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1954-03-11 第19回国会 参議院 決算委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十一日(木曜日)    午後一時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            島村 軍次君            菊田 七平君            平林 太一君    委員            青柳 秀夫君            雨森 常夫君            石川 榮一君            小沢久太郎君            木村 守江君            飯島連次郎君            豊田 雅孝君            木下 源吾君            高田なほ子君            東   隆君            山田 節男君   国務大臣    郵 政 大 臣 塚田十一郎君   政府委員    大蔵省管財局長 窪谷 直光君    郵政省監察局長 齋藤信一郎君    郵政省郵務局長 松井 一郎君    郵政省経理局長 八藤 東禧君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    郵政大臣官房資    材部長     西村 尚治君    会計検査院事務    総局検査第四局    長       大澤  實君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書内閣提出) ○昭和二十七年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和二十七年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今より第十三回決算委員会を開会いたします。本日は先ず前回留保となりました昭和二十六年度決算郵政省の分全部、八百十八四号から九百六号までを問題に供します。郵政大臣がお見えになつておりますから、御質疑のおありのかたはどうぞ御発言を願います。
  3. 平林太一

    平林太一君 郵政大臣塚田十一郎君、同君に対しては、私は面接をするの機会が今日までないのであります。どういう人物塚田十一郎君であるかということを承知いたしておりません。本審査は極めて重大なる我々は使命を持つておりますので、この際、郵政大臣塚田十一郎君とは如何なる人物であるかということを承知いたしたいと思います。ですから御起立を願いたいと思います。
  4. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 塚田であります。
  5. 平林太一

    平林太一君 承知いたしました。そこで審査の参考上、同君生年月日を先ずお尋ねいたしたいと思います。
  6. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 明治三十七年二月九日の生れであります。
  7. 平林太一

    平林太一君 承知いたしました。第二には郵政大臣就任された、郵政省主管大臣になられたその就任年月日、これを伺いたいと思います。
  8. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 昭和二十八年五月二十一日であります。
  9. 平林太一

    平林太一君 承知いたしました。生年月日はすぐ御即答ができたが、就任月日はしばらく部内のものといろいろ御相談なすつたようであります。いやしくも大臣たるべきものが、自己生年月日よりも就任月日というものを忘れたり、人に聞かなければならないということは、甚だ国政郵政行政担当者として当る上において、我々といたしては遺憾といたすものであります。以て同君執務振りというものが、個人的なものが……、先ず第一、いわゆる大臣としての職務というものが第二義的なものであるということを本日只今暴露、露呈したものである。甚だ遺憾とするものであります。この職に対して一層の誠実と熱意を以ておやりにならなければならないということを、今日深く戒告をいたすものであります。決算委員会といたしまして……。  第三にお尋ねをいたしたいことは、本日この議題となつておりまする郵政省、いわゆる郵政省関係に属しまする不当事項郵政事業特別会計八百八十四より八百八十七、この項目、それから不正行為として八百八十八より九百五までは、これは一括いたしております。塚田君、ここに御出席に相成るにつきましては、これらの内容につきましてはよく御承知なつて御出席になられたことと私のほうでは承知いたしますが、以上申上げました各項目に対して同君がお調べになられ、又これに対する自己責任というものに対してどういう見解をここで御披瀝なさろうとしておるか。順次一項目ずつ同君より直接、これは本委員会に対してその弁明なり、或いはこれこれであつたのに、会計検査院指摘されておりまするから、会計検査院指摘及びとり上げたことが、これが必ずしも正しいとは我々は信じがたいものである、若し正しくないならば正しくないということを明らかにここでお述べになられんことを要求いたし、我々としては、今日郵政大臣塚田君を、いわゆる国政上における決算審査被告人として今日ここに招致いたしたわけであります。それでありますから、こここに出ております各項目というものは起訴状である。この起訴状に対して塚田君としては各項目に対してこれこれこれこれの理由であつたということを第一の不当事項郵政事業特別会計八百八十四、工事の施行に当り処置当を得ないもの、これを一々一つずつあなたから直接弁明をここで求めるものであります。御答弁を願いたい。
  10. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 問題になつておりますいろいろなこの会計検査院の種目の事項、これは私自身といたしましては自分担当のときの問題でありませんので、こういう指摘を受けまして、自分といたしましては今後同じような問題を繰返さないように、それから繰返さないようにするためにどういうような措置をしたらいいかということについて十分検討し善処いたしたい、こういうように今感じておるわけであります。で、この該当事項ということは私もよく承知をいたしておるのでありますが、八百八十四につきましては、これはまさに会計検査院の御指摘通りに、これは経過の途中において手統に十分でない点があり、今後十分注意をしなければならないと考えております。  それから不急の物品を購入したと指摘を受けました八百八十五も、会計検査院の御指摘通り算出の基礎を誤つて無駄なものを買つたものである。十分今後こういうものの購入をいたしますときには、どういう数量が適当であるかということを十分に、これは正確な資料に基いて検討し、誤りのない調達をしなければならないと、こういうふうに考えております。  八百八十六についても同様な考え方であります。  それから八百八十七につきましては、これは他の郵政局違つた価格のものを買つたということでありますが、これは買つたこと自体については、買つた品物とそれから指定価格との間には必ずしも不当な面がなかつた考えるわけでありますけれども、併し余りに必要以上に良質なものを買い求めたという点について、なお今後検討して十分注意しなければならない点があると考えておるわけであります。  それから職員不正行為による部分でありますが、これは一括してお答え申上げたいと存ずるわけでありますが、相当数、年間の経過中に職員にこういう問題ができるということは、自分といたしましても監督の責任を十分感じておるわけでありまして、この問題につきましては私も就任以後、こういう問題が断片的にやはり自分就任以後においても出ております都度に、そういうものがとこから出るか、又そういうものを少しでも少くするためにはどういう処置をいたしたらいいかということをいろいろ検討いたしまして、これは業務運営の上になお改善すべきものがあるならば改善して行くというように逐次努力をいたしているわけであります。  それから九百六、郵便専用自動車請負契約において車種の指定を誤つたもの、これも御指摘通りであり、今後注意を要すべきものと考えておるわけであります。  それからして六百七十四の解約による違約金収納に至らないもの、これは御指摘通りまだ収納に至つておらないのでありますが、本人の財政力がありませんために収納に至つておらないので、今後ともなお努力をいたしたいと考えます。  七百三十三はその後相当部分補填をしておりますけれども、やはり資力の関係で十分完全にはまだやつておりませんので、今後とも努力をいたしたいと考える次第であります。
  11. 平林太一

    平林太一君 極めて形式的な答弁なつたわけであります。  そこで全体として質したいと思いますが、以上の御答弁に相成りました各項目、各条項に対する会計検査院のここに指摘したことに対しましては、全面的にこれを肯定するものであるか、そのうち若干これに異議あるものがあるのか、その点を、全部この通りでありますと……、このうちには違つているということがおありになるならば、この際公明にこれを調べたい。
  12. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 全体におきまして会計検査院指摘を御尤もである、こういう考え方で、今後こういう過ちを繰返さないようにという考え方であります。
  13. 平林太一

    平林太一君 それだけこれは確認いたしたわけであります。  そこで次にお尋ねいたしたいことは、只今塚田君、郵政大臣として御答弁の冒頭に、就任前のことである、だからそれは責任上の問題としては、非常に何かその責任を回避せられているということを前提として、そういうような御発言内容であると承知いたしたわけでありまするが、一たび省の大臣となるに当つては、いわゆる現在及び過去における責任を、大臣就任のときにそれを決意し、覚悟して大臣就任されること、みずからそれを覚悟せなければこれは困る。過去のことは一切関係ないのだ、自分就任して後のことだけに対して責任を負うのだということでは、大臣性格に対して、重大なるこれは……。今後国会といたしましては大臣の取扱というものを考えなければならないことになる。就任前のことは何ら関せず、就任後のことだけをあれするのだ、こう言うのですが、これは公私共にありましよう。公の立場、それから又塚田個人立場において、個人というのはこれは苦哀があるということはよく察せられます。そういうことに対しまして、はつきりとこの際、大臣就任前のことは、今日同君郵政大臣として先刻大臣就任年月日お話になりましたが、その前のことは全然自分は関せずとおつしやるのか、その点を明らかにして頂きたい。
  14. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 御意見は慎んで承わりましたが、私は責任というものはそういうものでないと了解をいたしておるのでありまして、ただ勿論就任以前のものでありましても、それが引続いてまだ事件残つてつて自分就任後においてこれを処置しなければならないという範囲においては、就任前の問題についても勿論責任はあると考えます。併しそういうことでない限りにおきましては、その発生した事柄自体については、私は厳格な意味において責任という問題は発生し得ないものと、こういう考え方であり、責任が発生するにはおのずから責任が発生すべき前段階のいろいろな条件があり、私の場合については郵政大臣についておるというそのときその職におるということが恐らく原因になると考えられますので、就任前の問題につきましては、そういう意味においての責任というものは自分は負うべきものでないし、又そこまで責任を負うことになつたら、凡そ意味のない全くおかしなものになつてしまうのじやないか、私はこういう工合に考えておるわけであります。
  15. 平林太一

    平林太一君 只今塚田君の御答弁はあつたが、考え方がいわゆる今日の民主政治性格からして非常に違つておる。責任に以前のことに遡つて責任を負うということになるとおかしなものであるのだ、それからそういうことはなすべきことでないのだとおつしやるが、それではこれは民主政治下において今日所管の郵政事業に対して非常な国民は不安、それから危惧というものを抱かざるを得ない。薄氷を踏むの感に堪えない。いやしくも一省の大臣たるものは、大臣なつたということは過去における責任を全部自分が背負うのだ、そうしてそういう過去に起きた不正事項不当事項に対しては、それをよく爼上に載せて、そうして爾後のことをこの機会に、自分大臣就任のこの機会において根絶しようと、こういうのでなければならない。そうするには、今のような御答弁では単なるそれはいわゆるその日暮しの大臣であるということである。往年の郵政大臣というものは、当時逓信大臣言つてつたが、そういうふうではない例えば箕浦勝人、或いは犬養毅、後のいわゆる政友会総裁、これらは往時、逓信大臣なつておつた。そういうことには非常な重大な責任を、さようなあなたのように言葉で卑怯なことは言わない。逓信大臣就任した以上は逓信事業に対しては、過去のこと、現在のこと、将来のこと、共に一身に背負う気になつてやるということでやつた。だからこういう事態というものは極めて起らなかつたわけです。それからそれに対しまする一つあなたの御弁解を承わりたい。非常に食い違つておるから……。それであなたは押し通すならそれ以上追求しません。
  16. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) お話を伺つておりますと、過去に起きたことでも現在まだ処理すべきものとして残つておるものというようなお話の模様でありますが、そういう意味におきましては、それは私は過去のことにつきましても十分責任を負うつもりでおりますし、その通り先ほどもお答え申上げた通りであります。又自分といたしましては、過去にそういう事態が起きたということを十分承知したしまして、再びその過ち自分の在任中に繰返さないという意味において、この過去のことに対しての責任を負うという意味においてならば、これも御指摘通りであると思います。又私は責任というものを普通に考えられる意味において、その事柄を起きたこと自体に対して責任をとるかということのように伺いましたので、そういう意味責任はそれは自分就任中でない限りとるべきでない、こういうようにお答え申上げたわけであります。
  17. 平林太一

    平林太一君 それではこれ以上は時間を節約いたしますので追及を後の機会にいたします。非常にその点食い違つております。併しここで只今答弁通り目下事件が現在ここで爼上に、本日決算審議にのりました、この会計検査院指摘事項というのは、いわゆる決算審査が終了してないのである。だからこれに対しましては、今塚田君がおつしやる通り、当然これに対する責任というものは、あなたが郵政大臣として責任の対象としてこれをお考えなつている、こういうふうに承知してよろしうございますか。
  18. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 御指摘意味におきましては、なお責任があるものと承知いたしております。
  19. 平林太一

    平林太一君 そういたしますというと、今の指摘に対して責任があるということを御肯定になられた。そうすると、その責任というものを郵政大臣としてのあなたは形の上に具体的にどう現わす御用意があるか、これを承りたい。
  20. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはどういう責任を私に対してとるかということでありますが、総括的に申しますれば、事件でまだ解決をいたしておらんものは解決をする、是正をして解決をするというようにやつて行き、又いろいろな実際の不正事件に対しましては、その事件の結果、国の賠償の権利が残つているというようなものは適正にこれを取立てる、そのほかそれらの案件に相応した形において事件を処理するという形にもつて行きたいと考えるわけであります。なお、全体の問題といたしましては、先ほど来、しばしば申上げますように、再びこういう過ちを繰返して国民に御迷惑をかけるということのないように、最大限の努力をし、善処したいという形において責任をとりたいと考えます。
  21. 平林太一

    平林太一君 極めて只今の御答弁というものは、いわゆる大臣としての御答弁ではない。郵政省のやはり属僚官僚としての御答弁である。もつと私からいえば、郵政大臣というのは無窮広大な御態度というものが、こういう御答弁に現われなければならないはずである。そういうものがない。併しそれは追及をすることは、これはそういうものだということで、私のほうは承知いたしますが、これはなぜ我々がさようにこういう問題を——今のような答弁内容では、いわゆる世俗でいえば、事を彌縫する、ごまかしている、そうして何かこの決算審査だけをそういう御答弁によつて済ます、そういうことが滔々として後を絶たないという原因になるわけです。私は塚田君が郵政大臣として御就任なつていたということは、大臣というものはいわゆる就任中は今日ではそれほども映えないが、併しながら一応顕栄の地位としてこれは常識的に判断ができる。併しながら一たびその大臣が職を去ればどうなるか、過去のいわゆる歴史というものに、とにかく閣僚というようなものは一つの名簿として残りましよう。その中の塵埃になつて埋没して後に残る何ものもない。ただ大臣というものは一たび就任して、その就任中に残した一つの事蹟、或いはかような事態に対しまして、あなたがそれを根絶した、こういうことは後世に亘つてそれが残るということが、とりもなおさず郵政事業のいわゆる正しい国家の政治としての、それを確立をするということをお考えなつてもらわなくちや困る。大臣事務官ではないのですから……。あなたは政治上の重大な責任を以て郵政大臣としておやりになつておるのですから、あなた自体のお考えなつているところの誇りなり、心理的に言えばプライドというものをもつと高くお持ちにならなくちや困るのです。そうすれば、こういうものに対しまして今のような御答弁ではない、これを如何にして根絶するか、そのためにはどういう処置をするか、或いはどういうふうに責任の所在を明らかにするか。それから全国郵政事業関係従事員というものに、その営業というものを通じてこれが根絶ができるわけなんです。そういうことを私のほうでは今日あなたに、この際今までのように百年河清を待つような、こういうことをいたしておつては困る。それだから、それをお尋ねしている、今日明白に処置をいたしたいということで、私怨私情は毫末もない。むしろ塚田君をして、私は郵政大臣といたしまして、まあいわゆる近来の郵政大臣といたしまして、何らかあとへそのことを残さしめたいということで言つておる。そうするには取りあえず、こういう事件というものは再び繰返さないことをあなたは心からお考えになられて、そうしてそれに対する経倫施策というものを御確立になるということを、これは私のほうでは望んでおりますので、そういうことを申上げておるわけでありますが、これらの事態に対しまして、今後どういうふうな処置をするとか、具体的にあなたに何かお考えがあるに違いない。例えばこの際、今日の決算委員会においてこういうようなことが問題になつた今日、すぐお帰りになつて、そうしてこれはこの関係者だけでは駄目なんだ。全国郵政事業関係者に対して、あなたとして何らか打つ手があるであろう、こういうことを根絶するために、そういう措置をとらなければ、これはこの関係者だけが知つているわけなんです、この回答をいたしました不正不当の関係者だけが……。何かお考えがあるかどうか、それを一つ承わりたいと思います。
  22. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは私は指摘されております幾つかの案件を皆見まして、やはり事務運営方法が誤つておるか、さもなければ当該その人間判断誤りがあつたか、又その人が当を得なかつたかというようなことになると思うのであります。従つて運営方法そのもの誤りがある部分は、私は運営の形においてこれを改善し、そうしてそれを全省内に注意し徹底をさせて、今後誤りをなくして行く。それから個々の人間判断誤りがありましたならば、それはその人が当を得なかつたということになるわけでありますが、この人間がなお同じ職にあるということであれば、今後過ちを繰返さないように勧告をいたすつもりであります。又適当でないということであれば、その人をその任から離させるとか、いろいろしなければならないと思います。それからいろいろな不正行為の問題は、私も郵政内部でしばしばこういうことが就任後も出て参りまして、その都度どこに原因があつたかということをいろいろ検討をし、その都度その都度に、大分改善をして参つておる面もあるのであります。例えばこの特定局長が使込みしておるというようなことは、今の運営の過程においても注意をすれば、もつ早目に、場合によつては全然そういう事態を起さないうちに注意ができるという面が多分にあるように考えられますので、そういう仮にその段階において注意をして事態を起さないようにしたいということを考えておるわけであります。なお、全体としては部内職員の綱紀の粛正、そういうことに注意努力をいたしまして、そういう問題の再発を防ぐというように考えておるわけであります。その他につきましては、不才にして特にこういうことというような考えも思い当らんわけでありますが、とにかく私といたしましては、全力を尽して見よう、よく相談をし、できるだけの手は打つて行く、そうして御指摘のように今後過ちを繰返さないようにして行きたいと、現在報告を受け、こういう事案の指摘を受けた機会に、強い決意をしておる次第であります。
  23. 平林太一

    平林太一君 今くどくどありましたので、一応本件は聞いておきますが、根本において、その根底においてあなたのやはり心構えということが、大臣としての我々の期待する、又国民事郵政関係に対しては期待しておるその考えとは非常に食違つておる。甚だ遺憾だと思う。極めてこういうような問題に対して軽くお考えなつている。非常な反省を求めてやみません。  そこでこの八百八十八、地方特定局事件の起きたこうした問題でありますが、これは又他の委員から御質疑ありますので、私のほうはこれには触れませんが、八百八十四号及び八百八十五号それから八百八十六号それから八百八十七号、こういうものはいずれも本省、いわゆる郵政省本省或いは地方郵政局の行われた、いわゆるささたる地方のあなたがたの下部的な一個人行なつたことではない。これはみないわゆる郵政省内部において行なつたことである。これは郵政局という仙台なり名古屋なり関係の何において行なつたものである。一つ機構の中で行われたものである。これは大変なことですよ。お考えを頂かんと……。まあ一つ地方特定局で行われたという不正事項というものは一個人行なつたことであつて、一局長が……。そうすると、その範囲というものはおのずから限度があるわけです。併し事郵政省或いは郵政局機構の中で一つことを行うということになると、これは非常にどえらいことが行われる。今後も法規無視法律違反というものが、その法規の網、法律の裏を潜つて大きな、いわゆる陰謀というものが行われる。昔でいえばいわゆる徳川天一坊というような陰謀、ああいうようなもの、これは機構の中で行われる。だからこれを今日未然にここで断乎として、こういう本省内や郵政局内で起つたことに対しては、これを根絶するという、そういう態度大臣お持ちにならなければ、これはいかないと思うのでありますが、我々としては何か極めて御答弁から申しますというと、個人の間違いである。又単なる不用意のためにやつたんだと、こういうような御答弁である。これは大臣はいうに及ばず、局長諸君やその他の諸君意見を聞いておつても、みなそうである。これはあなたのほうは、むしろこの決算審議のいわゆる被告人として自己弁護のために言うことだという以外何もない。これは間違いで、かようなことも又間違いだということであるならば、無為無能のそういうような当事者をあなたのほうに置くということはあり得ないことである。これは必ず、これは一つ一定の計画、一定の意思によつてこういうことが行われたことである、我々からこの内容を見れば。それだからこれは会計検査院指摘したことである。塚田君が言うように、間違いでやつた、これは不用意でやつたということであれば、会計検査院は現地において或いは説諭して処置するはずである。会計検査院の検査の性格を我我が言つていたのはそういうことである。而もこれは起訴状として現われて来た。これは検察、裁判でいいますならば、これを間違いであるとか、不用意でやつたなどということは、これは断じて許し難いことである、そういう心構えでは。郵政大臣としてあなたが果してこの際どうするかということになれば、おのずから先刻申上げた通り事件の未解決、或いは決算審査の未審査に属するものは、自己責任だとおつしやるのであるから、この際、これに対する当該の責任というものを、具体的にここであなたが明らかにしなければならない。あなた自体に対する責任に対しては、私は決算委員としてここでいわゆる一つの形の上でこれを現わすことはできないが、非常なあなたに対して懲戒を申上げておくわけなんです。これらに対してどういう処置をとるか、こういう今あなたのような御答弁でありますれば、これはもうこういうことがいつまでも絶えないと思う。そればかりではない。もつと大きな陰謀機構の中で行われるわけだ。而もそういうものが外には現われない。会計検査院が、これがあつたからこういうことが現われて来たのだ。郵政省には監察局長というものもある。監察局長というものは一体何をしているのだ。何を監督するのだ。監察局長のそういう怠漫、こういうものが監察局長から出て来たというのであれば、我々は首肯し得るわけなんだ。会計検査院がこれを指摘したので、ここに爼上に上つたわけなんだ。そうすると、監察局長というものは郵政省内部機構の中において、むしろこういうことをひたすら承知しながら、糊塗彌縫して、これを外部に現さないために、いわゆ対国民を監督するような逆の結果になる。こういうことなんだ。これに対しまして先ず塚田君から御答弁を承わりたい。第二には、今私が申上げました同様の意味に対して監察局長からそれに対する御答弁を求めておきます。
  24. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 何か非常にこれが悪意があつてつたから、それで会計検査院から御指摘を受けたのだというような御意見でありますが、私はそうは考えておりません。会計検査院は悪意があろうがなかろうが、事案が適当でないものは全部指摘をされておるものと私は承知をしております。勿論この中に悪意のものも或いはあるかも知れません。併し調査をいたしました結果といたしましては、今回事案の四つにつきましては悪意はないという形で、一応それぞれの責任の量に応じた処置を皆いたしております。むしろ問題になりますところは不正行為でありますが、不正行為は勿論それぞれの当然の処置をいたしておるし、又国に欠損、迷惑をかけておるものはその賠償も責任も法の規定するところに従つてつておるわけであります。なお、内部監督機構、監察機構があるじやないかということでありますが、御承知のようにあるのでありまして、監察機構内部監察といたしましていろいろな問題を外に迷惑をかけないうちに自分処置をする。勿論如何に処置をいたしましても、隠しておくという意味のものではございませんで、処置をして、その結果、内部処置のつくものは責任をとらして処置をするということになつております。併し完全に内部監察の結果、是正ができるものは、外に迷惑をかけないで是正ができるならば、それは又結構である、そういうことをするのが内部監察の使命であると考えておるのでありまして、併し監察機構がありながら、こういうことが出るということも十分今後注意しなければならん事柄でありまして、併しそれは全体として監察機構自体が別に役を果してないという意味ではなしに、何にいたしましても、広い業務の範囲でありますから、十分注意の行き届かない面もあつてこういう工合に検査院の指摘を受けるものもあつて恐縮をしているわけでありますが、併しそれは指摘を受けたら、慎んで今後過ちを繰返さないようにするということで行く以外に方法はないのではないかと、私としては考えておるのであります。
  25. 齋藤信一郎

    政府委員齋藤信一郎君) 只今のお尋ねは監察局長に対するお尋ねと解しまして私から一言御説明申し上げます。  職員不正行為として会計検査院の御指摘になりました、ここに上つておりまする事項は、いずれも監察局の手によりましていわゆる摘発をいたしまして、それぞれ情状に応じまして検察庁に送致したものでございまして、ここに御指摘なつておる案件はいずれも監察局がこれを摘発し、検察庁に送致いたした事件でございます。なお只今大臣のお答えにもございます通り、監察局の全機能を上げまして、部内犯罪の撲滅に今までも努力をいたしておりましたし、今後もなお一層懸命の努力をいたしたいと存じます。
  26. 平林太一

    平林太一君 それでは、今日会計検査院から来ておりますか。
  27. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 大澤第四局長が見えております。
  28. 平林太一

    平林太一君 それでは大澤君に伺いますが、只今監察局長齋藤君から御答弁がありましたが、これは全項に亘つて、齋藤君が答弁されたと同様であるかどうか、これを確めてみたいと思います。
  29. 大澤實

    説明員(大澤實君) 只今監察局長の言われました不正行為、即ち八百八十八号からあとに掲げておる事項、これは会計検査院が検査に行つて摘発した事項ではございません。おつしやる通り、監察局ばかりであるか、或いは検察庁が先に入つたか、そこまでちよつと資料は十分でありませんですが、少くともそのほうで摘発した分を会計検査院といたしまして不正行為がどれほどであるかということを国会に報告する意味で、ここに掲げておる次第であります。八百八十四から八百八十七までの問題は、これは会計検査院の検査の結果の報告でありまして、監察局の摘発とかいうことの結果ではございません。
  30. 平林太一

    平林太一君 今監察局長齋藤君、会計検査院からの何に対して、その通りでありますか、伺いたいと思います。
  31. 齋藤信一郎

    政府委員齋藤信一郎君) 只今検査院のお答えの通りでございます。
  32. 平林太一

    平林太一君 そうすると、前段に齋藤君から御答弁なつたことは一部食違いがある。そういうことのないように今後御注意をしてもらわなくちや困る。  それからその次に、刑事事件ですね。決算審査が求めておりますものは刑事事件なつたもののみを求めておるものではない。勿論これは第一の問題として取上げた。今郵政相塚田君から綱紀粛正という言葉があつた。そういう言葉を、今日のこの自由党内閣において、塚田君が綱紀粛正というようなことを口に出されたことは、誠に珍らしい事柄である。定めしこういう審査の席上において、いわゆる大臣として良心に応えて、そう言うことがおできになつたことと私どもは了承いたします。そこで決算審査としてより遙かに重大に考えておることは、刑事事件として事が済んでしまえばそれでいいんだ。こういうような不正事項に対しましても、刑事事件として司法裁判の判決を受けて、それでその当事者が処刑を受ければそれでいいんだ。それで済んだのだということでは困る。それでは国の政治の秩序というものが根本的に破壊されるから、綱紀粛正という字句が使われるわけです。綱紀の紊乱、綱紀の破壊、綱紀の頽廃、国が滅びる前提となるものは常にここである。今日ほどこの綱紀が頽廃し、紊乱し、而も官紀全く地に堕ちた、こういう時代はないです、今日ほど。それでありますから、こういう問題についても、この決算審査というものの使命というものは、この際、厳重な処置をして、そうして国家の方向がここでいわゆる流れて行くのを、ここで止めなければならない、こういうことです。それだから、あなた自体も、ただここへ来て大臣としてこれに対する答弁をしたというようなことでは、今までのではそれは困るのです。それで刑事事件以外のことに対する全体のことを綱紀粛正をするには、先刻私が申上げた通り、こういう事件を通じて、全郵政事業の、郵政行政全体に対して、今日何らかの処置をしなければならない、この際。ただ何か先刻あなたは、殊に根本において間違つている。何かの手違いであつたということを終始言つておるのです。これは一つつて、よく改めて今日でも明日でもこれに対する十分な調査をせられたい。我々の調査のほうがちやんとあなたよりも正確な調査をいたしておる。それからこういう事件の起きたいわゆる事態に対しての感覚からいたしても、極めて公平妥当な感覚をこれから受けておる。これらのことは一々挙げて、今間違いだ、こういうことを言つておるが、そうではないのです。先刻申上げた通り、これは初めから一つの計画をした。それでこういう方法でやれば、刑事事件にはならない。何らこれは不正行為にはならない。こういうことでこれはやつたのです。或いはそのうちには若干そういうことを考えて、良心的には考えておつても、これは名古屋郵政局における、八百八十七、同一人物に対して八回に亘つて随意契約をした。情実契約をしたというが、これらのことが当然名古屋郵政局当事者とこの八回に亘る随意契約、これは公けに公表しない物の買い方なんです。それでもいい、それが必要であり、それが正しいものであるならば。ところがそれがすぐにこれは暴露され露呈しておる。これは不要な品を買つた、高い品を買つたという、これでは如何にあなたのほうで弁護しようとしても、すでに八回連続して同一人物に対して随意契約をしたということが、一応は常識上非難ができる。ところがそうした結果が、今度は非常に高いもの、必要以上のものを買つたというのだから、これはまさに首尾一貫していることなんです。いわゆる意図して、計画してこういうことをしたということなんです。而もたまたま会計検査院においてはこの全部を摘発することができない今日の事情にあります、予算、人事の上において。それで監察局長は先刻御御答弁があつたが、これ又この全体から見ると、三つぐらいしか、或いは四つぐらいしか、自分のほうではそれを監察の職務として発見し得なかつたと、こうなんです。恐るべき、慄然として驚かざるを得ない。我が国の今日の官僚のやつておりまする予算の、いわゆる昔のことを言えば執行、今日では官僚に任した。本年は正に一億円に近いものをあなたがたの郵政関係においては、郵政関係の所管の予算というものを四月からお任せするわけです。それがこういうようなことで任かされておる。粒々たる、国民の営々たる辛苦の結晶である、血税である。すでにあなたがたがこういうような官僚として一つの無形の地位を得ているということになる。これは地方へ行つて御覧なさい。郵政省の役人と称して非常に尊敬をして、純朴なる我々国民の心理というものは、そこが又いいところなんです。だから、そういう地位を与えられておる。それだけであなたがたは満足しなくちやならない。若し功利打算を以ておやりになるならば、ほかの仕事に切替をしてもらいたいのです。一つの地位というものを庶民は挙げて、今日如何に民主政治になりましても、なればなるほど、むしろ官僚というものに対する国民の持つておるこの尊敬というものは、敬の念というものは、職業としますれば、円タクの運転手も或いは農夫をしておる人々も同じことなんだ、あなたがたも……。それでも無意識の間に、あなたがたに一つの地位というものを与えて、地方へ行けば、送り迎えもする。非常な敬意を表しておる。だからこういうような行為のできるということは、みずからこれは恥ずかしく思わなければならない。国民に対して罪万死に価する行為だ。こういうことをやめなければならん。そういうことに対する認識というものが今日毫末もない。食料費でありますとか、接待費というようなことによつて補助金というものが切替えられて、それが次々に、濫費、濫用されておる。この郵便のお年玉として出した自転車であるとか、それはその前の項にもあります郵政省関係なんです。そしていわゆる当選者の申出のないものは、あとは郵政省部内において何らの拘束を受けずして、それを皆で分け合つてしまうというようなことは容易ならないことなんです。これは自転車でありますとか、而も先日郵便葉書の、今日も資料が出ておるが、仮に三億枚とする。三億枚とするというと、五円ずつであるから三、五、十五億円である。十五億円の百分の五であるから七千五百万円というもの、七千五百万円という自転車或いはミシンを買う、一体その七千五百万円というものは、どういうふうの買い方をしておるのであるか、七千五百万円というのは莫大なものです。それを半年間経つて、そうしていわゆる当選者として申出のないものは、あとはみんな分け合つてしまうんだ、こういうことなんです。えらいことなんですよ、塚田君、これは。そういうことで、その七千五百万円のものは、そういうふうに金額の莫大なものなんです。ところが仕組といたしまして、お年玉葉書というものは、その申出をする、とにかく三億枚なんです。お年玉というのであるから、真にこれがお年玉とするならば、空くじがあつては、これはならないはずです。お年玉つきなんですから、お年玉というのは必ず物をお年玉として与えるのだから、これは必ず、例え鉛筆一本であつても、それがいわゆるお年玉の葉書を買つた人に、それを番号の申出によつて、等級の差はあつても与えなければならない。ところが当るほうは極めて少く、当るのが少いのだ、当選が。あまつさえそういう複雑な仕組が、申出者をして申出でしめることに、不便の処置をあらかじめ講じている、こういうことは一つの計画として、お年玉というものを、郵政省が或る一部の、私から申しますれば、悪質な官僚がこういう計画をしたということになるわけです。そうして七千五百万円のうちの、当選者に返して行くものは極めて少数である。こうして残つたものを自転車にしても、ミシンにしても、それを部内で勝手に自分の私有に供する。なお、この間は何かの競技会で賞品にしたというが、落ちつく先は私有だ。競技会というのは一つの形式に過ぎない。こういう事態に対してどうあなたはお考えになられるか。以上の私の所見に対してどうか。それから監察局長もそれに対しましては、お年玉葉書に対しまする初めの計画した意図、今日の結果、そういうものを見て、どういうふうにあなたは御答弁なさるか承わりたい。
  33. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはお年玉の賞品のあとの処分をどうしておるかという御指摘のようでありますが、私も事態がこういう工合だということは今承知したのでありますが、併し聞きますところによりますと、残品は、相当部分は業務上の備品として使う。その他の部分は今御指摘になりましたように、賞品などに使うということもあつておるようでありますけれども、郵政事業というものを一つの企業体としてお考え頂きますならば、こういう厚生のためのいろいろな施設、その他の費用というものは、どこの企業体においても、或る程度においては御承認願えておるものであり、そういうことによつて又業務成績を上げて行くという意味において、必ずしもマイナスばかりではない。従つてこれを品物の形で出しませんければ、別に金銭の形で出して外部から調達をして、そういうものを出すということになるわけでありまして、金で出す代りにそういう残品のあるというものを活用して行くという意味において、必ずしも不適当ではないのではないか、こういうふうに私としては考えておるわけであります。
  34. 平林太一

    平林太一君 それは非常に意外の御答弁なんです。今のようなこの機構の中で、そうして厚生施設とか、そういうものにそういうものが使用されることは通例だ、これは若しあなたの郵政省だけではないというような今御答弁、それ以上各省にあるというのであれば、なお更これは重大である。なぜ正規の予算を以て、そういう厚生施設をなさらないか。当然葉書を一枚五円で買つた人のその中から、このいわゆるお年玉にする、あなたの今おつしやる通り、自転車なりミシンというものがそれらの人の金によつてこれはできたものである。郵政省の金によつてこれはできたものじやないじやないですか。ですからそういう品物はいわゆる公明正大に返還しなくちやならない。若し誠実に初めからそういう計画でやるならば、番号というものは相当にこれは出しておるんだから、できるだけそれを周知させるような……、各郵便局に番号というものは何番々々がどこの郵便局へ皆お年玉葉書として配分したということはあなたのほうでわかつておるはずだ。だからその郵便局の買つた所へ問合せをすれば、こういう番号が今賞品に、お年玉の自転車に該当しておるからそれを探せと、こういうような手続を地方の下部組織を持つておる特定局その他に対しまして指示しても、これはできるはずなんです。そうすればその回収ができる。そういう行為はしないわけです。地方の郵便局などへ行きますと、買つた人は大体もうわかつておる。又中央においても、そういうことは何番から何番までの葉書がどこそこの局へ配置しておるということがあるんだから、そこでやりますれば、それはその買つた年賀葉書なんというものは始終出入りするということは、例えば東京の人がわざわざお年玉葉書を大阪まで行つて買うということは極めて例の少いことで、そういうことをなさらん。初めからそういうことを意図してお年玉葉書というものは出したのです。元旦早々、葉書というようなものは清潔厳粛を以て第一義とすべきものである。それを空くじのあるようなお年玉なんということで人を欺瞞する、ごまかそうとする、或いは射倖心を煽ろう、一獲千金を夢見させよう、その行為というものは思想的に善意の意味で出たものではない。賞品の事情から見ましても。この際、ついでであるから申上げておくが、塚田君は幸いにして昭和三十年度の年頭のお年玉葉書、今日はもうお年玉葉書は、そういうことは必要ないから言わないが、年賀郵便というものに対して、それを司るまで、その仕事に奉仕をするまで、あなたの郵政大臣としての御生命が永らえていれば、永らえていたときには、おやめにならなければいけない、こういうことは。それで今あなたは平然と言つておる。そういうことは厚生施設に使用するのは当り前のことだと。我々国民から言えば、これはもう非常に不当不正、一つの犯罪なんだ、かようなことは。郵政省のその予算の中からしたこととは違う、これは。葉書の個々の一枚々々に対する零細の中から、そういうものが一つはあれしたことなんですから、非常にそのお考えが違うわけです。ですから厚生施設に対しては我々は決してそれを予算で処置することにおいてやぶさかでない。むしろ今日の下級のいわゆる官僚、従事員というものに対しては、施設の乏しきを憂うること大であります。それでありまするから、そういう予算は正規の所定項目をお作りになつて、国会へ御要求なされなければいけない。かようなことをしておるから一事が以て万事に通ずるわけなんです。各省の機構の中で、そういう補助金なんというものに対しましては何か自分の所有のごとく初めから考えておる。そうしてそれを囮にかけるんだ。そういうような錯覚が出て、多々益々こういうような事態なつておる。そうしてこういうことがやがて国民の怒りを買う事態が必ず来るんだ。怒りを買つたときにはどうなるか。西欧の諸国における革命というものも起らないと誰が保証し得るか。今日のような吉田内閣が平然として、刑事事件なつたものは検察庁にまかせておけばいいというようなことで、口をつぐんでおれば、昔はこういう事態が起きれば、すぐに責任をとつて職を引いたものである。又次になればそこでその問題は落ちついたものである。国民というものは実に善良なるものである。国民というものは、それで新しい国会、新しい内閣というものができて、過去のそういう問題はもう一切払拭される。ところが今日は、あなたの所属しておりまする今日の政府というものは、そうでない。郵政省においても、次々に毎日出ておる。そうしてあなたが関係する政府与党というものから、昨日はこの衆議院の政調会の副会長でありまする松野某という青年が取調を受けた。これが国民に与える影響というのはどういうものであるか。だからこの辺でもう終りになればいい。もう一切過ちを改めてははかることがないという——お釈迦様でも間違いはある、千慮の一失ということがある。併し今のそういうことは許しがたい。だからそういうことは国民は欣然としてそういうことを受入れる、やめてしまえば……。そこで新らしく、そういうことに対しては一切の問題が、造船、船舶という問題が長引いて行けば、造船、船舶というものは一大不況に見舞われるでしよう。そうしてそういう人たちが経済上の苦難に没入しなければならないのであります。何でもないことだ。お引きになれば新らしい大臣ができる、国民というものは実に純情で、刑事上の問題で当事者の調べがつけばいい。政治上の問題としては一切がそれで落ちついてしまう。そうして新鋭が国家の方向に向つて敢然と進んで行く。こういうわけです。ところが今塚田君の本件に対する、本審査に対する御答弁を伺つておりますと、私の今申上げたことを、指摘したことを、あなたがおやりになるというような傾向が非常に濃厚である。而も大臣とも言うべきものは、ときには自分を滅する、そうして奉公、国家の大局のためには身を挺して殉ずるということでなければ、これは国の健全な政治というものは行われない。これをどんどんやつておりますれば、丁度曾つての暴帝ネロなどに対して飢饉の民が訴えたときに、お前たち草を食えと言つたことと同じなんです。今日刑事上の結果は、検察庁にやつておけばということは……。吉田総理大臣自分の娘は三億円のダイヤを首に飾つて某所の会合に出たということは、今日新聞に伝えられておる。それで耐乏生活を国民に要求する。まさにこれは我々から申上げれば、決算審査関係があることである。暴帝ネロによれば、汝ら草え食え、汝ら耐乏生活をせよ、おのれみずからは曾つての栄位を誇つた皇室において最も輪魚の美、金殿玉楼を誇つておる何がしの宮のその邸宅を総理公邸として、そうして美女三千と言つて私は差支えないと思う、目黒の総理公邸というものは……。それで国民に対し耐乏生活をしろ、暴帝ネロといずれを右とするか左とするか。その娘の麻生和子というのが三億円に値するところのダイヤの首飾りを飾つて、今度も又外遊でもしようという、外遊でもして来なければ、吉田を売つて来なければ……、国を売つて来る以外に何もない。私は今日予言するが、吉田というものは、生来内においては非常に彼は傲慢なんだ、外においては非常に弱い男なんだ。うちの廻りの痩犬、外へ出ては吠え得ないというのだ。吉田というのは。これが外遊をしようというのだ、三億円の首飾りをつけた娘を連れて……。それで向うではもう吉田というものの評価はちやんとしておるわけなんだ。吉田が来ればいわゆるござんなれと待つておる。いい所へ行かしていいところへ寝かしてやれ、そこで日本の将来取返しのつかないような、日本を買いとるような計画を先方がしておるということを吉田が考えて行かないというと、ハワイが丁度今から百三十年前に米国に買収されたと同じことなんだ。そういう事態が私は惹起されるということを今日予測するものだ。非常に決算審査の事実にそういう事態が現われておる。それを毫も反省しない。反省しないどころではない。庶民というものをいわゆる土、瓦のごとく思つて、そうして平然として、そういう行為をしておる。だから私は、塚田君に対しまして、これはあなたが郵政省に対しましては、こういうものに対しましては責任というものをこの際明らかにして、そうしてこれこれの処置をいたします、そうして、本日只今直ちに全国郵政事業従事員に対しまして、こういうことを一つのいわゆる判例として、そうして、爾後かようなことのないようにということをそれぞれ処置しましよう、こういう態度にあなたは出なければならないわけなんで、それなのにそういうことは全然あなたはおつしやらない。何かこの際、大臣としてのつけ上つた態度で、そういうものが悪臭ふんぷんとしてここに臭つておる。そういうものがなければ、今申上げるような処置を直ちに今日只今全国特定局に伺つて電報して、参議院の決算委員会でこういう事態注意を受けた、だから各局長に伺つて、部下従事員に向つて、これこれのことを指示しようと、こういう態度にあなたは出るべきなんです。ここでなさるかなさらないか、それだけのことを承わつておきましよう。
  35. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 繰返して申上げておきますが、本委員会で御注意を受けます前に、再びこういうことの起らないように十分処置をいたしております。今後ともその努力を重ねるつもりであります。なお、重ねてこの機会に申上げますが、年玉葉書が何かこういう残つたものを使用するというようなことを意図して考えておるように御解釈になつておるのじやないかというように伺つたのでありますが、そのようなことは絶対にございません。これは年玉葉書本来のものの考え方から、ただああいう工合に抽せんで賞品が当る場合には——年玉葉書の例のみではなく、例えば一般の宝くじにいたしましても、又債券のような当りくじにいたしましても、相当程度周知の方法をとりましても、これは当選者が申出ないものがあるのは、これは止むを得ないのでありまして、郵政省といたしましても、十分の措置はとつておるのであります。それから非常に残品の数量、金額が多いように誤解なさつておるのじやないかと思いますが、それほど大きなものでありませんので、二十六年の実績では金額にして四百五十万円、二十七年は四百八十万円、この程度でありまして、そのうちそれぞれの年度におきましては、半分以上はやはり備品というようなものに使つておりまして、その残額が今申上げたような厚生施設、厚生の用途、そういうものに使われておるわけであります。
  36. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 大臣に対しては四名の委員から質問がおありのようですから、極く簡単に要点だけの御質問をお願いします。
  37. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 大臣に極めて簡単なことをお尋ねしておきます。これは恐らく大臣は御承知ないことではないかと思いますが、当決算委員会で審議の対象になつておる各省関係不正行為に関して、非常にこれは不名誉な話だと思いますけれども、本年は勿論、昨年度においても郵政省関係が随一なんです。他省に比して一番トップを切つておる、而も二年続けてそういう不正行為が一番多い。極めて概括した数字を申しますと、昭和二十七年度におきましては件数で十七件、各省全体の三割七分、昨年度においては同様の数字が郵政省で二割五分を占めておる。一体なぜ郵政省には各省より断然こういう多い職員不正行為が行われておるか、而も改めようとしないのか、件数の比率で行けば昨年よりも二五%に対する三七%、むしろ比率では遙かに殖えている。而もさつき頂いた資料を一瞥するとこれは監察局の調べた数字でしようけれども、犯人数のうちの大体四三%、昭和二十七年度においてはそういう数字が部内者から出ておる。ですからこれは事我々に関する決算委員会内部の問題、会計検査院の特に批難事項件数に事を限つて言つても、郵政省というところは職員不正行為が年々各省のうちで、断然多いということは、これは又明らかな事実なんです。一体この根拠がどこから来ておるのか、大臣がお知りになつておられれば大臣から聞きたい。そのよつて起る原因はどこにあるか。これは初めて出た大臣に対してこういう質問をして、果してその用意がおありかどうか私にはよくわからないが、まあ昨日、今日大臣なつたのじやない、大体はつかんでおられることと思うので、一言だけお伺いしておきたいと思います。
  38. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 御指摘を受けたそういう傾向が、年々殖えるという傾向につきましては、私も注意しなければならないと考えておるわけであります。ただ全体の会計検査院指摘された件数に対しまして、郵政の比率が多いということの一つ原因は、やはり機構自体が非常に大きい。従つて又取扱つておる人間も非常に数が多いということ、それから仕事が皆金に結び付いておるということがありますために、そういう犯罪を誘発する要因と申しますか、そういうものが非常に多いということにも原因があるのじやないかと考えておるわけであります。併しどちらにいたしましても、そういうようなことが発生するということは好ましくありませんし、殊に国民の信頼を受けて、絶対信頼の下に仕事をしておる国の郵政事業が、そういうことであるということは好ましくないと自分考えますので、今後十分注意をいたして参りたいと存じます。なお、詳細のことにつきましては監察局長からお答えいたします。
  39. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 監察局長答弁はのちの時間にお伺いすることとして、大臣の今のお答えはやはりまだ事情に通じておられないから当つておりません。  次に、お尋ねしたいことは、これもこの前大分出たのですが、昭和二十六年の批難事項で一番重きをなしたのは特定郵便局長に関する批難、ところで私はその資料の要求をしておいた。特定郵便局長任用等に関する現行規定というのを拝見してみて、私はしかあるべきだ、年齢が満二十五歳以上で、相当の学識才幹ある者であれば、特定郵便局長になれるというほかには何ら制限規定がない。これじや成るほど不正行為は幾らでも行われるし、今後もあとをたちますまい。こういうことについて、この特定郵便局長に関する不正事項というのも、これ又昭和二十六年に限つたことではない。こういうことは繰返されておるのですが、大臣はやはりこういう細かなことにはなかなか眼が通らないのではないかと考えますが、こういう傾向について如何に是正しようとなさるか、若し是正しようとされる用意がおありなら、その方向だけでも一つ大臣から承わつておきたいと思います。
  40. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 特定郵便局長だけは昔からの沿革がありまして、昔は親子代々という形になつておりましたものが、今のような制度になりましたので、非常に任用に困難をいたしておるわけでありますが、一応併し今御指摘になりましたような基準を置いておるわけでありますが、併しその基準の線に沿うて、実際に任用いたします場合には、やはり長年の経験でありますとか、それからその経験の間に見られる本人の人物でありますとか、そういうものを十分見定めて任用いたすように努力しておるわけであります。ただ最小限のこの制限規定、任用のための制限の範囲ということになりますと、やはりこの辺の線においてやるのでないと、現実に運用に困難する場合があると考えられますので、今のところこの範囲で以て、成るべく現実の任用の際に人の選択を誤らないように努力をして行きたいと、こういう考え方をいたしておるわけであります。
  41. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それじや私はもう一つ質問して終りますが、どうも郵便局長に関しては、不正行為内容をみると、皆局長みずからがやつていますね。他の一般の郵便局長の場合には、下の職員がやつている場合が多い。ところが特定局に関しては局長みずからが大抵やつている。不正によつて領得をしている。ときには百万、或いはときによるとここにあるように八十万とか。ですから、私は最小限の規定として少くとも金融機関に携る者には財的の信用評定というものが一応あるはずです。郵便局というのは、而も現金を預るところですから、如何に特定局言つても、満二十五歳以上の、而も相当の学識才幹ある者、この二つだけで切つてあるのじや如何にも、これは私は無理に窮屈な規定を作れとは言わないけれども、もう少しそういう不正が除かれるような第三の規定くらいは、私はあつて然るべきでないかと思つてそれを聞いたわけです。
  42. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これは昔は請負制度でありましたので、相当やはり資力があり、信用のあるその土地土地の名望家などが特定郵便局長をなさつてつたのですが、現在は必ずしもそういう考え方でなしに、部内のものを新らしく任用して行くということも行われており、だんだんそういうのが多くなるという傾向になつております。過去に特定郵便局長であつた人たちの子供というようなものを例外として任用して行くという場合がしばしばあるわけでありますけれども、そういう場合には、却つて私は今御指摘意味の資力という点については割に条件にかなつたものが任用されておると考えますのでありますが、ただ資力というような点を任用の基準にいたすということになりますと、部内におきましても、そういう任用のほうの操作が十分行かないで、却つて適当でないのじやないかということで、形式的にはそういう規定が出ておらないわけであります。
  43. 木下源吾

    ○木下源吾君 大臣にちよつとお伺いしますが、事業損益についてでございますが、二十六年度は事業の量が殖えておつて、そして欠損が非常に多くなつているわけですね。この説明はまあ殆んど人件費と物価騰貴と、こうなつておるのですが、この人件費と物価騰貴の割合は一体どんなになつておるのか。  それから大臣お急ぎのようだから端的に聞くのですが、このいろいろの問題は行政整理で首切りをやるからこういうことになるのじやないかと私はそう思います。なんでも三千件ばかりに対して一億というのは、平均約四万円の金である。それで昔なら百円か、百二、三十円のこういうふうな金で、これは犯罪になつている。で、どういう人たちがやつたか知らないけれども、大体給与が悪いからということもあるが、もう一つはこれもあとで聞けばわかると思うのですが、首切を画一的にやつてしまつて、そうしてあとは臨時雇というものを相当たくさん使つているでしよう、郵政省において……。こういうような責任観念の少い軽い人々を採用して、そうして責任のあるものを首を切つてしまう。而も長年のいろいろな経験者、そういうものを首を切つてしまうというところに、私は大きな原因があるのじやないかと思います。画一的な首切り、これが問題ではないか。塚田さん、あなたは何か首切の役をしたこともあるが、こういうようなことになつて来ると、よほどあなた考えておられることと思います。画一的な首切というものについて、これについてあなたの一つ本当の偽らざる所見を承わつておきたい、どうぞ一つ。    〔委員長退席、理事菊田七平君着席〕
  44. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) お尋ねの焦点がどういう点にあるのか、ちよつと掴み兼ねているわけでございますが、事件が起ることは一つはまあ給与が安いからじやないかということであつたかと思いますが、この点は私も一部分そういうこともあるかも知れないと思います。併し又全体としては必らずしもそうばかりも言えないのでありまして、安い給与でも決してそういう事件を起さない人もたくさんあるわけでございますからして、これはまあ全体論としては、給与の安いということも原因はいたしているのでございますけれども、それよりもむしろやはり個個の人間性格その他、又機構運営の仕方、我々の監督の仕方の如何にあるのではないかと考えているわけでございます。  それから行政整理によつて経験あるものに職を去つてもらつて、そうして経験の乏しい素質の悪いものを入れるから事件が多くなるのではないかという御意見でございますが、この点は私は必らずしもそうではないのじやないかと考えるわけでありまして、仮に新らしいものを入れましても、そういうものがすぐに責任のある地位や、そういうことのできる地位に着くわけでもありませんし、事件を起しているものは必らずしもそういう新らしく採用されたものというようなことではないようでありまして、それと反対に相当年限勤めているものが事件を起している、こういう状態になつていると考えるわけでございます。ただ行政整理をいたしますときに、年限の古い相当経験のある人を整理するということは、事実整理の場合には、そういう形になつております。そういうことにいたしませんと、職を離れられた場合のいろいろな困難ということも考えますので、成るべくそういう方々から逐次引いて行つて頂くということにはいたしておりますが、今日の状態といたしましては、官庁内部の人員配置というものは、そういう人たちが或る程度整理をされましても、決してそれによつて人材の不足があるというようなことではなしに、むしろそういう古い人たちを抜いて頂いて、もう相当成長しておる人たちを新らしくそういう地位に就けることによつて部内の士気を一層新たにして、業績を挙げて行くということに役立つ面が却つて多いのではないかというように、私は考えておるのであります。
  45. 木下源吾

    ○木下源吾君 今のあんたの御答弁によれば、想像のところが多いのだな。実際郵政省は、首を切つたよりそれ以上の、すぐいわゆる臨職というか、臨時雇というか、そういうものをたくさん使つておるでしよう。これは表面上は、行政整理で首を切つたということを、非常に冗費を省くんだというようなことを言つておるのだが、実際においては、何もそういうことになつておらんということだけは、これだけは認めるだろうと思う、あんたも。そこでこのような不正の起つた職種だとか、いろいろそういう身分関係もつと我々は本当は調べたい。あんたもそういうところをよく調べて、徒らにただここへ毎年来て、一遍いやな思いをすればいいのだというようなことでなく、根本的にこれはどうしたらいいのだということを、もつと科学的に調査せられて、そうして率直に一つ結論をここへ出してもらわんと、毎年々々同じようなことを繰返しておつて、而もだんだんそのまずいことが多くなるなんというようなことは、ほめたことではない、これはですね。そういうように今後は指導をしてもらいたい。殊に今も又こうした線で首切りなんか始まろうとしておる。これについても、重大な関心があると思う、首切りの問題は。それで殊にこの退職手当の増加ということをここに謳つておる。この退職手当の増加のために、欠損がいつたのだと、こう言つておるのだが、ベースの改訂だとか或いは退職金の増加なんというものは当初から計画しておる、政府は当初予算において。そうして計画しておいて、なお且つ、こういうような赤字を出す、これは初めからわかつておることです。当時我々は昭和二十六年度のこの予算審議に当つて、予算委員会でそう言つてつたのだけれども、そんなことはない、こういつてただ突つ放して、こういうことになつている。これは責任はやはりあんたとは言わんが、そういう政府のあなたがたの責任だ。やはりそれでその行政整理に対しても、我々は極端に何も反対せんがために反対しておるのではなく、これは実際において必要なものだな、そうして又給与に対してもですよ。当時やはり大蔵大臣あたりは給与を上げると物価が上るなんというようなべら棒なつまらんことを言つておるが、やはり物価が上るから及ばずながら下からベースを上げてくれという要求に対して、そういう矛盾した不合理な答弁で終始した、こういうことになつておるのです。従つて今後こういうことをしないとするならば、現実の面において、もつと正直な政治をやらんと、こういうことになる。今からでも遅くありません。もう少しこの内容を検討せられて、科学的に検討せられて、ここで納得の行くような答弁を、「いたしません」という口だけではなく、そんなことは要りません、そんな言葉は。納得の行くようなもつと堂々たる答弁をしてもらいたい。それは国民の要求するところだと私らは思うのです。今あなたはお忙しいようだから、ここであんたにそんなことを追及するというても、時間がありませんし、追及する必要もないと私は思う。これだけは今考えてもらいたい。又すぐ行政整理があります。このことについて十分一つこれは考えてやつてもらわんと、人さえ減らせばいいということではないのです。やはり完全に仕事をよくやつてもらいたい。これがよくやること、それが問題だと思うのでありますから、それとの関連は十分に一つ御考慮願いたい、こういうようにお願いしておきます。あとは数字だとか或いは具体的な使途については、又事務のほうからお伺いします。少し政治的な面であんたに一つお願いをしておきます。
  46. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 犯罪が起る原因、殊にその人的な構成を見て、それがどこから起きるかということを十分検討しろという御注意を頂きまして、誠に有難うございました。十分そういうような面も検討して併せて犯罪の減少、絶滅を期したいと存じます。
  47. 東隆

    ○東隆君 大臣に伺いますが、郵政事業特別会計は独立採算制になつておる。そこで独立採算制ですが、これをやりますと、私は郵政関係の仕事のような非常にこれは国民のいろいろな文化面その他各方面に関係のある仕事ですが、これは中央、非常に交通に便利なところ、そういうようなところには非常に厚くなつておる。そうして辺鄙なところ、交通通信の非常に不便なところ、そういうようなところは従つて経費も非常にかかる。そういうようなところは、独立採算制をとると、当然そちらのほうは不便になつて来るのみならず、その方面に働いておる者は過重な労働を課せられる、そういうようなことが、これは当然起きて参ります。それでそのことは大臣もお認めになりますか。
  48. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはまあ抽象的な御意見として確かに私もその通りだと思うわけであります。ただそういう状態、そういう傾向がありますからして、独立採算制という考え方をおきながらも、併し郵政事業の計画におきましては、年々そういうことを直して行く、やり直す、それからして辺鄙なところにも必要なところは、逐次郵便局を設ける、そういうようなことを計画におきまして、そうしてその範囲において予算を組んで、その予算を賄うにはどの程度に料金をすればいいかということを考えながら、料金を御決定願つて運用をしておるわけであります。併し私は事柄の、殊に郵便事業というサービスの形体としては、やはり全体として採算がとれるという形に持つてつておくのが、むしろ考え方として妥当であり、採算のとれない部分を国から、従つて国民の税金からこれを補つて行くという考え方は、むしろ適当ではないのではないかと、こういうふうに考えておるわけであります。
  49. 東隆

    ○東隆君 そこで私は非常に独立採算制から考えたときに、おかしな問題が起きてくるのは、十分に収益を上げ得るような地帯、そういうようなところを郵政省のほうでは、これは私的な会社に仕事を委されております。郵便専用自動車会社に委されているんですが、それに関連した事項が九百六号ですが、これに出ておるんですが、この郵便逓送の会社は私は中央、或いはその他、会社を組織して十分にやり得るような立地条件の備わつておるところのみ、こういうような会社ができる。従つてこういうような会社ができ、郵政省がこれと契約を結んで仕事を請負わせる、こういうことになりますると、当然そちらのほうは収益が上る、こういうような形になつて参ると思います。その反面、非常に不便なところはそういうような会社はできない。従つてそこには経費をたくさんかけてやらなければならん、従つてマイナスになる、こういう形がこれは当然起きて来ると思うのです。で、考えようによつては却て不便なところや、そういうようなところには一つ会社でも何でもそういうようなものを拵らえて、足りないところは助成をしてやる、こういうような形でやるべきであつて、十分に採算のとれるような地帯は、これは国が、郵政省が直営でこれをなすべきである。こういう考え方が出て来ると思うわけです。それで詳しい計算はわかりませんけれども、私は郵政関係のこの逓送の株式会社ができて、それに仕事を委せることによつての経費ですね。それから前の形によつての経費ですね。それから前の形によつて相当な、いろいろな形でもつて開きがあると思います。そういうようなものの比較検討は大変むずかしいと思いますけれども、考え方が一応今私が申上げたような考え方に立つと、これは当然直営でもつてやるか、でなければ直営でやり得ないところは、そこにある交通機関を利用する、委託してやる。こういう形態をとれば、相当経費も節約できて来るし、その事業における赤字の克服なんかもこれは当然できるわけであります。恐らくこういう観点に立つたと思うのです。この前の郵便逓送の関係法律の改正のときに、衆議院のほうは附帯決議をしておられるわけであります。そしてできるだけこういうようなものは直営でやれ、こういう附帯決議を附けてあるはずです。それで私はこの件について、あなたの下僚のかたに、この前の機会に聞いたわけですが、そのときには却つてこの仕事を進めて行くような意思を表明されたようです。それで非常にこれは遺憾な考え方だと思いますし、同時に国の最高機関としての立法府が、私は少くとも附帯条件を附けた、その附帯条件というものは、これは行政庁においては相当考えなければならんと思う。それでこの郵便逓送によるのがいいか、それから直営でやるのがいいか。そういう面について、どういう考え方をお持ちになつておるか、又それを比較検討をされたことがあるか、そういうようなことをお話して頂きたい。
  50. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) 御指摘のような意見は確かに先般の郵政委員会において出ておりますので、私どもといたしましても大いに比較検討いたしておるわけであります。ただ併し実際になかなか検討が困難なんでありますが、一般的なものの考え方といたしましては、私はやはり官僚というものは、通俗的に言われておるように、非常に非能率なものの多いものでありますからして、やはり民間のそう形の仕事に適しておる部分は、これは郵政事業という本来の使命に反しない限りは、そういう形を利用して、そうしてそれによつて能率が挙げられれば、これも一つの行き方ではないかという考え方を依然として強く持つておるわけであります。併し国会の御意見もあり、同時に成るべくその方向に努力して行かなければならないと思うわけでありますが、ただそこに至る当面の段階としては、仮にそういうことによつて請負に従事するもの、つまり逓送会社が非常に多くの利益を挙げる、そうしてその利益を挙げることの結果が、郵政直営でやつた場合には、遙かにそれより安くできるのだというて、郵政事業のマイナスを累加するという原因なつては、これはいかんのじやないかというように考えますので、逓送料金を決定いたします場合にも、十分それらの点は考慮して、不当に利益を挙げさせない。そういうことを考えながら、当面の措置をしつつ、なお将来の問題として、そういう点は十分比較検討してい逐次国会の御決議の趣旨に副うように努力をして行きたいと考えておるわけであります。
  51. 東隆

    ○東隆君 私はこの問題を取上げるのは、この郵政関係の仕事が私的な事業に任されておることによつて国民の受ける感じがだんだん変つて来ると思う。田舎の細い道で逓送に出つくわすと、年寄りまで道をよけてやつたのが、これは昔の話ですけれども、今でも田舎のほうに行つたら、赤い印しの付いたのが来ると車はよける、そういうふうなことまでやつて、そうしてこれは役所でやつている仕事だと、国民全般のための仕事という考え方なつておりますが、それが私的なものによつて、而も省営の省線だとか或いはバスだとかというようなものに委託をしたり、私的なものでもようございますが、そういうようなものにだんだん移つて行く。それからやつて来ると、なかなか普通の営利会社と同じ立場に立ちまして、そういうようなことも行われたりというようなことも、だんだん出て来ると思う。それから先般来東京附近で行われました自動車を襲撃したのか襲撃されたのかどつちかわかりませんが、ああいうような事件も、私はやはりもう少し郵政事業そのものに大きく公用性を十分に持つておるんだと、そういうようなことを国民に教えこむのに、私はどうしても形態は郵政省が直接おやりになるこの形態をはつきりさせて、国民にやはりこの郵政事業をはつきりと頭の中に入れなければ、この大きな仕事は私はできないと思う。そういう面で、今の大臣のお答えは大分それは逃げられたようでありますが、私は直営の方向に、直轄事業としてやるんだと、こういう意思を強く表明されることを希望するんですが、それはどうですか。
  52. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) その点は重ねてのお尋でありますけれども、なかなかそこまですぐはつきりとした結論が出せるかどうかという点につきましては、やはり相当検討を加えた上でなければならんのではないかと、こういうように考える。まあ逓送会社は長年の歴史を持つてつて、相当国民からも郵政事業の本来のありかたと非常にずれておるというような感じを受けることなく、非常に平穏に事業が遂行されておるというような状態にありますので、これを急速に切り換えるということになれば、そういう面の混乱もありますでしようし、又郵政事業全体としての面からも必ずしもプラスになるかどうかということも、まだはつきりと見通しのつかないような状態でありますので、今の段階では先ほども申上げましたような段階で今暫くやつてみたいと考えるわけであります。
  53. 山田節男

    ○山田節男君 今東委員の言われた郵便専用車、郵便の逓送を民間業者にやらせるということを、まあ質問応答がありましたですね。これは衆議院に附帯決議がついて、例の契約の公開についての法律が審議されたときに、附帯決裁がついたということも知つているわけなんですが、これは前にも私は大臣じやないけれども、他の局長に話したと思うのですけれども、やはりさつき東委員の言われたように、これは勿論利害得失があつて、民間でやる場合の長所も、これはあると思うのです。併しもうこれは日本でも次第に自動車の交通量が殖えている、そういう路線が非常に殖えている、これは事実です。そういうことになつて来れば、これはやはりそういう路線の民間のバスだとか、或いはトラック会社というのがありますが、そういうものはやはり特殊に利用するということにして、これは欧米でもやつているのです。例えば特定の長距離バスが郵便車のマークをつけて、その一部のスペースを使わせることになつている。これは非常に経済的であり、而も能率的である。それから例えばアメリカのニユーヨークからシカゴに夜間に寝台バスが通つている。この寝台バスには必ず郵便のエツクスプレスをつけている。ああいう飛行機その他、そういうものが非常に発達しておつても、ああいう長距離バスを使う。これは今までは、殊にこれが創設された当時においては、路面の交通が極めて不便であつた、電車、汽車等も不便であつた。今日では路面の交通が非常に発達している。ですからむしろこういうものは郵政省が郵便物郵送の一種の契約をするわけですから、特定の料金を払つてやるということになれば、やはり郵政省の手で、責任において、或いは危険において郵送するのが当然のことなんです。外国ではこういうものは歴史的に残つている。で、これは日本でも歴史的な問題には違いないけれども、併し今日のように交通が非常に発達して来た場合にはむしろこういうものは時代錯誤的である。政府で直営するほうがこういうものは妥当であり、而も日本郵便逓送会社の利益はこれは非常にいい会計状態を示しているわけです。これは政府でやれば、非常にコストが高くなつて来て、これより安くならんかも知れないということを今大臣言つておられる。併しそこがいわゆる現業官庁の将来改善さるべき点ですから、殊に又もう一面からいえば、やはり今日の国鉄の鉄道会館を中心にしての外郭団体のあの状態を見ますと、誠に恐ろしいものがありますので、政府がやるべきものを民間がやつているということは、これは今日の政治意識からいつても、非常にもう時代錯誤なんです。ですから一応政府として、いつかはこういうものは民間にやらせるべきではない。殊に会計検査院の報告でここには僅か一項目でありますけれども、これは会計検査院の言によると、郵便逓送を二十六年度調べてないのでありますから、ここに一件しか出ておりませんが、併しこれに類したような不正と申しますか、不正事項がこれは極めて行われる危険性が強いわけです。ですからこれを疑つてもつといろいろな方面から探りを入れれば、いろんなことが出るのじやないかという疑念を受けるわけです。事実そうじやないとしても、そういうようなことがありますから、政府としてはやはりこういうものは、今日の通念からいえば、無論政府でやるべきだ、これは私はもうそのほうが正しいと思います。ですからもうこれだけの投下資本をすでに持つており、それに従事する人間も多数に上つておるのでありますから、これを潰してしまうというのじやなくて、これをやはり或る程度合理化さして国家が継承するということもできるだろうと思う。これは一つ私は今大臣のそういう気持はないような御発言だけれども、やはり真剣に考えるべきじやないか。これは殊に公共企業というようなものよりも、政府が、これは郵便事業と郵政省が持つている以上、これは民間に最も重大な郵送の部面を請負わしているということはおかしな話なんです。これは一つ私は希望になりますけれども、慎重に考えて頂かないと、二十八年度、二十九年度等において会計検査院が調べなくても、いろんな不正事態が発生した場合に困るじやないか、こういうので、私はこれはあえて大臣答弁を求めようと思いませんが、併し私は大臣として、この官庁の事務の合理化という面において、当面の責任者でもあるから、この点は一つ十分研究さしてもらいたいと思う。  それからもう一つは、特定局長の問題ですが、先ほども飯島委員から指摘されておりましたが、二十五、六、七年のこの不正事項を見ますと、特定郵便局長が必ず出て来ておつて、而もその不正行為によつて国家に与えた損害、いわゆる犯罪によりまする国家に損失を与えた金額というものが、特定局長の場合は特に多いわけです。大体百万円近く、或いは百万円以上のものも多いわけです。これは監察局長が調べたケースの中には、相当特定局長のこういつたよう不正行為があるだろうと思うのです。そこで先ほども特定局長はなかなかいろいろな従来の関係があつて、やめにくいというような意味の御発言があつたと思うのですが、これはやはり郵政省として、特定局長というものは、やはり郵政事務官で、大臣の下に直轄した事務官を置けば、監督であるとか処罰も徹底するのではないかと思うのです。すでに特定局長の問題は長い問題ですけれども、未だに以てこれが解決しないというのは、私は根本的理由はどこにあるのか、例えば特定局長が建物、土地というものを持つております。それを郵政省が一一買収することになれば、非常に金がかかるとか、何か私は理由があるだろうと思う。なぜ特定局長というものを廃止し得ないのか、その原因はどこにあるのか。
  54. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) まあこの特定局というものと普通局というものが区別されてあるわけでありまして、これは廃止したらどうかという御意見で、だんだん考え方はそうなつておるのでありますが、併し名前は依然として残つておりますけれども、今日の状態ではだんだんむしろ名前があることのほうがおかしいのではないかというふうに、実質は普通局と余り変らないように逐次なつておるわけであります。ただ一番著しいのはやはり局長の任用が、特定局の場合には、依然としてやはり今まで請負制時代から特定局を持つておられたかたの息子さんであるとか、そういう者も任用される場合があり得るというようなところが、多く違つておるだけでありまして、その他の場合におきましては、これは逐次もう変つてつておるわけでありまして、現にそういう証拠の一つといたしましては、今特定局では相互服務制というものが実質的に残つておる。併し特定局で現に普通局よりもたくさんの局員を持つておるところがありまして、そういう場合一方が特定局であるから、一方が普通局というだけの理由で区別しておく、これは意味がないのではないかということで、今考えられておる構想といたしましては、むしろ普通局でも小さいもので数の非常に少いものは、相互服務制にすればよし、そうでない特定局でも、相当程度の規模以上のものは普通局と同じような内部機構にしたらいいのではないか、部課を置くというような考え方でいいのではないかというようなことも、部内で真剣に取上げられておるような状態なのでありまして、むしろ、そう実質的に私は特定局という名称が廃止できないという面がたくさんは残つておらないと考えております。多分に沿革的なものがまだ残つておるだけだ、沿革的な理由からそういうものが残つておるだけだ、こういうふうに考えておるわけであります。従つて実質的な扱い方としては、逐次普通局と同じような考え方でこれを扱つて行く、そうなりますれば、結局普通局と特定局の最後の実質的な違いは、大きなのが普通局、小さなのが特定局だというような考え方くらいになつて来るのではないかと考えておるわけであります。
  55. 山田節男

    ○山田節男君 今のような大臣の御意見、御説明だと、もう特定局は明日でも廃止できる。それをなぜ廃止しないかということを聞いているのであつて、名称は明日でも廃止できるのではないか、答弁の要旨がよくわかりません。
  56. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) それじや私から補足的にお答えさして頂きます。御指摘のごとく、特定局、普通局という名前は、むしろこれは歴史的な、沿革的な形で来たものが多いのでありまして、それが内部的には制度は常に変つております。最近におきましては、もうあらゆる面において特定局内容というものが殆んど普通局と形の上においては大差なきまでになつております。ただ歴史的な意味で若干の差異はありますが、その中で特に重点と言われるものは、特定局長というものの任用というものが自由任用制度になつておるという点、これがまあ何と申しまましても、今日残つておる特定長制度の最大の問題だろうと思います。で、御承知のように特定局というものの沿革は、そもそも最も山間僻地まで郵便局を普遍化するために、その地方の信望のある方に郵便業務を委託したということから始まつたわけであります。地方に参りますると、郵便局長というものとその地域の方々との間の繋がりといつたものが、やはり相当事業をうまくやつて行く上に重要なもので、どこの馬の骨か牛の骨かわからん者がぽかつと来ても、山間僻地ではなかなか仕事がしにくい、又そういう山間僻地へ一般の公務員を持つて行くということも、人事の上では非常にむずかしい面がある。できればその土地のそういう信頼される人たちというものを以て、これに当てるということが、地方における山村僻地の郵便局の運用を最も円滑ならしめるゆえんではないかということから起きて来た伝統というものは、今日といえども、まだ完全にそれは要らないというところまでは言い切れないものがあるのじやないか、そこでそういう意味合において、特定局長の任用問題については一般文官のような制度をもう少し拡げまして、部内の経験者であろうと、部外のかたであろうと、相当信頼される者であるならば入れようという形になつておる。これが今日残つておる最大の問題だろうと思います。これは俄かに簡単にこういう形をやめたほうがいいか悪いかについては、相当これは考えなければならん点がまだ残つておると思います。そういうことを除きますれば、先ほど大臣からおつしやいましたが、服務の問題とか或いはいろいろな給与の問題とかいうような問題についても、殆んどこれは普通局と大差なきようにやつております。ただまあ一般的に申上げまして、普通局は大きな局で、大きな局を対象としたやり方には、おのずからそれに行く制度がございますし、特定局はおおむね小さな局である。そうすれば、小さな局を対象としたやり方については、又おのずから違つた点がある。併しそれは決して両方を差別待遇するとか、何とかいうことじやなくて、その局状に応じた制度をやつて行きたい、かように思うわけでございます。
  57. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると結論から言えば、特定局の数は年々減りつつあるということが言われるわけですか。
  58. 菊田七平

    ○理事(菊田七平君) 今予算委員会から大臣の請求が来ておりますから……。
  59. 山田節男

    ○山田節男君 もう一、二あるのですが、簡単な質問ですから。併しこれは次の機会にやりますか……。
  60. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) それでは簡単にお答え申上げます。特定局の数は最近新しく殖やしておりますのは無集配の局でございますから、こういう意味合においては殖えております。そういう形の面におきましては。併し実質的には殆んど特定局と普通局の差をなくするようにやつておりまするから、そういう面からする増加があるだけでございます。
  61. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると、今特定郵便局という名前のものは殖えておるわけなんですね。
  62. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) 少しずつ殖えております。
  63. 山田節男

    ○山田節男君 それではまだありますが……、ちよつともう一つ。今日は大分平林委員からもきついお叱りがあつたわけですが、これは大臣の言われるところにも、いろいろ苦哀があると思うのです。とにかく現業官庁、これはまあ電通或いは国鉄の鉄道業務が公社化して、現業官庁としては郵政省が大きなものとして一つあるので、非常に目立つと、私はそういう理窟も立つと思うのですが、幸いこの監察局というものを置いて、定員が七百名の中で五百何十名かの監察員を置いて、いろいろ活動をしておられて、なお会計検査員の出したものは、これは極めて僅かなものであつて、この間監察局長の報告によると年々三千五百件、まあ二十七年度は減つて二千五百件ですけれども、これは監察局の機構の問題のいい悪いという問題でなくて、こういう為替、まあ有価証券、それから有価証券的なもの、現金を扱うものが多いわけですから、この監察制度というものを単なる監察、これは独自の監察をやるということは考えられますが、もつと徹底した監察制度を、これは一監察局長というものに任せないで、その責任者は監察局長でよろしゆうございますけれども、その監察のやり方をもう少し科学的に検討する必要があるのではないか、それからこれもこの間局長諸君の前で言つたのですが、こういうような郵政事業というものは、これはいろいろ区別がありますが、これは相当標準化して、フオームを一定したやりかた、これは現在もやつておられますけれども、それ以上に何か科学的な方法があり得るんじやないか、これはもう人を見たら泥棒と思えというのは悪いですけれども、今言つたように現金を扱えば誘惑を感ずる。この間局長の話を聞くと、とにかく田舎へ行けば、郵便局の局員が一人で以つていろいろな仕事をしておる、そういうことになれば、ついごまかしかたもたやすくなる。こういう点が、これは人を殖やすんじやなくて、相当今のやりかたを私は変える必要があるんじやないか、こういつたことも、従来の監察制度というものをもう一遍自己反省して、批判してみて、もつと現業官庁としての監察制度が徹底して行かなければいかん。こうしてまあ二十五年度は四億三千万円余の犯罪金額がある、二十七年度にいたしましてもなお一億三千万円余の額があるわけです。せめてこの半分の金を使うぐらいの用意を以つて何かシステムを根本的に一つつてみる必要があるんじやないか、幸いあなたはそういう行政改革のほうの責任者でもあるから、単に郵政省のみでない。よそにも関係があるんだから、これは大臣として一年かかつてもいいと思うのです。根本的な監察システム、それからそういう監察をしなくても、もう悪いことはできないということに、現にこれは外国はやつておるんですから、この機会にそういつたかなり大仕掛のものでもよろしうございますから、大臣みずからその主宰者となつて、一つのモデルを作るというだけのことはされるべきじやないか。かように思うのですが、まあこういう点については、予算の関係もありましようが、先ず大臣に対して、どうもそういうことはできんとおつしやるかも知れんから、所信を伺いたいと思います。
  64. 塚田十一郎

    国務大臣塚田十一郎君) これはできんじやなくて、できると私は思います。もつと検討すべき面があると思うのであります。ただ今の郵政内部の監察局の仕事は、普通の営利会社におきましては調査というものも相当やつておりますので、業務運営なぞをどういう工合に改善したらよいかということと併せて、こういう犯罪事故の防止、それから摘発をいたしておりますわけで、本当に私は監察ということ、殊に犯罪の面の監察をいたしますのには、それを専門にやらすほうがいいんじやないかという構想を持つておるわけなんでありまして、まあそういうことを含めまして、是非一つ意見のように本格的な検討をいたしてみたいと考えております。
  65. 山田節男

    ○山田節男君 私は一応これで……。
  66. 平林太一

    平林太一君 只今郵務局長松井君の、これは大臣よくお聞きになつていらしつたんですが、松井君の答弁中に、特定局局長を、有力の者を対象としてすると、その際どこの馬の骨だか牛の骨だかわからない者は云々という言葉があつたのですが、重大なる——私は郵政省首脳部官吏としての言葉のこれは綾ではない、そういう思想を以て今日まだ依然としていわゆる郵政官僚としての、国民というものを牛の骨である、馬の骨であると、実に無礼千万ではないか。答弁し給え。
  67. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) 只今お叱りを受けまして大変恐縮いたします。私の申上げようといたしました真意は、その土地の方でない方々が、山間僻地へ来られてもということを、ついそういう言葉が口を出て参つたのでございます。そのことは大変私の言わんとすること以上の意味を含んでおるようでございますから取消さして頂きます。
  68. 平林太一

    平林太一君 心うちにあれば色おのずからそとに現るということで、不用意でない。平生そういうことで、国民に対して官僚が、いやしくも今日の民主時代において、庶民を対象とする言葉に、牛の骨である、馬の骨である、何たる傲慢不遜であるか。それでみずからはかような不正不当のことをしておる。容易ならざることである。これは郵政大臣一つお帰りになつて、今日のこれは単なる失言ではやまない。郵務局長に対する行政上の処置をお講じにならなければ、官紀の維持というものは、これはできない。今日は大臣から答弁は承りませんから、後日どういう処置を郵務局長に対して考慮いたしたかということを、書面を以て委員長まで結果をお知らせを願いたい。それだけのことを申上げておきます。
  69. 山田節男

    ○山田節男君 さつきの特定局長の数が実際においては増加している。併しながら郵政省としては特定局と普通の郵便局長との、何といいますか、資格というか職務というものは次第に差異をなくしつつある、どうもその点が私理解できないのですが、差があるならば、やはりその地元で顔の知れた信用のあるものといえば、これは直接この郵政省職員としてどこに隘路があるのか、その点がどうも理解できないのですがね、どういう理由なんですか。
  70. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) 確かに郵便局の数が最近殖えております。殖えておる部面というものは、大体小さな窓口機関になつておる。そういう限度において特定局はまあ年々殖えておるわけです。他面普通局の問題はと申しますると、最近は全面的に昔のように普通局と特定局の取扱いを違えるというようなことをやめにしたいというような方向でやつておりますので、特に特定局から普通局べ昇格せしめるというほどの必要も認められませんので普通局の数はそのまま固定しておる。これが卒直に申しまして現状でございます。然らば一般的に今の特定局制度を全廃するかどうかという問題がここに入つて来るわけでございますが、それについては先ほど申上げましたようにやはり任用の問題というものについて、こういう小さな局などにおいては小さな特殊性に即した人事というものを考える必要があるのじやないか。ただ大局において取扱えるように形の上では行かないというような特殊性もありますので、殊に最近できておりますのは、極く小さな地方における局という関係があつて、まあ差当り現在の特定局長に関する任用制度というものがまさにこれにふさわしいものじやないかという形で運営されておるわけであります。
  71. 山田節男

    ○山田節男君 さつきも大臣も言つたように、会計検査院の極く限られた数の会計検査によつても、殊に百万円以上の不正の犯罪によつて損害を郵政省に直接及ぼしておるようなことがあるのですから、これは何といつても、私らからいえば、特定局長といえば、監督もいわゆる直接監督に違いないけれども、やはりそこに監督の仕方というものが非常に徹底しないのじやないか。普通の郵便局であつて郵政事務官であれば、それは身分においてびしびしと監督できるのじやないか。こういうことが私はどうしても理解できない点ですけれども、それともう一つは、これは各県にあるのかどうか知りませんけれども、少くとも広島県においては特定局の郵便局長の会館と称する小さなビルを造つて、それで特定局長というものが一つのブロックごとにまあ体のいい労働組合みたいなものを作つておる。これが相当な政治力を持ち、それから選挙のときなんかも、これは相当動くのです。こういつたようなものの活動するようなことは、やつぱり今日教員の政治活動について制限しなくちやならんということで、今政府が法律を出しておりますが、こういう地元の相当信用のあるようなもの、顔役というものからすれば、勢いそういう危険が多分にあるわけです。現に我々はその危険を見ておるわけです。そういうことになれば、これは私は今郵務局長は言わないが、そういうブロックごとにかなり多数の顔役に類するような特定局長が団結してしまい、彼らのブロックごとに大会を催しておりますが、相当彼らとしては権利を主張しておる。郵政省に対してまあ待遇改善という言葉は使わないにしても、実質においてはそういつたようなことをかなり要求しておることも現実私は見ておるわけです。そういつたようなものをなぜ放置するかといえば、今あなたがおつしやつたような理由があるにしても、それと実際こういう不正な事故を防ぐ、徹底的に監督して行くことと、プラス・マイナスしてみて、なおあなたの御意見としたならば、そういう寒村僻地にそういうものを置くためには、特定局をむしろ殖やしたほうがいいんだ、止を得ないんだ、こういう御意見なのかどうか、この点一つはつきり御回答願いたい。
  72. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) 特定局長と普通の郵政事務官との間におきましては、当初の任用資格という点においては、先ほど申上げましたように若干の差異がございますが、併しこれは任用された以上は、ひとしく国家公務員法の適用を受けまして、その監督関係におきましても、一般従業員と何ら異るところはないのであります。その点は特定郵便局長だから特別に監督が手ぬるくなつておるというようなことは全然ございませんです。  それから第二点の特定局長の団体の問題でございますが、これは実は昭和二十三年頃には特定局長全国的に団体を結成いたしまして、相当活発に活動した事例がございます。それに対してどうも現業の郵便——特定局長さんと申しましても、所詮郵便局長さんですから、その方々が全国的に団体を結成されて活動されることは、やはり事業運営上面白くないというので、これは昭和二十四年だつたと思いますが、解散をして頂きました。そういう組織というものは、組織的としては郵政省は認めない。ただ郵政省自身も、特定局は御承知のように地方に散在しておる小さな局がございますが、業務の運営上一々ここへ出向いて一局々々指導するということには、旅費も要るし、いろいろな困難もございます。そこで最低限度地方の五局なり或いは十局なりを単位として共同で仕事ができるようなブロックというようなものを、今私たちの役所の一つの組織の中に一応認めておりますが、それは純粋に業務の面の運営をやつて行くというだけのものでございます。先ほど御指摘になられました広島県における団体というものは、これは公務員法九十八条に基いて届出をした団体でございます。これは我々としてはこのことが決して郵政省としてこれを作るのを認めるとか認めないとかいうことを越えて、公務員法上の権利として人事院が登記した以上は、止むを得ずこれを認めざるを得ないという意味における団体でございます。
  73. 山田節男

    ○山田節男君 これは監察局長と郵務局長に御質問するのですが、国会に会計検査院から報告される程度の不正行為に対して、特定局長不正行為に対しては、これは検察庁の手に渡り、或いはその他の処罰がされておるものと思うのですが、ここに現われない多くの特定局長の犯罪、不正行為、こういうものについて、例えば二十七年度のごとく、二千五百三十三件の犯罪の中で、特定局長の関与している犯罪が何件ありますか。
  74. 齋藤信一郎

    政府委員齋藤信一郎君) 特定局長の犯罪件数でございますが、二十四年から申上げますが、犯罪件数で申上げます。二十四年が七十五件、二十五年が七十九件、二十六年が七十四件、二十七年が七十件、なお二十八年の四月から十二月まで九カ月間の数字でございますが、三十八件と出ております。これをこの趨勢で行けば、大体五十件内外ということになりはしないか、こう想定いたしております。二十四年度以来なかなか数が減りませんでしたが、最近におきまして、鋭意これの撲滅の対策を講じました関係もございまして、幸い二十八年度においては、相当数が減少しているという状況を示しております。
  75. 山田節男

    ○山田節男君 今の監察局長の報告は、犯罪の数だと思うのですが、そのほかに不正行為或いは不当行為で挙げられた特定局長の数は幾つぐらいありますか。
  76. 齋藤信一郎

    政府委員齋藤信一郎君) 只今申上げましたのは、いわゆる不正行為として、いわゆる犯罪として挙りましたものの数字でございまして、いわゆる会計検査上不当な行為と申しますか、というものは勿論あるのでございますが、それにつきましては、只今のところ推計した数字はございません。了承を願います。
  77. 山田節男

    ○山田節男君 その今の挙げられた犯罪件数の以外に、監察当局としてこれはどういう処罰規定があるか知らんが、特定局局長の資格を失格せしめるとか、閉鎖するとか、或いは懲戒するとか、何かの処罰規定があるだろうと思うのですが、そういつた種類の処罰を監察当局として、或いは郵政大臣としてでもいいが、犯罪以外の処罰、いわゆる特定局長として郵政事務を適当にやらないために処罰を受けたその伴数はどのくらいありますか。
  78. 齋藤信一郎

    政府委員齋藤信一郎君) いわゆる不正、つまり犯罪によりましたものはそれぞれ懲戒免職等の処置を講じておりますが、なおそれ以外に一般の業務の成績が非常に悪いから辞めてもらうというものも中にはございますが、そういうものは大抵諭旨免といつたような形をとつております。大体犯罪によつたものは大部分は懲戒免職で辞めてもらうということになつております。
  79. 山田節男

    ○山田節男君 その懲戒免職にならない程度で、監察局の摘発した事実によつて或る程度の処罰が、或る段階においては処罰規定があるだろうと思う。そういう数字はわかりませんか。とにかく特定局長の中で郵政当局、監察当局から見て、これは郵政事務に忠実でなかつたという度合によつて処罰があるだろうと思うのです。その処罰を受けた数字はあなたのほうでなくちやならんわけです。
  80. 齋藤信一郎

    政府委員齋藤信一郎君) 当然郵政省内部におきまして、懲戒に関する規定がございます。それぞれその規定によりまして、これが行政処分をいたしております。懲戒免職に至らない段階におきましても、例えば何ヵ月本俸の何分の一を減ずるとか、或いはこれに基いて厳重な戒告をするとか、それぞれの情状の重きに従つて行政処分をいたしているのでございますが、行政処分は、人事部の所管でございまして、丁度私ここにその数字を持合せておりませんことを遺憾に思います。御了承願います。
  81. 山田節男

    ○山田節男君 これはやはり先ほど郵務局長からいろいろ説明がありましたが、特定局長の制度の何と言いますか、大体の道義的な何と言いますか、情勢を見るためにも参考になると思いますから、これは人事部長か何かに今の犯罪によつて起訴されたような、こういう七十件内外のものでなくて、監察当局、或いは人事部あたりで、それを処分に附したものの特定局長の数を、これは一つ減俸、或いは懲戒処分を含めて、それを一つ資料としてお出し願いたい。それでさつきの郵務局長の御答弁によると、特定郵便局長というものは、これは廃止し得ないものだ、少くともここ五年、十年は、特定郵便局というのは廃止し得ないという結論なのか。この点を一つはつきり伺いたい。
  82. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) 私どもは、特定郵便局制度に伴います弊害というようなものは、これは極力直して行き、又時代の趨勢に合わないようなものは極力直して行きたい。そういう意味合から申しまして、結果的には恐らく特定局といい、普通局といい、そういう言葉は、いずれ早晩或いはなくなるような時代が来ると思います。併し現在の特定局制度の中で、将来もこれを残していい面は、やはりその場合においても残つて行くのじやないかというふうに私ども考えております。今ここで特定局という名前を変える変えないということじやなくして、特定局の中にあるいい面は残して行けばいい。併し又それはどうも余り時代に合わないといつた面は、どんどんこれは変えて行つて内容的に、操作の間に合理的な解決を図つて行きたい。かように考えております。
  83. 山田節男

    ○山田節男君 さつき東委員から、いろいろ大臣に質問がありましたが、例えば今回のような、郵便郵送車がギャングに襲われた場合なんかのこの損害はどこが責任があるわけですか。
  84. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) その郵便の差出人のかたに対しては、郵政大臣が全責任を持つて、直接責任を負います。
  85. 山田節男

    ○山田節男君 その物的な損害、例えば金銭上の損害、それから親書上の損害、これはどう見積るものか、そのいずれの損害の場合にも、会社はどういう限度でこれは責任をとるのか。会社には全然責任がないということになるのですか。
  86. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) これは不可抗力の場合は勿論責任はございませんが、会社がその問題について過失があつたという場合においては、郵政大臣責任を負つた限度において、今度は会社に郵政省から求償権を行使する。こういう形になつております。
  87. 山田節男

    ○山田節男君 例えば今回のような場合に、具体的に言うとどういうふうになるのですか。そのケースについてどういうふうになるのか、もつと具体的に言つて下さい。    〔理事菊田七平君退席、委員長着席〕
  88. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) 今回の場合において、先ず最初にはつきり申上げていい点は、あのギャングによつて奪われた方々、手紙の差出人のかたでございますが、その中で書留をされていたかたに対しましては、郵政省はその金額を弁済いたします。併しこの請負の逓送会社のほうに果してどの程度の責任があつたかということは、これはまだ犯人もわからない関係もございまして、そういうものがはつきりとした上において決定いたしたいと思つております。そして若しも会社側において過失があるという場合においては、郵政大臣が損害した限度において、当然これは会社へ私どものほうから求償権を発動すると、こういうようになるわけでございます。
  89. 山田節男

    ○山田節男君 これは国鉄の場合に若しもこういう場合が起きたときに、やはりこれは同じですか。
  90. 松井一郎

    政府委員(松井一郎君) 同様に取扱うはずでございます。
  91. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質疑はございませんか。  両回に亘つて非常に強い要望事項としましては、お年玉はがきの明年度からの廃止、それから物品用度関係の適正化、特に現品取扱職員に対するところの綱紀の粛正、それから郵便専用車の可及的国営を要望するという主張があつたのですが、それらはいずれも郵政当局では善処せられるような御答弁がございましたので、そのように承知してよろしうございますか。どうですか。
  92. 八藤東禧

    政府委員(八藤東禧君) お示しの通りに極力努力いたします。
  93. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 一点だけ。これは八百八十七号に関して、東京局と名古屋局との比較が出ておりますが、これは恐らく両局だけでなしに、用品に関する規格を全国的に統一するという問題、それからこれに関する価格等に関しても、これはお互いに情報を交換したり或いは本省でこれを統一するという用意は、このあとにありましたか、ありませんか。又そういう措置をしておりますか、おりませんか。
  94. 西村尚治

    説明員(西村尚治君) お答え申上げます。  この郵便物は、東紐につきましては、その翌年度から規格を統一いたしまして、全国一律に優劣のない同一の規格のものを採用するように指示しております。それからもう一つ、各郵政局によりまして、まちまちのものを価格についても又まちまちに購入しておる傾向が認められましたので、これにつきましても、翌年度からどこの郵政局でどういうものを幾らの値段で買つたという情報を本省にとりまして、本省で十日ごとにこれを購買情報として各郵政局に流しまして、各郵政局ででこぼこのないように指導しております。
  95. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 少し問題が違いますけれども、私が要求した資料についての簡単な説明を願いたいと思うのですが、郵便はがきの用紙に関してですね。紙質その他について我々一般国民が日用しておる郵便はがきというものに、現在でもそうですが、紙質に素人目で見て違いがある。この表向きの規格というのは一応統一されておるようでありますが、これはどこから起つて来るか。
  96. 西村尚治

    説明員(西村尚治君) このはがきにつきましては、建前といたしましては印刷局で抄造しておるのでございますが、はがきの年間における需要量が年度によつて違いますので、その足らないものにつきましては十条製紙に抄造させております。規格につきましてはお手許に差上げました資料の通りに定めておるのでございますが、何しろこのパルプを溶きまして溶液にいたしまして、原料液を抄造機にかけますときの手加減でございますが、抄造機からスクリーンとかフエルトに通つて流れて行きます間におきまして、電力事情その他におきまして相当技術的に、これの全部統一をとるということが日本の現段階におきましてはなかなかむずかしいらしいのでございます。それともう一つは、パルプSPを八〇、GPを二〇という規格になつておりますが、同じSP、GPにいたしましても、購入先によりまして若干品質に相違があるといつたようなことで、ものによりましては品質に差等があるようでございます。併し私どものほうといたしましては、納入検査のときその他できるだけ印刷局なり十条製紙のほうに連絡をとりまして、品質の均等を図つてもらうように今後とも十分注意して行きたいと、かように存じております。
  97. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 我々素人が一番目につく紙質の差は、非常に、何と言うか、平滑度と言うか、この規格にはそういうことは出ておりませんが、非常にラフなのと非常にスムーズなのと極端に違いが今年になつてからでもある。ああいうつまり規格の項目というのはないうですか、表面の。あれはかなり大きな規格の項目だろうと思う。我々が日常使用する場合に、ペン若くは筆等で書くのにかなりあれは大きな支障になりますよ。ざらざらで殆んど書くに堪えない。非常に書きにくい紙質がある。そうかと思うと非常にスムーズなのがある。ああいう規格というのはあなたがたのほうで検査をされて受取つておると思うのですが、検査のときもあれは別に一定の基準はないのですか。
  98. 西村尚治

    説明員(西村尚治君) 同じ工程で製造いましますと同じ滑らかさになる建前のものだそうでございまして、それにつきましては細かく規格というようなものは制定していないのでございますが、検査のときには十分その点についても配意すべきでございますが、何しろ大量のものでございますし、それから紙のときには厖大な捲きとり紙で中にどういうものが入つておるかどうしてもわかりかねます。又製品になつて来ますときには百枚、二百枚と密封して来ますものですから、全部が全部隈なく検査するということは事実上不可能でございます。併し今後ともそういう面につきましては十分注意し、良質のものを作るように印刷局十条製紙とも連絡して行きたいと存じております。
  99. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それではこれで終りますが、特に悪いサンプルを差上げます。それがどこでできてどういう工程でこれができるのか、そのものについてよく今度は現場を見せてもらうなり、その説明を願います。
  100. 山田節男

    ○山田節男君 今の資材部長の説明だと、何しろ量が多いからということを言つておられるが、これはもう一枚五円のはがきですから、量が多い少いということは、これはもう郵政省としては言訳にはならない。もう一つ私がお聞きしたいことは、これは私も今の現在販売されておる郵便はがきは非常に紙質の品質に差が大きくて、今言われたように、ペンでにじむ場合もあれば、容易に書ける場合もある。併しこれは外国の郵便はがきを見ると非常にいいのです。例えばアメリカ、スイス、イギリス、——ドイツはそうでもないけれども、ドイツも三年ほど前からよくなりましたが、フランス、こういつたような国際的に郵便はがきというものの質は僕はやはり郵政省は研究しておるのじやないか、比較して。比較して研究してみて、我々素人から見ても実に紙が貧弱である。何と言うか、非常な迷惑をこうむつておる。今言う通り量が多いからと言うが、これは当り前のことで、文化が進めば進むほどこういうものの消費が多くなることは尤もなことであるが、それに幾ら量が殖えても、最も適正な便利なものを出すというのが、これは郵政省でなければならん。結局悪いものを出して、そうして一枚五円の、何と言いますか、有価証券的なものですから、極端に言えば今の郵便切手と同じように非常に悪いもので金を余計儲けようというようなことではないかということまで疑われるわけです。だから私の質問は国際的に日本の今のはがきの紙質が劣つていないのかどうか、そのことと、それからもう一つ航空郵便に使う封緘、これがもうインキで書けば、蝋の加減だろうと思いますが、インキが溜つちやつて、タイプで打つても非常に鮮明を欠く。どうしてあんな……、日本人には割合に用がないのか知らんけれども、併しこれは非常に品質が悪いのです。これは丁寧すぎて悪いのじやないかと思う。紙は厚いし、実用に適しないというものがああして市場に出ておる。こうしたものは即刻私は改良すべきものではないか、こういう点について、細かいようだけれども一つその事情を説明して頂きたい。
  101. 西村尚治

    説明員(西村尚治君) 最初のはがきのことでございますが、今の規格ではSP八〇とGP二〇ということに私どものほうではいたしております。ところが、諸外国ではこれをオールSPにしておるところが多いようでございます。できますれば私どものほうでもオールSPにいたしまして、更にさつき飯島先生からもお話のありました平滑度でございます。これを一層よくするためにはスーパー・カレンダーにもう一度かけたほうがいいのだそうでございますが、これはいずれもコストの関係がございますので、まだ実現に至つておりません。諸外国のものに比べれば、若干劣るやに見受けられますけれども、何しろコストの関係もございますので実現をしておりませんので、今後十分御趣旨を体して研究して行きたいと存じます。  それから航空書簡でございますが、これは現在そういう山田先生御指摘のような非難がほうぼうにございますので、これにつきましても研究を加えまして、インクの滲みないようなインクを製造過程においてあらかじめひいておくという研究をいたしまして、近くもつと今より良質のものが発行できる段取りになつております。御了承願います。
  102. 山田節男

    ○山田節男君 これは委員長にお願いするのですが、さつき大体この決算委員会として要望事項になるような意見を読上げられましたが、直接決算には関係ないのですが、この間も私は決算委員会発言したのであつて、この事案はむしろ郵政委員会なんかに出すべきものだろうと思うのですが、例の我我が最も日常たくさん使う十円、五円の切手ですね、この図案なりその質について質問したわけなんです。郵務局長、これは今日は大臣にも確かめておきたいと思つたのですが、郵務局長は、成るべく年内にあれはやめて、新規なもつと立派なものにしたいという答弁があつたのです。これは決算委員会としても直接の審査の事案ではないのですが、又附帯決議等もしなくてよろしゆうございますが、これは何としても今我々の日常の通信に非常に関係のある問題であります。一つ何かの機会に取上げて頂いて、やはり郵政大臣にこのことを一つ伝えて頂きたいと思います。
  103. 八藤東禧

    政府委員(八藤東禧君) 前回の当委員会におきまして八百八十四号のその後の御報告を申上げた次第でございますが、更にその後新らしい報告に接しましたので御報告申上げたいと思います。  八百八十四号事件土地借入契約解除による損害賠償に関する和解でありますが、先般申上げましたのは二月十七日に地主某が死亡いたしまして、そのままになつておりましたが、先方の取込みが収まり次第、直ちに所定の手続をしたいと申上げておいたのでありますが、三月八日に仙台簡易裁判所におきまして、相手方の死亡いたしました者の子息忠人氏、これと当方の仙台郵政局会計課長並びに法規係長が出頭いたし、法務局第一課長福島氏立会の下に和解裁定が決定いたしました。損害合計三十六万七千四百六十一円を百四十五カ月でこれを弁償するという裁定ができました。その三月八日から一週間後に、正式な和解調書ができ上る、かような報告に接しました。
  104. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ほかに御質問はないようでありますから、郵政省のほうの質疑はこの程度で一応終了したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 御異議ないと認め、さよう決しました。  ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  106. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それじや速記願います。   —————————————
  107. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 次に、昭和二十七年度国有財産増減及び現在総額計算書昭和二十七年度国有財産無償貸付状況総計算書、以上二件を議題に供します。  これらは国有財産法第三十四条及び第三十七条による国会に報告のため提出をされ、去る二月十一日本委員会に付託されたものであります。政府の説明及び会計検査院の検査報告は、二月二十六日の委員会において聞き取つておりますので、本日はこれより質疑に入ります。先ず専門員から説明いたさせます。
  108. 森莊三郎

    ○専門員(森莊三郎君) 国有財産の増減及び現在額の報告、それから国有財産の無償貸付に関する報告、非常に大部な印刷物が参つておりまするが、これらの中の数字は毎年会計検査院におきまして、それぞれ係りの人が精密に算盤を入れて調べられたものでありまして、検査院からの報告には数字上の間違いはないという御報告が参つております。但し検査院からの検査報告に書いてありますることを御参考までに一言申上げたいと思いまするが、先ず初めに、この国有財産の取得、処分、管理などについて不当と認めた事柄は、御承知通り毎年の決算の検査報告の中に掲げることになつておりまするので、そういう問題は、決算の審査のときに従来取扱うことになつておりまするので、そのことを御参考に申上げておきまするが、二十七年度の決算検査報告は、もうすでに当委員会に付託されております。それを見ますると八十ページ以下のところでありますが、批難事項が八件だけ掲げられております。それから又その他に、国有財産の売渡代金および使用料の収納処置当を得ないものというのが検査報告の九十四ページ以下に十二件掲げられております。同様の問題は毎年の検査報告に引続き現われておることでございまするので、そのことを御参考までに申上げておきます。  次にもう一つ検査報告の最後のところに記されておることでありまするが、短かい言葉ですから読み上げたいと思います。「次のものは、いずれも国有財産の増の部に掲記されていない」と、即ち当然記されているべきはずのものが漏れておるというのであります。そのうち「(ア)一般会計から昭和二十七年度に農業共済基金に出資した十五億円および同年度までに私立学校振興会に出資した二十一億四千九百余万円」、これが落ちておる。この農業共済基金のほうは恐らく農林省関係のことであろうと思います。私立学校振興会のほうは、多分文部省関係のことと思いまするが、これが適当の時期までに大蔵省との間に連絡が欠けておつたと、それで計算漏れになつたことのように了解いたします。  なお次に「(イ)米国対日援助見返資金特別会計から二十六年度に日本開発銀行に出資した百億円および同年度までに日本輸出入銀行に出資した七十五億円、これが落ちている、こういうのでありまする。こちらのほうは恐らく大蔵省自体のことと思います。この国有財産の報告は、大蔵省において作られて、国会へ提出されるものでありますが、大蔵省自体においてこれが落ちておつたもののように思われるのでございます。  それから参考書類がガリ版で若干出ておりまするが、それにつきまして極く簡単に申上げたいと思いまする。  公共福祉用財産増減事由内訳表というものがございますが、それの第三ページを見ますると、一番上のところに、新たに公共福祉用財産となつたものといたしまして、皇居外苑、宮城前のあの広場のところです。皇居の外苑の四千五百四十八坪ほどの土地が、新たに公共福祉用財産となつたという報告があります。同じ欄の右の外れを見ますると、備考欄に、国会の議決は二十七年の五月十六日にあつたということであります。これは大蔵委員会に付託されまして、大蔵委員会でそれを承認されたことなのであります。それ以外のものは極く小さい、いろいろなものを取付けたというような程度のもので、特に申上げることはございません。只今申しましたこの皇居外苑と言いまするこれは、あの宮城前の広場の東北の隅のほうであると思いまするが、従来テニス・コートなどに使われておりました。それをば宮城前の広場の中へ繰入れたというようなことのように了解いたしております。  それから同じ綴りの中の第五ページの下のほうに、厚生省の部がありまするが、厚生省の部を見ますると、随分たくさんな筆数であります。それからあと数ページに亘つておりますが、それらのものが増と減と両方に同じ数字が挙つているのであります。ちよつと見ますると、甚だ異様に感ぜられますが、右の端の備考欄を見ますると、厚生省から厚生省へ所属替というので、変なふうに見えまするけれども、その内容を聞きますると、従来厚生省所管となつておりましたものを、厚生省の内部に国立公園部というのができまして、国立公園部の所管ということになつたものでありまするから、ただ手続上こういうふうに所管替の形式をとつたということでございまするので、実質的には何ら変更はございません。  それから次に別の一つの綴りでありまするが、昭和二十七年度皇室用財産増減事由別調というのがありまするが、これにつきましては、内容を見ますると、ただほんのちよつとした三坪、五坪程度の建物を増築したとか、或いは電気の設備をしたといつたふうのことばかりでございまして、特に申上げるほどのことはございません。  それから次に第三の綴りでありまするが、昭和二十七年度における取得した行政財産のうち主なるものの区分別内訳表というのがあります。これはこの年度のうちに、どんなふうの建物や土地などが新たに国有になつたか、又は減少したかといつたようなものを、単に数字だけでなしに、実例を挙げて報告をしてもらいたいという要求を出しましたので、それに従つて出されたものでありまするが、例えば第一頁を見ますると、この外務省の部に、インドの大使館事務所の敷地を、インドのニユーデリー市でこれだけの坪数のものを買取つたとか、スウエーデン公使館の事務所の敷地をストツクホルム市においてこれだけのものを買取つたとかというような、ちよつと珍らしい事柄を初めとしまして、どこの学校の建物、どこの郵政局の建物などというのが詳細に記されておりまするので、こういう実例を見ますれば、或るほどそういうものが増減になつたのかというような事情もよくわかろうかと思います。殊に只今の綴りの中の第四頁を見ますると、新築したもの、建物の新築の一番初めに参議院の清水谷の議員宿舎が現われておりまするが、その下のほうを見ますると、総理府において保安隊などのいろいろな建物などがこんな工合にできたとか、いろいろ詳細に出ておりまするので、御参考になろうかと思います。  それから第四の綴りでありまするが、昭和二十七年度における国有財産の増減のうち主な事由の区分別表、これは原因別に従つて数字を集計されたものでありまするので、これが内容を見ましても、別段参考になるというほどのことでもございません。  最後にもう一つ申上げたいことは、この小さい紙綴りが、この前に御配付いたしました小さい二枚綴りのものがございまするが、それは昭和二十七年度末現在における政府出資法人に関する調、一般会計の中で大蔵省管財局所属のものだけがここに出ているのであります。なぜこれを請求しましたかと申しますると、国有財産の総合計額を見ますると、土地が何ほどあるとか、建物が何ほどあるとかというものが出ておりまするが、そのうちの一つ項目に、有価証券その他という欄がありまするが、これが非常に大きい金額なのであります。この活版刷りのものの中で、昭和二十七年度国有財産増減及び現在額総計算書というのがございます。それの四十一頁、ずつと終りのほうです、四十一頁を見ますると、全体の総計が出ておりまするが、それの一番右のずつと下のほうを見て頂けばわかるかと思いまするが、全体の合計が四千百六十何億という数字でありまするが、そのすぐ上の欄を見ますると、有価証券その他というのが半分以上を占めているわけであります。ここに有価証券その他と言いまするのは、どういうものかと申しますると、若干株券なぞもあるようであります。例えば物納になつた株券などもありまするが、それなどはもう極く僅かなものであります。それ以外の大部分は政府出資金というのであります。それで国有財産のうちで大変な割合を占めておりまするので、どんなところへ出資されておるか、その辺のところをこの委員会へ報告してもらいたいということを要求したのであります。それを見ますると、例えば特別の法令により政府が出資しているもの、そのうちの活動中の法人に対するもの、例えば東北興業とか、帝国石油とか、日本銀行、日本輸出入銀行、日本開発銀行などずつと出ております。それからその裏へ廻りまして、清算中の法人というもの、例えば満鉄とか、東洋拓植とかいつたようなふうのものが相当多数にありまして、目下清算中だということであります。なお、そのほかいろいろなものが出ておりまするので、御審議の御参考になろうかと思つたのでございます。  なお、これは大蔵省管財局所属のものだけが、挙つておりまするから、ちよつと当局のかたからあとで補足して説明して頂けば、明瞭になると思いまするが、これが全部でなくて、これ以外になお若干あるのじやないかと思いまするが、ちよつと以上御参考までに申上げます。
  109. 小林亦治

    委員長小林亦治君) ちよつと速記をとめて……。    〔速記中止〕
  110. 小林亦治

    委員長小林亦治君) じや速記をつけて……。  本日はこの程度で散会します。    午後四時五十一分散会