○
政府委員(楠木正康君)
只今御
指摘の点に対してお答えいたしたいと存じますが、先ほどお話のように、二十八年度から厚生省といたしましては、竣工認定を持たずに
補助金を
執行することといたした次第でございます。と申しますのは、
只今会計検査院からも御
指摘がありましたように、
補助金の
執行には厚生省が全
責任を持
つておることは申すまでもございません。従いまして、例えますれば、この
予算の
査定をいたしますにも実際には多くの場合課員が出張いたしまして、現地も見て、実際に指導もし、又工事の内容も見る場合がしばしばあるわけでございます。従
つて実際にはおおむね仕事の
状況というようなものもつかみ得ておるわけです。又一方
計画を立てます場合にも、これは工事内容或いは年度
計画というようなものが明らかにな
つていなければ総合
計画は立てられません。従
つてさような観点からも、厚生省におきましては、工事の内容がわか
つておるわけであります。そこで従来の例から見ますると、竣工認定は建設省にお願いしてある、こういうふうな立場で、とかく両者の
関係が連絡を欠く場合に、
只今御
指摘のような会計法上の批難も生れて来るのでございます。そこで私
どもといたしましても、大体工事の進捗
状況、適不適というようなことは或る
程度わか
つておらなければ、
予算の
補助は勿論のこと、実際問題として
計画が立たんので、そこで今後はかような点は一応在来
通り実際的に工事の内容を知悉しておる、理解しておるわけでありまするからして、あとは形式的には
書類の
申請、工事竣工届のようなものを提出させまして、これによ
つて補助金を
申請することとした次第でございます。
なお、
只今も御
指摘がありました、当該年度のみに限
つて、この
計画変更を認めるということは、これは御
指摘の
通りでございまして、今後私
どもは厳格にこの方針を進めて行くつもりで現にさようにいたしておる次第でございます。
次に、第二点の御
指摘の共管にはどこに不便があるかという御質問でございますが、共管というものが一体どういうものか、
ちよつとはつきりいたさないのでありますが、これは御
指摘の点はよくわかるんですが、共管というものは二様に
考えられるのであります。単にこちらが起案いたしまして
会議をしなければならんことも、これは共管であります。ところが水道の場合には
一つの体を二つに切
つて、一方をどこがやる、同じ体を他はどこがやるというような恰好にな
つておる共管であります。そこで私
どもはまあ
会議をする共管というふうに理解いたしたのでありますが、現在はさようでなくて、同じ体を二つに切
つてそれぞれ別に管理されておるというような
状況でございますが、そこで更に具体的な不便は何かという御
指摘でございますが、これはいろいろございますが、大きく分けまして、第一に
事業を実施いたします市町村がこの
申請をいたしますにも、或いは認可をもらいますにも、同じようなことを厚生、建設両省に、全く同じことを
陳情もし、
書類も出さなければならん、場合によ
つたら一方にだけ顔を立てておると、却
つて睨まれて困るだろうというようなことで、両省の公平な判断を待つように非常に気も使うということを聞いております。つまりこのために市町村のこうむる不便迷惑というものは、極めて大きいものがあるだろうと存じます。つまり市町村側から見た
一つの大きなここに迷惑、不便というようなものが
考えられます。
第二には、厚生省にも水道課がございます。そうして技術官を
課長として何人かの専門家が従事いたしております。建設省にも同じように水道課があ
つて、大体人数も同じように記憶いたしておりますが、従
つて完全に事務が重複いたしております。ここに国としても
一つの無駄と申しましようか、仕事の重複、事務の重複というものが避けがたい
状況にあります。勿論現在のところは、工事の面と、それから事務と申しますか、総合
計画と申しましようか、
計画面と分けてございますが、工事を離れた
計画というようなものは、先ほど竣工認定のところで申上げましたように、これは工事を
執行するのに、内容がどうかわからずに工事の
執行もできませんので、当然これは事務が重複して参ります。つまり事務の重複ということであります、
それから第三番目に、勿論私
どもは建設省とは常に連絡を密にとるように努力もし、又現在さようにお互いに協力し合
つて仕事を進めております。併し何分にも全く全然別な指揮系統にあるところの両省のことでありますから、これは同じ省内或いは同じ局内というようなふうな円滑な連絡のできないことは、これは当然であります。そこで連絡の不十分からして、いろいろ同じ
一つの体が別に管理されておる、その間が必ずしも十分なる連絡ができていないというところに、これは大きな無駄があるばかりでなく、又仕事の能率も著しく下げるきらいがあります。つまり連絡の不十分から来る事務の非能率化ということが言えるだろうと存じます。
それから次に第四といたしまして
考えられますことは、私
どももいろいろ
計画その他をいたします場合に、建設省にもよく御意見を伺います。ところがこれはどちらが正しいかということを申上げるのではなくて、私
どもは例えば水道というようなものは国民生活というような面から強くこれを
考えるわけであります。これはいいか悪いかは別といたしまして、例えば非常に不衛生な地区である、水に不便をしておる、つまり国民生活の
一つの動脈であるというふうに
考えて水道を
考えたいと存じます。ところが勿論水道というようなものは、これは必ずしも国民生活だけに関連があるのではなくて、場合によ
つたら工業用水にも
関係がございます。そこでどうしてもこの両省の物の
考え方というものに幾分のズレがあるのじやなかろうかということが
考えられます。併しこれはどちらの
考えが正しいかということを私ここで申しておるわけではございません。ただ国民生活を担当しております厚生省としては、当然国民生活を先ず第一義的に
考える。これは当然なことだと存じます。ただこれは役所の性格がさようにさしておるのだ。そこで
考え方の相違というようなもののために、
一つの何と申しますか、これは前者の第三に関連するかも知れませんが、
一つの矛盾と申しますか、円滑を欠くというような点が出て来る、こういうようなことが
考えられるわけでありますが、併しこれらの点は勿論私
どもといたしまして、同じ
政府の両省でありますので、今後一層連絡に努めまして、かような不便な点をできるだけ少くして、国民のために今後来るべき、而も最近全国的に要望されております水道の拡充に処して参りたい所存でございます。