○石川榮一君 この農産物の増産を主目的になさるということを伺
つておりますが、北上川にいたしましても利根のような川にしましても、その他の重要
河川を含む総合開発
計画の主なる目的は、やはり
災害防除は消極的ではありまするけれども、食糧を確保するということであり、更にその高度の水の利用によりまして畑地潅漑或いは用排水の完璧を期するという面から、大きな食糧増産を狙
つておるわけであります。でありますから一部的に
ちよつと見やすい点から考えますれば、或いは農林省の
所管でありまする用水
事業等のものが取上げられると思うのですが、大きい目で見ますれば、この大きな特定
地域として指定しておりまして、すでに問題とな
つておりまするようなものにつきましては政府におかれましても一つ本腰を入れてお
調べを願いまして、その食糧増産がどのくらいになるかということは計算の上で現われる。恐らく北上川でも三十万石から三十五万石の増産は見られるのです。利根川でも六十万石の増産は見られるのです。それは
災害防除もできる、そうい
つた点を考えまして、全部に亙
つてやるということはできませんが、最も特定的なダムなり或いは排水
事業であるというような点につきましては特に重点を置いてお
調べを願いまして、そういう面にも世界銀行とは言いませんが、いわゆるMSAによる過剰小麦の円資金、あれらのものを利用ができるように政治的な折衝をしてもらいたい、かように考えるわけです。
それからもう一つ考えておりますことは、現在の治山治水というものは非常に御
承知のように圧縮されておりまして、百年河清を待つというようなことでありますことは御
承知の
通りであります。このままで推移いたしますれば、いつまでたちましても
災害は防ぎ得ないというような
状況にありますので、
予算で以て十分に賄いができないという
見通しがあるならば止むを得ませんから、私どもは国民の協力を得まして、各水系ごとにいわゆる治山治水公債、総合開発
計画によるところの総合開発公債というような特殊なものを
計画せられまして、そうして沿岸民の協力を求め、それによる資金と政府の資金と、更にできますれば過剰小麦の円資金による外資の利用というようなものを含めまして、少くともここ十年乃至十五年のうちには大体の大
河川の治山治水は完璧が期せられるというような大きな一つ
考え方をと
つて頂いて御研究を願い、立案をしてもらわなければ、いつまでた
つても私はいたちごつこでありまして、
台風にばかり怯え、
台風によ
つて年々数千億円の損害をこうむることは火を見るよりも明らかであります。ここで一つ大きな政治的な狙いからそういうものを取上げて頂くことが私は大事だと思うのですが、中には建設公債は恐らく応募者はあるまいと言われておりますが、これは
方法によ
つてはあると思うのです。少くもその
河川々々には相当に熱意のある衆参議員もおることでありますから、又知事や、その他の治水団体もありますことですから、これらを動員しますれば或る
程度の住民間の公債の応募も期待ができるのじやないか、そういう点において治山治水の完璧を早期に実現するという目標を立てて頂きたいと思うのですが、その点についての御所見を伺いたいと思います。