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政府委員(
安田巌君) これは昨年の十一月でございましたか、
全国で一斉に
募金者の
実態調査をいたしました。それで大体千人を超えると思うのでありますけれ
ども、その際
調査いたしました
対象は、資料の三十六頁を御覧頂きますと、
募金者実態調査結果表というのがございます。この中を御覧になりますと、五百四十二名ほど調べたわけでございます。ところがいろいろ調べましたけれ
ども、拒否したものが百五十五名、そうして三百八十七名について
調査の結果を得たような次第でございまして、これによりますと、三百八十七名のうちで、
軍人が三百四十一名、
軍属が二十名、その他が二十六名と
なつております。拒否いたしました百五十五名についてはわかりませんけれ
ども、或いはその中ににせ者があつて拒否したものがありましようし、それからそういうことは不愉快だからということで断
つたものがございましようし、それから
国立の
療養所や
病院に入つておる者は、調べられて追出されては困るというので拒否したものもありましようが、そういうふうに百五十五名というものについてはいろいろ疑問の点があるのであります。
軍人でも、
軍属でもないという二十六名というものは、一応
白衣を着る資格がないのじやないかというように見ていいと思うのであります。
収入等につきましてもいろいろでございまして、一日五百円以下というのも百七十二名おりますし、三千円以下というのは三名もおりますし、二千円以下というのは十八名という工合で、いろいろでございます。不明と申しまして
申立てをしない者もございます。
申立てをいたしました者の平均を見ますというと、大体日収が六百六十円で、一日の
募金時間が六時間四十分、
稼動日数と申しますか、月間の
募金日数が十七日くらいで、月収一万三百円くらい、こういうのであります。これは併し
本人の
申立てでございますから、或いはこれよりもつとたくさんあるかも知れません。これに対しまして私
どもといたしましては、従来は
軍人に対する
恩給等もございませんでしたし、いろいろと
更生するようなことを勧奨はいたしますけれ
ども、それに乗つて来ない場合にきめ手がないというわけでございます。最近は
軍人に対する
恩給も出まして、
傷痍軍人でもよく東横とか或いは
新宿あたりに立つております目の見えない者、これは
特項症でございますが、これは年間十八万とか十九万もらつておるのであります。そのほか一項症とか、二項症とかいうところでございましても大体月に六千円ぐらいづつはもらつておりますからして、それでまあやつて行けるか行けないかということは、
本人の覚悟次第だと思います。いろいろほかの官庁と協力いたしまして、そういうみつともないことは成るべくやめさせたいという
努力はいたしております。ただこの間調べてみてわか
つたのでありますけれ
ども、以前と違いましてそういう
調査に対しても、そう何と申しますか、ひどく手こずらせるというのは割に少くて、まあ
軍人恩給もできたのだし、そろそろやめなければいかんのじやないかという気分が、窺われるわけであります。この機会にもつと私
どもも親切に
指導をするようなことをしなければならんと
思つております。