○
政府委員(安田巌君) 社会局
関係の所要
経費の
予算要求につきまして簡単に御
説明申上げます。
第一に、社会福祉事業振興会の政府出資金でございますが、これは昨年御
審議願いました社会福祉事業振興会法によりまして本年三千万円の政府出資金がきま
つたのでありまして、
ちよつとばかり少いのでございますが、一応この三千万円を設備と運転資金の短期資金にして行
つたらどうかというような計画を現在立てておるわけでございます。
それから生活保護費でございますが、これは昨年の補正
予算を加えました二百六十四億七千六百二十四万二千円に比べまして、本年は二百七十九倍八千六百六十一万円でございますので、十五億一千万円ばかりの増にな
つております。でこの計算の根拠は、冬扶助につきまして二十八年三月から八月の平均人員を基礎といたしまして、そうして人員の増加率は生活扶助を除きましたものの大体
日本の総人口の増加比率一・四%というものを見込んだのであります。生活扶助につきましては、こういう均衡
予算でございますので、増加比率の一・四%を含めまして五%だけを見込んだわけでございます。それから基準額といたしましては教育扶助は現行の一〇%増にな
つております。これは教科書の無料配給がやめることになりましたのを含んでおります。それから米価改訂でありますとか入院料の改訂等も見込んでございます。それから施設
事務費補助金というのが七億二千二百万円ばかりございますが、これは生活保護の施設に対しましてそれを運営いたします費用で、これをここに掲げてございます。昨
年度と比べまして九百九十万円ばかり殖えておるのでございます。それから法施行
事務費補助金が三億八千八百七十七万七千円でございまして、これは府県が生活保護法を施行するにつきまして二分の一国が補助をいたす
建前にな
つております。その額でございます。
それから
恩給等実施に伴う減少額というのは、これは二十八億七千万円でございますが、内訳は二十二億七千万円が
恩給等の実施に伴う減少額、六億か日雇い労務者の健康保険による減が見込んであるわけでございます。
婦人保護管補助金というのが従来の特別な項目にた
つておりましたのを生活保護の項目の中に入れましたわけであります。昨年と変りはありません。ただ、十分の八の国庫補助というものが大変やかましい問題になりましたので、大蔵省もいろいろ
心配いたしましてこちらのほうの項目の中に入替えただけでございます。
次に、身体障害者の補助金でございます。これも大体昨年と同じようなものでございますが、補装具の給付の補助金、これは
一般身体障害者でありますが、補装具の給付の補助金が少し減
つておりますのは、これは実績によ
つたものでございます。
それから新らしくその次に更生医療の給付補助金というのがございますが、これが千九百十七万円今年新規に入
つたわけでございます。これはこれまで二十七年、二十八年に御承知のように戦没者、戦
傷病者、遺
家族等の
援護法に基きまして、
軍人、
軍属の戦
傷病者に対しましては国が全額で支給するという更生費用があ
つたわけでありますが、や
つてみますと非常に効果がありますし、
一般の身体障害者からも非常に要望がございますので、これを
一般の身体障害者のほうにも及ぼしたいということでいろいろ大蔵省と
折衝いたしました結果、僅かではございますが、ここに一千九百十七万円というものが頭を出したわけでございます。これはいろいろ御承知と思いますけれども、症状が固定をいたしました身体障害者で、機能傷害がございますのを医療を加えることによりまして、その機能傷害の
程度を少くする、回復するというための医療費でございます。それから身体障害者更生
援護費とな
つておりますのは、これは厚生医療も補装具もやはり相当額減
つておるのであります。これは全額国で持ちまして傷痍
軍人に対して出す費用でございますが、二年間やりました結果、過去の実績を見ますというと、だんだんとこうい
つた費用が要らなくな
つて参りましたので、実績に基きましてこういうふうな減額を見込んだわけでございます。それからこれは結核対策のほうにございますけれども、結核回復者後保護施設の設置補助金というものがございます。これは少し前のほうに遡
つて頂きまして、結核対策のところにあると思いますが、これは四頁の一番上のところに(4)というのがございます。アフタ—ケアのことでございます。これはニカ所だけ
明年度計上いたしまして、大体一カ所が設置費が千百七十三万円で、設備費が七十万円、百人で六百坪ぐらいのものを
考えているわけであります。二十八
年度におきましては二ヵ所の
予算でございましたけれども、いろいろ実際運用いたします上に県のほうの都合もございまして、北海道と、それから富山と岡山県の三カ所に
予算の補助金を配賦いたしまして新らしくアフタ—ケア施設を設けるように準備いたしております。それから身体障害者更生
援護施設整備補助金とございます。これは県が行います施設でございまして、国が二分の一補助をいたします。大体収容人員が一室五十人で三百坪ぐらいの施設を
考えております。現在のところ二十七府県ばかりがこの身体障害者の更生指導所の施設を持
つているわけであります。まだ未設置の所もございますので、引続いて五カ所だけ
予算に計上いたしたのであります。
次に消費生活協同組合の貸付金でございますが、これも本年、つまり二十八
年度に新らしく計上されました費用でございます。二十八
年度におきましては二千五百万円を国が出しまして、そうしてあとの二千五百万円を府県が出す。そうしてこれを消費生活協同組合に貸すという資金でございます。本年は
予算の都合で一割減になりまして二千二百五十万円でございます。大体国から三分で府県に貸しまして、そうして七年間にその金を国のほうに償還してもらうわけでございますが、府県が貸しますときには二年据置き五年償還にいたしまして、大体四分ぐらいの利子を取
つております。
次に公益質屋の設置補助金でございますが、これも本年は千五百万円でございますが、本年
通りの千五百万円が大体大蔵省のほうで認められたわけであります。これは大体A型とB型とございまして、A型は都市でございますがA型の倉庫が三十坪、これは十五カ所ばかり、B型のほうが十五坪で十カ所ばかり、これを二分の一の補助として千五百万円計上いたした次第であります。
それから地方改善施設設置補助金これも昨年初めて認められた費用であります。本年は大体前年より二十四万七千円ばかり殖えておりますが、これは地方改善事業の中に隣保館を設置いたしましてそれを二分の一国で補助いたします、こういう
予算でございます。大体五カ所分を
考えております。一カ所が五百四十九万円で国の補助がその半分の二百七十四万五千円と、こういう計算をいたしております。
社会福祉施設整備補助金二億六千万円が本年は二億にな
つております。これは昨年は浮浪者の収容施設というものを特に要求いたしまして五千万円ばかり入りましたものですから、それが殖えたわけでございましたが、本年は又再び元の二億に還
つたわけでございます。これは養老施設でありますとか、救護施設でありますとか、更生施設、医療保護施設、授産施設そうい
つたものの設置に当り補助されるものであります。
それから
日本赤十字社の設備補助金というのがございます。これは
日本赤十字社が災害救助等において活動して頂くため国でいろいろな護持する補助をしようということでございますが、
予算の内容は救急車が一台とそれから、医級いろいろな医療の道具や薬を詰めて箱にな
つておりますが、そういうものをみているわけであります。
それから災害救助補助金が本年三億五千万円、昨年は七千万円でございますから二億八千万円の増でございます。これは毎年名目だけ五千万円か七千万円出しておきまして、それで実際災害が起りますとそれでは足りないので補正
予算を組む仕掛にな
つておりますけれども、本生二億五千万円殖えておりますのは、二十八
年度いろいろ災害がございました分を二億八千万円だけ清算する費用が入
つております。二十九
年度分としては七千万円が入
つているわけであります。
以上が社会局
関係の
予算の概要でございます。