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1954-10-25 第19回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十月二十五日(月曜日)    午前十一時四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     上條 愛一君    理事            竹中 勝男君    委員            榊原  亨君            高野 一夫君            谷口弥三郎君            中山 壽彦君            高良 とみ君            藤原 道子君            湯山  勇君            山下 義信君            紅露 みつ君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生大臣官房総    務課長     小山進次郎君    厚生省医務局長 曾田 長宗君    厚生省保険局長 久下 勝次君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○社会保障制度に関する調査の件  (新医療費体系に関する件) ○小委員長の報告   —————————————
  2. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 只今から厚生委員会を開会いたします。  新医療費体系に関する件を議題といたします。本件は第十九回国会において成立した医薬関係審議会設置法に対する当委員会附帯決議に基いて提出されたものと存じますが、先ず附帯決議の条項に関連して提出された資料は、これで全部かどうかを、政府当局にお伺いいたします。
  3. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 先般の委員会でも大臣から申上げました通り只今までに提出いたしました資料当局側としては尽きているつもりなのでございますが、なお、今日お配りいたしました資料を、併せて祖先資料として御検討願うことを、お願いしたいと思います。  本日お配りいたしました資料は衆議院の厚生委員会における審議過程におきましていろいろ御要求がありました資料でございますが、いずれも議題関係の深い問題でありますので、とり揃えて提出した次第であります。
  4. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは、本日までに提出された資料の各車は附帯決議のどの部分に対して提出されたものであるか、全部に対してでありますか、どの部分に対して出したものか、御説明を願いたいと思います。
  5. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 今日までに御提出申上げました資料は、附帯決議の全部に対するものでございます。
  6. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 遺漏はないわけでございますね。  それでは前回までに説明されていない資料について、政府当局から説明を願います。
  7. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 幾つかの追加資料が提出されておりますが、中には一応御覧下さればおわかりになるものも多いと思うのであります。又御覧になりまして御不審の点は、御質疑にお答え申上げたいと思つておりますが、やや複雑な資料でございまして、初めから一応御説明申上げたほうがいいかというふうに考えますものに、行為別費用計算過程というのがございます。これは一番最初にお配りいたしましたいろいろな資料及びそれに基いて御説明申上げた新医療費体系というものの基礎になる資料の作成の過程でございます。特に一番初めお配りいたしました行為別費用の表がございます。これはいはゆる第三分冊と称しておつたものであります。紙が横でそうして横書数字ばかりが載つております表紙のついておらない資料でございますが、この資料病院診療所歯科診療所等において個々診療行為費用計算されました、それを表示してあるのであります。これが今度の作業の非常に基礎的な資料なつておるのでありまして、その計算の出し方とかいうことが十分にわからないというような御質問も、ございましたので、それに対して、これも数字だけでございますけれども、一通り説明申上げたいと思います。  一番初めにお配りいたした診療行為別費用計算表というのがございます。その計算表説明をいたしたのが前回お配りした計算過程という資料でございます。これについて大体の数字をお話申上げたいと思います。この選ばれました病院診療所におきまして、要素別経費がどの程度に使われたかということを調べたのであります。その要素といたしまして大きく分けてありますのが、ここにも載つておりますように、人件費、それから横に参りまして材料費、それから経費減価消却費、勿論人件費といたしましては、院長、そのほかに医員、或いは看護員薬剤員その他の技術員事務職員というような人たちの、これは原則といたしましては俸給給与その他の手当というようなものが含まれておるのでありまして、賞与のようなものにおきましては、これは一カ年のものを通算して十二に等分するという方法とつておるわけであります。それから勤務員でない医師診療所医師というような人につきましては、何を人件費とするかということについては、相当迷うたのでございますが、あとで又御説明或いは御意見は拝聴することといたしまして、ここの資料として取上げましたやり方は、一カ月間の生活費というものをとつた次第であります。この非勤務員につきましては、俸給医でない人たちについては、もつと言い換えますならば、病院、医院の院長については、その生活費というものを一応人件費とつたというやり方なつております。それから家族で手伝いいたしました人に対する人件費というものは、一応公務員給与をベースとして計算をしたということになつております。これは薬局手伝い、或いは看護手伝いをしたというようなかたに対しての人件費であります。  それから材料費につきましては、ここにたくさんの項目が挙つておりますが、薬品等につきましては、これは結局庫出量と申しますか、その薬局薬室に出した薬品金額ということになつておるわけであります。一括購入というような工合にまとめて大量のものを購入いたしましたような場合には、それをそのままとるようなことはいたしておらないということに、その方針調査をいたしておるのであります。それから診療用具或いは調剤用具等につきましては、高価なものはあとで出て参ります。ここで三百円未満というふうなたぐいのものは、その一カ月間に購入したものというものをとつておるわけであります。大体材料費につきましてはそのような方針で取調べました。  それから経費につきましては、光熱、水道料、そのほかの消耗品、それから租税、公課、これは所得税とか市町村民税というような工合で個人の所得にかかつて参りますものは、これは人件費の中に含めておるわけでありますが、病院の経営にかかつて参ります固定資産税等というものは、この経費のほうに入れておくということにいたしておるのであります。それから修繕費というようなものにつきましても、これは大きなものにつきまして、大きい建物とか或いは医療器械というようなものにつきましては、次に述べます減価償却費を組んでおるのでありますが、そのほかの細かい経営的な小修繕とかいうものについては、この経費の中に繰入れておるという方法とつております。それからおしまいのほうに出て参るのでありますが、支払利子というのがあります。病院診療所を経営するために金融措置を講じまして、そうしてそれに対する借入金がございまして、そうしてそれに対する利子を支払うということにつきましては、これは調査相当むずかしいと申しまするか、又個々病院診療所で事情がいろいろ違いますので、一応この計算としては抜きまして、そうしてあとでこれを、どの程度のものを更に加算する必要があるかということを、あとで理論的に計算して参つたほうがより正確であろうというふうに考えまして、この固定資産に対しまする支払利子というものはここの計算では一応抜いてございます。そのことをあと数字を見ますときには、頭において考える必要がある。一応ここでは抜きましたというのであります。それからその次に回収不能額があります。この回収不能額をどの程度に見るかということもむずかしい問題でありましたが、この調査におきましては、一応調査目から遡つて一カ年間、一カ年間と申しますか、一カ年以上に亘つてまだ支払いがなされておらないという金額相当額というものを挙げて頂くというようにしたわけであります。それから棚卸減耗費或いは品質検査費というようなのがございますが、これは相当量の薬の口を切りまして、そうして実際に使用するのは数回しか使わなかつた。それで口を切つて長く置きましたために、そのまま使用不可能になつた。こういうようなたぐいのものは、先に述べました材料費のほうには入れずに、これを棚卸減耗費として経費の中に加えておいた。又同じような性質のものでありますけれども変敗が激しくて、そのために時々検査をしなければならんというようなことで、その変敗が起つたかどうか検査し、そうして若しも変敗が起つておりますならば、それを廃棄するというような経費も、これはいろいろ医療に用いられた材料費という中に入れずに、むしろ経費のほうに入れたというような形をとつております。  それから減価償却費につきましては、これは建物、それから構築物車両運搬具というようなたぐいのものは、これはそれぞれ定められております耐用年数というようなものに応じて、一年間、従つて又一カ月の減価償却費というものを算出いたしておるのであります。そのほか大きい機械につきましても同様でございます。脳波の測定装置とかレントゲンの機械とかいうものは、さような方法とつておるのであります。それからそのほかの医療器械につきましても、高額の一万円以上のものは同様に減価償却費を、耐用年数基礎といたしまして、減価償却費を算出しておるのであります。三百円から一万円ぐらいの小さな器械であります。小さなと申しますか、中くらいな器械類であります。これは一カ年の実購入額というものをとりまして、それを十二等分したものを月間の推定実購入額というふうにいたしまして、これがおおむね減価償却費に当るべきものであろうというふうに考えた次第であります。なお三百円未満のものにつきましては、これは材料費の中に入れまして、そうしてその一カ月間に実際新らたに購入した、或いは古いものを捨てて新らしいものを使つたという、使用し始めたというものをとつたと、こういうように医療器具類につきましては、大小に応じて三段階の処置とつたというのでありまして、備品につきましても同様でございます。一万円以上のものと一万円以下のものとに分けて、これはその他の医療器械器具類処置というのと同じように、取扱つた次第であります。  それからその次は、このように病院診療所経費が分類されて計上できるが、それを部門別費消額というものに先ず分けるという作業をいたしたのであります。その部門別と申しますのは、どういうふうに私どもは考えたかということを申上げますと、先ずこれを病院診療所というふうに施設を分けまして、そうして病院におきましては、ここにございますように、外来診療、それから病棟における診療、それから手術X線検査歯科枝工薬剤と申しましてもこれは厳密に言いますと調剤であります。それに給食部門、このような部門に分けたのであります。その下に被服研究管理という三つがございますが、これは私ども補助部門というふうに申しております。一応患者或いは職員の用いましたいろいろな被服類、こういうものの洗濯等であります。これも相当経費と人員を要するのでありますが、これを一通りは独立させて計算をいたしております。で、研究研究室におけるいろいろな費用でございまして、これも計算いたしております。又管理につきましても、院長或いは事務長以下、この病院の全般的な管理に当つております者の経費及びその要する、この当つております者の所要人件費及び所要経費を一応別個に計算もしておるわけであります。併しながらこれは患者に対するサービスという意味になりますと、これが直接患者につながらないものも多いのでありまして、そういうような点から、上に挙げました外来又は病棟診療或いは手術、そのほかの検査というようなものに、この補助部門に一応計上されましたものは又分解して、それぞれの思者に対するサービス部門に配分されておるわけであります。さような方針をとつたのであります。  それから診療所におきましては、診療病棟、それから歯科診療所におきましては診療歯科技工というふうに部門を分けて、そうしておのおのの部門においてどれくらいの経費が使われたかということを計算いたしたのでございます。  これは総計という意味でございませんで、一番初めに掲げましたいろいろな要素別経費、この要素別経費が各このサービス部門において如何ように費消されたかということを算出したわけであります。その際にいろいろな要素によりましては、一つの部門に使用されたというものではなしに、幾つかの部門亘つて共用されておるのでありまして、こういうような場合に各診療部門にその要素経費如何ように分配するかということが問題となつて参ります。その分配のし方を如何ようにしたかということが(3)のところに説明してあるわけであります。例えば院長或いは医員、勿論歯科医師もそうであります、或いは看護員というようなかような人たちが、外来でも診療いたしますし病棟でも診療する、手術もいたす、或いは病院によりましてはX光線検査までも出て行くということになりますので、一人の人がいろいろな部門仕事をする。その仕事をいたしました場合に、それぞれの部門における人件費というものを算出いたしますためには、これをどういうふうに医師なり看護婦人件費というものを割振るかというその割振りの方法といたしまして、私どもとしましては、やはりこれは診療時間で割振るより適当な方法がないということになりまして、その実際に従事した時間でこれを割振つて参つたというのであります。でありますから、このときにすでに問題として私どもいろいろ考慮はいたしたのでありますけれども、いわゆる仕事の上で、仕事の強度とでも申しますか、そういうようなものをここに入れるために、どのような係数を掛けて行くかということが私どもとしては案じきれなかつたのでありまして、これは一応それに従事した時間で按分して行くという方法を取つたのであります。それから電力料水道料ガス料或いはボイラー、こういうようなものにつきましては、ここに説明もいたしておきました通りで、御覧下さればおわかりと思うのでありまして、大体それを各診療部門で使用しました分量に近いと思われる量を推定して、そして按分して参つたというのであります。それから建物構築物減価償却費は、その部門の占める床面積というもので大体きめました。その次の不動産質借料、或いは火災保険料固定資産税というようなたぐいのものも、同様に考えて参つたのであります。そのほかのものにつきましては、大体ここに説明をつけ加えておきましたので、おわかりと思うのであります。  要するに部門共通経費というものを各部門にこれを振り分けるとき、如何よう方法とつたかということを、ここで御説明申上げたのでありましてその振り分けの計算の式と申しますか方式は、次に掲げたようなものでございまして、これは少し印刷が悪いのでございますが、診療部門病棟部門給食部門管理部門と書いて、そのまま筋を引いて、計となつておりますが、これはもつと更にいろいろ中が細かく分かれ或いは病院等におきましては更に特殊な部門も加わるということになるのでありまして、むしろこの間に点々でも置いて頂いたほうがいいのであります。この一番下に管理費配賦額と出ておりますが、これも各部門に配賦いたしましたのは管理費だけではございませんで、研究費及び被服費というものも、これは同じように補助部門でございますので、他の部門にそれぞれ按分して分けて行くという方法をとつたのであります。その按分して分けて行くという方法は、その前のページにございますのですが、被服部門におきましては取扱つた洗濯修理物件数で分けて行つた。それから研究部門経費は、その研究入院患者に対するサービスのためであるか、或いは外来患者のためのサービスであるかということが分け切れないのでございますので、入院外来でありますならば、そのおのおの費消されたその医師実働時間というもので按分して参つた。それから管理費につきましては、これもあとでもう一遍申上げますが、この管理費だけを抜きまして、各部門でどれくらいの経費使つたかというその総額に按分して、各部門に割振りましたというのであります。こういうような工合にして、各部門の最後的な経費というものが出て参るわけであります。  それからその次には今度は大きい数字の2になつております。四頁でございます。部門別医療行為調査なつておりますが、これ自身は大した意味もないのでございますけれども、一ヵ月間その調査の対象となりました病院診療所におきまして、どのような行為が何回行われたかということを日日記録してもらつたのでありまして、これも一日、二日と書いてあります。これは一回、二回と書いてあるかも知れませんが、間違いでありまして、一日、二日。これは暦月の一日、二日という意味でありまして、一カ月間調べたのであります。これは三日、四日とずつと右のほうに延びて参るわけであります。それから診療行為といたしましても、初診、再診、注射処置というように書いてございますが、これも更に手術或いはX線検査というような工合に、診療行為の種類が下に続いて参るわけであります。こういうようにしまして、その病院診療所における診療頻度を一通り調べたということであります。  それからその次にはその個々病院或いは診療所におきまして、個々各種診療行為について、十例づつ実測をいたしたというのであります。盲腸炎ならば盲腸炎というものにつきまして、その十例実際の調査を行なつてみた。その調査やり方と申しますのは、その下に3と書いてございますが、そこに一応の例を挙げております。3の(1)実測調査と出ております。これはいつ何時何分から手術を始めて、いつまでかかつたという時間が載つております。そして診療行為の名称は、ここで例示されておりますのは虫様突起の切除術ということでありまして、これは健康保険で現在定められておりますのは二百五十点ということになつておる。それから器械器具類につきましては一万円以上のものを何個使つたか、それから三百円から一万円までのものを何個使つたか、そのほか診療用具消耗品という類のもの、この消耗品はむしろあとに載つておりますが、診療用具をどれくらい使つたかということが調べられるわけであります。それからその次には薬品が何グラム、どれぐらいの分量或いは容量用いられたかということ、それからそのほか包帯材料或いはそのほかの縫合糸等、かようなものをどれぐらい使つたかということが調査されるのであります。それからそれに従事いたしました者の作業時間というものを調べまして、これに例示されておりますのは、例えば医者でありますならば、二名の医師が脱衣、手洗、それから腰椎摩酔手術包帯、入浴というようなことで、何分この手術のために時間を費したかということが調べられるのであります。  こういうような実測土台にいたしまして、そしてその病院平均を出して見るわけであります。そしてこれは或る病院で十一例の平均値を出したのがここに挙つておるわけであります。実働時間としましては医師が二百二十分、看護婦が二百九十五分、これは延べであります。延べ時間としてこれくらい時間を費した。それから用いました器械器具類というものはここに掲げてございますように、十個或いは五十二個、それから薬品その他の消耗品というようなものは金額に直してどれくらいというのが出て参る。これを土台にして診療行為ごと費用計算するのであります。  その計算のし方はその次に載つております。六頁であります。ここにおきまして人件費について初め申上げますならば、それもここで例示してありますが、例えば看護婦人件費でございます。そうしますと、初診、それから皮下注射、それからこれは瘴疽の手術というのが挙つておりますが、このほかに看護婦が従事いたしました診療行為というものがこれはたくさんにずつと挙つて来るわけです。これは三つでなしに、あと点々にして頂くべき性質のものであります。その病院なら病院で、一カ月間に看護婦が従事いたしました行為というものの各種頻度が出て参りますので、その頻度を実際調査いたしました結果に基いてここに掲示をする。それから個々診療行為に対して一回どれぐらいの時間を要したかということが、人件費係数として載つておるわけであります。そうしますと、この回数と今の人件費係数、これは時間でございますが、それを掛け合わしましたものが、おのおの診療行為に従事した総時間として推定される数字なつて来るわけであります。こういうようにずつと出て参りますので、そうすると、それを全部加えましたのがその看護婦の何と申しますか、各種診療行為に従事した総時間というものが出て来るのでありまして、その総時間のうち、皮下注射ならば皮下注射に従事した割合はどれだけかと見ますれば、その総時間で皮下注射に従事したa2n2というものを割つた数になつて来るのであります。それが皮下注射n2回というものの総経費であるといたしますれば、それをn2でもつてつて行くという操作をいたしますれば、その看護婦のその行為に対する人件費というものが算出できるということになります。ここのすぐ下に書いてございますKはその看護婦平均人件費、大体は俸給給与というものになると思うのでありますが、一カ月分であります。それに対してこのような処置をいたしますれば、個々診療行為に対する看護婦人件費というものが算出できるわけであります。  こういうような工合にいたしまして、その次に参りますが、或る診療行為の総費用と申しますものは、医員費医師或いは歯科医師経費人件費というものが出て参りますのは、その医師、或いは歯科医師の一カ月間の所得というものに対しまして、各種診療行為に要しました医師歯科医姉実働時間で、その個々診療行為に必要とされた実働時間を割りましたもの、その総時間のうちその行為に要した時間の割合というものでこの医師人件費というものを按分してみたというのであります。この際にしばしば問題になりますいわゆる技術差というものが考えられて然るべきじやないかという問題が起つて来るのでありますが、一応その基準といたしましては、ここで時間で按分をしたというのであります。看護婦の場合は上に説明いたしました通り、やはり時間でもつて、その一カ月間の収入というものを個々診療行為に割振つたというのであります。それから薬品費、これは簡単でございますが、各種診療行為に使用した薬品費というものの総合計のうち、この診療行為のために使用した薬品費割合というものを掛けて参るわけであります。包帯材料も同じでございます。それから医療器械償却費であります。それはまあ中くらいの器械、これにつきましては幾分雑でございますけれども、数が多いのでございまして計算過程も厄介でございます。又おおむね頻度が多いために間違いは余ほど少くなると考えましたので、各種診療行為に使用した器械個数合計、でありますから同じ器械でも月に十回使用されますれば、それは十と計算されておるわけであります。こういうように中くらいな器械、むしろ小さい器械でありますが、こういうものについては、一体そのような器械を何回一カ月に使つたか、そのうち盲腸炎手術のために何回使つたかということで、盲腸炎に使用するこのたぐいの小器械償却費というものを按分して参つた。それから大きい器械につきましては、そういうような粗雑な方法では間違いを生ずると考えられますので、結局いろいろな診療行為に従事いたしました医師実働時間、そのうち盲腸炎なら盲腸炎に従事した時間というものの割合を、こういうような大きい器械の総額と申しますか、総償却費というものに掛けまして、今申上げたような器械を使う診療に要した時間の割合というもので按分して参つたというのであります。
  8. 高野一夫

    ○高野一夫君 ちよつと伺いますが、この医療器械償却費の所に、器械の個数ですか、回数ですか。これは個数と回数と両方の意味ですか。
  9. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) これは正確に言いますれば、延べ個数なんです。
  10. 高野一夫

    ○高野一夫君 回数とは違うのですね。
  11. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) ですから、回数的な分子も入つておるわけです。例えば一つの器械を一月に十回使えば、その器械延べ個数は十として下のほうに出て来るわけであります。併し盲腸の手術をするというときには、この一個は一個としか数えられない。勿論同じ器械を、鋏とかピンセツトとかいうものは十でございますれば、十本使うとすれば、それはやはり十本として載つて来ます。盲腸炎手術のときに使つたものは十本として出て来る。それは一回の手術使つたもの。下のほうにはその同じピンセツトが一月に数回、或いは一日のうちでも数回の手術に使われるとなれば、それは二本となり三本となつ計算されるというような建前であります。
  12. 湯山勇

    ○湯山勇君 一番下と一番上とは重複しないようにはなつておるのでございますか。医療器械償却費総額の所と、それから医員費総額とは、計算の仕方が同じようになつていますね。その器械使つた場合、上のほうには入らないのか。上に入つたものは下とどういう関係にあるか。一番上と一番下で、その式の…
  13. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) お答えいたします。計数は同じものを使つたわけでございます。
  14. 湯山勇

    ○湯山勇君 それじやダブるわけですか。
  15. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 一番上は医師歯科医師等の人件費個々の診料行為に割振る方法として……でありますから、医員人件費総額にこの計数を掛けて行つた。今度は一番下は大きい器械の消却費というものを按分して参つた。そこが違うのであります。それともう一つ、ちよつと、同じでございますとお答えしましたが、考え方は同じでありますけれども、上は医師だけ、それから第二番目は看護婦だけ、別々になつておりますが、今の器械償却費を振り分けて参りますときには、医師看護員と両方加えた時間で割り振つておるというところが違いでございます。考え方は同じでございます。
  16. 湯山勇

    ○湯山勇君 その場合の医師歯科医師の場合、これは上の診療に要した時間というのと、器械使つた場合の時間というのとは、重複して入つておるのか、それは別個になつておるのか、それはどうなんでしようか。下はその器械使つただけの時間…
  17. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 今御説明申上げましたのが、少し誤解があつたようでございますので申上げますが、この一番上に載つております分母に当る各種診療行為に要した医師歯科医師実働時間合計というものは、これはすべての診療行為に従事した医師或いは歯科医師実働時間でございますが、この下の医療器械償却費計算いたします場合には、各種診療行為と書いてありますけれども、これはこの器械を使用した各種診療行為と、そういう意味であります。
  18. 湯山勇

    ○湯山勇君 了解いたしました。
  19. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) それでは説明を続けまして、各部門建物、備品等の償却費及びその他の経費総額というものは人件費材料費、それから医療器械償却費総額、それに対する総診療行為に要した人件費材料費医療器械償却費合計ということでありまして、即ち今まで上にずつと説明して参りましたものでありますが、その総額に対して新らしい費用を按分したということになるわけであります。即ち前頁に載せてずつと幾つかに分けて計算して参りましたその金額の総額というもので按分してできたという考え方であります。同じ考え方で、今度はその次の管理費についてもそうでありまして、今度は七頁の上に書いてありますこの建物、備品等の償却費その他の経費をも加えた経費というもの金額に対しまして、まだこの中に含まれておりませんでした管理費を配分して参るというのであります。  こういうような工合にして個々診療行為計算をいたしたのであります。これが各病院診療所についてその平均が出ておりますが、これを幾つかの今回調査いたしました病院或いは診療所について、その病院における診療行為頻度をウエイトといたしまして、そうして平均値を出したというのでありまして、その平均値を出しましたものがこれが一応病院診療所平均的な各診療行為別費用であるというかうに考えまして、そうしてそれを逐次表示して参りましたのが、一番初めに申上げましたいわゆる第三分冊の五頁以下に掲げました一覧表でございます。  これで一応の計算の御説明が済んだのでありますが、この経費を今度点数に一応直すわけであります。その点数に直しますのは、この調査の対象となりました病院平均としまして、一点当りどれくらいの経費がかかつたのかということを算出したのでありまして、これはお配りいたしました資料からすでに皆様方もおわかりになつているかと思うのでちりますが、病院の場合は十二円五銭、それからも療所の場合は十一円九十一銭というような工合なつておりましたので、これでそれぞれ今申上げたようにして計算されました費用を割りますれば、それが今日用いられております点数に大体該当するということになつたのであります。これが現在の保険できめられております経費と、かようにして計算された費用とが、どういうふうにアンバランスがあるか。成るべくかようにして計算されましたものとバランスがとれるようなものであることが、より望ましい姿であるというふうに考えたのであります。  それからその次に最後の頁にございますが、これは御承知のように二十七年の十月に行われた調査でございます。又このように細かい調査でありますために、たくさんの施設を対象として調べるというようなことがなかなか困難でありまして、数を殖やすことは容易であるかも知れませんが、さようにいたしますというと、今度その施設施設においての調査がなかなか厳密に実施できないというような欠点もございますので、一応今のような結果となつたのでありますが、この数字をできることならばよりたくさんの施設に適用してみまして、そうしてそこでの実情と余りに背馳するというようなことがありはしないかということを検討する必要があるというふうに考えたのでありまして、本来ならばその時を同じういたしまして、もう少したくさんの調査を任意抽出で抜いた施設の実態も把握いたしまして、それをこのような精密な、精密と申しますか、非常に厄介な調査をいたした結果を引比べてもみたいと思つたのでありますが、遺憾ながら時を同じうしてこれを実施することができなかつたのでありますので、時期的に最も近いと考えられました二十七年三月の調査の結果とこれを比較いたしたのであります。そのことはここにございますように初診、それから再診、皮下注射云々という各種診療行為がございます。でこの診療行為頻度が三月の調査で数百の施設について調べてございます。十月の調査に比べますれば、三月のこの頻度は実情にかなり近いものであるというふうに考えられます。この頻度とつて、そして個々診療行為に対する費用というものの算出は、十月の調査以外にはこれは不可能でございますので、その十月の調査で以て得られましたこの平均的な費用をここに掲げてみたのであります。こういうようにしてこの十月に得られました平均的な費用というものを三月の頻度に掛けて参りますれば、三月において個々診療行為別に費消された総額が出て参ります。それを全部合算いたしますれば、この三月の調査個々診療行為別の平均費用というものから推定いたしました総経費というものが出て来るのであります。この経費が下にございまするように、病院においてはこのときにこれは二億円余り、診療所においては二千万円、歯科診療所においては七百万というような数字になつて参つたのであります。これがその当時実際調査として病院診療所から申告されました費消額というものと比較ができるのでありまして、これと比べて参りますと、若干の計算でございますから若干の食い違いはございまするですが、病院では三五プロ、診療所では一プロ、正確に言いますと〇・九六%になつておつたと思うのであります。  こういうような数字で比較的、これは考え方でございますが、割合に合致した結果を得たのではないか。でありますから、かなり大胆な方法であつたとは考えられますけれども、この十月の調査個々診療行為平均費用というものを算出いたしましたのがそうむちやな結果ではなかつたのじやないか。勿論これは総合計、総経費として余りむちやではないというだけのことでありまして、これを細かく分けて参りますと、殊に頻度の少いもの等をとりますれば、この十月に得られました平均費用というものをそのまま鵜呑みにするということはこれはできかねるかと思うのでありますが、これを相当にグループに、診療行為群にまとめてみましたり、或いは病院診療所の比較を試みる等の考慮を加えて使用して参りますならば、この資料は決して無視すべきものではないというふうに考えた次第でございます。  いろいろこれにつきましても、個々の問題について、方法について、よりよい方法或いは若干の不備というものは備えていると思うのでありますが、私ども今日におきまして実施できる限りは最善の方法とつてみた。そしてなおその限りにおきましては、出て来ました数字についても、その数字をいかように見て行くか。これは幾分少な目に出ていると考えるか、或いは多う目に出ていると考えるか。或いは又この数字相当頻度、たくさんの行為について、又その診療行為については余りに患者々々によつての個別差とか、或いは診療所による差というものが余りに予想されないものであるか。或いはまあ非常に差の大きいものであるかというようなみとで、これを利用して参りますときには、慎重な考慮がいるものと私どもも考えておる次第であります。  一通り長々と時間を頂戴して説明さして頂きましたが、恐縮でございますが、一通りこれで切り上げさして頂きまして、更に御質問をお受けいたしたいと思います。
  20. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは、御質疑がありましたら…。
  21. 榊原亨

    ○榊原亨君 今の資料でお尋ねしますが、管理費というのはどういうことでございますか。
  22. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 管理費として挙げましたのは、院長管理業務、それからおおむね管理をいたします庶務課の仕事、それから病院建物或いは施設を維持して参りますために必要な門衛、守衛、それから園丁、それからボイラーマン、こういうような類のものが運営費の中に……。
  23. 榊原亨

    ○榊原亨君 そういたしますると、例えば院長管理を例にとつて見ますというと、院長診療に従事する以外に、その病院管理に要する費用というものをお見込みになつたわけですか。
  24. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) これは院長診療に従事しておりますならば、その診療に従事する時間と、それから管理業務に従事する時間というもので以て、大体按分する。
  25. 榊原亨

    ○榊原亨君 そういたしますると、お出しになりました資料を見ますと、病院のほうには管理費がありますが、診療所のほうには管理費を認めておらん。そうすると、診療所には管理費というものは要らないのですか。診療所の所長はやはりその診療所管理すると思うのでございますが、病院のほうにだけ管理費を計上して、診療所のほうに管理費を落しておられるのは、どういうわけですか。
  26. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 病院の場合には、いわゆる事務機構というようなものが明確になつておるのでありますが、診療所となりますと、管理業務と診療業務との間に区別が非常につけにくい。同じように、院長さんの場合は、病院でも今のようなことがございますのですが、併し時間で分けるという方途も立ちます。ところが、診療所等で、看護婦ですか或いはいろいろの手伝いをしておる人たち、こういうような人たちが、庶務的なことと診療部門仕事というものが交錯して参りますので、なかなかその区別がしにくいというような意味で、これは管理費経費と一括して計上するということにいたしました。
  27. 榊原亨

    ○榊原亨君 ところが、診療に要する時間はストツプ・ウオツチで計つてきめておいでになるわけですから、診療所の所長が診療に従事する時間もはつきりそれでおわかりになつておるわけです。ところが、病院におきまして、若しその間診療に従事する時間と管理の時間が分けられないというお話であるならば、病院院長においても、診療に従事する時間と管理の時間とを分けるわけに行かない。若し病院院長におきますところの管理費用診療に従事する費用とが分けられる、時間的に分けられる、こういうならば、診療所においても同じく分けられなければなりませんし、殊に診療所と申しましても、その診療所においては病室を持つておる診療所もあるわけでありますが、それらの点についてはどんなふうな御配慮があるのでございましようか。
  28. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 病院に対しまして、診療所の場合におきましては、その医師管理業務に費される時間というものの算出の方法が、私どもとしましては非常にむずかしいというふうに考えたのでありまして、なかなか施設施設によりましてその実情が異なつておりまして、公平に引比べ得る材料を求め得なかつたのであります。
  29. 榊原亨

    ○榊原亨君 診療所においてその管理費用経費の中に入れたとおつしやるのでありますが、そのお入れになつたときの基準はどんなふうにして経費の中にお入れになつたのでありますか。
  30. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) 結局今回お示しいたしました資料というものは、今度本日御説明申上げたのでもおわかりだと思うのでありますが、結局医師に対する報酬、或いはいろいろ物に対する対価というようなものを、個々診療行為について如何ように割り振ることが合理的であるかということが趣旨でございまして、それを管理費として分けても、又あとでそれを配分して加えられるわけであります。或いはそれを分けないとしますれば、他の行為の中に初めから一括して入れて置くというようなことでありまして、結局は配分の仕方ということになるのであります。今の管理費というものを大きく取出して、あとで又それを配分するか、或いは初めから切出さずに他のものと一括して配分するかというところに、やり方の相違があるのでありまして、勿論そのことからどちらのほうがより合理的であるかという問題は起つて来ると思うのでありますが、私ども診療所のような場合におきましては、医師管理的、何と申しますか、労力というものに対する報酬というものを見るということにいたしますれば、この基本に一応百平均値として出ております無床診療所の二万七千の新所得というものが、診療部門に対しては例えば二万円支払われ、そうして七千円のものがこれは管理的な労力に対する報酬であるというふうに考えられるか、或いは二万五千が診療報酬であつて、そうして二千がこの管理的な労力に対する報酬であるかというようなことは、これは立て方によつてはかなり動いて来るかも知れんと思うのであります。私ども今の診療所においては管理に要する費用診療に要する費用というようなものは、今申上げましたようになかなか分けることが困難であるということと、それから分けましてもこれははつきりと分けられる部分は極めて僅かになるのではないかというように考えたので、これを経費に入れた次第であります。
  31. 榊原亨

    ○榊原亨君 端的に私はお尋ねしておるのですが、診療所経費の中にはどんな計算で、その診療所院長管理費が入つておるのかということなんです。その経費はここに第三分冊にございますように、各診療行為をストツプ・ウオツチで計つた時間でその経費を割つておるのでありますから、その中には入りようがないじやありませんか。言い換えますと、何と曾田さんがおつしやつても、診療所管理費というものはオミツトされておるのではないですか。もう時間がありませんから、私あとで御質問申上げますから、曾田さんのほうでも御研究願いたいと思います。  議事進行に関して……私、只今説明になりました資料について、まだ三十分ほど質問があるのでありますが、時間がどうでしようか。この次でも又伺いたいと思います。
  32. 上條愛一

    委員長上條愛一君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  33. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 速記を始めて下さい。
  34. 山下義信

    ○山下義信君 資料について伺つておきたいのですが、これは病院診療所幾つかを対象にしての経済調査が基本になつておるわけでありますが、調査の対象の病院診療所についての、経営主体別と言いますか、そういうものはどつかに出ておつたと思うのですが、私の伺いたいのは、例えば経営主体は公立とか国立とか出ておりますが、数が少いのですから、この調査をその病院診療所の、どこの病院、何という診療所か、病院の所在地名と具体的に固有名のリストをお出しになれますか、なれませんか。私はそれを見たいのですが……。
  35. 上條愛一

    委員長上條愛一君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  36. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 速記を始めて下さい。
  37. 曾田長宗

    説明員曾田長宗君) かような調査性質といたしまして、御協力を頂きました施設に、これをさような意味で公表するというところまで、十分な御了解を得たとも考えられませんので、この点につきましては、一つ更に考慮させて頂きたいというふうに存じます。
  38. 山下義信

    ○山下義信君 いま一つ伺いたいのは、先ほど冒頭に委員長から決議に副うところの政府の資料はこれで十分かという質問、これは前回私も念を押しておきましたが、従つてこれからそれに対しまする我々の検討を進めることになるわけでありますが、何と言いましても、要求した資料の中のいろいろ重要な点が決議に指摘してあるのですが、その中におきましても、国民医療に与えるところの影響、社会保険の経済に及ぼす影響ということは、具体的に特筆大書してある。その他の条項もありますが……。従つて私が今これで尽きたということについて念を押しておきますのは、社会保険の経済に及ぼす影響について久下局長からどういう資料が出されてある、どれとどれであるかということだけを、指摘しておいてもらいたいと思います。
  39. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) お尋ねの問題に直接関係のありまするのは、一枚刷で二十八年六月政府管掌健康保険百分の一抽出というので、入院外の被保険者の現実の診療の実情を掲げて、これに新点数を当てはめました資料を差上げてございます。これがその一つでございます。それからもう一つ附加えて、二枚刷りでございます。見出しは現行点数による医療報酬と新医療費体系による医療報酬との比較に関する調査についてという、二行に亘りました見出しの資料を差上げております。本日出しました十一番目の資料でございます。これはちよつと御説明を簡単に申上げておきますが、これは衆議院の厚生委員会におきまして厚生委員の御要求によつて、新宿社会保険出張所管内の病院診療所の昭和二十七年十月の請求書を任意抽出して出したものでございます。細かい点はいずれ又御説明の際に補足いたしますけれども、そういう極めて部分的な調査資料でございます。前に申上げましたものは全国的な政府管掌健康保険資料でございます。なお若干それに関係のあります意味で御覧を頂きたいと思いまするのは、数枚の、約十枚程度なつておりますが、政府管掌健康保険医療給付費の増加についてという資料がございます。これは直接今のお尋ねに関係ございませんけれども、関連する資料として御覧を頂きたいのでございます。以上でございます。
  40. 山下義信

    ○山下義信君 その今御説明になりました資料を詳しく拝見することにしましよう。これは今瞥見いたしましても、殆ど一枚刷り乃至は極めて簡単な局部的な資料でありまして、よほど詳細な説明を承わらなければわかりません資料でありまして、資料そのものは極めて不十分なものと私は思うのであります。殊にこれは政府があらかじめ出された資料ではない。前日私が注意を促して出された資料がここにある。ひつくるめて私はこれから説明を聞いてみなければなりませんが、政府の提出の諸資料につきましては、これを以て資料の種類その他につきましても十分とは申しかねるということだけを、私は意思表示をいたしておきます。
  41. 高野一夫

    ○高野一夫君 今日までの資料を一応点検してみまして、他に私が欲しい資料がこの中にないのが多少あると思うので、見てみなければわかりませんが、一応見てみて、次回かその次くらいには、四つ五つ私の資料を請求することになるかもわかりませんから、厚生省のほうでも御承知置きを願いますし、委員長のほうでも御了承を願います。今日は請求いたしません。
  42. 中山壽彦

    ○中山壽彦君 私は前々回から数回繰返えして、附帯決議の内容に基く資料の提出を私から要求しておりますけれども、私の要求いたしました満足すべき資料は本日出ておりません。これは非常にむずかしいことでございますから、資料を出し得ないならば出し得ないことを、はつきりと私は政府のほうから御説明を願つておきたい。今日はこの程度にしておきます。
  43. 上條愛一

    委員長上條愛一君) それでは本件に関する本日の質疑はこの程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  45. 上條愛一

    委員長上條愛一君) なおこの際中国人俘虜、殉難者遺骨送還に関する小委員長の中間報告をお願い、いたします。
  46. 竹中勝男

    ○竹中勝男君 御報告いたします。  中国人俘虜殉難者遺骨送還に関する小委員会の経過につきましては、先般中間的に御報告申上げておいたのでありますが、その後七回に亘り小委員会を開会いたしまして、慎重なる審議を続けたのであります。  本小委員会といたしましては、中国人俘虜殉難者の遺骨送還に関しましては、日本赤十字社をして慰霊祭並びに本国へ送還の措置をとらしめることが適当と考え、政府に対して強くこれを要望することに大体意見がまとまりましたので、この線に沿いまして、厚生、外務当局を初め、日本赤十字社幹部及び中国人俘虜殉難者慰霊実行委員会幹部と、再三懇談折衝を続けて参つたのであります。この間委員長を初め理事のかたがたにも、いろいろと御足労を煩わした次第でありました。  政府の意向といたしましては、遺骨送還問題について中共側より何らかの意思表示があれば、その上で考慮したいとのことでありましたので、小委員長名を以ちまして、たまたま中共訪問中の議員団長宛、中国紅十字会に対し遺骨送還問題に関し斡旋方を打電いたしたのであります。これに対しまして同団長より、中国紅十字会会長李徳全女史は遺骨を送還してくれることを大いに喜んでいる。いつ如何なる方法で送還してくれるかという意味の返電があつたのであります。よつて本小委員会といたしましては、更に政府当局並びに日本赤十字社幹部と協議いたしました結果、一応次の五項目をとりまとめまして、慰霊実行委員会に対しこれが実行方を勧告することに決定いたしたのであります。即ち  一、中国人俘虜殉難者慰霊実行委員会(以下慰霊実行委員会と謂う)は此の際解散すること。  二、今後華人遺骨に関する一切の仕事は日本赤十字社一本でこれを行うこと。  三、慰霊実行委員会解散したる後はその参加団体及び関係者は日赤の行う遺骨に関する仕事について一切容喙しないこと。  四、李徳全女吏来日の際日赤主催で人道的立場に立つて中央一本で遺骨の慰霊祭を行うこと。  五、慰霊実行委員会が従来華人遺骨に関して使つた費用については日本赤十字社がその実費(七〇万円以内)を支払うこと。  以上であります。而して右五項目に対する慰霊実行委員会側の意見は、  一、今後政府が日本赤十字社をして遺骨送還を実施せしめることには賛成である。  二、慰霊祭実施前に実行委員会を解散することは困難である。慰霊祭実施後全国代表者会議を開催して中央慰霊実行委員会の解散を決定いたしたい。  三、慰霊祭はこの際諸般の準備を進めている関係上慰霊実行委員会がこれを主催しなければならない。但し日赤が共催或いは協賛してくれることは望ましい。  四、今後日本赤十字社が遺骨送還を実施する場合においてもいわゆる三団体は従来の経緯から考えてこれに関与せざるを得ない。  五、慰霊実行委員会費用の決済問題については全国代表者会議終了後において回答したい。  というのであります。そこで本小委員会といたしましては、中国人俘虜殉難者遺骨の送還問題に関する審議は、この際は一応この程度にとどめ、今後の推移を見た上でこれに対処することに意見の一致を見た次第であらます。  以上簡単に今日までの経過を御報告申上げます。
  47. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 只今の小委員長の報告について御質疑がございましたら、お願いいたします。
  48. 湯山勇

    ○湯山勇君 今の件については、実行委員会の態度は大体報告があつたのですが、日赤のほうはどういう態度でございますか。
  49. 竹中勝男

    ○竹中勝男君 お答えいたします。これは外務省及び日赤、厚生省、三者にここに来て頂いて相談いたしました結果、日赤の意向を反映いたしました点がこの五つの項の中にあるわけです。
  50. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 他に御質疑がなければ、小委員長報告はこれを了承することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 上條愛一

    委員長上條愛一君) 御異議ないと認めます。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十三分散会