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1954-03-12 第19回国会 参議院 決算委員会決算審査に関する小委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年三月十二日(金曜日) 午後一時三十五分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
谷口弥三郎
君
委員
植竹 春彦君
飯島連次郎
君 岡
三郎
君 東 隆君 山田 節男君 菊田 七平君 平林 太一君
政府委員
文部大臣官房会
計課長
内藤誉三郎
君
文部省管理局長
近藤 直人君
事務局側
常任委員会専門
員 森
荘三郎
君
常任委員会専門
員
波江野
繁君
説明員
会計検査院事務
総局検査
第二局 長
上村
照昌
君
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
昭和
二十六
年度
一般会計歳入歳出決
算(
内閣提出
) ○
昭和
二十六
年度
特別会計歳入歳出決
算(
内閣提出
) ○
昭和
二十六
年度
政府関係機関決算報
告書
(
内閣提出
) (
補助金関係批難事項
に関する件)
—————————————
谷口弥三郎
1
○
委員長
(
谷口弥三郎
君)
只今
から第九回
小委員会
を開催いたします。 本日は
文部省所管補助金関係事項
四百六十一号から四百六十四号までと、
文部省関係
の
補助金
につき、その不当事実
発生原因
と
防止対策
について検討を進めたいと思います。これらにつきまして、先ず
専門員
から問題の
所在点
について
説明
を願います。
森荘三郎
2
○
専門員
(
森荘三郎
君) 直接に議題とな
つて
おりまするものは、二十六
年度
の
決算検査報告
四百六十一号乃至四百六十四号でございますが、これらの
内容
は
当該年度内
に完成することを条件として
補助金
を交付するものであるのに、
年度
を越えた四月に至り、まだ
事業主体
である
地方公共団体
が
年度内
に
工事
に着手さえしていなか
つた
ものに全額の
補助金
を交付したと
言つて
この四件が上げられているのであります。これにつきまして
当局
からの
説明書
のほうには、すべてこれらの
地方
において、
地方
の
財政
の逼迫ということが主な
原因
であ
つた
が、
補助金
をやらないとすれば、ますますその
仕事
が遅くなるので、
補助金
をや
つて
それで以て
地方
の
事業
の
促進
をさせようというような含みもあ
つて
、このようなことにな
つたの
だが、規則から言えば、誠に適当でなか
つた
ということが弁明されているのであります。 附加えて申上げますが、その中の四百六十一号の群馬県のものにつきましては、
説明書
のほうに多少は
基礎工事
をや
つて
お
つた
というふうに
説明
してございますが、その後
当局
においてよく
調査
をして見た結果、これはやはり
誤り
であ
つた
。若干整地を実施した
程度
のことであ
つた
ことが明らかになりましたので、全く
検査院
の御指摘の
通り
でありまするから、この
説明書
はどうぞ御
訂正
をお願いいたしたいということが申出られてございます。それで二十六
年度
だけを見ますると、今申しましたようなわけで、もう事柄はわかり切
つた
ことのようでありまするが、
文部省関係
につきましては、昨年の夏いろいろな
法律
が新らたに
制定
されましたので、今後はその
法律
に
従つて
運用されて行くことになりまするので、それらの点を併せて御
審議
を願いますれば、今までどういうわけでどこに
欠点
があ
つた
か、又今後の運用についてどんなところを気をつけなければならないかということもよくわかるだろうと思いまするので、それで
別紙
に
ガリ版刷
で
赤鉛筆
で3という
番号
を打
つて
おきましたが、それを中心にいたしまして、前後の
事情
を御
説明
申上げたいと思うのでございます。 先ず
補助金関係
の、
文部省関係
の法令を見ますると、第一に
公立学校施設費国庫負担法
というのが、昨年の八月にできまして、これに対する
施行令
が同じく十二月にできて、それから
危険校舎
、大変古くな
つて
もう風でも吹けば倒れそうなというような
危険校舎改築促進臨時措置法
というのが同じときにできております。又昨年の六月乃至九月には風水害などがひどか
つた
ものでありまするから、それに対する
特別措置法
が同じときにできているのでございます。こういうふうのものが現在あるということを申上げておきます。 その次に
公立学校
の
整備
又は
災害
の
復旧整備
と申しまするのは六・三制なぞの
施行
を急ぐものでありまするから、
校舎
が足りない。それを建てなければならない。なおほかに、
災害
の
復旧
という問題もあります。それらに関しては従来は
地方財政法
の第十条などに、これらの
費用
については国と
地方公共団体
とがその
費用
を分担すべきものだというような
規定
がありまするので、ただそれの
規定
に基いて
文部省
の
予算
に相当な
金額
が計上されており、それに
従つて補助金
といいますか、
負担金
といいますか、それが支出されてお
つたの
でありまするが、別段
法律
の根拠があ
つて
、
手続
などが厳格に定められてお
つた
というわけではなか
つたの
であります。わかりやすく申せば、もう普通の従来のあり来たりの
事務
を
常識判断
で適当に処理をされてお
つた
と、こう申しても悪くないかと思われるのでございます。ところがようやく二十八年の八月に前述の諸
法律
が
制定
されて、その
施行令
も次第に定められて、それをば四月一日に遡
つて
適用されたのであります。一番根本になりまする
公立学校施設費国庫負担法
のごときは、その
施行令
は二十八年十二月にな
つて
公布されているのでありまするが、それをその年の四月一日に遡
つて
適用するというようなわけなのであります。その
内容
を見ますると、大体において
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法
、これはもうすでに御
審議
になりました
建設省
若しくは
運輸省
などの
災害復旧
に関する
法律
、あれを
母法
といたしまして、それに準じて多少の
訂正
を加え、
実情
に即するように多少の
訂正
を加えて
制定
されているわけなのであります。これらの
法律
につきましては、その必要と思われる個所を別に
ガリ版刷
にいたしまして数日前にお手許へ差出しておきましたから、それを御参照願いたいと存じます。 さて、
昭和
二十六
年度
の
検査報告
に掲げられておりまする
不当事項
の四件は、
只今
申上げましたような次第なのでございまするが、そうすれば、止むを得ない
事情
があれば、
繰越手続
をとりさえすればよいじやないかということにもなるわけであります。この
繰越手続
につきましては、古くはなかなか
繰越
は許されないというような厳重な制限があ
つた
ようでありますけれども、二十七
年度
からは、この
文部省
のこれらの
補助金
に関して、
明許繰越
という
方法
が
予算
の上にとられたのでありまするが、
繰越
の
手続
の上からいえば、極めて楽に
なつ
たわけであります。許されるやら許されないやらわからないという
心配
はなく、当然許されるということに今
なつ
たわけであります。併し当然許されるとは言うものの、いろいろな
手続
がありまするので、例えば前
年度
に受けておいたその
補助金
は、一旦
国庫
へ返して、それを次の
年度
にな
つて
又改めて受取るとい
つた
ような、
手続
上の問題も相変らず残るんだということであります。そんな場合に、
財政
の困難な
地方公共団体
におきまして、或いはその金がほかの必要な
事業
に流用されておる、現金で
国庫
へ一応返さなければならないというときに、何か困るようなことでもありはしないかという点はないわけじやございません。
明許繰越
に
なつ
たから楽にはなりましたが、全然どんなことをしてもよいというようなわけではないということを申上げておきます。 それから
只今
の直接の議案は二十六
年度
の四件でありまするが、
先ほど
から申上げましたようなわけで、過去においてどうであ
つた
か、今後この新らしい
方法
がどう動いて行くかという点などをみますと、幸い二十七
年度
の
検査報告
がすでに付託されておりまするので、それをも併せて御覧下さいますれば、問題の
所在
をとらえるのに御便宜だろうと思いますので、ついでに申上げますが、二十七
年度
の
検査報告
の百四十二ページ以下に掲げられておりますが、
不当事項
は二十六件ございまして
番号
は五百七号から五百三十二号であります。それには二種類ありまして、
一つ
は被害を過大に
取扱つて補助金
を受けて、その金で以て新築又は
改築
したものというものが上
つて
おります。それから次には
補助対象工事
の実費が
補助基本額
に達しないもの、ちよつとその
文字
を読んだだけでは少し頭へぴんと来ませんが、要するに実際に費した
金額
が少くて、当初の
設計
に大きい
金額
を書いておいたので
補助金
がたくさんやり過ぎにな
つて
おると、こういうふうに見ましても必ずしも悪くはないのかと思われます。若し私の今申上げましたことが、そう簡単に解釈されてはいけないという点でもございますれば、どうぞ
当局
なり
検査院
のほうから
あと
で御
訂正
を願いたいと思います。とにかく、二十六
年度
に批難されておりまするものとは
性質
が全然違
つて
おるのであります。
検査報告
に記されておる
文字
を見ましても、これらの
原因
は、
事業主体
の作為によるもの、或いは
文部省
の
指示
が不明確であ
つた
、と言いまするのは、当時の
文部省
の
指示
によりますると、
建物
の破損の
程度
を幾つかに分けまして、全壊、
大破
、中破などというような
工合
に
建物
の損壊の
程度
を分けて、この
程度
のものにはどの
程度
の
補助
をやるというようなふうに
なつ
たものであります。
大破
と言いましても、中破と言いましても、その区別をどこへ線を引くかというようなことについて、
見方
によ
つて
何とかこじつけの理窟のつく点もありましようし、又その点を
文部省
のほうから各
地方
へ
はつ
きりと
指示
されていなか
つた
というきらいもないではない。なお
現地調査
の不十分であ
つた
、又その後にな
つて
の
是正監督
などが不十分であ
つた
というようなことが、二十七
年度
の
検査報告
に記されているのであります。 それで新たに昨年
制定
されました
公立学校施設費国庫負担法
その他のものを見ますると、これは八月に
制定
された、
法律
の
制定
それ自体が
年度
の中頃であります。いわんやその
旅行令
がなければ実は
法律
は動いて行かないわけでありまするが、それが十二月にな
つて
制定
されて、それをその
年度
の初め、四月一日に遡
つて
適用するというようなことにな
つて
お
つたの
でありまするので、二十八
年度
はこの
法律
の適用があ
つた
と
言つて
もよし、なか
つた
と
言つて
もよいというような
事情
でありまして、本当に正式にこの
法律
が適用されるのは二十九
年度
以後のことと思われるのであります。そうすれば、従来これらの
法律
の
制定
前にはどんな
工合
の
手続
きで行われていたかということを
一つ明
かにいたしたいと思うのでありまするが、それにつきましては
別紙
に
赤鉛筆
で二と書きましたそれがございまするので、それを御参照願いたいと思いまするが、それには真中のところに、この
法律制定
後、今後はどういうふうになるかということを記され、下の段にはこの
法律制定
前に事実上
行なつ
ておられたその取扱いがどうであるかということが比較対照されているのでございます。 それは暫く別の問題といたしまして、然らば今後この新らしい
法律
がどんな
工合
に動いて行くであろうかという点を申上げたいと思います。この
法律
は、大体において
公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法
、即ち
建設省
なり
運輸省
なりの
災害復旧
におけると同じようにな
つて
おりまするが特に注意すべき点を挙げますると、先ず第一に、
事業主体
はどこまでも
府県
若しくは
町村
が
事業主体
なのでありまするが、
建設省
などの場合を見ますると、
府県
の
責任者
としては
知事
がその
責任者
になる。
町村
の
責任者
は
町村長
であります。この場合には、
教育委員会
というものが御承知のようにできております。その
事務
は、いわば
知事
なり
町村長
に当りまするものの立場を
教育委員会
が占めておると、こういうことにな
つて
いるのであります。
昭和
二十三年から、この
ガリ版刷り
に二十六年と書きましたのは書き
誤り
であります。
昭和
二十三年から都道
府県
、
五大都市
には
教育委員会
が設けられた。それから二十七年頃から市
町村
に
教育委員会
が設けられて、
教育行政
に関する
権限
はこの
委員会
のほうへ任された。
従つて
、
知事
なり
町村長
には
教育行政
に関する
権限
がないということに
なつ
たわけであります。そこのところが著るしい特色なのであります。 次に
補助金
をもらいたいというならば、
町村
の
教育委員会
では
計画書
即ち
補助申請書
を作成して、それを提出するということになるわけでありまするが、
町村
でさえもそのような面倒な
設計書
などを作ることが可なり
技術
的に、
建築
その他の
技術
の方面からみて困難であろうと思われまするが、いわんや、小さい
町村
の
教育委員会
にそれだけの技師がいるであろうかどうであろうか、その点が先ず第一に問題となるのではないかと思います。
府県
の
教育委員会
のほうにつきましても、これが
知事
の
職責
でありますれば、
県庁
にいろいろな
技術者
がおられまするけれども、そこから離れての
府県
の
教育委員会
となりますると、どの
程度
の
職員
がおられるか、詳しくは存じませんけれども、いずれにしても規模の小さいもの、殊に
技術
上の点においては
能力
が十分にあるかどうか、それから次に
町村
の
教育委員会
から提出しまする
計画書
即ち
補助申請書
、それは
府県
の
教育委員会
を経由することにな
つて
おります。
府県
の
教育委員会
はその
内容
を
審査
をされ、且つ必要な
意見
を付して、これを
文部大臣
に送付するということにな
つて
おります。ここに
審査
をし、必要なる
意見
を附してということが出ておりまするが、これが
文部省
の場合の
法律
上明記されているところでありまして、
建設省
、
運輸省
などの場合にはそれが必ずしも明らかにな
つて
おらない。
一つ
の異
なつ
た点、
見方
によりましては
事情
を明らかにしたよい
規定
であるというふうにも考えられるのでありまするが、ただここに問題は、
先ほど
も申しました
通り
、
府県
の
教育委員会
という比較的小さい
事務組織
しか持
つて
おりませんところにおいては、十分にそれを
審査
する
技術的能力
があるかどうか、若し
能力
が不十分であるとしたら、もうトンネルに過ぎないということにな
つて
しまいます。 次に
主務省
におきましては、
申請書
に基いて
工事費
を査定されるわけでありまするが、一々
実地調査
を行うということは、
全国
に亙
つて
は恐らくできません。
机上査定
ということにな
つて
しまうわけで、これが不当事実
発生
の
一つ
の大きい
原因
であることは、他の
役所
の場合と同様であろうと思います。その
欠点
を補うために先に申上げました
通り
、
町村
の
教育委員会
から提出する書類は
府県
の
教育委員会
がよく
審査
をしてくれいというわけでありまするが、それ又果して十分にできるかどうかという
心配
があるということを先に申上げたわけであります。若し
文部省
において
実地調査
を完全に行おうとするなら、相当な
人員
、
経費
を増加しなければならないと思われまするが、今日の
行政組織
において、殊に又
人減らし
のほうに向
つて
おりまする今日の情勢において、それはどうなるであろうかというような問題があります。若しも
経費
や
人員
の
関係
で
実地調査
ができない。若しくは非常に困難だとするならば、
町村
の
工事
については
府県
の
教育委員会
にこれを依頼するよりほかはなかろう。
府県工事
はこれはもう仕方がありませんから、
主務省
において直接
実地調査
をなさるべきであります。こういう場合に、
本省
としても、若しくは又
府県
の
委員会
にしましても、
経費
、
人員
の点がどんなものであろうか。 それから次に
町村
の
工事
につきましては、この
法律
なり
施行令
を見ますると、
実地
の
検査
その他いろいろ
工事施行
中における
監督権
を
府県
の
教育委員会
に
委任
されておりまするが、
先ほど
から申しまする
通り
、この
府県
の
委員会
はこれをなすに十分な
経費
、
人員
或いは
技術
的の
能力
を持
つて
いるかどうか。但し
府県
の
工事
でありますれば、これらの
監督
を
主務省
が直接行われるべきものでありまするが、
主務省
においても十分な
経費
、
人員
、
技術的能力
という点において欠けるところがないかどうかというような問題。 次に
法律
の第七条を見ますると、
災害復旧事業
などを
施行
したときにはその
事業費
を
精算
せよとありまするが、この
精算
ということ、
事業費
を
精算
するについては単に申出によ
つて金
を渡せばよいというだけじやなくて、
竣工検査
を
行なつ
て間
違い
がないということを見定めた上で
精算
ということができるはずだと思うのであります。ところがこの場合に行われる
竣工検査
は
支出負担行為担当官
の
職責
でありまするが、
文部省
においては、これは各
府県
の
教育委員会
に
委任
はまだしていない。
本省
の
局長
がこの
担当官
にな
つて
いるということであります。
建設省
などの場合には、各
府県
の
土木部長
とかいうような人に向
つて委任
がしてあるようであります。
本省
だけで
全国
すべての
竣工検査
ができないであろうということは言うまでもないことと思いまするが、然らばこの
事務
は
町村工事
については
府県
の
教育委員会
に
委任
するよりほかに途があるまいと思われますし、又恐らく
委任
されるつもりであろうということは、その次の項目に
成功認定
ということを書きましたが、その
規定
からも推察されると思いまするが、この点は果してどうなさるおつもりなのか。なお、ここに他の
役所
の場合にも常に問題とされる
一つ
の重大な点で、又
会計検査院
のほうから言えば、特にやかましく
言つて
おられまする問題は、
会計法
上の
責任
はこの
竣工検査
によ
つて
、ここで以て確定して
責任
を負うべき人はその
責任
を負わなければならないというふうに、ここで線を引くのであるということを、
はつ
きりとさせておく必要があるであろうと思われるのでありまするが、若しこれが誤解をしていないといたしますれば、
検査院
は
只今
私が申上げたような方針で、又そういう精神でおられるように思いまするが、
当局
のほうでは果してそういうふうに見ておられるかどうか、悪くすれば、その次に掲げまする
成功認定
を、そののちにおいて
行なつ
たその上で、初めて
責任
があるとかないとかいうことが確定するのだというような
工合
に
建設省あたり
では見ておられまするが、そこにこの
補助法
の
規定
と、それから
会計法
の
規定
との
食違い
が起
つて
おるということを
検査院
がやかましくて
言つて
おられる点があるのでございます。 その次に、
町村工事
につきましては、前に申しました
精算
を
行なつ
た上で
成功認定
を受けるわけでありまするが、その
成功認定
を
本省
でするについて、
検査
を行うというその
事務
を
府県
の
教育委員会
に
委任
しておられまするが、これ又
先ほど
から申しまする
通り
、県
知事
に
委任
でもしてやらせておりまするならば、まあさすがに
府県
だけありまして、相当な
技術者
もおられようと思いまするが、
府県教育委員会
に
委任
するというのでありますれば、果してそれだけの
技術
上の
能力
、
経費
、
人員
を備えておるかどうか。
府県
の
工事
についてみますれば、この
成功認定
は当然
主務省
で行われるわけでありまするが、
主務省
においても、
文部省
としてはこういうような
建築工事
について、果して十分な
経費
、
人員
を持
つて
おられるかどうか。これが
建設省
とかいうような面ならば、こんな問題は全然ないことと思いまするけれども、
文部省
という大きなものですからどうかと……。まあ、それが
一つ
十分に備わ
つて
おれば結構でありますが、一応
伺つて
みたいと思うのであります。 ここで
先ほど
申しました
成功認定
とは何ぞやということについて
一つ注意
をしたいと思うのでありまするが、これは
工事
を
施行
した
年度経過
後、遅滞なくこれを申請せよということにな
つて
おりまするが、これは前に記しました
会計法
上の
責任
をここで確定するという意味ではなく、その
責任
の確定は
竣工検査
、即ち
精算
をするときに、その
精算
の任に当
つた者
が
責任
を負うべきものである。それが済んでから
あと
の、
年度
も経過した
あと
で、
内部監査
という
言葉
を
使つて
いいかどうか知りませんが、たとえて言えば
内部監査
のような
性質
のもので、念には念を入れて
検査
をするというような
性質
のものでなければならないと思われるのでありまするが、果して
当局
はそういうふうに見ておられますか、どうですか。なお、それについての
参考
となることを申上げますと、
建設省
の場合におきましては、
工事
はもう済んで
しまつた
、
精算
も済んでおる、而もそれから三年も五年もうつちやり放しにな
つて
おりまして、そうしてなお
成功認定
を行
つて
いないというようなものが現在相当たくさんある、こういうようなことが
実情
でありまするが、その点をよく考えてみれば、
会計職員
の
責任
をどこで
はつ
きりさせるか、
建設省
の例につきましては、この前にも何かの機会で申上げたかと思いまするが、とかく
技術者
は
経理事務
の如き
あと始末
、俗な
言葉
で申しますれば、お
尻拭
のようなことは面倒くさい、
仕事
のほうが大事だ、
一つ
でも早く
仕事
をして、
災害
を少しでも少くしようというように、
工事
第一主義のほうへ走られるものですから、
自然経理事務
がおろそかにな
つて
いたのでありますが、それの余弊が今日に及んでおるのではなかろうかと思われるのでありますので、
文部省
のごとく今後改めてこの方向へ進んで行かれる場合においては、出発の当初からその点を
はつ
きりしておいてもらいたいと思うのでございます。
最後
に一言附け加えて申上げたいと思いますることは、
府県職員
はいわば
地方公務員
でありますが、一例を上げれば、その
府県
の
土木部長
であるとか、
建設省
の
工事
について申せば、
府県
の
土木部長
が
支出負担行為担当官
に国から任命されまして、国の
事務
を委託されております。それと同様に
只今
の場合では
教育委員会
の、この
ガリ版刷
には
事務局長
と書きましたが、これは書き
違い
でありまして、
教育長
であります。
教育委員会
の
教育長
などに対して、
国家
の
事務
が
委任
されるとしましても、
国家公務員法
の条文から見ますると、不都合な
行為
があ
つた
場合には、直接これを処罰することができないらしいのであります。
地方公務員法
を見ますると、やはりこれ又どうもどうな
つて
おりますか
はつ
きりいたしません。そうだとすると、
地方
の
公務員
に対して
国家事務
を
委任
したという場合に、昔でありますれば、各
府県
の
県庁
の
職員
は、主なところの人々はみんな内務省の
官吏
でありまして、
国家公務員
、
国家
の
官吏
が
府県
の
事務
をも扱うというような
関係
に立
つて
お
つた
ものでありますから、
命令系統
も
はつ
きりしており、
従つて
又
責任
も
はつ
きりと追及することができた。ところが今日のような状態では、どうもその間に少し割切れないようなものが残
つて
おるようにも思われるのでありまするが、実際その
事務
にお当りにな
つて
おります
当局
の
方々
並びに
検査院
の
方々
から、その辺の
事情
を御
説明
願えれば非常に結構かと思います。 ただ気付きましたことを御
参考
までに申上げたわけであります。
最後
に
一つ
附け加えさして頂きたいのでありまするが、昨年どんな
法律
が
制定
されたかというので、そこへ名前を並べておきました。その3という
番号
のところに
危険校舎改築促進臨時措置法
というのがあります。これは
学校
の
建物
が古くな
つて
、壊れそうにな
つて
いるが、
地方財政
が許さないので、そのままにな
つて
いるというものであります。それが従来はこういうものに
補助金
を出すことができなか
つたの
でありまするが、昨年こうい
つた
法律
ができましたものでありまするから、それで従来はちよつと大風でも吹いて
校舎
が倒れたというような場合に、大風が吹いたことが
原因
なのか、もともと壊れかか
つて
お
つた学校
が倒れたのか、それらの点が不明瞭であ
つて
、
従つて補助金
をやりすぎたというような問題が起
つて
おりました。これが今度の
法律
によりまして、とにかく
補助金
がもらえるということに
なつ
たものでありますから、この点で従来の
弊害
、即ち
災害
の
復旧
というところへ便乗して、
危険校合
の
改築
の
補助金
をもらうというような点は、そういう
弊害
はなく
なつ
たということが
当局
からの回答の
最後
のところに現われておりますから、一寸これを附加えて申上げておきます。
谷口弥三郎
3
○
委員長
(
谷口弥三郎
君) それでは
只今
問題にな
つて
おりまする部分、特に
専門員
からの
問題点
を一緒にいたしまして、先ず
会計検査院上村
第二
局長
。
上村照昌
4
○
説明員
(
上村照昌
君)
文部省
の
補助金
の件でございますが、先ず二十六
年度
について申上げますと、
年度違い
のと言いますか、
補助金
を
繰越措置
をする、或いは場合によれば
不用額
にしなければならないのに、
補助金
をそのままお出しに
なつ
た、こういう事態でございます。こういう事態につきましては、数年来
検査報告
に掲げて報告しておるのでありますが、基本的な考え方といたしましては、
補助金
は適時に適当な金を流すことが最もよかろうかと思うのでございます。そういう意味におきまして、二十六
年度
に指摘したような事態は面白くない、こういうような考え方で報告しておるのでございます。この点につきましては、二十六
年度
まではいわゆる
繰越
明許の制度が
予算
上とられておらなか
つたの
でありますが、二十七
年度
からは、
文部省
のいわゆる六・三制の
補助
、
災害復旧
関係
の
補助
、こういうものにつきましては、
予算
上
繰越
明許の措置がとられましたので、二十七
年度
以降におきましては、無理をして金を出さなくても、制度上
繰越
しができるような
方法
が講ぜられております。なお、二十六
年度
まで
文部省関係
の
補助
について掲げましたのは、同じような結局
補助金
の交付の時期が悪か
つた
という事態をとり上げておるのでありますが、その後実態
関係
を相当
調査
しなければならんということで、二十七
年度
に提起してありますような事態を
調査
し、報告したわけであります。で、二十六
年度
のような問題については、比較的問題は今後の問題としては軽く考えていいのではないかというふうに
只今
申上げましたような理由で考えております。 それから二十七
年度
に掲げましたのは、公立文教施設の
災害
に対する
補助金
に関する事項であります。二十七
年度
の
災害
関係
の
補助金
は、約二十億ぐらいに上
つて
おるかと思うのであります。
検査
いたしましたのは
金額
にいたしまして一〇%を少し上廻
つて
おる
程度
にな
つて
おります。その
検査
の結果掲げましたのが二十六件ということにな
つて
おります。で、
専門員
からのお話がありましたが、二十七
年度
までは
法律
に基く
補助
でありませんで、
予算
的に措置せられた
補助
でございます。そうして
文部省
でお出しに
なつ
た
方法
は、大体
災害
がありますと、
災害
の事態に応じまして全壊、半壊、
大破
或いは中破というふうに分けられまして、
大破
以上のものについて
補助
をする。こういう建前をおとりにな
つて
お
つた
わけでありまして、この区分が必ずしも明確でなか
つた
という点もございますが、私のほうで見ました結果、
災害
があ
つた
あと
、
建物
ができた
あと
に
検査
をしておるような
関係
もございまして、当時の
災害
が如何なる状況であ
つた
かということが必ずしも十分に
調査
し得ない場合があるわけであります。それでここに掲げました事態を御
説明
いたしますと、二重類ございます。それは実際あ
つた
被害より過大な報告を
事業主体
のほうからいたしまして
補助金
を受けた、こういう事態でございます。これは
先ほど
申上げましたように、現場に行きまして被害の状況がどうであ
つた
かということは必ずしも的確につかめない状況ではありますが、例えば半壊或いは全壊だということで報告を出されておるものにつきまして、実はその
建物
が一年有余使われておるというような事態にな
つて
おるのであります。で、これはいろいろの
見方
もあろうかと思いますが、そういう事態から見ました場合には、これは全壊或いは半壊というふうに認めることは無理ではないかというふうに考えておるわけであります。それで
文部省
の
補助
は、
補助
の実施の方面を見てみますと、
補助
の申請につきましては、被害事実その他が間違
つて
おるというふうに考えるのでありますが、
補助
を指令された事実そのものにつきましては、
補助
の
内容
或いはそれ以上のものを、
只今
申上げました事項については
学校
の
建築
をや
つて
おられる、こういうふうな事態にな
つて
おります。併し
国家
の
予算
を大体いずれの方向に使うということがきま
つて
おります以上は、それに即応したような使い方をして行かなければ、そこの村或いは町なりの
学校
が仮に
整備
しましても、国全体の立場から見まして、均衡が果してとれるかとれんか、こういうふうな点を考えておるわけであります。 それからもう一種類の事態は、
補助金
を流されます場合に、例えば百万円の
工事費
に対して五十万円の
補助
を出す、こういうふうな事態であるのに、実際は百万円ほど
工事
がかか
つて
いなか
つた
。半分或いは半分以下というような事態もあるわけであります。こういう事態が起
つたの
はどこが
原因
かと申上げますと、いわゆる
大破
以上について
補助
すると、こういうことにな
つて
おるわけでありますが、これが果して
大破
であるか中破であるかということは、非常に認定が困難な
関係
がありまして、恐らくこういう事態が出て来るのではないかと思うのであります。それで二十七
年度
に掲げましたものは、結局被害を過大にや
つて
補助金
を受けたものということと、
工事費
が少なか
つた
、こういう事態でありますが、これに対する対策と言いますか、どういうふうにしたらよいかという点でありますが、結局被害事実を過大に報告するという事態に対しましては、現地の事態を十分把握して、事実に即応したような認定をして行くというよりほかに仕方がなかろうかと思います。で、この点については
文部省
で全体を御覧にな
つて
おるというのでも勿論ないと思います。それから都道
府県
の
教育委員会
でも全部或いは御覧にな
つて
いない面もあろうかと思うのであります。それからこういう事実が、二十七
年度
までを都道
府県
の
教育委員会
で実際上は見てや
つて
おられたわけでありますが、今度法制上新たな
法律
ができまして
教育委員会
でやる、都道
府県
の
教育委員会
でやり得る、やれるということに
なつ
たわけでありますが、
先ほど
からお話がありますように、
教育委員会
でどの
程度
見て、どの
程度
的確にできるかという点になりますと、正確なことは申上げかねますが、相当奮発して頂かなければ、十分に見て行くということが
人員
或いは
技術
の面から困難な点があるのではないかと思います。この点につきまして十分の考慮をしてや
つて
行く必要があるのじやないか、かように考えております。 それからこれに関連しまして交付に至りますまでの段階、それから交付後の
精算
の問題でありますが、この点につきましても清算の
事務
を都道
府県
の
教育委員会
に行わし得るような
方法
が新らしい
法律
ではとられております。で、これにつきましては事実上
教育委員会
に行わせるということでありまして、現在のとろは
会計法
上支出負担
行為
の
担当官
が
文部省
に置いてありまして、支出官は都道
府県
の出納長、こういうことにな
つて
おるわけでありますが、その間の結び付きが、実際の
仕事
をやる人と
会計法
上の
責任
をもつ人と結付きをどういうふうにして行くかということでありますが、これは私らのほうの考え方といたしましては、やはり実務をやり、そうしてよく実際を担当しておるものができ得る限りその
責任
をとるというふうな
方法
になるのが望ましいのではないか、こういうふうに考えております。 それからなお今の被害を過大に報告したという中には、この事案を見てみますと、六十年を経過したような
学校
もあります。こういうものにつきましては森
専門員
からおつしやいましたように、
危険校舎
については
法律
に適合するものについては、今度新たに
補助
し得るということになりましたので、そういうふうな便乗
工事
が救われて来る、こういうふうに考えております。 それから今の被害の区分の問題でありますが、これは新たに
制定
せられました
法律
によりますと、
大破
ということに限定してありませんで、
災害
を受けたものについては
補助
し得るということにな
つて
おりますので、これは事態に即応した適当な
工事
金額
に対して
補助
されるということになりますれば、こういう事態もなかろうかと思います。ただいずれにしましても、事実
関係
が、
危険校舎
にしましても、
災害
を受けた
程度
にいたしましても、誰がどこで如何なる
責任
を以て十分把握し得るか、それからその後の出しました
あと
の
精算
段階においても
責任
を以て誰がどういうふうにや
つて
行くかということが重大な問題だと思うのであります。で、
法律
は二十八年に
制定
しまして、この実際の運用はまだ必らずしも緒についていないかと思います。それで私のほうといたしましては、なお
文部省
とも絶えず連絡はいたしておりますが、実際の運用方面を
文部省
でどういうふうにおやりになるか、或いは制度的に今の
会計職員
の
責任
とか、そういうふうな面をどういうふうにお考えになるかという点を十分お伺いした上で、今後成るべく間
違い
のない方向にも
つて
行きたい、こういうふうな考えをも
つて
おります。
谷口弥三郎
5
○
委員長
(
谷口弥三郎
君) それでは文部
当局
からこれに対しまして御
説明
をお願いいたします。
内藤誉三郎
6
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) 二十六
年度
につきましては、この
工事
が非常に遅延いたしました主なる理由は四件とも大部分が敷地がなかなかきまらない。これは
学校
建築
をする場合に一番大きな問題になるのですが、
町村
内で敷地をどこにするかということは大きな問題になりますので、なかなかきめかねる。そのほかに家屋が移転するとか、或いは土地の買収とか、更にこの
補助金
に見合うべき起債の決定が遅れるとか、こういうような次第で私どものほうの指令が十月の六日に出ておりますので、この指令の遅か
つた
点もありますが、今申上げたような諸般の理由からこの
工事
が遅れてしまいました。その結果、
只今
会計検査院
の御指摘の
通り
、
年度
の区分を乱したということは甚だ遺憾に存じますが、この点につきましては、
只今
会計検査院
のほうから御報告がございましたように、
繰越
明許の制度がとられましたので、今後はこういうことのないようにできるだけ努めたいと考えております。 それから次に二十七
年度
の
補助金
でございますが、第一点の過大評価の、被害孝過大に見積
つた
、こういう御指摘でありますが、この点は私どもも遺憾に思
つて
おりますが、実はこの当時は施設負担法が出ておりませんで、全壊、半壊、
大破
という認定の問題が多少あいまいな点もございますので、そこに
一つ
は
原因
したのじやなかろうか、いま
一つ
は大体
災害
を受ける
校舎
は大部分が老朽でございますので、当時は老朽
校舎
の
補助
舎もございませんので、
災害
に多少便乗したような嫌いもなきにしもあらずと思うのであります。こういうような点から
災害
が過大に見積られたのではなかろうか、ただ御指摘にな
つて
おりますところの、一年乃至二年はその
建物
を
使つて
お
つた
から、これは半壊ではないというふうに御指摘にな
つて
いらつしやいますが、私どものほうの考え方としては、全壊というのは全部倒れた、半壊は根本的に
改築
修理を要する、根本的
改築
修理はすぐやらなくても、多少の補修をして一年、場合によ
つた
ら二年くらいもつ場合があると思いますが、いずれにしても、これは根本的な
改築
をしなければならん、そこで御指摘にな
つて
いる分は、大部分は一年乃至二年後には新築をしているわけです。
年度
のずれは勿論ございますけれども、この点については全壊、半壊、
大破
という区分そのものに問題があ
つたの
ではなかろうか。そこで昨年の出ました
法律
によ
つて
は、原形
復旧
ということにいたしておりますので、今後かような事態の起きないように十分に
監督
をするつもりでおります。 そこで
先ほど
専門員
のほうからもお述べになりましたように、
公立学校
施説費
国庫
負担法によ
つて
従来
権限
が明確にな
つて
いなか
つた
ところを明らかにいたしまして、
補助金
の申請については道
府県
で十分に監査をする、或いは
事業
の
監督
を行う、或いは
成功認定
を行う、こういうようないろいろな手段を講じまして、十分今後かような事態の起きないように、
文部省
としても最善の努力をするつもりでおります。 それから次に
補助対象工事
が
補助基本額
に達しない、いわゆる過剰
補助
に
なつ
た分でありますが、これはいろいろな理由があるようでございまして、特に一番大きな問題は、その一部の
工事
だけをや
つて
、これも
繰越
明許をしておけばいいのですが、そういう措置をとらないで翌
年度
で残りの分をする、これは
財政
上の理由もあるかと思うのですが、この御指摘に
なつ
たうち、北海道を除いては全部一応
年度
は遅れておりますが、措置をしているのであります。ですから一部
工事
をいたしまして、その残りの
工事
を次
年度
以降においてや
つて
いる、この点は
繰越
明許の措置をとらないでや
つた
ことは甚だ遺憾で居りますが、この点が徹底していなか
つた
かと思うのであります。もう
一つ
北海道の分につきましては、二十八
年度
中には残りの
工事
を完成するということで一応議決はしているようであります。 それから次に
専門員
の森先生から御指摘になりました負担法の運用の問題でありますが、いろいろと御注意を頂いておりますが、
経費
の点につきましての
人員
、
技術的能力
、その他につきまして、まだ
法律
が御指摘のように十分な実施の段階に至
つて
おりません。ようやく政令がきま
つた
程度
の段階でございますので、本格的に動きますのは明
年度
、二十九
年度
以降になるかと思うのですが、御指摘のような点は十分注意いたしまして遺憾のないようにいたしたい、かように考えております。
谷口弥三郎
7
○
委員長
(
谷口弥三郎
君) それでは
委員
の
方々
から何か御質問その他ございますか。
山田節男
8
○山田節男君
会計検査院
の第二
局長
にちよつとお伺いするのですが、この二十七
年度
の一般会計からの
補助金
ですね、この二十六件まあ指摘されておるのですが、二十八
年度
の殊に昨年の六月、七月の例の風水害、台風十三号を入れての国会でいろいろな
特別措置法
を作
つたの
ですが、この中でたしか
文部省関係
の
特別措置法
があ
つたの
ですが、どうですか、今二十八
年度
の少くとも風水害による
補助金
の会計
検査
ですね、や
つて
おられますか。
上村照昌
9
○
説明員
(
上村照昌
君) 二十八
年度
の分もや
つて
はおりますが、旅費その他の
関係
で実は
只今
お話のいわゆる特別立法の適用のある土地などですが、その場所については現在まだ実施しておりません。
山田節男
10
○山田節男君 そうすると、まあ二十七
年度
はこの
災害復旧
に対する
補助金
の経理当を得ないもの二十六件あるわけですが、現在では
特別措置法
による政令に定めた都道
府県
は
会計検査院
はまだ調べておらないというのですが、現在調べておる範囲で二十八
年度
の
災害復旧
工事
に対する
補助金
の不当な経理として、まあ何といいますか、不当に思われるような今日までの概数でもわかればちよつと御報告願いたいのです。
上村照昌
11
○
説明員
(
上村照昌
君) 二十八
年度
につきましては一月以降や
つて
おるわけでありますが、その結果大体申上げますと、二十七
年度
に経理したのは
災害
関係
でございます。そのほかに
文部省関係
には御承知のように
災害
関係
でないいわゆる公立文教施設
整備
補助
というのが六・三制の
関係
の分がございますが、これが二十八
年度
で
予算
額にしまして約六十億ぐらい残
つて
おると思いますが、この分を実は二十七
年度
の
見方
が必ずしも十分でなか
つた
ということで、このほうを差当り見ておる状況でありますが、これについて申上げますと、六・三制の
整備
につきましては大体児童一人当りについて〇・七坪、極く最近は一・何坪というふうに変
つて
来たと思うのですが、そういう〇・七坪に達しない場合に、
整備
するというものに対して
補助金
が出るわけでありますが、それが果してどういうふうにな
つて
いるかという事態を見て来ておるわけであります。それによりますと、結局〇・七坪ということをはじきます場合に、現実の
校舎
がどうであるか、それから児童数が、これは一定のときにとるということにな
つて
おりますが、どういうふうにな
つて
いるかというようなことが基本になるわけでありますが、見た結果では多少違
つて
おるものがあるというふうに見て来ております。ただこれも
先ほど
もちよつと申上げましたが、
補助金関係
の
建物
は、これは大体できておるというような
関係
にな
つて
おります。
山田節男
12
○山田節男君 もう
一つ
。
文部省
の管理
局長
にお尋ねするのですが、今のに関連しているこの
補助金
、これは主として
工事
に
関係
しているのですが、この
補助金
は大抵
文部省
から毎年一般会計から
補助金
を与えている団体ですね、例えば学徒援護会ですか、それとかいろんなのがありますね、これが大体幾つあるか。それからこの
補助金
の総括したこれらがどのくらいあるか、これちよつとおわかりになればお伺いしたいのですが。 なお、
検査院
では
文部省
の
補助金
を与えている団体に対する会計
検査
ですね、ここに挙
つて
おりませんが、批難事項はないにしても、
会計検査院
としたならば、そういう
文部省
から
補助金
を与えている団体を二十六年、七年において
検査
したものがあるのかどうか、この点等を併せてお伺いします。
内藤誉三郎
13
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) 一番大きな団体は御承知の
通り
日本育英会でございます。これは日本育英会法に基く特殊法人でございます。これが三十八億五千万、大体三十九億でございます。それからその次に大きな団体は私学振興会これは私学振興法に基いた特殊法人でございますが、これは政府の出資金で賄われておりますが、その出資金は本
年度
は十五億でございましたが、二十九
年度
は五億に減額されております。それに返還金の三億がございますので、八億で運営されるということでございます。それからそのほかに私学共済組合法に基く特殊法人として私学共済組合、これが約準備金と
事業費
の
補助
を合せて大体三千万円
程度
、そのほかは非常に小さい団体でございますが、学生の援護をいたしております学徒援護会、これは民法法人でございます。これに三千四百万円ほど
補助
いたしております。それから日本給食会、これは給食物資の斡旋等をする団体でございますが、四百万円、給食の物資の斡旋ということで、国の或る意味では代行機関を務めている。そのほかに日英協会、日仏協会、こういうものが大体百五十万くらい乃至二百万
程度
でございます。 それからそのほかには日本学術振興会、これが約四百万
程度
でございます。大体主なものは以上でございます。
上村照昌
14
○
説明員
(
上村照昌
君)
文部省
所管から
補助
の出ているものについては
文部省
から御
説明
がありましたのであれでありますが、
検査
をしている状況を一言申上げておきます。私学振興会とそれから育英会は、これは
検査
をや
つて
おります。それからそのほかのものにつきましては
検査
指定をいたしておりません。一応
文部省
の或る書類によ
つて
検査
している、場合によ
つて
は、実際上……。学徒援護会ですが、そういうものにつきましては、実際行
つて
実情
を調べるというようなことはや
つて
おります。
東隆
15
○東隆君 私は少しお伺いをしたいのですが、
学校
関係
、
文部省関係
の一般の
補助金関係
は、私は当然
教育委員会
その他が中に入
つて
やるのが大変いいと思うのですけれども、営繕に
関係
をした部面ですね、建設方面のようなもの、そういうような面に
関係
することになると、勿論
文部省
の直轄の
学校
、その工学だの、
設計
だののほうから、そちらのほうからやられるということになれば私はいいと思いまするけれども、併し実際にそれが
工事
に移される、こういうようなことになると、私は
文部省
はもうすでにそつちの方面についての
監督
をしたり、それから指導をしたりする資格が私はなくな
つて
おるんじやないかと思うのですが、そこで問題は
建設省
や或いはその他営繕の方面に携わる
関係
の省との
文部省
がどういうような
関係
をつけておられるか、その点伺いたいのですが。
内藤誉三郎
16
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) この
学校
営繕の問題につきましては、昔からまあいろいろ歴史もございまして、特に今
学校
建築
の特殊性という点から、病院、研究所、大学、その他非常に普通の
建築
とも
違い
ますので、従来
文部省
で所管しておりました。で、
文部省
にも
学校
にもそれぞれ
関係
の技師がおりまして、
設計
、
監督
、一切をしておるのでありまして、別に
関係
の各省といたしましては、まあ大蔵省で
予算
をきめる、その
施行
については
文部省
が
責任
を持
つて
行なつ
ておるのであります。
東隆
17
○東隆君 私は営繕
関係
だの何だので、特に国立或いは公立、そういうようなものの中心のものは、もう少し
建設省
関係
を動員すそような考え方をとるべきでないかと思いますが、どうですか、この点は。
内藤誉三郎
18
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) この点は
府県
の分につきましては、
府県
の
工事
、いわゆる公立文教につきましては、
府県
の
教育委員会
が
設計
指導等には参画しますが、実際の
工事
は
知事
のほうの所管で
工事
の請負はや
つて
おるのであります。この点は問題はないと思うのですが、ただ国の国立
学校
につきましては、非常に手数が面倒になりまして、
建設省
に頼んでもそれだけのスタッフが揃いませんし、
学校
建築
の特殊性で、長年
学校
営繕をや
つて
おりますのが
文部省
にもおりますし、又大学にも施設課長以下施設のスタッフがおりますので、そういう技官がおりますから、
文部省
としては今のところ今の
程度
の
工事
量ならば御厄介になるほどのこともない。勿論私のほうで
能力
としてはまあ四、五十億くらいの
予算
なら消化できる
能力
を持
つて
おるわけであります。それでむしろ向うのほうも大変たくさん
工事
がおありでございますので、
建設省
の直轄の
工事
もございます。なかなかこちらから依頼しても十分なことができかねる点もございますので、今のところ国立文教の
予算
は二十億足らずでございますから、二十億足らずの
工事
でしたら
建設省
にお願いしなくても、十分に消化ができる、かように考えております。
東隆
19
○東隆君
災害復旧
の
関係
ですね、それから
危険校舎
の
改築
、こういうようなものを中心にして便乗
工事
、その他がまああ
つた
とこういう意味で出ておりますが、私はこの
災害
関係
の問題を考えたときに、
予算
が提出をされて、議決を見るのが非常にいつも遅れておるわけです。
年度
当初の
予算
でありませんから、そんなような
関係
で、これを
復旧
する場合に普通の会計
年度
で以てやりますと、ひつかか
つて
しまいますから、その
関係
の問題で私は出ておると思う。特に二十七
年度
に出て来ておる十勝沖の震災
関係
のものなんかは、これはもう二月でしたか、三月の四日でしたか、その頃に起きた何で、もうできるはずがないわけなんです。殊に冬期間で凍
つて
お
つて
、そうして
災害
がどれくらい広いかという
調査
もろくろくできない、
予算
の編成もしなければならん、こういうような問題で、非常に無理なことをや
つて
おるのであります。それで、それは北のほうへ行くとますます酷くなるのですが、私は
府県
の場合でも、積雪寒冷の地帯はもとよりのことですが、気候のいい所でも、十月、十一月の候に補正
予算
がきまる、そんなようなことでありますと、三月三十一日までに出来上るのが、これが却
つて
不思議なくらい、そこに非常に無理な点があると思います。それで明許の制度ができておりますけれども、その明許が非常に
手続
がむずかしくて、それからやりずらいということと、それから
主務省
のほうではできるだけ
予算
を
年度内
に
使つて
しまわんければ、
あと
の又
予算
を獲得するときに大変不便だと、そんなようなことがあ
つて
、非常に無理なことをや
つて
おるところがあるわけです。そういう面が私はやはり
文部省関係
のこの
学校
建築
の場合にも出ておると思うのですが、そういうようなところがございませんか。
内藤誉三郎
20
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君)
文部省
といたしましては、できるだけ
実情
を調べまして、
繰越
明許の必要がある場合に
繰越
明許をずつとや
つて
おります。ただ
地方
でその
繰越
明許の制度自体についてまだ認識がない、徹底していない点が多少あるのではなかろうかと思います。お話のように
年度
が遅れて参りますと
建築
ができませんから、そういう
手続
さえと
つて
頂きさえすればいいのですが、いろいろな
関係
で特に遠方でございますと、その
手続
を怠り勝ちになる。今後そういうことがないように私ども指導して参りたいと思います。
東隆
21
○東隆君 私は特に寒い地帯の
予算
が、十月の候或いは十一月の候なんかになりますと、先ず第一番目に土台からコンクリートでも
つて
やるというのは当然できないわけです。それでそれはもう当然翌
年度
に
繰越
されて、そしてやらんけりやならん、併し
年度
当初からでも速かにかからんければならん、こんなような
関係
で明許の形式をと
つて
もいいのですが、却
つて
事故
繰越
のような形でも
つて
、もつと簡単にやるような
方法
を、非常に遅く補正
予算
が組まれるような場合には考えておかなければならん。しよつ中
事務
的な方面においても問題を起し、それから非常に無理な
仕事
である、
予算
をむちやくちやな使い方をする、こんなようなことが出て来ると、こう思うのです。そういう点で
文部省関係
も私は相当お考えになる必要があるとこう考えておるわけですが、実は北海道の土木
関係
その他の
仕事
でも
つて
、これは今の
予算
が配市されるのが六月くらいから後です。そうすると普通のものでも十月一ぱいくらいでも
つて
仕事
を終らなければならん。それから雪が降
つて
しま
つて
、そして三月の三十一日までにはこれはできない。そうすると、雪がとけてから
仕事
をやると、こういうことになると、これはもう両
年度
に跨がるわけです。こういうようなことが
はつ
きりしておるのですね。そういうことが
はつ
きりしておる事態がこれはたくさんある。今の会計
年度
そのものを中心にして
仕事
を見ると、
建築
関係
なんかにそういうのが非常に多いわけです。それでそれをどういうふうに調節をして行
つた
らいいかと、こういうわけでいろいろ考えておるわけですが、差詰め建設農林その他のものを考えてお
つた
わけですが、皆さんのほうで、積雪寒冷地帯その他についても、持にそういう点が重要だと、こういうことになれば、今考えておるものにですね、そちらのほうを加えて立案を
一つ
や
つて
みたい、こう思
つて
おるのですが、如何ですか。
内藤誉三郎
22
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) それは非常に私どもにと
つて
幸いだと思うのです。特に国立
学校
ですと、一部分は継続
事業
のような形でや
つて
おるものもありますが、公立の場合の
補助
については、何ともいたしかたがございませんので、これは公共
事業
一般の問題と関連すると思いますが、特にそういうような御配慮が頂けますならば、私どもとしては非常に幸いなんです。
岡三郎
23
○岡
三郎
君
昭和
二十七年の
補助金
の問題については
明許繰越
ができるようにな
つて
、問題の処理が非常にやりやすく
なつ
たと書いてあるのですか、
先ほど
質問が出たように、いろいろと
災害
その他、非常に緊迫した問題の中で、
補助金
を具体的にどう出して行くかという問題は、非常にこれむずかしいと思うのですよ。で、我々も
文部省
等へ行
つて
、陳情団が非常に来ておるのも具体的に見ておる。あの中で公正に実態に即して真に緊急なものから、これがやられておるかどうかということについては、非常に関心を持
つて
おるわけであります。だからその点について
昭和
二十七年のまあ具体的な事例がここに出ておりますが、これは
先ほど
の御
説明
によるというと、約一〇%
程度
の中から、こういう問題が起
つて
来ておる。とすると、二十八
年度
になれば、ますますこれは増加の一途を辿
つて
おるのではないかというふうに考えられるのです。それについてどういうふうな申請が出て、そうしてどの
程度
それが許可されておるか、これは管理局のほうに具体的な資料がうんとあると思います。その中で都道
府県
別に大体どの
程度
補助金
というものがなされているのか、そういう資料はもらえますか。
近藤直人
24
○
政府委員
(近藤直人君) 二十七
年度
分につきまして、今お話のございました都道県の申請に対しまして、
文部省
が
補助
を付けたものについて、
金額
を付けまして各都道
府県
別に調べまして差上げたいと思います。
岡三郎
25
○岡
三郎
君 まあそれは漠然と出て来た計数では意味がないと思うのですが、具体的にAの県とBの県とまあ同じようなケースの
補助金
の申請があ
つた
。こうい
つた
ものを処置して行く場合に、いろいろな関連性の中で御判断が行われると思うのです。そうい
つた
ときに、具体的にその
補助
を受けたところの村なりその他が
補助金
を余らしてほかのほうへ
使つて
、全然同じようなケースの中で受けられないところのものが、まあそれなりというふうな、非常に受けるところと受けないところと明暗二筋途が非常に大きいと思うのだ、具体的に
言つて
。今まで老朽
校舎
等を見ても、どれだけ実態を把握しておるのかという問題について、実際にぶち当るときがあるのです。具体的にその点についてここにあるように、
現地調査
をどの
程度
災害復旧
なり老朽
校舎
なりについて
行なつ
ておるのか、それを
一つ
具体的に御
説明
願いたいと思います。
近藤直人
26
○
政府委員
(近藤直人君) お答えいたします。
災害
の
学校
につきましては、従来は大体一〇%
程度
の実態
調査
をいたしまして判定をいたします。それから
昭和
二十八
年度
につきましては、それを率を引上げまして、三〇%
程度
実態
調査
を実施してございます。それから
危険校舎
でございますが、これは都道
府県
の報告によりまして、
只今
予算
の
補助金
の配分を考えております。この分につきましてはまだ
文部省
といたしまして実態の
調査
には参
つて
おりません。
岡三郎
27
○岡
三郎
君 まあこれはほかのほうの省においてもそうなんですが、書類
審査
で、陳情の書類なり或いは口頭
説明
なりで、いろいろとそれに代議士諸公も食つ付いて陳情すると、現実に現場を
調査
しなくてやるというところで、随分不当
工事
なり架空
工事
というものがほかの省にはあるわけです。で、
文部省
自体においても、この
学校
ということになるというと、やはり微妙な問題がありまして、書類
審査
でこれがどんどんどんどんと片付けられて行く傾向が多いとするならば、これは多分政治力の入る余地が私は出て来ると思う。その点についてどこに一線を引くかということになれば、どうしても良心に基いた判断を下すということになるならば、現実に現場を見ないと、やはり
補助金
というものの決断が私は鈍ると思います。その点について
会計検査院
のほうにちよつとお伺いしたいのですが、実質的に
現地調査
ですね、こうい
つた
問題について
文部省
がと
つて
来ている方針について、ここに十分ではないのじやないかというふうな一応の二十七
年度
に対する表が載
つて
おりますが、これについてお気付きの点があ
つた
ならばお聞きしたいと思うのですが。
上村照昌
28
○
説明員
(
上村照昌
君)
現地調査
をする場合に、
文部省
自体のおやりになる場合と、都道
府県
の
教育委員会
がやる場合があるだろうと思うのですが、都道
府県
の
教育委員会
においても、人数が必ずしも十分だというふうには考えませんが、その場合に、
只今
お話のように各都道
府県
での
教育委員会
で
現地調査
をしたものと、これはABCとあるわけでございます。その場合にどこでそのABCの歩調をと
つて
行くかということが相当問題になろうかと思うのですが、そういうものについて、少くとも
本省
のほうで比較検討されて、どの
程度
を
補助
の対象のレベルに乗せるかということを少くともおやりにならないと均衡の面では不都合な点が出るのじやないか。こういうふうに考えております。
内藤誉三郎
29
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) 私のほうで今
会計検査院
からお話がありましたように
災害
の場合には、一応都道
府県
から
災害
見積りをと
つて
おります。そして更に
文部省
から出掛けまして
現地調査
をいたしますが、この場合に全部はとても参りませんので、
只今
管理
局長
から申上げましたようにサンプル
調査
をして、大体被害の率というものを査定するわけであります。これと同時に、大蔵省は
地方
財務局を使いまして、財務局の
現地調査
をいたしまして、そこで
文部省
の
現地調査
の結果と大蔵省の財務局から上
つた
現地調査
の結果とを
参考
にいたしまして査定をし、
予算
をきめるわけでございますから、この点につきましては、或る
程度
まあ公正に行
つて
るわけなんですが、ただどうも
災害
があ
つた
当時の認定の問題になりますと、非常に日柄をおきますと、すぐ直後の場合と若干すれがありますと、いろいろとそこに多少錯覚が入る余地があるわけであります。なかなかそういう点でむずかしいのでございますが、
災害
につきましては、できるだけ私どものほうも各
府県
公正にやりたい。ですから或る県が水増しがありましたら、その場合は七割で査定するとか、或る県は報告額の九割で行くとか、必ずしも各県とも同じような比率で査定しておるわけではないのであります。
岡三郎
30
○岡
三郎
君 特に
災害
等の問題については、
事業主体
から出て来る被害の報
告書
というものが過大になる傾向が強いと思います。今後とも更にそういう傾向が増すのではないかと思います。そうい
つた
点について一〇%から三〇%
程度
の
実地調査
を行うというふうに
なつ
たことについては非常に結構だと思うのですが、現実の問題としてやはり相当高額な
補助金
を出しているのが現実なわけです。そういうことになると、やはり
現地調査
を十分せられて、まあ
人員
等の関連もあるけれども、その関連については都道
府県
のやはり所要機関と十分連絡をと
つて
、これが厳格に行われて来るところに、いい
校舎
ができると思うのですよ。逆に言うと、そういう点でここにあるように
事業主体
の問題ですね。
事業主体
の問題について、まあ
町村
の
工事
なら
町村
の
工事
というものは、都道
府県
に全部任してしまうと、こういうふうな方針なんですか、今後とも……。
内藤誉三郎
31
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君)
事業主体
は、市
町村
立の
学校
であれば市
町村
がやります。それから県立の
学校
であれば県が
事業主体
になるのであります。或る場合には市
町村
については都道
府県
の
教育委員会
が十分監査して、そうして
文部省
に報告するわけなんであります。都道
府県
の場合は、
文部省
が直接
審査
した上でやるわけであります。
岡三郎
32
○岡
三郎
君 そうするというと、結局都道
府県
の
調査
というものが不十分であ
つた
とも言えるわけなんですね、今までについては……。この点はどうなんですか。
内藤誉三郎
33
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) それは都道府と
文部省
のこれは連帯
責任
だと思うのでございます。
岡三郎
34
○岡
三郎
君 結局この和歌山の
災害
についても、
会計検査院
の報告によれば、農林
関係
では非常に不当に過大な見積りを出して国費をごまかそうと、こういうふうな証拠が歴然としていることが事前
検査
でわか
つて
事なきを得たということがあるわけです。事
学校
のことについてですから、それぞれ良心的に処置されて行くと思うけれども、併し一応
建築
やその他資材を購入して来るものは、どうしてもこうい
つた
ようなものについては、粗悪なものとか、或いは手を抜くとか、そういう
工事
が
あと
のいろいろな被害で発見される場合もあるわけなんです。そういう点について、具体的に例えば問題が起るような県があれば、集中的に総括的にやるということはできないとしても、中間
検査
なりでき上り
工事
というものを厳密に
調査
して行く。それから
先ほど
言
つた
ように老朽
校舎
なら老朽
校舎
というものについて集中的に、AとBの二県というものを、報告で来たら集中的に
調査
して下さい。万遍なくやるということはできないと思うが……。そういうふうにして出て来た答えに鑑みて、まじめに報告をして来ているような所は先に手をつける、いわゆる信賞必罰方式ですね。そうい
つた
ような方式がとられて行けば、私は比較的政治力というものによ
つて
勘案される傾向の度合が、失礼だけれども、少くな
つて
来るのではないか。
先ほど
検査院
のほうから言われたように、ABCとつけて、各
府県
の均衡をとるとい
つて
も、Aの基準とBの基準というものが県によ
つて
まちまちということがどうしても出て来ると思う。そういう点についても、やはり重点的にやられて、そうして比較的まじめな県が立ち遅れがないように、全体の均衡をとるような形でや
つて
頂きたい。これは一、二耳に聞くわけですよ。どうしてこれが漏れて、あれが入
つたの
か、それにはそれぞれの所要の理由があると思うんですがね。あると思うんだけれども、やはり働きかけが足りなか
つた
んじやないかというふうなことを聞くので、そういう要素を少しせばめて行
つて
もらいたいというように、これは失礼になるかもわからんけれども、そういうふうな老婆心からお伺いしたわけです。大体私の質問は……。今の点について若しも
文部省
からお答えがあ
つた
らお聞きしておきますけれども、なか
つた
ならばよろしい。
内藤誉三郎
35
○
政府委員
(
内藤誉三郎
君) 岡
委員
のおつしや
つた
ように、できるだけそういうように努めたいと思います。
谷口弥三郎
36
○
委員長
(
谷口弥三郎
君) ほかに御質問もなければ、
文部省関係
は一応これを以て終りたいと思います。 本日はこれを以て散会いたします。 午後三時十八分散会