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説明員(渋江操一君) 前回及びそれ以前の
委員会におきましても、この砧にゴルフ場を設置する問題につきましていろいろ御質問がございましたが、御
手許に
資料としてお配りいたしてあります内容につきまして、簡単に御
説明を申上げます。
先ず第一に、この緑地の沿革でありますが、これはこの前の
委員会でも私から申上げました
通り、紀元二千六百年の記念事業といたしまして決定をいたしまして、爾来
昭和十六年の十二月まで、この事業の主体に
当りました東京都がこの関係地域の
土地買収の手続を進めたわけであります。その際におきます面積が二十三万坪ということにな
つております。終戦後におきます
措置といたしまして、戦時中のこの砧緑地の利用につきましては、この前も申上げたかと思いますが、グライダーの練習地等に利用され、或いは一部青少年の訓練用の地域として利用される
ような時代がございました。終戦後におきましてのこの
土地の利用でございますが、戦時中からの農耕地に一部食糧増産のために提供されてお
つたわけでありますが、二十三年の十一月に自作農創設特別
措置法によりまして、農地に解放されることに
なつたわけであります。その解放されました面積が十万坪、緑地として残りました所が約十三万坪ということに相成
つておるのであります。
こういう沿革を辿
つておりますので、勿論この緑地の所有権は東京都が持
つておるという
状況に相成
つております。
土地の利用
状況、緑地の整備事業の経過でありますが、戦時中の問題につきましては、只今申上げました
ように練成場それからその後におきましては臨時食糧増産のための耕地としての転用を余儀なくされてお
つたような
状況であります。終戦後におきましても農地解放の結果を待つという意味からいたしまして、緑地の整備事業は一時中断してお
つたような
状況であります。二十四
年度から公共事業、失業
対策事業その他の事業費を注ぎ込みましてこの整備に着手をいたしてお
つたわけでありますが、併しこれも
予算的には極めて少額な
程度にとどま
つておりましたために、この緑地の整備事業の進捗は必ずしも捗
つてお
つたような
状況にはございません。
ところでゴルフ場の
建設につきまして承認申請が出まして、これに対する処理方針を東京都として立てる段階に至りましたその後の経過を簡単に申上げます。
昭和二十六年の四月に東京急行電鉄株式会社から砧緑地内にゴルフ場
建設の承認申請が出たのであります。この趣旨は、都民のレクリエーシヨンと会社の、東京急行の経営にな
つております玉川線の沿線の開発事業の一環としまして会社自身でこのゴルフ場の
建設をし、工事が竣工した上はその施設を都に寄附して、この寄附した施設については経営の委託を受ける、こういう趣意の申請であります。これに対しまして東京都といたしましては、この取扱いにつきまして、
建設省の意見を質して参
つたわけであります。これに対する
建設省の回答の趣意でありますが、先ず
一つの条件といたしましては、緑地面積の六〇%以内にとどめてもらいたいという点、それから入場料の決定その他重要手続については、一々
建設省の事前の連絡、承認を得てもらいたい。なお仮に東京都の直営という方式のほかに委託経営方式を
考えるということであるならば、これについては信用確実な法人につきましてその管理の委託をする
ような慎重な配慮をと
つてもらいたい、なお委託経営の内容その他については十分検討し、都との連絡の上でその公正な決定が行われる
ような方法にしてもらいたい、こういうことの希望意見を立てましてこれを東京都に回答いたしたわけであります。で、その件に関しまして公園審議会、これは東京都の内部にございます
一つの公園の管理上の適否を審査する審議会でありますが、これが三月九日、
結論として以下の
ような決定をいたしました。即ちその
一つは、都の周辺地域には、都民レクリエーシヨンのため、又観光施設の一環としてのゴルフ場の
建設は必要である。で、砧緑地はその候補地として適当であると認める。
それから第二の点といたしまして、施設は都営のゴルフ場として、一般公開を原則にするということ。
第三点といたしまして、経営方法については会員制、いわゆるメンバー・シツプにしないでこれを公開、パブリツクにする方法によ
つてもらいたい。こういう三つの条件をつけまして審議会は
結論を出したわけであります。
そこでこれに対します都の
対策でありますが、処理方針でありますが、先ず第一の問題といたしましては、ゴルフ場の
建設の寄附を如何なる方法において受領するかという案を立てております。その内容といたしまして、ゴルフ場の
建設、これは全緑地面積の六〇%以内という条件で私どものほうの意見を立てております。それに対応いたしまして七万六千坪としてもらいたいということ、それから
建設費は時価にいたしまして七千万円を目途とし、時期、設計については都の承認の下に立ててもらいたい。それからその次の問題としては、設置区域内の離作、或いは支障物件の移転、撤去については、会社の責任で処理するが、これについては都の指示に従
つて、これに対する経費は一切出願者の負担としてやるべきである、それからその次の条件といたしましては、工事が竣工した直後においては、直ちにこれを都の施設として寄附する、それから、都は寄附の受領後、会社に対してゴルフ場の経営を委託する、ゴルフ場施設内でのゴルフ場経営に伴う食堂その他ゴルフ場施設に必要な最小限度の施設経営を行うことをこれを承認する、こういうことであります。
第二の
問題点といたしましては、ゴルフ場の経営委託に対する方針であります。ゴルフ場の経営を会社に委託する、但し東京都といたしましては、ゴルフ場施設の管理権は勿論行使できる建前とする、それから第二点としては、ゴルフ場の経営に要する経費は、一切委託を受けた会社側の負担である、第三点は、都は会社に対して委託料として、ゴルフ場施設を使用する……一般公開制にいたしますが、そういう都民が使用料を払います、その使用料の総額の百分の九十はこれを会社の委託費としまして支払う、委託経営の内容についてはおおむね次の
通りに
考えて行く、会社は都の定める条例によ
つて経営してもらいたい、会社は事務所を設けまして、責任者或いは経営に必要な人員、什器類を整備をする、それから施設の維持改善については責任を持つ、施設の使用者の接遇に対する業務は会社においてこれを管理する、なおその次の問題といたしましては、ゴルフ場内の建造物については、火災保険契約をして、寄附した施設の保証を確実にしておいてもらうということであります。それから東京都の許可なくして、この目的外の使用、即ち転用或いはこの委託経営権の権利、義務の譲渡は許さない、それから委託期間は十年、委託契約に違反した場合、或いは経営上極めて不適当と認められたときは、いつでも契約を一方的に解除する。これによ
つて生じた会社の損害に対しては賠償の責に任じない。
これを許可するとすれば、以上の
ような方針が
考えられるということでありますが、これにつきまして、只今
田中委員からも
お話がございました
通り、都議会の
建設委員会でこの内容について審議をしてその
結論を出そう、こういうことにな
つておるわけてあります。