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1954-02-15 第19回国会 参議院 決算委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月十五日(月曜日)    午後一時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     小林 亦治君    理事            植竹 春彦君            長谷山行毅君            島村 軍次君            岡  三郎君            菊田 七平君            平林 太一君    委員            雨森 常夫君            小沢久太郎君            谷口弥三郎君            堀  末治君            宮澤 喜一君            飯島連次郎君            奥 むめお君            大倉 精一君            木下 源吾君            東   隆君            山田 節男君            鈴木 強平君   政府委員    食糧庁長官   前谷 重夫君   事務局側    常任委員会専門    員       森 莊三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    食糧庁総務部長 新澤  寧君    会計検査院事務    総局検査第三局    長       小峰 保榮君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十六年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十六年度政府関係機関決算報  告書内閣提出)   —————————————
  2. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 只今より第六回決算委員会を開会いたします。  本日は昭和二十六年度決算三件、食糧庁の部を議題といたします。初めに七百七十二号から七百七十八号を問題といたします。先ず専門員説明を求めます。
  3. 森莊三郎

    専門員森莊三郎君) 只今議題になりましたのは食糧管理特別会計でありまして、食糧庁関係のことがありまするが、検査院報告百四十六ページに、大体の検査院の御意向が記されております。簡単でありますから、これを読上げさして頂きます。  「昭和二十七年においては、売渡代金徴収処置原材料用及び配給不適食糧売渡外国食糧及び包装材料買入食糧の集荷、運送保管等管理費並びに現品の受払整理等会計検査の重点をおき、食糧庁及び三三食糧事務所についてはその実地を検査した話果、別項に記載したとおり、食糧買入売渡運送及び保管等に関し処置当を得ないと認められるものが二一件に上り、そのうち本院の注意により過払代金等徴収処置をとつたものが五件ある。  なお、右の外、麦製品において二十六年度配給不適食糧として売渡価格から平均四五%程度値引して売り渡したものが一万三千二百余屯、その値引額四億千六百余万円あり、年度末でなお一万五千余屯在庫となつているが、これらは食糧事情の好転による配給辞退事情があつたとしても、主として実際の需要度を上回つて加工運送を実施したことに因るもので、今後このような事態の起らないよう一段の留意を要するものと認める」  というのであります。それに対し、当局からの弁明は、説明書のほうの第九十ページにございまするから、御参照を願いたいと存じます。  ついでに申上げまするが、只今の御審議は二十六年度決算報告でありまするが、極く最近に付託になりました二十七年度検査報告を見ますると、その百六十ページ以降に詳細に検査院の意見が出ておりますが、特にその不当事項の中で注意すべきものは、千四百九十七号という、それはビルマの米の黄変米による損失が八億円というもの、それから千四百九十八号に、イラクから買取つた大麦による損失が四億円ある。そのほかになお大部分のものが在庫のままであるということ、それから千四百九十九号、パキスタンと日本との間に、米と麦との交換をやつたのでありまするが、そこで金額の上で多大な損失をこうむつたこと、而もその在庫品がまだ多量に残つているということ、それから千五百一号、不急麻袋を、米などを入れます袋でありますが、不急麻袋買入れた。その代金が四億六千万円などというような、甚だ大品な不当事項がたくさん載つておりますことを、御参考までに申上げておきます。  さて問題に入りまして、七百七十二号でありまするが、これはタイ国から買入れました米の中に、粉になつた米が多かつたものでありまするから、それについて賠償金を請求しましたが、タイ国からの賠償金決定が遅くなつたので、これは向うの国が遅く決定したのだから、待つているよりほかに仕方がなかつたというような事情もありまするが、併しその後に至つて金額決定してからあとに、徴収手続が非常に遅いということが、検査院批難に上つております。そうしてなおそこで未納金額が、この当時は相当つたわけであります。  次の七百七十三号はゴルケツトという妙な名前でありまするが、本当はゴールデン・ビスケツト、黄金のビスケツトという、それを省略した名前なんだそうでありまするが、これは加工業者が当時このゴルケツトというものの売行が悪かつたので、全然何も仕事がなくて遊んでしまうよりほかに方法がなかつたので、その加工業社救済するために非常に多量加工政府がさせたのでありまするが、それが無益であつたということ、売行が非常に悪かつたものでありまするから、これを売却するときに多量の不適格品を生じた、それがために非常な損をしているのみならず、多額の保管料を払つて合せて三千二百万円くらいの損失になる。如何に加工業者救済のためとはいいながらも、余りにも勿体ないことをしたものだという批難のようであります。  次の七百七十四号はタイ国から米を輸入するに当りまして、普通ならば麻袋タイ国で、つまり売主のほうから供給するはずでありまするが、当時朝鮮事変があるとか、なお世界一般情勢が不穏であつたような関係で、どうしても我が国で整えなければならないような事情があつたということで、政府としましてはたくさんの麻袋買入れたのであります。これが世間の問題となつておりまする麻袋の問題、この二十六年度にはこの金額は八億七千万円と記されてありまするが、先ほど申しましたように、次の年度においては、更に重ねて不急なる麻袋買入れまして、四億六千万円というものが重なつたような形になつておるのであります。当時果してこのようなものを買入なければならないような事情が本当にあつたのかどうかということが問題であろうかと思われます。  それから次の七百七十五号から七百七十八号までは、これは前年にも同様の事件が指摘されているのでありまするが、これは食糧品を貯蔵しまするのに普通の営業倉庫入れて置いては保管料を払わなければならない。その保管料を節約したいという考えと、いずれ又その食糧品加工業者の手許まで運んで、そこで加工させるわけでありますから、それならば初めから加工業者が持つているその附属の倉庫に保管させて置けば、運賃も要らないし、保管料は只になるというような関係から、加工業者に保管させるということ  になつたのでありまして、考え方は非常に良かつたのでありまするが、中にはこの加工業者余り善良な注意を払つてくれないのみならず、横流しとかいうようなことをやり、而もその代金は自分のほうの営業上の手違いから、支払いをすることができないというようなものが相当あちらこちらに生じた例がここに出ているのでございます。
  4. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 検査院からの御説明を願います。
  5. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 七百七十二号から御説明をいたします。大体専門員の御説明で尽きておるのでありますが、これは先ほどお話がございますように、タイ米輸入いたしましたところが、砕け米が契約で定めました率よりも多かつた。それは賠償金が当然取れるのでありますが、二十七年一月までに輸入したもの二十九万トン余りでありますが、これにつきまして、二十七年四月、三月ほど経つておるわけでありますが、会計検査に参りましたところ、まだ全然賠償金決定をしていない、こういうので決定をしてもらつたわけであります。これは一月までの分でありますが、当時一億一千二百万円決定してもらつたわけであります。三月分を合せまして一億二千七十六万円、これが決定になつておりまして、そのうち千四百万円ほどがまだ未収、一億二千万円のうち千四百万余りが二十八年八月現在まだ入つていない、こういうことになつております。検査報告を書きました当時とちよつと金額が変つておりますので御参考に申上げておきます。  それから七百七十三号でありますが、これも先ほどお話がありましたように、統制時代ゴルケツトという子供用のビスケットを作つていたわけでありますが、これが食糧配給公団がなくなりまして、食糧管理事業が引継がれた当時におきましても非常に売行が悪かつた。この二百ページの四行目のところにございますが、二十五年度末に、もう百六十七トンという大量が売れないで持つてつたわけでありますが、それなのに業者要請入れまして、ここにございますように八千三百万円、五百四十二トン、こういうものを造つたわけであります。当時の情勢から行きまして余り売れないだろうということは当初から予想ができたはずだ。それを加工業者救済のため、こういうことで食糧管理会計がこういうものを造らせるのは妥当でない、こういう趣旨であります。業者救済の必要がありましたらば、それは別に一般会計なり何なりで考えるべきことでありまして、食糧管理会計としてこういうことをやつて損をするというのは甚だよろしくない、こういうのがこの案の趣旨であります。この案を作りました当時は、八千三百万円の購入に対しまして大体三千二百五十万円くらい損をするだろう、こういう予想をしていたのでありますが、これは相当甘い予想でありまして、当時残品相当ございましたが、その残品買入価格平均四五%で売れる、こういう計算で予想したわけであります。その後その残品が全部売れまして、現在では今の三千二百五十万円という当時の予想相当に殖えまして約四千万円、三千九百九十五万円、これだけ損をしたということがはつきりしておるわけであります。八千三百万円に対しまして三千九百九十五万円の損失をこうむつた、こういう事業であります。  それから七百七十四号は、これはタイ米輸入するときに、二十五年度におきましてタイ側麻袋が逼迫しまして、それまでは外米というのは御承知のように麻袋付き向うから売つてくれたわけでありますが、二十五年度に一時麻袋が逼迫いたしまして、日本側手当をしてほしい、こういう要請タイ側からあつたのであります。その麻袋最初に予定されましただけ要らないで、大部分タイ側手当できたのでありますが、そういう要求があつたので、二十六年度になりまして、多分去年も要求されたから今年も要求があるだろう、こういうわけで三百万枚というものを一時にどんと買つてしまつたわけであります。これが八億七千万円であります。ところが当時はすでにタイ側でもそういう麻袋を付けてでなければ売つてやらんと、こういうようなことがあつたようでありまして、文書として残つておりますのは、この二十六年八月にこの麻袋契約をいたしまして、二十六年の九月に向うから強硬な文書が来ているのでありまして、麻袋をつける、麻袋つきでなきや売つてやらん、その後一ヶ月ばかり前に五百万枚というものを一遍に買つてしまつたわけであります。私どもとしましては、それは必要であるかも知れませんが、御承知のように外米は一隻一隻船で入つてるものでありまして、そう一遍に五百万枚どんと買わんでもいいじやないか、ちびちび買つて済むのじやないか、こういうことを考えたわけであります。この事態は、その後全部麻袋つきタイ米が入つて参りまして、全然この五百万枚というものは要らなくなつたわけであります。そして而も八月に契約をいたしましたが、実際に納入されたのは、今申上げたように、もうタイ麻袋つきでなければ売つてやらんというふうな強い意思表示があつた後でありまして、もう実際に納入された当時は、この麻袋は要らなかつたということがはつきりしていたのであります。契約を見ますと、そういう場合には、当然契約を解除できるような条項があつたのでありますが、その条項を発動させませんで、全部この麻袋を引取つてしまつた。八億七千万円、業者に金を払つてしまつた、こういう事態であります。これはその後又二十七年度になりまして、これは百キロ入れ大型麻袋でありますが、小型の六十キロ入れというのを五百万枚、又買つております。これが又余つてしまいまして、二十七年度検査報告に同じような事態が出ているわけであります。これは四億六千五百万円でありますが、二十六年度の分は八億七千万円という非常に大きな金がここで差当り要らないものを買つてしまつた、こういうことになつているわけであります。  それから七百七十五号から七百七十八号でありますが、これは加工のために原料業者に交付いたしましたところが、製品としてこちらがもらう前に、横流しされてしまつた。こういう工場に対しましては、食糧検査官が、一々その原料なり、製品の出入りを検査して監督しているわけなんでありますが、その監督が行き届かなかつたのに、こういうような事態を惹き起したわけであります。で、四件でありまして、弁償を要する金額が千百五十一万円でありますが、そのうちこの検査報告を作りまして以来、収納未済が千三十一万円、こういうことになつております。その後に昨年の一年余り経ちまして、二十八年の十一月末現在では、これがほんの僅か減りまして、千三十一万円が九百六十八万円に減つております。ほんの僅かでありますが、少し弁償された。現在では大体まあ九百六十八万円というものが未納になつている、こういうことになつたのであります。
  6. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 食糧庁当局の御説明を求めます。
  7. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 只今専門員のかた並びに検査院から、批難事項として挙げられたものについての御説明があつたわけでございますが、逐次今頃を追うて御説明、それからその当時の事情お話申上げますが、第一に先ず総括的にでございますが、昭和二十六年度という年は、御承知通り四月に食糧配給公団が廃止になりまして、いわゆる配給業務民営配給業者の手に切換えられたときでございまして、従来の公共機関的なものによる配給磯間が、純民営機関配給が切換えられたときでございます。そしてその当時から、麦類につきましては、順次統制撤廃という方向に行くような考え方が動いていた時代がございます。ところが輸入食糧につきましては、当時はまだ、世界的には、生産は漸次回復して参りましたけれども、まだ売手側が強い立場にあつたときでもございまして、この内地食糧不足分を補慣するために、外国食糧輸入するにつきましては、相当努力を要した状況であつたのでございます。而してこの間買入、売却、或いは運送等に関連いたしまして、今問題とせられているような種々の批難を受けますような事態が起りましたことに対しましては、食糧庁といたしまして誠に申訳がないと、こう考えておる次第でございます。  でなお、細目に入りまして御説明を申上げますと、一番最初の、タイ米に対する賠償金収納が遅れておりますることにつきましては、御承知通りタイ米タイからの米の輸入は、タイ側といたしましては、非常に国家の統制力が強い国柄でございまして、いわゆる自由貿易という形が行われておらなかつたわけであります。殊に只今も御説明申上げました通り売手側が非常に強い立場であつたというようなことのために、入つて参ります米の品質、数量等につきましての検定が、自由平等でございますと、着地検定の結果が最終的な検定の結果となるわけでありますが、当時は今申上げた事情でございまして、着地検定でなくて、発地における検定の結果が、いろいろとこちらから異議申立てる基礎になつたという状態にあつたのであります。そのために着地検定した結果を、国際的な検定機関からありました報告に基いて、契約事項に違反していることは、こちらからその都度異議申立てを行なつているのでございますが、それが向う政府当局との折衝になるわけでありますが、なかなか向う政府当局の事柄の解決が常に手間取つているような状態でございまして、常に相当の時日を経るのが実情であつたわけであります。本件につきましても、そういうような事情で大変遅れたわけでありますが、今申上げた事情でありまして、話がきまりますれば、その都度請求をいたしておつて大体大部分のものは非常に時期が遅れるのでありますが、一応賠償金は取立てているわけであります。ただ、中に、いろいろ先方の国内事情によりまして、回収が非常に遅れ、困難を来たしている事例が発生いたしております。この件につきましては、私どものほうとしても、常に早期に回収ができますようにいろいろその後も努力を進めている次第であります。次のゴルケツト購入でございますが、これはたまたま先ほど申上げました通りゴルケツト購入するに当りましては、時期が公団から民営へと、配給機関業務形態が移つたわけでございますが、ゴルケツト政府買入れますに当りまして、公団自体公団を通じて家庭に配給しておりましたので、いわゆる民営になりましてからも、こういう配給を必要とするかどうかということを私どもとしては一応県当局に照会をいたしまして、その県からの報告と申しますか、希望数量に基きまして、一応ゴルケツトを買うように手配したわけでございますが、本来ならば、配給機構民営移つたのでありますから、政府が何も買わないで、県の卸なり、小売なりが直接手当をして希望者配給するという形をとるのが本来であるのでありますが、公団から民営に移りました当座、なかなかこの業者の資金の手当等も潤沢でございませんので、一応政府が買いまして、必要に応じて、今申上げた民営のたわけでありますが、結果といたしまして、非常に多量の売れない品物が出て来た。そして相当値引きをして売らなくちやならないということは、これは私どもといたしましても、もつとよく当時の需給事情というものを十分見て、又ゴルケツトという品物はいたみやすい品物であるということを十分念頭において処理すべきものであつたということを、非常にその点注意が行き届かなかつたということに対しまして、甚だ申訳ないというふうにその責任を痛感しておる次第でございます。  次の不急麻袋購入したという件でございますが、これも先ほど検査院のほうから御説明がありましたような事情でありまして、非常に従来の食糧輸入経過から申しますと、売手側の要望に対して常にこちらで応えるような体制になければならなかつたということが、一つの大きな私ども考えを支配しておつたわけでございますが、麻袋は御承知通り国内としては原料がありませんので、輸入原料で作らなくちやならないというような製品でございまして、而も当時は朝鮮事変等関係もありまして、相当大量の品物を要るときに急拠集めるということが非常にむづかしい事情でありましたので、輸入国側からの如何なる要請があつても応え得るような状態を作つておかなければならないということから、麻袋政府が作らせまして、不時の事態に備えるという態勢をとつてつたわけでございますが、これも事情の推移をよく見極めながら処置すべきであつたと思うわけでございますが、事実事情がその後非常に変りまして、そのつたわけでございます。これも注意の至らなかつた点特に遺憾に思つております。なお、これに関連いたしまして、二十七年度にも続けて買つたということで今お話が出たのでありますが、二十七年度に買いましたのは、実は当時二十七年度に入りましてから、麦類統制撤廃をいたしたわけであります。それまでは米麦共に強力な政府としての直接管理形態をとつていたわけでありまして、それに伴いまして、この容器であります麻袋そのものにつきましても、政府が直接その現物を握りまして、必要に応じて政府手持麻袋を回転して使つたというのであつたのでありますが、麦類統制撤廃をいたしますと同時に、麻袋につきましても、もう政府自身管理をする時期は過ぎておるのじやないかという観点から、これも政府が直接管理いたすこともやめたわけでございますが、そういたしますと、政府といたしまして、輸入食糧がどういう状態で入つて来るかということは、なかなか予想の困難な事態におきまして、政府が全然無準備で輸入を迎えるということも非常に不安な感じを抱いたのでありまして、需給調節用政府予備貯蔵という形で二十七年度におきましても麻袋を大量買つて手持ちしたわけでございますが、その後、麦類輸入は当初考えておりましたほどの経過を辿りませんで、結局市場から回収をして参ります古い麻袋十分操作が間に合つたということになりまして、政府予備貯蔵とにしました数量は、全然手を触れないで済んだということになつたわけでございます。輸入食糧の見込みにつきましては、なかなかむづかしい事情もあるのでありますが、もつと注意を加え、検討を加えて処理いたしますならば、このようなことに或いはならないで済んだのであろうかと存ずるのでありまするが、今申上げたような事情で、こちらといたしましては、思い過ごしと申しますか、非常に神経過敏に考えまして、大量の麻袋を買付けた。而もそれは使わないで済んだというようなことは、甚だ不注意の感を免れないじやないかと存じまして恐縮に存じておる次第でございます。  なお、七百七十五から七百七十八までの件につきましては、これは先ほど専門員のかたからお話がございましたような事情で、民間側工場に保管させたわけでございますが、これも十分工場側監督見廻りが十分行届きますれば発生しないで済んだかと思うのでございますが、悪質な業者も中にはおりまして、表だけは中味の入つたもの、内側には空つぽのを入れたというようなものもあつたりなどいたしまして、政府品物保管先工場側で無断で横流し等をするというような事態をいくつか惹起したわけでございまして、現地の職員がもつと綿密に見廻り巡視をするならば、これらの事態は未然に防げたものかと存ずるわけでありまして、甚だ遺憾に存じております。今後はそういう事態が発生いたしませんように、十分政府貨物管理につきましては間違いの起らないように、保管管理に十分の注意を持ちますよう厳重に注意を与えておる次第でございます。  以上只今議題になりました各件の事情につきまして当時の模様を申上げたわけであります。
  8. 小林亦治

    委員長小林亦治君) それでは只今より質疑に入ります。御質疑のおありのかたは御発言を願います。
  9. 山田節男

    山田節男君 これは政府委員は出席されるのですか。長官か或いは農林大臣……。
  10. 小林亦治

    委員長小林亦治君) 食糧庁長官は見えておりますが、衆議院のほうで只今担当しておられて、終り次第にもうじき参るそうです。
  11. 山田節男

    山田節男君 質問がありますが、私はやはり食糧庁長官が来られてから質問したいと思います。
  12. 小林亦治

    委員長小林亦治君) なお、岡村監督課長も見えております。
  13. 山田節男

    山田節男君 じや説明員としての一応回答を求めて私は質問いたします。このタイに止まらず、大体多量主食殊に米を輸入する場合の国に対しては、食糧庁は、その購入契約については、農林省食糧庁関係の公務員が、その国へ行つていろいろ調査し、又契約に対しても監督するようになつているのですか。
  14. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) お答え申上げます。契約条項につきましては、大体米の輸入国との間は、タイビルマと、大部分のものは政府間の貿易という形でやつております。契約を締結するにつきましては、政府間の話合いできめているわけでありますが、この問題となつております当時は、必要に応じまして、いろいろ物を見或いは見積り等職員が時として参つたことはございますが、常駐をして、契約事項が完全に履行されるかどうかというような監視的な或いは検査的な意味合いでの人を派したことはないのであります。そういうような事情でありまして、その後いろいろ問題が起きているというようなことでありますので、今後はそういうことを未然に防ぐという意味で、主要な相手国に対しては常駐的な人を派遣するようにということを考慮しているわけであります。昨年は、一番積込みが危険な時期でありまする七、八月の頃に、ビルマに対してこちらの技術者を長期出張させるというようなことをやつたわけであります。今後は、これをもう少し長い期間、向うに駐在させるというようなことを期年度からはやりたいと、こう考えております。
  15. 山田節男

    山田節男君 今七百七十二号で指摘されている不当事項の場合、即ちタイ国から約三十万トンの米、価格において百四十六億円という、こういう大きな購入契約をする場合に、今おつしやつたように、食糧庁から専門の検査官なり監督官というものを送つてあるのですか。
  16. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 結論を先に申上げますと、本件の起りました当時は人を送つておりません。これは当時何と申しますか、売手側と買手側の力の関係もありまして、当方からそういう人を送り込みますことにいろいろ困難な事情がありました結果等の関係で、当時は人を派遣しておりません。
  17. 山田節男

    山田節男君 ということは、ここに書いてあるように米の購入についてタイ国政府との交渉は相互貿易株式会社外二十一社、これに全部交渉を任せたということになるのですか。
  18. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 今お読上げありました会社は、荷の引取につきまして食糧庁の委託を受けて、荷を引取つているということでございまして、どういう品物が船積みされたかというその内容の検定につきましては、これは日本側は当時あまり発言権を持つておりませんで、向う政府機関検定をいたしましたその結果が、こちらに何と申しますか、押付けられていたというような実情であつたのであります。
  19. 山田節男

    山田節男君 これは常識的に考えて、殊に一国から百四十六億円有余の米を輸入するという場合に、これは二十六年度ですから、もう日本は平和条約締結後ですね、独立になつているのです。然るにそういう米の品質の検査まで日本政府側でできないということはあり得ないと思います。タイ国のそういう米の輸出関係当局者に全部それを任して、そうしてそれを引取るというようなことは常識では考えられない。幾ら占領軍政下であつても、事輸入に関しては少くとも政府がこれを責任を持つてやる以上は、輸出し又或いは購入する側においても、品質の検査ということが行われないという理由はどうしても発見できない。どういう理由で、そういう一方的に向うで押付けたものを買うというようなことになつたのか、或いはこれをもつとありていに言えば、駐留軍の司令部かそういつたような何か差金があつて、そういう実に常識では考えられないような、こういう多額な取引を、販売先の御意思に任せて買うということは、これは政府として果して責任ある行為と言えるかどうかと思うのですが、その間の事情がどういうものであつたかということを、もう少し具体的に説明して頂きたい。
  20. 新澤寧

    説明員(新澤寧君) 今御指摘のような点が考えられるかと思いますが、実情といたしましては、いろいろ貿易商品の検定をやりますにつきましては、国際的な検定機関というものが幾つかあるのでありまして、物によつてはそういうものによつてやるのでありますが、タイ国側として、日本に着きましてから、そういう検査をやるのにつきまして、向う側としては賛成をしなかつたということから、止むを得ず発地におきまして検定をやつたわけでありますが、その際におきまして、日本側といたしましても、タイ国側の承認を得まして、国際的な検定機関として公認をされております検定人に検定をやらしたというような次第で処置したわけであります。
  21. 山田節男

    山田節男君 長官が見えたようですから、それでは改めて食糧庁長官に質問いたします。この七百七十二号で指摘されている賠償金請求の処置当を得ないものという件でありますが、今の説明員からの説明によると、約三十万トンの米の購入代価百四十六億円余というものの、これだけのものを購入するに際して、責任者である食糧庁としては何らこの品質の検査、或いは購入に関するいろいろな議交渉を、タイ日本との両政府間の交渉に任せ、そうして実際米を輸出する場合には、その品質等においては、タイ国政府だけが責任を持つてつた、こういう説明なんですが、それに相違ありませんか。
  22. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げます。その当時におきまする食糧事情は、御承知のように非常に国際的にも窮迫いたしておりまして、タイの側におきましては、タイ国政府が米の輸出の統制をいたしておつたのでありまして、タイの米の輸出につきましては、御承知のように政府間の通商協定に基きまする政府間の取引と、それからもう一つはタイ国政府タイ国人に対して輸出割当をする、いわゆる民貿の場合と両方でありまして、当時といたしましては、政府間の貿易も割当によりまして数量は限定されておりまして、外交機関を通じてこの数量の増加について努力をいたしておつたわけでありますが、そういうような事情にございますので、主として輸入につきましては、政府間の交渉によつて価格数量等をきめて参つたというような次第であります。
  23. 山田節男

    山田節男君 この件に関しては、米の買入れについて相互貿易株式会社ほか二十一社に、これを政府の代理として受取りについての権限を与えておるわけですが、なぜ二十一社という多数の会社にそういうものを委したか、その理由は何ですか。
  24. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 当時といたしましては、御承知のように民貿開始早々でございまして、日本側といたしましても、商社が御承知のように或る程度多数に亘つてつたわけでございまして、食糧庁といたしましては、食糧輸入の実績のあるものにつきまして登録をいたしまして、その登録に基きまして、これを代行といたしまして使つてつたわけでございます。だがその後の状態といたしまして、余りに多数に亘るということが、むしろ向う価格を引上げるというふうな虞れもございましたので、その後におきまして、これを限定して参つたわけでございますが、その当時におきましては、まだ民貿の開始間もない時期でございましたので、直ちにこれを少数のものに限るというわけには参らなかつたのであります。
  25. 山田節男

    山田節男君 私は昨年の一月、それから今年の一月も、実はバンコツクに所用があつてつて、約二週間ばかり滞在して、この米の問題について私いろいろ向うの農林省の説明を聞いたのですが、タイはこれは一昨々年の問題でありますが、昭和二十七年度に跨つており、更に二十八年度購入しておるから、私質問申上げるのですが、タイについては、これは食糧庁として主食の輸入先のことはいろいろ研究しておられると思うのですが、タイにおいて、私が実地にあそこに滞在して、今八十社ばかりの代表が駐屯しておりますが、いろいろ事情を聞きますと、タイ政府で或る物を買う、或る物を売るといの場合には、各省の少くとも課長級の者に話をつけなければならん。その話の糸口をつける相場が向うの金で二千バーツ、これは一バーツ二十円として邦貨で四万円現金を課長に先ずもつて行かないと話ができない。それが部長、局長、大臣ということになれば、莫大な金が要る。そのことを商社自体が、八十数社のものが集つてお互にしのぎをけずつておる。例えば課長に出す二千バーツの相場も次第にせり上つておるというわけで、商社は泣いておる。泣きながらも、そういうわたりをつけるために、タイ政府に対して何か話をつけるには、先ず以てそれをやらなければならないと言つている、こういう事態なんです。御承知のようにタイは精米も殆んど今日において八割は華僑の手からとつて、国営にしております。従つて輸出については、米、チーク材の輸出に対しても、非常に厳格な国家管理をやつておるわけです。そういうような実態を私は見て、こういうような食糧庁が二十六年度の際において、二十一会社に分散せしめて米の納入をさせた。そうして、その輸出したものが今のような細米の混入と言いますか、非常に質の悪いものを輸入しておる。こういうことを私は見ますと、これはセーロンにおいても然り、又ジャワにおいても然り或いはアメリカからも然りでありますが、少なくともこういう多額の金を費やして主食を購入するという場合に、今の説明員に伺うと、食糧庁からもなんら監督官も検査官も送つてないという。これは実に私は食糧庁として責任を全うしていないと、こう思うのですが、これは長官として、一昨年なり、或いは昨年なり、こういう事態が私は繰返されているのじやないかと思うのですが、なぜ検査官なり、監督官というものをこれだけの莫大な米を購入する場合において、送らないのか。誰がそういうことを禁じたのか。この点についてお伺いしたい。
  26. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げます。当時の状態は御指摘のように、我々の方の関係のものが参つておらなかつたのでございますが、最近外務省の一員といたしまして、昨年から農林省から事務官を派遣いたしておるわけでございますが、御承知のように一応現在の状態としましては、滞外駐在員は外交一元化の建前からいたしまして、大使館の所属の中に入ります。定員法の関係もございますので、一名だけ農林省から派遣して書記官として駐在いたしております。私どもといたしましては、大蔵省といろいろ交渉いたしまして、必要の都度出張の形で検査員を派遣しております。主として契約の締結の当時、細目の協定をいたしまする場合において、必要なる場合に駐在と申しますか、長期出張の形で関係検査官を派遣いたしているわけでございまして、常時これを検査官が駐在いたすというふうなことにやつておりませんので、先ほど説明員から申上げましたように、国際的な検査機関を通じまして、その検査によりまして内容の正確を期したいというふうに考えておるわけでございます。ただ本年度に至りましては、御承知のように昨年の九月に通商協定ができまして、大体三十万トンの政府間の割当数量決定いたしておりますが、その際の交渉におきまして、あと十万トン程度のものは、政府貿易によつてこれを輸入するというふうな話合がついておりますので、本年度におきましては、民間貿易としての輸入は殆んどないのでございます。御指摘のような点は政府間の貿易と申しますか、よりも、いわゆるタイ国政府タイ国人に対して輸出権を与える。その輸出権を持つている者から輸入するといういわゆる民貿の場合に非常に問題が多いのであります。政府間の貿易におきましては、品質、規格、価格等も一定いたしております、そういう形でだんだん進めて参りたいというふうに考えております。
  27. 山田節男

    山田節男君 これはタイ国にとどまらず、こういう多量な米を、或いは小麦を、麦の場合もそうですが、殊に米を輸入する先々の国情、経済情勢、慣習、こういつたものは食糧庁のほうで精細に調べた資料を持つておるのかどうか、この点を伺いたい。
  28. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、実は戦前におきましては、タイの場合、仏印の場合、ビルマの場合各一社が政府の代行として商業貿易に、米の取引に従事いたしておつたわけでございまして、その当時におきましては、いろいろその国におきまする状態というものを調べておつたのでございますが、最近におきましては、その後それぞれの各国の状態が非常に違つてつております。古いデータはございますが、最近の継続したデータとしては詳細なものを持つておりませんが、大体毎年一回乃至二回係官を派遣いたしまして、米の作柄状況なり、或いは輸出の状況なりいろいろ取引の状況というものを調査をいたしておるわけでございますが、主としてそういう根本的な調査は外務省を通じて資料を入手して参つており、必要の都度我々のほうから調査に参る、こういう形でやつておるわけでございます。
  29. 山田節男

    山田節男君 これは七百七十四号の不急麻袋購入したということに関連するのでありますが、少くともこれほど多量な米を輸入することになれば、麻袋、これは恐らくジュートの袋じやないかと思いますが、例えば七百七十四号に指摘してあるように、タイでこういう何百万という麻袋を調達するということは、これはタイはジュートの産出地じやありません。で、一番安く買う方法としては、これはまあカラチか、或いはカルカツタ、殊にカルカツタで買えば、これは麻袋というものは相当安いのです。これだけの金額に見積るということになれば、若し食糧庁が米をできるだけ安く国民のために輸入しようということになれば、これほどの数量、これほどの金額に達するものであれば、やはり食糧庁として、もつと安いところから購入して、そこに持つて行く。例えばカルカツタ、セイロン或いはジヤワ、バンコツク、仏印に持つて行くということは、これは経済行為として当然のことじやないか。然るにこのケースを見ると、我々見ても、ちよつと常識的に考えても、如何にも馬鹿らしいことをあえてしておる。一体こういつたようなことの是正ということに対して食糧庁は意を用いておられるのかどうか、この点を一つお伺いしたいと思います。
  30. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 只今麻袋事情につきましては、お話のようにカラチが産地でございまして、原料はパキスタン、製品はインドということでございますので、海外からこれを直接に輸入する場合には、お話のような状態でなければならないというふうに考えます。ただこの場合におきましては、米の輸入を昔戦時中におきましても、満洲で通い麻袋で行いましたように、先方からの申入れで、通い麻袋という考え方で以ちまして国内からの調達を考えたわけでございますが、御承知のように本来でございますると、これは当然麻袋込みで買う事情にあるのは、取引にあるのは当然でございまして、今後といたしましては、十分そういう点について我々としても注意をいたし、又検討をいたさなければならないというふうに考えております。ただ現状の状態からいたしますると、今回からこれを特に調達するという必要性もございませんので、大体麻袋込みで買つてつておるわけであります。取引の具体的な方法から申しますると、やはり麻袋込みで買うわけでございますが、これがお話のようにそれぞれ別個に安くカラチで麻袋を買いまして、そうしてタイのほうでタイ米を買うということになりますると、或いはより経済的に行ける場合もあろうかと思いますが、タイ国との取引、特に先方は米の輸出権限を一手に握つております関係上、やはり向うの従来の商習慣に従いまして麻袋込みで買うといことのほうが適当であろうということで、麻袋込みで、できるだけ安く買つて参るということに十分注意をいたしたいと考えます。
  31. 山田節男

    山田節男君 もう一遍確認しておきますが、この七百七十二号というような事態を繰返さないために、もう二十七年度の一月以降においては、これは単にタイ国だけでなくて、他の米を輸入する先に対して、相当食糧庁としては検査監督、こういうようなものを、そのためにも派遣して、検査監督の任に当らせておる、そういうふうに私了解するのですが、例えば今年度の予算において、多量に米を輸入した国々に対しては、おのおの専門の検査官或いは監督官を置いて、米の購入に対してそれを監視するというか、そういうことをやつておられるということは事実ですか。
  32. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 今年度におきましても、従来御承知のように海外旅費として、食糧庁は業務関係タイ又はビルマ或いはパキスタン等南方諸国に対する出張を認められておるわけでございますが、特に二十九年度におきましては、現在国会に御要求申上げております予算におきましては、昨年度よりも更にこれをずつと金額を殖して頂きまして、タイビルマ、特に小麦関係でアルゼンチンというふうなところに或る程度の駐在的な長い期間ではございませんが、数ヶ月必要な場合にはいるという形で、予算を要求いたしておるわけでございます。予算が通りますれば、そういう形になり得る、こういうことになるわけでございます。ただ長期の出張の形でございまして、一年間絶えずその何がいるというわけにも参りませんので、原則的にはやはり責任のある国際的な検査機関を通じまして、これの保障の下に購入をいたしたい、ただそれを更に監視するために、必要な時期において検査官を派遣いたしまして、その状況なり実態を監視いたしまして、更にこういうことのないように努めたい、かように考えております。
  33. 山田節男

    山田節男君 この七百七十二号の場合は、相互貿易株式会社ほか二十一社がタイ国政府購入——この文章によりますと、この相互貿易株式会社ほか二十一社から総額百四十六億何ぼで買入れたタイ米二十九万トン何ぼ、こういうふうに書いてありますが、この買入行為というのは商社が政府とやつたように思えるのですが、先の説明によると、政府間でこの売買の協定をして、そうして品質なり量なりをきめたということに言われておりますが、その商社がこの問題についてタツチするのはどの部面なんですか、これを一つお伺いしたい。
  34. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、タイ国との貿易は二つございまして、大きな大部分のものは政府貿易でございますので、数量価格、規格等は政府間で協定いたしまして、商社はFOBから食糧庁に渡すまでの運送代行業務になるわけでございます。商社の場合におきましては、そういう政府貿易の場合におきましては、運送代理業務になりますが、別にその当時におきましては、タイ国側はいわゆるフリー・クオータと申しますか、タイ国人に輸出権を与えまして輸出をいたしまする場合があるわけでございます。この場合におきましては、商社がタイ国の輸出業者契約をいたしまして、そうして食糧庁が商社との間に売買をいたしますいわゆるフリー・クオータの場合におきましては、これはタイ国の輸出業者と商社との売買契約及び商社と食糧庁との売買契約、こういう形になります。取引の形態によりまして商社との関係が二様になるわけでございます。
  35. 山田節男

    山田節男君 この場合フリー・クオータによる売買はこの件については何%くらいですか。
  36. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 今精細にその数量については調べまして御報告申上げたいと思いますが、当時といたしましては、相当部分政府間の貿易になつておるはずでございます。ただその当時の輸入といたしまして、輸入数量は、タイ国側におきましては、相当政府間の貿易を制限いたしまして、そうしてフリー・クオータ、この場合におきましたは、価格が高くなるわけでございますので、そちらのほうに持つて参る傾向はあつたわけでございますが、大体におきましては、普通の契約におきまして、ほぼ通商協定におきまして毎年二十一万トンから三十万トンの間は政府貿易として決定されておるわけでございますが、これはその年代によりまして、その通りに参つておらない場合もございまするが、大体二十万トンから二十五万トンくらいのものは、政府貿易でできておりまして、あと日本側食糧事情が窮迫のために、更にそれより余計に輸入いたしたいという場合におきましては、フリー・クオータのものを買う、こういう形になつておるわけでございますのも、その部分も入つて参ろうかと思います
  37. 山田節男

    山田節男君 これは私の希望になりますが、先ほど申上げたように、タイにおける輸入貿易については、これは日本とは違つた習慣といいますか、そういうものがあるわけなんであります。で、これはいきなり二月や三月そこに駐在官がいたつて、なかなかそういつたような裏面といいますか、これは私はむずかしいだろうと思います。先ほど申上げたように、現在あそこにいる八十数社の代表者が国をひとしくして言うことは、政府からの輸入ライセンスを得るためには厖大な金を使つておるわけであります。この米の輸入に関して、少くともこのフリー・クオータによる輸入の場合には、疑えば裏面にどういうスキャンダルがあるかということは私は想像に余りあるものがあると思います。従つてこれを考えると、年間百五十億円に近い輸入をするならば、これは三百万や四百万の金は要つて向うに常駐の駐在官を置いて、そうしてこういう方面を本当に正単にタイ国にとどまらず、他の主要な米の輸入国に対しては、その地元の経済事情なり慣習なりを十分精査して、その上で商取引をすることにしないと、私はこれは単なるタイ国の一例に過ぎないのであつて、これを以て全般を推すということも、これはできると思います。この点は特に私は長官は米の輸入ということについては、十分一つこの点に留意されて、十分なる一つ検査と監督を行なわなくちやいけない、又そうされることを私は強く要請しておきます。
  38. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 只今の御注意非常に有難いことでありまして、我我もそういう考え方でおるわけでございます。実は二十九年度からは、特に農林省からの定員を外務省のほうに、在外定員がございませんので振替えまして、タイビルマ、インドネシアというふうな、特に関係の深い所におきましては、一名づつ大使館の書記官、或いはそれに類するものとして駐在いたしたいということで進めておるわけでございますし、又専門家を或る程度長期に出張させまして、そういうこともやつて参りたい。特に国際的な検査機関に対しましては、我々が国内におきましてもいろいろ検査の方面に熟練をした者がおりますので、そういう者を御採用願いまして、それがタイ国に行きまして、国際的なインスペクターとしての立場において検査をして行く。併しこの場合におきましても、やはり日本人がそういうことに当るということが必要だと思いますので、そういうことも考えて交渉いたしておる次第でございます。十分注意いたしたいと考えます。
  39. 平林太一

    ○平林太一君 七百七十四号の「不急麻袋購入したもの、これは結論としていろいろ今弁明があつたが、会計検査院の批難要項として、ここに酸いたしておりますものに、「本件は、契約上納入を中止させることができる条項があるのに、二十六年九月、タイ国政府から麻袋付輸出をする旨の意思教示のあつた後も適宜の処置をとらないで三、〇〇〇、〇〇〇枚の全部を納入させ、うち二、一二〇、〇〇〇枚は二十七年一月から三月までの間に納入させたもので、結局、その保管料として二十七年九月までに二五、三八一、六五三円(月当り約三百万円)を支払つている状況である」、こういうことに対して前谷君御自身、あなたのいわゆる食糧庁長官としての職務を遂行しているという責任から、どういうふうにこれを御答弁なさるか承わりたい。
  40. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 七百七十四号の麻袋購入でございますが、これにつきましては、結論を申上げますと、その当時の見通しの問題が食い違いまして、そうして結局におきまして使用せざる麻袋購入したということは誠に遺憾でございまして、この点非常に衷心から遺憾に感じておる次第でございまして、なお、当時の責任者に対しても厳重な注意を与えたこともございますが、その際におきまする事情は、すでに御説明を申上げましたように、九月におきまして、タイ国から、タイ国政府が所有いたしておる麻袋日本側で買え、こういうふうな話がございまして、その当時すでに国内での調達の手当をいたしておりましたので、数回外務省を通じまして交渉をいたしたわけでございます。その結果四百五十万枚のうち百五十万枚を現地で払下げてもらいたいということで交渉をいたしておりましたが、タイ国側といたしましては三百方枚の政府の手持を日本側がこれを購入しろというふうな強い要求があつたのでございます。従いましてその場合におきまする状態からいたしまして、外交機関を通じていろいろ交渉をいたしまして、十二月に至りまして最終的にタイ国側が麻袋付で米を輸出するということが決定したという報告があつたわけでございます。その当時におきましては、御承知のように、パキスタンとインド側におきましての紛争関係もございまして、又将来いつそういう事態が起るかもわからないという危惧をいたしたわけでございまして、実は食糧庁といたしましては、戦争中におきましても、満洲の雑穀なり大豆なり、そういうものをとるために麻袋が不足のため非常に苦労をした経験がございますので、若しあの食糧事情の下におきまして、麻袋が不足のために、そういう事態が起つては大変だというような気持も手伝いまして購入を続けたわけでございますが、結果といたしまして、そういう判断を誤まつたということにつきましては、非常に遺憾に存じておる次第でございます。
  41. 平林太一

    ○平林太一君 これは今前谷君御説明の遺憾であつたというようなことは、甚だ従来の官僚独善の根本的観念というものを改めないものを内蔵しておるから、そういう言葉に出る。遺憾であつたというのは無礼千万ではないか。誠に申訳けがない、取返しのつかないことをいたしました、幾重にもこれはお許しを願いたい、こういう態度に出なくちやならない。何でも官僚というものは遺憾であつた、何か事が失態をいたせばそんなことで、世事、官僚以外の世界では通じませんぞ。遺憾であつたというのは根本的に一つお考えを願いたい。重大なる責任を以て事に当つておる、十三億円という金だ、而も……。これがまだ何百万とか或いは一千万円というような単位ならいいが、十三億円というものなんだ。それじや見通しを誤まつた、誠に遺憾であつた、見通しを誤まらせないために官吏というものは置くものです、これは……。これは御列席の前谷君以下食糧庁の諸君がここにおられるが、こういうことを併せてここで……、あなたがた実際の問題といたしますれば、こういうものは当然首の問題なんだ。こういう失態をしたものは、当然もう依願免官でない、懲戒免官にすべきものあでる。それによつて官紀の振粛というものは維持されるわけである。官紀の紊乱というものは国家の秩序の維持の根底を破壊することになるわけである。今年において一兆億円という莫大な予算を緊縮予算としてやつておるが、それをそれぞれ現金を取扱うのがあなたがただ。我々のほうにおいてはただ数字をそこで審議し、議決するだけだ。だから一兆億円のうちの今言う通り一億円、二億円、十億円というものが、あなたがたの見通しを誤まつた、或いは遺憾であつたというような極めていわゆる今日の民主政治で言えば非民主的な官尊民卑で、国民を俗に言いますければ、極めて軽視した態度である。そういうことをなさるから、そういうような事態が出て来るわけです。それはまあ一つ食糧庁全体に、あなたお帰りになつて、こういう機会を通じてお話にならなければ困る。この十三億円に対しまして、先刻あなたの御答弁にはそういうことには触れていなかつたが、これは二十六年九月、タイ国政府から麻袋付輸出をする旨の意思表示のあつたそれは誠に遺憾である。只今前谷君からお話通りそれはそのときの事態でそういうことになつたのだから、向うから麻袋付でやつて来るということになつたならば、当然その交換条件として麻袋の今まで何したものはあと買いませんということで事はすむわけです。それをそれ以後において、なお且つ二十七年の一月から三月までの間にこれを納入を受けておつた。そうして保管料は月額三百万円支払つていた。一体これはどういうことなんです。常識上判断行かんことです。なぜそのときにそういう交渉をなさらなかつたのか。したのかしないのか。して拒否されたのか。やつた事実があればいつどういう経路で、政府でおやりになつたのなら、それでよろしい、資料としては政府の手で出したということがちやんとわかるはずですから、一つそれを詳細に御説明願いたい。
  42. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 只今私の申上げ方が悪かつたのでございますが、我々としても非常に申訳ないというふうに考えているわけでございますが、この件につきましては、九月にタイ国側から麻袋付で輸出をするというふうな形に最終的に決定いたしませんで、タイ国政府麻袋を、日本政府の危険負担におきまして、タイ国側にそれを保管するというふうな申出であつたわけでございますので、すでに契約もいたしておりまするし、又従来からタイ国側の官辺におきましては、非常に交渉上、いろいろ先方の言い分も変つたりいたして参りますので、或る程度安心ができないという気持もあつたわけでございます。その後に至りまして、十二月に最終的にタイ国側といたしましては、麻袋付で輸出ができることが在外公館からの報告によりまして、はつきりいたしたわけでございますが、その当時といたしましては、更に又朝鮮事変も発生し、進駐軍の莫大な発注等もございましたし、我々の考え方といたしまして、麻袋の需給が緩和いたさないのじやなかろうかというふうな考え方で以ちまして、購入を続けたわけでございますが、見通しの誤りによつて、こういう事態を招来いたしたということは非常に申訳ないと考えているわけでございまして、十分今後におきまして、こういうことのないように注意いたしたい、戒心いたしたいというふうに考えているわけでございます。
  43. 平林太一

    ○平林太一君 只今の弁明ではただ弁明のための弁明で、我々国の意思としては、国民の全体に対して、こういうことが少し徹底されたら、いかに政府に対する不信、政府の役人というものが無責任なことをしているかということに憤激を禁じ得ない問題である。幸いにしてここだけで、こういう問題はこれ以上わからいなから、拡がらないから、これですむが、それについても、我々はこれを今後厳しく監視して行かなければならん。大体十三億円なんていう、袋なんです、これを一度に買うというような計画が狂気の沙汰なんです。随時それは必要に応じてできることである。そういう措置をとれば、さような莫大な数字にならなかつたのじやないか。現在、そういう今の御答弁だが、現物は今どうなつているか。その麻袋の現物は、その後十三億円に該当する麻袋の一枚々々のものは全然不必要になつて、これだけのいわゆる損失をしたわけですが、併しこれに代るべき袋はあるわけですから、どういうふうに今までお使いなさつたか、それから現在どのような状態にあるか、お聞きしたい。
  44. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 本件の麻袋につきましては、御承知のように、今年度の米の不作によりまして大麦、小麦のばらのものが相当つてつておりまするので、現在におきましては、大体二十九年の一月におきましては十九万枚残るわけでございますが、大体におきまして、これは三月までの間には使用せられる見込みでございます。実は御承知のように、小麦にいたしまして約二百万トン、大麦が八十五万トンから百万トンの間、約三百万トン程度のものが毎年ばらとして入つてつておりますので、四、五千万枚の麻袋を延べといたしまして使用しなければならない状態になつておるわけでございます。回収状況等も見まして、幸い本年度輸入の増加によりまして、これが殆んど使用されるという見込みでございます。
  45. 平林太一

    ○平林太一君 この現物はどこに保管されておるか。それからいずれにしても二十六年というと、今年は九年、四年がかりであるから、今それらの破損等はないのか。それらの点について詳細に……。
  46. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 本件につきましては、当初袋詰め及びタイ国に輸送するつもりでございましたので、港の営業倉庫に置いてあつたわけであります。その後会計検査院の御指摘もございましたので、これを政府倉庫に移管をいたしておるわけでございます。ただこれは新らしい袋でございますので、使用をしないものにつきましては、厳重に保管をいたしておりまするので破損等の事実はございません。
  47. 平林太一

    ○平林太一君 当時買付けた価格と現在の価格はどの程度の変化があるか。それから二十六年の、買付けた当時の一枚の値段はどのくらいか。今日の値段はどのくらいかとそういうことを伺いたいと思います。
  48. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、資料を御提出いたしておりまするように、その当時の価格は一枚二百九十円で買つたわけでございます。その後徐々に払出しをいたして参つたわけでございまするが、御承知のように朝鮮事変の収束、進駐軍のサンド・バツグの調達がなくなりましてから、市価が非常に下つておるわけでありまして、現在新袋で購入いたします場合におきましては、百円程度になつているようなわけでございます。
  49. 平林太一

    ○平林太一君 これは驚くべきことだ。二百九十円で何したものが現在百円だという、三分の一になつておるわけですね。現在何枚ありますか、もう一度。
  50. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは調達当時からだんだんに使用はいたして参つたわけでございまするが、二十九年の一月現在におきまして、十九万枚まで所有いたしておるわけでございます。
  51. 平林太一

    ○平林太一君 厖大なもので、十九万枚一袋二百円ずつ損をするということなんです。これはこういう損失はどういうふうにあなたはお考えになられるか。それから又常識上判断して、このような大量のものを日本の商社を通じて発注するわけなんですが、その間にはどういう経路でこれはおやりになつたのか、当時の事情を、これは承りたい。どういう会社にどういう径路で、会社に発注の径路を……。
  52. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 御承知のように、日本におきまする麻袋の製造会社は三社ございまするので、六日繊維、小泉製麻、帝国産業と、この三社が製造会社でございまするので、これに対して発注いたしたわけでございます。
  53. 平林太一

    ○平林太一君 その三社に、当時二百九十円でつまり発注した、こういうことに相成るのです。これは非常に重大な問題ですから、その当時の三社に対する発注したところの発注契約担当者、発注に対するところの発注成立に対する経緯ですね。そういうものを一つ詳細にこの際承わりたい。誰か来てをるかな、処分しておる者が。どういうことで、競争入札でやつたのか、或いは随意契約でやつたのか。こちらが何か価格を示して、これこれでこの程度でやれと言つておやりになつたのか、向うの言いなりでやつて、おやりになつたのか、そういう細かいことを承わりたい。
  54. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) この三社に対しましては、随意契約で以て契約を締結いたしたわけでございまして、価格はその当時におきまする市価を基礎として契約をいたしたわけでございます。
  55. 平林太一

    ○平林太一君 なぜ競争入札でおやりにならないか。それから随意契約と称するが、その三社に対しては、そうすると、これだけの数量のものを部分的に三社に引受けさしたその数量というものがおありになると思うが、その三社のうちのどこにどれだけやらしたか。十三億円というと三社に対して、一箇所に対しても四億円ということになる。これは数字は重大になつて来る。これはどういう方法でおやりになつたのか。
  56. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 大日繊維工業株式会社に対しまして七十八万枚、小泉製麻に対しまして百三十八万枚、帝国産業株式会社に対して八十四万枚、合計三百万枚の発注をいたしたわけでございます。この件につきましては、製造会社が三社でございまするので、競争入礼をいたしまするよりも、随意契約で以ちまして、こちらからその当時の市価をこしらえまして、そうして随意契約をすることが非常に有利ではなかろうかというふうに考えたわけでございます。当時といたしましては、まだ相当の進駐軍の六千万枚にわたる発注等の噂もございましたので、そういう事情から考えまして、その当時におきまする市価を考えまして、幾分低目に契約価格をきめて随意契約をいたしたわけでございます。
  57. 平林太一

    ○平林太一君 そうすると、今の答弁でだんだん内容が、これはむしろ我々からすれば暴露して来るように考えられるわけなんですが、今三社しかないとおつしやる。だが、我々常識上考えて、こういう会社が三社しかないというはずはない。小さな会社もあろうから、日本中に三つしかないということはないはずだ。いわんや市価を勘案してそうして二百九十円という算定をするのであるから、そうすると、その麻袋原料が幾ら、縫い賃が幾らであるとか、そういう個々のものが計算されて二百九十円というものが算定して来られるのであるから、ただそういう答弁では困るのです。それは、二百九十円という市価はどういう計算でどういう内訳だか、どういう内訳によつて二百九十円という算定ができたか、それからなぜもつと三社以外の、いわゆる小さな小工業者、そういう者に対しても、どういうことに対する、受渡しに対する、とにかく十三億という金ですから、そういう処置をお取りにならなかつた。当然これは、若し応募する者がなければ、これはいたし方ないが、いわゆる一般公入札になぜなさらないか。それはあなたのほうは三社とおつしやつているが、三社以外に必ず業者というものはある。これは私は断定して置らない。これが応募して行く、そして何百何十円という公入札による公の、つまりそこに価格というものが出て来るわけなんです。私はこれは非常に不審の問題なんです。一般公入札をしないということは、一種の疑惑なんだ、我々から言えば。それが了解の行くようにして、これはいわゆる我々委員会ではない、全国民に対してそういうことを明らかにしなければならない。この問題はこの問題だが、これは、現在のあなた方がやつているお仕事は将来に対しまして非常な不安を来たすわけです。詳細に一つ御説明願いたい。
  58. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) この場合におきまする原価計算につきましては、若し数字でも間違いがございましたら申訳ございませんから、調べまして書類をお出ししたいと思いますが、原価計算も考慮いたしまして、又その当時におきまする時価等も考えまして、単価を決定いたしたわけでございます。ただその際におきまする状況は、朝鮮向けのサンド・バツグ等の関係で市価が強調いたすというふうな、いたしておつたわけでございますが、その後の市価は、結果におきまして、だんだん漸落して参つております。そこに非常に当時といたしましての市価に対する見通し等もありました点は申訳ないと考えておるわけでございますが、三社につきましては、これは大体当時におきまする製造の大手の殆んど大部分でございまして、ここのほかに多少小さいものがあつたかも知れませんが、大体常識的にこの三社を選んだわけでございまして、ほかに殆んど新袋を造るのは、小さい工場はあつたかも知れませんが、大体ここになつてつたわけであります。
  59. 平林太一

    ○平林太一君 それでは、その三社はそれでよろしい。三社でもよろしいが、なぜ三社に対して随意契約などをなさるか、三社を対象としたいわゆる公入札というものを、競争入札というものをなぜお取りにならなかつたか、その点伺いたい。
  60. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) その際にもいろいろ内部で検討をいたしたわけでございますが、三社でございまするので、入札によりましてより母上の高い価格が出る虞れもなきにしもあらずでございますし、又談合等の虞れもありはしないかという、これは結果として急であつたかも知れませんが、そういう考え方からいたしまして随意契約にいたしたわけでありまして、その当時の市況に対する見通し等も考えたわけでございます。
  61. 平林太一

    ○平林太一君 大体質疑は、私のほうは打切りたいと思いますが、今の答弁などを聞きましても、極めてこれは清純でない。非常に何かその裏面に一つの暗躍した行為が行われている。そしてこの三社というものにした、それから又一方においては二百九十円という価格は当然これはいわゆる高価な、不当な価格であつたということを断定して憚らない、今日におきまして。今日即ち僅かに数年の間で、ほかの物価も下つているが、三分の一になつている。二百九十円が百円だということで、今日そういうことで、その三社にだけを競争入札すれば却つて高くなるのだというようなお話だが、さようなことは商行為においてはあり得ないことなんだ、競争入札しますれば。競争入札をして、それで見積価格よりも高かつたならば、第一回の入札、競争入札というものはそのまま解消してよろしい。それから第二回目を又おやりになつたらいい。第二回目がいけなかつたら第三回目を当然これはやるべきである。できるはずである。ところがその競争入札をすれば、いわゆる予定価格よりも高くなるということを虞れて、三社に随意契約でおのおのさせた、そうして三社を一人々々呼んで二百九十円ということで、これを発注したというようなことは、これは我々から見ますれば、如何に今日の官僚がやつておる行為、官僚がいわゆる現に先刻申上げました通り、予算を事実において、現品を予算化するときにおいて、もう非常に奇々怪の行為をしておるということは、よくわかるわけです。これは今日運輸省の造船疑獄問題が起きておるが、各省がこれをやつておる。食糧庁関係においてもすでにこの一点においてやつておるということは明らかであつて、我々から見ますれば重大なことなんです。あなた方はこの際お考えになつて、我々はこのように決算委員会へあなた方に来てもらつているが、それに対してあなた方は、何か決算委員会会計検査院の批難事項についてなにがあるから、一応行つて説明をして来ようというような、これは質疑応答でありません。あなた方はここにいわゆるれつきとしたる国家の損益なり、それから又いわゆる決算上の被告なんです。あなた方は被告なんです、決算上に対する。それが出掛けて来るとき、何か質疑応答に答えよう、上手に答えて引揚げることが、それがいわゆる長官なり課長なりの……、ここを引揚げて家へ帰れば、みなお茶を飲みながら笑つておる、そういうようなことが目に見えるわけです。それをやつて行くというと、これは国が滅びてしまう。滅びれば一番先に滅びるのはあなた方ですよ。当時の軍部が自滅することも知らずして、その勢力に任せて不離奔放なことをしたために、元も子もなくなつてしまつたんです。我々が今日あなた方を呼ぶということは、官僚のあなた方の地位を守つてやりたいと思うから、そこでこういうことを申上げるわけです。こういうような状態で行きますれば、これは滅びざるを得ない。国家の財政というものは十三億円するものが今日四億円になつちやつた。而も随意契約のとき二百九十円した物が、今お話になつたような経緯だという。それを毫も反省していない。これは誠に遺憾であつたと言う。各省で、あなた方の農林省で食糧庁関係の予算というものは莫大である。仔細に調べて行けば、皆、こういうようなことでは慄然として、これは膚に栗を生ぜずるを得ない。こういうことに対して、あなた方は全体的に、事食糧庁関係会計に対して、二十九年度の予算も正に四月から始まろうとしておる、どういう決意を以ておやりになりますか。最後にそれだけ伺つておきます。
  62. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 只今の御注意に対しましては、私も十分身にしみて有難く考えておる次第でございまして、これにつきましては、十分に今後につきましての運営につきまして私ども十分監視いたしたい。実は私といたしましても、この食糧関係は非常に多額の金を取扱つておりまするので、これにつきましては非常に注意をいたしまして、又食糧庁全体といたしましても、そういうことのないようにやつて参りたいということを常々考えておるわけでございます。ざつくばらんに申上げますと、当時といたしましては、食糧の需給が非常に窮迫いたしておりましたので、食糧の需給を如何に合して行くか、又当時といたしましても需給上遅配が起る虞れがあり、又起つた部面もございまするので、それを解消するために如何にするかということで、物の面におきまする調整ということに主眼をおいて、いささか金の面に対する注意が足らなかつたということを、これは率直に認めるわけでございます。現在お陰で食糧事情もだんだん緩和いたして参りまして、物の面におきましても、つらいと申しながらも、当時のこれとは雲泥の相違があるわけでありまして、金の面に対する感覚というものを十分注意いたしまして、むしろその面におきまする適正な食糧管理のやり方というふうな、又食糧につきましての取扱いにつきまして、そういう点について十分今後注意して参りたいということを申上げておきたいと思います。
  63. 平林太一

    ○平林太一君 只今食糧事情云々だから、何かそれを非常に困難視しておつたから、そういう処置に出たからいたしかたないのだという、こういう言い逃れをなさる、これは全然これには関係ない。殊に終戦直後の昭和二十年とか二十一年なら、そういうことは我々のほうでも或る程度諒とするのだ。併し二十六年度、二十七年度なんだ。そういうようなことは殊更何かやつぱり政府のあなたがたの大衆に対する一つのごま化しの言葉なんだ。我々としてはそういうことは受取れない。いわんや前項にありますゴルケツトの七百七十三の問題などは、よくお読みになればよくわかります。これ以上私は質疑は打切るからいいですが、ゴルケツトの問題などは、これ以上馬鹿々々しい問題なんだ。麻袋以上に無責任な両者との間に何らかのことがあつたのだと、関係者との間に……、これは明確なんです。これは司法検察が発動して御覧なさい。当然これは俎上に上る問題です。私はそういうことを断言して憚らない。然るに決算委員会ですから、今後のためにこういうことを私は忠告するわけなんですが、今の御答弁に対しては非常に私納得するわけにいかないから、そういうことを申上げる。だから食糧云々であつたということは取消しなさい。
  64. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 或いは言葉が、私の申上げたことが足りなくて誤解を招いたことは申訳ないと思います。実はそういう意味で申上げたのではないわけです。食糧庁全体といたしまして物の需給というような面に気がとられまして、金の面に対する注意が足らない。これは大いに我々としても反脅しなければならない。従来の御指摘のように食糧事情の窮迫したときと同じような考え方を以てやつてはいけない。こういう意味で我々はそういう点を反省いたさなければならない。こういう意味で申上げたわけでございまして、そういう考え方で従来の食糧事情が足りないときと同じ考え方であつてはいけないのだ、こういう意味で申上げたのでございます。言葉が足りなくて誤解を招いた点はお詫び申上げます。
  65. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 私もこの問題について二、三お尋ねしたいと思いますが、会計検査院の報告を拝見したり、今の食糧庁側の説明を聞いてみても、これはどうも私どもは基本の問題で納得できないところがある。それはなぜかというと、当時の食糧事情とか朝鮮動乱というような客観情勢の非常に予測しがたいところがあつたから、それで見通しを誤まつたのだ、こういうことが前提になつている。併しこの会計検査院の報告を見て、同じような誤り方が翌年度においてもしている。結果においてはこれはここに会計検査院の報告に明記されているように、多数の在庫があつて、本件は購入の要がなかつた、こういうことが断定されておるし、なお更に、結局本年度内に本件を購入する必要はなかつたということが繰返し述べられておる。ですからこういう点では明らかにこれは食糧庁のほうと会計検査院との意見というものが一致をしておらない。ところでその内容を見ると、或いは今極めて断片的な説明を聞いたところでは、これはばらで輸入する大麦、或いは小麦等の外国食糧もあるので、決してこれは不要とは言えないのだ、相当にこれは活用されておるというような説明があつたのですが、そういう漠とした説明では、こと数量に関しては我々は納得できないので、さつき平林委員が言われたように、少くとも批難された昭和二十六年の麻袋、つまり三社別の購入数量並びに単価、それから先ほが平林委員が言われたような、この二百九十円というようなことが各社とも同一であつたのかどうか。若しあつたとすれば、その契約のときの計算の根拠を明記されて、その後その麻袋がどういうふうに動いて行つて、そうしてこの検査院報告に粗い数字が出ておりますけれども食糧事務所別にどれだけストツクして新品のまま、この報告によると、特に翌年度のごときは一年三カ月も全然新規のまま、利用されることなしに寝かされておつたように報告されておる。然るにその間の保管料営業倉庫から政府倉庫へ保管替をしたにもかかわらず、本件購入後、同年九月分までの保管料として営業倉庫に支払つた金額だけでも千四百二十七万円の額に達しておるわけです。ですからこれはどういう程度に利用されておつたかということが、どうしても我々には計数上納得できない。ですから我々がちやんと理解の行くように数字を我々の委員会に御報告を願いたい。そのことによつてどもは見通しを誤つたなら誤つたように、そうして誤つたとしても、仮に国費で購入した麻袋がその後どういうふうに利用されておる、そうして倉庫の中で寝かされておつたのは、政府倉庫では何月何日から何百万枚が何カ月間寝かされておつた。それからそのうち何枚がどれだけどういうふうに外国食糧の包装のために利用されたのか。そのことを、これは一目して数字を追究すれば、これは小泉製麻なり、今の六日とか、帝産とか、そういう会社から引取つた後に、成るべく最近の現在に至るまでの数量を一目瞭然するように報告をして頂きたい。今私はその数字を求めようとは思いませんから、これは資料によつて提供を頂いて、その上で私は改めて質問をしたいと思います。その資料を成るべく早く出して頂きたい。ただ併しこれに関しては、会計検査院のほうでちやんと検査をした上で措置をされておる数字もあることですから、私どもとしてはこれと十分対比をして、若し十分の納得が行かなければ、或いは現地調査に出ることもあるであろうということを私は委員長に申上げておきます。
  66. 奥むめお

    ○奥むめお君 今飯島さんがあとからおつしやつたから、それでいいかも知れませんが、私は幸い会計検査院がいらつしやるから、このことをお調べになつたと思うのですけれども、今の飯島さんの発言とダブリますが、何かその点でお調べになつたものが、ここに現われないものがありますようならば御説明頂いたら如何です。
  67. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 三百万枚買いまして、それが年度末まで全然使わなかつたわけでありますが、丁度今お話が出ました二十七年の十二月に小型を五百万枚又買つたわけであります。当時の十一月末現存で申しますと、二百五十五万枚というものが三百万枚の大部分でありますが、二百五十五万枚というものが、そつくり残つてつたわけであります。それに更に五百万枚必要だ、而もそれは二十七年度末までに必要だ、船積で麦がたくさん入つて参りますので、二百五十五万枚では足りなくなるし、更に五百万枚小型が要る、こういうことで、二十七年度でお買いになつたわけで、それを結果から見ますと、三月末まで五百万枚全然買わんでもよかつたわけであります。それが結果かち見ますと勿論でありますが、当時の二十七年の十二月に五百万枚をお買いになると、当時にでも私どもから見ますと、そういうものは買う必要はなかつた。そういう意味で二十七年の批難が出たわけであります。  先ほど御引用になりました千五百一号、これは四億六千五百万円、これも三社に分けまして、二十六年度に三百万枚を同じ会社から買つたわけであります。それで、どうもその辺が、数量の点は食糧庁から、飯島委員から御要求の資料をお出しになれるわけでありますが、これはすつかり資料が、私どものほうにも全部数字などはときどき調べまして、とつております。お出しになりましたものは、私どもで更に確認して、若しここで違つておりました場合、御報告ができるわけでございます。  それから価格の点も、検査報告には余り結果論になるというので、実は二十六年度批難には書かなかつたのでありますが、私どもが当時非常に不思議に思つたのでありますが、一番高いときに、その前から大体二百九十円から三百円くらいの、市価はそういうことになつていたのでありますが、農林省で買いますと、急にばたばた下がつてしまいまして、半年ぐらいたちますと、百八十円ぐらいになつた。二十七年度末で、農林省で貸借対照表をお作りになるときの評価は九十三円であります。九十三円で、ほかのものとプールはしておりますが、ともかくも二百九十円で買いましたものが一年経ちまして、貸借対照表の書類を作るときには九十三円になつてしまつた。こういうような事態になつておるわけであります。財産の減少という点からいうと、相当その意味でも大きな考うべき問題だと、私どもそう考えた次第であります。
  68. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 先ほど平林委員に対する食糧庁説明で、ちよつと私も了解できない点があるのですが、それについて飯島君のほうから資料提出の要求がありましたから、その資料が出てから改めて質問したいと思いますけれども、先ほどの説明によると、見通しが喰い違つたために、こういう結果になつたというふうに言われましたが、この契約を見ると契約の上で、購入を中止させる条項契約のうちに入つてつたと、こういうことなのですが、これは情勢の変化によつて、或いは購入を中止させる場合もあり得るという予想の下に、そういう条項をわざわざ入れたんじやないか、ところが時期的にこれをずつと見ますと、もう見通しは、要らないという見通しがついてしまつたのじやないか。それをわざわざ折角契約していると、こういう中止の条項を活用せずして、無用にこれを買入れたという点で、どうも納得がいかないような点があるのです。それについては、先ほどの飯島委員からの時期的な資料を出して頂いてから、改めて説明を求めたいと思いますが、従つてその契約書がありましたら、その契約書の写しを提出願いたい。  それからこの案件は、先ほど飯島委員からも指摘されましたように、二十七年度に同じことを繰返しているという点について、極めて遺憾であると思うのですが、二十六年度政府のこの説明書を見ると、当時の責任者に対してそれぞれ厳重に注意を与えた、こういうふうに説明してあります。ところが当時の責任者にそれほど厳重な注意を与えていながら、翌る年又同じような過ちを繰返すということはどういうわけか、一体その当時の責任者というものはどういう人で、どういう方面に対してどういう注意を与えたか。で、その注意が目的を達しないで、又再びやるようになつたか。それらの事情についても、一つ納得のできるような御説明が願いたい。これは今回でなくても、この次でもいいですが、その点を御説明願いたい。  それ少らもう一つ、この七百七十二号の点ですが、このタイ国との、賠償金の徴収の問題ですが、これは現在のところは、この賠償額がどれくらい決定して、どういうふうな結果になつているか、説明願いたい。
  69. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 本件につきまして、一億一千二百五十二万円を賠償額として決定いたしまして、これを全部現在までのところ収納いたしたわけでございます。
  70. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 最後に収納したのはいつですか。
  71. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 二十七年の十二月でございます。
  72. 長谷山行毅

    長谷山行毅君 この案件に対しても、食糧庁では、当時の責任者に対してそれぞれ注意を与えたということになつておりますが、当時の責任者というものは、現地にも、農林省から誰も行つていないだろうということだし、どういう方面の人を、責任者として食糧庁で認めて、こういう注意を与えているか。
  73. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 契約の件につきましては、輸入関係を取扱つております部長・課長に対しまして、厳重に注意を与えたわけであります。
  74. 奥むめお

    ○奥むめお君 私は食管会計には特に厳重に注意を払つてもらわないと、それが最後に消費者に、国民全体に廻つて来る米価になつて来るわけでございますから、従いまして食管会計というものが問題になつておりますのですが。ですからこういう問題に当つたときには、特に詳細に御説明頂いたり、又いろいろ十分審議する次官がほしいと思つております。で、先ず事務的に御質問するのですが、このゴルケツトの全国栄養食工業協同組合というのは、どういう性格のものなんですか、いつごろこれはできたのですか。
  75. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これにつきましては、当時食糧配給をいたしておりましたが、幼児用といたしまして、幼児用ビスケツト類を配給いたしたわけでございまして、その際におきまして、これは奥先生御承知のように、当時経済安定本部におきまして、労務加配とか、乳幼児加配とか、そういうふうな配給をいたしました時代におきましては、当時におきまして、そういうものを作るメーカーが組合を作つたわけでございます。
  76. 奥むめお

    ○奥むめお君 それから麻袋の、その前に、七十二号ですか、そのところの、外国から輸入いたします問題につきまして、いろいうことが起りますけれども、船の便でございますね。私一つは二十一の会社からまあタイの米を契約さしたと、こう書いてございますが、その後減らしたというお話でございますが、数字的にそれを現在どのようになつているかということを私詳しく見せてもらいたいし、又もう一つは、その輸送の時期と、それから船の運び方というものが非常に影響して来ると思うのですが、我々よく聞きますところによりますと、いろんな商社が買付をなさいますものですから、不当に米が日本人同士の競争で高くなつたり、まあ何にも買わないわけに行かないから、悪いものも買わなけりやならんということもあるし、それからそれを運びますときの時期の問題で、悪いものを国内へ持つて来なけりやならんということにもなるし、いろいろそこに問題がからまると思うのですが、船でこれだけの例えばタイからの米がどのくらいの船で、どういうふうに運ばれたかということも、先ずこの問題として私知りたいし、それから全体として今日のこの輸送関係というものが、それからこの契約して向うで買取りの話をきめる商社関係の扱います分量とか、商社の数というふうなものが詳細知りたいと思うのですけれども、それは今日でなくてもよろしゆうございますけれども、どうなつておりますか、如何でしよう。
  77. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 只今の奥先生の御指摘のように、従来日本商社が濫立いたしまして、そうして競争をやるために産地の価格を上げるということの決れもございましたので、二十七年のたしか九月か十月かと思います。が、九月頃と思いますが、タイビルマと台湾とイタリーとアメリカと、この主要な米の輸出国につきまして、商社の指定をいたしたわけでございまして、タイにつきましては八社を指定いたしているわけでございます。で、食糧庁の扱いといたしましては、先ず以て外貨予算を組みまして、これは半期ごとに通産省、大蔵省で全体の外貨予算を組むわけでございますが、その外貨予算の範囲内におきまして、週に一回、一定の数量で以て入札の形をとりまして、その入札の通りましたものを政府契約する、まあこういう形で指定制の中におきましても、そういう制度を取つているわけでございますが、先ほども申上げましたように、その入札の際におきまして、政府間の貿易の場合におきましては現実の問題として運賃その他のチヤージの入札ということになりまするし、フリー・クオータの場合におきましては、又アメリカのように全然価格統制のないところにおきましては、全体価格としての競争ということになるわけでございます。で指定地域に対しまする商社の名前等につきましては、資料として差上げたいと思います。
  78. 木下源吾

    ○木下源吾君 この七百七十四ですかな、これは今のあなたの時代でないときですか。長官は誰ですか。
  79. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは前々長官のときでありまして、その当時の長官は安孫子氏でございます。
  80. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうしますと、併しあなたはこれは決算は今出ることはわかつておるので、この件についてあなたは何か関心を払つたことがあつたか、前任から引継ぐときに……。それをお尋ねします。
  81. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 実は私は昨年の四月でございまして、それでその際におきまして、すでに批難事項として出て、会計検査院のほうからも注意を受けておりますので、その間の事情につきましては十分説明を聞いたわけでございます。
  82. 木下源吾

    ○木下源吾君 それで批難事項であるが、あなたはこれが正当なものとしてお考えになつてつたかどうか。
  83. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) この件につきまして実はその当時におきまする、直接私がその当時の全般的な情勢と申しますか、いろんな食糧需給の状態その他その当時におきまする諸般の事情を書面で以て調べるわけでございます。本当の意味での実感のこもつた説明は或いはできないかと思うのですが、少くともそういう当時におきまする事情を数字的に聞いたわけでございます。数字的に聞きましたときに、先ほども申上げましたように、これを契約する当時は、そういう形であつたというここの説明を聞いたわけでございますが、それは或いは止むを得なかつたかも知れませんが、結果として見た場合に、非常にそういう判断をすることはどうであろうかというふうな感じは持つておるわけでございますが、これはやはりその当時におきまする事情のまあ考え方と申しますか、非常に私が承つたところでは、やはりその当時におきまする進駐軍の発注等で、麻袋の需給というものが相当窮迫しておつたし、窮迫するだろうというふうに考えておつたように私は承知いたしております。
  84. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうしますと、あなたは当時の事情としてはこれは正当なものである、こういうように考えたわけですね。
  85. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) そういう考え方をして契約をいたしましたが、結果としての処置は私は当を得なかつたのじやなかつたか、もう少し十分精細に考え注意をすれば、こういう事態を防止し得る時期があつたのじやなかろうかというふうに、現在としては考えておるわけでございます。
  86. 木下源吾

    ○木下源吾君 やはり今は何ですか、あなたはこれに対する責任を負うてもいいという考えですね。
  87. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 私としましては非常に申訳けがなかつたというふうに考えております。
  88. 木下源吾

    ○木下源吾君 それではお伺いしますが、この麻袋タイ米輸入のためだと書いてありますが、このタイ米を買うためには、こういうものを向うから要求されて買つたのか、こちらで必要であろうという考えで買つたのか、これはどちらなわけですか。
  89. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 二十六年の二月にタイ国からの使節団が参つたわけでございます。その際その使節団から麻袋の入手がタイ国としても非常に苦しいから日本麻袋を持つて物をとりに来ないとタイ米輸入が円滑に行かない場合もあるというふうな話があつたのでございます。その後いろいろそういうことで考えておりまして、実は五月頃におきまして百万袋をタイ国に送つて、それによつて米をつめて帰つたということをいたしたわけでございます。その後の状態も更にこれが続くだろう、こういうことでもつて、当初はタイの申出でで、すでに五月におきましても百万枚送つたわけでございます。
  90. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうするとタイ要求によつて買つた、こう了承していいのですか。
  91. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 当初の動機はそういうことになつております。
  92. 木下源吾

    ○木下源吾君 続いてお伺いしますが、この買付に対してこの原料はどこに……これは日本のものですか。
  93. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは原料の黄麻は輸入いたしております。
  94. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうすると、原料価格は大体わかるわけですね。それから原料価格がわかれば一袋の目方もわかるんじやないですか。大体原価は幾らということは想像つくわけですね。そういう計算をなさつたか。
  95. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) そういう計算をしてから価格をきめたわけでございます。その内容は先ほども平林委員から御質問がございましたから、そのようにお答えいたしました。
  96. 木下源吾

    ○木下源吾君 その価格がいわゆる二百何十円、それは利益もあるだろうけれども、そういうふうにあなたは考えておられるのか。
  97. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) まあ工賃その他の関係が、これはまあ或る程度の試算もできるわけでありまして、原料価格が大部分を占めておるわけでございます。その原料価格、工賃等を調べまして、いろいろそういう原価計算をやつたわけでございます。
  98. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうすると、市価々々ということを先ほどからよく言われるが、それはこれほど大量にはどこも取引はなかつただろうと思うが、どこかほかのほうの取引の状況等をお調べになつた資料でもありますか。
  99. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 海外の発注状況、特に先ほども申上げましたように九月におきまする外国側から日本側に対しまして引取を言つて参りました価格等も調べておりまするし、世界的に麻袋も払底いしたておりますので、勿論そういう原価計算もいたしました。そういう事情も調べておりまして、大体タイからこれだけで買えというような額等もそのときにはあつたわけでございます。
  100. 木下源吾

    ○木下源吾君 それらのことはあとで、そういうものを立証できるようなものがあつたならば、これは出してもらいたいと思うのです。  次に当時タイ米輸入する、そして必要があるからというので、思惑ででも少し余計買つた、それが余つた、次に又タイ米輸入のための目的にこの小型も買つたのですか。
  101. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは御承知のように、タイ米輸入の場合におきましては、百キロでございまして、大型でございまして、大体当時といたしましては、タイ側日本に対して三十万トンの輸出割当をしよう、こういう考えつたわけでございますが、日本といたしましてはタイ側に対しては四十五万トン欲しい、こういうふうに交渉をいたしておつたわけでございます。そういたしますと、四十五万トンでございますると、四百五十万枚が要るわけでございます。日本側で三百万枚ばかりを調達し、百五十万枚をタイのほうから何とかしてくれないかということを交渉いたしておつたわけでございます。第二の五百万の場合はこれは小型でございますので、小麦、大麦のばら詰のように購入いたしたわけでございまして、この場合におきましては、今後の輸入考えまして二月末において不足するというような考え方で以て、麦類輸入計画と呼応して、そういう計画を立てて購入いたしたわけでございます。
  102. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうすると、二十七年度購入したのは全然タイ米とは関係なく麦を引当に買つた、こういうふうに了承してよろしいのですか。
  103. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) さようでございます。
  104. 木下源吾

    ○木下源吾君 次にお伺いしますが、この七百七十二、米ですな、今度は。これはまあ賠償金というのはタイ国からもらう、こういうようになつておるわけです。その当時これは品質の悪いものを輸入して配給したのでしようね。
  105. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは外米として配給はいたしております。
  106. 木下源吾

    ○木下源吾君 そういたしますと、配給価格というものは、こういう賠償金をあとで取るからということを見越して、それだけ安くても配給しましたか。
  107. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 御承知のようにこの米につきましては補給金がございますので、結局内地米に対しまして一定の割合で外米価格をきめまして、それによつて補給金を付けて安く配給をして、結局補給金がロスになつたという形でございますので、賠償金をとりましたものは補給金の穴埋めと申しますか、少くとも補給金を満たすべきものであつた、こういう形になつております。
  108. 木下源吾

    ○木下源吾君 いや、私は消費者の立場で言つているので、賠償金もらつたら、それだけは当然消費者には払戻してやるのが当然じやないか、まあこう考えるわけです、成るほどそれは補給金をやつているから、その意味ではその穴埋めということはできるだろうけれども、いい米でもやはりそれだけの価格で売つたろうと思うのです。悪いものを売つて金は当り前に取つたということになると、その取つたやつはやはり消費者に私は返すものではないかと考えるので、それでお尋ねしておるのですよ。
  109. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 外米の消費者価格は全体的にプールいたしまして、それに内地米との格差によつて消費者価格決定いたしまして、その価格とそれから現実に輸入いたします外米価格との差を輸入補給金として支出いたしておるのでございますて、本件のような場合におきまして、全体的にプールをいたしております。消費者価格に対してプールをいたしておりますが、消費者に対して特に安く配給するということはいたしたことはなかつたと思います。若しこれが価格といたしまして安い価格で参ります場合には、消費者に対する配給の場合におきます政府輸入補給金が少くて済んだと、こういう形になるわけでございます。勿論消費者に対しまして品質上十分に各品目を区別いたしましてやるということも考えられるわけでございますが、砕米の混入率には多少の違いはございますが、プールして価格決定いたしておるわけでございます。
  110. 木下源吾

    ○木下源吾君 そのことはわかるのです。政府がプールしてやつたということはいいけれども、消費者は当り前のいい米であつても、それだけではなかつたか、それはそうだと思うのです。それをその価格で皆出したのでしよう。あとの賠償金をとつたらば、私はそれは消費者へ返すべきものではないかと、こう思うのです。政府だけの勘定さえ合えばいいのか、その点はどうだということをお尋ねしておるのです。
  111. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 消費者価格決定でございますが、消費者価格につきましては、我々も消費者に対しましてできるだけいい米を、ということは注意をいたしておるわけでございますが、全体としてプール、一定の割合に各品目別の砕米の混入率が幾らのものが幾らというふうにはなかなか参らないわけでございます。場合によりますると、例えば二〇%の砕米混入をするにいたしましても、いい悪いがやはりあるわけでございますので、全体的な割合を考えまして、そうして内地米との格差をつける。お話のような考え方もとれるかと思いますが、そうしますと、一々ウエイトによつて外米価格を変えなければならん。いいものはもう少し高くする。悪いものは下げる。これを各国の割合からいたしまして、プールした割合で内地米との格差を設けておるわけでございます。
  112. 木下源吾

    ○木下源吾君 この賠償金をきめるには、どういう手続できめましたか。
  113. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これはタイの米穀局に対しまして申立てをいたしまして、そうして在外公館とタイ国側との間におきまして折衝いたしまして、そうしてこれを決定いたしておるような次第であります。
  114. 木下源吾

    ○木下源吾君 それはこちらの要求を全額賠償をもらうことに決定相成つたんですか。
  115. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 本件の場合は向うの側におきまして、このクレームの要求を認めたわけでございますが、御承知のようにタイにいたしましても、ビルマにいたしましても、品質の決定は当時の事情といたしまして、向う側が決定するというふうな形になりますので、全般的にこれだけのクレームが、日本側のやつが絶えず認められるというわけのものでもないのでございます。
  116. 木下源吾

    ○木下源吾君 ですから、こちらは何ぼ要求して、その要求通りなのか。或いはそれを減額して賠償してしまつたのか、こういうことをお尋ねしているのです。
  117. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 本件につきましてはれこれが要求いたしましたものが、そのまま認められたわけでございます。
  118. 木下源吾

    ○木下源吾君 全部……。
  119. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) ええ。
  120. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうすると、この場合賠償金も皆もらつた。そうすると、何か実害はないのですか、これは。実害がやはりそれでもありますか。
  121. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 具体的なケースにつきましては、大体こちらのクレームを申立てましたものにつきまして、賠償をもらつたわけでございまして、この件については実害がなかつたかと思いますが、普通のクレームの、ほかの場合には、いろいろクレームの申立をやつておる場合もありますが、そういう場合におきましての向う側とのクレームの話がつかないという場合も、これはあるわけでございます。
  122. 木下源吾

    ○木下源吾君 商社に対してはどのくらいの手数料を払つておりますか。
  123. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) この商社の関係は先ほど申し上げましたように、一応入札の形でやつておりますが、まあ大体手数料といたしまして競争の烈しい場合は〇・五%程度が支払われておるのじやないか。競争によりましてはそれ以下になる場合もあろうかと思いますが、大体そう見ております。
  124. 木下源吾

    ○木下源吾君 この場合報告書によりますと、商社から買付けたようになつておるが、今のお話では損害賠償というか、そういうものはタイ国から直接取つた、これはその通りですか。
  125. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これはタイ国側に対しまして輸入商社からクレームを申立てまして、そうして向うの輸出業者から、それが食糧庁輸入業者を通じて賠償が支払われる、こういう形をとつております。
  126. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうすると結局商社から賠償金をとつたということになるのですね。
  127. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 形としてはそういうふうになつております。
  128. 木下源吾

    ○木下源吾君 さつきのお話では、国と国との取引の場合には、商社が、F ○Bだから、この輸送だけの責任者である、こういうお話です。今の場合はフリーのやつですね。フリーのやつだから損害を商社が支払うようになつた。こういうように了解してよろしいですか。
  129. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 私の申上げましたのは、価格数量、規格がきまるから、実質的に商社に支払うのは運賃、チヤージ等の関係であるわけであります。形式といたしましては、そういうFOBで価格幾らときまつたというものを食糧庁で買取る場合は、商社から買取るという形をとつております。
  130. 木下源吾

    ○木下源吾君 今度のやつはフリーのように書いてありますから、そうすると品質の悪いものを寄こしたということは、商社のつまり責任でやつたということになるのですか。
  131. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 政府貿易の場合におきましては、数量であるとか規格或いは価格というものは、商社との関係におきまして、政府間できめるということでございます。その場合の発注関係における検査はスーパー——国際的な検査機関がやる、こういう形であります。
  132. 木下源吾

    ○木下源吾君 そうしますと、商社には、別にこの場合も、品質が悪かつたということに対しては責任はないわけですか。    〔委員長退席、理事島村軍次君着席〕
  133. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 政府間の場合におきましては、実質上それを商社がきめる権限はないわけですから、商社には責任がないことになります。
  134. 木下源吾

    ○木下源吾君 今のこの分は商社から買つたことになつておるからお聞きしてる。この場合はどうなつておりますか。
  135. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは御承知のように政府貿易の場合におきましては……。
  136. 木下源吾

    ○木下源吾君 政府間じやない、今の出ておるのは……。
  137. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) この場合におきましても、政府間のものが大部分でございます。勿論民貿もありますが……。ただ形といたしましては、食糧庁タイ国政府との間に、価格数量、規格等はきめるけれども、そのきめたものによつて、商社がタイ国政府から買つて、そうして食糧庁に又売ると、こういう形をとります。併し実質上はそういうことは存外公館を通じて政府間で内容の取極はいたす、かよにう考えております。直接タイ国政府から日本政府が買うということはやりません。商社を通じて買うという形になります。
  138. 木下源吾

    ○木下源吾君 そういたしますと、形式と実際と違つておるわけでありますね。しばしば聞くのですが、向うのほうでの米の優を上げたりいろいろするのは、商社がやるのだ、そうですね。直接に政府が買おうとしても、商社が値段を上げて、そうして何か自分たちの買つておるやつを今のような形式で又寄こせと、こういうことをやつておるようですが、これはビルマに私たちの同僚が行つて調べたときに、そうであつた。これは私は甚だ怪しからんと思う。日本人が米が不足して困つておる、主食に困つておるのに、商社が向うで値段を吊上げて、自分の買つておいたものを高く日本に売り付けるのは怪しからん、こういうふうに考えておつたのですが、この場合もそういうことが行われる可能性は十分ありますね。
  139. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) ビルマのほうの例を申上げますと、やはりビルマにも、政府間の貿易と、国際入札と、二通りあるわけでございます。御指摘の場合におきましては国際入札の場合に、商社がたくさん高い入札をするという、商社間の競争によつて国際入札価格を上げるという虞れはあるわけでございます。G・G、つまり政府間の取引におきましては、政府間できめますから、これは商社価格による。タイ国におきましても、政府間の貿易と別に、フリー・クオータのものと二通りございます。ビルマにもそういうものがある。
  140. 木下源吾

    ○木下源吾君 それではさつきお願いした、この麻袋の分の原料と、工賃で、それがあなたがたが適当だとした二百何十円か、買入価格というものの資料は、間違いなく一つ出して頂きたいと思います。
  141. 山田節男

    山田節男君 今の木下委員の質問に関連してですが、今ここに述べられている七百二十二号の中で砕米の混入率が超過しているというのは、フリー・クオータの部分ですか。それとも政府間の契約ですか。このどちらにこれはあつたのですか。
  142. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 実質的には政府間のものなんでございますが、両者があるわけです。
  143. 山田節男

    山田節男君 これは会計検査院にちちよつとお聞きしたいのですが、こういつたような、例えばここに挙げられておるタイ国昭和二十六年度の米の輸入価格が百四十六億円余なんですね。それで今の長官の言明するところによると、これに対するコンミツシヨンが〇・〇五%これはまあ最高かも知れませんけれども、仮りに百四十六億に対し〇・〇五%にしても、七億円以上のコンミツシヨンの勘定になるわけです。そうしてこの今の砕米の混入率の超過分は、政府間の協定として買つた米の中にも、そういう非常な悪質の米が入つているというのですね。こういうようなことは、これは単に、タイのみならず、ビルマ、或いはイタリア、或いはアメリカ、或いはジヤワ等にもあるかも知れない。こういつたような対外関係の売買契約というものに対しての会計検査は、現在の会計検査院として、こういうものを、例えば出張して調べ得るというような権限があるものかどうか、この点をお伺いしたい。
  144. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 外国食糧輸入は非常に大きな問題なのであります。私どもといたしましても、価格の点とか、内容についていろいろ調べたいのでありますが、農林省でさえ先ほどからの説明があつたような状況でありまして、私どもといたしましては、向うへ出張して調べるとか、そういうようなことは事実上とても今のところ考えられないのでありまして、非常に大きな購入ではございますが、現状ではそういうことにはなつておりません。  それから先ほどからいろいろお話がございました中で、批難の七百七十二号について、大分、一部は違つた説明もあるようで、ちよつと私から申上げておきます。これは二十六年度までは全部民貿でございます。G・Gのものは一つも入つておりません。二十七年度からG・Gと民貿が両方来るようになつたのでありまして、実質的にはこれは先ほど御説明がありましたように、両国政府間の交渉、商人が入つて、勝手に買漁るというものでは一応はないと思いますけれども、形式上は全部民貿でありまして、ビルマとその点大変違うのであります。ビルマはこれは二十六年度も、G・G物と民貿物と両方ありまして、そしてG・G物は安い。民貿は相当高い。そしてこの高いのはいろいろ入札の関係とか、或いは買漁りもあつたかも知れませんが、そういう事情はあるのでありますが、タイのものは二十七年度からG・Gと民貿と両方違つた扱いをするということになつております。それで二十六年度はあと三十五万トン余りつたのでありますが、これは全部G・G物は入つておりません。民貿であります。それだけ申上げておきます。
  145. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 私は今までの会計検査院のいろいろお話のように、形式上は勿論先ほど申上げましたように、民間商社から買うわけでありますが、実質的にG・Gのものがあるということを申上げたというわけでございます。
  146. 山田節男

    山田節男君 これは先ほど私タイでの、この米の買入についての実情をお話申上げたのですが、一体例えば朝鮮の特需というものの注文にしても、或いはそうでなくて、外国から船、造船船舶の外注を受けたような場合に、この完成するまでの過程において、或いは完成後における試運転までの監督というものは、極めて厳重なものなんです。これはもう非常に厳重です。然るに日本政府として、少くとも年にもら千億以上の主食を輸入するということで、今の食糧庁長官お話によりますと、二十六年のごときは、二十六年度タイからの米の輸入のごときは、全くこれはもう不見転と言うてもいいのじやないか。その結果、こういつたような非常なインチキ米をたくさん輸入したという結果になつておるのです。それでこれは今日我々が今審議しつつある今年度の予算に現われた食管特別会計の中にも、七千億というものが出ている。これだけのものを扱う国内、殊に国外貿易に関して、これだけのお金を使うという官庁が、こういつたような極めて多額の金を以て外国の物を講入するということになれば、これは当然商行為的になる。安く買う、安くていいものを買うというのはこれは当然ことなのですし、これは先ほど私申上げなかつたが、今のタイにおける八十数社というものが、互いに身を削つて競争している。その中の何十社かは、やはり米の買付にも狂奔しているわけだ。その狂奔して、競争して何か買付けるということになれば、先ほど申上げたように、向うの官庁や何かに対して話の糸口をつけるのに、二千バーツ、約四万円の金を出すというのは、これは一つの常識になつている。こういうようなことから実情を見ると、この例えばタイの百四十六億の米の買入については、どのくらいインチキがあるかということは、我々の想像に余りあるところで、一体食糧庁として今後も莫大な主食を輸入しなくちやならん、買付をしなくちやならんということに対して、単に臨時の検査官を二カ月、三カ月滞在せしめるというようなことでは、とてもこれは埓があくものじやありません。  そこで私は資料として要求したいことは、二十八年度中に講入した米の額、それから買入の国ですね、それからそれの今のG・Gか、民貿か、こういう区別、その量、それから他にもこういつたような砕米の混入率が高いとか、或いは黄変米とか、こういうような類似のケースがあつたかどうか、そして食糧庁がこういう米の買付に関する限り直接担当している職名、それから人数、こういうようなものを一つ、本決算委員会に御提出願いたいと思います。委員長から一つ御要求願います。
  147. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 只今のやつは資料として差上げたいと思いますが、二十八年度でございますか、二十七年度なら……。二十八年度は現在進行途中でございますので、途中までしかございませんが。
  148. 山田節男

    山田節男君 いや、二十七年度ならば完全にありますか。
  149. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 二十七年度はまとまつております。
  150. 山田節男

    山田節男君 昭和二十八年度も、例えば九月までとか、或いは十二月までというようなものがまとまれば、まとまるだけのものを一つ御提出願いたい。
  151. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 承知しました。
  152. 岡三郎

    ○岡三郎君 七百七十二号についてですが、その前に私が一昨年ILOの代表で行つた帰途に、ビルマなりタイに寄つたときに、日本政府の米の買入れ方について、いろいろと向うの農業関係の人が話をしてくれたことがある。それについてはいろいろ出ましたから言いませんが、仮に政府の今のやり方で行つて、私は米が高い、高い米を買つて来ておると思つていた。で、今仮に別途の方法で現在G・Gとして買つているよりも、更に安い米が買えるとしたならば、その方途を食管行政の中でとり入れて行けますかどうか、これをお聞きしたいと思います。
  153. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) これは国によりまして……、我々といたしましても良質の安価なものを買うということには努力をいたさなければならんわけです。只今の岡さんの御指摘、国により、或いは輸出統制をされておりまするもの、自由なもの、勿論両方あるわけでありますが、我々としてはそういうことがあれば十分に研究いたしたい、かように考えております。
  154. 岡三郎

    ○岡三郎君 研究してもらうことも結構だと思うんですが、現実に我々としては筋の通つた一つ食管行政をしてもらいたいし、消費者の立場からいつて、すぐこういつたものの屑を消費者に転嫁されて、米の値上りということになつて来ていると思う。そういう点からいつて、研究した結果、若しも研究が不十分ならば、まあ失礼ですが、我々のほうから、そういう資料を差上げてもいいと思う。で、そういうふうになつたならば、やはりこれは政府の手を通してやつたほうがいいか、或いはそうでない方法もあるんじやないかというふうに、私も実際に話をして聞いて来ておるので、その点十分考慮してもらいたいと思うんです。
  155. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 具体的ケースについて御注意がございますれば、そのケースについて十分我々としては検討をいたして、その方法をとるべき結論に達しますれば、それをとるのにやぶさかでないわけであります。
  156. 岡三郎

    ○岡三郎君 七百七十二号についてほとんど質問がつきたと思うんですが、一、二お聞きしたいと思うんですが、砕米の混入率が超過していた、その超過の程度ですね、大体数量にしてどのくらいの数量が混入されておつたのか、お聞きしたいと思うんです。
  157. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 大体タイ国側との規格におきましては二〇%混入というのが一応の規格になつております。これ以上超過したものにつきまして、当案件になつておるわけでありますが、大体五%のものもございまするし、三〇%ぐらいで一〇%ぐらい上つておる、こういうものもあるわけであります。
  158. 岡三郎

    ○岡三郎君 この七百七十二号に関するいわゆる起過数量ですね。大体この当時どのくらいだつたのですか。
  159. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 平均いたしますると、三〇%から三〇%ちよつと超えている程度だと思います。
  160. 岡三郎

    ○岡三郎君 三〇%から三五%、そうすると、この砕米が先ほどの木下委員の御質問によりまするというと、一般消費者に配給されたといつておりますが、この砕米が一般消費者の対象になるのかならないのか、もう一遍その点を伺つておきたいと思う。
  161. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 外米といたしまして一般と同様に取扱つて配給いたしたわけであります。
  162. 岡三郎

    ○岡三郎君 一般と同様に配給したというと、この砕米を一般の米穀配給、一般の配給と同じように消費者に配給したというのですか。
  163. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 外米につきましては、大体或る程度卸、小売におきまして調整をいたしまするというか、政府が払下げまする場合において、そのものを払下げまして、そうして配給をいたしておる次第であります。
  164. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうすると、私の一応推察するところにおいては、こういうふうな米は一応使途というものがはつきりしていると思う。そういう点でこの二〇%を超えた三〇%乃至三五%というと、これは莫大なる数量になると思うのです。この数量が、この米が一体どこに行つたのか、一つその点についてどういう経路でこれを配給したのか。そういつた点について、こちらのほうへ今すぐできなければ御調査して報告してもらいたい。
  165. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 調査いたしまして御報告いたします。
  166. 岡三郎

    ○岡三郎君 次にこの莫大なる砕米の混入率を食糧庁として承知しておりながら、なぜ会計検査院が指摘してから、このような賠償金の請求をするようになつたのか。これは非常に政府に対する損害になるので、ひいてはこのような損害を国民が引受けるということにもなると思うので、こういつた点については、食管財政を取扱つて行く上において非常に敏感でなくてはならんと私は思う。個人の財布がいたむんじやないから、又当時の食糧事情からということでは済まされないところの多額なこれは量だと思う。そういう点でなぜそのような不当な混入率に対して直ぐ賠償金の請求を起さなかつたのか、その間における事情を御説明願いたい。
  167. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 御指摘のように消費者に対して非常に影響がある食糧を扱つている我々といたしまして、こういう事態を起すということは申訳ないわけでございます。実はその当時といたしまして、現地の大使館を通じていろいろ交渉もいたしたわけでありまするが、特に輸入の場合におきましては、指定検定人が国際的な機関でございまして、その発地における検査を以て発地フアイナルといたしまして取引をいたしておつたわけでございまして、その関係におきましてその発地の場合とそれから着地の場合との検査等の関係におきましての点につきまして、クレーム関係の処理が非常に遅れたということは実は非常に申訳ないというふうに考えているわけでございますが、当時といたしましては、御承知のように、何とか割当を多くもらいたいということで、非常に日本側の態度も、そういう点からいたしまして強く出なかつたという憾みがあるように感じて、申訳ないように感じているわけでございます。
  168. 岡三郎

    ○岡三郎君 割当の問題でそういうふうな配慮をするという点もまあわかるような気がするのですが、併しさればと言つて、微量ではないのです。莫大な量なんです。だからそういう点について配慮は配慮として、直ちにこういうふうなものが分明した場合には、やはり国民の台所を預かつているという立場から、一つ筋を通して貰いたいというふうに強く思うのですが、まあこれは七百七十二号についてはこの程度にして。  次に七百七十三号のゴルケツト購入に当り処置当を得ないものの中において、これは先ほど各委員から言われた七百七十四号の麻袋購入と又変つたケースだと思う。この事件をずつと通読して見ますというと、このようなことが仮に個人商社であつたならば、でき得べきものではないし、若しもそれが農林省なら農林省というものが株式会社であつて、そうしてその中でみんな利潤を得てやつて行く立場にあるならば、このような馬鹿げた不当な取扱いというものは私はできないと思うし、若しやるとしたならば、その会社は潰れちやうと私は思う。そういうような点で、これはやはり国家の財政という厖大な財政を抱えているので、少々ぐらいは損しても政治力に押されてやつたケースではないかというふうに私は推測されるわけなんです。それでこの問題についてお伺いいたしますが、「加工業者救済のため」ということに理由がなつておりますが、なぜこのような業者救済する必要があつたのか。その理由は一応ここに書いてありまするが、その理由だけでは私は納得できない。そこで若しもこれ以外に理由があつたならば、御説明を私は願いたいと思います。
  169. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) この件につきましては会計検査院の指摘されている事情にあるわけでございまして、当時食糧配給参団があつた時代ですが、この食糧配給公団が一定の計画の下に配給をいたしておつたわけでございますが、これが廃止になりまして、従来配給を予定いたしまして製造いたしておつたという形——従来の経過からいたしまして、当然配給を予定いたして作つてつたと、まあこういう関係がございましたので、配給公団の業務停止に伴う臨時的措置として、こういうことをやつたわけでございますが、確かに御指摘の点は我々としても十分考えなければならんというふうに考えるわけでございます。
  170. 岡三郎

    ○岡三郎君 そうするというと、食糧庁というものは有難いもので、まあ食糧庁関係している会社のほうが、その無能なり、或いは失策によつて赤字を出したり、そういうことになるとお救いになるという、そういう風習がおありなんですか、その点ちよつとお伺いしたい。
  171. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 我々としてそういう考え方は毛頭持つていないわけでございますが、この際におきまする配給制度の改変に伴う、まあ極く短期の臨時措置として行われたものでございまして、これが常住的に行われるというふうなことがあつては甚だ困ることでございまして、十分我々としても、そういう点につきましては注意をいたしておる次第でございます。
  172. 岡三郎

    ○岡三郎君 今長官が御説明になつた困るようなことがちよいちよいその後あるということを仄聞しておるので、私は強く申上げたいのです。要するに、食管行政というものに対して私がここで言うのは、やはり非常に台所の重要な問題ですから、いささかもここに狂いがあると、やはり国民に及ぼす影響というものが非常に大きいと思う。今保全経済会とか、或いは計画造船の問題で相当問題が大きくなりつつある中において、仮りに政治力なりその他不当な支配によつて、問題がここから出て来たということになれば、これは先般米の値上げをしたり、いろいろな問題で、とにかく国民大衆が食管行政の赤字をカバーしておる、その赤字を出した食管が、まるで子会社みたいな取扱いをしてその赤字をカバーしているというような事実が、仮りにですよ、仮りにあつたとしたならば、これは由々しき問題になると私は思うわけです。私は非常に事重大だから、ここで簡単には申せませんけれども、こういうふうな一つの切替のときとか、或いはその他の問題のときに、いろいろと問題というものが複雑多岐になつて来ていると思う。今直ぐ私はここで質問申上げませんけれども、当時の農林大臣はどなたであつたか、それだけお伺いして置きたいと思う。
  173. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 間違うといけませんから、調べてお答え申上げます。
  174. 岡三郎

    ○岡三郎君 そんな馬鹿なことが…。
  175. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 廣川農林大臣ではなかろうかと思いますが、あの当時或いは根本さん、時間の関係がありますから調べます。
  176. 岡三郎

    ○岡三郎君 今の点は一つ余り緊張せられずに簡単に御報告願いたいと思います。  次に麻袋の件についてですが、これも殆んど質問が一応出ていると思うのです。一応出ていると思うのですが、先ほど麻袋の残りはあと僅少になつた、こういう話がありましたが、漸次減つてつた。その日時とかどこの倉庫のものがどうなつたとか、それをあとで順次資料が出て来てから、それに基いて又一つお伺いしたいと思うのですが、巷間伺うところによると、昨年の暮あたり、東京都の交通局ですね。東交に或る業者政府の保管しておる麻袋を八十円程度で電車のシートその他に使用してもらいたいがと、こういうふうな話が行つておるということを聞いたわけです。そういうふうな事例から推察して、このような多量麻袋を抱えこんだ食糧庁としては、何とか早急に処分したいという気持は私はあつたろうと思う。常識的に言つて、倉敷料なり金利なりを見れば、莫大な損害をこれは国家に与えておると私は思うので、そういうような例が昨年末ですね。値は別として、その麻袋を一般に売却しようとするというような措置を考えたことがあるのですか、その点について。
  177. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 二十七年の初めでございます。昨年の秋じやございません。二十七年の初めに従来公団から引継ぎましたヘシアンの袋を払下げたことがございます。この場合におきましては、公共用として公共団体からの発注のあるもの、或いは砂袋用としての発注があるものというようなものにつきまして、二十七年一月に従来公団から受継いだものを売却したことはございますが、昨年の暮に売却した事実はございません。
  178. 岡三郎

    ○岡三郎君 売却しようという意思はあつたのですか。
  179. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 新袋につきましては売却する意思は全然ございません。
  180. 岡三郎

    ○岡三郎君 それから当時の状態から麻袋不急不用性を一応考慮に入れても、将来の計画からいつて買つておいたほうがよかつた、こういう説明があつたわけですが、この損害が食管財政の中に与えた影響は、私は無視することができないと思う。それで実質的に倉敷、金利を入れて、この麻袋の損害が一体どのくらいになるのか、これを一つお答え願いたい。おおよそでいいです。
  181. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) この損害につきましては、二十六年に購入いたしました三百万袋につきまして、同時にその後に講入いたしましたものを合せまして、七億円程度の損害ということになろうかと思つております。
  182. 岡三郎

    ○岡三郎君 それは倉敷は入つておりますか。
  183. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 入つております。
  184. 岡三郎

    ○岡三郎君 それについて私のほうにもちよつと計算したものがありますから、一つ明細な資料を御提出願いたいと思います。  以上で打切ります。
  185. 奥むめお

    ○奥むめお君 今日は時間も遅うございますから、私次の機会に質問は保留したいと思うのですが、こういう資料をお願いできるかどうか。これは農林省関係のことの事情に詳しいかたは十分御存じのことだろうと思いますが、私の知りたいことは麻袋協会というのがある。この麻袋協会というのは、一袋について幾らという手数料をとつて生存している団体であるということを聞いている。それは農林省から下つて来た人が、いつも高級の、上のほうにいる人だと聞いておりますが、この麻袋協会の手数料というものは、新しいものも手数料になるわけですか。古いものたけなんですか。使つたあとだけなんですか。これを先ず伺いたい。
  186. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申上げますが、麻袋につきましては、従来食糧公団がございました場合に、その輸入物の包装用といたしまして包装資材の一つの局がございまして、当時は俵がございまして、俵等の資材を全部取扱つておりました。公団が廃止になりまして、政府麻袋の直接の統制をいたして、政府の貸麻袋という形で、これを運転いたしておつたわけであります。一昨年におきましては、この政府の手を離すという形におきまして、輸出業者が製粉それから麻袋修理その他の関係者の出資によりまして麻袋会社というものができているわけでございまして、新袋につきましては、政府が第一回の場合におきましては貸与の形で、製粉業者まで貸与の形で中味売りで行きます。それから一回使つかつたあとにおきまして売却するという形で食糧麻袋が動いているわけであります。
  187. 奥むめお

    ○奥むめお君 直接政府の会計でないトンネル会社といいますか、トンネル協会といいますか、私どもの台所へ政府のきめた米価として入つて来ます中に含まれます、そういう例えば米屋さんが儲けを削られるか、我々が値段を高くされるか、それがなかつたらもつと安くなるであろうと思われる、例えば麻袋関係とか或いは検査の関係とか、いろいろあると思うのでございますが、それをずつと一覧して表に出してもらえませんですか。例えば私これは食糧関係でないのですけれども、例に出して短の毒だけれども、最近人造米協会というのができている。これは業者の仕事ですから、どうでもいいわけだけれども、例ですが、これはやはり農林省から偉い人がお出でになつたらしい。そうすると、この経理はどこから行くかと聞いたら、人造米を検査して、そうしてそう検査料で立てて行くのだ。そこで私のほうは検査をしないでも売るほうの人は、会社は競争しているのだから、自分でいいものを出して早くお客さんをたくさんとりたいと思つているのに、なぜ別に検査機関を拵えて、検査料をとつて人を置かなければならないのか、こう思いました。先ずそれを言いましたところが、今度は人造米を控えるほうの人は、協会なんか要らないのだ、金をとられるだけ馬鹿々々しいから、我々は検査してもらおうと思つていない。よいものさへ作れば消費者は買つて下さるのだから、よいものを作るほうにその金を使いたいと思つている、業者はそう言うのです。これはたまたま政府関係の仕事でないから、それで扱わなければ済むわけだけれども、事管理されている主食に対しまして、そういつた中間的なものが農林省の横にありまして、そうして一つ一つ俵だ糠だ何がかんだと取つて行くとしたら、我々不当に高い米を売り付けられる結果になつていくと思う。ですからそういうものを、私が聞いているのには五つ以上はあると思うのですけれども、あなたのほうではそれを調べて表に出してもらうわけに行きませんでしようか、これを要求したいと思うのです。
  188. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) お答え申し上げますが、麻袋の場合につきましては、現在麻袋の廻転の機構がございます。それについての資料を御説明いたしたいと思いますが、これは主として麦に関係するわけでございます。米につきましては、我々といたしましては、一つの統制をされておりますので、これにつきましては政府が全部当つているわけでございます。なお、この麻袋についての資料は、図解等をいたしまして差上げたいと思つております。
  189. 奥むめお

    ○奥むめお君 その他のものでトンネル機関というものが、消費者へ来るまでのトンネル機関というものが食糧庁から出せないとしたら、私のほうでも調べたものを多少持つておりますから、女御質問申上げたいこともあると思いますけれども、私はそういうことをお調べになる義務もあると思います。事務のかたにお願いしたいと思いますけれども、こういうことがあるということは、管理されている食糧に対して、私どもは非常に不明朗だと思いますので、一つ極力お調べ頂いてどのくらいの手数料をとつているのか、どのくらいの会計で仕事をしているのか、財団法人とか社団法人とかいろいろあるのだろうと思いますが、一応御説明頂きたい。
  190. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) できるだけ調べて出します。
  191. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 今の奥委員の資料要求をされた麻袋の件につきまして、これについては今長官お話があつたように、昨年ですか、食糧麻袋株式会社が設立されたのは。
  192. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 一昨年でございます。
  193. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 一昨年ですか。
  194. 前谷重夫

    政府委員(前谷重夫君) 二十七年の秋じやないかと思います。
  195. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 それでは食糧麻袋株式会社が創設されて以来今日まで、私は直接資料を委員会としてとつてほしい。それは先刻問題になつてつた不急麻袋批難事項に、殊に大分会計検査院の報告に見ても関係があることですから、直接資料を、特にこういう点に関して資料の要求をしたいと思います。それは回収状況或いはその納入先或いは受入先ですか、それから用途別、それを月別の資料にして、更にわかるなら旬別といいますか、せめて、月ではあら過ぎるかも知れませんから、旬別ぐらいの数字にして、そうして若しこれを売渡すことがあるとすれば、単価幾らの値段でどれだけの、資料を、一カ月のうちでまあ三回に分けるなり二回に分けるなり、おのずから払下げには規定というものがあることでしようから、そういう明細な資料を私は欲しいと思います。それからなお、この会社のまあ定款ですか、業務内容葉わかるような資料も併せて一つ、それから会社を構成している役員なり、そういつた者の氏名等も一つ併せて欲しいと思います。
  196. 平林太一

    ○平林太一君 委員長ちよつと……、この農林関係、殊に食糧庁特別会計のことは極めて重大でありますから、次回に農林大臣の出席を委員長から要求されてくれるように、この際私申上げておきます。
  197. 島村軍次

    ○理事(島村軍次君) 承知しました。  ちよつと大分時間が経過しましたけれども、私から、七百七十二号は全部が済んだというような先に説明があつたようでしたが、会計検査院の説明によりますと、一億一千二百万円のうち納入告知を発したものは六千五百万円で、その後千四百万円のまだ未収がある、こういうことのように聞いたと思うのですが、その点はどちらからでもいいのですが、ちよつと簡単に……。
  198. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) この検査報告を作りましたときの数字がここに印刷になつておるわけであります。私から便宜その後の検査院にわかつております範囲で御説明申上げたわけであります。そのわかりました数字は、この批難では二十六年三月から二十七年一月までの間の分が千二百万円印刷しなかつたわけであります。その後三月分までがわかりまして、それが先ほど申上げましたように、一億二千七十六万円、こういう金額になるのであります。それが私ども報告が来ておりますのが二十八年八月現在で、今の一億二千七十六万円のうち、千四百三十五万円が未納、これを申上げたのであります。先ほど食糧庁当局からのお話ですと、一億二千万円が全部入つた、こういうふうにおつしやたので、私も或いはこの八月以後に入つておるのかとこういうふうに伺つてつたのであります。実は甚だ申訳ありませんが、八月以後の数字が私のほうに手許にはございませんので、これは若しなんでしたら調べまして、その後に入つたかどうかを確めたして御報告したいと思います。八月現在では千四百万円というものが未納になつております。
  199. 島村軍次

    ○理事(島村軍次君) それではその点は次回までに一つはつきりした数字をお調べを願います。両方から……。  それからなお、七百七十五号と七百七十八号の「食糧管理当を得ないもの」のうち、弁償額についての説明があつたのですが、その後の経過も併せて次回までに、今金額はまだ九百六十八万円だということでしたが、金額だけでなしに、その後の処置をどうとられたかということを、食糧庁のほうからこれを一つ詳しくお調べを願いたいと思います。
  200. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 二十九年二月三日現在で千四百三十五万九千円と、先ほど私が申上げた数字は全部未納になつております。その後二月三日現在の資料がございましたので、ちよつと補足さして頂きます。
  201. 飯島連次郎

    飯島連次郎君 これは食糧庁にお願いしておきたいのですが、この次の委員会にお出になるときに、今日問題になつておる七百七十二号から以下七百七十八号までの責任者の処置に関しては、それぞれその説明書の末尾に記されておりますが、それによるとそれぞれ注意を与えたとか、或いはそれぞれ厳重な注意を与えた、こういうことになつておりますが、その内容を一つどういう与え方をされたのか、誰に向つてどういう注意をしておるのか、そこを一つ案件別に知りたいと思うのですが……。  それからもう一つ、これは会計検査院のほうにお尋ねをしたいのでありますが、この報告でちよつと私ははつきりしかねるのでお伺いしておきたいのですが、報告の百四十七頁に初めから三行目、「なお」という書き出しがら以降四行あるわけですが、そのうちに昭和二十六年度中に配給不適食糧として売渡価格から平均四五%程度値引して売渡したものが一万三千二百余トン、その値引の額が四億千六百余万円ある。それからなお、年度末で一万五千余トンの在庫となつておる。これらは実際の需要度を上廻つて加工運送を実施したことに原因して、こういう事態が起つておる、まあこういうことですが、併しこれはこの報告を拝見すると、批難事項として上つて来ていないように思うのです。けれども、この中味はこれは決算委員会としてはかなり関連のある事項ですから、会計検査院のほうでこれの内容等についておわかりだつたら、まあ次回で結構ですから、もう少し内容についての説明を願いたいことと、それからこれと関連して食糧庁のほうでも、この内容についての質問をすることがあるかもわかりませんから、会計検査院の御説明如何によつて食糧庁におかれても、この内容についての準備をして来て頂きたい。これを一つ要求いたします。
  202. 小峰保榮

    説明員小峰保榮君) 今御指摘の総説的に書きました事項は評価額が五億四千万円のものでありますが、この一番大きいのは麦類であります。それから麦製品も、精麦と小麦粉、こういうものが相当多いのでありますが、これは二十七年の六月でございましたか、麦が統制撤廃になりまして、そうして御承知通りでありますが、もうすでに民間では相当麦製品の優秀品が出廻つていたのであります。統制時代品物はこれは御存じのように品質が悪いのでありまして、だんだんと統制品が売れなくなつて参りまして、市中にいい物が出て参りますと、さつきのゴルケツトども一例なんでありますが、これなどもいいお果子が出て参りますと、ああいうものが売れなくなるわけであります。その麦類加工品もそういう傾向がございまして、相当に値引して売つたというような事態があつたわけであります。その統制撤廃という、まあ非常に大きな時世の移り変りがあるわけでございまして、一つ一つにつきましては、私どもとしても最後まで検査報告に載せたほうがいいのじやないかといつて、いろいろ取上げた場合も実はあるのでございます。全体として見ますと、まあまあ批難するというのはどうであろうか、こういうのでこれが載らなかつたわけであります。総論的に掲載した、こういうような事情にあるわけでございます。
  203. 島村軍次

    ○理事(島村軍次君) ほかに御質疑ございませんか。……  それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後四時五十九分散会