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1954-11-09 第19回国会 参議院 建設委員会 閉会後第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年十一月九日(火曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀木 鎌三君    理事            石井  桂君            石川 榮一君    委員            石坂 豊一君            鹿島守之助君            北 勝太郎君           小笠原二三男君            近藤 信一君            田中  一君            木村禧八郎君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省計画局長 渋江 操一君    建設省住宅局長 師岡健四郎君    建設省計画局総    務課長     前田 光嘉君    住宅金融公庫理    事       岩永 賢一君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設行政に関する調査の件  (災害に関する件)   —————————————
  2. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 只今から建設委員会を開会いたします。  議事の都合上皆さんのお手許に差上げてあります最近の住宅災害喪失状況昭和二十九年度住宅金融公庫資金計画案というものからいたしたいと思いますが、御差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それでは住宅災害喪失状況について先ず説明を求めます。
  4. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 最近の住宅災害に関する資料をお手許に提出してございまするが、御覧の通り二十一年から二十八年まで八カ年間のでございます。二十一、二、三年は、これは大体推定でございまして、当時まだ資料が、統計が整備しておりませんので推定になつております。この間の災害の全喪失数が二十二万七千二百四十七、年平均にいたしまして二万八千程度災害によつて住宅が喪失いたしております。
  5. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 何か御質問ございませんか。
  6. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 私資料を要求したときに、腐朽分を加えて、成るべく一つ腐朽分についての数字も入れてほしいという要求を出したのですが、これは住宅対策を立てるときに腐朽分を除外して考えておるのか、入れて考えておるのか、そういうことを見るために腐朽分もこれに入れてもらいたかつたわけです。それはすぐわかりますか。
  7. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 住宅老朽統計は実はございません。そこでお話のありました二カ年計画等を立てます際に、この老朽腐朽しました住宅を入れておるかどうかというお話でございますが、これは勿論入れて計算しております。ただ正確な統計がございませんので、住宅調査等資料基礎としまして推定を加えて入れておる次第でございます。
  8. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 結局問題は、住宅困難を如何に緩和したらいいかということになるのですが、一応腐朽分というものを考慮に入れなければならないわけでしよう。そこでこれがまあ入つてないので、大体一カ年どのぐらいあるものかということをこれに入れてほしいわけなんです。推定でもいいです。どのぐらないに推定しておりますか。
  9. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) この前の第一次三カ年計画を立てましたときには、二十七年四月一日現在の住宅状況を押えてやつたわけですが、そのときの住宅不足がいわゆる三百十六万と言われたわけでございます。その内訳は、同居世帯のもの、それから狭小過密のもの、それから老朽住宅となつてつたわけです。そこで老朽住宅は二十七年四月一日に百十六万戸載せたわけでございます。今度の第二次三カ年計画を立てます際にも、実は二十八年、昨年市部の住宅調査が一部行われております。それを基礎としまして推定を加えました結果、やはり大体百十六万戸という数字を出しております。これを載せております。それから、それは現在の老朽した住宅でございますから、年数がたちますと共に、適当な維持修繕が行われませんために、現在は老朽しておらんでも、更に腐朽して参るものもございます。その分も入れております。これは推計でございまして、正確でございませんが、大体年間五万戸、三カ年計画の場合に十五万戸入れております。第一次の場合にも、第二次の際にも入れてあります。
  10. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 併し実施計画でこれを考慮に入れておりますか。
  11. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) この第一次三カ年計画のときには、これは入れてございましたが、実はいろいろのことを考慮しまして、この老朽分はかなり腐朽いたしておるけれども、まだ何とかつつかい棒でもすれば持つということで、実は対策対象にはいたさなかつたわけでございます。併し又三年たちまして、更に腐朽の度も加わつたわけでございますので、今度の第二次計画には、この老朽の分を対象として入れたいと考えております。入れて立案いたしております。
  12. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この専門員室調査した資料を拝見しますと、この三カ年計画、第二次の三カ年計画として、いろいろ疑問の点があるわけですよ。今の点も一つですがね。今後、併しそれを入れるとして、では三十年度予算に、これはそういうような前提で要求するわけですか。
  13. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) いろいろ住宅政策の立て方があると思いますが、この第一次三カ年計画乃至は第二次三カ年計画は、これは御承知通り公営住宅を中心として考えておるわけでございますが、この第一次のときに老朽を入れなかつたと言いますのは、結局入れずに計算しまして、この三カ年間に百九万戸住宅建設を行う必要がある、こう考えたわけでございます。で、第二次におきましては、これを入れて計算しまして、大体三カ年間に百十一万戸建設……、官民の力で以て建設されるならばよろしいというふうに考えておるわけでございます。そこでつまり百十一万戸建設が行われますならば、老朽対策もその面におきまして行われるということになるわけでございます。
  14. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それから住宅金融公庫のことについてもいいのですね。
  15. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) はあ。
  16. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この間伺つたのですがね。公庫資金について余裕分を取つてあるというお話ですが、その余裕分を今差当り使えば、例えば岩内の大火なんか、そういう場合にすぐもう補正を加えなくても間に合うというような話を聞いたのですが、この住宅公庫余裕分というのは、そういうのは取つてあるのですか。
  17. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 木村さん、それを皆さんにお諮りしますが、住宅金融公庫から、公庫理事岩永君、それから業務部長江ヶ崎君ですか、それから企画課長の竹内君が見えておりまして、説明したいという御意向でございますが、お差支えがなかつたら、皆さんの御同意があつたら、そうして頂きたい。
  18. 田中一

    田中一君 ちよつと私まだ住宅局長に聞かなければならないことがあります。
  19. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それでは僕はその前にちよつと聞きますから、それが終つてから田中さんが質問して、それからあとで今の住宅金融公庫から……。
  20. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) じや木村さん、局長に御質問願いたい。
  21. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 はい。第二次三カ年計画の問題です。第二次三カ年計画になつてからの住宅不足数ですね、二百八十四万戸とまあ推定されるのですが、前には三百十数万戸と言われたわけですね。それが急に不足数がこういうことに減つて来たというその理由ですね、それを説明して頂きたいのです。
  22. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) この二十七年の四月一日には、お話通り三百十六万戸の住宅不足基礎としまして、建設計画を立てたわけでございます。そこでその第一次三カ年計画の、三カ年間におきまする実績ということになりまするが、これを先ず建設のほうから言いますと、大体新築届出のありましたものが八十五万戸ほどになります。そういたしますと百九万戸実は建てば、この三百十六万戸のうちの二十分の三……緊急分百九十万のうちの二十分の三ほど減る。つまり二十八万ほど減るわけでございますが、予定通り百九万戸建たなければ減らんではないかというお話になるわけでございます。その点はこの計画自体も多少過大な点もあるわけでございます。と申しますのは、この三カ年のときに建てましたのは、三百十六万戸のうち、先ほど申しましたように、老朽分を除きまして百九十万戸を取りあえず対象にしよう、それを二十カ年に解消する、こういうことで二十八万五千戸がございますが、それを人口増加とか或いは災害、更に現在は老朽していないけれども老朽化するものもある、こういうことでその分としまして、人口増加によるものが七十一万九千、それから災害喪失による分を九万、それから老朽化によるものを十五万載せておつたわけでございます。ところが、この三カ年間の実際の住宅は、七十一万九千に対しまして六十四万一千であつたのでよかつたのです。それから災害喪失の分を九万と予定しておりましたけれども、これは三万六千八百で足りたわけでございます。それから老朽化の分は、これは初めから対象にいたしておりませんが、要するにここで十三万ほど計画が必要以上に多かつたわけでございます。それから後この第一次三カ年計画を立てます際に予想して見込まなかつたものといたしまして、この狭小過密住宅解消に関する面でございますが、その分としまして、実はこの第一次三カ年計画を立てます際には、狭小過密解消は、すべて新築によるという考えでおつたのでありますが、実際について見ますると、狭小過密住宅解消は、場合によりますと、増築によつて解消いたす。つまり狭小過密と申しますのは、大体九畳未満住宅で、一人当り二・五畳未満住宅ということになつておりますから、その場合に、例えば六畳一間建て増しいたしますれば、狭小過密解消するという面もございますので、そういうものが、これは三カ年間増改築分としまして三百万戸というものが新築のほかに行われておるわけでございます。従いましてこの増改築三百万戸のうちに、これが大体増築四、改築六ぐらいの割合で入つておるわけでございますが、この分からつまり大体増築が十万戸程度行われて、十万戸程度増築によつて狭小過密解消したと、こういうふうに推定いたしました。従いまして百九万戸の建設に対しまして、実際の必要は九十六万戸でいいわけであつた。そして新築としまして八十五万建ち、更に十万は増築によつて狭小過密解消する、こういう結果、大体三百十六万の住宅不足が二百八十四万に減少したということが推定されるわけでございます。
  23. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 まあ説明ではそれで了承いたします。併し我々実際に経験をいたして、年間建設戸数が要するに満たないということは、この住宅難が依然として解消されていないことを我々は日常もう常識として体験しておるのです。それが数字の上で急に二十万戸以上解消したよう数字になつて来るのですね。今いろいろ御説明がありましたけれども、それは一応説明として伺つておきます。併し実際にはそれで二十万戸私は解消されたとは感じとして出て来ていないのですよ。ただ数字でそういうふうに……、推定ですから、この推定にもいろいろ問題があると思うのです。もつとそういう点正確に我々知る必要があると思うのです。で、次に伺いたいことは、民間自力建設ですね、これは三カ年で六十七万戸、一カ年平均二十二万戸となるわけですが、第一期計画実施から年間十七万戸前後の実績のところをこれだけ予定することは、何か助成措置考えているのじやないかと思われるのですが、そういう助成措置があつたらそれを説明して頂きたい。
  24. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 三カ年間民間自力建設実績は大体五十一万九千戸でございます。で、これに対しまして第二次におきましては百十一万戸のうち、民間自力による新築分として六十万戸挙げておるわけでございます。予想しておるわけでございます。で、多少上廻つておりますが、この三カ年の最終に当ります二十八年の実績、七年頃から多少この民間自力建設が、僅かでありますが、上廻つて来ておりますので、多少そういうことを考慮に入れまして、少し開きがございますが、六十万戸と一応想定しておるわけでございます。それから民間自力建設促進方策としていろいろの点を考慮いたしておりますが、まだ結論には到達しておりません。例えば租税軽減措置によつて、例えば民間貸家建設を促進するというよう方策考えたいと思つておりますが、いろいろ問題点もございますので、まだ結論には到達いたしておりません。
  25. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 もう一つ、これは公営住宅公庫融資住宅との比率ですね、これが前期と同様六万戸ずつである。これは公営住宅公庫住宅比率を同一にして同じよう考えていいのかどうかという問題ですね。
  26. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 現在のまあ国民の所得とか或いは建設力等から見まして、公営住宅住宅金融公庫融資とどちらが一般に望まれるかということになりますが、これは実は公営住宅のほうが多いほうがいいのではないかという意見もございます。併し、又この住宅金融公庫融資住宅の大部分を占めまする持ち家につきましては、やはり住宅の管理が非常にうまく行くとかいろいろの面もございます。又公営住宅建設につきましては、土地問題その他地方財政の現在の状況等考えてみなければならんわけでございまして、大体従来十八万十八万でやつて参つたのでありまして、その程度がこの際妥当ではないかと考えまして、十八万十八万と同じにとつておるわけでございます。
  27. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この第二期の三カ年計画については、いろいろ専門調査員の調べたのについて伺つたのですが、実際いろいろな予算的な考慮、例えば今の公営住宅については、地方財政の問題もあるのですね。それからこの民間自力建設については、やはり助成措置というようなものがあると思うのですがね、そういう財政面に相当制限されて来ると思うのですよ。これは計画通り大体達成できるという、そういう見込みがあるのですかね。それから腐朽分についてもこれは落しているでしよう腐朽分については、実施計画において落している、老朽住宅はですね。
  28. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) この腐朽分のほうから申上げますが、腐朽分は、第一次計画においてはこれは対象にしないで落したわけでございますが、今度の第二次三カ年計画におきましては、二百八十四万戸そのものを今後十七年間解消するとしまして、それを三カ年分見ております。従いまして腐朽分は勿論この中に入つておるということになると思います。  それから公営住宅につきましては、地方財政ということを申上げましたが、これは主としては起債問題になるかと思いますが、殊に大都市におきまして、富裕県につきまして、この基準が十分に認められない。場合によると零である、こういう問題がありまして、この点がもう少し解決いたしますると、更に公営住宅も、又国家財政の面は勿論ございますが、伸び得る面であろうと思います。  それから民間自力建設につきましては、先ほど申上げましたように、多少計画が、従来の実績を上廻つて来てはおりますが、従来の実績からみて多少多うめになつておりますが、この分は実は先ほど申上げましたように、促進策も必要になつて参るわけでございます。この点については目下検討中でございますが、まだ結論を得ておりません。
  29. 田中一

    田中一君 第一期計画の十八万戸というものは、御承知ように五万一千戸あたりだと思いましたが……。そこで第一次計画を十八万戸ときめた根拠と、それから第二次計画を十八五戸やろうときめた根拠を伺いたい。なせ第一次計画が十八万戸で三カ年ということをきめたか。なぜ第二次計画も三カ年で十八万戸ときめたか。
  30. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 第一期計画のときにおきましては、先ほど申上げましたように、大体この三カ年間に百九万戸住宅建設が公私に亙つて行われる必要があるという計画に立つたわけでございます。  この百九万戸の内訳になりますが、これは民間自力建設を六十九万戸、これは大体それまでの実績をもとにしまして立てたわけでございます。それから入植者住宅或いは国家公務員住宅、そういつたものを四万四千五百戸とみまして、それから当時住宅金融公庫は割合予算も伸びておつたのでありまして、大体十八万戸予想できたわけであります。そこで残るところの十八万戸というものを公営住宅で解決したい。殊にそれまで公営住宅が余り伸びて……、その前は大体二万五千戸程度であつたのでありまして、予算もいろいろの点を考慮いたしまして、倍以上になる六万戸というものを押えたわけでございます。で、第二次につきましては、先ほど申しましたように、第一次の実績を参照しまして民間自力建設を六十万、それから国家公務員住宅等建設を七万、それから公営住宅公庫住宅均率につきましては、大体従来の実績から、又地方財政状況或いは持ち家とか、貸家のそれぞれの長所を活かすというような意味合いにおきまして十八万戸ずつというふうに考えたわけでございます。
  31. 田中一

    田中一君 そうすると結局財政上の関係で十八万に押えたということなんですか。
  32. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 民間自力建設を想定して立てますれば、十八万戸で大体よろしいという考えでございます。
  33. 田中一

    田中一君 一体あなたが今言つている木村君が質問した二百八十万戸、二百八十万二千戸というものを、民間自力建設のほかに国が援助してやるという場合には何カ年計画でもつてこれを解消ようというのですか。
  34. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 二百八十四万二千戸の住宅不足を今後十七カ年間で解決したい。と申しますのは、第一次計画のときの三百十六万戸につきましては、今後二十カ年に解消して行きたいということで始まつたわけでございまして、その方針に従いましてこの二百八十四万戸を今後十七カ年間解消いたしたいということでございます。
  35. 田中一

    田中一君 さつき木村君の言つたように、老朽化による住宅というものの実態調査というものは今ここに示してあるように、十五万戸というものでいいのですか。
  36. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) この三カ年計画基礎になつておりまする老朽住宅は、現在すでに老朽しておつてそう長くは持たないというものが百十六万戸あるわけでございます。まだその程度に達しないものにつきまして、今後三カ年間に毎年五万戸ぐらい、そういう腐朽程度に到達するであろうという想定に立ちまして十五万戸を載せておるわけであります。
  37. 田中一

    田中一君 そうすると第一期計画の五万一千戸というものは、これはたしか財政上の理由によつてちよん切つたわけでしたね。そうすると少くとも第一期計画を立てる場合、その分の五万一千戸というものはまあちよん切つたわけですから、その分だけ十七カ年計画が延びたことになりますね。私の伺つておるのは、第一期計画は十八万戸だから、今度の第二期の計画も十八万戸にしなければならない理由はないのですね。できるならば二十万戸でも二十五万戸でもいいのです。そういう考え方を持たなかつた理由を伺つておるのですがね。
  38. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 公営住宅だけを見ますと、お話通り六万戸建てると言いましたものが五万一千戸にとどまつたというわけでございます。併し先ほど御説明申上げましたように、この三カ年間の全体の実績を見ますと、当初計画よりも需要増を予想したものがそれだけの必要がなかつたという面がございます。それからこの計画では狭小過密住宅における増築、古くなつた家改築というものを入れなかつたというフアクターがございます。そういうものを入れて考えますと、三年前の三百十六万戸の住宅不足、この住宅不足というものは絶対の不足ではございませんで、先ほど申上げましたよう同居過密居住乃至は老朽ということでございますが、それが新築のほかに増築とか改築考えに入れまして二百八十四万戸になつたと推定されるわけでございまして、そこでこの二百八十四万戸を今後の十七年間解消いたしたいということでございます。
  39. 田中一

    田中一君 さつきの九月一日にやつたという新規住宅調査、これを資料として出して頂けませんか。これはどこがやつたのですか。その集計したものはどういう形の調査をしたか。
  40. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 資料として後ほど提出いたすことにいたします。これは総理府統計局におきまして指定統計として行なつたわけでございます。
  41. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつとそれに関連して、需要増計画で見たよりも少なかつたという理由ですね、それはいろいろな事情があると思うのですが、それは本当の、需要といつてもやはり有効需要で、金のない、金の伴わない需要というものが相当あると思うのですよ。実際に実績を見ると金があつたから建つたので、それを需要と見たら非常な間違いじやないですか。住宅建設というものは、依然建てられないけれども、非常に需要度は大きいと思うのですよ。ですからその需要増計画より少かつたという理由をよくもつと検討してみなければならんわけですね。それだから住宅不足が何だか緩和されたよう感じを持つことは非常な間違いじやないかと思うのです。それを具体的に、どうして需要増計画よりも多くなかつたかということは、もつと具体的に検討してみる必要があるのじやないですか。
  42. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 二十七年の四月に立てましたこの世帯増による住宅需要増から申上げます。これは二十五年に行われました国勢調査によりまして、人口問題研究所で将来人口推計というものを作つたわけでございます。それに基きましてこの三カ年間に七十万の人口増を見まして、その数字に基きまして一世帯に一戸当りという考えで七十一万九千戸の住宅が必要だ、こう予想したわけでございます。ところがその三カ年間の実際の人口の動きを見ますと、その人口問題研究所の将来人口推計よりは下であつたわけでございます。それを基礎として計算いたしますと、六十四万一千戸でよろしいということになるわけでございます。
  43. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 そうですか、それは人口増加率ですね。それは予想より下廻つたということだけなんですね。それを根拠にしておられるわけですね。
  44. 田中一

    田中一君 あとで調べてみて下さい。あのね、先に十八万戸の計画に対する宅地の準備はどうなつています。
  45. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 公営住宅につきましては、従来通り大体別に特別の対策はありません。ただ予算におきまして、次年度以降用地費というような制度がありまして、この用地取得を容易ならしめる措置をとつておりますが、特別に現在のところこの土地についての計画はございません。
  46. 田中一

    田中一君 そんなばかな計画つてないですよ。宅地に対する計画なくして十八万戸を建てるというようなことは言えないはずですよ。そこでね、前回、前国会でしたか、私質問したのはですよ、一体政府並びに公共団体で所有している土地というもの、いわば遊んでいる土地というものをですよ、遊休地というものを調べたことあるかと伺つたら、調べたことないというのですね。殊に国の場合には、何といいますか、大蔵省にある管財局ですか、がわかつているはずなんですがね。それすら政府考えずして、これは無論地方で持つていないところは国の土地を提供してもいいのでしようから。それから地方都道府県並びに市町村の持つているところの土地というものの調べをしないで、十八万戸の建築計画なんというものは立てようがないはずなんです。そんなものが計画なしに、無計画で立てるなんということはありようがないんですよ、実際に。今正直に住宅局長言つたけれども、計画は持つておりませんということが本当なんですか。
  47. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 持つておりませんと申上げたのは少し言い過ぎであるかも知れません。この従来の公営住宅建設状況を見ますると、大体それぞれの地方におきましては用地計画を立てまして、用地取得、かなり困難は勿論伴いますけれども、一応解決いたしておるわけでございます。そこで、併しだんだんと土地も足りなくなつて来るということで困難を来たして参つたので、次年度以降用地取得を認めるというようなことを予算措置で講じて参つておるわけでございます。で、この三カ年計画は勿論都道府県資料にもよつてつて参るわけでございますが、この場合に土地計画をきちんと計画を立てさすということも、徹底して考えれば必要であろうかと考えます。併し大体の過去三カ年間実績から見ますると、かなり困難は伴うと思いますが、大体土地取得は何とかなつておるものというふうに考えられます。特別な土地対策は必要ではない。併しながらこの三カ年計画につきまして住宅対策審議会にも話しまして、いろいろ案を練つてもらつておるわけでありますが、その中でやはりお話よう土地問題はだんだんと深刻になつて来ておるので、是非とも土地対策を根本的に考えなければならんのではないかという話もあつたわけでございます。そこでこの土地問題につきましても、更にこの三カ年計画をスムーズにするために、或る程度計画を立つべきではないかという考えになりまして、目下そういう案を検討中でございます。
  48. 田中一

    田中一君 あのね、土地対策なんということを考えずに、今、国並びに公共団体が持つている土地を御調査になつて、この臨時国会後でも通常国会でもいいですから、全部調べて出して下さい、資料を……。国それから地方公共団体、市町村ですよ、いわゆる住宅を建てようとする町まで、村まで出して下さい。それがなければ計画ば立てつこないですよ。十七年間解消するというけれども、だんだん土地は殖えるんじやないのです、減るのですよ、土地は、宅地は……。今度の計画の中でも構想は、考えているのならそれはいいです。立体的にこうして解決するという具体的なものがあればいいけれども、一面においては利権的なにおいのするよう土地造成の金を貸出したりしていながら、今年の公営住宅計画に対しては、土地の問題に対して考慮を払つていないということはありようがないのですね。今でもできるのです。この前の通常国会でも質問されたのですがね。国並びに公共団体が持つているところの公有地というものはどこにどれだけあるかリストを出せ、こういつておいたところが未だに出しやしない。これに対していつまでどういうようにして資料を出すかということをはつきりと明言して下さい。
  49. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) できるだけ調査します。併しなかなか土地の全国的な調査というものはこれは困難なものなんです。金もかかりますし、月日もかかると思います。速かにできるだけの調査をいたしたいと考えます。
  50. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は住宅問題わかりませんのですが、十七年間にこの問題を解決するというのですが、これは十六年間に解決するのでも悪いし、十五年で解決するのでも悪い、十七年間でなければならんという根拠はどこにあるのです。そうでなくて三年間ずつの十八万というものを刻んで行つた結果、十七年で解決するのだという根拠ですか、国の政策としては……。
  51. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) これは現在の住宅不足解消しますのに、早ければ早いほどいいのであります。ただこの第一次計画の機会に二十年計画を立てたわけでございますが、それは民間自力建設力、国の財政力乃至は地方財政力等を勘案しまして、残念ながらどうしても二十年かかるということで二十年計画を立てたわけでございます。それで第二次におきましても、著しい変化がございませんので、残る十七年間で解決をしたいという方針を踏襲いたしたわけでございます。
  52. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると今の吉田内閣は、二十七年以来二十年間住宅不足の問題は解消するのだ、こういう政策でこの仕事をやつて来ているのだ、それで最初の三年間は公営分についても思つただけのものはできなかつたが、今後の十七年間に圧縮して万事解決する、こういう計画なんだというふうに了解していいわけですか。
  53. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 先ほども申しましたように、かなり正確な資料の部分もありますが、それに基いて推定を加えた数字もございます。第一次のときには三百十六万戸の住宅不足考えられたのでありまするが、その住宅不足は二百八十四万戸と現在推定されるわけでございます。この二百八十四万戸の住宅不足はかなり厖大な数字でございます。その上に先ほどから申上げておりますように、人口増加による住宅需要増も解決しなければなりませんし、災害の場合に起りました損失に対しても復旧を行わなければならない、更に新しく老朽したものに対する分も考慮に入れて行かなければならない、かなり厖大な数字になるわけでございます。現在の国民経済の力乃至は国家財政の力等を考えまして、どうしても今後十七年間は必要だ、そういう全体の基礎に立ちまして公営住宅につきましては、先ほどからも申しておりますように、この三カ年間におきましては、百十一万戸のうち公営住宅分として十八万戸を建てるという計画を立てたわけでございます。
  54. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私はそんなことはどうでもいいのです。二百八十四万戸のうち公営住宅は今後十七年間にこれこれ建てなくちやならんという方針はあるでしようが、方針通りのものを建てよう、十七年間に本当に建てようとしておるのかどうか、こういう点をお尋ねしたいわけでございます。というのは、私の聞いておることが、的が外れておるかも知れませんが、十七年というのは前の三年を加えた二十年間なんだ、その二十年間解消ようというのが政府計画なんだと、こういうことであるならば、これは三年計画がずれようがずれまいが、二十年間には仕上げるんだということだと正直に私はこう受取るのですよ。そうしたら同じ三カ年計画とか五カ年計画とか、これを細切れにして計画を立てるということは何の理由があるのか。財政的な検討の必要があるから、私はそういう問題が起つて来るんだと思う。それ以外に何の理由もないと思う。これはただ予算の許す範囲でというようなことがあるから、だから延びて行こうがどうしようがしようがないのだということでなくて、全体の大きな二十年の計画のうちに、逐次三年とか五年とか積み重ねて行く計画であるならば、その三年という計画は、財政的な見通しのはつきりした計画でなくちやいけない、私はそう思う。ただ建てたいというふうな計画だけで、財政的な裏付けがなくてそれはそのときそのときの財政予算の都合なんだということであれば、五年計画も三年計画も二十年計画もこれは意味ないことですよ。そこで私が一番先にお尋ねしたのは、十七年で解消するというのは、十五年であつてもいけないし、十六年であつてもいけないし、二十年であつてもいけない、十七年だというのは、そもそもの根拠が二十年間計画でやるんだと言うから、だから私は前の三年間で十分にできなかつた部分は今後の場合に織込まれてまあやつて行くことになる、そうなるにしても単なる三年計画というのは計画倒れに終るのなら何ら意味ない、何も国会に持つて来ていろいろ説明する必要もない、行政府の都合で好きなようにやつていい、少くとも私たちにそういうことをはつきりあなたのほうでお話になるについては、財政的な計画がその裏付けとしてなくちやならない、そう思うからお尋ねしておるのです。十七年間で全部解消するとは思われない。老朽住宅建設もあるし、確かに災害住宅建設もあつて、何年たとうがこれは解消するものではないが、計画自身としては完成することであろうと思うのであります。今度こそは、三年計画というのは、真剣に財政的な見通しをつけて立てられた計画であるかどうかということをお尋ねするわけです。
  55. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) この計画を立てました財政的裏付け、つまり実現性というお尋ねかと思いますが、この点につきましては、この資料要求がありましたので御説明申しておりますが、まだ政府として、この計画をそのままに受取つてやるかどうかという結論にはなつていないと思います。ただ建設省といたしましては、こういう十七カ年計画建設計画でやつて行かなければ、住宅問題はいつまでたつても解決しないのだという考えに立ちまして、これに基いた公営住宅の三カ年計画の三分の一、つまり六万戸は是非とも三十年にやりたいと考えておりますが、政府全体としてどうなりますか、これは私から必ずしも答弁できない、現在の段階としては……。
  56. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 建設省というのはこの内閣の一部分じやないの。一体どこの国の省なんですか。
  57. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) ですけれども、財政的な考慮も加えて最終的に公営住宅についてどれほどやるかということがきまろうかと思います。
  58. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうふうな話を聞くと、あなたの努力なんていうのはもう賽の河原の石積みみたいなもので、誠にどうも頼りないものだと思うし、あなた自身もそう思うだろうと思うのです、頼りないことだと。それでこれはやつぱり大臣を呼んでこの内閣の住宅政策というものをはつきりお尋ねしておいて、そうしてこの実現性があるかどうかということをお尋ねしなければならん。事務的にはああもしたいこうもしたいという希望、期待がこういうものであるというふうにお聞きしましたけれども、とてもこれを本気に真に受けて問答するわけには行かん。適当の機会に委員長におかれて関係大臣を本委員会にお呼び頂きたいと思います。
  59. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 承知いたしました。それじや鹿島委員何か………。
  60. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 ちよつとお伺いしたいのですが、今度ヨーロツパ、アメリカずつと廻つて来て、住宅が非常な勢いで建ちつつある。数だけでなしに質も非常に立派である。それは都市計画も関連してだ。そういう調査ですね、諸外国における住宅計画、こういうふうなものは資料ございましようか。実は向うで大公使館で聞いてみますが、そういうなには全然ないのです。例えば、外務省の人がスエーデンのストツクホルムの少し離れたところで非常な計画をやつておる、そこへ連れて行つてくれたのです。聞いてみるけれども、まあ私は外交官ですからねというわけで、専門でないのでよくわかつていないのですが、私この三カ年計画を立てるにしても、やはり最近における外国のすばらしい住宅建築ということ、それから又今の都市の問題ありますけれども、どんどんどんどん道路がよくなる。道路がよくなれば自動車で郊外へ郊外へと拡つて参りますので、何も市内で住宅建てるなんていうような時期じやなしに、道路を整備して郊外へ持つて行く。デパートあたりも郊外へ持つて行くというような状態だから、私は一遍最近におけるそういう諸外国の事例を見て三年計画も検討してみる必要があるのじやないかということを今度痛切に感じたのですが、何か資料がございましたら一つ提出して頂きたいと思う。資料がなければ、これは建設省から外務省へ宛てて行かれて、外務省から各在外公館の方へ……、そういう資料を集めるのは大して私困難でないと思います。そこで外務大臣から訓令が来れば、向うの住宅省というのがあるところも随分ありますから、そこへ公文で依頼すれば回答は来ますから、そう手数じやない。併し誰も調べてくれというものがいないものだから、外交官は自分のそれは職務だと思つていない。聞いてみたつて要領が得ないような状態ですから、これは私資料があれば一つ提供して頂きたいし、なければ外務省へでもなにして在外公館へ訓令されまして、これは私とつてみる必要が非常にある。それからヨーロツパあたりではこれはかなりマーシヤル・プランで、自分の財政力がなければマーシヤル・プランで建てておるところも非常にあるのです。こういう点なんかも一遍調べて頂くと非常な参考になるのじやないかと思います。資料はございますでしようか。
  61. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) ほんの一部外国の資料がございます。ただこれを整理しましてやります場合に、例えばイギリスでやつている公営住宅でまあどのくらい金を使つてどのくらいの戸数が建つている、部分的にそういう数字もありますけれども、むしろ数字が大切なんでありまして、補助金方式とかいろいろな方式的なものはかなりわかつておるわけなんです。その数字に当るものが実はなかなかないのであります。で、お話ございましたように、或いはその点等も我々も実はこういう計画を立てます場合に、是非とも参考にしたいということで、いつでもそういう資料があればということを考えるわけでございまして、お話もございましたので、できるだけ早急にそういう照会をしまして、更に整備して提出できましたら提出いたしたいと考えます。
  62. 鹿島守之助

    鹿島守之助君 それからこの住宅に関して日本ではいろいろな統制法規がございますが、そういうものをはずして、ローマのごときは、もう住宅のオーバー・プロダクシヨンなんですね、どんどん建て過ぎまして困つたような状態なんです。それなんかも公営住宅以外に、住宅政策としてオーバー・プロダクシヨンにならないにしても、住民が困らないような、そういう私やり方があろうと思うのです。ロンドンの郊外にフオア・セールなんて売家が出ているにもかかわらず、どんどん新しい家が建ちつつあるというような、流行みたいに、もう少し古くなつて悪くなると住まない。丁度女の衣裳が流行遅れになると着なくなるように、とても家がなくて因るどころじやなしに、もうオーバー・プロダクシヨンであつたり、又民間が非常に活動している。例えば保険会社とか、そのほかどんどん投資して家を建てている。こういうふうに住宅政策全般について今日本は検討する時期じやないか。それは皆部分々々でやつておるのですから、これは非常に再検討の時期じやないか、道路政策と同じように。道路なんかも、これは私道路が悪いというだけじやなしに、これは国民経済に及ぼす影響が、全般にこれは非常に大きな問題で、一種の道路文明みたいな……、住宅ももう……食べたり着たり、衣食はもう殆んどこれは解決済みですが、住宅も古い住宅はどんどん廃棄しちやつて、もう新しい住宅へ移りつつあるというような状態ですね。富の程度が違いますから、一概に外国をすぐ真似るわけにはいかんけれども、大きな参考資料になろうと思いますので、できるだけ一つ資料を頂きたいし、数字資料一つ揃えて頂ければ大変結構だと思います。お願いしたいと思います。
  63. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それじや次に、住宅金融公庫資金計画がお手許へ行つているわけでございますが、これらに関連して金融公庫岩永さん御説明願います。
  64. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 昭和二十九年度住宅金融公庫資金計画案を御説明申上げます。  先ず収入のほうを申上げます。  ここに記載してございますように、二十八年度の予託金を繰越しましたものが三十八億七千六百余万円、二十九年度の新たな政府出資が五十億円、二十九年度におきまして資金運用部から借入れます借入金が九十五億円、今まで貸付けておりますものが回収元金として返つて参りますものが約三十八億余、それに伴いまして利息収入として入りますものが三十六億余、その他雑収入が千二百万円、かようにいたしまして約二百五十九億円収入がある。それに対しまして支出といたしまして、貸付をいたしますものが全部でそのうちから二百余億円になるのでございますが、そのうち二十八年度事業のものに対しまして五十五億円余、二十九年度のものに対しまして百五十億円余、それから資金運用部に返しますものが十五億六千万円、公庫の事務費、公共団体に対する手数料、或いは金融機関に対する手数料、その他経費的費用が約三十億円、年度末に次期に繰越します予託金が七億、合せまして約二百五十九億円、資金の収入と支出の状況はさようになつております。
  65. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 この貸付金ですね、約二百億は、これは二十九年内に貸付けるのですか。
  66. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 時期として二十九年度におきまして貸付ける。対象といたしましては、二十八年度に抽籤等をいたしましたものに対するものが五十五億円、二十九年度における事業計画に基くものが百五十億円、かようになつております。
  67. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 実際に貸出すときには三十年度にならないのですか。計画としてはそうなつているが、実際には……。
  68. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 三十年度になる予定のものは、次期予託金繰越七億円、これだけが資金が繰越され、従つて三十年度になつてから貸出されるという予想のものになつております。
  69. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 住宅金融公庫余裕分というのはどういうふうな……。
  70. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 余裕分と申しましてもどういうことかわかりませんが、多分今年度政府といたしまして公共事業費その他の歳出の一割節減と申しますか、支出抑制と申しますか、それをいたしますに伴いまして、住宅金融公庫に対しても、本年度資金の約五%分をないものとみてもらいたいという通告を受けておりますので、多分その分を余裕分と称せられているのではないかと思つております。
  71. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 いわゆる実行予算と言われているものですか。そういうものですか。
  72. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 今申上げましたように、五%の約七億円というものが資金運用部資金の借入金から減ると、さよう承知してもらいたいという通告を実は受けたのでございますが、住宅金融公庫といたしましては、成るべく建物を早く建てたいということからいたしまして、抽籤等も、予算通りましてすぐ抽籤を行いますし、又その他のいろいろな事業も、貸付の予約というような仕事は非常に早目にいたしましたので、従いまして大蔵省が七億円の節減を申しましたときには、私どもといたしましては仕事はすでに軌道に乗つて走りつつあるという状態になつております関係上、年度末に至つて七億円使わないで済むか済まないか、どうもよく今のところわからないという立場をとつているわけでございます。
  73. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 大蔵省が五%をないものと見てもらいたいと、そういうようなことを申しているというのですけれども、これはまあ公庫予算ばかりじやないでしようが、全体として予算で、いわゆる実行予算というようなことで節減を要求しているのですが、これはまあ非常に大きい問題だと思うのですよ。今の予算制度には実行予算という制度はないのですよ。それは旧予算にはあつたけれども、現在には私はないと思つております。これは憲法上にも問題がありますし、財政法でもやはり問題になつて財政法ではつきりと、予算がきまつたあとで、この予算の使用について変更が起つた場合には、それはやはり国会の承認を求める必要がある。求めることができることになつておりますけれども、これは旧憲法の考えですね。この実行予算、ところが今お話を伺つてみますと、実行予算的な考えなんですよ、これが。ですから非常にこれは問題だと思うのです。それで余裕分というのがあるなら、住宅のこの不足のときになぜそれを貸出さないかというのです。岩内の大火のときに、あの不足分については余裕分があるからそのほうで賄うから補正を組まなくても差当りはいい、こういうような話があつたのですね。それでその余裕分というのを聞いておるわけですよ。それで実際問題としては、大蔵省でそう言つて来ても、まあその余裕が出るか出ないかわからない、こういう今なんですね。それを今度は余裕を出さないときにはどうなるのですか。その点を伺つておきたい。
  74. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 今申上げましたように、実行予算と申せば、予算の実行そのものだけを押えるということになるかと存じますが、私どもさようなふうには考えておりませんし、従つて大蔵省も事業計画を実行するのはよろしい、ただ資金がそれだけ出るのを出ないようにして、その資金は来年度の借入金で賄えるようにしてもらいたい、こういう意味だと考えております。従いまして今申上げましたように、事業といたしましてはすでに実行に着手しております関係上、その仕事の進捗の工合によつては余らないかも知れないし、或いは余るかも知れないし、確かに七億円は来年度に渡せばいいようにできますというふうな保証、明言ができない、こういう立場でおります関係上、岩内等の災害等に対しましても、本年度はそれだけ金の出方に余裕を生ずるから、それを見返りにして少し貸したらどうかというようなことがすぐにできなかつたという関係になつておるわけでございます。
  75. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 これはこの公庫だけの問題じやないのですが、特に公庫について言えば、最近我々接触した範囲で、公庫の金を貸出すほうが非常にみみつちくなつて来ているのです。今まではそんなにいろいろな文句をつけなかつたけれども、今度は実に何とかかんとか文句をつけて、そうして金の支払いを遅らせるよう状況が出て来ているように我々は聞いているのです。それからこの失業保険なんかでも、これは全体の問題に関連が出て来るけれども、支払いの仕方なども実に、最近制度を変えたのですが、規定の日に来ないとあと廻しにしてしまう、そうしてあと廻しの分はそれだけ支払いが遅れるようにする、(「くれないですよ、打ち切るんですよ」と呼ぶ者あり)それから婦人が失業したときには、あなたは結婚する前提としてやめたんでしよう、だからやらないとか、もう働く意思がないとか、そういうふうに失業保険金でも、それからこういう住宅の貸付なんかでも、節約ということから非常にこの支払いを遅らすようなことが出て来ておる。これは非常に住宅政策として実際面で非常に支障を来たしておるのですよ。公庫としてはそういう方針をとつているのですか。
  76. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 貸付に関しましてみみつちくなつたというような評判が起ります点は恐らくこういうところだろうと存じます。それは公庫ができました当座は銀行等も仕事がなれておりませんし、住宅金融公庫も職員が少い、又この住宅資金は半分は社会事業だというようなことから、そういう点についての誤解というようなことからいたしまして、抽籤受付をするときでも、或いは抽籤をするときでも、相当自由に受付をしてやり、審査を十分行うことなくして貸付しておつたという、従いましてそれが二十五年度、二十六年度になりますというと、その中に不良貸付が相当出て参りまして、甚だしいのは最初からもう一文も払えないというようなものが出て参りましたので、二十七年度くらいから、これはやはりよく調べてその原資が財政資金でありますことと、又零細な預金を集めたものでございますので、やはり一遍借りた人には必ず返して頂いて、又それを次の人に貸して行くということにすべきものであるということにいたしまして、審査をよく厳重にいたしますと申しますか、言葉は悪うございますが、審査を綿密にやつてもらいたいという方針を立てて最近実行いたしております。従いまして多少厳重過ぎるというような声が或いは出るのかとも思いますが、そういう点は常に反省をして参りたいと存じておるわけでございます。ただ、おつしやいましたように、すでに貸付がきまつてから、建物ができるのに金の支払いを徒らに押えるという点はございませんので、建物の一定の工程に対して一定の現場審査が終りますれば、必ず資金は払うということにいたしまして、すでに払う義務があるにかかわらず故意に押えるという点はございません。
  77. 田中一

    田中一君 この間、二十九年度発生の災害のときに伺つたのですが、住宅金融公庫では、今までの二十九年度にきまつた予算以外に、この二十九年度発生災害に対しては、特別融資を受けて解決するというような発言があつたのですが、そこで、ここにあなたの手許にあるかも知れませんが、四千五百戸という分を特別融資を受けてやるのだ、こういうことを言つておるのですが、それでその分は特別融資を受けましたか。
  78. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) それに対しましては四千五百戸全額ではございませんが、四億円ほど災害用として当てにして出してよろしい、こういう承認を受けております。
  79. 田中一

    田中一君 二十九年度の貸付というものは一応終つたんでしよう。残金はどのくらい残つておりますか、現在で。現在といつても九月末で幾ら残つておりますか、未契約の分。
  80. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 未契約と申しましても、その前提たる契約を待つておるもの、即ち抽籤に当り或いはアパート等ですでに貸付ける承認をいたしまして、土地を探すなり或いは設計を作るなり等をして、今度契約が出て来るもの等がございますので、きつちり契約の段階まで達しましたものは勿論全額に達しておりませんで、早晩契約に付すべきものがございますから、それを全部合せますというと、本年度資金には余裕はない関係になつております。
  81. 田中一

    田中一君 私もそう思うのです。それは本当だと思うのですが、そこで政府は、ここに資料ではつきり言つているのは二十一億六千万、二十一億六千万というものを特別融資を受ける、こういうことを言つておるのですが、災害復旧のために、住宅費として住宅公庫からそれを出させると言つておる、それが今聞くと四億ですね。どういうわけですか、これは。官房長は退席しておりますが、住宅局長に聞いてもわからないと思うが、これはどうですか。この資料は何ですか、これは。災害対策費というものは補正予算を組まんでもよろしいかどうか。そんな必要はございませんという大臣の答弁ですよ。自分のほうの財政のほうの操作でもつて十分できますと言つて出たのがこの資料なんです。
  82. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) このお手許に配付してありまする資料の最後にある住宅金融公庫において特別融資のため約四千五百戸分の融資額二十一億の予備費を要求中である、これに関連した御質問だと思いますが、先ほど申しましたように、岩内町の分として、岩内町の分でございますが、若干その他も入れまして四億円の差当り公庫の貸付を行うということにきまつたわけでございます。この二十一億の要求は公庫として要求したわけでございますが、政府としましては、この岩内町の火災に対しましては一応この程度でいいではないかということで四億円の貸付計画公庫に対して承認したわけでございます。その四億の分につきましては、先ほど岩永理事が言いましたように、公庫としては、この四億の貸付をやれば公庫資金計画としましては余裕がなくなるという予想であるけれども、大蔵省としては、公庫の現在の金の出方から見れば、その分は資金として用意しておかなくても今年は間に合うであろう、こういう考えに立つているわけでございます。その辺は今後の見通し、金の出方によりまして又変つて来るかも知れませんが、今のところそういうことであります。
  83. 田中一

    田中一君 この二十九年度計画に対する以外の新しい事態が起きた場合、当然財政措置といいますか、運用部資金というものから特別融資を受けてそれを賄わなければあなたのほうでバランスがとれんと思うのですよ。若しそれがなくていいと言いますと、さつき木村君が言いましたように、なんくせをつけて貸すやつを貸さんということになるのですね。それも四千五百戸というものを謳つてあるのですね。どういう形でその金を、住宅金融公庫から四億という金を、災害に対する特別支出というものを大蔵省が認めるというのなら、その補填をするのかということを伺いたいのです。
  84. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それと関連しまして、さつきの四億というのは岩内分だけなんですか。(「全部だよと呼ぶ者あり)岩内分だけかどうか。岩内分だけでもこの資料では五億五千八百万円ですよ、岩内分だけでも足りないのですよ。ですから若し、岩内分だけでも五億五千八百万円では足りないわけだから、岩内九百戸は建たないわけですよ。岩内分ではないとするならば、なおこれは問題にならんほど小さいものなんですよ。その点はつきりしてもらいたい。
  85. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 先ほどの田中委員木村委員の御質問でございますが、お手許に差上げてありまする資料災害全体でございます。そこで差当り政府としましては、この全体につきまして、岩内町を中心としましてこれは北海道が御承知通り早く工事ができなくなるわけでございますので、早期着工をするということで、取りあえず岩内を必要なものとして、その他も入れまして今年度中はこの災害公庫から融資する分は四億を予定するということで方針をきめたわけでございます。この災害に対しまして公庫融資を四億円でいいかどうかという問題が残るのでありますけれども、一応政府としましては、この程度年度としては貸付ける計画にするということをきめたわけでございます。
  86. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 さつき岩内分だけについて聞いたのですが、今四億というのは岩内その他というお話なんですね。そうすると岩内でさえ四億では足らない。四億以下である。そうしますと、約九百戸分岩内について五億五千八百万円を予定しているのでしよう、特別融資を。そうすると岩内が四億以下になつてしまうと思うのですがね、今のその他を入れますと。そうするとこの計画と非常に離れてしまう。
  87. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) これは大体従来の災害のときの申込み状況等を見まして、今年度このくらいの申込みがあるだろうということを予想しているわけです。それと同時に、今年度のこの現在の段階では、工事の進捗から見まして、この災害復旧のために契約をしましたところで、大体四億円その分として金があれば今年度資金としては足りるだろうという予想を立てまして四億円、その分は先ほど申しましたように、公庫の金の流れ方如何によりますけれども、その分は現在の公庫資金から出て行くはずだ、こう計算をしているわけであります。
  88. 田中一

    田中一君 で、公庫から幾ら出すのです、二十九年度災害分に対して……。
  89. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 目下この四億円でございます。
  90. 田中一

    田中一君 その四億円は、年内に融資を受けなかつたらそれはどうしますか。
  91. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 来年度に繰越します。
  92. 田中一

    田中一君 金はあるのですか。余裕金があるのですか。
  93. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 只今資金計画で申上げましたように、これだけの金は必ず入つて参りますから……。
  94. 田中一

    田中一君 この初年度の、初年度というか、この計画の貸付その他の方針がきまつて予算もきまつたという場合の計画は、無論毎月入る収入を見込んだ事業量でしよう。そうでしよう。そうなりますと四億円の金というものはどこから生み出すのです。或いは前家賃を取るのですか。それともどこからか借りて来るのですか、どうですか。常に年度末になると住宅金融公庫に四億円という金が遊んでいるということなんですか、何か財政措置をしなければ四億円の金が出つこないと思います。
  95. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 四億について申上げますれば、先ほどから申上げておりますように、これは公庫としましては、先ほど御説明しました七億の留保といいますか、節約に伴うものがあるわけでございます。これは勿論解除してもらわなければならないと考えているわけでございます。併し大蔵省としましては、現在の資金の出方から見れば、現在公庫に出て行くはずの金だけで一応この四億も入れて足りるだろうと、こう見ているわけでございます。勿論足りなければ今の解除を行う、更にそれでも足りなければ予備費を出すほかにこれはどうにも仕方がない問題になります。
  96. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それは我々に対する資料説明が違いますよ。予備費から要求中であるという資料になつているんですよ。
  97. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) これは大分前にお出ししたはずでございまして、そのときにはこの通りの予備費の要求をいたしたわけでございます。併し大蔵省といろいろ折衝いたしました結果、今年度分としては四億の事業計画を立てて、そして貸付を行なつてよろしい、その必要な資金は、現在の公庫の持つている金で金の出方から見れば問に合うだろう、こう見ているわけでございます。そういう結論に到達したわけであります。
  98. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 それが逆流するのですよ。そういうふうに措置するためにいろんな、先にみみつちくないと言つたけれども、だんだん過去において金操りの経験を積んで現実を見ますと、そういうこともあるでしよう。併しそのほかにそういう金繰りをしなければならんために、当然住宅金融公庫はもつと活溌に貸付けなければならんものを、無理にそういう金繰りをさせられたために支障を来たす、それは当然そうなつて来るのですよ。そうでございませんか。非常にこれは無理があるのじやないですか。
  99. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 支出義務の生じましたものは飽くまでも払つて行く、そういう方針で参りたいと存じます。
  100. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうもあつちへ行つたり、こつちへ行つたり先を突つついていても私は体系的にわからないから住宅局長にお尋ねしますが、先ずこれは厚生省の所管だろうが、今年災害について応急住宅、これの地方からの要求は、トータルは何戸の要求があつたのですか。そして国としては何戸を認めたのですか。これはあんたのほうに何も来ていない……。来ていなければいい。  では次に、公営住宅と金融公庫から借りて建てる住宅が、これはやはり地方側から要求があつたと思うのです。それで公営住宅分は何戸分の要求になつたのですか、災害復旧のために。それから金融公庫のほうの融資を待つてやりたいという計画では幾らの要求になつたのですか。
  101. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 公庫住宅につきましては、先ほどから申しましたように、岩内町を中心として四億の貸付計画ですから……。
  102. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、そんなことではない。地方から要求のあつたこういう公庫住宅……。
  103. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) ちよつとお待ち下さい。そこで公庫住宅につきましては、その計画に基きまして申込みを取るわけでございます。その申込みはまだ出ておりません。目下申込みをとつておる際でございます。
  104. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 話は逆だ。私たち地方へ行くとだね、住宅問題の解決には、一応応急住宅はこれこれにしたい、それから公営住宅はこれだけ、それから公庫住宅はこれだけ、これで何とか一応しのぎをつけたいということで、上京して陳情して来たとか、本省へ要求して来たとか、各県知事はちやんとそういうことを言つているのです。それで、その地方から生のまま要求されて来たもののトータルは幾らかということを聞いているのです。だんだん四億ということについてはあとから聞きます。
  105. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 答弁が逆になりまして、甚だ失礼申上げました。都道府県の報告によりますれば、大体今度の住宅災害は約二万一千戸。
  106. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、だからそれはあるのです。そうでなくて、そのうちですね、公営住宅で解決したい、或いは公庫住宅として解決したいということで計画を立てて要求して来ているわけです。それの統計で、二万一千九百七十五戸というもののうち、自力でやれるものもあるんだしするけれども、地方地方として公営と公庫住宅で解決したいということで計画を持つて来ている。それを聞いているのです。
  107. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) この二万一千のうち、都道府県が要求しておりますものは、今ちよつと手許資料がございませんが、それに基きまして、この滅失戸数の現地査定をしまして、全部ではございませんが、一部いたしまして、大体滅失戸数の三割に相当するものとしまして、約五千戸、これを公営住宅として二十九年度、三十年度の二カ年に亙つて建設する計画でございます。それから公庫住宅につきましては、只今申しましたように、大体従来の災害実績等を見まして、この際としましては四億円ほどの貸付を行うということできめたわけでございます。
  108. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 四億円分というよりも何戸……、おかしいですよ。金でものを言うとは何事ですか。
  109. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 約千戸くらいになります。
  110. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 約千戸くらい。いや、私の聞くのは、公庫住宅といえども、国が災害のために起つた滅失戸数を何とか建てさせてやりたいという計画によつてやるんでしようから、金でなく、公庫住宅というものは二カ年なら二カ年で幾ら建てなくちやならんと国は考えておられるのか、そういうことを聞いている。片方、公営住宅は二カ年で五千戸と聞いたのですから、公庫住宅のほうは二カ年で幾ら建てるということですか。
  111. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 一応予想といたしましては、滅失いたしましたものの約二割ということで、これに流失、半壊等のうちのものの一部分を加えまして、四千五百戸と予想いたして予備費の要求をいたしましたが、実際の府県の申込みと申しますか、希望と申しますか、それは府県によりまして、住宅課長が口頭で相当数の融資を願いたいと言うておるものもありますし、或いは又知事が参りましたものもございますし、又写真等をつけたのもございますし、或いは又県によりましては、余り来ておらないのもございますので、従いまして、個々の資料はございますが、まだその要求全部をまとめたものとしては持つておりません。それで四億円と申しますのは、千戸分くらいになりますが、そのうちで、例えば北海道等におきましても気候の関係上、本年度から直ちに着工するという計画が立たず、来年度になつてから建てるというものもあるのでありますし、そういうものは来年度に又相当の資金を頂いて賄うということができますわけでございますから、本年度にどうしても北海道その他各地におきましてやるというものは、取りあえずこの千戸、四億円で賄いまして、残りましたものは来年度資金の要求をして手当てをいたしたい、かよう計画にいたしておるわけでございます。
  112. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると公庫住宅のほうは四千五百戸、半壊分等も入れて二割ですか、全体の二割としてみて、四千五百戸要求したのが一千戸ときまつた、こういうことなんですね。それで公営住宅のほうは五千戸ときめてこれを要求しているんですが、これは二カ年間で実際何戸で、金は幾らときまつたのですか。ここにはただ「要求中」とあるので、決定は書いていないんですからお尋ねします。
  113. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 公営住宅について申上げますと、五千戸要求いたしておりますが、これはまだ査定の残つておる分もありますので、最終的にきまつておりません。差当りつなぎ融資としまして一億を出したわけでございます。
  114. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それはだんだんきまれば、五千戸というものがはつきりわかつて来れば、五千戸というものはつなぎ融資になろうが何だろうが、いずれその金は出るということですか。
  115. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 勿論この災害滅失戸数がはつきりしまして、公営住宅は法律によりましてその三割出すことになつておりますから、それは当然出すことになるわけでございます。差当りそれがきまりますまでのつなぎとしまして、つなぎ融資を一億決定したわけでございます。
  116. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると本年度災についての住宅問題の解決は、この五千戸、即ち三割と、それから公庫住宅一千戸、これで一先ず結着する、それでいいんだというのが政府のお考えであると了解していいですか。
  117. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 公営住宅の分は、一応法律でそういうことになつておりまして、今度の災害につきましても、一応この法律通り三割でよかろう、この三割と公庫の分二割と合せまして大体今度の災害についてはいいのではないか。と申しますのは、従来の大体この程度災害につきましては、公営住宅の分と公庫の二割程度を出しておりまして、残るところ五割になりますが、その分は大体自力建設乃至はは親戚に又同居する者も出ましようし、そういうことで大体五割ということで従来の住宅災害に対する対策の方針を立てて参つたわけであります。
  118. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 三割と二割なら、それは従来の通りだということでしようが、三割と二割ではなしにですね、三割と一千戸なんです。だからあなたの言うように三割と二割だからいいのだというなら、四千五百戸のうちの一千戸分は今四億でみましたとしますと、あとの三千五百戸分は今、明年度中にこれをみるのだというのですか。
  119. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 一応そういうことで要求いたしております。大体これは予算の都合で、又公庫の分につきましては申込み状況によりまして、それだけの必要のない場合も生じます。従いまして公庫の分と合せまして、我々の計画は五割でございますが、実際に申込み状況等によりまして、この五割を下る場合はこれはあるかも知れません。
  120. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 都合のいい下る場合のことを考えておるのですが、私は四千五百戸というものは面倒をみるのだ、それが幸に三千戸しか要求がなかつたからあとの分は使わないで済むのだということで計画ができるのだろうと思う。だから申込みがあれば四千五百戸程度はみてやるのだということが国の方針としてなければならんのですが、それがあるのかということを聞いておるのです。
  121. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 私どもとしては勿論そういたしたいと思つております。併し差当り大蔵省と折衝いたしました結果は、今年度分としましては一千戸分、四億がきまつたわけであります。申込み状況等によりまして四千五百戸まで必要になれば、我々としては是非ともそれを実現したいと思います。
  122. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、そのあとの三千五百戸分、災害関係によつて公庫住宅を利用したいというものは、一般の貸付枠の中に来年度以降入れて、一般的な取扱いをするだけでなくて、飽くまでも特別融資でみてやる、こういう方針ですか。
  123. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 来年度ということになつて参りますれば、その来年度資金状況によりましては特別融資をする必要があつて、来年度にきまつた中で賄えるかも知れません。併し来年度の分で賄えなければ勿論特別にその金を用意しまして融資をすることになると思います。
  124. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうするとその一般の要求の中に災害関係のものの要求も入つて来るということになれば、やはり当籤率はだんだん低くなると申しますか、そうなるのじやないですか。
  125. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) これは災害の特別申込みを受けます際に、金の都合もありますけれども、一般よりは優先しまして、同じでなく、この災害復旧の緊急性に鑑みまして、勿論抽籤率等は有利にいたしております。
  126. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう点は一般の利用者にとつては迷惑な話なんです。一般の利用者にとつては、そういう点で私はやはり有利な粋なら有利な枠がはつきりして、こういうものが処理されるように希望したいのですが、そういう意味でお尋ねしておつたのですが。それからもう一つ。この一千戸のうち、岩内の分が四百五十戸か幾ら入るわけでしようが、これは全部防寒住宅ですか。
  127. 師岡健四郎

    説明員師岡健四郎君) 勿論そうなります。
  128. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで防寒住宅一千戸が四億で立つのですか。どの程度の規模の住宅です、これは。
  129. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 一千戸を全部防寒住宅でいたすのではございません。
  130. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 間違いました。四百五十戸だ。
  131. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) これは四百五十戸になりますかどうか、北海道は気候の関係上、もう直ちに着工できるものもございますけれども、来年度に亙るものもございますから、非常に今年度は少くなるのじやないか。従つて年度から是非建てたいというものは本申込みを受付けて、来年度でよろしいというものは仮申込みにしておきまして、そうして本申込みの人だけに資金を出して行くということになつておりますので、本申込みがどの程度になりますかまだ見当がつきませんで、その関係がよくわからないのでございますが。
  132. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それじや私その点は一応伏せておきますが、一般に一戸四十万円という住宅というものはどれだけの規模のものですか。その中に岩内の部分が百戸あろうが二百戸あろうが、防寒住宅を建てるということで四億で一千戸建つのですか。私はそういう点をお聞きしたいのです。
  133. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 大体こちらの貸します単価として平均的に考えておりますのは、建物では十五坪、土地では六十坪と考えております。
  134. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 だから、それが建つの。
  135. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 間違いました。土地は五十坪でございます。それで計算いたしますと、耐寒住宅が二戸大体六十二万円の貸付、木造のほうが土地なしが三十七万円の貸付、こういう状態になつております。従いまして耐寒住宅比率が著しく大きくなりますと、或いは一千戸を割るかとも考えております。
  136. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 もう余り言いたくないのですが、まるで、私たちも世間から聞くのですが、公庫住宅なんというものの貸付というのは、その金で到底建たないのですな、実際は、計画通りに建てるのは。それでもまあ建てている点は、個人的にその上に金をつぎ足して、相当部分つぎ足しているから建てているのですね。そういう点は私は災害にあつて建てる側のものにとつてみれば困る問題だと思いますな。まあ特殊な議論になりますけれども、もう少し私は、インチキだとは申しませんけれども、単に一千戸四億、それで建つのだということで毫語して、そうして一般の零細な資金をそれにつぎ込んで漸く建てさせて、そうしてそれだけは公庫に担保に入つてつて行くのだというようなことは、私らとしてはどうもおかしいと思う。もう少し親切味があつていいというふうに考えますが、最後に住宅局長に、あとで又お尋ねするためにあれしますが、確かに三千五百戸分については極力努力してその需要を満たすようにする、こういうふうにだけは了解しておいていいのですな。
  137. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 本年度の申込み状況を見まして、必要があれば是非とも努力したいと思つております。
  138. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一つお尋ねするのですが、二百億もの貸付をする事業をやつておるところが、その事務費に三十億もかかるというのは一般的なんですか、これは。
  139. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 内容を申上げます。
  140. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 いや、いや私の聞いておるのは、三十億の内訳はこうこうこうこうなんだと言えばそれまでです。私はそんなことを聞いているのでなくて、一般にこういう事業をやるところとして二百億の貸付事業を行うのに百二十億という事務費等とありますが、等のほうが多いと言えばそれまでですけれども、三十億もの金をかけるということがこれは当り前なんだ、しようがないのだというだけのことで済むのかどうかという点です。
  141. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) これは一般的ではございませんで、この事務費等の中には資金運用部に返ります利息が約十九億、それから公共団体等の住宅、金融機関に払います手数料が六億六千七百万円、この極めて大きなものが全部この中に入つております。
  142. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それはどうして事務費というのですか。
  143. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) これは私どものほうの立て方といたしまして、貸付資金とそれから貸付資金から生じました元本をもととして、毎年使い切つて消費して行きます経費と分けておりますので、その経費的な、使い切つて行きます経費の項目を簡単にするために事務費等という、この中に全部入れたわけでございまして、予算は間もなく今後提出になると思います。その予算におきましては細かい細目がございますので御覧頂けると思います。
  144. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると事務経費は幾らですか。
  145. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 事務経費は三億九千二百万円になつております。
  146. 田中一

    田中一君 計画局に伺いますが、岩内町の都市計画ですね、どれぐらいで進めていてどういう計画でいるか一つ。それを今時間もないから図面と資料計画をお示し願いたいのです。  それからここにある事務費が一応三億三千三百万円ですか、ぐらいかかると言つておりますが、いや、これは被害額ですか、そこでどのくらいの金をもつてこの計画をやるか。
  147. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 岩内の災害の復興のことにつきましては二億二千万円で一応完了したいという計画を立てまして、今年度あと僅かでございますが、その間に取りあえず必要な事業といたしまして千九百三十九万円の仕事をしておりまして、これは予備費ですでに決定をいたしまして、現在準備をしております。どの程度進捗しておりますかは図面その他につきましてあと資料で申上げますが、今のところそういうことであります。
  148. 田中一

    田中一君 今の前田君の説明資料も図面に含めて計画全体をお出し願いたいと思います。
  149. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 最後に簡単に一つつておきたいのですが、住宅金融公庫で今までの貸付方法に再検討を加える意思はないですか。さつきも小笠原さんが指摘されたのですが、普通に常識で考えて、公庫の金で家が建つということは非常に困難です。これはよく御承知だと思うのです。これは普通の一般の声ですね。これは八割を大体先ず頭金その他あつて一般の庶民が、又サラリーマン程度の人が結婚して家を建てるということは、これは到底不可能ですよ。私も家を建てて、当籤して作つてみたんです。それはもう公庫だけではとても建ちつこありませんよ。いろいろな借金をして健てなければならんようなあれで、マンネリズムで今のあの方法だけでいいというのでなしに、もつと一般の建ていいふうな方法をもつて今までの実績を再検討しまして、いろいろ一般の要求があるんですよ。そういうことももつと研究される必要があるんじやないかと思うのです。もつと家が建ちいいように、公庫の貸付金についてはそういうことを一つ検討されてないかどうか。今までの方式でいいというのでなく、いろいろ欠陥があるんですよ。具体的に指摘しますといろいろあります。その点一つ検討される必要があるんじやないですか。どういうふうにお考えになりますか。
  150. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 仰せの通り標準建設費なり土地の標準価格なり実情に副わない点がございます。標準建設費は本年度から上りましたのでさほどではございませんが、土地の標準価格のほうがどうしても実情に追いつきません。それかと申しまして、実情に追つつけるほど上げる自信もございませんし、上げますというと資金で建ちます数が著しく減つて参りますものでございますから、今のところ上げることを研究いたしまして財務局等に当つたこともございますが、現在の単価でも相当希望者がまだたくさんあるのであるから、もう少し待つたらどうかという意見もございましたりいたしまして、なかなか結論が得がたい次第でございます。
  151. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつと希望しておきますが、ヨーロツパなんかのできておる住宅、最近中国に私行つて見て来ましたが、それはいろいろなネツクがたくさんありますね。日本はネツクはあるんですけれども、住宅金融公庫の人たちがこれまでの経験を積んで、いろいろな欠陥がたくさんあるんですから、もつと積極的に住宅難を打開するというあれでもつと研究される必要があるんじやないかと思うのであります。ただマンネリズムで今までやつて来たものを踏襲するというだけでなくて、事務当局としてはそういう積極的な案をもつと考えてここに出す必要があるんじやないかと思います。とにかくこういう機会にもこうしたらいい、ああしたらいいということを積極的に我々にむしろ意見を述べられて、そうしてあなた方にできないことは国会等に向つてやる、そのくらいの熱意を示してもらいたいですよ。
  152. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  153. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) 速記を始めて。
  154. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 ちよつとさつきの岩内の公庫融資について簡単に伺いたい。ああいう災害を受けた場合の公庫の貸付の条件というのは、一般の貸付と同じですか。
  155. 岩永賢一

    説明員岩永賢一君) 同じでございます。但し法律で一定の規模の災害の場合には三カ年以内の据置期間を認めることになつておりますので、それを適用し得るものはその条件によります。   —————————————
  156. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) それでは砧の説明を願いましようか。
  157. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) 前回及びそれ以前の委員会におきましても、この砧にゴルフ場を設置する問題につきましていろいろ御質問がございましたが、御手許資料としてお配りいたしてあります内容につきまして、簡単に御説明を申上げます。  先ず第一に、この緑地の沿革でありますが、これはこの前の委員会でも私から申上げました通り、紀元二千六百年の記念事業といたしまして決定をいたしまして、爾来昭和十六年の十二月まで、この事業の主体に当りました東京都がこの関係地域の土地買収の手続を進めたわけであります。その際におきます面積が二十三万坪ということになつております。終戦後におきます措置といたしまして、戦時中のこの砧緑地の利用につきましては、この前も申上げたかと思いますが、グライダーの練習地等に利用され、或いは一部青少年の訓練用の地域として利用されるような時代がございました。終戦後におきましてのこの土地の利用でございますが、戦時中からの農耕地に一部食糧増産のために提供されておつたわけでありますが、二十三年の十一月に自作農創設特別措置法によりまして、農地に解放されることになつたわけであります。その解放されました面積が十万坪、緑地として残りました所が約十三万坪ということに相成つておるのであります。  こういう沿革を辿つておりますので、勿論この緑地の所有権は東京都が持つておるという状況に相成つております。  土地の利用状況、緑地の整備事業の経過でありますが、戦時中の問題につきましては、只今申上げましたように練成場それからその後におきましては臨時食糧増産のための耕地としての転用を余儀なくされておつたよう状況であります。終戦後におきましても農地解放の結果を待つという意味からいたしまして、緑地の整備事業は一時中断しておつたよう状況であります。二十四年度から公共事業、失業対策事業その他の事業費を注ぎ込みましてこの整備に着手をいたしておつたわけでありますが、併しこれも予算的には極めて少額な程度にとどまつておりましたために、この緑地の整備事業の進捗は必ずしも捗つてつたよう状況にはございません。  ところでゴルフ場の建設につきまして承認申請が出まして、これに対する処理方針を東京都として立てる段階に至りましたその後の経過を簡単に申上げます。  昭和二十六年の四月に東京急行電鉄株式会社から砧緑地内にゴルフ場建設の承認申請が出たのであります。この趣旨は、都民のレクリエーシヨンと会社の、東京急行の経営になつております玉川線の沿線の開発事業の一環としまして会社自身でこのゴルフ場の建設をし、工事が竣工した上はその施設を都に寄附して、この寄附した施設については経営の委託を受ける、こういう趣意の申請であります。これに対しまして東京都といたしましては、この取扱いにつきまして、建設省の意見を質して参つたわけであります。これに対する建設省の回答の趣意でありますが、先ず一つの条件といたしましては、緑地面積の六〇%以内にとどめてもらいたいという点、それから入場料の決定その他重要手続については、一々建設省の事前の連絡、承認を得てもらいたい。なお仮に東京都の直営という方式のほかに委託経営方式を考えるということであるならば、これについては信用確実な法人につきましてその管理の委託をするような慎重な配慮をとつてもらいたい、なお委託経営の内容その他については十分検討し、都との連絡の上でその公正な決定が行われるような方法にしてもらいたい、こういうことの希望意見を立てましてこれを東京都に回答いたしたわけであります。で、その件に関しまして公園審議会、これは東京都の内部にございます一つの公園の管理上の適否を審査する審議会でありますが、これが三月九日、結論として以下のような決定をいたしました。即ちその一つは、都の周辺地域には、都民レクリエーシヨンのため、又観光施設の一環としてのゴルフ場の建設は必要である。で、砧緑地はその候補地として適当であると認める。  それから第二の点といたしまして、施設は都営のゴルフ場として、一般公開を原則にするということ。  第三点といたしまして、経営方法については会員制、いわゆるメンバー・シツプにしないでこれを公開、パブリツクにする方法によつてもらいたい。こういう三つの条件をつけまして審議会は結論を出したわけであります。  そこでこれに対します都の対策でありますが、処理方針でありますが、先ず第一の問題といたしましては、ゴルフ場の建設の寄附を如何なる方法において受領するかという案を立てております。その内容といたしまして、ゴルフ場の建設、これは全緑地面積の六〇%以内という条件で私どものほうの意見を立てております。それに対応いたしまして七万六千坪としてもらいたいということ、それから建設費は時価にいたしまして七千万円を目途とし、時期、設計については都の承認の下に立ててもらいたい。それからその次の問題としては、設置区域内の離作、或いは支障物件の移転、撤去については、会社の責任で処理するが、これについては都の指示に従つて、これに対する経費は一切出願者の負担としてやるべきである、それからその次の条件といたしましては、工事が竣工した直後においては、直ちにこれを都の施設として寄附する、それから、都は寄附の受領後、会社に対してゴルフ場の経営を委託する、ゴルフ場施設内でのゴルフ場経営に伴う食堂その他ゴルフ場施設に必要な最小限度の施設経営を行うことをこれを承認する、こういうことであります。  第二の問題点といたしましては、ゴルフ場の経営委託に対する方針であります。ゴルフ場の経営を会社に委託する、但し東京都といたしましては、ゴルフ場施設の管理権は勿論行使できる建前とする、それから第二点としては、ゴルフ場の経営に要する経費は、一切委託を受けた会社側の負担である、第三点は、都は会社に対して委託料として、ゴルフ場施設を使用する……一般公開制にいたしますが、そういう都民が使用料を払います、その使用料の総額の百分の九十はこれを会社の委託費としまして支払う、委託経営の内容についてはおおむね次の通り考えて行く、会社は都の定める条例によつて経営してもらいたい、会社は事務所を設けまして、責任者或いは経営に必要な人員、什器類を整備をする、それから施設の維持改善については責任を持つ、施設の使用者の接遇に対する業務は会社においてこれを管理する、なおその次の問題といたしましては、ゴルフ場内の建造物については、火災保険契約をして、寄附した施設の保証を確実にしておいてもらうということであります。それから東京都の許可なくして、この目的外の使用、即ち転用或いはこの委託経営権の権利、義務の譲渡は許さない、それから委託期間は十年、委託契約に違反した場合、或いは経営上極めて不適当と認められたときは、いつでも契約を一方的に解除する。これによつて生じた会社の損害に対しては賠償の責に任じない。  これを許可するとすれば、以上のような方針が考えられるということでありますが、これにつきまして、只今田中委員からもお話がございました通り、都議会の建設委員会でこの内容について審議をしてその結論を出そう、こういうことになつておるわけてあります。
  158. 田中一

    田中一君 曾つてつた駒沢ゴルフ場ですね、これはこの地点ですか。
  159. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) 非常に近い場所にございますけれども、同じではありません。別の場所でございます。
  160. 田中一

    田中一君 それから等々力のゴルフ場ですね、あれは建設省が戦時中に買上げたのですか、防空研究所の……。
  161. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) 詳しく経緯は存じませんが、あすこは防空研究所の要地になりまして、その防空研究所というものの機関を建設省が所管することになつておりましたので、その要地を建設省所管の国営地として引継いだわけであります。
  162. 田中一

    田中一君 もう一つ伺いますが、東急が今まで持つてつた土地が、戦時中強制収容じやないでしようけれども、やはり国の必要のために国に譲渡したということがありましたかどうか。駒沢のゴルフ場はたしか東急がやつてつたと思いますけれども、あの跡はどうなつていますか。
  163. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) これは詳しい内容は、私も資料を持合せておりませんので、お答えできないのでありますが、そのゴルフ場は戦時中に防空陣地その他の関係から、これをやはり強制的に買上げられたと思つております。その後におきましては、これは御承知ように農地解放に至りますまでの間、緑地計画の中に、これも入つてつたと思います。その後これの利用については、一部は野球場施設等に利用された部分がございます。そのほかは農地として、たしか解放せられた結果になつたかと思つております。
  164. 田中一

    田中一君 恐縮ですが、もう一遍その資料を出して頂きたい。それは御承知ように、戦時中に強制収容というか、強制的に取られた土地がたくさんあるのですが、それが今どうなつたか。詳細わかりませんけれども、少くとも今度出願している東急が戦時中に自分の持つている土地を強制的に取られたという事例があるならば、これは一応考えなければならん点があると思います。その点先ほどの駒沢ゴルフ場並びに等々力のゴルフ場ですね、ああいうものが東急の所有しておつたものが、どういうことになつて今日に及んでいるか、或いは強制的な農地解放によつて分割されてしまつたのかどうか、そういう経緯をお知らせ願いたい。それからこの間お聞きしたように、この周辺における東急の所有地、これは無論自然の値上りがすると思うのです。その点について、どのくらいのものを東急が持つているか、これもお調べ願いたい。それから今日玉電、玉電というのは東京周辺の一番混む電車です。これ以上混む電車はない。従つて東急という電鉄会社は、玉電沿線でもつて大部分の収入を上げておる。従つて、区民は非常に迷惑しておる。御存じのように道路も狭くて、その上に電車がひつきりなしに出ておる。そういうものの改良もしないで、なお人をあすこにレクリエーシヨンとして入れるということになりましたら、これは道路というものが死滅しますよ。これは政府としても検分なすつて、実地調査なすつて見て頂きたいと思うのです。従つて、東急のほうではあの路面電車に対してどういう輸送計画というものを新しく立てているかどうか。その問題をあなたのほうから一つ、聞いてもらつても結構ですから、お調べ願つて資料としてお出し願いたいと思います。
  165. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 建設省に照会があつたときの回答として「経営は直営を原則とするも、入場料の決定その他重要手続を除いて、確実な法人等にその管理を委託することは支障なく」と言つてあるのですが、その「確実な法人等に」ということで言われておるその法人というのは、東急からの申請があつて、こういう問題に発展して来たことを承知の上ですから、会社法人としての東急にやらせても差支えがないだろうという見解があつたわけですか。
  166. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) この委託経営を受けるとすれば、多分施設を寄附する会社がそれとの関連する条件の下において委託を受けるであろうということを想像いたしておりました。併し仮に施設を寄附するという法人にいたしましても、それからそれによつて引続いて経営の委託を受けるという法人にいたしましても、信用確実なものであつてほしいということが私どもの希望であつた。それについては、従つて信用がどの程度のものであるかどうかということは、従来の関係にかかわりなく、公正な審査の上で決定してもらいたい、こういう考え方であります。
  167. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 昭和二十八年十一月にゴルフ場の設置及び経営に関して意見を求められた場合のその照会の中には、東急からの申請があつてこういうことになつているという事情は内容として説明されておつたろうと思うのですね。そうすると、この本体は東急から起つた問題ですから、それに対しての処理上のアドヴアイスを求められているのですから、東急にやらせても差支えないということが考えられなければ、具体的な問題としては発展しないのですから、従つてそういう意味合いでこの文面を読みとつてもよいと、回答の文面は読みとつてもよいと考えているわけですが、それでいいんでしようか。
  168. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) その通りでございます。
  169. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、この公園審議会のほうは、何ら具体的な申請しているほうの問題については決定してないで、都民レクリエーシヨンのために観光施設の一環として、最初からゴルフ場の建設が適切なものであるというふうに出て来ているわけですが、そうすると、これは利益を追求するためでなくて、本当にこれは東急というものはサービスのためにこういうことを発意したと建設省側はおくみとりになつたのですか。
  170. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) その点が私どもの審議の上で一応問題にした点でありまして、施設を無償で寄附して、相当六千万円程度の施設費がかかるわけであります。
  171. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 大損害だな。
  172. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) それを相当覚悟の上でレクリエーシヨンのために出すという奇特な(笑声)会社の趣意であれば、勿論それを受入れるのにやぶさかでないことは当然であります。それから一方においては、かようなゴルフ場の経営というものは、公共団体が直接経営するのがいいのか、こういう民間会社に経営させるのがいいか、そこにはサービス面その他からいろいろ見方があろうと思うのです。実費を償う意味において委託経営を受けるということ、これに対する又料金なり、使用料なり何なりについて公開制の原則をはずさない程度においてこれも委託を受けて行くということで、そういう条件を呑むことによつて東京急行が受けるということであれば、これは又拒否する趣意のものであるはずではないと私どもは考えているわけであります。ただ、ここにも東京都が立てた条件、これもかなり厳しい条件であります、委託経営を受ける側にとつては。かような条件の下に経営を受けてやるという契約関係が立つて、それを私どものほうに持つて来るならば、これについては私どもも又それを認めるのにやぶさかでない、かよう考え方で飽くまでも来ているわけであります。それに附帯して如何なる……田中委員からもお話ございました、それは他にこれに見返る何といいますか、東京急行としては別の、何といいますか、地元の開発事業その他によつて見返りを受ける他の目的があるのじやないかということもいろいろ御指摘になつているようでありますが、これは私どもまあ東京急行がどの程度のあの周辺に土地を持つているか、又それによつてゴルフ場の施設を中心として電車収入、ゴルフ施設の収入ではなくて、東京急行の経営しておるこれの事業収入でもつて、何といいますか、負担の別途の補いをするということも考えられないではないというふうなことも、この審査の際には考えておりました。いずれにいたしましても、併しここにありますように、東京都内に東京都が直営でゴルフ場を持つか、或いはかよう一つの都民の何といいますか、利益を中心とした委託経営方式で行われるか、そういうことが可能ならば、これに対しては私どもは拒否すべき理由はない、かよう考え方で今日まで来ておるわけであります。
  173. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ただ経営委託の条件ですね、ここに示されているのは都の理事者側の案ですか、今の建設委員会で審議されつつあるというのは。
  174. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) さようでございます。
  175. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは非常に厳しいということをあなたは言つておられますが、使用料総額の百分の九十を支払うというふうに絶対的な数字をもつて決定しておりますが、百分の九十ということが経営費のどれだけに見合うものかどうかということも全然わからない。これから逆算して使用料がきまつて来る。実態に基いてだんだん使用料がきまつて来て、バランスがとれるようになつてつて行くんだということになつて来るようにも思われるのですが、どうしてこれはどれだけの収入があるかも何もわからんのに、あつてもなくても……。百分の九十というのは、これはどういう根拠なんでしようか。あなたのほうで御承知なければ結構です。
  176. 渋江操一

    説明員(渋江操一君) この使用料収入の百分の九十という数字を出しておる根拠、これは私ども十分承知いたしておりません。それからこの百分の九十を立てる際の、つまり経営費の見積り或いは使用料額をどの程度にするかという算定の基礎、これらについてもまだ十分承知をいたしておりません。従つてような個々の問題点については、なお検討する余地はあるというふうには考えます。
  177. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは私見に亙るようで、思いつきですけれども、厳しい厳しいと言うのは、私は厳しいものだとは思わない。百分の九十の、九十のほうの経営費を割出して、それから百分の百を割出して、それから入場人員を総計したもので使用料を割出して行けば、これはこれで結構成立つ。或いは成立つて行くのに近い金額が生れるのではないかと思います。又経営委託の期間を十年とすると言いますけれども、一旦契約した以上、何ら特段なる事情がない限り、十年後もやはりこれは委託を受けるという結果は実際上もあり得る。よそには渡らんと思います。これは永久不変のものと考えて間違いないようにも思われる。なかなかこの会社としては私は奇特なお考えではあるが、会社だから、これはやはり営利を追求しているのでしようから、ただごとでこういうことをやつているものだとは思われないが、これは都議会のほうの問題ですから、これだけで終ります。
  178. 堀木鎌三

    委員長堀木鎌三君) では、本日はこれを以て散会いたします。    午後一時十九分散会