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1954-04-15 第19回国会 参議院 決算委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年四月十五日(木曜日)    午後一時四十七分開会   —————————————   委員の異動 四月十二日委員長谷山行毅辞任につ き、その補欠として田中啓一君を議長 において指名した。 本日委員田中啓一辞任につき、その 補欠として長谷山行毅君を議長におい て指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            植竹 春彦君            島村 軍次君            菊田 七平君            平林 太一君    委員            雨森 常夫君            青柳 秀夫君            小沢久太郎君            宮澤 喜一君            宮田 重文君            飯島連次郎君            奥 むめお君            豊田 雅孝君            東   隆君            八木 幸吉君   政府委員    文部大臣官房会    計課長     内藤誉三郎君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君   事務局側    常任委員会専門    員       森荘 三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大沢  実君    日本国有鉄道経    理局長     石井 昭正君    日本国有鉄道資    材局長     小林 重国君    日本国有鉄道施    設局管理課長  中路 誠三君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○小委員補欠選任の件 ○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)  (会計検査院検査報告批難事項第四  五九号に関する件)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今より第二十一回の決算委員会を開会いたします。  初めに小委員補欠選定についてお諮りいたします。小委員長谷山君が四月十二日委員辞任せられましたが、本日再び委員に選任せられましたので、この際同君を再び小委員に選定することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは本日の議題に入ります。本日は昭和二十六年度決算前回の続き、日本国有鉄道の部、初めに、一般事項及び千百七十二号から千百七十九号までを問題に供します。前回検査院から説明を聞いておりますので、これより当局説明を求めます。C説明員石井昭正君)決算報告の三百三十四頁財務諸表についてですが、いろいろ検査院で御注意意見があつたのでございますが、そのうちいわゆる未払金の計上をもらしたものという利子計上の問題でございまするが、これは検査院におきましても御指摘、御意見もあつたのでありまして、誠に理論的には御尤もであり、又そうあるべきところと思うのでありますが、何分にも私どものほうはすべて大蔵省で以て御計算になることに従つて利子を支払うことになつております。便宜上大蔵省のほうがいわゆる現金主義計算受入状態になつておるために、それと歩調を合せざるを得ないということに相成つておりますので、誠に御尤もではございまするが、実情上御趣旨に副うというわけには行きかねて毎年参つておる次第でございます。  それから車輌更新修繕についての御注意があつたのでございまするが、この更新修繕につきましては、やはり一般修繕程度が高いことは、これは事実でございますので、仮りにこれは資産の増加を来たすような意味ではなくして、毎年やつてますところの諸修繕、これをまとめて一括して施行したほうが結局総体においては経済的に得であるというような観点から始めましたものでございまして、従いましてやはり建前上修繕費を以て支弁して参りたい、その場合におきましては、たまたま国鉄車輌が全部全国に亘りますときは非常に大量の額となりまするので、毎年ほぼ均分した経費がこのために支出するという恰好になりまするので、繰延計理という処置をとらなかつたわけでございます。  それから資産評価については、もう御意見通り、できるだけ私ども実情が許しますならば、速やかに資産の再評価を行いたいという希望は持つておる次第でございます。  それから手数料、或いは貨物及び荷物の配達料等支払い方でございまするが、これはやはりいろいろの便宜上と、いま一つは過去におきまして予算編成の際におきまして、委託手数料という項目を全部削際されましたというような実情から、今日までこういうようなやり方をいたしておるわけでございます。これによつて実損があるということではございません。ただ形式上どちらが望ましいかということでございまするが、予算との関係上今直ちに会計検査院の御注意にあるように改善、改めることはできないというような状態でございます。これを通じまして、やはり企業会計といたしましての各財務諸表整理と、現在の予算制度との間には大きな食違いがございませんが、個々的に見ますと、どうしても埋められないギヤツプが二、三点あるのでございまして、そういうようなものがこういうような恰好で現われて参つておるということも申上げられるのじやないかと思うのであります。  それから三百三十六頁の契約その他についての検査院からの御注意は誠に御尤もでございまして、私どもといたしましても十分こういう要点々々は今後ともますます自粛をいたしまして、こういうことのないように御注意通り改善いたして参りたいと、かように考えております。  それから不当事項のほうでございまするが、千百七十二号の問題、これは誠に御指摘通りでございまして、まあ事務怠慢というお叱りは誠にやむを得ないと存じておりますが、只今は全部の整理を完了いたしました。  それから千百七十三号の問題、これも予算消化その他の、或いは当時北海道に震災がございました関係などがございまして、いろいろ事務に追われたというようなこともございますが、併しながらこれらはすべて御指摘通り遺憾なことでございます。これも慎んでお詫び申上げます。なお、すべてこれらの工事につきましては適当な工事整理いたしました次第でございます。  千百七十四号でございまするが、これは橋梁改良工事工事区の事務所に充てるために建物を造つた。そのときにたまたまそれに転用し得る製材工場があつたので、それを使わなかつたというお叱りでございますが、誠に御尤もではございまするが、なお、私どものほうといたしましては、やはり非常に厖大な組織のために主管部局が異つておりまして、資材関係工事関係と或いは管理局というようなものとおのおの密接な連絡はとらなければなりません。何と申しましても、組織系統が異つておりますために、このような点について注意が足りなかつたという点は申訳ないと存じております。ただこれは、製材工場はもうすでに売却をいたしておりまして、遊休施設としての整理を完了いたしましたし、又現在新しく建てました改良工事詰所等は、これも引続き橋梁改良工事が続行されておつて有効に今利用いたしておる次第でございます。  千百七十五号の木れんがの問題でございますが、これは大井工場におきましてこの発注をいたしましたときに、率直に申しますれば、こういう仕事に対して詳しい者がおらなかつたというために、示方書に十分な明記をしなかつたということは誠に申訳ないことと存じております。予算の点につきましても、こういう注入の方法であるといたしましたならば、若干高かつたのではないかという御指摘も誠に御尤もでございます。十分今後注意して行きたい、かように考えておる次第であります。  それから千百七十六号の装荷線輪工事につきまして、工事示方書その他非常に杜撰な設計でやつたということでございます。これはもうすでに検査院のほうの御説明も十分ございましたし、又当委員会におかれましても詳細な御調査をなされまして、客年十一月の二日でございましたか、議事録にも御記載になつておるように、詳細な御調査がございますので、それ以上私のほうから特に弁明を申上げる必要はないと、かように考えております。誠に遺憾でございますが、これは責任者に対しても懲戒処分を行うべきところでございまするが、講和条約発生に伴う政令によつて免除になつております。今後厳重注意することにいたして処置いたしております。  それから千百七十七号の問題、それから千百七十八号の問題は、これは御指摘通りでございます。今後このようなことのないように十分注意いたします。又不足工事量に対します金額はすべて返納させて、責任者に対しましてはやはりこれは懲戒処分を行うべきでございまするが、先ほどと同じように講和条約発効の際の政令によりまして、責任が免除されておりますので、今後厳重に注意することにいたしておる次第でございます。  それから千百七十九号の問題でございまするが、これはいわゆる鋼矢板土留工事というものが一体本来の工事契約内容であるかどうかという問題に帰着するのではないかと思うのでございますが、成るほど工事示方書或いは入札公告等から文面だけ見ますれば、必ずしもそうとは言えないかも知れませんが、実際問題といたしましては、これは国鉄側におきまして十分な指示を以て、これでよろしいということでやつておる工事でございます。普通のいわゆる飯場とか倉庫というような仮設物とは全然性質を異にいたしまして、工事と密接な関係にございまするので、従いましてそれによつて生じました損害、これが結局土圧予想外に過大であつたということになるのでございまするが、この予想外土圧ということは、これはなかなか技術的にもむずかしい問題でございます。勿論全部が請負人責任といたしまして、又請負人のほうにおきまして金に糸目を付けず、こういう土留工事をいたすということになりますれば、こういうような事件は起らなかつたということは言えるのでございますが、そういうやり方になりますと、勢い工事単価がどうしても相当多くならざるを得ないということになるかと思うのであります。併しながら事故が起つてしまえば、却つて損ではないかということにも相成るのでありまするが、すべての工事請負方につきまして、全部そういう行き方で行くほうがいいのか或いはやはりこの種の工事につきましては、こちらといたしましても、納得のできる程度の限度におきまして指示をいたしまして、それで責任を当方で持つというようなやり方でやつたほうが全般的には結局工事単価の引下というような意味合いにおきまして効果があるかという問題は、これはやはり問題として残るのではないか、かように考えております。ただこの件につきまして、そういうことになりましても、非常に契約条項におきまして不明確であつたという点につきましては、これは誠に申訳ないことでございました。その結果、検査院からの御指摘を受けたのでございまして、今後そういう点ははつきり条項で明確にしてやつてもらいたい、かように考えておる次第でございます。
  5. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御質疑のかたの御発言を願います。  検査院に伺いますが、この千百七十九号ですが、かような場合の事故というものは、これは当然工事全体に包含されておつて特段注文者負担に帰すべきものではない、こういう御見解から御指摘になつたのだろうと思いますが、その点如何ですか。
  6. 大沢実

    説明員大沢実君) この点は契約書には、これは前も申上げました通り堅固な鋼矢板を用いて土圧に対して堅固な工事をしなければならない、こういう契約の際の示方書はなつておるわけでございます。でありますからこれをする、堅固なものを作る責任はもつばら請負人のほうにあるのであつて、それに基いて若しも只今経理局長のほうから御説明がありましたように、こういうもので計算上、これでどうだろうか、それで国鉄がよかろう、こう言つたとしましても、それはいわば契約の別の面の何といいますか、一つアドヴアイスといいますか、ただ工事進行中の一つアドヴアイスとして考えられるべきものじやないか、飽くまでも請負人としては若しもそれで国鉄がよかろうと言つても、それで若し請負人として心配があれば、なお強固なものを作つて、そして国鉄のほうに引渡すというような義務があるのではなかろうか、こういうふうに検査院としては考えておる次第でございまして、本件の場合も、若しも国鉄側の御説明のようであるとしますれば、入札示方書その他には鋼矢板にこういうものを用いて、もつと具体的な設計を用いてこれでやると言うのだと書いて、それで若し設計通りで壊れたとすれば、国鉄側は或いは責任を持たなければならないと思いますが、そういう具体的なことを契約書に明示してなければ、これはやはり請負人負担しなければならないかと、こういうふうに考える次第でございます。
  7. 小林亦治

    委員長小林亦治君) その点もう一遍石井局長から伺いたいのですが、やはり我々が考えても、契約常識から言つて検査院指摘が正しいと考えるのですが……。
  8. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 私専門家でございませんので、施設局管理課長が参つておりますから、管理課長から答弁させることにいたしたいと思いますが……。
  9. 中路誠三

    説明員中路誠三君) 只今指摘がございましたが、一般の重大な国鉄構造物に影響しまするものにつきましては、又地盤その他相当むずかしい場所におきましては、先ほど大沢さんからお話がございましたように、ただ堅固なものであるということで、あと少少計算或いは設計図等は参考的なアドヴアイスを受けるだけということでは、この重大なる構造物のための仮設物とは書いてございまするが、これは実際はそういう単なる仮設物ではないのでございまして、その関係上、工事種類にもやはり鋼矢板百四十メーターというような工種はつきり出ております。そういう点におきましては最大の技術を使いまして最小の経費を以てやるということが、我々としては必要である関係上、このような措置をとつたのでございまして、ただ一般的には我々は考えていないつもりでございます。非常に重要な鋼矢板でございまして、而もなお鋼矢板の埋め方が短いとかいうようなことであれば、勿論これは請負人責任でございます。併し請負人責任に帰すべき点がないのでございまして、やはりこれは不測の土圧という工合考えるわけでございまして、ときあたかも丁度あの辺の蘭草の植付けの時期になりまするので、岡操胡麻田附近というのは非常に地質の悪い所でございまして、我々発注側といたしましては重大関心事でございます。そういう関係を以ちまして技術の各々におきます最高を使いまして、そうしてお互いにこれらにつきましては最善の設計或いは計算をしたつもりでございます。なお、施工その他につきましては請負人側に瑕疵はないという工合考える次第でございます。
  10. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 只今中路課長から御説明申上げましたが、要するに契約面だけ見て御指摘になりますれば、おつしやる通りかとも思うのでございまするが、実際契約内容それからその実施方法等本件について検討いたしますと、只今説明申上げました通り、この工事内容となつておると言つて差支えないというような事例でございます。従つてこれは請負人責任を追及するのは酷であるという観点で処置いたしましたもので、一般的な問題といたしましては、その点契約条項として明瞭でなかつた点は先ほどもお詫び申上げた通りでございます。実際の内容文面ばかりでなくして事実に即して御判断を願いたいと、こういうのが私どものお願いでございます。
  11. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 実際上のことは、これは現場は私どもは見ていないのですが、説明書にもある通り特約条項で今後明確にするということをおつしやつておられるのですが、この種のことは明確にせんでも、当然天災によるところの土圧とか或いは天災によるところの土砂の崩壊とかいつたような場合は、これは格別なんで、天災によらずして当然そういうことが工事前の検収、或いは調査によつてその土質の検定等から、こういうものはこれは容易に考えられることじやないかと、こういうふうに思われるので、特にそういうことは条項に入れないでも、当然に請負人責任だ、こういうふうに私ども考えている。そういうことが条項に入れなければ注文者負担ということは、それはちよつとあらゆる請負の場合に該当しないと思うのです。どうも御説明ではその点は咀噛し切れないものを感ずるのです。
  12. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 私あとから来ましてどうもよく説明を伺えなかつたのですが、土圧が特別の我々が考えられる以上の天災的のものだつたのですか。今土圧が云々ということがありましたが……。
  13. 中路誠三

    説明員中路誠三君) これは大体安息角十五度ぐらいとつてつたと思います。大体その地方におきましては、相当余分な、何と言いますか、土圧考えておつたよう考えるのですが、たまたま非常に水が数日前からよく噴出と言いますか、掘つたあとの水の量が非常に多かつた従つて接触の粘土も柔かいものでございますから、或いは長い間には見えない所に水が出た、ただ土圧の問題だけではございませんで、その他の問題もあつたかと思います。
  14. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 大体そういう場合、例えば請負に出す場合は、現場の人は現場を見てから、いろいろ入札するので、そういうことを考えに入れて入札しているのですね。我々の常識としてはこういうものは、特別の天災的のことがなければ請負者負担だと思うのですが、大体鉄道では、こういう場合みんな補償して払つておられるわけですか。
  15. 中路誠三

    説明員中路誠三君) 一般的ではございません。このように特に重大な本工事に影響あるところにおきましては、こういう場合もあるのでございます。大部分はそういうように工事が例えば鋼矢板何メートルだとか、根掘り何メートルというようなことで、大体やつているのですが、この点につきましては、本胡麻田地区におきましては、やはり相当重要な関心事で、掘さくにつきましては掘さく何メートルということでなくして、鋼矢板何メートルというやはり特段場所でございまして、そういう場合には払つておる事例がなお二、三例はあると思うのでございますが、全般的にはそういうことはありません。これは御承知のように、入札当初から応力計算書或いは設計とか施工法とかいうことを入札事前に取つてそのものだけにつきまして、更に入札したというようなことでございます。もとより公開入札ではございますが、やはりそういうような設計書或いは計算書というようなものを提出せしめましてやつております。一般的なものではございません。
  16. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 結局公開入札業者はそういうような現場を見て、それによつて契約をやつたのでしようから、その他のことで余ほど特異でない場合、少しぐらいの土圧ではこれは業者負担だろうと思います。そういうことが契約条項に書いてあるかどうかの問題でありますが、我々の常識としては、これは業者負担であると思う。
  17. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 普通の契約条項であれば業者責任である、先ほどのお答えでありますが、我々もそれは決してそうではないと申上げておるのではありません。それから先ほど委員長特約条項を入れればすべて発注者責任だという解釈が成立のはおかしいということですが、私ども特約条項というものはそういう意味でない。この工事のようにこちらで重大な責任を以て土留工事などの示方につきまして承認或いは指示をしたという場合には、こちらの責任であるということを特約する。そういう意味でございます。そこで本件につきましては、当初契約文につきまして、先ほど会計検査院から御指摘がありましたように楽なやりかたをしておつたということは申訳ないと思います。実際問題といたしまして、この土留工事につきましては相当工事承認とか指示とかという程度のことをやつておりましたものですから、事実上責任を追及するというのは酷であつたのではなかろうか、こういう御返事を申上げたのであります。
  18. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 そうすると、いろいろ工事を監督される場合、例えば現場監督を十分して、やはり承認を与えつつ仕事をされるのではありませんか。
  19. 中路誠三

    説明員中路誠三君) 承認を与えてやつております。併しながら本件につきましては入札の当初から、そういう特別な、言つて見れば、必ずしも特約条項というわけではございませんが、一般的のものと違いまして、ただ示方書により事前に、足場丸太はこういうふうにせい、或いは橋梁足場を作るにはどういうふうにせいということは、承認を得るようになつておりますが、本件については特にこういうようなことをやつておるように考えられます。
  20. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 例えば石井さんなら石井さんが承認を与えてあるから、これは特に払うあれがある、結局承認指示を与えた工事は、全部そういう問題があつた場合は、鉄道のほうで払わなければならんという結論になるわけですか。
  21. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 例えば工事を施行いたします場合、現場監督として承認するということは、個々の問題のそういう承認という意味では、私はさようなことはないと思うのでございますが、そうでなくして、この問題は、土留仕方そのものにつきまして、工事予算の積算の内容から、すでに設計の前に、こういうふうなものでやるのだ、それでよろしいというような、いわば契約内容になつておると言つても差支えないものでございましたので、そういう意味におきまして、発注者において費用を負担したということなんでございます。そこでそういう問題が今度起り得る場合は、これを特約条項で明確にして参りたい。むしろ率直に申しますと、特約条項というより工事内容として適用して参りたい、こういう考えでございますので、本件につきましては その点が契約内容であるということがはつきりしていなかつた、だから事実としてそういうふうに解すべきものであるという点の手落ちは、これは先ほどからお詫び申上げておるのであります。今後は文面も事実に合せて作つて参りたいと、こういうことで御了承願いたいと思います。
  22. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 こういう問題は今後もいろいろあることだし、契約の当初においてよく気を付けられて、あとからこういう紛糾のないように、我々が常識的に見ればどうもおかしいと思うのですが、それは当初からよく契約面に書かれて、こういうことがないように、我々は今後注意してほしいと思います。
  23. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 只今小澤委員のおつしやいましたことは誠に御尤もでありまして、私ども御答弁を申上げておる内容も、今小澤委員のおつしやつたようはつきり契約でさせてもらいたい、こういうつもりであります。今後十分注意いたしたいと思います。
  24. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質疑ございませんか。
  25. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 千百七十五の問題について検査院のほうでは検収上に注意が欠けておるということを指摘しておりますが、当局のほうでは検収上の手落ちがないというふうに答えておられますが、この点についてもう一度伺いたい。手落ちがなかつたのかどうかということを念を押したいと思います。
  26. 石井昭正

    説明員石井昭正君) これは私どものほうといたしましは、加圧注入の品物であるという意味発注をしたのではない、こういうふうに聞いております。ただそれであるとするならば、単価が少し高過ぎるのではないかというような御指摘は御尤もでございまして、この点は事情を御説明申上げますとくどくなるのでありますが、当時としてその発注者は、相当各業者に当りまして値段調査いたして発注したのでありますが、併しその調査の仕方が十分ではなかつたために、客観的に見ますと、確かに若干高い値段になつておるということは、これは申訳ないと思うのであります。ただそういう意味で全然違つた品物が入つたのだというふうには考えないのでございます。やはり注文をしたものが入つたのだと、こういうふうに考えたので、検収上におきまして手落ちはないと、かように申上げた次第であります。
  27. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それでは検査院にお尋ねいたしますが、示方書に必要事項を明記しなかつた点は遺憾であるということは、国鉄側でも認めておるところですが、検収上にも注意を欠いたために不経済な結果を来たしたということが指摘されておるわけです。この検査院で御指摘なつ検収上も注意を欠いたということはどういう点ですか。
  28. 大沢実

    説明員大沢実君) 第一に注入という言葉でありますが、これは私のほうも専門的な知識がないので、こうした木れんが作つておる会社に対して問い合せてみたのでありますが、注入ということは加圧注入、いわゆる中まで注ぎ込むのでありますが、加圧注入、注入という言葉で表示されておりますが、それと一つは三十円の値段のものはやはり木れんがの会社に問い合せましたが、四十キロ以上のものをいわゆる加圧注入したと、こういうことであります。でありますから、契約書は不備でありますが、注入したものを買うのだというならば、それで値段も相当高価な予定価格を積算しておるものでありますから、これは当然初めのは契約書が不備であつてもクレオソートを加圧注入したということで契約したのではなかろうか、そうしたならば、入つたものが平釜で浸透させたものであるならば、検収上にも手落ちがあつたのではなかろうか、こう考え検収上も注意を欠いたという言葉を書いた次第でございます。
  29. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 我々は常識で判断しても、注入ということで契約しておるなら、浸透した品物を受取るということは、どうも不合理であるように思われる。当然注入で契約せしめたものが、この当局説明にあるように、浸透させたもので間に合うというならば、初めから単価或いは契約高というものは当然当初から低く予定されておるべきはずですが、その点はどうですか。
  30. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 注入という言葉でございますが、加圧注入或いは平釜注入という言葉を使つておるのでありますが、当時といたしましては、加圧注入ということを行なつておる業者は存在しておらなかつたわけでありまして、それと使用目的が、先ほど申上げましたように、腐敗による損耗よりむしろ衝撃による破損ということを防ぐのが主たるものでございます。従いまして、発注するときの気持は、或いは注入という言葉があつたために、そういう加圧注入でなければならんという結論になるのかも知れません。併しその点は発注者は御承知の車輌工場の所属の者でございまして、その点言葉の使い方に十分な経験がなかつたことは申訳ないと思いますが、考えておりましたことは、普通に当時行われておりました平釜注入の品物を注文すればよいと考えておつたのであります。その点示方書に注入量のことを入れてなかつたことは申訳ないと思つております。その値段が平釜注入にしては高過ぎるということは、これは確かにいろいろ調べて見ますと、そういうことに相成ると私ども考えて申訳ないと思つております。ただこれは当時として発注者といたしましては、やはり業者に当つてこれをやつております。業者に当つて、そうしてその結果を出したのでございます。その辺もう少し、もう一歩踏み進んでその業者の見積りなり何なりについてクレオソートの注入方法或いは注入量等について、深い省察を加えてやれば、これは間違わなかつたのであります。その点注意の欠けました点は申訳ないと思つております。
  31. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは次に千百八十号から残りを全部問題に供します。先ず専門員をして説明いたさせます。
  32. 森荘三郎

    ○専門員(森荘三郎君) 千百八十号からあと数件は、物品に関する事柄でありまするが、千百八十号は、古いレール、鉄屑などの売却の方法が適当でなかつたという点でありまするが、この案件は鉄屑などを、当時価格統制中でありましたので、統制価格で売買する契約を三月の下旬にしたわけであります。そうして実物を買受人が引取るのは、四月から十二月頃までに亘つてだんだんと引取つたわけでありまして、買受人のごときも何々株式会社ほか三十二名に及ぶというわけなのであります。ところが、四月一日に統制が停止された。そうなりますると、このときには市価が著しくその後高くなつたのであります。ところが契約が三月にできておりますから、元のままの値で引渡したのでありまするが、それが不当であるということが検査院から指摘されておりまして、これを計算をしてみれば合計で二千四百万円以上の損になる。それはどの点が悪いかといえば、契約の条件の中に、統制時代でありまするから、統制額が改訂された場合には、その改訂された価格に変更をするという、その条件はついておつたわけでありまするが、改訂という文字はありましたけれども、統制が停止されたあとという、統制停止ということが契約条項の中に語つてないのであります。統制停止後に引渡した、そういうものについては、価格を改訂するという条件を附しておきさえすれば、もつと高い値を取ることができたのに、こういう条件を落しておつたということが不注意だという指摘であります。当局の答えもその御指摘通りでありまして、統制価格が停止されたならば、まだそのときに引渡していなかつた部分については、業者と協議をして適当な市価を定めるべきであつたのが、それをしなかつたのは遺憾であるということを答えられております。  ついでにちよつとつけ加えて申上げますが、殆んどこれと同様な扱いをしたものが、大蔵省関係の屑鉄の売却についてでございます。その場合にも殆んど同様な指摘検査院から受けているのでございます。只今大蔵省関係と申しましたが、この検査報告の百十一号乃至百十七号にありまするものとほぼ同種類のことなのであります。  次に千百八十一号、これは物品の買入が不当であるという指摘でありまするが、これは鉄道の信号のところに錠前がついておりますが、その錠前を新たに取換える、それは従来使用しておつた信号用の錠前が陳腐化し、且つ世間で、私鉄会社の鉄道などにも一般的に使用されておるので、これではよその者が出て来て、これらの信号にいたずらをしても困る、事故発生防止に不十分であるために、新規に錠前を別の錠前を買入れて、全国的に統一する必要があるということで、購入されておりまするが、その買入れた金額は約四千万円近くに上るわけなのであります。併し検査院の御指摘では、この新らしい錠前といえども、それを開けることが極く簡単に開けられるものであり、破壊とありまするが、破壊がそれほど困難でもない。事故発生防止のためには、従来のものと余り差がないから、全国統一のために多額の、多量のものを一度に買入れるまでの必要はあるまい。必要に応じて部分的に買入れればよいのではないかという指摘のようであります。これに対して当局の答えは、この信号用の錠前は実用新案品である、その点が従来のものとは違つておる。程度の差こそあれ、実用新案品で、一段の進歩のあることはわかる。当時使われておつたほかの錠前に比べると、国鉄がこういう信号用の錠前として使うところの錠前は、こういう点とこういう点と、これこれの条件を具備していることが望ましいという条件が何カ条かある。それに照し合せてみると、従来のものに比べて新らしいものが非常に条件をよく備えておる、それで統一的に購入した。なお、又錠前を開けるとか、破壊をするとかいう点も、勿論そう立派な品物でもありませんから、完全というわけではありませんが、併しそう言われるほど必ずしも破壊が容易なものとは考えていない。とにかく従来のものよりは一歩進んだものである。なお、従前の使用品は、相当長く使つていたために陳腐化しておる。それから又戦時中及び戦後を通じてよい品物をほしいと思つたけれども、なかなか容易に手に入らなかつたような事情もあつて、現在こういう信号のことに関係をして、従業員が持つております品物の種類が、種々雑多なものを持つているというわけでありますから、仕事をする上においても、ここにあるこの錠前で開けるのにも、どの鍵であけるかといつたような一々使用上困難を感じておる、管理上支障も多かつたということ。なお、特にこの当時におきましては、御承知のあの三鷹事件、松川事件など列車運転事故が続発をして、信号機に対する妨害事件も相当多数起つてつた。ほかのことと違いまして、人命の危険もあることでありまするので、その防止策として特に注意を加えたのであり、それで従来ほかの私設鉄道などで使つておるものと違つた種類の国鉄特有のもの、よそへは決してこれは流れて出ておらないといつたような、混用範囲の狭い錠前に統一するために、思い切つてつたのだと、こういう答弁なのであります。  次の千百八十二号、これは関係者がどういう計算違いでやりましたか、検査院指摘によれば、必要量以上のものを購入した。即ちここに一覧表に並べて書いておきました通り、これだけのものを準備しておけばよかつたのだ、ところが前年度から繰越したものがこれだけあり、当年度すでに納入されておるものがこれだけある、原料品で持つておるものもこれだけある、すでに手持品だけでもつて必要量を超えておるのに、それ以上更に多量なものを買入れて、翌年度に持越しているという批難でありまして、当局検査院指摘通りという答えであります。  その次の千百八十三号、これは汽車や電軍などのドアーの入口のあの板ガラスでありますが、それか従来使用しておりました普通ガラスでは、破損が大きくて損でもあるが、殊にお客さんに対して危い。ところが別に強化ガラスというものがあつて、壊そうと思つても壊れないという程度のものがありまするから、それで従来の板ガラスを加工者に渡して、強化ガラスに加工をさせたという事件なのでありまするが、これについてどういうことが問題とされているかということを上と下とに並べて書き分けてみました。先ず検査院指摘は、使用部局の準備要求によらないでこれだけのものを欲しいといつても来ないものを、こちらのほうで、本庁のほうで加工をさせたということ。ところができ上つた品物を使用させますると、使用担当者がその使い途を知らない、嵌込みが困難であるがために、使用量が極く僅かしか使用されておらないで、検査に行つたときには大多数がそのまま残つてつたということ。それから三番目に、こういう変更を加えるならば、従来の板ガラスの破損率がどのくらいあるか、それらのことをよく調べ、なおこれに加工に要する費用と、双方を照らし合せてみて、どちらが経済上損か得かということをよく研究しなければならないのに、その研究をしたと思われる十分な資料がないということ。次にかような品物は二十三年度以後に買入れた事例がないという、これだけのことを検査院の報告に記されておりまするが、これに対する当局側の説明を対照的に申しますると、第一の点は、それぞれ関係部局とよく協議の上で加工をさせたのでありまするから、必ずしもこの点において不調法であつたというわけでもありませんという弁明と、次にこの文字がガリ版の誤まりがありまするが、「使用方法につき十分な協議が行われず」とありますこの「協議」という二字を消して頂きまして「検討」と直して頂きたいのであります。    〔委員長退席、理事菊田七平君着席〕  使用方法について十分な検討が行われないで、その使い方の指導が徹底していなかつた点は、これは当局としては誠に申訳がないことであると、この点をはつきり認めておられるのであります。なお、繰越品はその後大部分を使用済で、あとに残つておるものは極く僅か、どこそこが幾らということが書いてありまするが、なお、これにつきましてちよつと附加えて申上げまするが、強化ガラスというものは文字通り強化されるものでありまして、これを切ろう思つてもなかなか切れないのだそうであります。窓枠の寸法がすでにきまつておりまするから、そこへ嵌込もうとすれば、必ずしもガラスの寸法がぴつたり合うものもあれば合わないものもあり、窓の寸法はそれぞれ違うわけでありますから、違つただけのものを切ろうと思つても、余り硬過ぎて切れないということが、この使用実績が少かつたということと関係しているのだそうであります。それから第三の点につきましては、これは成るほど一々比較研究をやつてはいない、併し従前使用しておりました普通の板ガラスであつたときには、これは多量の破損があつた。殊にもうこのときは二十六年度でありまするけれども、これより以前の終戦直後のごときは、あの旅客が非常な混雑をしておつたときでありまして、窓ガラスなどはもう押し合いへし合いで大分破損があつた。その破損があつたあとを受けているわけでありますが、いずれにせよ、従前には相当多量の破損があつた。ところが今度作つたこの品物は強化ガラスでありまして、絶対にといつては言い過ぎかも知れませんが、殆んど絶対に破損しない程度の品物でありまするから、従来は破損率が何%あつた、それに対して今度のものはどの程度破損するか、殆んど比較は不能というような状態にある。これが非常に固いもので壊そうと思つても壊れない程度のものだということは、前に申しました第二の点で、窓枠に嵌込むために寸法が合わないので切ろうと思つても切れないくらいのものだということを見て頂いても、殆んど比較しろといつても、すればよかつたかも知れませんけれども、それほどまでの必要を当時考えていなかつた。なお、附加えて申上げたいことは、お客がガラスの破損のために怪我をするということは、一事件が起りましても容易ならんことでもありまするし、なお、同じくこのガラスが如何に強化ガラスといえども、割れることはやはり割れるに違いありません。普通のガラスでありますると、ぱんと何か物が当れば破片が直角的にといいましようか、飛び散つて人に傷害を与える。ところが強化ガラスはその割れ方がまるで違うものでありますから、これが仮に人間の体に当りましても、突き刺さるといつたような、ああいうふうの鋭い被害を与えないという点も考慮しなければならないということが附加えられております。それからなお二十三年度以後に購入の実績がないと言われまする点は、実は二十一年度以後一部分は購入をして用いておつたのであるけれども、何分にも値段が高い。普通でさえも高いには違いありますまいが、二十一年度、二十二年度という頃は物資不足の当時でありますから、非常に高価であつたので、二十三年度以後は一時購入を停止しておつた。当時は普通の板ガラスに比べて六倍程度の価格の高さであつたそうであります。従つてこんなに高くてはというので中止をしておつた、ところが二十六年度になつて、これが三倍程度に、三倍と思いまするが、その程度に下つたので、それならば買つてもよいというので買うことにしたのであるというふうに説明されているのであります。  その次に千百八十四号。これは納入されたところの品物に不良品があつた。普通ならば、その不良品はこれを突き返すか何とかして瑕疵担保の責任を追及すべきはずであります。ところがその責任を追及せずに、不良品をばスクラップにしてしまつて他に転用した。これがいけないといつて批難されているのであります。当局の答えは、全くその通りでありまするが、併しなぜこんなことになつたかといえば、関係個所相互間といいまするのは最初神戸で買入れて納入されたものを、東京附近の大宮へ移して来たりなんかしたわけで、それでこう関係個所相互間の連絡不十分のために、受取つたほうでその不良品は択り分けて別に保管をしておけばよかつたわけでありまするが、その注意を欠きまして、ひび割れを生じておるものをも長く一緒くたにしておいた。そうしてあとでそれを使おうとするときに、こんなひび割れの生じたものは使えないというので、ほかの目的に転用してしまつた。そうしてどれだけの分量がどうなつたのだか、それが殆んどわけのわからんような形になつたものでありまするし、納入者に向つて品物を突きつけて瑕疵担保を負わせるということができなくなつてしまつたものですから、どうにもこれはいたし方がありません。但しかような処置が悪かつたこと、関係方面の連絡を密にさせるということの必要は認めまするから、今後はそういう方面に注意をさせますということなのであります。要するに処置を誤つたもので、納入者に向つて証拠物件を突きつけることができないものだから、どうにも仕方がないということのようであります。  次の千百八十五号でありますが、これは物品の経理が甚だしく繁乱をしておるというのでありまして、これは大宮工場の用品庫であります。このところの物品の経理が甚だしく紊乱をしておつたということは、このあとにも御参考に書いておきましたが、昭和二十五年度の批難事項の千三十七号とか千四十一号などに詳細に記されているところでありますが、とにかくひどく物品の経理が大宮において紊乱しておつたのであります。従前から職員の事務の不慣れや乱雑な物品経理のために生じた現品の過不足、或る品物は帳面よりもたくさんな実物がそこにある。そうかと思うと他のものは甚だしく不足しておる。そういうふうなことがあつたものですから、それを整理しようとして、その過不足を糊塗する目的などのために不当な経理をやつてつた。だからますます変な、帳面ずらと実物とが合わないということになつたわけなのであります。当局の答えは、全く検査院の御指摘通りであります、それで厳密なる棚下しを行いまして、すべて正規の処理をいたしましたという報告であります。  次に千百八十六号、ドラム罐の借入について契約の仕方が下手なことをやつたので、余計な金を払わなければならなかつたという例でありまするが、新潟の事務所で契約をしましたときには、次に掲げましたような条件で契約をして、ドラム罐を借入れることにしたのであります。ところがこれは新潟の事務所でこんなことをやつたのでありまするが、国鉄全体としましては、国鉄が別に契約をしておる特約条項による使用料を見ると、最初三カ月間は無料、四カ月以後になりますると非常に高くなりまするか、これは貸してくれますほうの会社で、そう長く使われておつては非常に迷惑なものですから、最初三カ月間は無料で使つてもらうが早く返して欲しいので、四カ月以上半年も一年もということになつては、もう罰金をとるというくらいな心持で、こんなふうに値段が高くなつておるわけなのであります。この二つの金額を比べてみますると、ちよつと見ると、どつちが安いのか高いのかわかりせんけれども、使用実績を見ると、新潟の使用実績は最高六十六日程度でありまするから、右の特約条項によれば全然無料で使用し得たという結果になつておる。それをこんな下手な契約をしておつて金を払つたのが不当だというわけであります。これに対する当局の答えは、この国鉄特約条項を活用しなかつたことが遺憾であるという回答であります。  次の千百八十七号、これも事柄の内容は簡単でありまするが、井戸水を、長野における出来事でありまするが、電力料金を節約するために井戸水の使用を少くした。そうしてその代りに水道の水をたくさん使つた検査院の調べによれば、若し二十五年度と同じだけの水を使つたものと仮定すれば、二十六年度には電力料のほうでは、つまり十五万円だけ、——どう言つたらいいのですか、二十六年度には電力料を十五万円だけもつと多く使うことにはなるけれども、その代り水道料が九十五万円節約になるわけですから、比較してみれば八十万円の節約になつたはずだ。電力を節約しようと思つてつたことが水道料のほうが高い、こういう結果になつて、損なことをやつたもんだ、不注意なことだと言われますが、当局においても全く検査院の御指摘通りという答えであります。  その次に千百八十八号と八十九号は、これは職員の不正行為、犯罪事実なのでございます。  それから最後に千百九十号から九十八号まで、是正済みの問題が報告されてありますが、ただその中で、読んで行きますと、特に御報告申上げるほどのこともございませんが、最後の千百九十八号、これは犯罪行為じやないかと思われることでありまするが、事実実質的に申せば殆んど犯罪行為と言うべきでものでありまするので、この責任者は諭旨免職という取扱いをされておりまするし、相手方の業者は出入り禁止という処分をしたということが報告されてございます。  以上であります。
  33. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) 次に検査院説明を求めます。
  34. 大沢実

    説明員大沢実君) 只今千百八十号から以下の専門員の御説明でほぼ尽くしておりますので、多少国鉄側意見を異にしている部分を取上げて申上げてみたいと思います。  千百八十一号、三百四十四頁の信号用錠前の購入でありますが、これは信号用錠前は、普通の南京錠と恰好は違いますが、構造は同じでありまして、ただ鍵の穴が横ではなくて、鍵の穴は尻になつている。それで普通の鍵を開けるようになつているわけであります。それに今度統一されましたが、裏が鍵でなくてねじになつていて、ねじであけるようになつている。そのほかの構造は大体従来の南京錠と同じなのであります。そこで検査院として申上げたいのは、この錠前を外すことがどういう場合があるかと考えますと、子供だとか、或いは何か物好きの人間のいたずらによつて外すということ、それから国鉄の通信機能を破壊しようという意図を以てやる悪質な場合と、この二つが考えられますが、単なるいたずらでやる場合には、鍵と申しましてもどこにでもあるという鍵ではなくて、やはり山が相当違つた錠でありますから、そういういたずらでやるならば従来のやつでもそう簡単には開かない。だから又開けようという気持もそうないだろう。又逆に故意に通信を妨害しようという意図でやるといたしますれば、南京錠でありますれば、先ず簡単に、つるのところが真鎌でできておりますから、やすりで切れば簡単に切れてしまう。簡単だということは不適当かも知れませんが、すり切れてしまうので効果はないのではないか。又あけるのは鍵をねじであけるのですから、機械は違つているから、どこにでもあるという鍵ではなく、ちよつと特殊な構造で、山は特殊になつておりますから、そう簡単にはあかない。又よく泥棒は針金一本でも鍵があくといいますように、いろいろひねり廻しおればあくかも知れません。今度のやつもねじがありますが、わざわざねじをかけなくても偶然なことでありましたですが、実物なんかありまして、ちよつと手を入れてみたら偶然にすぐあくような恰好になつています。その点からみましても、余りそんなところから従来と変つてやしないのじやないか。勿論少しでも進歩されるということは、あえて会計検査院でもそれを阻止しようという気持はないのでありますから、いいものをだんだん取入れて行くということにはあえて反対しないのでありますが、全面的にこれを取替える、十六万個も取替えるようなことは一挙にされなくても、例えば或る通信区のものは大体において鍵が相当古くなつたから、この際に取替える必要があるというときに、その通信区だけ取替えるという方法で十分ではなかろうかと考えます。陳腐化していると書いてありますが、鍵そのものが腐れかかつているという意味ではありませんので、形式的には古くなつているという意味なんであります。新品はまだ相当あつたのであります。だからこうしたものは、ステップ・バイ・ステップで、一挙に統一して行く必要はなかつたんではなかろうかこう考える次第であります。  それから次の千百八十二号は特に申上げることもありませんが、千百八十三号、強化ガラスの点で、これは会計検査院の表現が不必要なことを行なつたと、ちよつと強い表現になり過ぎているのではなかろうかという感じも実はするのでありますが、勿論普通のガラスよりも強化ガラスに改善をして行くという、その意図されるところは会計検査院としましても、あえて反対しているわけではないのでございまして、強化ガラスを使いたいならば使いたいようにあらかじめ十分各方面に連絡をして、その使い方なり寸度などをきめて、そして強化ガラスを、つまり使用者側のほうから今度こういうものを使おう、じやどのくらいの大きさのものを、強化ガラスを使いたいからという要求をして本庁のほうで準備されていいんではなかろうか、寸度をはつきりしないものを、ガラスを強化させて、そして各工場へ送付して、工場ではもらつたけれども、どうも使い途もよくわからないというので、そのまま死蔵しておるというような状態でありましたのですから、少くともそうした加工させるというのは、不必要な加工ではなかろうか。全体的に強化ガラスそのものを作るのは勿論不必要とは思いません。併しこの場合も実情としては不必要なことをやつたんではなかろうかと、こういうふうに考えている次第でございます。  あとの点は、大体会計検査院意見に対しまして、特に意見もありませんので、今専門員の御説明で私どものほうの説明は省略させて頂きたいと存じます。
  35. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) では次に当局より説明を願います。
  36. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 千百八十号の鉄綱及びくず鉄の売却でございます。これは契約当時は統制価格の停止或いは廃止ということを予想できなかつたものでございますので、官庁といたしまして統制価格があるものとしての契約従つて、統制価格が改訂になつた場合、変更するという特約条項を附したので、この契約自体は止むを得ないものと思つておりまするが、ただ統制停止後まだ引渡していないものについては、これは当然実情業者と協議して価格改訂の協議を行うべきであつたことは御指摘通りでございます。この点怠りましたことは誠に遺憾でございました。関係者に対しまして厳重に注意をいたしました次第でございます。  それから、千百八十一号の錠前の問題でございまするが、これは確かに錠前といたしましては、普通の錠前よりは進歩と申しますとおかしゆうございますが、特殊な考案がございますので、普通の錠前に対する感覚を以てこの錠前を開けるというには、やはりそこに一つ食い違つたところが出て参るような実物でございます。で、当時の事情は御承知のように、まあいろいろ物資の不足の問題もございますし、世上の不安もございまして、機器類の盗難、或いは信号妨害というようなものが非常に多かつたわけでございます。で、まあその点を非常に神経質になりましたということもございましよう。まあそういういいものができましたので、全面的にこれを使いたいと同時に、又国鉄のごとく多数の機械を持つておりますところにつきましては、非常に使用の物件がまちまちになる。いわゆる規格が混同することはいろいろの意味におきまして不経済でもあるし、能率も上らないという両方の観点から統一をすることに決定をいたしたわけでございます。で、その結果、昭和二十三年——二十五年度中には、十五件の多数ございました信号機に対する妨害事故が、二十六年度以降は殆んど盗難による事故が皆無になつております。勿論これは必ずしも錠前だけの関係とは申しません。世上の安定ということもあるかとも思いますが、とにかくそういうような意味合いで、こういう統一的なものを使いたいという気持を決定してやつたわけでございまして、錠前そのもの値段といたしましては、これは普通の錠前に比べると若干は高くなつておるかも知れませんが、先ずそう非常に高価なものではないということでございまするので、これを今後使うことにいたしたいということで、只今でもこの錠前を使つておりますし、殆んど全部この錠前に切り換えたわけでございます。で、検査院の御指摘は、まあやること自体は異議ないが、一斉にやつて、まだ古い錠前が使えるのにこれを捨ててしまつた、廃棄するというようなことは行き過ぎではないかというような御意見というふうに拝聴するわけでございまするが、    〔理事菊田七平君退席、委員長着席〕  誠に結果論的に見ますと、或いはそういうふうなことになるかも知れません。当時のまあ社会情勢その他といたしまして、一応私どものほうといたしまして、これを全面的に切換えたいという気持が起きました事情も御諒察願いたいと思うのでございます。  それからその次の千百八十二号のそ毛糸の購入でございます。これは確かに御指摘通り所要量以上に購入いたしておりました。誠に申訳がございません。ただそれは二十七年度に繰越しまして、全部使用をいたしている次第でございます。まあ無駄になつたわけではございません。一時に必要以上買込んだことは誠にお説の通りでありまして、関係者に対しましては厳重に注意した次第でございます。  千百八十三号の車両用強化板ガラスでありますが、これは確かに使いにくい品物であることは事実でございます。従つて現場で使うということに対しまして十分な検討がなく、要求部門と購入部門との間におきまして、それも正式な手続でなくて簡略な打合せで以て、こういう措置をとつたということは誠に遺憾でございます。この点につきましては、関係者に対しまして十分注意いたしまして、まあこの品物も極力努力いたしまして、殆ど使用を済ませた次第でございます。確かに御指摘通り十分その点使用上の点につきましてのあらかじめの検討が足りなかつたことは申訳ないことと存じております。  それから千百八十四号の鋼材の瑕疵担保を追及していなかつたことは御指摘通りでございますが、ただ一言申述べさせて頂きますならば、これは工場で使用いたしております。従つてどものほうの組織関係上、購入部門は用品庫でございますが、そこで検収いたしまして、使用部門である遠い位置にありまするところの工場に送つているわけでございますが、その点こおきましてなかなか思うような事務連絡ができないという点もございます。なお、工場でございますので、工場の作業中にはいろいろな意味におきまして、不用の品物、或いは俗にいうおしやかというようなものができますと、これをどんどんスクラップといたしまして、或いは鋳つぶし、或いは売却するということをやつているわけでございます。従つてその作業をいたしております作業員が、これは取つて置いて瑕疵担保を追及すべきであるというような判定をするということは、なかなかむずかしい実情でございます。この点は監督にある者がよほど注意をしなければ、ついうつかり普通の品物とスクラップと同じような取扱をしてしまうというような結果になるわけでございます。そういう点で現実にこれを立証する品物を残しておかなかつたために、瑕疵担保の追及もできなかつたということでございまして、誠に申訳がございません。今後も十分使用箇所とそれから購入箇所との間の連絡を密にするように注意させまして、飽くまでもこういう場合には納入者に対しまして瑕疵担保追及するようにいたしたいと存じております。  それから千百八十五号の工場におきますところの物品経理が紊乱しているということも御指摘通りでございます。ただこれは何と申しますか、不正ということではなくて、いわゆる杜撰ということでございまして、現品と帳簿と合わないのをそのままつじつまを合わせるためにいろいろ妙なやり方をやつておりまして、会計検査院の御指摘にあずかつたわけでございます。勿論そういうことのよろしくないことは重々よろしくないことです。事柄はやはり事務の不慣れということもございますし、又工場におきます物品経理の仕方が、従前は決算後処理するというような恰好で、事後決算という、使つてから決算するという習慣でございましたが、その制度を改めましたあとの用品庫、工場側とも、そういう従来の風習から抜け切れてなかつたという点もございます。誠に申訳ないことでございまするので、二十七年の八月四日に地方資材部の職員が調査して、精密に棚卸しを実施いたしました。その後完全に出納簿と現品が一致するようにさせておる次第でございます。御了承を願いたいと思います。責任者は勿論懲戒に値するのでございますが、これも二十七年の平和条約発効に伴う政令によりまして責任が解除されておりますので、厳重注意するのにとどめました。御了承を願いたいと存じます。  千百八十六号のドラム罐の借入の問題でございまするが、これは確かに御指摘通りでございまするが、ただこれはいわゆる権利条項ではなくして納入業者のサービス条項である。で、国鉄でたまたま何かの場合において容器が不足した場合にサービスとして容器をただで一定期間使うという意味条項だというふうに解釈すべきものでもございましようし、又そういうつもりで軽くこの条項考えておつたと思うのでございます。併しながらそのほかの地方におきましては、この条項を非常にうまく、サービス条項ではございまするが、運用いたしまして、経費の節減をやつておるところもございます。従いまして会計検査院の御指摘の点につきまして異存を申上げるわけではございません。ただサービス条項であるがために、そういう考え方でおつたのではないかというようなことを申上げて御了承を得たいと思います。  それから千百八十七号の問題でございまするが、これは御承知のように電力制限が強化されて参りますと、非常にこの電力の割当をもらうために苦労をいたすわけでございまして、車輌工場が電力節約期におきまして操業を中止しないために、非常に電力会社との間におきまして折衝をいたすことが多いのでございまして、そうしていわゆる八方拝み奉つて何とか割当を増してもらうというような状況でございます。そのために結局いわゆる電力を使わなければならないところだけ使つて行くということでございまして、経済的に見ますると、確かに御指摘通り水道を使つたほうが高く付いたわけでございまするが、非常に電力節約という点について、そういう観点からいたしまして、電力会社との折衝その他から見て、ほかの方法で間に合うところは使わないでやつてつて、割当を殖やしてもらつているというような関係も、無意識に働いておつたと思うのでございます。そういう事情もあることを御了承を願いたいと思うのでございます。この点につきましても、関係者につきまして十分経費の節減という点を念頭において按分支出をするように注意をいたした次第でございます。  不正行為その他につきましては誠に申訳のないことでお詫びを申上げる次第でございます。その他会計検査院からいろいろと御注意のありました事項につきましては、答弁書にございますようにすべて更正或いは関係者に注意をさせておる次第でございます。
  37. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御質問のかたの御発言を願います。
  38. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 千百八十五の「物品の経理が著しくびん乱しているもの」、この棚卸は今どのくらいを定期的におやりになつていますか。
  39. 小林重国

    説明員小林重国君) 従前は非常に棚卸その他をやつておりませんので、そういつた帳簿と現品と一致しない場合があつたのではないかと思いますが、たしか一昨年から月一回は帳簿と現品を対照して見る、これは毎月のことでございますので、正確な対照のできない場合もあろうかと思いますが、考え方といたしましては、どこまでも毎月帳簿と現品を対照しておるというような方針をとつております。
  40. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今ちよつと伺つたのですが、正確に棚卸ができないかも知らんと言われるのですけれども、棚卸は正確にしなければ何にもならないと思いますが、どういう意味ですか、そこのところの意味はつきりして頂きたい。
  41. 小林重国

    説明員小林重国君) 数量等もそれぞれ対照する場合がございますが、大体用品置場等におきまして、このブロツクなら何個ぐらいあるという程度で棚卸をやらせております。
  42. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 最近の棚卸で資材部関係の在庫品の総金額は幾らぐらいでございますか。
  43. 小林重国

    説明員小林重国君) 在庫品の金額はときによつて変動いたしますが、我我といたしましては石炭を除きまして、大体の目安をつけておりますが、年度末におきましては、予算の規定によりまして貯蔵制限かございまして、大体百七十億ぐらいに抑えております。年度の十月頃になりますと、二百二、三十億に達するのが現状でございます。
  44. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今年の二月末は幾らぐらいですか。
  45. 小林重国

    説明員小林重国君) 今手許にちよつと数字を持つてつておりませんが、恐らく百八十億か九十億ぐらいだろうと思うのです。
  46. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 その全国の資材部からの報告は、一カ月後には本社といいますか本庁へ参りますか。
  47. 小林重国

    説明員小林重国君) 大体一カ月ぐらいで到達いたしております。
  48. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質疑ございませんか。
  49. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 千百八十一号について二、三お伺いしたいのですが、これは検査院当局意見が若干対立しているように考えられるのですが、陳腐化したとは言つても、使用に耐えるものを、一気に全部、而も十六万二千個代金にして三千九百三十九万、こういう金額のものを換える必要はなかつたのではないかということで、一つ指摘されておるわけですけれども、その当時の状況で、どうしてもこれを一気に換えなければならなかつたという客観情勢はどこにあつたのですか。
  50. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 先ほどちよつと御説明を申上げましたように、非常に機器類の盗難又は破壊という事故がございましたし、それから御承知のように二十六年度には申訳ない桜木町事件というような事故が起きて、事故の原因となりそうなものは、至急一斉にこれは取換えたほうがいいという気持が当局側では非常に強かつたのであります。これは桜木町事件と錠前とは関係がありませんが、桜木町事件というのは三段窓を改造せよとかいうふうに、とにかくすべての点に亘りまして重要な事故の原因となりそうな虞れのあるものは、一気に換えたいという気持が当時の経営者といたしましては強かつたと、かように考える次第でございます。
  51. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 そうすると、一気にこれだけの数量を換えた、廃棄された錠前は当時どういうふうに処分されたのですか。
  52. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 大体こういう信号用の錠前でないその他のいわゆる倉庫の錠前とか、そういうものに転用をいたしたのであります。極く若干部分は廃棄処分したものもございます。大部分は転用したのであります。
  53. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質疑ございませんか。
  54. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 今の錠前の続きですが、転用というと、例えば倉庫にストックしておいて、新規要求があつた場合に、それを払い出すと、こういう意味だろうと思いますが、さようですか。そうでなければ急に十六万個も錠前をつけるところができるというふうには考えられないのですが。
  55. 石井昭正

    説明員石井昭正君) 御言葉の通り、貯蔵いたしておきまして、使用請求がありましたときに、払い出すということであります。
  56. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質疑がなければ、日本国有鉄道関係質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。
  57. 八木幸吉

    ○八木幸吉君 直接これに関係ありませんが、五、六分副総裁に伺つておきたいと思いますが、昨年の十七国会で鉄道会館問題が審議されましたときに、行政管理庁の監察部のかたがお見えになつて、いろいろ外郭団体等についての報告がありました。鉄道会館等の問題については、別の機会に当委員会で御審議があるとのことでございますが、その点は省きまして、その他の事柄について、副総裁もお見えになつておることでありますから、国有鉄道の財産管理状況、外郭団体等のことについて希望を申上げて、将来の御研究を煩わしたいと思います。その十七国会の審議のときは、丁度昨年の十一月の六日の当参議院の決算委員会でありますが、副総裁もお見えになりまして、十分財産の管理状況等については再検討をする、又地方の問題については、地方の専門家等を集めて、すでに外団郭体等のことについては研究を発足しようといつたようなお話がございました。そのときの監察部の報告が大体三つあつたわけでありますが、一つは未承認の土地の使用の問題、それからその次は外郭団体への貸付けておる土地が目的外に使用されておる、若しくは転貸しされておるという問題それから第三は、構内営業所の算定基礎になつております売上げ高が非常に少く報告されておる。この三つの問題を指摘されたのであります。その問題について、昨年の十一月に監察部から出ておる日本国有鉄道調査第一次、結果の概要、こういう資料に目を通してみたわけでありますが、今申上げました第一の未承認土地が全国で三十四万平方メートルある、これについて私資料を要求いたしまして主なものについては資料を頂いておるわけでありますが、これを鉄道が貸していらつしやる近所のものと同じ金で貸せば年間五百四十五万円の収入がある。市価で貸せばその三倍の収入が取れるだろうというようなことが報告書に出ております。それから第二の外郭団体の目的外使用のことは百二十件、二万百平方メートルに達しており、中には商用の名義で倉庫を貸りて又貸しをして、年に名古屋、東京だけで九百七十万円の中間利益を得ておる。或いは従業員の宿舎を建てるという名目で使用許可を得ておいて、第三者に料理屋をやらし又パチンコ屋に貸しておるというような事例もこれには出ております。それから構内営業のほうにつきましては、十九件ほど行政管理庁が調べたのですが、十二億円余り売上げ高が安く報告されておるために、構内営業料金収入に相当大きな影響を与えておるということが言われておる。更にたばこの売上げ金がこの構内営業規則によるところの営業料金の算定から除外されておる。若しもこれを入れたならば、年間二千百万円の鉄道は収入を得るだろうというようなことが出ております。それから外郭団体は調べでは全国で百七件あります。都内で外郭団体が三十、二十七年度において上げておる利益というものは五億一千万円に達しておつて、その率は一一五%になつておる。更に鉄道電話を無料で設置しておるのが全国で四百九十七台に達し、若しも料金を外郭団体からとれば一千六百万円に上るだろう、こういつたことが書いてあります。  そこで私副総裁にお願いを申上げたいのは、無論これは御覧になつておると思いますが、昭和二十八年十一月行政管理庁の監察部から出しております日本国有鉄道調査概要に対してどういう処置をおとりになつておりますか、その詳しい説明一つ委員会に提出して頂きたい。又これは外部からの監察でありますから、事実とかなり相異した点もあろうと思いますので、これに対しても十分御説明を頂きたい。  それからもう一つは、外郭団体の問題が非常に世間の視聴を集めておりますので、鉄道のほうから見て、外郭団体に対するなるたけ詳しい資料を当委員会に提出をお願いしたい。それから外郭団体に対していろいろな名目で補助金を出しておる、新聞の記事によりますと、四千五百万円という数字が出ております。これはどこから出たのかわかりませんが、外郭団体に対する補助金を出しておられるならば、その詳細を御説明願いたい。これだけ一つお願いしておきます。  それから会計検査院にもお願いしておきたいのですが、この行政管理庁の監察部から出ておる報告には、会計検査院がお調べにならなければならんような問題があると思うのですが、これに対する会計検査院の立場からの御意見を一括して資料にまとめて御提出願いたいと思います。  それから委員長を通じまして、この席にいらつしやいませんが、行政管理庁の監察部として、この後に同じような検査を継続いたしておるだろうと思います。その後の検査状況を書面でこちらに出して頂くように御要求願いたい、それだけでございます。
  58. 小林亦治

    委員長小林亦治君) わかりました。それでは日本国有鉄道質疑は一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  60. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 次に昭和二十六年度決算につきましては、審議保留となつておりました第三十号、第八百三十一号及び第四百五十九号の三件がございますが、このうちで三十号、八百三十一号の両件については、質疑を保留せられておりました八木委員から、質疑を終了することについて御了承を得ましたので、本両件は質疑を終了しました。そこでこれから四百五十九号について、審議を進めたいと存じますが、さよう取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。速記とめて下さい。    〔速記中止〕
  62. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を始めて。  委員長から御報告しますが、この四百五十九号については船もなくなつたし、大学当局も、県当局も、明確な資料がない、こういうことでありましたので、資料がないならないような状態を明らかにしてもらわなければ、審議を終ることができないということを申入れまして、その調査方を要求しておりましたところが、会計課長から御回答がありまして、先方から参つた、つまり長崎大学から参つたところの回答によりますと、期成同盟会と県議会との間に処理を終了してある、今更騒がれては困るといつたよう意味の回答がありました。それから更に考えてみまするというと、本件会計検査院としては、書類の形式が、国の会計にタッチしておるようなことに相成つてつたので、その点を指摘せられたのは、これは御尤もだと思うのでありますが、調べてみまするというと、実態は期成同盟会と県が支出を負担しておつたが、国の会計ということに至らずして事件が終了したということになつているので、この点は将来文部省としても、大学当局に対する注意を厳にして頂くことを条件に、いやしくも国の会計にまぎらわしいような取引をやらないように、厳重な注意を与えて頂くようにお願いして、本件は当委員会としては、一応了承したいと存じますが、この点如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。  従いまして本日の案件はこれで全部終了したことになりますが、……ちよつと速記とめて。    〔速記中止〕
  64. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を始めて。本日はこの程度で散会いたします。    午後三時四十六分散会