件数が莫大な数に上つておる、非常にこれが増加されておるのであるから、だから収入基準は低く抑えてあつても、その診療件数が非常に上るのであるから、医師の収入は十分この程度の収入でいいのだという考えが、政府にはあるのじやありませんか。そういう考えは持つておりませんか。若しそういう考えがありとするならば、医療費の異常なる増数のこの実情を是認し、これを前提とし、医師に与える待遇のこれは一つの不可欠の状況であると言わなければならんのです。それで私はそういうことの特に政府の考えがあるのかないのかということを、一つ承わつておきたいと思います。
  88. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 私ども再三申上げておりますように、この医療費体系が新らしい形に乗り移るということによりましては、今申上げましたように、収入は減じて参ります。而して実収入においては、それだけ経費が減じ得るものという点から、余り変化がないというふうに考えておるわけであります。ただ切替えの当初におきましては、新らしい体制に、何と申しますか、診療所病院の陣立を立て替えて行くということのために、多少の収入減というようなことが起ることは予想されるのであります。併し他面におきまして、新医療費体系が採用され、又医薬分業になつて参りましたとしても、現実にその処方箋が薬局にどの程度に流れて行くであろうかということになりますと、これは根本論としてはかようなことは問題になりませんが、今は過渡期切替えのときであると考えますと、それがどの程度になりますか、かなりな大部分の処方箋はその医師のところで調剤されるというようなことになるのではないかと思うのでありまして、さようになりますれば、この調剤料と申しますか、薬剤料が又その病院診療所で支払われることになりますので、薬局に流れて参りました処方箋に対応するものだげがここに問題になつて参るであろうというふうに考えておるのであります。
  89. 山下義信

    ○山下義信君 当局の御答弁は要領を得ませんが、併し今の御答弁の中で非常に要領を得た部分がある。それは医薬分業が実施になつても大部分は医師の手許で調剤されるだろうという見通しということは、これは注目すべき御見解でありまして、非常に参考になりました。  その次に私が伺いたいのは、厚生大臣に伺いますが、今日の社会保険医の制度におきまして、現状のままでよろしいという考えでおられまするか、何らか改善をしなければならん点があると考えておられますか、大体の御方針はどういう御方針でございますか。
  90. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) これは一つの根本問題だと存じます。私どもも現在のままでこれでいいとは考えていません。むしろ何とかもう少しいい方法に検討すべき余地がたくさん残つておる。これはいろんな面から考えて、残つておると考えます。従つてこれもこの当委員会等で御検討になりましたような御審議、御結論の点等も私ども大いに参考とし、又今後の一つの段階を経て、これらの点につきましても検討して参らねばならないと考えております。
  91. 山下義信

    ○山下義信君 私はこれらの諸問題はいずれも、この新医療費体系、医薬分業に関連があると思います。それで総合施策が政府になくちやならん。政府にそういう総合的な施策がないということになれば、我々としては考えなきやならん。それで何もかも制度の上に欠陥があるのをそのままにして置き、それで例えば保険経済こおける根本的な対策も遂にこれを望み得ずして、そうしてその他のことを私は部分的にするということは、施策としてはまずいと思つておる。そこで今厚生大臣は保険医制度については改善する考えを持つておるということでありますから、今日は基本的な方針だけを承わつておきますが、適当な時期にその腹案を一つできるだけお示しを願いたい。  それで関連して私は伺うのでありますが、最近新医療費体系反対、医薬分業実施反対というので、社会保険医諸君が、いよいよこれの実施を政府が強行するならば保険医を総辞退するということを、続々と決議しつつある。これは政府も御承知の通りである。この状態について、厚生大臣は何とお考えになられるか。ただあれらは単なるこれは口先だけの威嚇である、とてもよう辞退なんていうことはしやせんというので、全然歯牙にかけずにおいでになるか、どういう対策をお講じになるおつもりであるか。さような事態が若し起きたらば、どうなさるつもりか。私はこれは由々しき問題だと思う。これに対するところの厚生大臣の御所信を承わつておかなければならん。それで若し総辞退をするというようなことがあつたらば、政府はどうなさるか。そういう事態は起らんというお見通しですか。お見通しならば、若し起つたときには責任をおとりになりますかどうか。これははつきらと政府の決意というか、御所信というかというものを、承わつておかなければならん。若しそのことが非常に不都合であるというならば、政府は政府においての又お考えがなくちやならん。私はこれに対して、この動きに対する政府の今日まで何というか、毅然たる言明を承わつたことがない。ここで私は未然に承わつて置くことが非常に必要であるとかように考えますので、あえてこの質問をいたしますので、忌憚なく一つ御所信をお示し願いたいと思います。
  92. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) 誠に大きい点の御質問であります。今いわゆる医薬分業が法律によつて明年一月一日から実施される、併しそれに反対だ。反対だという御意見がありましても、これは国会において御承知のように法律によつて制定されて、それが国会においてなされない限りにおいては、法律は当然実施いたさるべきものだと私どもは考えております。その場合に、関係の一つの機関がこれは適当でない、従つてその任をやめるということは憂慮すべきことであり、又私は決して妥当なことではないと思います。十分これらの点については、できるだけお互いに話合い、又さようなことのないように努力すべきことは当然でございまするし、又そういたすべきものでありまするが、その場合に、最後になつてもなお総辞職なんかあつた場合はどうなるか。私ども現在はさようなことのないことを実は念願しております。併し万々一さようなことになりまする場合は、十分これらの点について、実は検討してやらねばならないと考えております。ただ法律の実施に当つて、一部においてその法律が、適正なる方法によつてなされた法律が、一部によつてこれがいかないとして反対されるために法律が実施にならないというようなことに、これは誠に将来の問題として私どもは考慮すべき問題、又そういうことがあつてはならないと考えます。従いましてそういう点に対しましては、今のお示しのような場合には、十分これらの点を検討いたしまして処置をいたすべきものと考えております。
  93. 山下義信

    ○山下義信君 私は今の大臣の答弁では実は要領を得ない。できるだけそういう事態のないように臨まれるということでありますが、これは御希望である。私の伺うのは、かような態勢を示しておるそのこと自体容易ならんことです。これはですね、言うまでもなくストです。社会保険医のゼネストです。ストです。これは我々が、労働者でも公益事業に対するストは禁止しておる。これは一つのストです。これが若し行われるということになるというと、非常に重大な問題。若しこれを未然に防ぎ得られなんだらば、政府の責任は重大と言わなければならん。若し保険医総辞退というようなことが実行せられたならば、私は少くとも厚生大臣としては、これは頬かむりして一日としてその職に留まることはできんと思う。いけないのならば、未然に禁止しなければならん。そういうこと自体が許さるべきことでないのならば、未然に打つべき政府の決意がなければならん。傍観しておいて、できるだけないことを望む、希望すると言つて、若しそのこと自体が実行せられたならば、政府は責任を負わなければならんと私は思う。さもなければ、その際に全体の社会保険医が総辞退をしても、国立病院であるとか公的医療機関、それらを総動員して国民の医療に迷惑をかけぬ、保険患者に迷惑をかけぬという決意があるならば、これは幾らでもおやりなさいという態度をとるならば、これも一つの態度。これはですね、私は日本においては、前回にもこういう態勢を全医師会が示して、我々参議院におきましても重大であると言つて、小委員会まで作つて検討しましたが、言うまでもなく、各国において医師団のあらゆる医療問題に対するこの政治行動態勢というものは、重大な影響を持つことは御承知の通り、アメリカでも然り、イギリスでも然り、日本が今や初めてこういうことを、又何と言うか、初歩と言うか、医師諸君、医師団体諸君がやりつつあるのであつて、まだ伝家の宝刀を抜かれてはいないですが、併し抜くかもわからん。これに対して政府が対策を何ら今持つていない。ただ希望する、若しそういうことがあつたときには検討するというようなことでは、国民は不安でならない。何百万という被保険者は不安でならない。私どもはあらゆる意味におきまして、政府はこの社会保険医総辞職ということが起きたとしたら、受けて立つのか、未然に禁止するのか、そういうことのないように解決するのか。今厚生大臣は十分胸襟を開いて語らなければならんと言つたが、本当に語るのか。つまり言えば、場合によつては一体妥協するというのか。私は、この際政府は、すでに数日前には東京都下の全社会医師団の大会があつた。数日ならずして全国の社会保険医が又大会を開かんとしている。この際、政府はその対策というものを、態度というものを私ははつきりしておく必要があると思う。いま一度具体的に政府の御所信を承わつておきたいと思います。
  94. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) 実は私どもといたしましては、すでに三年有余の期間を置いて、これが実施される状態になつておる。そうしていよいよ実施の域になつて。それに対する反対というために、お話ような形態の総辞職というのが現われて来るということになりますると、誠にこれは由々しい問題であるばかりでなしに、根本的な法律の問題に対する重大なる事情の現われの展開であると存じます。私はさようなことのないことを、我々も努力すべきであるが、又これらの関係者も十分認識して頂きたいと存じております。従つて多くの方々が、殆んど多数が国民の尊敬を受ける知識階級でありまするから、十分これらの点については御了解相成ると存じます。  併し万々一そういうことがなしに、そうして総辞職と、一種のゼネストというような形になつた場合にはどうするかという問題、誠に御尤もであります。そのために多数の治療を受ける人たちの不安というのは、これは極度に達し、従つてこれに対しましては政府は、そういう事態になりました場合には、十分な手を打ち、方法を講ずべきことは勿論であります。これらの点に対しましては、お示しの点もありまするが、私どもも検討いたすべきものだと考えております。で、そういう場合においては、十分なる方途を講じて、不安の少なからんことを期すべきものであると考えております。
  95. 山下義信

    ○山下義信君 爾余の質問は私は次回に譲らして頂きますが、いま一つ今のことで私は承わつておかなければならん。私はこういう事態の起きますことは、社会保険医そのものを一方的に責めることはできん。これは政府の施策に不満があつて、不足があつて、そうしてそれからこの有識階級である諸君が決然立つてやるのには、立つべき十分な原因がある。それでその原因を解決せずして、その態勢をいたずらに非難ずるということはできない。それで私はやはり、政府の施策に彼らに不満を与えるところの、その人たちに不満を与えるところの施策に欠点があるかないかということについては、考慮されなくちやならない。  それからもう一つは、社会保険医制度というものに欠点がある。そういうことが自由自在に取入れられるというようなことになつて来ると、我々といたしましては非常に不安を感ぜざるを得ない。若し社会保険の医療というこれが、公的性格があるということになつて来るというと、私は保険医というこの立場の人たちに対しても、十分政府は保護政策を行うと同時に、社会保険医としての義務規定がなくてはならん。それを当り前の、普通の商取引に類似したような、一つの請負的なような、或いは委託式のような、取引的のような、野放し的な自由な制度にしておいてそうしてだんだんと医療費の支払いがたくさんになつて来ると、俗に言う余り儲かり過ぎてもいけないとばかりに、その所得を減じようとする。安い高いと言つて両者が料金でいがみ合う。そうしてその社会保険医の行動は、法律上から見れば、自由自在である。こういう立場で保険医制度というものの確立のできるはずがない。私はそういう点についても制度の上においても欠陥がある。事のならざるときに早くこれが対策を考究すべきであつて、一度それらの諸君の決議せられるようなことが部分的でも実行せられるというようなことになれば、私は重ねて言う、由々しき大事であります。厚生大臣はそういうことが実現しないように万全の対策を尽される御自信があるかどうか。若しさような不祥事が実現したならば、責任をおとりになるかどうか。責任をもつてそれを未然にお防ぎになりますかどうかということを、私は重ねて一つ承わつておきたいと思います。
  96. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) さような事態の起らんように努力すべきことは、これは当然なことだと思います。努力した結果、行かないというような事情が、現象が現われ得ないとは、これも断言できないのであります。併し現われたからそれによつて私自身の政治責任をとれということは、現在考えてはおりません。むしろそのような状態になりました場合には、一つの被保険者であり或いは忠君である人たちの不安をできるだけ解除して行くという方面に十分なる努力をし、そして問題の解決に尽すべき問題だと考えております。
  97. 山下義信

    ○山下義信君 私は残余の質問は次回に譲らせて頂きまして、今日はこの程度で止めておきたいと思います。
  98. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 私から一つお伺いしておきたいと思います。今回の新医療費体系というのは、我々が前から考えておりましたような大当の医療費体系なるものができれば、医薬分業が自然に行われるようになるのだというよう体系を作つて頂くつもりであつた。ところが、今回の体系なるものは単に、昨日も大臣から山下委員の御質問に対して御説明がありましたように総医療費を上げんようにするというのが、ざつくばらんに言えば、総医療費を上げんようにするというようお話であつたが、無論これは総医療費を上げんようにするのではなしに、総医療費が上がらんように中の分配をしたというのみに正まつておるのではなかろうか。殊にこれに対しましても、或いは医療内容は却つて向上するというようなことの御説明もあつたようですが、我々は如何に方々見てみたり研究してみたりしましても、この新医療費体系では絶対に内容はよくならん、治療の向上などは行われないというふうに考えておるのでございますが、特にここでお尋ねしておきたいと思いますのは、そのときにもあとで保険局長あたりからもお話がありましたように、今の総医療費なるものはだんだん上るカーブは、やはりなかなか抑えることができんだろう、いろいろな施策をとつても。僅かしかしがらんだろうというようなふうに考えられておられる模様でありますが、こういう点については如何にお考えになつておりますでしようか。  最近、御承知のように、結核に対する治療費が非常に高くなりました。そのために総医療費が急速に上つていることは、私が申上げるまでもなしに、抗生物質などの使用というかが非常に多くなりましたために、医療費が大きくなつておるのですが、この抗生物質などは、これは一つ国が或いは製薬所などをこしらえて、そしてこれを製造するということになりますというと、少くとも広告費などが殆んど要らんようになるのではないか。聞くところによりますと、広告などは薬価の大かた三判、或いはそれ以上もいつておるというのでありますからして、それだけでも安くなれば、或いは今後の医療費の増加というのを或る程度抑制することができるのじやなかろうかと思いますので、大臣におかれましては今後そういうふうな特別の、全伏め薬をというのではありませずに、抗生物質などは、全部じやありませんけれども、国が一つ一部でもそういう製薬をやつて、そうしてやれば全体を統制することができるし、又安く行くようなことになりはせんかと思いますので、この点に対して一つ、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  99. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) 実はお話ように、私どもお示しいたしましたように、年々医療費がずつと増嵩いたしております。この趨勢が、私は必ずしもそれだけでは決してかれこれ、いわゆる悪い意味のかれこれの非難はできないものであります。日本の医療というものがこれで、十分なる制度と内容とができ上つた場合においては、ずつと横這いで結構だ。併しまだそこまで行つていない。或いは施設にいたしましても、或いは機関にいたしましても、今後医療に対する或いは個人、或いは公的、或いは国の施設と力というものが、もつとこう伸びて来なければならん。そういう意味において考えて参りましても、それから又一方では国民所得の増嵩から考えて参りまして、まだ暫くは、この増加のパーセンテージは違いましよう、決して低くなつて来るのではなしに、高くなつて来るということだけは、我々は考えながら、施策に当つて行かなければならないのであります。殊に国家機関におきましては、或いは公的機関におきましては、もつとこれらの点に力を注ぐべきものではないかと考えております。従いまして、医療費の増嵩することは、国費におきましても、或いは国民負担といたして考えました場合にも、国民所得の増加につれて増加して来るのではないか。これは正しい意味において考えられましても、決して憂慮すべき現象ではないと考えております。  そこでその内容に向つて、同じ増嵩はするにしても、いわゆる医療内容が十分である場合において、それが負担の軽い増嵩というのか、いわゆる改善である、いろんな事業等においても国家機関というものが考えられるのであります。これはいろんな点から検討すべき余地もたくさんあると思うのです。但し俄かに、直ちに抗生物質を国営にするということの可否という問題も、いろいろの点から枇討しなければならないと思います。十分将来検討してみたいと思います。
  100. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 私も実はわかつておらんのでありますが、総医療費に対しましてこういうようなふうな抗生物質、或いは、先ず第一番に治療薬品がどの程度使われておるか、又抗生物質がどのぐらい使われておるかというのを、まあ大体三割とか四割とかいうことを聞いてもおりますが、はつきりした数字をまだもらつておりませんのでありますからして、一応そういうようなことの数字一つお調べ願つて、配付して頂きたいということを、先ずお願いしておきます。あとのことはそのまま……。
  101. 竹中勝男

    竹中勝男君 この次に私は大臣に質問したいのですが、その前に先立つて、現在の医療制度のどこに著るしい欠陥があるのか、即ち医薬分業制度はその欠陥のどこを是正するのであるか、改存するので為るか、それから医薬分業をやつて新しい医療体系を実施するならばどういう利点があるのか、という点を、明確に一つ何か文書にして頂きたいと思います。そうしてその上で御質問したいと思います。
  102. 榊原亨

    榊原亨君 先ほど私の質問が途中になりましたわけでありますが、時間もだんだん、ございませんので次回にすることにいたしまして、希望しておきますが、一点だけをお聞きしたいと思うのであります。先ほど曾口医務局長は、今度の分業をするこの新医療費体系をします資料としては、診療所資料でやつているのだ、こういうお話を承わつたのであります。私どもは病院診療所の平均でお出しになつている資料だと思つてつたのでありますが、診療所だけの資料に基いて編み出したのがこの新医療費体系だと、こういうふうに先ほどお話を承わつたのであります。念のためでございますが、さよう私どもは判断いたしましてもうろしいのでございましようか。
  103. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 各種の診療と申しますか、少くとも今回取上げました体系における診療報酬点数は、これは診療所費用というものを根幹として定めまして、そうしてその影響が病院に対してどのような響きを持つかということを検討し、病院に対しても新らしい体系をとつた際に、その収入増減を来たさないということを確かめて、これを採用することといたした次第であります。
  104. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしまするというと、この新医療費体系に出て来ます数字、例えば初診料を幾らにするとか、薬治料はどうとか、一体注射料はどうかということを、言い換えますならば、新医療費体系そのものは、厚生省がお調べになりました日本におきますところの診療所の実績によつて御算定になつたものと、解釈してよろしゆうございますか。又そこに幾らか足らないところがあるので、或いは病院のほうのを持つて来るということがあつたんかも知れませんが、そうしますれば、その部分はどの部分であるかということを、はつきりして頂きたい。私どもこれを見てみましても、診療所の部分をどこにお使いになりましたか、病院のところをどこから数字を持つておいでになりましたか、さつぱりわからないのであります。そこで今いろいろ御質問をいたしましてわかりましたことは、全国何万とあります診療所の中から、結局精密調査におきましては十河カ所という少数の診療所をお調べになつた、その結果を以て新医療費体系の基礎をなす数字を作成されたということを承わつて、私も唖然としたのでありますが、その点はなお念のために私は承わつておきたいと思います。
  105. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 診療所におきましての調査を基準として、新医療費体系点数を一応定めた、ここで配付いたしました資料で、或るときは診療所資料を用い、或るところでは病院資料を用いたのではないかというような御不審をお持たせいたした理由は、特に注射料でございます。この注射技術料が、病院においては二・八一三点、それから診療所においては二・五九四点というよう工合に、二つ出ておりますが、この点が或いは御不審の理由ではないかと思うのであります。これも個々注射技術料につきましては、診療所資料を基礎として算定したものであります。ただ病院診療所におきましてこのように違つた文字を掲げました理由は何かと申しますれば、これは、注射の中でも簡易な皮下注射というようなもの、それからより複雑な静脈注射、或いは更に動脈内注射とか、或いはその他の厄介な注射がございますので、こういうものの頻度が病院診療所においては異なつております。病院のほうが診療所よりもより高い点数となつております。併しこれは、そのうちの個々注射技術料といたしましては診療所のものをとつたというふうに、御理解願いたいというふうに考えるのであります。おのほかは、病院診療所と食い違つているところはないと思うのであります。それからもう一つは、投薬の薬治料のところでは、先ほども申上げた通りであります。注射におきましても、注射薬品はこれはやはり病院診療所で以て実態が違つております。勿論これはその技術料に加えられますその薬品の原価でありまして、その個々の事例に応じてこの技術料に加えらるべきものと御了承願いたいと思います。
  106. 榊原亨

    榊原亨君 そういたしますると、例えば入院料にいたしましても、診療所の入院料の計数を以て入院料となされ、或いは給食の面におきましても、診療所の入院の計数をお使いになり、或いは経費の点は全部診療所経費の指数をお使いになつていらつしやるわけでありますか。もう一つ。それから各種の手術がありますが、いろいろな手術の頻度が出ておるわけでありますが、その手術も診療所において行われた手術だけをお集めになりまして、そうして手術料はこうだという御結論になつていらつしやるのでありますか。
  107. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 今回の新医療費体系に採用いたしました診療行為は、診察料、薬治料、それから注射料、それに処置の一部、及び歯科の補綴料、これだけでございまして、只今御指摘のありました手術料或いは入院料というようなものにつきましては、今まで通り、新医療費体系では新たに点数を動かさないという建前で出ております。
  108. 榊原亨

    榊原亨君 先ほどお話になりましたように、病院初診料は大きくなるがそれは入院料のほうでカバーするというお話があります。又この前私がお聞きいたしましたとき、管理費はこれは病院のいろいろな費用と時間に分担してそれを分けたんだというような、いういろいろどくどしいお話がありましたが、それではこの新医療費体系というのは、今のようお話であれば、診療所における御調査の結果と、それからこの数字の初めにあります総論みたいなものだけを私どもは頂戴したが、病院実態についてのお話は全然これは参考ということでありますか。
  109. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 先ほども申上げましたように、最も多数の、大多数の医師が診療に従事しておられます診療所を根幹として、この体系を立てたのでありますが、その体系を立てました際に、病院において非常な不利を来たすというようなことが成るべく生じないようにということで、この案を立ててみたのであります。その結果が、御承知のように、附表三の一というようになつて参りますので、薬治料等が減じそして診察料がその分だけ殖えて参つておるというようなことになつております。今お話の、診察料等はもつと上らなければならんのではないかということは、粕純な各診療行為について比較いたしますれば、ここに上つておりません入院料とかこういうようなもので、プラスになつておる点があります。そして他面においては、今も御指摘になりましたように、注射料等はマイナスになつておるにもかかわらずそれをそのままにしてあるというようなところから、ここに上げました分ではバランスがとれ、又この陰に隠れていると申しますか、ここに上つていない診療行為についても、大体それ同士で一応のバランスがとれておる。併し実際にここに掲げた診療行為と、それからここに上つておりません診療行為と、その間にアンバランスがありはしないかということは、これは別の問題として残るのでございますけれども、とれを全体として見ましたときには、この新医療費体系に移行しても点数増減は生じないということになつておる次第でございます。
  110. 榊原亨

    榊原亨君 この間からお聞きしますというと、二十分の一抽出、二百分の一抽出といつて、いろいろ抽出されたことがあるのでありますが、そういうお話を承わつて、私ども病院において殊に多数の御調査があつた、そういうものを総合されて御研究になつた結果だと、私ども思つてつたのでありますが、今お聞きいたしますというと、まあそれは参考にしたかも知れませんけれども、まあ根幹をなすものはもう診療所のものだけだということになりますというと、この抽出並びに精密調査というようなことになつて参りますると、診療所調査された数は極めて少数であると私は存じております。そういたしまするというと、而もその出ました調査、なお次回におきましてはこの計算をどんなふうになすつたかということを私細々とお聞きさして頂きたいと思うのでありますが、それはとにかくといたしましてその結果と申しますものは非常なあやふやなものと、私は少くとも考える。而もその結果を、今後百年の日本の医療体系の基幹をなす数字としてお使いになるということにつきましては、私多大の疑念を持つているのでありますが、時間が切迫しましたので、又次回にでも聞かして頂きたいと思います。一応これで……。
  111. 竹中勝男

    竹中勝男君 さつき私の要求したのは、もう一度はつきり、こういう点なんですが、現在の医薬分業制度、即ち新しい医療体系を作らなければならなくなるに至つた現在までの医療制度の、どこに大きな欠陥があるかということを、はつきりして頂きたい。それから医薬分業、即ち新医療体系をやるならば、どういう点において国民の医療に大きなプラスがあるかという点を、次に述べて頂きたい。それから第三には、政府に医療公営という、或いは医療の社会化と言いますか、医療の公営化と言いますか、医療の国営化というような方向に対する総合的な政策を持つておられるかどうか、こういう点について簡単に書いておいて頂きたい。私の質問は、それによつて御質問申上げたいと思います。
  112. 湯山勇

    ○湯山勇君 私は少し数字を挙げてお尋ねいたしたいので、次の機会に一々その数字の引合いをいたしますと時間を食いますので、本日質問の資料になる数字を申上げまして、質問の要点だけを申上げまして、答弁は次回に留保するようにお計らい頂きたいと思います。  お尋ねいたしたいのは、頂いた総括的な資料についてでございます。で、今回のこの新医療費体系なるものが、国民の医療負担、社会保険経済に及ぼす影響、これについては私どもの最も重大な関心を持つておるところですが、お出し頂いた資料によれば、二十七年三月において一カ月において、病院では四十三億何がし、診療所では三十九億何がし、歯科診療所では十四億何がしとなつております。これをそれぞれ十二倍して年間に直しますと、大体病院が五百二十億。極く概数でございます。診療所で四百七十四億、歯科診療所で大体百七十億程度とこういうことになるようでございます。そこでこれを新体系に移した場合、これも頂いた資料の付表の三によつて計算してみますと、病院におきましては、新体系に移ることによつて、この資料だけによつてみますと、点数が大体五千分の一増加するよう資料になつております。そういたしますと、大体病院関係では概算一千万円の、一千数百万円の増になる。診療所におきましては、新医療体系に移ることによつて点数増加の比率は大体五十分の一程度。そういたしますと、これによつて約十億円の増になつて参ります。それから歯科診療所におきましては、百七十億の百七十分の一くらいの減になつておりますから、ここでは約一億程度の減になる。併設の歯科では、資料数字が出ておりませんが、これは十四分の一という増になつておりますから、これは相当な額になると思いますが、これを総計いたします。と、昭和二十七年三月において、新医療費体系に移行するだけで、切替えだけのために、この資料通りに見て行けば、約十億の負担増になつて来る。うち三分の二が公費負担に大体なるようでございますから、公費負担において六億五千万の増、患者負担、純患者負担が三億五千万程度の増になる。二十八年度にこれを換算いたしますと、二十八年度では約一倍半でございますから、そうすると、この切替えだけによつて生ずる総医療費は約十五億の増になつて来る。公費負担で十億の増、患者負担で五億の増。更に先般大臣から御説明なつように、三十年度、三十年一月から実施するとして、三十年度の分はこれは恐らく増が二十億にもなるのではないか。こうなりますと、自然の傾向によつて非常に上昇傾向にある医療費が、この資料通り切り替えたとすれば、それよりも更に大きな増になつて来る。そういう資料になつておると私は分析したわけです。  そこで私の申上げましたところに誤りがあれば御指摘頂きたいのですが、どうもこの資料をそのまま見て行けばそうなりますので、それに対してどういうふうに対処されるか、その対策を詳細に説明して頂きたい。これは点数が決定しなければわからないというような性質のものではないと思いますので、その基本的な方向を一つ明確に、次の機会にお聞かせ頂きいたと思います。政府といたしましても、今私の申上げました資料に御検討をお加え頂かなければならないと思いますので、それだけをお願いいたしまして、私の質問を終ることにいたします。
  113. 高野一夫

    ○高野一夫君 私も大臣に四、五点お伺いして、御見解を伺いたいのですが、今日はもう時間がありませんので、次回の十二日の委員会には、大臣の御出席を願えましようか、どうでしようか。
  114. 草葉隆圓

    ○国務大臣(草葉隆圓君) 閣議が終れば……。
  115. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 閣議が終れば出席するそうです。
  116. 高野一夫

    ○高野一夫君 それじや次回に。
  117. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) ちよつと、本日の私の答弁の中で、訂正させて頂きたいところがございます。榊原委員から御質問のございました病院における調剤技術料がどうかということを、ちよつと見つかりませんで、係官もおりませんでしたので、ちよつと私間違えたようでございますが、十一円五十八銭で、点数といたしましては〇・九六一点になつておりますから、さように御訂正を願いたいと思います。
  118. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 先ほどこれは数字がだいぶ違つておりましたので、読み違いをしましたから申上げます。国庫負担の予算の要求額をちよつと申上げましたが、日雇健康保険の要求額九億五千九百万円と申しましたが、これは差額でございまして、来年度は十一億七千四百万円でありますので、訂正をいたします。
  119. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは本日の本件に対する質疑はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  121. 上條愛一

    委員長上條愛一君) なおこの際お諮りいたしますが、近く実現の見込みでありまするところのヴェトナムその他よりの引揚者調査のため、議員派遣をいたしたいと存じます。派遣議員は二名とし、人選、手続、その他については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十二分散会