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1954-03-15 第19回国会 参議院 決算委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十五日(月曜日)    午後一時五十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            植竹 春彦君            島村 軍次君            岡  三郎君            菊田 七平君            平林 太一君    委員            青柳 秀夫君            石川 榮一君            入交 太藏君            小沢久太郎君            木村 守江君            谷口弥三郎君            豊田 雅孝君            木下 源吾君            高田なほ子君            永岡 光治君            東   隆君            山田 節男君   政府委員    大蔵省管財局長 窪谷 直光君    食糧庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       森 荘三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    大蔵省管財局国   有財産第一課長  木村 三男君    大蔵省管財局国   有財産第二課長  牧野 誠一君    食糧庁業務第二   部輸入業務課長  大石  碩君    会計検査院事務    総局検査第一局    長       池田 修蔵君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保栄君   参考人    元食糧庁長官  安孫子藤吉君    元食糧庁総務部    長       清井  正君    元食糧庁業務第    二部長     細田茂三郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十七年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和二十七年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出) ○昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今より第十四回決算委員会を開会いたします。  本日は、初めに昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並び昭和二十七年度国有財産無償貸付状況計算書二件を議題に供します。これら二件につきましては、前回専門員から説明を聴取いたし、ましたが、本日は、先ず大蔵省から、会計検査院検査報告書指摘のある国有財産の増の部について掲記されてないもの等につき説明をお願いいたします。
  3. 窪谷直光

    政府委員窪谷直光君) 会計検査院検査報告の一番最後のところに、国有財産の増の部に掲記されてないものが指摘をされておるのでございます。先般の当委員会におきまして、森専門員からその御説明があつたのでありますが、責任当局といたしまして、大蔵省から更に補足的に御説明申上げたいと思います。  先ず、一般会計から二十七年度農業共済基金出資をいたしました十五億円でございますが、これは本来二十七年度国有財産増減計算書に載るべき筋合のものであつたのでありますが、農林省のほうで、若干の事務上の手違いから、大蔵省のほうへ普通財産としての引継ぎがございませんので、そのために農林省のほうは計上を怠つたということに相成つておりまして、その後二十九年の一月の二十五日に正式に農林省から大蔵省のほうに財産引継ぎを受けました。これは二十八年度計算書計上をいたすことに相成るのでございます。なお文部省所管私立学校振興会出資をいたしました二十一億四千九百余万円というものがございますが、これも同様に、文部省から、本来、当時直ちに引継ぎを受けるべき筋合のものであつたのでありますが、文部省のほうでも、つい注意を十分にいたさなかつた。私のほうからも注意が行届かなかつたために計上漏れになつたのでありますが、これも今年に入りまして、二月の八日に文部省から正式の引継ぎ手続を完了いたしまして、二十八年度国有財産増減計算書計上をいたす予定にいたしている次第でございます。  次の米国対日援助見返資金特別会計から二十六年度日本開発銀行に出資をいたしました百億円、それから同年度までに出資をいたしました日本輸出入銀行に対しまする七十五億円、これは大蔵省部内におきます扱いといたしましては、理財局で管理をいたしているのでございますが、当時理財局解釈といたしましては、国有財産法の第二条第一項第七号という規定がございまして、これには、株券、社債券等の権利は、国有財産計上をする原則には相成つているのでございますが、但書がございまして、「但し、国が資金又は積立金運用及びこれに準ずる目的のために臨時に所有するものを除く。」という規定がございまして、これは国が資金運用のために所有しているものだという解釈から、国有財産の増の部に計上をいたしておらない扱いをいたしておつたのでありますが、会計検査院のほうからも御意見がありまして、その後、若干法律の制度の改正もございましたし、いずれにいたしましても、これは国有財産としてやはり国有財産計算書計上することを適当とするという結論に達しまして、これは二十八年の八月一日付を以ちまして、産業投資特別会計国有財産の台帳に計上をいたしまして、従いまして国会に対しまする御報告といたしましては、同様に、昭和二十八年度増減計算書計上をされることに相成ると存ずる次第でございます。  以上申上げましたように、官庁部内におきまする事務上の手違い、或いは法令の解釈がやや疑問がございました等のため、二十七年度増減計算書計上する運びに至りませんでしたことは、誠に申訳けない次第でございまして、二十八年度からはこれを計上をいたすことにいたしておりますので御了承を賜わりたいと存じます。
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御質疑のおありの方は御発言を願います。  別に御発言もないようでありますから、質疑は終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は御発言を願います。  別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書昭和二十七年度国有財産無償貸付状況計算書の二件については、すべて異議がないと議決することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 総員御異議ないものと認めます。それではこれら二件につきましてはさよう決しました。  なお、本会議における委員長口頭報告等、事後の手続については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。  次にこれら二件をすべて異議がないと議決せられた方々は、本院規則第七十二条により、順次御署名を願います。   多数意見者署名     岡 三郎    永岡 光治     小澤 久太郎  石川 榮一     入交 太藏   菊田 七平     谷口 弥三郎  植竹 春彦     青柳 秀夫   島村 軍次     東 隆     平林 太一     山田 節男   高田 なほ子     豊田 雅孝   —————————————
  8. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 次に、昭和二十六年度決算会計検査院検査報告第七百七十四号を問題に供します。  本件についてはすでに三回に亘り慎重審議を重ねたのでありますが、本日は特に当時の責任者として、元食糧庁長官安孫子藤吉君、元食糧庁総務部長清井正君、元食糧庁業務第二部長細田茂三郎君、以上三君を参考人として出席を求め、当時の事情を明らかにいたしたいと存じますが、さよう取計らうことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認めます。それでは、ほかに前谷食糧庁長官大石輸入業務課長検査院から小峰検査第三局長も見えておりますから、委員各位の御質疑をお願いします。
  10. 岡三郎

    岡三郎君 先に二十六年度決算の七百七十四号、「不急の麻袋を購入したもの」についてお尋ねいたします。  この件については、先に次官或いは前谷食糧庁長官から大体の経緯を聞いておりまするので、今日はそれに引続いて当時の事情を二、三伺いたいと思うのであります。ということは、「本件は、契約納入を中止させることができる条項があるのに、二十六年九月、タイ国政府から麻袋付輸出をする旨の意思表示のあつた後も適宜の処置をとらないで、三、〇〇〇、〇〇〇枚の全部を納入させ、うち、二、一二〇、〇〇〇枚は二十七年一月から三月までの間に納入させたもの」であると、こう書いてあるわけですが、結局いろいろと事情があつたにせよ、とにかく九月に大体タイ国政府かつ麻袋付輸出をする、こういうふうな話があつて、いろいろと需要関係があるとしても、一月以降の分については中止できるのではないかというふうに常識的に考えられると思うのです。それを敢えて一月から三月まで翌年に二百十二万袋というものを入れざるを得なかつたという、入れなくてはならなかつたその理由を一応本院のほうでも調査してあるのですが、具体的に当時の事情について安孫子食糧庁長官にお伺いしたいと思います。
  11. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 只今お話の件でございますが、八月に契約をいたしまして、契約条項からいたしますと、三カ月間の事前通告で解約ができるという条項なつておるわけでございます。実は麻袋の問題につきましては、私ども当時食糧庁扱つてつた者といたしまして、実は非常に神経質になつておる。と申しますのは、御承知通り戦争中から或いは戦後を通じまして、包装資材がないために非常に困難をした経験を持つておるものでありますが、なお前年度等の事情から申しましても、いろいろ苦慮をいたしましたので、タイ国政府から麻袋日本側手当をしなければなかなか思う通り輸出はできんということで、話がありました。この手当苦慮をいたしておつたわけでございます。実は九月にタイ国政府から、麻袋付きで出すんだ、出すから、それでいいんだというような交渉になつたかどうかということにつきましては、当時その点が余りはつきりしなかつた。大体外務省がその交渉には当つてつたわけでございますが、九月頃には、麻袋は、或る程度日本側自分のほうで供給をしてもいいというような気持交渉の上に出まして、それは包装容器を付けて自分のほうで輸出するということじやなくて、どういう向う事情でありましたか、包装麻袋自分のほうで日本側に売つてもいいというような意味の交渉現実に行われたと思つておるのであります。最終的に麻袋タイ国政府手当をして、それに米を詰めて日本側に売つてもいいという交渉が成立をいたしましたのが、大体十二月頃ではなかつたかという考えをいたしております。この間いろいろ折衝があつたのであります。結論的に、私ども特に慎重に考えた結果、そういうふうに見たという点もなきにしもあらずかと思いますが、当時、本当にタイ国麻袋を添えて輸出をしてよろしいというふうに心配なくはつきりさせ得た事情は、これは十二月頃じやなかつたか、こういうふうに思つておるわけであります。そういたしますと、三カ月間の予告期間等もございまするので、そのまま契約を遂行してしまつた。なお又、これは十二月に、又、話はちよつと脇道にそれますが、解約することもできるのじやないかということも言えるかと思います。併し年度末にかかりますので、三カ月といいますと、丁度三月、それから又当時の情勢といたしましては、丁度御承知のように米の統制撤廃の問題がございました。四月一日から米を自由にしようという気運が非常に強うございました。まあいろいろごたごたしておりました。そうするとすれば、どうしても外米をうんと手当をしておいて、そうして値段の暴騰に備えるという措置を講じなければならんというのが大体の当時の考え方であつたのであります。そういうふうなことにいたしますと、外米輸入についてのウエイトも相当かかつて参ります。それには、従来からのネックであります麻袋問題等が重要になつて参る。これが補足的なことでございまして、そういう気持もいたしまして、契約がそのまま履行されるようなことに相成つたと、かように考えております。概要でございますけれども、当時のあらましだけを申上げました。
  12. 岡三郎

    岡三郎君 今の御説明を聞いても、具体的に一月から三月までの間の納入契約書によつて中止することができるという条項があるわけです。少くともタイ国側が最終的に十二月までに麻袋付き輸出をするという意思表示をしたということになれば、どうしても一月から三月までの間に納入させた二百十二万袋というものは要らなくなるということがわかつておりながら、それを当時の統制解除の問題と絡み合せても、なぜこれをそのままずるずると納入させていたのか。それによつて七億以上の損害を出しているというこの事実ですね、これについてもう少し納得できるようにお話がしてもらいたいと思うのです。というのは、契約書納入を中止させることができるという条項が明確にあつて、そうして仮に十二月にその意思表示があつてはつきりと、これは不要であるということがわかつたならば、一月以降の納入というものについて中止ができなかつたのかどうか。その間の経緯十分納得の行くように話してもらえば、この問題の大略は解消することと思う。その御説明が今のあれでは不十分だと思うので、それは当時の、総務部長清井君のほうからも説明してもらつて結構だと思うのです。
  13. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 一応私から申上げます。それで、あと何でしたら補足して頂きます。  もう御指摘の点は十分私どもも結果的に見ますると申訳ないことになつているというふうに存ずるのであります。大体、契約は三カ月間の予告期間ということに相成つております。十二月も押詰りまして予告をするということになりますと、三月ということになります。三月までの納入なつておつたかと思います。そういうことは非常に工合が悪いと申しますか、最終期限を切つておりますだけに、解除通告ということをいたさないで納入さしたわけであります。その納入をさした一つ考え方と申しますか、気持の上では、先ほど申上げましたように、タイ国の分はそういうことで片付けたといたしましても、これはどうしても納入をさして麻袋についての日本政府の準備をしておいて、その翌年度の、或いはその他の食糧の輸入についての交渉上持つてつたほうがいいというような判断をいたしまして、契約を履行さしたというような状況でございます。結論的に申しますと、誠に申訳ない結果になつておるのであります。当時の私ども気持というものだけを一言申上げまして御了承を得たいと考えておるのであります。
  14. 岡三郎

    岡三郎君 今のお話を聞くと、十二月までにタイ国のほうで全然こういう意思表示がなかつたというならば、契約条項と照らし合せて、三月までの納入ということについては一応了承できるというふうにも思うけれども、事実上は九月頃からタイ国政府を通じて麻袋付輸出をする旨の意思表示があつた。つまり九月から十二月の間にいろいろの経緯があつたというふうに考えられるわけです。最終的に強硬なる意思表示が十二月にあつた。その間においていろいろとやはり問題が出て来るのではないかというので、いろいろとお考えになつたと思うのです。ですから、契約書の中に納入を中止させることができるという条項を入れたのは、やはりその間の事情を反映しておると私は考えておるわけです。九月から十二月の間において、一応我々のほうも食糧庁のほうから説明を伺つておるのですが、会計検査院のほうとして、この間の事情について、契約納入を中止させることが至当であつたのかどうか。もう一遍これは検査院のほうにお伺いしたいと思います。その間の事情について。
  15. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) 只今の岡さんの御質問にお答えいたします。会計検査院は当然に今のような条項を使いまして契約の変更ということができるという前提の下に、この検査報告のなお書の、問題になつております点でございますが、最後のなお書を書いたのでございます。と申しますのは、先ほどから又少し話が、前回までのあれと様子が違つて来ておるように拝見しておるのであります。と申しますのは、九月の電報というのは、この前もこの席でお読みいたしましたが、私どもといたしましては、相当この契約の履行ということについて、当局者として頭をひねるべき問題、電報ではないか、こう思つておるのであります。もう一遍御参考にお読みいたします。決してそういう気配があつたとか、そんなものではないのであります。二度電報が来ておりますが、最初の分は成るほど、九月十一日附であります。このほうは、そう読めば読めるのでありますが、十七日の分は重ねて提案して来た。百五十万枚の麻袋タイ国側手当したい旨、重ねて提案して来た。そういうことが電文はつきり出ておるのであります。私どもといたしましては、もうこのときに当然に、これは何も大急きで三百万枚というものを継続して納めさせるということをやる必要はないのではないだろうか。殊にこの三百万枚というのは、これは前回にも申上げましたが、四十五万トンの輸入ということに対して三百万枚というものが出るのであります。この四十五万トンというのはこちらが当時希望目標として持つていた数字であります。タイ国側は決して四十五万トン売りましようということはまだ言つていなかつたのであります。今の御紹介いたしました九月十七日の電文にも、タイ側明年度分を三十万トンと見ている、こういうことをはつきり電文に書いてあります。当時三十万トンになるか四十五万トンになるかで、相当国内調達麻袋の数に響いて来るのでありますが、頭から四十五万トンときめて、そうして三百万枚の手当をしているという点にも、私どもとしては実に解せない感じを持たざるを得ないのであります。向うが承諾したかしないかわからん。而も当時百数十万枚という手持ちがございます。前年度タイ米用として手当いたしましたものがさつきもちよつとお話が出ましたが、前年度も要らなかつたのであります。そういう新袋を相当数持つております。米は一遍に三十万トンも四十五万トンも入つて来るものではございません。ちびちび入つて来るのでございますから、米の実際に入つて来る状況を見て、少くともタイ側のこれだけ売ると言つた数量だけを目当にして麻袋手当をしてもいいのではないだろうか、こう考えておるわけであります。それから、大体どうも米が入るか入らんかも、その数量だけも入るか入らんかもわからん。そういう状態麻袋の、容れ物だけの手当としては相当に行届き過ぎていたんじやないだろうか、こう考えるわけであります。なお御参考に申上げておきますが、入つて来ました実績は三十五万トンほどであります。四十五万トンというこちらの希望目標を持つておりましたが、三十五万トンほどしか入つて来なかつた。これが実績なつております。
  16. 岡三郎

    岡三郎君 そういうふうにいろいろと事情を聞いてみると、私としては、当然この収支決算書を見て、七億有余の損害が出たという結果論だけではなくて、この契約書を取り交すときに、中止させる条項というものは、相当に慎重に考慮せられて、この一条項を入れられたと思う。それを結局履行しなかつたということは、先ほどの御説明で納得しかねるわけです。その間について、今の会計検査院の御説明について、当時の関係者のほうで、その通りであるのかどうか。もう一遍事情を確かめてみたいと思います。
  17. 細田茂三郎

    参考人細田茂三郎君) 私、実はその当時、外米輸入のほうを主としてやつておりましたので、そのときの模様を申上げてみたいと思いますが、実は私どもあとから振返つてみまして、そういうことを非常に痛感したのでありますけれども、当時御承知のように、現在と違いまして、米はセラーズ・マーケットでございました。つまり各国の米に対します需要は非常に多くて、供給がこれに伴わない。殊にタイにおきましては、一番大きな輸出国であるという関係で、イギリスインド、その他いわゆるイギリス・ブロツクの買付け日本買付けとが非常に大きな政治問題になるほどの非常に深刻な様相であつたわけであります。私どもとしましては、とにかく不足する主食でありますから、あらゆる手を使つて輸入をしたいということに非常に深刻な実は悩みを持つてつた次第でございます。その点、今日あたりと事情が全く違うのでありまして、殊にタイが一番大きなソースを持つた輸出国でありますために、タイ米の取得ということには私どもは非常に神経質になつておつたわけであります。そこで、たしか二十六年のあれは二月だつたかと思いますが、タイ商務次官が団長になられまして、日本へ通商の協定の打合せにお見えになつたときにおきまするタイ側態度と言いますか、それは実に何と言いますか、セラーズ・マーケットのセランの代表であるという、実に何と申しますか、私ども個人的に言うと忿懣するようなそういう態度であつたわけです。而も御承知のように、タイ麻袋が非常に不足する国でございまして、全部これはインドから入れて賄つておる国でありますが、再三私は、この容れ物がなくてタイ米の積出しが非常に遅延しましたり、或いは数量関係をしましたり……御承知のようにイギリス側は全部サックは自分で持つて来て積込んで行くのでありますが、そういう際に、私どもシャム米を入手しますためには、とにかく容れ物については断然用意があるということでなければ、今申しましたその数量を余計もらいたいという交渉におきまして、非常なハンディになるということが、これはもう私どもの頭にこびりついて離れなかつた問題なのであります。而もタイは、これはこういう席上で申上げると甚だ言いにくいのでございますけれども、実情を御了解願うためには申上げざるを得ないと思いますけれども、非常に掛引の多い国でございます。タイ交渉をお持ちになつたかたなら、すぐおわかりになると思いますけれども、非常に掛引が多いのでございまして、只今九月に要らんということを言つて来ておるじやないかというふうにお話もありましたけれども、私どもは絶対にそういうものは信用できなかつたのであります。この往復文書なり何なり御覧頂きますと御推察願えると思うのでありますけれども麻袋だけの問題につきましても、どうもその腑に落ちないことが非常にたび重なつております。例えば当時この輸入をいたしました商社側等の情報によれば十分麻袋はありそうだというようなことを言う。ところがタイの東京の出先では、どうしても、これはないから、当初の約束通り麻袋日本側手当をしてもらわにやならんと言う。そういうふうな調子でありまして、結果から見ますと、何かこの、一つ麻袋向うは道具にしまして、私どもに米の数量掛引だとか、価格の掛引をやつてつたのじやないかとすら、私どもあとから考えたのでありますが、そういうことで非常に信用ができないのであります。そこで私どもとしましては、勿論この当時におきまして、まあ私ども希望としては四十五万トン程度是非ほしいということで交渉をしてもらつたのでありますけれども、不幸にしまして、結果的には三十五万トンしか入らなかつたかと思いますが、併しいずれにしても、余計とるためには、袋だけは問題なくいつでも出せると、こういう状態に置かざるを得ないというのが、もう私どもの常識であつたわけなんであります。そこで、九月、当時、そういう電報が来たかというお話でありますけれども、私どもは、そういう交渉現実から言いまして、そんなものは全然信用をいたしておりませんでした。その後、あの通産省の当時の通商局長をなさいました竹内さんが、世界一周をなさいましたときに、タイへ寄られました際にも、やはり、日本側は、麻袋供給する約束をしながら履行していないから、俺のほうは積出せないのだということを非常にやかましく言つてつたぞ、それは、しつかりやらなくちや駄目じやないかということを竹内さんから言われたことを、私は今でも記憶いたしておりますが、そういうような調子でありましたので、私どもとしましては、これはどうしても麻袋というものは握つて行かなくちやならんという考え方におつたわけです。それで、ただ向うが正式な文書としまして、私どものほうへ、もう麻袋は俺のほうで持つからということを言つて来たのは、たしか十二月の終り頃であります。併しこれすらも、この過去の交渉の経過から行きますと、実は首をかしげておつたのです。本当に来るものかどうかということに対して、私どもとしては一〇〇%の信頼はできなかつたのであります。で、そういうことがありまして、どうしてもこれは、やはり持つて行きたい。  それからもう一つのあれとしましては、御承知のように、当時日本としましては、麦類を外国からして二百万トン以上輸入をいたしておりましたが、この大部分というものはバラで入つて参ります。バラで入つて参りますと、全部これは内地で袋詰めをいたすわけであります。そういうことで、私ども麻袋需要というものは、まあこれは相当なものであつたのでありますが、片や、私どものこの麻袋に対しまするその当時の考え方として、常に不安に考えておりましたのは、例の朝鮮へ、連合軍が使いますサンド・バツク用として、日本の市場に出ております麻袋がどんどん持つて行かれるということであります。これは相手が軍でありますから、どのくらい要つて、どのくらい持つて行かれるかという見当が、我我には付かなかつたのでありますけれども、とにかく頻々として朝鮮へ持つて行かれるという状態で、麻袋は非常に窮屈な年であつたのであります。  そういうことから言いまして、私どもとしては、それが確かにお示しのような、三カ月前の予告を以つてすれば、いつ解約してもよろしいということにはなつておりまするけれども、私どもの当時そういつた立場におります者としては、何とかして掴んでおきたいという気持のほうが実は先に立つたのであります。不幸にして私どものその見通しが誤まりまして、検査院の御指摘のような結果になつたということに対しては、私どもの不明と言いますか、非常に遺憾に思つておりますけれども、併しこれは非常に手前味噌を申上げますけれども、あれだけのものを握つてつたから、私どもとしては、当時タイに対して、相当何と言いますか、強い、強腰で当り得たのではないかというふうに考えておるような次第でございます。
  18. 岡三郎

    岡三郎君 検査報告の中に出ておるように、同年の五月に購入した一百万枚、これを合せて、輸出用に充てられた新品は、百六十六万四千二百枚準備があつた。そうすると、当時の予想として、三十万トンの輸入に対する手当として、大体この数量があれば応急の需要に充てられることができる、こういうふうに報告書には書いてある。で、当時の麻袋の窮迫状況云々については、これも我々の調査によれば、小泉製麻そのほか二社は、ジユートの持高は、大体当時のあれによつても、ほぼ二カ月の需要を充たすだけのジユートの原材料の用意を持つているわけなんだ。今の御説明を聞くと、全く麻袋というものは二進も三進も行かんで、そういうふうな事情だから、米を輸入するためには少々無理をしても仕方がなかつたという、こういう御説明なんですがね。当時のこの二社のジユートの、いわゆる材料の持ち高から考えてみても、それらの事情については十分納得できない。当時のその三社、小泉製麻ほか二社の持ち高についてどのくらいあつたか、御検討になつたですか。いわゆる麻袋の需給関係について……。
  19. 細田茂三郎

    参考人細田茂三郎君) 私その当時、三社がどのくらい持つてつて、どれくらいあつたかという記憶がありませんが、ただ、こういうことを記憶いたしております。たしか三社で、月産五十万くらいしか、この麻袋としては能力がなかつたのじやないかというふうに思いますが、当時インドとパキスタンが分裂いたしましたために、御承知のように、ジユートそのものはパキスタン領にあるのに、製麻工場はインド側にあるということで、そういう政治的なあれで、当時インド麻袋が非常に生産不足だつたわけです。そこで、どんどん上りまして、当時が、まあ恐らく一番高い時代じやなかつたかと思いますが、そういうような状態でありまして、仏印ですとか、それからあのシンガポールだとか、そういうところから日本麻袋の発注がたくさん来ておつたわけであります。そういうことで、むしろ製麻会社としては、そういう高く売れる海外向けのものを作つたほうが、政府に納入するものを作るよりも得であるというようなことが、たしかあつたと思います。  それからもう一つは、その今申しましたように、三社の能力が、麻袋としてはたしか五、六十万程度だつたと思いますので、そこで、必要があつたらそのとき注文してガツと作るということができないという一つは欠点もあつたわけであります。そこで、どうしても或る程度このまとまつたものを作るということになりますと、あらかじめやはり計画的に少量ずつ作つて行くというふうでないと、今申上げました能力の関係、或いは海外相場の関係というようなことかございまして、デきませんもので、こういうふうに計画的にやつたというふうに記憶をいたしております。
  20. 岡三郎

    岡三郎君 五月に購入した一百万枚の袋を合せて新品百六十六万四千二百枚、これがあつたことは事実だと思う。それで応急の需要に充てることができる。これについての所見はどうですか。
  21. 細田茂三郎

    参考人細田茂三郎君) たしかそういう手持ちがあつたと思いますが、これは全部米に差向けてしまうのでありますれば、勿論それは補給用に役立つわけでありますけれども、先ほども申上げましたように、麦もどんどん入れておりますし、そつちにも必要でありますし、全部をこれに振向けるということはできないわけであります。
  22. 岡三郎

    岡三郎君 どうも麻袋を作つている会社の人からお答えを聞いているようで解せないのですが、当時の小泉製麻、大日本及び帝国三社の当時の月産が、我々の調査によれば百二十三万袋という、あなたの今のお話と全然これは単位が違つて来るわけです、基礎的に。そういうふうに、具体的に能力があつたのか、原材料がなかつたのか。こういうものが本件の具体的な審議の背景をなして来ると私は思うのです。真に止むを得ず三百万袋というものがその後あちこちの倉庫に寝たままいたということですよ。そういう点について、今どうしても寝かしておいても、そういつたものを強行して作らせなければならなかつたという理由が、私にはさつぱりわからない。あなたの言つているのは、朝鮮事変とか砂袋とか、いろいろなことかありますが、いわゆる新袋が百六十六万四千二百枚があつて、そうして麦とかその他を輸入するのに、そつちのほうの手当もしなければならんとしてもこの経緯をずつと考えてみれば、大体十二月に最終的に結論が来たとしても、それではどういうふうにして契約上において中止条項ということをお作りになつたのですか。その点の事情一つ十分説明してもらいたいと思います。契約書契約の中止条項というものをなぜ入れたのか。その点について御回答願いたい。
  23. 清井正

    参考人清井正君) 契約書になぜ途中で中止することができるという条項を入れたかというような御質問でございますが、その点は、これは確かに御指摘通り、一旦政府が契約いたしましても、契約したのが八月でございます。それが、納期が只今説明申上げました通りのような事情で、翌年の三月三十一日までということになれば、相当長期に亘りますので、その間いろいろ実は事情の変化もあろうということを予想して、そういう規定が入つてつたのだろうと私は思うのであります。恐らくこの規定は、私、今、空に申上げるのでありますが、一般的にほかの役所が契約する場合にも、相当長期に納期が亘る場合には、同じような条項を私は入れておると考えておるのであります。この場合には確かに御指摘通り相当長期に亘る納入期間の間に特殊事情が起れば、政府の需要が要らなくなれば、そのときにやめるという趣旨で、この条項が入つておるものと私も考えております。  ただ、それがなぜ発動しなかつたかという御質問になるわけなのでありますが、その点のお答えは先ほど申上げてありますが、まだ十分納得を得ておらないのでありまするけれどもどもといたしましては、成るほど新品百六十六万四千枚は持つてつたのであります。ただ、それが先ほど来御説明申上げたような事情から、とにかく業務をやつてつた当時の者の気持といたしまして、少しでも麻袋を政府が確保して、そうしてタイとの貿易交渉を有利に保ちたいということ、それから今の二十六年産米の場合におきましても、タイ米輸入に際しての麻袋についていろいろな問題があつた。将来もこういうような問題が起るかも知れないというようなことを心配し、とにかく契約したものは納入させようということで、この契約条文通り三百万枚を納入さした、こういうような事情なつておるのであります。ところが実際問題は私どもが心配したこととは違つて、全部小麦で入つて参りましたために、使用されずに残つたということにつきまして、会計検査院より批難を受け、又本日御審議願つておるわけでありまして、その点は当時の責任者の私といたしましても誠に遺憾に存ずるのでございます。そのときの私ども関係者気持といたしましては、何とかしてこの袋を確保しておきたいという気持が入つてつたものですから、そういうことで諸般の事情考えまして契約を締結いたしまして実行いたした次第でございます。
  24. 岡三郎

    岡三郎君 八月に契約して三月までに納入させる。その間において中止させる条項を発動しなかつた理由としては、いろいろと理由があつたわけですが、結局この事情を素直に見て行けば、一応米の輸入については、いろいろタイ国側との掛引きがあつたとしても、最終的には、十二月には麻袋がなくても米を出すというふうに向うから言つて来れば、事実上においては一月以降のものは一応中止して、その後において必要ならば又生産をしてもらう。そのくらいのことは三社のほうでも了解が私はできるということを、この中止条項を入れたことから推察できるわけです。なんでもかんでも強行しろというふうにお考えの裏は、今言つたように、輸入を促進させるための、これは一つの手だつたというふうにしては、余りにも枚数というものが厖大で、政府に与えた損害というものが甚大である。少くとも七億五千万円以上の金は、こういつた見通しの間違いということを強弁しておられるけれども、それでやられた結果として損害が出た。これは若し一個の商事会社ならば店の倒産にも関係して来るほどの厖大な見誤りだと思います。つまり輸入を促進するということで、ちつとやそつとの損害なんかは構つていられないというところで、厖大な、なんでもかんでも勝手次第ということになれば、食管会計の赤字なんというものは知つたことではないのだ、そういうふうな論にも発展しかねまじき論法に私はなるということを心配するわけです。それで、これ以上私は今のところ言わないけれども、もう一遍一つ具体的な資料を得て御質疑しなければならんと思うのですが、朝鮮動乱の問題についての麻袋関係ですね。こういつた点について、そういうふうな事情があつたから、こういうものを用意備蓄しておかなければならなかつた。それから当時麻袋が非常に窮迫しているので、無理してもこれを買わなければならなかつたのだ。こういう事情については一通りはわかりますけれども、よく調査してみれば、それでは私のほうでは納得できない。そういうことでは。だから、もつと具体的に言えば、会社のほうに八月に契約した。そうして会社のほうに契約した進行の過程において、タイ国側との折衝がいろいろと続けられて、タイ国の言うことは九月には全然もう進行していないで脳中にはなかつた。そうして十二月のときには一体、最終の電報が来たときに、どういう判断になつたのか。その点についてお答え願いたい。十二月にもういよいよ最終的に、向うのほうでは強硬に、麻袋付きでなければ外米輸出しない、タイ米輸出しない、こういうふうに電報がたしか来たと思うのです。その点で、一番私が初め言つたように、一月から三月までの間の中止をさせなかつたというのを、もう一遍これは聞いておきたい。もう一遍その点を。
  25. 細田茂三郎

    参考人細田茂三郎君) 先ほども申しましたように、一応公文で麻袋付きで売るからということを言つて参りましたから、これは公文でありますから、一応私どもはそういうふうにとつたのでありますけれども、併し肚の底から百パーセント、これでうまく行くかどうかということについては、非常に危惧の念を持つてつた次第でございます。
  26. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、まあ、タイのほうの従来の行動に鑑みて不安であるので、一月以降に二百十二万枚の納入をそのままさした。その結論として、この相当麻袋というものを残して、七億五千万以上の損害になつた。こういうことになつて来るわけですね。そういうことになるわけですか。
  27. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 突きつめて話を持つて参りますれば、只今おつしやられるような結論に相成るわけであります。この点については、私どもの前途に対する見通し、又、麻袋の需給事情についての錯誤とでも申しますか、これも今まで申上げましたように、実は米の輸入について、麻袋の問題というものに非常に苦しい経験を持つて来ておつたものだけのことでございますので、特に神経質にその点はまあ考えた。その結果が予期に反しまして非常に大きな損失を与えるような結果になつたという点につきましては、如何ように私ども、お叱り、御批判を受けましても止むを得ないことだと考えております。ただその間の事情というものがそういう事情にあつたということだけを御了察願いたい。かように存ずる次第であります。
  28. 岡三郎

    岡三郎君 最後に、会計検査院のほうにちよつとお伺いいたしますが、今のような事情でいろいろと言われておつたわけですが、朝鮮動乱との関連ですね。並びに当時三社の手持ちその他から見て、私どものほうとしては、簡単に情勢判断の間違いであつたというふうには考えられない点もあるわけです。それで余り憶測の点を言つてはいかんけれども、今、細田君のほうから言われた当時の事情と、会計検査院の調査が符合するかどうか。その点についての所見をちよつと伺つておきたいと思います。
  29. 小峰保栄

    説明員小峰保栄君) お答えいたします。先ほど朝鮮事変とかいろいろの問題をからましての御答弁でありますが、朝鮮事変は二十六年の七月に休戦になつております。本件契約いたしましたのは二十六年八月であります。休戦状態で、御承知のように依然としていろいろやつておりましたから、これは成るほどサンド・バツグがまだ要ると、一応は理窟になるかも知れませんが、従来より殖えるとはちよつと想像できないのでありまして、一応休戦ということになりましたのが二十六年の七月であります。これを一つどうぞお考え願いたいのであります。それから、その後、本格的の休戦と申しますか、確定的になりましたのは、これは二十七年の十一月であります。丁度あとで批難になります五百万枚を買う前の月でありますが、二十六年の八月に三百万枚買つた前の月に一応の休戦には相成つておるわけであります。それから、先ほど来、生産量とかそういうことが問題になつておりますが、生産高は、私どものほうでは大体月に百万枚、集まりました資料から先ほど岡委員が百二十三万枚と仰せになりましたが、私どものほうも大体それに近い百万枚、それから原料のジユートは二カ月半分の生産高に相当する額を当時手持ちとして会社が持つております。二百五十万枚見当になつておりますか、大体私ども批難するについていろいろ調査しました計数はそういうことになつております。それから実績はこれは七十九万枚、三社平均いたしまして月に従来買うものの一年間のたしか実績つたと思いますが、約七十九万枚、約百万枚の生産能力に対しまして八十万枚見当のものを実際に生産しておつた。こういうことが私どものほうで集めました資料では、はつきりしております。  それから今の朝鮮事変の関係。それから私ども何遍先ほどから伺つておりましても、どうも急いで四十五万トンというものを目標に麻袋を買わなければならん、急いで買わなければならんという事情がどうしてもまだ納得が行かんのでありまして、幾ら伺いましても、当時の事情ということから考えましても、私どもの批難が強過ぎたという印象を実は受けないのであります。  それから参考人の冒頭の御説明で、今になつ考えるとどうこう、当時は非常にセラーズ・マーケツトで云々、こういうようなあれでございましたが、成るほど現在二十九年でございますから、当時の二十六年の帳面というものから見ると二、三年たつておりますが、私どもこの案を問題にしだしたのは二十七年四月であります。まだ相当、二年も前に手がけて、当時私どもが検査いたしましたときに随分ひどいものを買つたという印象を受けて本案になつたのであります。決して二年も三年もたつて収まつてから問題にしたのではないのでありまして、まだ三百万枚が漸く全部入つたか入らないかというときに、会計検査院は、当時の頭で考えまして、これはひどい購入だということを問題にしだしたわけでありまして、決して今の落ち付いた状態でこの問題を判断しているのではありません。買いましてから半年余りのときにこれは取上げたのであります。  私自身が、その後、間もなく、先ほどから参考人としてここに出ておられる細田当時の第二部長とはこの問題について議論をしたこともあるのでありますが、当時の認識と今日ここにおいでになつての認識をさつぱり変つておらん。非常に大きな損害を国民にかけた問題に対する当事者の考え方としてはどうか、こういうふうに私ども相当強く印象ずけられる次第であります。
  30. 岡三郎

    岡三郎君 私も、一番問題は、遺憾であつたというならば、もうちよつとこれは国民に、少くとも一般会計から食糧のほうには随分入つているのですからね、金が。それで食管に赤字が出たと言つて米価の値上りをすぐやつて行くという形で、いつでもこういうものの損害を国民が最終的には引受けなければならんような結果にも陥つていると私は思う。そういう点で、私は今日ここに参考人並びに元の食糧庁長官安孫子さんを呼んで、私はあなた方に、ここでどうのこうのということよりも、こういうふうなことになつたということについて、爾今こういうことは少くとも本当に万止むを得ざる事情でないとき以外にはもう繰返さないのだ、これだけの国民に対する負託に応える気持がなければ、官吏としての態度というものは出て来ないと思う。今になつてそのようにこれは聞違いではなかつたというふうな強弁をされることを誠に遺憾と思うのですが、これが同じく昭和二十七年度決算報告書にも、又、不急の麻袋五百万枚を買つたということになつているわけです。この連関上において、人間だから誰でも間違い及び見通しの齟齬を来たすということは私はあり得ると思うけれども、同じことが繰返されているという点で、我々はこの問題については簡単に了解いたしましたということで引き下るわけには行かないという強い意思を持つているわけです。その点で、朝鮮事変の関係からこうだとか、麻袋の需給がどうだかわからなかつたけれどもこうだ、そんなことで七億五千万以上の損害があつた、こういうならば、責任を私はとつてもらわなければならんと思う。仕事を代つたからというので当時の責任を没却することは、私はできんと思う。そういう点で、そういうふうな形の中で、私たちは食管行政というものが漸次改善されて、そうして食糧問題に対するところの国民の負託に応えるというふうな根本問題に、この問題は触れて来ると私は考えるわけです。そういう点で、今、参考人のかたと関連のない二十七年度の五百万袋についてもなお聞きたいのですけれども、これ以上私はここでどうのこうのと言つても、大体事情説明を聞いてわかりましたので、又二十七年度の分についての質問を保留して、時間の関係もありますので一応ここで質疑をやめます。
  31. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 委員長からも折角見えたのでお聞きしておきますが、この計画を当初の企画として決定された者は誰ですか。
  32. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 当時の記憶も薄れておりますが、とにかく前から申上げましたように、麻袋というものに非常に我々としては神経質になつておつた……。
  33. 小林亦治

    委員長小林亦治君) その内訳はいいのです。
  34. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) それで、それを誰が企画したか、これはまあ結局課から上つて来るわけですから、担当の課から上つて来るわけですから誰であつたかという記憶は今のところございません。
  35. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そうしますと、かような大量なものでも購入する場合には、俗に言う最も末端の窓口から要請が上のほうに上つて来ると、かようですか。
  36. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 本件については、やはり麻袋の需給、米の輸入という関連でもつて、いろいろ検討した結果、下から上つて来た問題でございます。
  37. 小林亦治

    委員長小林亦治君) そこで当時の関係事項の調べ書を農林省から頂いてあるのですが、これによりますと、監督者が食糧庁長官安孫子君であり、処罰を決定した者が本日お見えになつているところの当事の業務第二部長の細田君、総務部長清井君、実行者として処罰せられた。これは厳格な意味で処罰ではありませんが、厳重なる注意というものの対象になつて、その審判に服した実行者として、当時の総務部経理課長の市田友治君、それから業務第二部輸入業務課長大石君、この両名になつている。ところが市田君は今長崎のほうに何かの職に在任せられて東京におられない。大石君は只今見えておるわけなんですが、おい出ですか。  大石君に伺いますが、この厳重なる処罰というものをどういう形であなたが受取つたか。それから実行者として本件の問題としては、全部の責任を君ら両君が負担したわけなんだけれども、それは一体どういうところからそうなつたのか、この厳重なる注意という処罰に如何なる心境で服したか、それを先ず伺いたいと思います。この両君から真相を探明せられない限り、我我の本件審査もどこまで行くかちよつと見通しがつかんのであります。先ず冒頭にそれを伺つて本件審査の方針を当委員会で確立したいと思います。お答え願いたいと思います。
  38. 大石碩

    説明員大石碩君) 本件につきまして厳重な注意をたびたび受けておりますことは、厳重な注意を頂戴いたしまして、私といたしましては誠に申訳けない誤りをやつた考えております。併しながら先ほどから各部長、前部長から申上げられましたように、いろいろな問題で我々としては常に不安を持つていましたので、当時としてはやむを得なかつたという考え方を捨て切れないでおるわけであります。事細かに蛇足かと思いますが、当時十二月になりましてもなおビルマの関係麻袋向うに出そうかという計画も実は考えておつたこともある次第でありまして、必らずしも世界の麻袋事情は安穏とした状態ではなかつた考えております。
  39. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 止むを得なかつたとおつしやるのですが、そうすると何ですか。当時の状況としてはやむを得なかつたとおつしやつたのでしようが、当時良識あるものの係りとして、いいですか、もつと注意をし、もつと触覚をふるつたならば、こういうことにならずして済んだと思わないかね。どうかね。まぬけていたのか、認識が足りなかつたのか、そういうところはどうかね、全知全能をふるつても、当時こうせざるを得なかつたというのか。
  40. 大石碩

    説明員大石碩君) 認識が足りなかつたと申すことは、現在はつきり私も考えております。併しながら今回のこの挙につきましては、先日もその当時の外務省関係の方々ともいろいろ話をしたのでありますが、我々としても当時そういつたやり方は当然やらなければならなかつたという考え方をお漏しになつているかたもあります。
  41. 小林亦治

    委員長小林亦治君) どうもそういうことは受取れないのだ。もうちよつと透徹した観察力をもつているならば、こんなものをこれほど買わんでもよかつたろうと思つたので聞いたのだが、いま以て君はそういうふうに、何だろうか、さつき岡委員からも質疑があつたのだか、君ら一連はこの問題に対してこういう強弁をふるうつもりか。大石君どうだ。
  42. 大石碩

    説明員大石碩君) 私は申訳けないということははつきり考えているわけであります。
  43. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それなら率直にそう言つたらいいだろう。当時どうしてもこうならざるを得なかつたとおつしやるので、それでは当委員会でもおさまらんので再三聞いているんだが……。
  44. 大石碩

    説明員大石碩君) それは十分申訳けないことをしたと思つております。
  45. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 申訳けないことをしたでもあろうが、もつと注意能力とか、或いは企画能力とかというものを働かしたならば、こうならずして済んだであつたじやなかろうかということなんだ。その点どうですか。
  46. 大石碩

    説明員大石碩君) その通りです。
  47. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 釈然とできれば、決算委員会は、裁判所でも検察庁でもないのだから、ものの言い方を気をつけ給え。
  48. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 担当者といたしましては、非常に慎重に、又諸般の情勢も考えてやつたことでもありますが、これは考えますれば、余りに心配し過ぎた、この点について私が監督の立場に当時あつたわけでございますが、私といたしましても、諸般の情勢をもつと十分考えまして、思い切つて或いは中止するなり何なりすれば、かような事態を惹き起さないで済んだと思うのです。この点について、私どもも不明の至りでありました。この点はこの機会をお借りいたしまして甚だ申訳けない結果に相成つたことをお詫びをしておきたいと思います。ひとり担当者だけでございませんので、当時の監督者の立場といたしましては、実施者以上にこの点については注意を払い、又監督者としての見通しを以てやるべきことであつた。その点が不十分であつたことについては、深くお詫び申上げたいと思います。
  49. 永岡光治

    永岡光治君 やはり私は、問題は、今委員長のほうから質問されておりますこの責任のとり方の問題とも関連をいたすわけでありますが、課長さんという、或いは係長というポストで一応の企画立案をすることは、これは職務の分担上当然だろうと思うのでありますけれども、いやしくもこういう例えば三百万袋とか或いは二十七年度に至りましては五百万袋というものを入れるという、こういう大きな計画について、恐らくそういう下僚だけで決定し得べき性質のものじや私はないと思うのです。こういう重大な問題に至ればこそ、私は長官があり次官があり大臣がおるものだと、こう解釈しておるわけてす。従つてひとり下僚を責あることだけで問題は私は解決しないで、むしろそれは酷であつて、この責任の所在こそは、まさに食糧庁長官次官や大臣こそ負わなければならんと思うのです。  先ほどのいろいろの質問を聞いていますと、タイ国からの電報で信をおけないという話もあつたようでありますが、それは或いはそういうことも過去においてあつたかもわかりませんけれども、併し二十七年度麻袋の五百万袋についても同じことがやはり又繰返されておる。従つて私は単なる何か非常に心配をされてやつたということだけで解釈できない。何かあつたんじやなかろうかという不明朗なものを感ずるわけです。特に会計検査院指摘もありますように、昭和二十六年の八月に三百万袋を入れたけれども、これは八月から二十七年十一月まで一つも使つていない。にもかかわらず又入れた。而もその入れ方も二百六十三万枚というものを十二月の二十三日に契約をして二十五日に入れてしまつた。僅か二日間で納入させておるというようなことに至つては神業でなければちよつとできないと私思うので、それは何か会社との関係があるんじやないか。会社のほうに何か気兼ねをして無理にでも入れなければならん何ものかがあつた。    〔委員長退席、理事菊田七平君着席〕  そこで前以て生じておつた原因があるんじやないかしらと、私は不明朗に、失礼な話だけれども、そう感ずるわけです。従つて私はこういう問題は一体次官や大臣や食糧長官がどのような責任をとるかということのほうが、私は最も重大であると思うのです。それは仕事の分担として係員があり、或いは係長があり、課長さんがおる、或いは部長さんがおる。これは一つの職制としてのあり方でありましようけれども、こういう問題は一係長なんかで決定される性質のものでない。恐らく課長部長あたり等から、麻袋の問題についてはこういうことがあると相談も受けたかも知れませんが、いずれにしても、それではこういう計画にしたらどうかということを指示されない限りは、恐らくやらないはずです、官庁の組織においては。従つて私はこの責任こそはもつと上層において謝罪があるべきものだ、こう考えておるのです。この辺の見解はどのように考えられておりますか。
  50. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) この問題は私だけできめた問題でございます。端的に申上げますと、つまり大臣とか或いは次官というものから指図を実は受けておりません。食糧の輸入について権限を任されております関係上、この食糧の輸入について麻袋の問題が非常に重要で、今まで申上げましたような事情もありましたので、この買付をいたすということは私の責任でいたしたわけでございます。只今お話がございましたような事情はございません点を、はつきり申上げておきたいと思います。
  51. 平林太一

    平林太一君 ちよつとお尋ねしておきたいのですが、今日は確認をしておきたいと思います。食糧庁長官前谷重夫君にお尋ねしたいのですが、過ぐる、本委員会の二月二十二日です。第八回委員会の席上において、こういう答弁をされておりますが、「十三頁におきまして、麻袋によりまする損失といたしまして、三百万枚分につきましては引取運賃諸掛、保管料、それから袋詰売却によりまする損失、評価損、それから営業倉庫から政府倉庫への運賃諸掛、こういうふうな全経費、それから金利を合計いたしまして、その損失が七億五千九十二万九千円というふうになつております。五百万枚分につきましては同様の計算によりまして七千五百二十五万円余になつておるわけであります」、こう言つておられますが、ところがあとの五百万枚分は後にいたしまして、三百万枚に対しまして七億五千九十二万九千円というこの損失、その内訳につきましては只今ここで朗読いたしました。こういうことが事実かどうか。本日参考人に後刻お尋ねするために、一応食糧庁長官よりこれを確認いたしたいのであります。
  52. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げますが、只今平林委員お話のように、先般二十九年の一月三十一日現在によりますると、食糧庁におきまする麻袋の損失見込額といたしまして申上げたのは、只今お話のように七億五千万円でございまして、その内訳は先般申上げた通りでございます。
  53. 平林太一

    平林太一君 そうすると、この内訳の中で、これはいわゆる二百九十円で三百万当時買受けたのでありますから、八億七千万円に相成つておるわけですが、八億七千万円の麻袋に対して七億五千九十二万九千円という損失になる。こういうことに相成るのでありますが、かようなことは有り得ないことで、こういうことは常識上、又非常識に考えても、これは余りにも甚しいではないか。一割とか二割とかの損失でありますれば、こういう間違いであるということにも相成りますが、従つてこれは重大なことに取扱わなければならないことになるのでありますが、この評価損というのはどういうものを指しておるのか、この中のいわゆる引取運賃諸掛、保管料、袋詰売却の損失、営業倉庫からの政府倉庫への運賃諸掛、その評価損というのはどういうのが、この中の内容として示されておるのか、こういうことを伺いたい。
  54. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 只今の御質問御尤もでございまして、この七億五千万円には、その後におきまする保管料、それからそのねかしておりまする期間の金利、    〔理事菊田七半君退席、委員長着席〕  又営業倉庫から政府倉庫への運賃等も含めてのものでございまして、現実の二百九十円の単価に対しましては、それまでに袋詰めで売却いたしましたものが五億五千九百万円ございます。そのほか手持ちの、一月三十一日現在で以て手持ちいたしておりまするものにつきまして、現在の時価の九十三円の評価ということにいたしますると、手持ちものにつきましての損失が出て参るわけでございまして、評価損は現在手持ちをいたしておりまする一月三十一日現在におきまして手持をいたしておりまするものの評価損でございまして、袋詰めによつて現実に売却いたしましたものは別に売却によりまする損として掲げておるわけでございます。
  55. 平林太一

    平林太一君 そうすると、お話の中の評価損というのは数学的にはどのくらいになりますか。
  56. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) その後この三百万枚の麻袋につきましてはだんだん使用いたされておりますので、一月末の所持見込、在庫は大体約二十万でございますので、その評価の損を六千六百万円程度と抑えておるわけでございます。
  57. 平林太一

    平林太一君 現在の、今お話になりました六千六百万円というのは七億五千九十二万九千円というものから差引いたものといたしますと、我々の想像しておるところより非常にこれは少いわけであります。にもかかわらず、かような七億五千九十二万九千円というような数字を現わしておるということは、ここにも非常な当時の買付の事情というものに対して、先刻来見通しを誤つたというお話でありますが、そうではない。これは非常な当時何か意図して、殊更にこういうことをいたしたのだということがますます濃厚になつて参ります。参考人にお尋ねいたしたいのですが、本日三人お見えになつておりますが、どなたからでもよろしい。先刻来数字上非常に食い違いを生じております。第一に挙げられますことは、タイ国のいわゆる代表部であつたのでありましよう、こちらへ参つております。そういうものが非常に我がほうに対するタイ国輸入米に対して麻袋というものを非常に何かかけ引きの一番大きなものにこれをいたした、こういう御答弁でありましたが、そういうふうにこれは私ども承知してよろしいのでありますか、それをお伺いいたします。
  58. 細田茂三郎

    参考人細田茂三郎君) これは私が想像して申上げたことでございますので、そういうふうに御了承願いたいと思います。
  59. 平林太一

    平林太一君 大変それは形態が変つて来る。想像して何したのだという。先刻の御答弁はそうではない。極めてこれが主因として、それだからしてこういうものをかけ引きとして非常に使われたのだという。想像というものとは、先刻あなたのお話になられた内容の順序から行きましての、これがかけ引きに使われたということに対しまして、今の想像ということは、私は非常に違うと思いますが、若し想像ということでありますれば、これは非常にあなたのほうの内容が、心に思つておられることと表へいわれることとが首尾一貫していないということに相成るわけでありますが、それはそれで伺つておきますが、それから先刻やはり御答弁の中で、この問題に対して非常に何か三百万袋という大量のものでありますから、それを起案したのが、いわゆるこれが委員長の御質疑であつたと思いますが、無端的に申しますと、窓口から起案して順次それが積み重ねられて食糧庁長官の下に来て、そこで食糧庁長官がそれを妥当なものとして、そういう三百万袋というものを買付けられた、価格その他等につきましては後刻又お尋ねいたしますが、そういうふうに御答弁なつておる。併しその半面におきましては、非常にこの当時の買付米に対しまする、先刻もおつしやつた通り、これは道具に使われたというような政治的な意図の下にやつたんだというお話であつた。非常にその話が食違うのですがね。その辺はどちらを重く見るべきかということを、ちよつとお尋ねいたしたいと思います。
  60. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 後段のこの麻袋を買つた事情について相当政治的と申しますか、いろいろな諸般の事情考えて買つたという見解と、それから事務的にこれは上つて来たのだということの矛盾性と申しますか、そういうお尋ねでございますが、まあこういう大きな問題になりますると、大体内部のことを申上げますれば、担当者と私どもの間で事前に相談をいたします。こういう麻袋事情なつておるのだ、輸入状況はこうこういうふうになつておる、それからこれの情勢判断はどうなつておるというようなことで、関係者だけが内部に集まりまして、それでその麻袋を買うか買わんかということを相談し合うわけなんです。単にそういう相談がなくて、係のほうから書類が作成されてずつと上つて来るというのは、これはまあ軽微の問題でありまして、大きな問題になりますれば、関係者だけが集まりまして会議をして、それを一つそれでは買うということにしようじやないかというようなことにきめまして、それに基いて大体起案が出て来るわけでございます。従つて只今お尋ねの非常に諸般の情勢を考えた政治的な考え方と、これが係のほうから上つて来た事務的な問題だというようなことの性質の矛盾というようなことは、今お話を申上げましたようなことでやつておりますので、その点は御了解願えるのじやないか、かように存ずる次第であります。
  61. 平林太一

    平林太一君 そうすると、只今は先ず第一に会議し、その必要に対して諸般のこの当時の事情、当時の事情ということは、タイ日両国間の政治情勢ということが、当然に重点としてこの問題の性格というものは出て来るのですが、そうしてこれをつまり順次下部のそれぞれの担当係に対してこれに対する手続上の事柄をせしめたと、こういうのでありますから、それならそのように、先刻の委員長質疑に対してのあなたの答弁はそれと全然違つていました。これはいわゆる下部から、窓口から順次それぞれ起案されて、或いはこういうことの、これに対しまする全体のこの意図というものが下から上つて来た。それをつまり妥当であるかないかということよりも、むしろ下から当然の事実として来たものを、それをつまり食糧管理庁長官としてそれを受理したと、こういうふうな御答弁であつたわけです。今私のほうの答弁からいたしまするとやはり先刻の答弁において、そういうことを率直にお述べになつておられることは、このような事件に対しまするこの真実性というものが了解されるわけなんだ。ところが今のようなお話であると、こちらのほうからそういう質疑をいたして参りますると、ぐつと変つて、下から来たのじやなくて、上からやつたのだ。併しそれが当然のことと思います。これは、ですから、単なる下の人の担当係に対しましては、それは職務上の、いわゆる事務上の手続に過ぎない。あなたのお手許でこれが先ず第一に起案され、起草されたということは明らかであるが、そのように責任をあなたのほうに対しまして私のほうで了承いたしてよろしゆうございますか。
  62. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) こういうことなんでございます。私としてはそう矛盾しているとは思われないのでございますが、麻袋を買うか買わんかということについては、これは本件関係者、つまり食糧庁の機構の下部のまあ係、部長あたりから相談があつた。こういう全体の輸入事情なつておる、麻袋はこういう事情なつておる、どうしてもここで三百万袋程度の手当をしなければならんと思うが、どうだろうか、こういうまあ話、これは相談であります。それで私といたしましても、それは買うべきじやないか、買つておいて然るべきものじやないか、買つたらどうかというような話をした。それに基きまして、大体契約条項をどうするとか、買入の方法をどうするか、会計規則上はどういう条項を適用してやるかというようなことを立案をして持つて来るわけであります。従つて私の気持といたしましては、両者矛盾はしていないような気はいたしますが、そういうふうに御了解を願つたらどうかと思います。
  63. 平林太一

    平林太一君 そういうお話になりますというと、当時食糧庁長官としては下からそういうような起案が出て来て、自分の手許にまで相談のあるまで、先刻来非常に麻袋の問題に対して先のことを憂慮して、そうしてこういうことをやつたのだということは明らかなんです。それまでは、あなたのほうで全然我れ関せずという態度であつたということに相成りまするが、その点はどうなんですか。
  64. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) これはまあ記憶も若干薄れておりますが、大体具体的な三百万という問題は、今申上げましたようなことできめたと思つておりますが、併し輸入については麻袋の問題或いは価格の問題、数量の問題というようなものは、これは常に重要なことなんです。交渉の任に当つておりまする部長課長、係官のほう等から時々話を聞いておるわけであります。当時も、今でもそうだと思いまするが、しよつちゆう国会に出席等をいたしておりました関係で、朝とか或いは帰つてから係りのほうから、そういう模様を聞くわけなんです。そのうちにだんだん麻袋のほうの問題が深刻になつて来て、タイのほうともいろいろ話をしてもなかなか埒があかん、これはどうしたものであろうか、それじやあ一つみんなで相談しようということで、関係者を集めて、そうして大体方針をきめておつた、こういうような形に相成つておると思つております。従つてそういう相談をするまでは、全然こういう問題には長官というものは関係をしないかと言いますと、そういうことじやございませんので、情報はときどき受けておるわけでございますから、問題の動き方とか、どこに問題があるというようなことは承知をいたしておる次第でございます。
  65. 平林太一

    平林太一君 これは先刻来お話を承わつておる中からも、殊に会計検査院のほうでは、極めて公正な立場で、この問題に対する指摘の理由を明確にいたしておる。そこで本日はそれに対して極めて温和な態度参考人から陳述、意見を聞くと、こういうことでありまするが、今の答弁を承わりましても、非常に三百万枚というものを、これを用意いたしたということにつきましては首尾一貫していない。どこかにこれは何か潜在しているものがあつて、こういう事態が生まれて来たのだということを私どもといたしましては断定せざるを得ないわけなんですが、そこで御参考までに伺いたいのですが、私のほうの調査によりますと、当時の農林大臣は廣川弘禪、根本龍太郎、両君であつたということが明らかになつておりますが、これはその通りでありますか。
  66. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 根本さんが大臣になられたのは九月じやなかつたかと私は記憶いたしております。従つて八月は広川さんだつたように思つております。
  67. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 私から補足して申上げますが、根本さんが二十六年の七月四日に就任されております。それまでは広川さんでございます。それから二十六年の十二月二十六日なりまして広川さんになつております。従いまして、この契約当時は根本さんが大臣と、こういう形になつております。
  68. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 私のは間違つておりました。
  69. 平林太一

    平林太一君 そういう点ははつきりいたして参りました。そこで二百九十円という当時の買受価格、これは食糧庁長官としての参考人が数が非常に三百万枚というので、正確に言つて八億七千万円という当時の食糧庁の政府経理に相成るわけですから、あなたの当時これに対しまする、この価格に対しまする取扱方というものはどういうふうになされましたか、それを伺いたいと思います。
  70. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 価格はできるだけ一つ安く契約しようじやないかというようなことで話をいたしまして、そうしていろいろ調査したり実情を調べてもらうということにいたしたと思つております。具体的にはその際にはきめなかつたように思います。
  71. 平林太一

    平林太一君 これが不当の高価であつたということは厳然たる——当時の麻袋の価格に対しまして不当の高価であつたということは、これは今日の事実から行きまして、二年乃至三年後の今日の何から行きますと、三分の一になつておるわけですが、これはほかの指数から行きましても、そういうものはほかにはない。その後、つまり同様の価格をもつておるものはあつても、若干上つておるものはありましても、下りましても、このように下つておるものはない。この点におきましても、不当価格であつたということはわかりますが、併し買受けました当時の事情といたしましても、会計検査院の調査によりますると、その後短時日にして百円くらい下つておる。こういうことは取りも直さず当時の買受価格において、すでに百円高いものを買つた。而もそれが三百万袋である。こういうことですが、こういうことに対しまして、このような価格に対しまする厖大な予算に対して、これは現在は参考人がおやめになつておりますから、これはあなたのこととは別個に考えても、今日依然としてまだそういうような食糧庁のものを買う上における経理というものに、こういうような不用意なやり方、或いは杜撰なやり方をしておるのか。或いは極端に言いますれば、やはりその間何らかリベートのようなものが、麻袋会社とか或いは製造会社とかいうようなものに行われておることを、茫然とそれを見て見ぬふりをいたしておるというような疑いが非常に強いのですが、当時価格に御関係になりました事情に対して如何でございますか。
  72. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) この価格はやはりそのときの時価ということで、海外相場その他を十分調査をいたしましてきめたものでございまして、その後麻袋価格が急落をいたしましたので、結果から見ますると、一番高い時期に買つたという結果になつておりまして、この点は申訳もありませんが、併しその間只今お話のございましたようなリベートとか何とかいう問題は、これは全然なかつたことを申上げておきたいと思います。又私どもといたしましても、そういうことは一つも念頭にありません。そのときの時価というものを基準にしてやつた、その時価がその後いろいろと原因はございましよう。朝鮮動乱の終熄が、これは本物らしいというような気配等もはつきりして来ましたために暴落もしたのじやなかろうかと思いますが、そういうことで暴落をした。結果から見ますと、非常にまずい時期に、価格面においても買わされた、買つたという結果になつたということについては申訳ないと思つております。その間そういう問題は一つもなかつたということだけを御了承つておきたいと思います。
  73. 平林太一

    平林太一君 その点につきましては先般政府の答弁といたしましては、非常に将来暴騰の憂いがあるので買受けたということを以前当委員会へ来まして、そういう答弁をいたしておりますが、そういうことを聞くにつけましても、どうしてもその中に何か食違いがそれからそれへと出て来るわけです。どこに原因があるかということを、我々といたしましては大体の想像はいたしておるわけですが、そういうことは別個に委員会だけで検討をして、これに対する処理は、おのずからそれに対する性格というものが出て参りまするが、それでものの価格、総額からいたしまして九億近いものに対しまする処理に対して、私は食糧庁長官として、あなたのお手許でおやりになつたというが、当時の当該大臣である農林大臣、而もこれが米を入れるものである。だからこのような重大なことが当時大臣との間にはどういうような、いわゆる食糧庁長官として、大臣に、正式に言うと、報告と言いますか、或いは事前にこの問題については、タイ国からこういう書類が来て、これが四十五万トンと申しておりますが、というような、そういう話が出ておるはずです。従つて麻袋に対しまして当事の当該大臣とあなたの間にはどういうような、当然食糧庁長官といたしましては、当該大臣と正式か非公式か、いずれか話があり得ることでなければならない、こういうことを私は考えますが、そういうふうなことどうですか、
  74. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 大臣が御就任になつたのが七月というようなことになつております。そうしますと、八月時分にまあいろいろ問題が出て来ておるわけでございますが、今麻袋の問題について特に根本さんから話のあつたという記憶もございませんし、私は何らかのついでに、こういうことにしたという事後報告をしたような記憶はございます。事前に私は申上げなかつたかと思つております。記憶にありますのは、根本さんが大臣になりまして、来年から米はやめるんだというような、そういうことで以ていろいろ議論は大臣といたしておりましたが、そのついでに麻袋が非常に苦しいから麻袋相当手当してタイとの交渉に有利にしたいから一つ了承つておきたいというような話はしたかと思つております。大臣のほうからそういう点についての話は全然なかつたと私は思つております。その程度の話をいたしました。
  75. 平林太一

    平林太一君 そうすると、先刻の御答弁の中には、全然自分の手で決済をいたしたのだということで、大臣と関係ないというお話でありましたが、やはり今の話で見ますると、事後においてやはり話をいたしておる、連絡があつた、こういうことのお話なんですか。
  76. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) それは報告でございまして、本件を決定するについて大臣の御意向なり或いは大臣からの指図なり、そういうようなものは全然ございませんで、私のところだけできめまして、適当なその後の機会に、こういうことになつておるということを話したということであります。決定についての大臣の意思というものはなかつたというふうに御了解頂きたいと思います。
  77. 平林太一

    平林太一君 その際は、そうすると、根本君ですが、当時の農林大臣であつた広川君の場合は、先日こういうふうに答弁をいたしております。これは政府委員食糧庁長官ですが、「第一回の大型三百万枚のときの契約のときの大臣は根本龍太郎さんでございました。それから広川さんが、十二月二十六日になつておりますが、契約当時は根本さんでございまして、この点訂正いたしておきたいと思います。それから五百万枚のときは、これは十二月五日に大臣になられておりまするので、十二月の末に契約いたしておりますから、これは広川さんが大臣になつております。その点訂正いたしておきます」、ですからいずれもこれは先の何からいたしますと根本、あとの五百万枚が広川、こういうことに相成つておるのでありますが、今その御答弁を伺つておりますと、報告をしたんだということですが、こういうようなものを、全然事前に何らの大臣と、これに対しまするあなたの取扱い方に対しましてのあれが全然ないということは、我々には想像ができないことだ。なぜかと申しますると、袋よりも、米を厖大にタイ国契約するのですから、その際、当然容れ物はどうなるんだというようなことは、これは話に出なくちやならない。それからあなたの手許だけで、これが米の四十五万トンというようなものを買受けるということが前提となつて三百万枚というものは買受けたわけですから、それだからその点をもう少し明らかに願いたいと思つております。
  78. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) どうもその辺のところ、私の記憶がはつきりないのですが、勿論米の輸入を三十万トンじや足りない、四十五万トンにしなければならんと、これは大臣のほうでも是非一つつてもらいたい。私どもとしても、事務当局として努力するが、大臣のほうも政治的には一つつてもらいたいというような話は勿論出るわけです。それから、ついては麻袋が足りないから、これも何とかしなければならんだろうというようなことも筋合としては話が出るわけです。それはしつかりやつてくれというぐらいのところなんです。率直に申上げますと、そういうときの話は、それは四十五万トン入れなければならんだろうから、一つお前たちも頑張つてつてくれ。麻袋が足りない、それは困るから一つしつかりやつてくれというような話ぐらいのものなんです。それで私が記憶がないと申しまするのは、その当時根本さんに、麻袋が非常に窮迫しておりまして、これは何としてでも手当しなければならんだろうというようなことを私は申上げなかつたと、こう思つております。ただ米の数量をできるだけ殖やさなければならん。特にその当時は外には出ませんが、内部では四月一日から統制撤廃しようというような話が農林大臣から私には話があつたのです。従つてどうしてもそれをやるんだということになれば、外米手当をうんとしなければならんだろうというようなことを若干話合つたことはございます。そういう問題が主でありまして、この三百万枚の麻袋をどうこうするというようなことについては、私は事前に大臣には詳しく、何らその点は話をしなかつたと私は思つております。そのあとできめてから実はこうこうこういうことで三百万枚の手当をすることにいたしましたから、一つ了承つておきたいというような話は、ほかの問題と合せて申上げたと思つております。そこでそれはよかつた。それはしつかりやつてくれというのが、そのときの話になるのが普通なんです。その事情でありますことを申上げておきます。
  79. 平林太一

    平林太一君 そうすると、今のお話、これは速記録、会議録であとで一応調べたいと思いますが、今の参考人の御答弁の中に、やはり事前に話があつたのだということは御明答になつておられるようでありますから、先刻までの報告であつたということ、事後において報告をしたということは、一方的でないということは明らかになつたと思つております。こうなると、私は報告ということは、要するに大体掘り下げて行けば、これは上部から出て来たものではない。当然当時の大臣のいわゆる政治的な、これは善意に申上げますが、米を我が国がタイ国から四十五万トンぐらい用意しなければならんという、それに対する見通しでありますとか、数量は別といたしましても、そういうものが出て来た。そこでそれに対しまする所要の麻袋三百万袋という厖大なもの、会計検査院のほうから聞いておりますと、如何にもその当時そのようなものを一度に買受けたということは、どういう角度から見ましても、これは正常の行為ではなかつたということは明らかなのであります。でありますから、大臣に今参考人報告したということが、実は先日米のことについて麻袋の話があつたが、その麻袋は三百万枚、しかと用意いたしました、こういうような御報告をなさつたのだということが、今御答弁されております内容の中から、我々はそれを承知せざるを得ないということに、これは相成つて参りまするので、従つてこれは先には根本、後には広川、その両大臣がやはりこれに対しまする一番のもとであるということが明確に相成つたわけであります。それでありますから、今度は参考人としての参考意見は、現在長官でないあなたに対しましては、おのずから限界が私のほうではあるわけでありますから、それ以上お尋ねする必要はないと思います。今私が申上げた通りでありますから、それだから、そういう真偽の問題のもとがどこにあるか、こういう麻袋の三百万枚のもとがどこにあるかということを、私としては究めてみたいと思います。さもなければ、かような空前絶後の八億五千万円金がかかつて、七億八千万円も損をするということは、さようなことは世の中にあり得ないことなんです。十億円の中で二億円損をしたとか、一億円損をしたと言つても、これは非常に国家経理としましては、非難、指摘しなくちやならんことですが、麻袋というものに対して当時の大臣というものが当然これに対して主体をなしておるということを、私といたしましては明らかにいたしたいと思います。  だから、そういうことにつきましても、今後本件に対する取扱いの性格は他の委員の方々の御意見もありましようが、私といたしましては、この際委員長に申上げておきたいと思いますが、これはまさに昭和二十六年から七年のことで、吉田内閣が成立いたしまして、あれは二十三年の十月と私記憶いたしておりますが、今日まで大体五年六、七カ月になります。ちようどこれはもう吉田内閣積年のいわゆる積悪というものが(笑声)この頃から起つて来たのだ、農林省関係で……。今日ではこれが陸運、海運に及び、日本開発銀行からの貸付金というものは石炭、鉄鋼に及んでおるということがだんだん裏書されて来たわけでありまして、保守政権として資本主義という一つの足場を持つて、こういう国民の血税を如何に疎漏に取扱い、そうしてこれによつて国家に非常な害毒を流しておるという事態が、この事実におきましても、これは明らかになつて来たわけであります。若し政治道義があり、社会正義というものがあるならば、この一点におきまして、これが明白になつて来た今日におきましては、吉田内閣というものは即時この際職を辞すべき性質のものであります、この問題だけでも……。而もそれを裏書するがごとく今日最近における汚職問題というものがある。でありますから、これは委員長に対しましては、私は希望として申上げておくだけでございますが、この取扱いというものは単なるいわゆる当時の関係、当事者に対しまする処置を十分にいたすことは当然でありますが、これにとどめるべきものではない。現在の吉田内閣に対する性格上の再検討をして、吉田内閣の処置をやるべきでないかということの根底に触れる問題である。だから今後の取扱をそういうふうに一応委員長といたして取運ばれるように私といたしましては希望をいたしておくということを申上げまして、いずれ又我々は後の機会に必要あれば質疑いたしたい、かように思つております。
  80. 山田節男

    山田節男君 今日もと食糧庁長官安孫子君、それから細田参考人からいろいろ事情を伺つて、なお、会計検査院小峰第三局長説明等を聞いて、結局どうも我々はこの問題について、二十六年度決算報告にある今議案になつておる七百七十四号の麻袋を購入したということの事情が、先ほど来の各委員からの御発言があつたように、どうもジヤステイフアイできない。尤もだという納得が行かない、これは非常に残念です。これは私結論から言いますが、従来食糧庁は食糧管理特別会計で、毎年一千五百億以上、二千億近くの金を使つておる。これは国会におきましても、食糧に関する特別会計は一つの伏魔殿であるということが言われておる。その例としては歴代の長官が参議院の全国区に出ておる。安孫子君も昨年の選挙で出馬されたやに聞いておる。片柳君も然りであり、楠見君も又然りです。一体食糧庁の長官に限り、そういう参議院の全国区に出ているという事態が、もう国会においてもこれは怪しいぞという声が起るのは当然であります。これが私はもう今年にいたしましても、緊縮予算なのに、一千七百億近くの金を使つておる。今まで安孫子前長官が言われる麻袋については、我々は非常に神経過敏である、非常にセンシテイヴである、これは尤もだろうと思います。併しながら今三人の参考人の述べられたところを見ると、先ほど申上げたように、成るほどという気持が出ない。これは非常に残念であります。一体私はこれほどの大きなことを今安孫子元長官の話によると、大臣にも、長官にも相談しないで、長官の単独決裁でできる、こういう機構を見ても、これは如何にルーズなものであるか、そういう一端がここに暴露されていて、これを以て全般を推しても止むを得ないと思います。それで今問題になつておる七百七十四号の案件ですが、先ほどこれは細田君でしたか、とにかく二人の使節が二十六年の二月にやつて来た、いろいろその態度を見ても駈引が非常に強い。私も昨年の一月、今年の一月にラングーンにもバンコツクにも行つて来ました。現に一月に私は三週間近くおつていろいろなことを商社から聞いておる。これはこの席では言えませんけれども、私は食糧庁に対してもいろいろな言い分がありますが、要は駈引が強い。タイは駈引ではなくて、これは賄賂政治です。これは前にも申したこともありますが、この正月に行つて見たが、あそこで四十数社の日本の商社の代表がわいわいやつておる。これは農林省の食糧買付けをしなければ、我々の看板の値が下るというようなことで、タイ国政府に対して、華僑に対して、日本政府の米の買付けのエージェントにならなければ、我々の看板、威厳にかかわるというようなことで、それがために、商社は例えば向うの役所の米の輸出をやる課長に対しては二千バーツ、約四万円を、部長になれば更に数倍のものを持つて行かなければ話の糸口がつけられない、こういう状況にある。商社はもう競つてそういうことをやつておる。この案件に対しても、私は二十六年にこの麻袋の問題になる当時、四十五万トンの米を輸入するというなら、これは当然農林省として外務省任せでなく、或いは通産省任せでなくて、農林省自体がこれだけのものを買うならば、調査員でも出して、駐在官を置いて、華僑に対し或いは政府に対して、当然これは処置をしなければならん。で、これは安孫子元長官に伺いますが、当時、タイのそういう商工次官以下使節が来て話を聞いたり、或いは電報のやり取りくらいで、麻袋がなくちや困る、而も商社のほうでは、どうにかやりますと、こう言つておるときに、細田君が言われたように、駈引の多いタイ国政府だと思えば、これはもう常識から考えても食糧庁或いは農林省のほかの者でもいいから、いろいな観点から駐在員を派遣して置くが然るべきだつたと思うのですが、そういうことについてはむずかしいでしようが、思付きとしてもそういうことを考えなかつたかどうか、第一にお伺いしたいと思います。これは安孫子元長官にお伺いします。
  81. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 外米の買付につきましても、全く従来は盲貿易みたいな形で日本も損をしておる。司令部のありました当時は司令部が容喙をして向うがきめてやる。それが日本のほうにだんだん移つて来まして、日本の自主的な貿易が復活して来かかつた当時は、どうしても海外に人を駐在させまして、そうして現地の実情を即刻中央で聞き、それに応じてこちらで折衝をして有利な買付をいたしたいということで、現地に人を派遣する構想で外務省或いは通産省といろいろ折衝しておつたのはその当時だと思つております。現実にそのとき人を出しておりましたかどうか、私今記憶ございませんけれどもお話の点も、そういうことを考えておつたかという点になりますと、是非そうやらなければならんということで当時考えておつた気持だけは今でもはつきり記憶に残つておる次第でございます。
  82. 山田節男

    山田節男君 この今問題になつている麻袋の事件の当時は、タイからの輸入米に対していわゆる砕米の混入率の問題について日本政府がクレームを出しておる。そうでしよう。この麻袋の……、あの年購入した米の砕米の混入率について日本政府からクレームを出したのじやないですか。
  83. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) クレームを出したものと私に思つておらますが、はつきりは調べてみないとわかりませんが、あるかと思います。
  84. 山田節男

    山田節男君 これは元安孫子長官に対して、私決してその犯人というようなそういうような気持で聞いているのじやないが、とにかく今申上げた通り食糧庁はこれだけの厖大な予算を持つて而もこれは国民の税金です。そうして宿命的な食糧輸入ということについて、一体これは善良な公務員として、国民に代つて善良な管理者であるかどうかについて、常識で考えてみても、我々はあなたたちのおやりになつたことはジヤステイフアイすることはできない、誠にこれは残念なことです。これはここにおられる三参考人が、これはもう決して私は能のない人じやなくて、非常に有能な公務員だと思う。私はもつと根本的に言えば、この食糧庁の機構なり機能が、殊に戦後に非常にこういう道義が廃れてしまつて、非常な金目なものを扱う。これは何といつても、私は極端に言えば食糧庁のすべてのマネージメントが、いわゆる非科学的な大福帳的な物の管理というような気持があるから、こういつたことが一再にとどまらず毎年こういうことが起きている。而もそこに長官が国会の、参議院の全国区で出るなんということは不謹慎極まる。こういう事態を見ても、これはもう何といつて食糧庁は一種の伏魔殿だというようなことを言われても止むを得ないと思う。  もう一つお聞きしますが、安孫子参考人はこの問題に関連してあなたは責任をとつておやめになつたのかどうか、この点伺いたい。
  85. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) これはどういう事情であるか、私はわかりません。この問題かどうか知りません。
  86. 山田節男

    山田節男君 それから先ほど委員長から御質問のときだつたと思いますが、この件について責任をまあ追及というか、一つの行政処罰というかの処分で、何とかいう……いわゆる大石君ですか、大石輸入業務課長ですか、これを厳重に注意した。これは厳重に注意するということは、公務員における行政罰じやない、この厳重に注意したというものがこの大石課長だけで以て他に全然ないのか。その当時の長官或いは部長に、いわゆる訓戒とか訓告というようなことをよその官庁ではやつておりますが、大石課長のほかには全然この問題について処罰的な何をとつたことはないのですか、安孫子元長官どうですか。
  87. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) そのことは私はお答えには不適当だと思いますので、別の方に……。
  88. 山田節男

    山田節男君 あなた長官しておられて、この重大な問題で八億七千万円損害を与えたということについて……。
  89. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) そう申上げました意味は、私は二十七年の一月にやめましたので、まあその当時はまだ納入をしておる時分でございます。この結果が批判を受けまして、そうしていろいろ処罰或いは適当なる訓示というようなことをやる段階になりましたときは、私はおりませんので、別の方から御答弁願つたほうがよかろうと思います。
  90. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 厳重に注意いたしましたのは、その当時の業務第二部長の細田君、総務部長清井君、それから経理課長の市田君、輸入業務課長の大谷君の四君であります。
  91. 山田節男

    山田節男君 安孫子食糧庁長官は、次の参議院の選挙には又全国区から立つ御意思がありますか。
  92. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) どうもわかりませんが……、
  93. 山田節男

    山田節男君 私は決してあなたの自由を束縛するわけではないが、えてこういつた……、これはいずれ国会法も改正になりますが、公務員法についても或る制限規定はあるが、こういつたような少くとも現在の食糧庁の情勢から見ると、長官あたりが国会に出るということは、これは衆議院ならよいかも知れません、地区で出られるので……、全国区で出るということは、これは例えば農地局長でも出ておる者がたくさんありますが、こういうことはやはり三年か四年くらいたつてからやらないと、而も見ると、あなたはまだ何か現在どこかの会長さんをやつておる。製パン会社ですか、何とかの会長をやつておられる、こういうことですが、こういうことはやはり今日汚職事件で国会がてんやわんややつておりますが、殊にあなたのような有能な人はそういう世の誤解を受けないように、まあ幸と言うか不幸と言うか、それほど大きな権限を持つた長官になつた以上は、政治的な活動をするとえて誤解されやすい、それがやはり今日のような造船汚職とか或いは保全経済会だの、こういつたような気持をこれはますます増進するのじやないかと思う。ですからこれは私は決して干渉する意味ではないが、こういう点を特に注意せられないと、食糧庁のあり方というものを誤るのではないか。前谷長官は参議院に出られることはないと思いますが、こういうことが食糧庁の何と言いますか、性格を現わしておると思う。  これは続けて前谷現長官にお尋ねするのですが、今問題になつておる二十六年度に三百万枚の麻袋を買つてこれほどの損害を与えている。続いて二十七年には五百万枚の麻袋を購入したということは、あなたが長官になられて、この二十八年度においては麻袋の問題とか或いは輸入の米の問題について、黄変米とか砕米混入率について、政府から向うに対してクレームしなければならんというような、こういうようなケースはもう全然ないということが確言できますか。
  94. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) お答え申上げます。麻袋につきましては、御承知のように食糧特別会計におきましては麻袋を購入いたしまする場合、購入予算を必要とするわけでございます。現在二十八年度の予算におきましても、購入予算を取つておりません。従いましてこれを本年度において買う予定もございません。又現在御審議中の二十九年度の予算におきましても麻袋の購入費はこれを計上いたしておりません。従いまして予算が決定になりますれば、これはその通り執行いたすわけでございますから、麻袋につきましてはそういうことは行われないということを申上げたいと思います。  ただ黄変米につきましては、我々としても規格を定めまして、そうしてその規格に応じて買うように努力いたしておりまするが、私が二十八年度に参りましてから、いろいろ注意いたしておりますが、少量の部分がやはり出て参つておるということは申訳ないわけでありますが、これは前年度のような大量なものではございませんで、少量のものとしてそれぞれの地域から多少出ておるということでございまして、この点については更に我々としても現地に人を派遣し、又国際的なインスペクターも現地に駐在してもらう。それに日本の現在の検査なんかに十分理解があり、経験を持つた人を採用してもらうというふうなこと、それから外交交渉を通じまして、いろいろそういう点のないように努力いたしておるわけでございまして、今後とも十分に注意いたしたいと、かように考える次第でございます。
  95. 山田節男

    山田節男君 これはそういう御意見だと、今年度、二十九年度に外国からの主食輸入として千六百余億のものを予算請求しておられるわけであります。その中で九百九十万円というものを海外の米の買付の調査費、旅費、一千万円足らずのものを計上しておられるのでありますが、これは米を中心にして考え、殊に米を買うところのタイであるとかビルマであるとか、これは御承知のように華僑がタイのごときは絶対的な勢力を持つております。米の問題についてピブン氏が去年こう言つておりますが、精米所から米の輸出については絶対の権力を握ろうとしておるけれども、どうしても華僑に敵わないということを言つておる。だから一月の末に我々が行つたときでも、日本の政府が米を買おうと思つても、これは華僑が米についても後で手を引張つておる。日本の政府がこれだけの米を買う、イギリスがこれだけ買うということになるといつても、日本の商社は、先ほど申上げたように四十数社のものが勝負にならないのです。日本農林省からの米の買付の仕事にしておる者が、その点ドイツやイギリスの商社に比べると実に浅ましい商戦、あきないの戦いをやつておる、不幸にして……。タイの政府にしても或いはビルマの……、これは社会党が政府をとつておりますが、又一昨年のごときは、ビルマの政府は社会党だというので勝間田清一君を何か運動しに派遣したという話も聞いておりますが、ビルマにおきましても華僑の勢力は相当あります。これは国営主義でやつておるけれども、非常に公務員が不馴れであるのと、或いは収賄政治が不幸にして東南アジア諸国は相当はびこつておる。こういうところで年々こうして多額な金を使わなければならんということになると、少くとも農林省から食糧庁関係の常駐の人を向うの大使館であるとか、ラングーンでは総領事館のところにもやはりそれを新らしく常時置いて調査して頂かんと駄目です。それからタイのごときは、もう日本の政府は今度これだけの米を買うだろう、そうすると商社がいろいろな策略をして米の値段を華僑と結託して釣上げてしまう。そうしてその釣上げた値段を政府のほうに対してこれがいわゆる公定相場だと言う。その上にコミツシヨンであるとかそういうことをやるから、高い米、質の悪い米或いは約束の違つたような砕米の率が多い非常に極悪な、質の悪い米を送るということになるのでありますから、とても九百九十万円ぐらいな調査、旅費等で以て実際問題としてできないと思う。これは早い話がラングーンまで行つて旅費だけで二十七、八万、三十万近くは要ります。タイにしてもラングーンにしても物価の高いところであるから、常駐の一人、二人、二人ぐらい置くということになると、この九百九十万、一千万円足らずの金ではできないと思う。どういうような調査をされようとしておるのか、具体的に一つ説明願いたいと思います。
  96. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 只今お話でございますが、以前におきましてそういう事情がございましたので、現在におきましては、タイにおきまして商社の数を制限いたしまして、従来四十社ぐらいございましたのを一昨年度から八社に限定いたしております。併し御承知のような、お話のような状態でございますので、現在タイに対しましては、ビルマも同様でございますが、大使館に農林省から一名派遣いたしております。これは御承知のように外交の関係は外交一元化の形がございますので、外務省を通じて外務書記官として駐在をせしめておる。併しそのほかに、只今お話がございました旅費といたしまして、最盛期に人を派遣するということをやつておるわけでございます。根本的な考え方といたしましては、従来の食糧需給も、タイ事情も変つて参りましたので、従来は政府間のG・Gのベースで数量なり価格をきめます場合にはフリー・コーターの点もあつたのであります。このフリー・コーターの点につきましていろいろ競争が行われたわけでありますが、本年度からこのフリー・コーターの分をできるだけ圧縮いたしまして、殆んど大部分本年度は全部G・Gのベースということで、外交機関を通じまして数量なり価格というものを協定して参る。これはタイもビルマもそういう方向で進んでおります。従いまして先ず第一には政府間の協定によつて輸入するということを第一手順といたしておるわけであります。そのほかに只今申上げました在外公館に人を一名ずつ派遣いたしておるわけでございますが、更に只今指摘の予算を以ちまして、大体タイとビルマにつきまして、更に必要がございまするとアルゼンチンも協定がございますので、これは小麦でございますが、この三カ所程度につきまして出張をいたさせたい。これは積出しの最盛期におきましてこれを派遣いたしたいと、かように考えておるわけでございます。更にそのほかにスーパー・インテンデンツ、或いはその他の国際機関の検査につきましての介入と申しますか、立会をそれぞれの政府に要求いたしておるわけでございます。と同時にその国際機関に対しましては内地の、五本の事情をよく知り、又検査の経験のある日本人を採用してもらうように交渉いたしております。そういう方法で以て極力具体的に努めておる次第でございます。
  97. 山田節男

    山田節男君 この七百七十四号の件について、会計検査院報告書に載つておる内容ですね、内容、それから先ほども会計検査院の第三局長からいろいろ説明がありましたが、当時の責任者として安孫子参考人は、この二十六年度決算報告の第七百七十四号に掲げておる会計検査院報告については、全部この通りに首肯されるかどうか、これに相違ありませんというふうに……。
  98. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) この点については九月に解約ができる状態にあつたではないかという点については、私も若干疑問を持つております。タイ側との交渉の経過から申しまして、必ずしも九月に確定したのじやなくて、十二月頃、まあ解約をしようと思えばするような時期がきまつて来たのじやないかという点は、若干意見の違いかと思います。
  99. 山田節男

    山田節男君 そのことは何ですか、若しあなたが長官として、朝鮮事変が七月には休戦になつているし、麻袋がどんどん値段が下つて来たということになれば、若しあなたが本当に注意深い、これは常識的な注意だと思うのですが、この際、この場合としてはもう少しあなたが非常に注意深くこの問題について考えておれば、非常に解約なり値段を下げさせることによつて数億の金を節約というか、セーブできたというようにお考えですか、それに対する責任を感じておられるという意味で、本委員会了承していいかどうかということをお尋ねいたします。
  100. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 私がその当時十二月、一月までおつたわけでありますが、契約後一月まで私がやつたのであります。その間において麻袋の国際価格の下落というようなことを考慮に入れまして、国内の今後における食糧の手当、それに対する麻袋の重要性というようなことを、むしろ国際価格の下落のほうに重点を置きまして、解約をいたしますれば、かような損害を与えないで済んだ。私どもは当時むしろ食糧輸入面が重要だ 麻袋を握つておくことが重要だ、今後の食糧の情勢から言つても握つておいたほうがいいんじやなかろうか、こういう考え方で解約をしないで、その結果が七億という大きな損失を与えたのであります。私は今やめまして、甚だ何とも、何と申しますか、お叱りを受けてもどうこう言えないような立場にあることを恐縮に思つておりますが、誠に申訳ない結果に相成つておりまして、この点は本委員会のみならず、国民全般にお詫びをしなければならん問題だということを痛感しておるわけであります。事情事情で、やはり結論的にはそういう結果になつたことを甚だ申訳なく感じておる次第であります。気持の上の一端だけを申上げた次第であります。
  101. 東隆

    ○東隆君 私も少し伺いますが、安孫子さんよく知つておりますが、これは聞き辛いことなんですが、安孫子さんが就任をされたのは二十六年のいつ頃ですか。
  102. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 就任でございますか。就任は二十三年の九月頃じやないかと思います。
  103. 東隆

    ○東隆君 そうすると第一次吉田内閣ですね。それからやめられたのは二十八年。
  104. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 二十七年の一月です。
  105. 東隆

    ○東隆君 二十八年じやないのですか。
  106. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 二十七年です。丁度この麻袋の問題の……。
  107. 東隆

    ○東隆君 選挙が二十八年。
  108. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) だから間が一年くらい空いております。
  109. 東隆

    ○東隆君 二十八年……。
  110. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 私やめたのが七年の一月にやめまして、二十八年の四月に選挙があつた
  111. 東隆

    ○東隆君 そうじやないでしよう。
  112. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) そうなんでございます。それは本人が一番よく知つております。
  113. 東隆

    ○東隆君 そうするとこの千五百一号というのは関係がない。
  114. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) これは私関係ございません。
  115. 東隆

    ○東隆君 それは丁度この七百七十四号の問題のとき、先ほど大臣と関係がないと、こういうような話もございましたが、この問題の前における大臣は広川さんです。それから二十六年の七月の四日に根本さんが就任され、そうして二十六年十二月二十六日に又広川さんが就任され、それから二十七年の十月三十日に吉田内閣が成立をして、小笠原三九郎氏が就任をされ、それから小笠原三九郎氏が余り長くやりませんで、そのあとに廣川弘禪氏が就任をされる。こういう関係で、この麻袋関係は廣川弘禪氏と親分子分の関係にあつた根本龍太郎氏が一心同体だとこういうふうに考えますけれども、広川農林大臣のときに非常に関係があるわけですね。それで私はこの麻袋関係を通して、先ほどから平林さんもこれは大臣に関係がある、こういうような判断をされたようでありますが、私もどうもこの関係においてそういうことがはつきりどうも考えられて仕方がないわけです。それで実は二十七年の問題について申送り、その他のことを次の長官になされましたかどうか。
  116. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 麻袋の件ですね。
  117. 東隆

    ○東隆君 麻袋の件について申送りをしたかどうか、そのことをお聞きしておきたいのです。
  118. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 麻袋の件については私申送りはしなかつたと思つております。ただ、こういうことは私は申送りはしなかつたのですが、まあ引継ぎますと、各部課長から後任者が一般説明を聞きますので、その際にこのことは報告されておるのだろうと思うのです。私自身からは東畑君には何も話をいたしませんでした。
  119. 東隆

    ○東隆君 それから二十六年の十二月二十六日に広川氏が就任をされて、二十七年の一月におやめになつて、あなたがおやめになつておるのですが、その理由は皆目私にはわからない、こういうお話でしたが、当時の情勢から推しまして、私はやはり広川農林大臣とそれから安孫子さんとの間に何か示唆するようなものがなければならんと思いますが、それはこういう席で大変お気の毒ですけれども、全然理由がわからん、こういうようなことでなくて、私は何か中にあつたのじやないかと思うのですが、その辺のことは言い辛いと思いますけれども、それをおつしやつて頂けませんか。
  120. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) これは大臣が任命権者でありますから、やはり官庁事務の都合ということで異動を実行したものだろうと私は思つております。
  121. 高田なほ子

    高田なほ子君 一点だけお尋ねいたします。私は決算委員なつて非常に日が浅いのでありますが、数々調べて参りますときに、結論的に非常に不可解に思うことは、この国費の運営に当つていろいろ御弁解はあつたようでございますが、非常に軽々に取扱われておるので、麻袋の場合も実に八億に亘るような、九億に近いようなこの購入費でありながら、我々の場合には一反の銘仙を買うにひとしいような、かなり簡単な運営の下にこういうことがきめられておるわけでありますが、お尋ねをいたしますが、こういうような場合に関係者が集つて相談をしてこういうふうにきまつたと、こういうふうにお答えになつておられますが、そういう場合にはこの会議録か何かというものを作つて、そして会議のいろいろな基礎的な運営基準とか大事な要点とかいうものが一々そういうものにとどめられておるのでございましようか、その点を安孫子長官にお尋ねいたします。
  122. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 大体概要をきめますときにはそういうふうにして相談をしてきめますが、その際はそういう詳細なものを多く見る場合であります。又あとで整理する場合であります。書類といたしましては、会議録というものはございませんけれども、御承知通り起案をいたします際には、その理由並びに資料を全部添付をいたしまして書類として取つて参るのであります。
  123. 高田なほ子

    高田なほ子君 この問題は食糖の輸入と関連して始められた問題でありますが、この話が始まつてから、麻袋を買うというその結論に至るまで何月何日から何月何日頃までの間にこういう御相談がされたのですか、お尋ねいたします。
  124. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 記憶も薄れておりますが、大体一月乃至一月半ぐらいの間でいろいろ、一月ぐらいときどき相談をしたかと思つております、これははつきりいたしません。若し事実が違えば恐縮でございますが、大体その程度であります。
  125. 高田なほ子

    高田なほ子君 大変に今のお話でも、私どもが常識的に考えて理解に苦しむような運営の下にこういう決裁がされておるようでありますが、こういう問題が起りまして、安孫子前長官は、こういう国費運営の面に当つて今までのやり方が妥当であるとお考えなつておられますか、それとも又こういう方法では甚だいけない、どういう方法にしなければならないかというようなことをお考えなつておられますか、御心境をお尋ねいたします。
  126. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) まあ結局会計規則に基きましてやつておるわけなのでございます。その内容が果して妥当であつたかどうか、適当であつたかどうか、そこに落度がなかつたかどうかという問題が結論になつて来ると思います。私どもとしては当時善意を以つてつたことであります。結果的に非常に大きな損失を国に与えた点につきましては誠に申訳ないことをいたしたというふうに考えておる次第でございます。
  127. 高田なほ子

    高田なほ子君 然らば麻袋のこの契約も急速に、実に厖大な暴落が雪崩のように来た場合に、あなたはこの暴落に対してどういう手を打たなければならないかということを当然そういう責任においてお考えなつておればお感じになると思う。この麻袋の急な暴落に対してどういう手を打たなければならんか、どういうそのとき御心境にあられましたか、お尋ねいたします。
  128. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 麻袋価格がその後上つて来たということについて、その見通し並びに麻袋の国内における需要の緊要度というようなものの比較検討において処置をして来たわけでございます。単に国内の需要度というようなものをそう重く見ませんければ、これは解約をするという結果になるわけであります。先般来縷々申上げましたように、我々といたしましては麻袋価格もそう安定期に入つたものでもなかろうという判断と、国内におきまする需要の緊要性、輸入食糧の重要性というものにウエートをかけまして、解約をしないで遂行したようなわけでございます。その結果が結論的に今御審議を願つているような結果になりました点につきましては、何回も繰返すようでありますが、申訳ないと思つております。当時の心境といたしましては、実は需要の重要性のほうを重点に考えたということでございます。
  129. 高田なほ子

    高田なほ子君 大変立入つたことをお尋ねいたしておりますようでありますが、こういう重大な問題をお起しになりました当の責任者とされて、全国区で御立候補になられたのでありますから、当然この日本の食糧問題に対してあなたはいろいろの御抱負を揚げられてお立ちになつたように私は承知いたしておりますが、こういう国民に迷惑をおかけした問題について、国民の前に謝罪されるようなお気持もあつて御立候補なされたのでございましようか、その点御心境をお尋ねいたします。
  130. 安孫子藤吉

    参考人安孫子藤吉君) 具体的にさような問題に私は触れておりませんでした。
  131. 高田なほ子

    高田なほ子君 続いてお尋ねをいたします。私は常識人でございますから、私の質問が当つていないかも知れませんが、本問題を起しましたやはり責任者として、当然この間の御相談にあずかられました現在の水産庁長官の清井さんは、こういう大変な国民に迷惑をかけた、これが一地方公務員であるというような場合には、これはばつさり首であるということだろうと思う。ところが堂々と御栄転なさつて、今日水産庁長官としての栄職にあられるのでございますが、私は非常にこの点私の常識では腑に落ちないのでございますが、あなたとしてどういうお考えでございますか、お尋ねをいたします。
  132. 清井正

    参考人清井正君) 私が現在水産庁の仕事をおあずかりしておるのについて只今お叱りを頂いたのであります。私ども気持は先ほど来安孫子さん並びに細田君から縷々御説明申上げたのであります。確かにこの件につきましては、問題の重要性が、いわゆる外国から米を買うために必要な措置に重点があつたということは確かにあると私も思うのであります。この間いろいろの事情を御説明申上げたのでありますが、確かに顧みますというと数億の損失を生じました。而も一般会計から、前に、相当金額のいわゆる繰入れをしている際に、食管特別会計の経理がルーズではないか、こういう御趣旨の御質問があつたのでありますが、私どもといたしましては、そのときは確かに経理をおあずかりしておつたのでありますし、とにかく国の食糧特別会計をおあずかりして、而もこのような君大な金額であります。而も尨大な数量に亘る売買をいたしておるのでありますから、その間極く些細に亘りましても、十分経理的観点から注意を払いまして、いやしくも国費を不当に生ずることのないようにということを努力をいたして参らなければならん立場にあつたのであります。然るにこの問題につきまして、本日ここで御審議を願うような結果になりまして、私どもといたしましても、当時の責任者といたしまして、誠に実は申訳ないと考えておるような次第であります。その後私も他に転じまして、そのほうの仕事に当つておるのでございますが、当時のことを考えまして、特に経理の責任の立場におりました者といたしまして、誠にこの点は相済まんものだというふうに考えております。
  133. 高田なほ子

    高田なほ子君 これはお尋ねする人が結局いなくなつているわけでありますが、大変申訳ないということで、当然そういうお言葉があるのは私は当り前だと思うのですが、そういうふうに見通しの誤りであるとか、或いは国際情勢の分析の誤りであるとかいう、勿論そうではあるにしても、結果として国民に莫大な迷惑を及ぼした当の責任者が、こういうふうに同じ内閣の中で相当のいい職に、そういう失敗があつてもつかれるということは、どうしても腑に落ちない。  例えば教員の場合には、君が代を歌わせるとか歌わせないということを主張したくらいでも、もうその次の日には首になつてしまう。この場合には君が代を歌わせるとか歌わせないとかいうことは、何も国民に直接な被害を与えておらない。けれども私はそういう生活の途を奪われるまでの厳重な措置をされておる。ところがこうして見て参りますと、食糖庁の場合には相当のこういう責任を負わなければならないような方がやはり現職にとどまり、或いは他の職に栄転をされて堂々とやつていらつしやる。これはほかの省にもこういうことがあるのかないのか、私わかりませんですけれども、どうしても私はこういうところが腑に落ちないのです。大変清井さんを責めるわけではありませんけれども、こういう仕組そのものに対して私は何としても納得が行かないのです。委員長は、他の省にもこういう問題を起しても、ちやんとこういうふうに栄転をされている現在何の方があられるのですか、どうですか、これを御迷惑であろうと思いますけれども参考までにお調べを頂ければ大変仕合せだと思います。それで私は納得ができるのでございますが、この際納得ができませんので、御迷惑でしようけれども、できればそういう資料があれば頂戴をしたいと思うわけであります。
  134. 岡三郎

    岡三郎君 今の御答弁の中で、私はいろいろと長官なり清井さんなり、或いは細田さんなりから説明があつたのですが、大石さんですね、この七百七十二号の賠償金請求の処置当を得ないもの、この中においても東畑長官のときに注意を与えたというふうに出ておるわけです。このときにはまだ約一億一千二百五十数万の金のうち、六千五百四十九万何がし、これが入つてあとはまだ未済になつているということが二十六年度にあるわけです。この中に実行者としてあなたの名前が出ておる。それから同じ七百七十三号のゴルケツトの購入に当り処置当を得ないもの、ここにも加工輸送課長という名前で大石君の名前が出て、厳重な注意を与えられている。今又不急の麻袋の問題で実行責任者として厳重な注意を与えられておる、そう出ておるのです。先ほど委員長のほうからの質問に対して、まあ強い言葉があつたので、あとちよつと言葉を改めたけれども、間違つていないのだというふうにあなたが強弁しておつたと思う。これらのような事実が幾つかあるわけですね。そういう中でその七百七十二号、七百七十三号、七百七十四号、こういつたような問題が大したことじやないのだというふうにあなたの言葉から聞かれるわけです。一体、長官に聞くのだが、何億ぐらい損して、その当時の事情ですな。まあいろいろとあると思うけれども、一体どのくらい損したら問題になるのかね。見通しとか何とか言つても、これは国の費用によつて、国民に対してあなたは忠実に働いておると思うのか、一つの商社で見通しを誤つたといつても、四六時中穴をあけておるようなことをやつていて、その人がいつまでもその職にいてもらいたくあるかないかということは、これは当然問題になつて来ると思うのです。ただ厳重に注意を与えた注意を与えたで済むなら、こんなもの頭にはえがたかつたぐらいのことでいつてしまうのではないかというふうに私は想像されるのです、今のところ。この点について大石君の所見を聞いて、私としてはやはり次の答弁を聞かなければならんと思うが、大石君の所見を聞きたいと思う。
  135. 大石碩

    説明員大石碩君) 先ほど申上げました通り、大変申訳ないことをしたと、それで私自身の処置につきましても、内々長官のほうとも御相談申上げております。如何ようにもお取計らい願えるように存じております。
  136. 岡三郎

    岡三郎君 私が言つているのは、事態を逐次、やはり改善して行つてもらわなければならん。それは食糧事情が非常に困難なときに相当英断をふるつて、時に国家に赤字が出るということは、私はあながち公式的にとがめられるべきではないと思つておる。併しいろいろな事柄の中において繰返されて行くということは、当決算委員会に対しても、俗な言葉で言えばなめておる。つまり赤字が出れば、それを食管会計として辻つまを合わせるために米価の値上をしている。米の値上りによつて国民が損害を受ける。米が上れば他物価も上る。こういうことをついこの一月から行なつて来たわけです。それで私たちはここで決算委員としてあなた方を取調べているのでも何でもない。先ほど委員長が言つた通りです。何とかしてこういう事故を減らしてもらいたい、こういうふうな念願が私たちにはあるのです。併しそれもいろいろ事情があるでしよう。だから公正にとにかくでき得る限りの処置をして行つてもらいたい。先ほどいろいろ政治的なこれには註釈がついておりますけれども、いろいろと臆測に類するような我我の意見があつたかもわからないけれども、併し要は基本的に、そういうふうないろいろな問題があるのではないかと思われるような類例が逐次出て来ているわけです。このゴルケツトについて言うならば、コルケツトは……、依然として今食糧庁の中に連日出勤しておる。而もその食糧庁とゴルケツトの関係如何にということになると、私は私としての材料がある。ゴルケツトの一会社に対して三千二百五十数万円の負担をして、こういう損害を一商社の肩替りに食糧庁がなぜやつて行かなければならないかという点まで聞きたいのです。某政党の議員がいるので止むを得ずそのような措置に出でざるを得なかつたという噂も聞いておる。そういつたような点から、あなた方ばかりは責められない。これは確かに現在の政治機構全般がこういう問題を惹起しやすい、又させやすい環境にあるかも知れん。併し、だからと言つて同じような事柄が繰返されて、同一人がしばしば注意を受けておるということになるならば、これは改めてもらわなければならん。よほどしつかりして……。それですから私は損害を国庫に与えたということ自体だけでは責められないと思う。但し同じことを繰返したり、同一人がいろんなことにタツチして批難事項に上つて来るというようなことは極力排除して行つてもらいたいということをお願いしているわけです。そういう点で、我々自体にしてもいろいろと考える点があるので、これは後刻委員長のほうにも申上げて、食糧庁の会計全体について、食管特別会計全体について我々として、単にこれらの問題だけではなくして、再検討をする重大なる段階に到達していると思うのです。これは会計検査院のほうからの批難事項だけを見ても、農林省は特別大書してやはり相当反省してもらわなければならん段階にあると思うのです。そういう点で我々自体も神様ではないので、我々自身が十全で、あなた方ばかりが批難されるということを言つているのではなくして、是非ともこういうような異例が逐年減少して行くように、これは一つお願いしたいと思う。  それで問題の焦点は、今言つたようにゴルケツトの賠償金の請求、こういつた問題について大石さんのほうから、如何なる処置をやられても結構ですと、その言葉の内容ですね、内容について、あなたのほうからすでに長官なら長官のほうに進退伺いを出しているところですか。
  137. 前谷重夫

    政府委員前谷重夫君) 或いは私からお答えしたほうが適当かと思いますが、只今の岡委員お話のように、結果といたしまして国家に損失を与えたということは非常に申訳ないわけでございまして、我々としまして、食糧管理の面に当りまする者といたしまして、非常に今後とも十分な注意をしければならないということは勿論でございますが、更にその内容に立至りまて、組織の問題なり或いはその監督、訓練の問題なりについては、御指摘のように十分改善をいたさなければならないということは、私といたしましても十分検討いたしておる次第でございまして、予算の執行につきましても、特に経理の面と業務の面との合同審査によりまして、長官の責任の下において、これを重要案件については解決して参るというふうな対策も立てたいというふうに考えておりますと同時に、更に決算の方法につきましても、先ほど御指摘がございましたように、原価計算の方式、損益計算の方式というものについても、目下帳簿組織その他の点につきましても、専門家を煩わしまして、いろいろ改善策を練つておる次第でございます。又人的の訓練の問題、監督の強化の問題につきましても、十分私といたしましては、只今の御指摘のように今後こういうことの起らないように万全の措置をとりたいということで、私たちも改善策を練つておる次第でございまして、そういう意味におきまして、今後十分に改善をするということを申上げて御了承を得たいというふうに考える次第でございます。
  138. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  139. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 速記を始めて。
  140. 山田節男

    山田節男君 議事進行ですが、今二十六年度決算報告七百七十四号を主体にして、参考人に来て頂いていろいろ証言を求めたのですが、この麻袋の問題は二十六年、二十七年にこれは連続しておる。それから米の輸入の問題についても二十六年度、二十七年度やはり連続して同じような事態が発生しておる。先ほど来安孫子元長官のいろいろ証言から我々が判断しても、本決算委員会としては、会計検査院が内閣を通じて我々にこうしてここに提出されて、審査しておるわけなんです。国会としては、こういう会計検査院報告をしているところのいろいろな不正行為或いは不当なる処置といつたような批難事項に対して、国会はこれに対して政治的な批判をし、又責任を追及する。なおこれについて是正の方法を図るというのが、これが国会の衆、参両院の決算委員会の使命だと思う。そういう本決算委員会責任といいますか、権限からすれば、今委員長が言われたように、この問題はなかなかそうまだ一度や二度で解決する問題ではないと私は考える。殊にこれは単に農林省にとどまらず、戦後ますます官庁における予算執行というものが極めて不道義な、国民を搾取するような事態が各方面に行われておる。その最も顕著な例としてここに農林省所管のものが挙げられて来ておるわけなんです。  そこでこれは後ほど委員長が懇談会の形式にでもして頂いて、このケースを一体どう扱うか、先ほど申上げたように参議院の決算委員会の権限、義務からして、これをどういうふうに解決する方向へ持つて行くかということを一つ協議願つて、そうしてもはやこの問題については衆議院でも決算委員会で論議されている。この問題を今日のような工合に質問応答をやるということは、これはもう更に二番煎じ、三番煎じじやなかろうか。要は本国会としましては、政治的批判或いは責任の追及、是正というものに対して一体どうするかということを、私は当委員会として考慮すべき段階に、少くともこの一回か二回、この問題に関しての決算委員会質疑応答が終つた後は、これをめぐつて問題が起きて来るのではないかと思うのです。今委員長発言されましたが、少くともさような意味で、この最も重大な件をどういうふうにこれを結論を持つて行くかということを一つ委員長から各委員にお諮り願いたいと思います。
  141. 小林亦治

    委員長小林亦治君) わかりました。実は二十六年度決算、この継続的な審査の以外に、例の鉄道会館問題、それから黄変米の問題、更に造船融資の問題、只今問題になつておるところの麻袋、四大案件になつております。  そこで一般審査と並行してこれらを審査にかけるか、或いは又これを別途に各部門に分けた小委員会を構成してそのほうで深く入つて行くかということは、これは皆さんも考えておられる点なんです。只今幸いに山田委員から食管会計をも特段に扱つたら如何というような御提案がありましたので、この問題を本日投げて頂いたことにしまして、次の委員会まで各委員にお考えを練つて頂いて、そのときに改めてお諮りして、御意見を伺つた上で委員会の審査方向を決定したいと思います。
  142. 平林太一

    平林太一君 その委員長の取扱の中に、いずれ次回までこの審査を継続することに相成りましようが、農林大臣及び農林次官、これを一度適当な機会に、これを終了するまでに……、これは委員長に一任いたしますので、殊に農林大臣の保利君の出席を強く要求いたすわけです。私ただ参考として申上げておきます。
  143. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 承知しました。それではなお本問題については質疑のおありの方はたくさんございますので、今後は次回か或いはその次か、どうなるかわかりませんが、少くとももう一遍御足労願うことになるかと思います。  本日はこの程度で散会します。    午後四時五十九分散会