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1954-09-08 第19回国会 参議院 経済安定委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月八日(水曜日)    午後一時三十四分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     小林 政夫君    理事            岩沢 忠恭君    委員            奥 むめお君            岡田 宗司君            八木 秀次君   国務大臣    通商産業大臣  愛知 揆一君   政府委員    経済審議庁次長 石原 武夫君    大蔵省理財局長 阪田 泰二君    食糧庁総務部長 新沢  寧君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○日本経済の安定と自立に関する調査  の件  (総合経済政策に関する件)   ―――――――――――――
  2. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それではこれから委員会を開会いたします。  昨日の審議の経過によつて本日に持越されたもので、この輸出計画でありますが、特に商品別輸出計画について資料も配付されているようだし、その点について、一応詳細に説明を聴取すること、それから引続いて、財政投融資との関連において、開銀融資がその後の情心において当初と資金配分計画が変つている、その点を聴取すること、それから国内自給度向上による外貨節約、特に輸入を今後三年間二十億ダラーに抑えるということ、そうしても現在程度生活水準産業水準支障を来たさない、これはどういうふうにやつて輸入をその程度に抑制できるのか、新輸入計画といいますか、そういう点の説明を聴取することにいたします。これが昨日から保留されておる問題であります。一応今の順序で経済審議庁次長から説明を聴取します。
  3. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 只今委員長からもお話ございましたが、昨日資料として御要求ございましたうち、商品別輸出計画表というのをお手許に配つております。それから昨日お話ございましたうちに、もう一つ輸入国別の、三十二年度の十七億四千万ドルの輸入国別内訳ということでございましたが、これは通産当局とも御相談をいたしましたが、輸入国別につきましては、いろいろ対外的な関係もございますので、公式に資料として御呈示することは差控えさして頂きたいという意見でございましたので、これは本日御配付を申上げてございません。  なお昨日岡田委員からお話がございました、新聞に出ておりました記事に相当するという資料を、昨日通産当局でその資料を出すように御要求ございましたので、その点を申しましたが、あの新聞に出ております記事は、この三十二年度を目標とします作業の裏付けになつております資料だげから作つたものではたいようでございまして、あれにそのまま相当するものは実はないのでございます。新聞記事はいろいろな材料を集めて書かれたもののように考えているということでございまして、そのままのはございませんでしたので、昨日御要求がありましたそれに副うような資料がございませんので、本日はそれが出ておりません。あと資料関係は、そのほか今委員長から御説明がございました自給度向上関係とか、二十九年度国際収支見通し、その他ございますので、これにつきまして順次御説明をさせて頂きたいと思います。  先ず第一に、商品別輸出計画表につきましては、お手許資料がございますように、昨日申しました分類に従いまして、各主な品目につきまして、農産物以下ございますので、これで御覧を願いたいと思います。何か特に後に御質問ございますれば、それによつて説明申し上げたいと思いますので、一応これはこれとして御覧を願いたいと思います。かような数字をあれいたしましたのは昨日申しましたような趣旨で作つたものでございます。  次に国内自給度向上による外貨節約見込につきましては、この計画を作ります際にはつきり自給制度向上によつて輸人節減ができるという前提で考えておりますのは繊維関係でございます。それで合成繊維につきまして三十二年度までにアセテートを含めまして合成繊維として一億ポンド余の生産を行いまして、三十二年度において両方合せましてこれを輸入原料に換算いたしまして四千七百五十二万五千ドルということになつております、その内訳か次の下に書いてございますが、第一は合成繊維でこれはナイロンとか、ビニロンとかいうようなものでございますが、生産が二十九年度で二千五百六十万ポンド、これを三十二度までに七千六百八十万ポンドまで引上げたい。そのうち輸出がございますので輸出数字を差引きますと、内需として三十二年度においては七千二百二十万ポンド内需用生産ができるわけでざいます、そのうち御承知のようにナイロン靴下等に使いますものは他の繊維代用というとではございませんので、これ差引きましてその分として八百六十五万ポンド差引くとしまして、三十二年度におきまして六千三百五十万ポンド輸入原料に代替され得ると考えております。これは一応綿に代用になるという計算計算いたしましたわけでありますが、六千三百五十五万ポンドの原綿の、ポンド当り三十四セントということで、耐久度考えまして、これを金額計算をいたしましたのがそこに節約金額として出ております三千七百二十万ドルでございます。三千七百二十万ドルが綿の代用になる節約額でございます。同様にいたしまして、アセテートについても計算をしたわけでございまするが、アセテート生産のうち約半分はスフでございませんで、長繊維と申しますか、ヒラメントでございますので、これは他の繊維輸人原料の直ちに代用ということにならんかと思いますので、アセテートフにつきましてこれを羊毛代用ということに考えまして、それを羊毛の代金に換算をいたしまして出ました節約額が、二千六十万ドルということになつておりまして、従いまして、それを合計いたしますと、先ほど申しました四千七百五十二万五千ドルということでございます。それからその次が外航船航でございまするが、ここに書いてございますように、今後毎年二十万トンずつの外航船建造を行うものといたしますと、トン当り外貨獲得額七十五ドル、これは最近までの大体トン当りに換算いたしました実績でございます。それを基礎にいたしまして、二十万トンといたしますると、毎年千五百万ドルの外貨節約になる。従つて、これを三十二年度まで二十万トンの建造を継続いたして参るという計算にいたしますと、四千五百万ドルの運賃収入見込まれるということに相成つております。このほかにははつきりかような計画で織込んだものはございません。昨日お話がございましたような食糧関係につきましては、昨日もお答えを申上げしましたが、国内増産をやつて原則として補う。なお価格等が最近下落の傾向にございますし、一部米と他の食糧とを振替えるというようなことも将来或いは考えられるかと思いまするので、一応食糧につきましては、人口増による追加輸入はさようなことで一応見込まないで計算をしたということでございます。  なお引続いて次の資料について御説明いたしまするが、二十九年度の国際収支見通しでございまするが、これは今年の六月頃に作りました二十九年度の見通しでございますので、昨日もらよつと申したかと思いまするが、只今下期の外貨予算編成中でございますので、従つて、その際に現在下期におきまする輸出入等を検討いたしておりまするので、それがきまりますと、上期の分と合せまして、もう少し正確なデータが出て参るかと思いますが、現在ございます資料で御説明を今日はさして頂きたいと思います。この計画は、受取が総計といたしまして二十二億乃至二十二億五千六百万ドルということでございまして、この内訳といたしましては、輸出が十三億七千万ドル、特需が五億五千乃至六億ドルぐらいという見通しでございます。それから過剰農作物のものが五千万ドル、それからオープンアカウント及びスワツプとで九千五百万ドル、その他一億三千六百万ドルということで、かような収入が一応あると考えております。なおこのうち通則農産物の五千万ドルにつきましては、これは御承知のように円で払うということになつておりますが、外国為替の面では一応それらの食糧等は一応日本の手持の外貨で払いまして、あとから向うから戻入するということになつておりますので、一応輸入のほうにそれに照応いたします支出を立てておりますので、こちらでは又一応五千万ドルは収入に立てておる。これは一応両建になつておるというような関係でございます。それから支出につきましては、これは一応総計といたしまして、二十三億六千五百万ドルその内訳といたしまして、輸入としては一応二十億ドルということにいたしておるわけでございます。これらの点も輸出と同様に外貨予算を編成する際には多少の数字の移動があるかと思います。貿易外、インビジブルの合計が、三億六千五百万ドル、その内訳といたしまして、綿花借款の、返済七千万ドル、オープンアカウントの決済及びスワップで九千五百ドル、その他二億ということで、差引いたしまして、IIIに書いてありますように、バランスは一億五千九百万ドル乃至一億一千四万ドルということで、この差額収入にございます。特需差額がここへ出て来ておるわけでございます。なおこの見通しは、外貨ユーザンス見込んでおりませんので、為替受払ベースではポンドユーザンス関係で約四千七百万ドルの支払の節約見込まれますので、従つて仮に特需を六億と計算いたしますれば、赤字は一億を下廻る、このバランスに出ております数字から、約四千七百万ドルぐらいを差引いて頂いた数字が現実の為替収支尻に相成るだろうという工合に考えておるわけであります。  次に続いて開発銀行資金配分計画を御説明申上げますが、これも資料がお手許にございまするが、これは当初の計画と、最近に至りまして改訂をいたしておりますので、この改定と比較をいたしましてお示しをいたしてございまするが、資金源といたしましては、第一に書いてございますが、政府から出資いたします金額、その次には開発銀行が既往の貸付から回収する金額、それから利殖金等、それから繰越充当等ということで、当初は六百五十億でございましたのが、現在では五百九十億に相成つております。それで、それの運用計画といたしましては、かような資金源関係からいたしまして、当初の計画を改定いたしまして、電力が三百五十億を三百二十五億、海運は百八十億を百七十億、今十次造船進行中でございます。この十次造船は百七十億の政府資金ということで計画進行中なのでございます。それからその次にございます石炭、鉄鋼、自家発、肥料、機会合成繊維、これはいわゆる特渇業種と言つておりますが、これにつきまして、トータルといたしまして九十五億を八十五億ということにいたしております。これの内訳はこここに書いてございます。この特渇業種は全部通産省関係の業種に属しまするので、これの内訳通産省でお考え中でございます。現在八十五億の内訳通産省でこれらの特渇業種について配分計画をされておる途中でございます。経審といたしましては、この八十五億の内訳経審できめて各省に指示するようなことはいたしておりませんので、通産省でその内訳をお作りになるわけでありますが、現在はつきりした数字は決定いたしておらないということであります。その他、予備を合せて十億ということで、五百九十億の配分計画をいたして、これで現在開銀融資進行しておる状況でございます。以上簡単に御説明申上げました。
  4. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 先ず商品別輸出計画表ですがね。これは昨日もらつた資料の六頁の輸出伸長期待産業のほうですか、これと第三表の商品別輸出伸長見込、このようと睨み合せて見て多少数字の違いがある、合つているのもある。
  5. 石原武夫

    説明員石原武夫君) どうも甚だ資料が不備で申訳ございません。昨日お配りいたしましたこの資料のほうの簡単に書いてございます類別に書いてありますほうが最近の数字だそうでございます。そこでこの商品別輸出計画表というものを本日お配りいたしましたのは、こういう案であつたのでございますが、その後通産省内部で検討されて多少数字が動いたのだそうでありまして、今日お配りした資料は少し古い資料で甚だ申訳ございませんでしたが、至急に新しいほうの分でもう一度資料を提出さして頂きたいと思います。大体のところは余り大きな違いはないと思いますが、昨日お配りしたトータルの出ているのが絶対額として新らしい数字だそうでございます。
  6. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それから国内自給度向上による外貨節約見込という一応大きいアイテムとしての合成繊維アセテート外航船腹増強による運賃収入増大という三つのものが示されたわけですが、昨日お願いした、二十八年度は二十四億ドル、それを二十億ドルに圧縮する、この四億の圧縮は何によつてどうするのだという点、又これだけを積算して見ても四千七百五十二万ドル・プラス四千五百万ドルで、約九千二百万ドルの節減ですね。四億ドルを縮めることにはならない。その点はどういうことになりますか。    〔委員長退席奥むめお着席
  7. 岡田宗司

    岡田宗司君 資料の問題ですがね。私昨日から要求したものはまあ出せないというお話でありました。尤もはつきりあれば出せないというのではなく、新聞に出ておるようなものはない、これはまあいろいろなものを何というのですか、ピツク・アツプして作つたもので、そういうものはない、それはなかなかお上手な返事のようであります、無論これは審議庁のほうからの答えでなく通産省からの答えであつたろうと思うのですが、まあなかなかずるいですね。とにかく通学省輸出計画案なるものができておるのですね、これがそうなんです。こういうものをこしらえておいて、殆どまあ抜萃のようなものですが、それが出せないということは私は以てのほかだと思う。おそらくこういうものを参議院の通産委員会説明されたときには出されておるのじやない、或いは出されないにしてもほぼこれに近いことが説明される、とすれば、もうそんな資料秘密でないはずなんですね。マル秘の判を打つておかなかなかてもよくなつておるはずだ。こういうものは出して頂きたい。マル秘の判はこれは本当に秘密の場合、それからでき上るまでの過程において出さないというものと両方マル秘の場合があると思うのですが、このマル秘の場合は私はでき上つたものはもう隠さないでいい段階だと思う。やはりこれは日本の今後の経済の動向をきめる上に重大な問題ですから、少くとも、私どもにお示し願えるのが当然じやないか。そこで重ねてこれは通産省のほうに御請求を願いたい、こういうふうに思います。
  8. 石原武夫

    説明員石原武夫君) これはまあお話御尤もで、もう一度通産当局によく御趣旨の点をお話しまして、できるだけのものをご提出するようにいたしたいと思います。    〔委員長代理奥むめお退席委員長着席
  9. 岡田宗司

    岡田宗司君 この国際収支見通し数字の点でお伺いしたいのですが、二十九年度の国際収支見通しのうちで、特需を五億五千五百万乃至六億ドルと見込んおりますね。ところが最近大分減つて来ているように伝えられて来ておるのですが、下期の見通しその他と比べて、この数字が維持できますか。
  10. 石原武夫

    説明員石原武夫君) これはなお今のところ下期の予算を組みます関係もございましていろいろ検討しておりますので、正確にここに書いてあります数字が今の見通しで間違いないかと言われるとちよつとそこははつきりとお答えはいたしかねますのでございますが、上期のベースをそのまま延ばしますと現在のベースを仮に二倍するというような考え考えますと、五億五、六千か、六、七千というくらいの数字に相成るのでございます。それで、従つて一応こういう幅を持つてこの表としてはその当時としては計算をしたわけでございます。今お話のように今後の見通しにつきましてはちよつと今検討してそれぞれ関係のところでやつておりますので、或いは特需につきまして下期は多少変つて来るかと思いますが、この見通しについてはちよつと私お答えするほどの材料を持つておりません、
  11. 小林政夫

    委員長小林政夫君) さつきの輸入圧縮の分はわかりますか。
  12. 岡田宗司

    岡田宗司君 輸入圧縮の問題ですが、これは国内自給度向上による外貨節約見込だけなんです。ところが、十八年度と一十九年度の間においてすでに相当な輸入圧縮見込んでおるわけです。原油にいたしましてもそのほかにいたしましても今後もやはり相当なものの圧縮を続けて行かなければならん、その圧縮はどういう商品に向けられるかということですね、まあ原油とか、砂糖とか、或いは乗用自動車とか、写真機とかいろいろあるでありましようが、どういうものを主にどのくらいの程度圧縮されて、どのくらいの数量を維持して行くかという問題、父日本産業構造の変化、或いは国内の需要の増大輸出増大等から原料として今日よりもなお余計買わなければならんものも或いはあるかも知れない。そういうものはどういうふうに見込んでおるのか、そこいらの点をもうちよつと詳しく御説明願いたいと思います。
  13. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 只今の御質問に或いは、十分お答えできないで御不満かと思いますが、一応先ほど委員長かららもお話がございましたが、昨年度から比較しまして今年度は約四億近く削減しておるわけでございます。削減は先ず昨年度とへ今年度と比校して相当大幅に減つておるわけです。その結果それをどういうふうな項目で減つているか、ちよつと今具体的な数字を申上げかねますが、御承知のよりに昨年度は非常な凶作で、全体としては二億を超す数量緊急輸入をいたしたわけですが、それで二十八年度の予算で落ちたものが約一億五千くらいだろうと思うのです。十八年度予算のうち一億五千くらいは特別な凶作という条件のために特別に殖えた、平年度で行けば、昨年度としてもそれだけは当当然なくても済んだものだろうと思うのです、それからたなお昨年非常に殖えましたもう一つの原因は、割合二十七年度の輸入というのが二十六年度にいわゆる新三品というような問題が起りまして割合輸入が多くて而もそれが国内的にいろんなトラブルのあつが関係もありますし、或いは在庫にそれが残つてつたという関係もありまして、二十七年度の輸入割合生産規模その他に比較しまして少くて、従つて昨年度はその反対にそうした在庫の補填とかいう点もあつて割合に二十七年度が少なかつたのをカバーするという意味で多かつたというものもあるわけです。それから御承知のように昨年度は相当AAというようなものも開いておりまして、とにかく割合に比較的楽にできました。従つて国内との価格差から考え輸入したほうが有利で、国内に必ずしも支障がないというわけでもないのに、できるなら輸入したほうが個々の企業の採算上都合がいいというようなことで殖えたものもあるようです。相当いわゆる一商品としてはそう大きな額を占めないような、或いは雑品に類するようなものの輸入というのが非常に昨年は多かつた。もう少し時間を頂けば各主な商品につきまして、二十八年と、それから二十九年と大体どこでどれぐらいの四億近くのものが減つたかということをもう少し的確に御説明を申上げたいと思いますが、極く概略を申上あげるとさようなことであろうと思います。それで只今のご質問の将来のことでございますが、これは輸出計画でございますが、一応現在といたしましては将来も輸入ベースは大体二十億検討、これは昨日大臣からもお話ございましたが、従いまして二十億に抑えますのはむしろ輸入力関係からいたしまして輸出をそう急速に伸ばすということも現実問題としてなかなかできないし、今保有しております外貨をそう食い潰すということも困難でございます。従いまして輸入規模というものはさような意味から制約をされまして、一応特需等が今後或る程度継続するといたしましても、大体その程度に抑えざるを得ないだろうということでございまして、従つて具体的な品目で無論増減が起るはずでございまするが、今のところ具体的にこの品目はこれくらい殖え、この品目はこれくらい減つて、而も合計二十億ドルだという実は数字を持合せておらないのでございます。只今御指摘がありました国内生産も或る程度殖えて行く、或いは輸出も勿論伸ばさなければならん、とにかく輸出を四割近く伸ばそうということでございますので、少くとも輸出の四割近くが増加するということは理の当然でございます。ただ二十億ドルというものは本年と大体同じベースでございますので、特需が減りますれば、今特需も相当ございますが、特需でも或る程度のものは原材料使つておるわけでありまして、従つて特需が減りますればその分が理窟の上では特需使つてつた原材料というのは浮いて来るわけであります。さような関係輸出増がそのまま輸入原材料に振りかかつて来るとは考えていない、特需が落ちた分は或る程度その金額輸出が伸びても或る程度のものは全体としてはカバーできるのではないかというふうにも考えられるわけであります。或いは三十二年度くらいに参りますと、二十億ドルきつちりという本年の輸入実績そのままの数字というのは或いは多少むずかしいのじやないか、多少のところは上廻らざるを得ないのじやないかというふうにも考えますが、概略的には約二十億、或いは二十一億ドルくらいのところで大体収められ得るのじやないか、又収めざるを得ないのじやないかというふうに考えておるわけであります。
  14. 岡田宗司

    岡田宗司君 輸入品価格動き如何によつて同じ二十億ドルの輸入をするにしても非常な違いがあるのです。去年から今年へかけてまあ金額圧縮をやつて参りました。若し向こうの価格が漸次下つておるとすれば数量圧縮金額圧縮ほどでなくて済むわけです。今後若し国際価格が、特に原料価格が下つて行けばそういうふうになるのですが、三十二年度までの価格見通しを聞いたつてこれは無理な話でできないわけです。去年と今年と比べて日本輸入する商品の重要なるものの価格はどういうことになるのか、又近い将来においてそれはまだドるというふうに見ておられるのでありますか、重要な商品についての動きちよつとお聞かせ願いたい。
  15. 石原武夫

    説明員石原武夫君) お話にように昨年から本年にかけて或る程度輸入原材料は下つておるものもあるわけでありますけれども、只今どういうふうな商品で幾ら下つておるかということをちよつと資料を持合せておりませんので、次の機会までに一つ大体主な商品につきましてあれさして頂きたいと思います。それから、なお将来下るかどうかということにつきましては、今の世界的な価格というものはアメリカ等では必ずしもよくないようでございますので、一般的に申しますとそう今後も下つて行くということは一般的には期待することはむずかしいのじやないか、これは勿論先のことでございますので、いろいろ世界的な経済状況でどうなるかわかりませんが、今の現状ですぐまだまだ国際的な緊要物資も下つて行くのだということを期待するのはむずかしいのじやないかと考えます。食糧等は御承知のように相当大幅に下つておりますので、殊に世界的に週刊の傾向にございますので、こうした商品につきましては今後も下り得るのじやないか、米等は相当輸入しておりますが、最近でも相当どんどん下つて来ております。米も本年度相当国際的に過剰だと思われる状況でございます。こうした特殊なものにつきましてはなお相当下るということは考えられます。
  16. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それではまだ事務当局のほうにいろいろ御質疑残つておると思いますが、通産委員会との申合せによつて長官をこちらへ極く短時間もらつたので、長官に対する質疑を……。
  17. 奥むめお

    奥むめお君 電気気料金の問題でちよつとお伺いいたしますが、非常に急に御発表にたりまして、まだ業界のほうも、家庭のほうも計算のピントが合わないうちにどんどん御計画が進むといたしますと、非常にこれは不安が増大いたすのでございますが、どういう建前でこう急にこれを御発表はさつて、そうして又波及する影響はどういうふうになるというお見込でございますか、伺いたい。
  18. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 電気料金につきましては、突然というお話がございましたが、私どもといたしましては、本来ならば電力会社から申請が出ましたものに対して通産省限りでこれに対する措置ができるのでございますが、現在の諸情勢からいつて、取扱をできるだけ慎重にいたしたいと思いまして、先月の初めに大体の基本的なこの問題に対する処理の方針を政府としてはきめたわけでございます。それに某いて具体的な料率表をはじき出して今月の六日に発表をいたしたわけでございます。従いまして六日からこちら極く僅かの日にちしかまだたつておりませんから、その間において、この料率表がどういうふうな構成になつておるかということについて各方面でいろいろの意見を持つておられる場合に、細目の研究がなかなかわからないというような御意見が出ますことはこれは無理もないことだと思います。それから、申すまでもございせんが、電力料金のはじき方は非常に複雑で細かくなつております。今回も実は料金制度の改正に伴いましてできるだけこの料率制度も簡単なものにしたいということを一つの建前にいたしておりますが、そう申しましても、非常に複雑でありますためにそれぞれ自分の事業に対してどういう具体的な影響になるかといことについて、大体もう今日におきましてはわかつて頂いたと思いますけれども、発表の直後においていろいろの御議論があつたり、或いは多少の誤解があつたりということが起つたことは避けがたかつたことだと思つております。  それからいま一つ、これはは今日配付する用意を或いはいたしていなかつたかと思いますが、資料を詳細にお届けいたしたいと思いますが、私どものきめました方針が御承知のように全国平均として来年の三月までは現在の冬料金ベースに料金を据置こうと、こういうのが一つの基本方針でございます。それから四月以降来年どうするかということについては、このまま何も措置をしなければ来年四月以降においても冬、料金をそのまま延ばすほかはない、これは原価制度という現行の料金制度の建前と、それから開発関係の資本費の増高から言いましてどうもこれは止むを得ないことだと見通されるのでありますが、一方におきましてその四月以降の料金につきましては、電力会社側の一層の企業努力と、それから税の負担軽減と金利の負担軽減、この三つの要素につきましてできるだけのその間努力をして見よう、殊に税につきましては国会の御審議を頂かなければなりませんので、先ず政府の原案作り、それから国会の御審議を頂きたい、その結末によつて冬料金一本制度よりもその軽減措置ができればそれだけは下ることになりますから、現在は最高限として見通されるものは、四月以降は夏冬料金一本制、併しそういうふうにならないようにできるだけの努力をしまうと、こいうことを基本的な考え方としてきめましたために、具体的な料金としては来年三月までのものが確定してお示しができるわけでございますが、それ以降のものは今のような取扱方をいたしたいと考えておりますために、それ以後の具体的な料金については、現存未決定というか、なお再検討を要するということになつておりますために、今後半年間の料金だけを具体的にはじいてお示しいたしたわけでございます。従つて計算いたしまするかような場合にその後はどううなるのか、或いは家庭的にこうなつた場合にはどうなるのかというような分についての御疑問等についてやや明確なお答えができない点があります点がいろいろの御心配を起しておる点だと私は思うのでありますが、要するに今申しましたような取上方をいたしておるわけでございます。それからぐらい敵に各料率について十月から料金制度の合理的の改正をいたしますが、それは現行の割当制度廃止に伴いしまする料金制度の合理的改正であつて、この合理的改正を行います場合にも従来聴聞会その他におきまして各種各様の御意見が出ておりますが、成るべくその御意見を取りまとめて、具体的の料率の上にういう御意見ができるだけ反映するように配意をいたしたつもりであります。それらの細かい点いにつきましては資料について別に御説明申上げたらば適当かと存じます。
  19. 奥むめお

    奥むめお君 私この電気料金のことだけは何か当座凌ぎの十月前のことだけおきめになり、経済計画輸出計画なんかは、三年前のものをやる、十月以降何をやるかわからんというようなことで当座凌ぎの逃口上をなさるということが一番問題だと思うのですから、電気会社から言えば……、今の計算ですれば上るのか、下るのかというのは先ず誰もわかつていない、電気会社に言わせれば一%下るのだと言うのであります。だから損じやないかと言えば損なんだと、こう言うのでありますが、電気会社は値上げを申請しておるのでありますが、電気会社の建前では収入が上るのでありますか、下るのでありますか、それから家庭、工場はどうなんですか、お見込を……。
  20. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これは御尤もなおお尋ねなんでありますが、今申しましたととろで私尽きると思うのでありますが、要するに今後来年の三月までに、先ほど挙げました三つの要素について特別の措置が講ぜらざる限りにおいては、原価主義の建前から言えば、来年の四月以降において今回の改善の伴いました冬料金制度がそのまま延びることになります。でありまするから、それ前半年の間においては只今御指摘ありましたように、全九会社を総合して料金収入を比較すれば約十億円だけ収入が減るのでありますが、これは併しく全九会社を総合した場合でありまして、各個別の会社においては収入の上るところもあり、下るところもあるのでございます。
  21. 奥むめお

    奥むめお君 それでこれは勿論会社方面との緊密な連絡をお持ちになつてから御発表なつたものだと思うのでございますが、仮に半年先のことを冬料金になるのだ、こういうお言葉のようでございますが、冬料金一本で行くのだということになると非常に問題が大きいので、我々聞いておりますのは、いや冬料金になるときまでには大いに金利のほうも、又資本のほうも、税金のほうもいろいろ見て、又会社の合理化も進めて、そうして又決して高くなるようなことはしないと言われておるしと私は聞いておりますのですが、今の長官のお言葉では、じやあ冬料金一本なるというお建前なんでございますか。半年先には……。
  22. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 半年先には今言いましたように、今申します三つの点について、或いはそのほかにも関連するところがあるかも知れませんが、それらの点の措置がとられる限りにおいて冬料金より安くなるわけで、ございます。それでそのとることをはつきりして再検討をしようということを基本方針としてきめたわけでございます。
  23. 奥むめお

    奥むめお君 それじやその合理化の面でいろいろ手当を予想されていらつしやるのはどういうことでございますか、少し具体的に聞かして頂きたい。会社の合理化を先ず聞かして頂きたい。
  24. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) その点は只今数字的にはつきりした目途がまだつきませんので、基本的な考えるべき要素を取上げて、この要素について低物価政策の趣旨に基いて再検討をしようということをきめたわけでございまして、まだその細部に亘りまして、例えば国税がこういう程度つたらばこうなるとか、或いはその程度のことは税法上も認めてもよいことであるというような点について、政府側としての研究もまだ十分にはできていないわけでごごいます。
  25. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 私からもお伺いしますが、半年、来年の三月末まで何とか今の合理化をやつて、四月一日から冬料金というけれども、そうならないようにという御配慮があるならば、まあデフレ政策ということで相当物価引下げという際になぜ今放つて置けば四月一日から冬料金並みに行くのだ、電気料金は上りますよということを今言わなきやならないのか、来年の三月まではこういうわけで十億減るのだ、従つてまあ個々についてはでこぼこがあるけれども、大体電気料金は安くなる、こういう発表をしたほうが人気的にはいいわけですね。むしろ止むを得ずして四月一日から一歩譲つて、百歩譲つて冬料金を適用するとしても、今慌ててなぜそういうふうにするのだということを言わなきやならないのか、それは電力会社の資金調達などという点を考えての御発表なのか、大きい政策から言えばよく言われておる公の料金を上げるということはいかんと言われておるので、政治的な観念から言うとどうもまずいのじやないかというふうに思うのですが、どうですか。
  26. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) その点も御尤もだと思いますけれども、一方実は一月に申請が出ておりまして、それに対しまして政府としてはこれ以上一つの問題につきまして意思表示をしないで放つて置くということは、すでに聴聞会も終りましたし、又料金制度の改正のほうについても聴聞が行われました。現行制度の建前から申しますと、政府としての態度をきめざるを得ないということから、たまたま九会社のうちの二会社は十月一日から冬料金に入ります。その他のところは十一月から入ります。そういう時期に際しましたので、この際一応中間的と言われるかも知れませんけれども、政府としての見解を明らかにいたしたわけでございます。
  27. 小林政夫

    委員長小林政夫君) まだ電気料金の問題その他について、特に電源開発は本委員会のいろいろの調査事項で、一応日を改めてこの問題だけ取り組んで頂いて、昨日からの残りを、時間がありませんから岡田さんに。
  28. 岡田宗司

    岡田宗司君 先ず輸出計画の点について重要なポイントを1つお伺いいたします。  読売新聞に、通産省から出た資料に基いて昨日、「新輸出計画・最終案成る」という記事が出ておりました。それの最初に「基本政策」としてですね、目標年度に十七億四千万ドル……これは数字が違うようでございますが……の輸出水準を達成するため最高輸出会議並びに産業別輸出会議の組織を新設、こういうことはお考えになつておるのですか。
  29. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) この点は昨日或いは御説明した中になかつたのかと思いますが、この点は未決定でございます。  実は率直に申しますと、通産省といたしましては、輸出振興第一主義ということにあらゆる政策を凝集したい、従つてその取扱方もできるだけ責任の持てるようなものにしたいということで、こういう方式がが適当かと考えておりますが、政府全体としてまだ決定したわけではございません。
  30. 岡田宗司

    岡田宗司君 通産省がこういうものが適当だとお考えになるわけですが、これは一種の貿易の国家による統制の一つの形式だろうと思うのです。この通産省でお考えになつておる考え方ですね、最高輸出会議というのは、特に最高ということがついておるのですが、これは産業別輸出会議と違つて、どういうようなフアンクシヨンを持つものと通産省ではお考えになつておるのですか。
  31. 愛知揆一

    ○国務務大臣(愛知揆一君) 大体の考え方といたしましては只今、御承知と思いますが、外貨予算編成について外貨審議会と通称言つておりますが、閣僚や日銀総裁などの懇談会を持つております。大体それと同じような機構で以て、そして例えば四半期別なり、或いは半期別なりに、当面の各物資別、地域別の輸出目標といつたようなものをここで十分検討してもらうということに考えて、これを各産業別の輸出会議とでも申しますか、それとうまく連絡をとるようにしていきたい、こういうふうに考えておりますが、ここで決定をしたというような目標が、不動の至上命令だというような恰好にするために最高というような名前をつけたわけではございません。
  32. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうするとこの最高輸出会議というのは、一応四半期ごとの輸出計画を立てる、情勢を検討して輸出計画を立てる、こういう機関、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
  33. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) もう少し具体的に申しますと、私どもが素案として考えておりますのは、輸出に関連する施策にはこのほかにいろいろ関連すものがございましようから、輸出に達する施策の基本方針といつたようものをきめたい、審議してもらいたい。それから輸出振興対策と申しましも、これも随分各方面に関係がございますから、例えば輸出振興のための制改正とか、或いは徴税の運用の問題とか、そういうものも一例としてございましようし、或いは輸出金融の問題なんかもありましよう、そういう振興対策も審議してもらいたいというようなことをも合せてここの任務に考えて見たら如何かと思つております。
  34. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 自由党の新経済政策の中に、経済拡大総合政策推進機構の整備ということが謳つてありますが、この機構というものはどういうことに考えられておりますか。経済審議庁というものを拡大して行つてやるのか、又今岡田委員からの質問にあつた輸出振興関係機構との関係、そういう点はどういうことですか。
  35. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 実はその関係は昨日申しましたように、昨日自由党で発表いたしましたその政策案と政府側との協議がまだ十分できておりませんので、それで今私も申しましたような、輸出最高会議というようなことも、現在のところは通産省の試案であるということを申上げましたので、そいうふうな点につきまして更に相談をいたしてまして、この機構の問題を結論を出したいと思つております。
  36. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、この産業別輸出会議というものは、その最高輸出会議の下に属するものですか。
  37. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これは大体業種別に一個乃至数個設けたら如何かと思つております。まあ下部機構と申しますよりも、もつと非常に実務的なものであるというふうに考えておりまして、これは商業別の輸出の具体的な、例えば目標案の作成とか、或いは一つの特定の物資についての輸出を阻害している原因の除去について相談をして、これを推進する、こういうようなものにいたしたいと考えております。
  38. 岡田宗司

    岡田宗司君 今の御構想を伺つておりますというと、とにかく三十二年度までに国際収支バランスを図るということで、相当まあ強力な統制的た面を進めて行こうというふうに窺えるんです。それで輸出だけにつきまして、まあ最高輸出会議、而もこれは単に輸出だでなく、それに関連する全般のいろいろな問題もお取扱いになるようであります。こういうことから推して参りますというと、この最高輸出会議なるものも、先ほど委員長質問にありました全体の経済政策を立て、これを推進して行くんですから、そういう機構との関連ということが問題になつて来る。自由党の構想もそれを示されているのでありますが、経済審議庁長官としては、その構想はまだ打合せはついておらんでしようけれども、今の経済審議庁をもつと協力にし、或いは拡大して、そういう全体の計画経済の立案遂行の機関にし、この最高輸出会議等もそれの下に従属せしめるという構想でしようか。
  39. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) 実はその点は率直に申しまして、只今御指摘の自由党の考え方と最高輸出会議との組合せをどういうふうにするかということについて、まだ我々部内でも十分相談する機会がありませんので、今日申上げますことは私一個の私見でございますが、輸出のほうの最高会議は、これは主として通産省が幹事役をいたすつもりの立案なんであります。従つて幹事会などを予想いたしました場合に、その幹事会を主宰するのは通産事務次官であるというふうな構想でございます。従つて全体の経済計画の樹立等についてまでこれがやるということを考えているわけでもございませんし、同時に経済審議庁を中心にこの輸出振興の機構を作ることは考えておりません。そこで第二の問題でありますが、この際自由党のほうの案にもありますような経済計画的な作案をするというような機関が考えられる場合に、政府としてはどうするかということも、私一個の考え方でございますが、これは当然経済審議庁を利用されて然るべきものであるというふうに私は現在考えております。ただ個々の物資に亘つて、いわゆる統制というような、いわゆる切符を切るような事務ということを予想いたしておりませんから、一概に曾つて経済安定本部のような非常に厖大な機構をそれだからといつて今直ちに予想する程度のものでは私はないのではないかと思つております。
  40. 岡田宗司

    岡田宗司君 次にこれは新聞記事に基くのでありますが、「輸出伸長期待産業としてとくに特産的商品、消耗的消費財、耐久的消費財、規格商品、新製品、重機械類の六グループを選別、雑貨買収機関の新設など諸対策を実施する。」ここに六グループに選別とか七グループに選別とかというのは、これはまあいいといたしまして、これは雑貨買取機関の新設ということが出ているんですが、これはどういう御構想ですか。こうなつて来ると、まあ、貿易の何といいますか、単なるコントロールよりもう一歩進めた、かなり高度の貿易統制ということになつて来るんじやないかと思うんですが、これはどういう御構想ですか。
  41. 愛知揆一

    国務大臣(愛知揆一君) これも率直に申上げるのでありますが、私も新聞を見まして驚いたのでありますが、まだ私の所で会議をしたり、それから私の手許に出ておりまする事務当局の案の中にも、私の手許にある案の中にはそこまで触れてあるものはないのでありまして、従つてこれは誰かの本当のそれこそ一つの私案程度のものが、通産省全体の最終案の中の一項になつておるかのような誤解からこういう記事なつたのではなかろうかと思います。実は私もそこまで見ておりませんし、又そこまで実は考えが熟しておりません。何とも申上げかねるわけであります。
  42. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それではまだ場合によつてあとで相談して、明日にやつてもらうとして、それでは長官有難うございました。通産のほうへ行つて頂きます。  それでは先ほどの質疑に帰りまして、岡田委員質問及び私の質問に対して時間が欲しいということでありますが、この時間は、今日ちよつと待てば後ほど出るということか、或いはあとから資料として数日たつてから……。
  43. 石原武夫

    説明員石原武夫君) いま暫らく、一両日待つて頂けば資料として提出できると思います。
  44. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それではあとから資料として出して頂きます。  それから今の国内自給度向上による外貨節約見込ですが、これは先ほどもちよつと触れたように、アイテムとして三項目しか挙つておりませんが、開銀融資等の関係からいつて、相当自給度向上に役立つための融資が行われている。開銀融資の場合に、輸出を振興することはもとより、同時に自給態勢の確立ということから、合成繊維のみでなく、その他昨日ちよつと出ましたように、石油等のオクタン価の精製設備というようなことから、製品輸入原油輸入に切替えていく、だんだん外貨の使用度を減らして行くという、そういう点とのかね合いで、もつとこの開銀融資をやつたものだけの件数に限つて国内自給度向上による外貨節約見込というものがいろいろ考えられると思います。もつとあるはずである、そういう点はどうですか。
  45. 石原武夫

    説明員石原武夫君) お話のように政府資金から出ております開銀融資等についても、自給度向上に役立つようなものにも勿論の話のように出ております。従つて今後もそうした投資を継続いたすことになりますので、三十二年度まで石油でも例えば或いは国産原油が今より殖えるとか、製品輸入原材料に転換するとか、なお現在は完成品として相当の機会が毎年入つておりますが、これが準じ国産化されて行くとか、そういうような種類はまだ相当あると思います。先ほどこれだけを申上げましたのは、そういう点につきまして三十二年度までにこういう物資についてこういうことをやつて従つて外貨でこれだけ現状より節約できるというはつきりしたコンクリートの計画がなかつたものですから、今まではつきりしております分だけを御提出したわけであります。それで実はこの計画自身も輸入よりも輸出について先ず計画を作りまして、輸入についてはいりおいろ御指摘のような点を当然検討してはつきりした輸入計画にならないとならんわけでございまするが、現在のところまだそこまで行つておりませんので、御指摘のようなことで、一応申しておりますように、二十億ドル前後のベース輸入を抑えるといたしますれば、当然これだけの自給度向上ではなかなか困難だ、国内の国産原料による自給度向上はできるだけ広く考えて行かなければなりませんので、これらの点については今後できるだけ案を作りたいと思います。御承知のように、相当広範囲に亘りますと将来の政府財政投融資、或いは又政府だけに限りませんが、そうした面の睨み合せて考えませんと、計画だけでは割合に簡単にできますが、実現性ある計画ということになりますと、殊に政府の投融資につきましては大体これくらいの投融資を前提にして、従つてこうした業種については今御指摘のような自給度向上ができるというところまで大ざつぱにもめどをつけませんと、各業種別のただ自給度向上計画を作るということでは非常に簡単でございますが、これらも或る程度睨み合せて、今後作つて行きたいというふうに考えております。
  46. 小林政夫

    委員長小林政夫君) いやその点もわかるのです。例えばこの合成繊維の二十九年度は二千五百六十万ポンド、それから三十二年度に七千六百八十万ポンドに上げるなんということは、これはなかなか財政投融資が相当につかないとペーパー・プランであろうと思います。現在までの伸び方から言つても……。こういう点については私自身が非常に疑問なんです。疑問ですが、すでに開銀融資が行われて或る程度そういう、例えばオクタンカを高めるガソリンの精製設備とか、そういうようなものがかなりできておる。それを使うことによつて現実にそういう施設が動くことによつて現在でも一年先にはこれだけ外貨節約にはなる、こういうケースが、これは1つ石油だけでなしにいろいろあるはずなんです。開銀融資がすでについておるものだけでも、そういうものだけでも一つ作業して見てもらつて、それから将来はこういうふうにやりたい、これはかなり希望的要素がある、今出された資料にはある、現実に融資が済んで設備も或る程度進んでおる、それによつてこれだけの外貨節約ができる、こういう作業ができるはずです。
  47. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 今のお話でございますると、現実にある程度開銀融資が今例えば本年度あたり計画され、或いは前年度あたりから引き続き計画されておる分につきまして、それの効果として国産化されるといいますか、自給度向上になつて従つてそれを外貨に換算した場合にはこういうふうになるというような差当りの資料でございましたらば、これはできるだけ資料を整えまして、御提出をさせて頂きたいと思います。ただ将来の問題につきましては或る程度極くラフな見通しでございますれば、或いは可能かと思いまするが、少し先の問題になりますと、そうした財政投融資とか将来の計画と睨み合せてということになると、多少時間を頂かないと、財政投融資の額をきめます点については全体の歳入歳出というようなところまで一応目途をつけませんと、はつきりした財政投融資の額というものは出ませんので、何らかの形で想定をおいてでも今のような作業をいたしまして、できるだけ早い機会にお示しをいたしたいと思います。
  48. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それから開銀融資の、先ほどいわゆる石炭、鉄鋼、自家発電、肥料、機会合成繊維などの八十五億の内訳は、今通産省において検討中だ、こういうことでりますが、経審はどの程度開銀融資等の資金配分について、何といいますか、権力ではないが、通産当局はこう言うけれども経審考えでこうだとか言つて握れるのか、若し通産当局に一任してあるなら、通産省ちよつと産業計画が変つたからこう直したい、こういうときに一方的になるのか、あなたのほうと十分打合せの上でやるのか、その点はどうですか。
  49. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 先ほども御説明いたしましたように、経審といたしましては、開銀融資の基準と申しますか、方針と申しますか、さようなものを各省とも相談をいたしましてきめて、これを閣議で御決定を願う。それでそれと同時に、ここにお示ししてありますように、ここに一括数字を掲げてあります程度内訳をしておりますが、そこまでは経審がやつております。今お話がございましたように、石炭以下の特掲業種につきましてどの程度配分するかは通産省がやつておりまして、或る程度事務的に連絡が全然ないということでもございませんけれども、これはどちらでやるんだということになりますると、通産省にお任せをしておるという状況でございます。
  50. 小林政夫

    委員長小林政夫君) そうすると、変えるのも、将来八十五億の範囲内ならば適当にこの項目の範囲の金額の移動ということは通産当局で自由にやつていいんですか。
  51. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 実は昨年までは、きめます際に特掲業種につきましても数字を入れまして、従つて経審で鉄なり石炭なりは幾らというところまできめておつたわけでございます。本年度からかように特掲業種につきましては、一括融通性を持たせてやるということで、お話のように現在では、建前から申しますると八十五億はどこへ食つ付けようと通産省がやるんだという建前でございます。ただ実際問題といたしましては、始終いろいろ問題を打合せておりますから全然知らないうちにきまつてしまうということもございませんが、建前はこれは通産省がきめてやるということになつております。
  52. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 私が其の点を強く聞くのは、先ほどの、折画開銀融資をつけて或る程度自給度向上の施設をやつた、それも或る程度動き出した、ところが一方外貨割当の面においてはそういう点を考えずにどんどん入れる。入れんでもいいものを入れるという、非常にちぐはぐな面も出て来ておるふしもあるように思う。だからそれは一体、あなたのほうあたりでしつかり開銀融資の結果自給度向上にはどういうふうに数的に現れて来るか、こういうところまで握つておいてもらわないと、又一方外貨割当で輸入するというときに、何ら特別な政治力などの運動によつてばたばたと行くようなことがあるんですよ、あるように聞いておる。そういう点は十分輸入計画と睨み合せて如才はないと思うんですけれども、十分勘案してあるのかどうか、計画がですね。
  53. 奥むめお

    奥むめお君 この国内自給度向上による外貨節約の中の内需数字ですね、合成繊維、ここに割に詳しい数字が出ておりますが、この根拠をもつと詳しく説明して下さいませんか、どこから算定していらつしやるのですか。
  54. 石原武夫

    説明員石原武夫君) これにつきましては少し先のことでございますので、非常にはつきりした根拠はないのでございますが、全体の生産につきましては、こういうふうに拡張して行くということで、一番上にある生産が先ず出て参ります。それからその次には輸出を、先ずどれくらいこういうものが輸出ができるだろうかということで、輸出を先ず出しまして、それを差引いてあと残額は内需内需のほうから計算したのじやなくて、一応こういうものについて輸出はこれぐらいのところは先ず出るだろうというのを先にきめまして、それを差引いて内需という計算をしております。
  55. 奥むめお

    奥むめお君 そうしますと別に根拠はないわけで、余つたものを内需として出しただけですか。
  56. 石原武夫

    説明員石原武夫君) かような合成繊維につきましても、その他の繊維につきましても同じことでございまするが、できるだけ輸出ができるならば輸出をいたしたいし、従つてこれはほかの繊維にも共通でございますが、繊維として若し輸出ができるならば、各繊維別にできるだけ輸出は先ずやりたい。それでただこの場合には合成繊維は供給力がこれ以上殖えませんので、合成繊維につきましては先ず輸出を引いて行く、ただ国内繊維の供給力を確保いたしますために、それと輸出とを加えました程度数字輸入原材料に仰いでいる、こういうふうに考えてこの計算をいたしておるわけであります。
  57. 岡田宗司

    岡田宗司君 この「新政策大鋼」ですね、これを見ますというと、輸出の振興のところにも輸出品のコストの引下げということが非常に大きな要素になつているのです。又産業基盤の強化対策のところでも製品のコストの低下ということが取上げられているのです。このコストの引下げということについてどういう点に力点をおかれるか。例えば伝えられるとことによるというと、労働賃金が高過ぎる、これを抑えて行かなきやならんということで、何か労働省のほうで措置を講ずるということも言われておるのです。まあこれはいろいろ議論のあるところでありまして、そのためにコストの低下が労働者の生活にしわ寄せされるということは、これは一番たやすい途でありましようけれども、まあこういうことは我々としては御免こうむりたい。そのコストの引下げという点について経済審議庁のほうでは大体どういう御構想を持つているか、それをお伺いしたいと思います。
  58. 石原武夫

    説明員石原武夫君) これは非常に前々から言われておりましたが、実際問題というとなかなかむずかしい問題でございますが、やはりコストを引下げますという点につきましては、これは各いろいろな意見があると思いますが、第一には、やはり一般的に日本の現在の産業設備等を考えますれば、先進国に比べて相当遅れておりますので、非常に機会器具が古いとか、いろいろな、能率が悪いとかいう点がございますが、やはり根本的には設備の近代化と申しますか、合理化ということを先ず第一に取上げて行くべきであろうと思います。従つてさような面に当然資金が必要になるわけでありまするが、今のような政策の下でそう多額な資金がなかなかうまくつくかということは非常に問題でございまして、よく合理化と今の緊縮政策とは矛盾するじやないかという御批評を頂くのでございますが、さような点につきましてはどうしても我々といたしましても賃金のもう少し質的な統制ということを考えて、成る一定の枠内でさようなものに貸金がつくような計画をする必要が是非あろうというふうに考えております。なお技術の面につきましてもなお多少遅れている点いもございましようし、又経営全般といたしましても、経営の管理なり、その他の面で遅れている点もありまして、さような点も併せて当然今後改善をして行かなければならん。中には企業によりましてはいわゆる冗費と申しまするか、なお節約をする余地のある点もあろかと思いますが、そういう点が若しありますればその点は節約することは当然でございますが、そういう点で先ず第一に合理化を、広い意味におきます合理化を先ず進めて行く必要があろうかと思います。それからなお産業の種類によりましてもこれ又違うかと思いまするが、割合日本の企業は、企業で多品種のものを作つて、そうして一品種として割合に並が少くて、そのためにコストが割高につくという点もあろうかと思いますので、できればできるだけ専門的な生産に企業の体制をそれぞれ移して行くということも必要であろうと思います。これらは今のところ政府が強制的にどうこうするというわけにはなかなか参らんと思いますので、その点は、設備の面につきましては貸金的な援助なりをするということになろうかと思います。その他はできるだけの範囲内で行政指導的な面でさような点を進めて行くということを考えております。
  59. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、直接政府としてまあコスト引下げを促准するという手は、この資金の質的統制という面を通じてだけで、あとはコストを引下げろ、引下げろと奨励するくらいのもので、こういうことになりますかどうですか。
  60. 石原武夫

    説明員石原武夫君) その他、例えば輸出につきましては輸入原料の割当とか、或いは国内産のものにつきましても今でも一部ございまするが、輸出向けの原材料について特別の価格考える。そうした面も勿論あるかと思います。コストを引下げるので今申しましたように必ずしも限定してほかにないかというお尋ねでありますが、若し考えますればあるかと思いまするが、経済審議庁といたましては先ほどちよつと申上げましたが、労働省で何か立法をお考えになつておるというようなお話もありましたし、新聞紙上で拝見いたしておりますが、かような点は我々は聞いておりませんし、現在審議官が菅家ておる点から申しますとさようなことでございます。ただ各企業として相当努力をされる余地が少くとも従来あつたと思います。昨日大臣ちよつとお話がありましたが、各企業で今’の緊急政策の関係で或る程度のコストが下つて来ているという事実ももあるようであります。これは或る産業を通じて平均幾ら下つおるということはなかなかむずかしいことで、これはちよつと我々としてもわかりかねますが、併し或る個々の企業につきましては、最近一割前後下つておるということも個々の会社の責任からも聞いておりますので、会社としてそれぞれ各方面にいろいろ努力される余地もあろうかと思いますが、政府といたしましては先ほど申しましたような点に主眼を置いて、考えております。
  61. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると、まあデフレ政策や何かで企業のほうで自分を防衛するために止むを得ずコストの引下げをやつて競争力をつける、こういう結果になつてまあ下つておると思うのですが、政府の施策として積極的に計画的にコストを引下げるというどうも手じやないように思うのですね。そうするとこの新経済政策に謳つているというのは実際おかしな話なんです。それじやあ、一体コストの引下げというものは政府の大きな施策として謳われているとは思えないのですが、まあそれ私の批判なんです。
  62. 小林政夫

    委員長小林政夫君) その点でもう少し物資別で言えませんか。例えば質的統制と言つてもこれはあなたのほうでちよつと言いにくいということであれば通産当局を呼んで開いてくれとか、例えば一番問題になつている石炭、鉄鋼という面について一体どうなるのだ、まあよく言われておることであります開発或いは発電設備をどうすとか、これを少し経済的にこうやつて、これは開銀融資を、これだげ受けて、市中にはこういうふうに協力させて、その結果はコストはこうなる、こういう具体的方策を、一番問題になついる石炭、鉄というようなものについて説明ができませんか。
  63. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 今のお尋ねの点御尤もでございまして、今通産省でも石炭を取上げまして石炭のコスト引下げの問題を前面的に取上げておるようであります。それで今のお尋ねはちよつと私からは具体的に余り御返事をする知識も持つておりませんので、鉄ついてもこれは、三カ年の合理化計画いたしましてその結果はどれだけコストが下つたという数字も主なところについては出ておるようでございます。一遍通産当局から御説明を聞いて頂きますともう少し詳細に具体的な御説明ができるかと思います。
  64. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それじやそのほうを呼ぶことにしましよう。
  65. 岡田宗司

    岡田宗司君 それじやまあコスト引下げの問題でもう一つお聞きしたいのですが、そのコスト引下げのためにまあ合理化を促進すると、特にコストを引下げるために新らしい機械を買込むと、そのために大いに設備資金政府のほうから出してやると、こういうことが行われる。例えば何ですね、富士製鉄の例のストリツプ・ミルですね、あれも確かに合理化されてコストは引下る、ところが鉄鋼産業全体として見るとそのために非常な過剰設備というか、フルに能力が発揮できない。そうすると引下げをやろうと思つても過剰設備を抱えておるために結局却つて高いものにつく、こういう結果も生じて来ておるのです。そういうその過剰設備、コスト引下げと過剰設備との関係、これをどいうふうにお考えになつて、どう解決しようと思つているのですか。
  66. 石原武夫

    説明員石原武夫君) これは今一般的に御指摘になつおります設備の合理化と申しますか、近代化は一時やや機会等も相当入れまして新らしい、新式た設備を入れております、従つて今御指摘の鉄につきましても従来あつた設備を全部入れて計算をいたしますと能力は非常に大きな数字になりまして、実際の稼動から言いまと稼働率は非常に悪いという結果に相成ります。これは根本的には設備を、それじや今の能力があるから従来古い設備でやれば、需給のバランスからいうとそれでいいということになりますが、さようなことではとても国際技術的な競争力もございませんし、従つてそれを原材料に使いますところの機械等もこれはとても高い原材料を使つたのでは機械としては又国際競争力もなくなるということで、そうした画の設備の近代化を図つておるわけですが、従つて設備の近代化をすることは是非必要だと思いますが、従つてそれはできた際に古い設備が相変らずそのまま残つておるということになりますと全体としては設備過剰に相成るわけであります。これはどうしても、例えばさつき御指摘ののストリツプ・ミルにつきましてはそれに相応する従来のプル・オーバーというようなシステムの機械というものは漸次なくされて行つて乗換らなければ新式の機械によるところの低コストの製品ということにはならないのであります。どうしても従来の低い能力だといわれる設備は、これはまあ当然にスクラツプ化される以外に途はないだろう、こう考えておるわけであります。それで今までは別に新らしい設備をやる際に古いのはスクラツプにしろという条件が附いておるわけでもございませんので、従つてお話のように相当全体の設備能力が過剰になつているということでございまするが、現在としては自動的に経済的な条件の下に古い設備は脱落して新式な設備が動いてコストが下つて行くということ以外に現実の問題としてはないのじやないかというふうに考えております。
  67. 岡田宗司

    岡田宗司君 どもりもはつきりしないのですがね……個々の企業は、それはちやんと掌握が行われていれば、新らしい機械を入れたときに古いのをスクラツプ化してしまいます。併し資産の再評価が十分に行われていないのです。なかなかそんなことはやらんと思うのです。そうすると今度政府のほうで合理化を進めるために融資をする際に古いのをスクラツプ化さぜるということを条件にすると、それでなければ何かこれを坂上げる、何とかしてスクラツプ化させる方法をとらんと、自然にですね、企業者のほうに任しておいたんでは、私は結局過剰設備を年中抱えていなければならん結果になると思うのですが、そういうことについて何も手を打つてないのですか、積極的な手は。
  68. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 只今の手は、今まで必ずしもはつきりそういう条件ということには、私が承知している限りでは、なつておらんようにも思いますが、個々の会社から見ますというと、中にはそれが今お話のような場合が、同一会社の場合には開銀融資をいたします場合に従来の場合はスクラツプにいたしますということをはつきりしておるのもありますし、これは企業が違いますとちよつとそういうふうにはなかなか参りませんので、少くとも同一企業の場合で新設備が代替される場合には今まででもさようなことが大体会社からの申入れがあつたりして技術上そういうふうな了解の下に行われておるものもありますし、必ずしもそうでないものもあるようでございますが、今後は少くとも同一会社で行われますような場合においてはかような点を明確にして行かなければならんかというふうに考えております。
  69. 岡田宗司

    岡田宗司君 どうも何ですね。設備の合理化を大いに謳つていながらそういう政府の統制というか、政府の指導というか、えらく強いようですがね。これじや私は駄目だと思うのです。今のお話を聞くというと、そういうことは行われることもあるし、行われないこともある。これじや何にもならないので、やはり行うことを原則として進めて行かなければそれはほかの一般の面で年中古い過剰設備を抱えて行かなければならん結果が出て来るのは必然です。だから私はその点は政府はもつと考えて十分な施策をとるべきことをやらなければいかん、こう思いますね。  それからもう一つ、コストの引下げについてですね、原料の、つまり輸入原料ですね、輸入原料の安いのを買うということ、これはもうコスト引下げの重要な方法だろうと思うのです。結構なことと思いますがね。例えばアメリカから買う石油ですね、これは高い、そうしてイランから買うと安い、これは一つの例ですけれども……。でまあ安いところから買おうと、幸いにそのほうがドルの節約もできる、それから又新らしい市場へ大いに輸出できる、イランから買うということになつておるわけです。そうして何かその際にチエツクするものがないか、それをチエツクするようなことが起つて来るのじやないかと思う。今の日本の置かれておる情勢から見てですね、アメリカ側からいろいろな干渉が行われて来るということも考えられるのですがね、まあそれは別としてアメリカさんのほうからいろいろなものを買つておるけれども、あなたがたのほうでは相当思い切つてどんどんとよその安いほうへ切替えることができると、又そうしたいとお考えになつていますか。
  70. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 今御指摘のありましたイランの石油については私も詳しく存じませんが、イランの石油は或る程度数量は今後当然入れることになると思いますが、それがどの程度になるか、入れるということになりますかどうか、ちよつと具体的には存じませんが、一般的のお尋ねといたしまし七、原料を入れます際に地域如何で、従来入れていたところよりも更に新らしい市場で安く買えると、或いはその他のような場合には原則としてそちらに転換するということは当然やるべきだろうと思います。ただいろいろ、輸出入とか、ただ貿易のバランスを地域的にとるとかいうような観点からそういうことから日本輸出を確保するために或る地域から入れざるを得ないという場合も、それはケースとしては起るかも知れませんが、一般論といたしましては安い地域に転換ができるものであればこれは転換をして然るべきだと存じます。
  71. 岡田宗司

    岡田宗司君 それはもう当り前のことなんで、そうじやなくて、そういう場合の今言つた政治的な干渉というか、介入というかね、そういうのがありやせんかね。それを押切つてやるつもりでおるのかどうかということをお聞きしておるのです。
  72. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 今お尋ねの点はちよつと私も詳しく存じませんので、具体的に何か或いは石油等が御指摘なのかも知れませんが、一般的には今の地域を安いほうに転換するという点については別段の政治的なあれはないだろうと思います。ただ、今御指摘の点は、石油は御承知のように、国内の精製業者というのは相当に外国資本が入つておりますので、さような点でそういう精製会社が入れる場合に、そうした関係のところから入れるというようなことがこれは政治的な問題ということよりも、経済的にもそうした外国資本の会社が入れます際にそうしたコンネクシヨソンのあるところから入れるということはこれは起るかと思いまするが、政治的に地域の転換ができないというようなことは私ちよつと詳しくは存じませんので、全然ないと言い切れるかどうかちよつとはつきりいたしませんが、私が承知いたします限りではさような点で非常に困つておるというようなことはないように考えております。
  73. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 先ほどの輸入圧縮の中に、今のそういう輸入先の転換による外貨節約圧縮ができるという面もあるはずですね。今後一番最初の輸入計画ですね。今までの仕入先を変えることによつて安く入る、こういうことで同じ経済効果を発揮しながら使用外貨は少くて済む、こういうものも新輸入計画としてはなくちやならん、そういう点も今度出してもらう資料に合せてはつきりさしておいてもらえば又岡田委員との質疑応答も少し具体化するのではないかと思います。
  74. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 只今の点は今お話のようによく調べましてそうしたものがございますればできるだけ資料を提出いたしたいと思いまするが、一般的に申しますと、今ドル地域、アメリカ等は必ずしも国際的に一般的に言えば高いということでもございませんので、この計画でも考えております市場転換はむしろ日本輸出を伸ばす、或いは地域間のバランスを維持しそれによつて日本輸出を伸ばすためにむしろ市場転換をやるべきだろうという観点から考えておりまして、そちらから東南アジアに転換したほうが今のコストの価格上の計算からは安いからということではございませんので、むしろ多少高くても全体の輸出が伸びればそれのほうがプラスが多いじやないかという観点でやつておりますので、今御指摘の点は、なお詳細に調べますが、具体的にはつきり今のドル地域のものをほかへ転換したために安くなるということは今の国際的な価格はつきり出るかどうかちよつと疑問に思いますが、なおよく調べて、ございましたら出したいと思います。
  75. 奥むめお

    奥むめお君 国産品愛用運動、閣議でおきめになつて大分時がたつのだけれども、政府筋で、自衛軍のほうで外国からいろいろ車を買うとか、或いは洋服をスフ入りでこしらえるとかいうことがいろいろ出ていましたね。それはもう進んでいるのですか。今何かそういう資料計算なすつたものがありますか。やはり国家の大きな消費面で、国民にだけ要求するのではなくて、国家が先ず率先して行うべしというのが私たちの建前ですが、閣議でもきまつてから、今年の春三月頃だつたと思いますが、四月か、それから国家でいろいろ買いますもので、どういうふうに計画が変つたかということを私それぞれの項目別に調べて教えてもらいたいし、そういうものの、金額も当つて見たのを見せてもらいたいと思うのです。
  76. 石原武夫

    説明員石原武夫君) 只今のお尋ねの点はたしか今年の春でございましたか、さような決定があつたかと存じております。それで例えば自動車でございますとか、或いは衣料につきまして、殊に大量に需要いたします官庁、防衛庁でございますとか、その他そうした現業的な職員があつて、相当国が大量に繊維製品を処分するようなところにつきましては、混紡品を使うとか、さようなことになつております。今まで私が承知している範囲では、その実績をとつて集計しているのはまだできてないと思いますが、いずれそういうことも、閣議決定もあることと思いますし、いずれ実績がどうなつているかということはトレースしなければならんものであると思います。これも調べてできるだけ早い機会にこちらに御提出したいと思います。
  77. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  78. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 速記を始めて下さい。  国庫対民間収支が本年度予算編成時に政府見込んでおつたよりも大分簡単に言つて撒超に変つておる、こういうのでこれがデフレ政策の完遂を相当妨げるのではないか、妨げつつある、壁に当つたのだというような批評も一部にあるのですが、既往の実績と今後の見通し等を述べてもらつて、既往の実績がなぜ当初の見込と違つたかというような点について一応局長から御説明を願いたいと思います。
  79. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) 只今委員長からお話がございましたように、本年度の財政の対民間収支の状況はかなり昨年度と比べましても撒布が多いというような状態になつておるわけであります。それで年度当初の見込と大分逢つたというようなお話でございますが、御存じのように、この年度初め予算をこの国会で御審議頂きますときに、その予算に伴つて二十九年度の財政資金の民間収支がどうなるかというようなことを御説明申上げるわけでございますが、そのとき御説明申上げました数字では、大体一般会計、特別会計、外為会計、その他を総合いたしまして、本年度予算その他財政投融資計画から出た要因から計算いたしますると、大体十一億の引揚超過、十一億といいますと殆んど収支とんとんくらいになるというような御説明をいたしておつたわけであります。ただこれはいつもお断り申上げておるわけでありますが、二十九年度の予算或いは二十九年度の財政投融資計画に基き計算した数字でありまして、実際この収支が実行されまする際には言うまでもありませんが、二十八年度からの収支が二十九年度にずれて参りますし、二十八年度の収支が翌年度へずれて行くというような問題その他が起るわけでありまして、実際現実の収支は予算に基いて計算したものとはいずれにいたしましても違つて来るわけであります。それで本年度は、そういつたわけで本年度予算に基く要因としましては、大体現状で考えましてもとんとん、或いはそれに近いものということに考えられると思いますが、主として昨年度から繰越して来ました歳出、その関係の要素によりましてかなり当初の見込と違つて来ておると思います。それで実績を申上げますと、大体御承知のように、毎年第一四半期、第二四半期は政府資金関係ルよりももつと外貨関係の赤字は減るだろうという現在の見通しとして予想されますので、この方面からいいますと、国庫収支の関係ではやはり撒超の面が増加しますといいますか、引揚要丙がその関係でも多少減つて来ることになります。そのようなことが今後の問題としては見通されるわけであります。まあ対策といたしましては、いろいろ余りその点の収支が、遅払とか、徹超とか、引揚超過とか、変動いたしまして、金融界、経済界にいろいろと支障を来たすということは過当でありませんので、これは平常の毎年度の問題としても、これは検討しなければならん点でありますが、まあいろいろ考究いたしているわけでありますが、最初に申上げましように、一般会計の採出という関係から来る要因が非常に多いのでありまして、これは先ほど申上げましたように、いろいろ円貨の関係でありますとか、失業対策の問題、或いは公共一業の問題、いろいろこういつた式の要するに遅払の原因がありまして、支出がなかつたものでありますので、国庫収支を調節するという趣旨から、何でもかんでもこれは支払を延ばすというようなわけに行きかねる面が非常に多いわけであります。それが一般会計の支出とい関係でありますから非常にむずかしいわけであります。併しできるだけ主計局その他におきまする支払予算計画をきめる場合におきましても、できるだけ支出を先に繰延べるというようなことに努力いたしまして、余り政府のほうからこれ以上撒超要因が増加をいたさないようにいたしたいというふうに考えております。なお第三四半期の国庫収支が、特に非常に大きな撒布超過になるわけでありますが、こは米の食糧代金、この買入れ、これが地方に撒布されます関係が非常に大きく響くわけであります。この関係につきまして、これを調整するというようなことも、こういう技術的方法がないものかという点も検討いたしておりますが、只今までのところ実はこういう方法でやれば適当であつて、実用性があるというような適当な結論にもまだ達していないような状況であります。現在研究中である、そういう段階であるというように御了承願いたいと思います。
  80. 岡田宗司

    岡田宗司君 昨年度のですね、二十八年度の予算をまあ使えなかつたものが、今年になつて支払われたもの、それが約二千億、これは年々、毎年普通に考えられているより多いわけですね。この二千億の内訳ですね、一体どんなものが一番多かつたか、例えば防衛庁関係の費用が多かつた、或いは防衛分担金か多かつた、どういう一体ものが多かつたのですか
  81. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これは昨年度の歳出の繰越関係は、全体としての予算の成立で遅れました関係上多いわけでありますが、やはりその中ではこれは、予算自体の項目としても大きいわけでありますか、只今お話のありましたような防衛庁関係でありますとか、或いは公共業費の関係、それから軍人遺家族の恩給の関係、それから安全保障諸費、こういつたものがまとまつた金融としては、大きな部分を含めているわけでございます。
  82. 岡田宗司

    岡田宗司君 まあ安全保障諸費なんてものは、これは一昨年のものですね、それで御存知のように大分関係が変つて来た。こんなものは切つて落せなかつたのですかね。まあ二十七年の二十八年度の予算案の際に、何とか切つて落すことができなかつたか。又はまだ残つているのですか、これは何とか切つて落とせないのですか。
  83. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これは主計局のほうからお答えしたほうが適当じやないかと思うのですが、これは御承知のように、この二十八年度へ二年間繰越して来ているわけで、通常ならばもう二十九年度に繰越して使うような経費ではないわけでありますが、いろいろ……、これはたしか施設の建設、その他の関係で、この予算使つて建設をやる計画が立つて進行中であるというようなものがこの引当になつておりますために、特別の措置を講じて、二十九年度にも使えるというようなことにしたわけでありまして、二十九年度では大体この残つた金額は目的通りに使われるというように、一応私どものほうでも考えております。
  84. 岡田宗司

    岡田宗司君 この防御支出金もそうですがね。これも随分残つております。そうすると、三十年度の予算編成の際に、こういうふうなものは何とか処置できないものですか。その点もう一遍お答えが願いたい。これはあなたのほうではないのだけれども、関係もないわけじやないから……。
  85. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これはまあやはりお活のように、主計局とか、そういう関係のことになると思いますが、まあ歳出予算……、三十年度予算を編成するというような場合におきましても、やはり今までの予算の費目について支出状況を見る。支出状況を見て、やはりまあ使途がはつきりしないというようなことで組まれている。実際節約の余地があるのじやないかというようなものにつきましては検討いたすわけでありますから、そういうような意味におきまして、こういうような支出の繰越が多いということも、これは事情がいろいろあることと思いますが、事情によつては三十年度予算はかなり削つてもよいのではないかというような理由にはなるのじやないかと思います。ただこの繰越ということを非常にやかましく言いまして、繰越をしたものはもり削つてしまうというようなことになりますと、これはよく御承知の、年度末に非常にまあ濫費な促す。こういうようなことは適当なことではありませんか、併しどうしてもそういうようなことも考えられる。十分な検討もせずに年度末に固まつて支出が殖えるというような弊害も、これは実質上しとして確かに行われ得ると思うのでありますので、その辺のところは適実にやつて行く。実情によつて予算節減するたり、繰越を認めないで不用額に立ててしまうということも勿論必要であると思いますが、無論実情に応じて堅実にやつて行かなければならないのじやないかというふうに考えております。
  86. 岡田宗司

    岡田宗司君 繰越を認めたいと、年度末にむやみに使われるこれはそういうことがあつて、私ども何も繰越を全部認めるな、こう言うわけじやない、先ほど繰越のうちで何が多いか、どういうものが多いかということをお伺いした。で私も大体まあアメリカ関係の防衛支出金、それから一昨年からの繰越の安全保障諸費、それから防衛庁関係の費用、それから公共事業費というようなものが多いのだというふうに思つていました。まあ大体そうなんでしよう。ところがこれらのものが、今言つた大体こう政府の何ですね、計画の妨げになつている、そして政府が立てた計画をまあいわばぶつ壊しているのです。来年これがなくなるかというと、どうも私はそううまく行かんと思います。例えば防衛庁の防衛関係予算なんぞを見ると、これは大分又来年に残りそうです。昨年から押せ押せになつてたくさん残つている、本年又押せ押せになる原因がたくさんある。例えば部隊を殖やしたための施設費が押せ押せになつて残つて行く二ともあるでしようし、それからアメリカから軍艦を十七隻もらつて、それに見合う人間を殖やそう、ところが殖やすという計画に基いて予算を組んだところが、そいつが四隻しか来ない、するとその予算が又残る、こういうことで、結局ほかのものを一生懸命詰めても、アメリカ関係の費用だの、防衛庁関係の費用で皆こういうものが出て来るのです。だからこいつにあなたがたはもつと思い切つて手をつけん限りは、幾ら収支を合せようと言つたつて、合わなくなるのですがね。まああなたに聞いてもこれはしようがないことだけれども、どうです、その面は……
  87. 小林政夫

    委員長小林政夫君) これは阪田氏だから、むしろそういう話が率直にできると思うので、予算審議の際には、千億なんていう繰越があるというような話はなかつたはずなんです。
  88. 岡田宗司

    岡田宗司君 そんなはずない。
  89. 小林政夫

    委員長小林政夫君) そうい話を、すると、一方予算のほうを削ろうという話になるものだから、隠しておいた。そうなるとどうも我々の肚積りから行くと、それは当初の予算よりも撒超だ撤超だと言つている。今のような二千億も繰越があつてそれが出たのだということなら、これは或る程度背けるということになるけれども、それなら初めからそういうことを頭に置いて立てる、どうですか、余り予算審議の際には、前年度繰越がどのらいになるというようなことは、部内でもそう言わないことになつているのじやないですか。
  90. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうなんですか。部内でもこれは余り触れたいことになつているのですか。(笑声)
  91. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) いやいやこの今の問題は、最初にちよつと申上げたのですが、予算編成のときに御説明した通り、国庫収支はその予算としては、その予算に関達して来る投融資計画でありますとか、外国為替の収支とか、こういうものだけ取上げて、ここでおきめ願う予算はこういう撒布超過になります、こういう引揚げになります、こういう御説明を申上げているので、それが実行上どうなつて行くかということになりますと、先ほど申上げましたように、前年度からずれて来るものもあれば、翌年度にずれるものもある、こういうことになるのです。それで丁度翌年の予算が番議をされまするような時期におきましては、翌年度へ越すといいますか、二十九年度予算の審議の際でありますれば二十九年度へどの程度金額が越して来るかというようなことは、なかなかはつきりきめにくいというような情勢がありますので、更に二十九年度予算から翌年度へどの程度ずれるかということも、これはまあその予算の御審議を実は頂いておる際でありますから、なおわかりにくいというようなことで、一切そのほうの御説明といいますか、又余り責任が持てないような推定をして見ても仕方がないわけでありますので、申上げていないわけであります。それで今年の国庫収支の関係、先ほど来からいろいろおもございましたが、やはり昨年度は何と言いましても予算の成立がかなり遅れた。予算ばかりじやありません、その予算に伴つたいろいろの法律案がございますが、法律案の成立も遅れましたので、それの実施が遅れるというような問題もございまして、どうもかなりこれは特殊な事情で、こういうような二千億というような大きな繰越額が生じたというふうに考えられますので、まあ常にこういうふうな大きな金額が、一兆の予算を御審議願つて、二千億も翌年に越すというようなことは、これは非常におかしいわけでございまして、常にこういうふうなことが起るとは想像されない。それで本年度としては、やはり国庫収支の関係にしわが寄りまして、撒超が殖えると、こういうことに相成るわけでございます。
  92. 小林政夫

    委員長小林政夫君) をうすると八月末現在で、一体二十八年度予算の繰越額というものは、もうどのくらい残つているのですか、それから今度の四半期別の撒超……、ちよつと推算しにくいといいことであつたのですが、およその国庫対民間収支の状況はどうですか。
  93. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) 只今お尋ねのこの今年の四月になつて参りましてからの支出額のうちで、繰越分と、それから本年度予算分というような仕分けした整理は、実は私のほうではいたしておりません。これは詳しく調べればわかるかと思いますが、ちよつとその点は申しかねるわけであります。それから先ほど申上げましたのは今までの収支の実績でございますが、今後どうなるかということにつきましては、まあこれも今日的確な見通しを立てかねるわけでありますが、第三四半期はこれは毎年食糧関係で非常に撤超になつておる。昨年あたりは千六百億ぐらいの撤超になつたわけであります。今年は先ほど申上げましたような省久料関係の支払以外に歳出の支出も進んでおるというような状況考えまして、大体第三四半期二千億近くの撒布超過になるのじやないかというふうに考えております。それから第四四半期にそれではどうなるかという点につきましては、これは実はますます見当がつきにくいわけでありまして、第三・四半期、これは例年非常に引揚げが超過になります。昨年度の例で言いますと二千億、これはまあ多かつたのですが、引揚超過になつておりますが、今年度も引揚超過になることは間違いないと思いますが、どの程度その金額が出るか、これはまあやはり歳出額のうちで今年の予算から来年度に越される分がどの程度になるかというような点も関連して参りますので、ちよつと只今のところはつきり見通しが立ちかねているのであります。
  94. 岡田宗司

    岡田宗司君 二十九年度の予算の審議の際に、一体二十八年度予算が幾らぐらい残つているのか、それがどれくらい繰越されるのかということは随分委員から質問されているのです。殊に防衛庁の予算関係なんかについてはどれくらい使い残しがあつて明年度に繰越されるのだと私も随分しつこく聞いた。みんなむにやむにや言つてわけのわからない答えをしている。わからないはずですよ。あけて見たら二千億、あれはみんなごまかしなんですね、あなたがたの答弁は……、結果から見るとそういうことになりますね。何を言つているのかわけがわからない。むにやむにやしたとう便ばかりをやつていて、そうして結果はというと、こういうことになる。もつと私は事務当局が親切に、親切というより正直に答えてもらいたいと思うのですね。あなたに言つても仕方がないんだけれども……。
  95. 奥むめお

    奥むめお君 素人みたいなことを聞くんですが、随分たくさんお金が出ますね。これからも出るばかりですね。国家がデフレデフレで引締めて行きなさるけれども、もうデフレは限界じやないですか。随分撤超でいますわね、これから第三四半期からなお一層……。緊縮政策というものはもう底をついた、限度じやないかというふうに我々素人は思いますがね。なおあなたがたの緊縮政策というものはずつと強化して行けるというご意見をお持ちでございますか、それをお聞かせ願いたい。
  96. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これはまあお言葉のように一兆予算を編成しましたときから引締めて行く方針だということは今でも維持しておるわけであります。先ほど来申上げましたような去年からの支出のズレによりましてこういうような状態になつておるわけであります。先ほど来申上げましたような昨年からの支出のズレによりましてこういういうな状態になつておるわけであります。これはまあ財政金融を通じて引締をやつて行くという観点から言いまして、御承知のように、まあ最近のような状況を見ましても物価がどうもかなり下つて来ておる、或いは日銀券の発行高、これは日本銀行の貸出等を通じましてその結果日銀券の発行高が出て来るわけでありますが、日銀券の発行高におきましても、最近におきましては昨年度の同期の発行高を下廻るような状態になつておるわけでありまして、政府のほうが撒布超過がかなり多い。これはかなり引締めるという観点からは、ここだけを見るならば一応工合が悪い点があるわけでありますが、全体を総合しました点から言いまして、今までの引締政策がだんだん効果を挙げておるということは考えられると思います。こういうような情勢で政府資金の撒布超過が日所に多い。引揚げる時期が、或いは引揚げる額が余りないということでありまして、ここまで持つて来ました情勢に変化を生ずるというようなことでは、これは非常に困ると思います。その辺で先ほど申上げましたような余り極端な撒布超過、或いは引揚げる時期に余り期待したほどの引揚がないというような齟齬が生じますと適当でありませんので、いろいろ収支の関係で調整することも検討いたしておるようなわけであります。
  97. 岡田宗司

    岡田宗司君 第三四半期の撤超が二千億、これは供米代金、それで何ですか、その二千億というのは米価を幾らと見てですか、九千二百円ですか。
  98. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これはまだいろいろきまつていない点もありまして、予算通りの考え方で計算しております。
  99. 岡田宗司

    岡田宗司君 予算通りの考え方できまらないで、農林省のほうとの話合いでもうちよつと色が付く、こういうことになるというともつと撤超になる、こういう計算ですか。
  100. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これは勿論そういう問題があるわけでありまして、米価が具体的にどうきまるか、そのほかに今年の作柄かどうなるか、或るいは買入状況がどうなるか、殊にその進渉状況がどうたるかということで非常にこれは変動する要素が多いのでありますが、現在ではこれは予測しかねるのでありますから、予算のときに考えました金額で一応見ておるわけであります。
  101. 岡田宗司

    岡田宗司君 それはあなたがたの計算しておる最低のつまり撤超の額、こう見ていいわけですね。
  102. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) いや、これは最低ということではなしに、予算計画した通りに一応考えておるということで、これは米の価格の要素もございますが、やはりどの程度の量がどの程度の時期に入るか、これも非常に大きな関係を持つて来るわけであります。作柄なんという問題が具体的には非常に大きな要素になると思います。最低というふうに直ちに申上げるわけにも参らんと思います。
  103. 小林政夫

    委員長小林政夫君) こういうことは誰でも考えることでしようけれども、第三四半期二千億の撒布超過が第四四半期にはかなり引掛げられる。今度の場合は異例のことであつたといつても二十八年度からの繰越が二千億もある、同じ回転資金的に使つて……。極端に月別、四半期別に揚超、払超ということのでこぼこが出ないような調整といいか、こういうことはできないものか、又それは費用によつてはなかなかむずかしいものもあるでしようが、そういうことを頭に置いてやつておられるのか、やろうとしてもむずかしいということなのか、初めのうちはそうでない思つてだらだら行つたのか、その点はどうですか。
  104. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) これはまあ国庫収支の時期的な調整ということは非常に根本的な問題の点でありまして、引揚げの時期と撒布の時期がたがい違いに出て来る。それで引揚げの際にはこれは市中の金融が詰まれば、日銀、結局は日銀になりますが、金融が緩和されるというような形の解決になりまして撒布の時期に撒布されたものが十分にこれが回収されないというような形が起ります。これは回収というほうがむしろむずかしいわけであります。政府資金というものは大体米の代金にしましても、いろいろの支出金にいたしましても、大体地方に広く撒布されるような形があります。これを集めて金融機関等のルートを通じて引揚げて来るということは非常にむずかしいわけでありますから引揚げと撒布が交錯するということはどうも面白くない、成るべくならば平準化された状態で政府の国威収支が行われる、これが非常に必要なわけであります。これは基本的な問題として理財局でもいろいろと研究はいたしているわけでありますが、最初に申上げましたように一般会計の歳出はそれぞれ予算支出事由、或いは支出の、義務がありまして、きまつた期日に払わなければなりません。これを、払わなければ、これは又一方政府の支払の遅延ということは支払を受ける者が非常な迷惑をするというような問題があるわけでありまして、政府がそういたしますると仕事をする債務を負うということ自体から調節してかからなければならんというようなことで、これは非常にまあ季節的に国庫の収支の状況を見て簡単に調節して行くということは非常にむずかしいわけであります。まあそういうようなことで、今回の問題等といたしましては、できるだけ支出を締めるような方向でも全体としては持つて参りたいということは主計局とも協議いたしまして考えておりますが、具体的に、どうも支払うべきものを支払わないで、何でもかんでも撒布超過が多いから延ばす、これはまあなかなかむずかしいわけであります。それで撒布超過と引揚げが時期的に齟齬する非常に大きな原因になつております。食糧関係でございますが、これにつきましてはいろいろ新聞等にも食糧証券の関係で調整するような案等も出ているわけであります。これは主として米の代金じやなくて、撒布超過になるわけでありますから、米の代金のために発行されます食糧証券を市中に消化させる。それによつて撒布した額の何分かを回収するということによつて調節することは考えられるわけでありますが、これは御承知のような、今のような金融市場の状況でありまするから、証券の操作によつて市中から資金を吸上げるということは、これはかなりむずかしいことであります。日本銀行からの二次高率の適用を受ける貸出が、千億からあるということで、こういう状態の下に短期の証券を市中に売つてその操作によつて資金を吸上げるということは非常にむずかしいのでございまして、そういつた金利その他の観点からいろいろ実は研究工夫いたしておるわけでありますが、なかなか実行するのに妥当なような案がうまくまとまらないというような状況でございます。  それからなおその他いろいろ考えられますことは、例えば地方の関係支出でありますが、国の支出山のうちで地方に対する補助金でありまするとか、或いは交付税、或いは地方の起債を引受けしましたり、地方に貸付いたしたりいたします、こういつた地方関係支出というものはやはりかなり大きな部分を占めておるわけであります。こういうものの季節的の関係を見ますと、これもやはり季節によつてかなりでこぼこがあるのです。それでそういうものの調節の仕方がないかというふうにも考えられますので、その点いも実はいろいろ検討いたしておるわけであります。その点につきましても実はこれはなかなかむずかしい問題がございまして、まあ地方に対する支出状況を見て、例えば交付税とか、義務教育費の負担の交付時期を繰延べたり繰上げたりしたらいいじやないかというふうに考えられますが、これは地方のほうに、地方団体としてはそれぞれ歳出の原因があつて支出をやつておりますので、その関係を抑えずに交付する資金たけを調節いたしましても、やはりどこか無理が出て来る。まあ具体的に言いますと、例えば資金運用部から地方にいたしまする毎期の金繰り資金等を非常に締める、或いは最近銀行等が地方団体に対する短期の貸出、赤字貸出になりまするような金融は非常に締めておるよりた傾向がありまするが、そういたしますと、これはどうしてもはね返つて来て、交付税の交付時期を繰上げなければ地方の資金繰りがつかないというような問題も起つております。これは実は研究しておるのですか、なかなかそういうふうな引つかかりがむずかしいということで、まあ仰せのような問題につきましては非常に重大な問題でありますので、研究はしておりますが、なかなか余り具体的ないい知恵が出て来ないというようなわけであります。
  105. 岡田宗司

    岡田宗司君 今食糧証券の問題ですが、引受先の問題ですが、何ですか、供米代金を強制貯蓄さして、こいつを中金に集めて、そいつで食糧証券を……、そういう考え方があるのですか。
  106. 阪田泰二

    説明員(阪田泰二君) 強制貯蓄というようなことは考えていないわけであります。現状のように、強制しないでも、系統機関たる協同組合から信連というような系統を通じて、農林中金には供米時期には、何といいましても、かなり資金が集まつて来るわけであります。そういう十一月、十一月頃の町制には余裕金の運用として応用し得る金が農林中金には大体まあ六、七百億程度は集まるのじやないかと思います。これは強制ということから離れて、それくらいの程度は集まるわけでありまして、そういりものを吸上げて行くほかに地方銀行等にも還流する分かあるでしよう。そういつたようなものを吸上げて行くということを考えております。強制的な方法を用いて供米代金を貯蓄させるというようなことは、供米自体にも影響する問題でありますので、これはよほど伸長に考えなければならんと思います。
  107. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それでは御苦労でした。  次は米価の問題に移りますが、今日自村官邸で政府内において、農林、大蔵川関係者が集まつていろいろやつておるそうであります。で、食糧長官とか主計局長が差支えがあるわけですが、今食糧庁の総務部長が出席されておりまするから、一応本日は農林省側の見解を聴取するにとどめたいと思います。それでは新沢さんから一応本年度磯米価について農林省側の見解を一つ先に述べて下さい。
  108. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 只今委員長からお話がありました通り、本年産の米価につきましてはまだ大蔵省といろいろ共同作業をやつております段階で、最終的な結論が出ておらないのでございますが、本日は農林省側として考えておりますといいますか、そういうような点を、やや一方的になるかと存じますか、御説明申上げたいと存じます。勿論、本年はいわゆるデフレ政策を推進しているときでございますので、米価の決定に当りましても、これを無視しては決心できないと思うわけでございまして、十分この点を考慮に入れて決定しなければならないというふうには考えておるわけでございます。ただ、どういうことがデフレ政策を推進することに役立つかという点になりますと、私どもといたしましては、やはりまだデフレ政策そのものが漸く始まつたばかりでありまして、非常に大きなまつすぐの道を進んでおるというふうにも考えられないのでありますから、米価或いは食糧管理政策全体の面を通じまして、この動き始めた道を乱さないようにという点を考えるのが大切であろうということを考えるわけでございます。そういたしますためには、私どもといたししましては、やはり配給量を相当確保する。政府の手によつて操作し配給するものは、やはり昨年に比べて今年は相当豊作であるということでありますれば、やはりそれだけ政府の手によつて配給いたします分は昨年よりも、比べて、多くして行くことかいいのではないか、そのほうが家庭が安定し、いろいろなデフレ下における困難を生じないで済むのではないかという考え方をいたしまして、私どもといたしましては、やはりできるだけたくさんの米を集めるということを主眼にしてものを考えて行きたいというふうに考えておるわけでございます。従いまして、米価の価の買入価格でございますが、生殖者価格の面におきましては、一応昨年実現いたしました水準というものを引続き本年も維持して行きたいという考えで米価を考えて参りたいというふうに考えておるわけでございます。ただ米価の内容といたしまして、基本米価のほかにいろいろ各種の奨励金がたくさんついて米他の性格を非常にあいまいなものにしているという批判があるわけでございます。これらの点につきましては十分反省を加えているわけでございますか、併しいろいろの理由でできました奨励金のすべてを本年直ちにく全部やめてしまう、いわゆる基本米価一本にすることもなおまだ困難ではないだろうかという考えを持つております。それで只今のところはいわゆる昨年供出完遂奨励金というものがございましたか、これだけは性格的にも基本米価とみなされるべきものでございますので、本年はいわゆる完遂奨励金というあは特に書上げませんで、基本米価中にこれを繰込んで参りたいというふうに考えております。そのほかの奨金といたしましては、早期供出奨励金と超過供出奨励金がございますが、早期供出奨励金につきましては、これは大体昨年の考え方を踏襲して行きたいと存じております。ただ昨年は天候の関係で一体に作柄も遅れておりましたために、早期供出奨励金の最終期が大分遅くなつておりまして、十二月十五日というのか、最終期になつておりましたので、これは本年の気象状況から見まして、そこまで遅い期限を設けておく必要はないのではないかというふうに考えまして、最終期限は若干引上げて参りたいと思つております。全体の構成としては去年のような体制を続けて行きたい。ただ新らしいことといたしましては、昨年の凶作のために非常にこの米穀年度におきましては、操作上非常に苦しい操作をやつておりますので、端境期を円滑に乗切りますためには、できるだけ早い時期にできるだけの米を集めたいという意味合におきまして、昨年ありませんでしたいわる特別早期奨励金とでも申しますか、一段早い時期においての集荷を奨励いたしますための将励金の一段階を新らしく設けて参りたい。具体的に申しますなりば、昨年の供出奨励金の第一期の終りは、十月の十五日でございましたか、今年は一番早い時期につきましては、九月二十日というものを、特別早期と申しますか、という段階で一つ設けて参りたい。去年の第一期に相当するものもこれを半月ほど繰上げまして、九月末までということにいたして参りたいと考えております。以下順次大体半月ずつ繰上げて、期別を区分して参りたいというふうに考えておりふす。それから超過供出奨励金につきましてはこれは超過供出奨励金の額が非常に大き過ぎるということが、いろいろな面において不都合を来たしている。階層間の収入のアンバランスを生じたり、或いは実際問題といたしましては、供出割当のいろいろな不便を来たしているというような点もございますので、基本米価をできるだけ高くし、超過供出奨励金はできるだけ縮減して参りたいという考え方は、十分取入れて行かなければならないというふうに考えておりますが、併し一応基本米価に超過供出奨励金を加えた総額というものは、やはり目標といたしましては、物を集めるということを主体に考えてております以上、生産地におきますいわゆる闇価格というものを考慮に入れて、行かなければならない。それを無視しては価格は立たないのじやないかという観点から必ずしも去年の供出奨励金をただ幅が広過ぎるからといつて、理由がなく、大幅に削ることも如何かと考えておりまして、基本米価超過供出奨励金を加えた総額は大体生産地、主な生産地であります東北、北陸等におきます実際の闇価格というものを目標に置いて考えて参りたいというふうに考えております。以下のような考え方を総合いたしまして、生産価格につきましては、大体去年の平均手取額というものを今年も大体維持して行くような線にきめたいというこで、農林省は案を作つておるわけでございます。  なお消費者価格につきましては、これは建前として上げるべきでないといい考えをとつておるわけでございます。生産価格は据置くということになつて参ります。そういたしますと、生産価格と消費者価格との門において相当赤字と申しますか、財政負担を要すべき額が、相当二百億内外出て来るわけでございますが、これを如何なるところから財源を求めるかということが相当米価決定に当つての大きな問題となつておるわけでございます、農林省の考え方といたしましては、本来ならば、一般会計から繰入々するということが本筋ではあろうと存じますが、いろいろ財政的な実情からこれは困難だといたしますれば、食管内部で何らかの財源を見出すことができないだろうかという点で、いろいろ計算をいたしておりますが、必ずしも財源が皆無なわけではございませんで、食管特別会計の内部から若し捻出しようと思えば相当程度財源を生み出すことかできるのではないだろうかという考えを持つております、  以上総括いたしますと、生産価格は去年の水準を維持する、消費者価格は又昨年の価格を据置にする、その間に生じて参ります赤字分につきましては、血管会計の中から出て参ります財源以て当てて参りたいというふうな感じ方で進めております。勿論この点につきましては、大蔵省は大蔵省としてのいろいろな立場がございまして、まだ農林省の主張が全面的に大蔵省に入れられるという段階までには到着しておりませんで、連日両者会合いたしまして、種々討議を進めておるといのが只今までの経過並びに現状状でございます。
  109. 小林政夫

    委員長小林政夫君) ちよつとわかりやすいために政府部内で意見が一致していないことは我々も承知しているのだから、数字を入れて下さい、具体的に……。
  110. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 最終的に、まだいろいろ仮定が多いのでございまして、最終的には農林省原案はこういうのだという数字ははないのでございまして、いろいろ前提がございますので、非常に大ざつぱな数字で申上げますと、予算上計上されております米価が生産価格当り九千二百円でございます。これはいわゆる奨励金も全部含めまして総手取九千二百円というのが予算米価の実情になつております。これに対しまして、私どもが去年の実際の手取を基準といたしました額、去年の手取が大体平均奨励金を含めまして一万四百円内外になつておるわけでございます。これには減収加算も含まれておりますので、それを除いた水準、裸にいたしまして九千九百円、包装を加えますと約一万円という線を一応当初原案と申しますか、ということで現在は農林省案として出している次第でございます。
  111. 岡田宗司

    岡田宗司君 今年の米の価格の基礎になります。パリテイ指数ですが、ところで去年のパリテイ指数は幾らですか。
  112. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 昨年米価を計算いたしましたときのパリテイ指数は一一四、三八でございます。
  113. 岡田宗司

    岡田宗司君 それで基本米価は幾らになりますか。
  114. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 昨年の基本米価は特別加算を入れせんで七千二百四円十五円でごいます。
  115. 岡田宗司

    岡田宗司君 そうすると今年のパリテイは。
  116. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 本年七月のパリテイは、これはまだ速報でございまして最終ではございませんが一二〇・四五でございます。
  117. 岡田宗司

    岡田宗司君 これだと基本米価は幾らになりますか。七千二百四十五円に見合うものは……。
  118. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 先ほど申上げましたのは特別加算を入れませんで申上げましたが、ちよつと今手許に持つておりませんので特別加算が別に出ておりませんが、一二〇・四五で特別加算を加えますと八千百五十円。それから先ほど申上げましたのは特別加算を入れまして、七千六百七十円でございますそれに見合う数字は、七千六百七十五円に対して八千百五十四円。
  119. 岡田宗司

    岡田宗司君 裸のパリテイ計算だけのやつは幾らですか。七千二百四十五円に見合うものは……。
  120. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) ちよつとパリテイが変つて参りましたので端数がちよつと変わると存じますが、少し一番末尾のほうが変るということを御承知頂きまして、ヒ千五百九十七円でございます
  121. 岡田宗司

    岡田宗司君 今年は非常に天候が悪かつたのですが、途中から回復して来ましてこの間八月十五日でしたか、第一回の作柄予想、あれによつて見ますというと、平年作に近付いておるようですが、九月一日の予想はもうすでにおわかりですか
  122. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 九月一日というのは正式には取つておりません。八月十五日と九月十五日でございます。
  123. 岡田宗司

    岡田宗司君 八月十五日以降の、あなたのほうで大体得られておる情報から言うと、あれよりは更に上廻りますか。
  124. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) これは正確な情報を集めておりませんので、全国的な正確な情報というわけではありませんが、大体総合いたしますと、いいほうに向うような報告のほうが多いように見ております。
  125. 岡田宗司

    岡田宗司君 今年は政府は共出、超過供出を含め、更に農民が自主的に政府に売渡す分を含めて、どのくらい確保しようとしておるのですか
  126. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 大体今のところ、今の作柄でございますと、最終集荷の目標数量は二千六百万心というふに考えております。
  127. 岡田宗司

    岡田宗司君 これは八月十五日の数字を基にしておりますね。若しそれより更に作柄がいいということになるというと、例えば二千七百万石とか、二千七百五十万石とか、そうい、数字をはじき出されるわけですか。
  128. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) よくなりますれば食糧庁の立場から言えば、できるだけたくさんということになりますと、おのずからこれは上つて来るかと思います
  129. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 今度特別早期供出奨励金を九月二十日までに、それから昨年度の早期供出の場合に十二月の十五日か二十日だと思いましたが、それも半月上げるだけですか、もつと縮めるのですか。新聞紙上では本当の早期供出を意義あらしめて、期間を縮めようということを言つておりますが、あなたのほうはどうですか。
  130. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 私どもの食糧庁の立場といたしましては、最終終期を十五日縮めまして、十一月末日までにいたしたいということを考えております。大蔵省方面では、いわゆるお話のありました通り本来の端境期の対策としての早場奨励金の本来にかかるところの意見であるということは事実でございます。
  131. 岡田宗司

    岡田宗司君 あなたのほうで加えたいという趣旨はやはり米価、農家の手取を殖やすという意味ですか。
  132. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) この場奨励金の沿革は確かにできました当時におきましては、端境期対策、或いは特に単作地帯についての配慮というような点が加わりましてできたのでございますが、その後だんだん年を重ねますに従いまして性格が変りまして、特に二十七年以降現行のように単にいわゆる早場に相当するものでなくて、十一月まで延び、更に昨年は作柄の関係で十二月まで延びたというようなことになつておりまして、純粋に端境期を乗り切るための将励金ということのほかに、やはり相当部分が基本米価的な部分がこの早場奨励金の中に相当入つて来ているわけでございまして、そういう意味合から言いまして、この早期奨励金を急に終りのほう、最後の終期を切つてしまう、一月に切つてしまうということもなかなか困難な事情にあるというふうに考えておるわけでございまして、そういう意味合におきまして、本年忽然として終りのほうを切上げるということは無理ではないかというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。
  133. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 階層間の所得のアンバランスをなくするために、成るべく加算金を少くしようという一方、今の早期供出奨励金というものは地域間の所得のアンバランスを生むということになる、そういう点からいつて成るほど農家全体としての手取としてはつけたほうが殖えるでしよう。地域間のアンバランスというものはかなり一方には不平を持つておるわけです。従つて基本米価が不十分だということならそれに繰入れて行くということが筋じやないかと思うのですが、又更に今度は昨年度も納期によつて早期供出奨励金も段階があつたそれを今度は特に特別早期供出奨励金として特別という字をつけたゆえんのものは、今までの段階よりも大幅に変えようということなんですが、今まででも納期、によつてかなり段階がついていた、それはどういうことなんですか。
  134. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 一つはまあ早場奨励金と基本米価の関係でございますが、確かに理論的に申しますと、終りのほうの十一月の早場奨励金というのは性格的におかしいのでございまして、もり殆ど基本米価と変りない性格になつておりますので、早期奨励金というものをやめて基本米価と一緒にものを考えるということが或いは考え方として正しいのかと存じますが、まあ価格構成上のいろいろの問題がございまして、本年は一応昨年の形をそのまま続けて行きたいとうふうに考えておるわけでございます。なお特別早期につきましては、お話の通り今までにない特に早い時期を設けました関係上、又今年の需給事情から行つて、特に早いものを出して頂きたいというような意味合で、私どもの心組みといたしましては従来の一期と、この新らしく設けます特別早期との間には、相当の大きな段差を設けて参りたいというふうに考えておるわけでございます。
  135. 小林政夫

    委員長小林政夫君) どのくらい開かせるのですか、
  136. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) これはまだ話の最中でございまして、ちよつとまだ申上げるところしまで行つておりませんが、今までの第一期と第二期との差よりも、この第一期と特別早期との間は少し幅が広いようにというつもりでおります。
  137. 岡田宗司

    岡田宗司君 もう一点お伺いしたいのですが、手取九千九百円として二千六百万円の買入れ、そうして消費者価格はそのままに据置くということになると、食管特別会計は計算上赤字になりますね。その赤字が問題になつて大蔵省がこれを問題にしておる。それに対してまあ食管特別会計の誤差が出て行く、こういうことが伝えられておりますが、消費者米価を上げないでこの価格で買入れるということになると、まあ誤差を崩さないとすればどのくらいの赤字になるのですか。
  138. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 只今のところ二千六百万石を見ますと、ちよつともう少し多くなるかと思いますが、当初計算いたしました二千五百万石で計算いたしまして約二百億ほど赤字になる、こういうことでございます。
  139. 小林政夫

    委員長小林政夫君) その食管の含みで二百億あなたのほうでは完全に消化できるというおつもりのように聞くのですが、今ちよつとここで資料を持つていないけれども、本年度予算審議の際にいろいろ検討した結果、大分昨年度でも含み資産を食い潰して余り含み資産がないように私了解しておるのだけれども、どういう点で含み資産が二百億ぐらい出て来ますか。
  140. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 財源の点でございますが、今私ども考えておりますのは、含み資産だけでというのでございませんで、お話の通り含み資産は殆んど昨年使い果しましたので、今年に出ます予定の利益といろいろの点で又赤字要素もございますので、いわゆる含み資産の点につきましてはほぼ相殺されるような関係で余り多くは期待できないわけでございますが、そのほかに只今のほか輸入食糧が一般に安く買えたということで、輸入給金に余裕ができましたとか、或いは逆に小麦のごときは輸入価格よりも実際の売却価格のほうが高いために、そこにおける売却益が生じておりますとかいうような点をいろいろ皮算用しておるわけでございますそれにいたしましても、実は二百億全部を賄いますのには若干財源関係はちよつと足りないような関係にあるわけでございます。
  141. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それから新聞の報道だと、食糧制度街審議会ですか、あれの答申の予約買付制度というものの実施は本年度はやめと、こういうふうになつておりますが、それはその通りなんですか。  それからこれは自由党もいろいろ統制撤廃ということについて考えておつれるか、最近これも新政策という面においてもきまつたようです。そういうような点、あなたのほうとしては若し統制撤廃をするとすれば、米の二十九年度米の収穫高が今我々の予想されるような状態において、こういう時期において考えられる、若し考えるとすれば……、又考えたいという方法であなたのほうは考えておられるかどうか。
  142. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 先般答申を頂きました食糧対策協議会の方針によりますれば、確かにそこに現われている考え方といたしましては、一歩々々統制を緩和して自由の線に近付けて行くというような気持ちで答申が作られているというふうに私ども印象を受けるわけでございますが、併し自由に向つて歩んで行きますにいたしましても、いろいろこれには準備が要るわけでございまして、一朝一夕にそういうことが実現できるものだというふうには考えておらないわけでございます。ただ私どもも心組みといたしまして今までの統制のやり方、米を集めるやり方につきましてもいろいろな点で考え直さなくちやならない点が出て来ておるということも、これも認めなければならないと思うわけでございます。それで予約買付制度を実施いたしますということも、一つは従来政府が専ら権力を頼りに米を集めていたのを、そういうことをやめまして、できるだけ集荷団体の活躍に期待するということであるわけでございまして、この基本的な考え方につきましては、私どももその通りだと考えておるわけであります。ただあの答申に掲げてありますような、いわゆる予約制度ということになりますと、相当早くいろいろの価格もきまり、又集荷団体と農民との間の集荷についての話合いというものもいたさなければならないわけでございまして、そういうような時期的な関係におきまして本年は予約買付制度を実施するということができなかつたわけでございます。ただ基本的な考えといたしましては、できるだけ集荷団体の活躍を促進するということは是非考えて行かなければならないというふうに考えておるわけでございまして、本年の買付につきましても予約買入制度という制度はとりませんが、できるだけ集荷団体の活動の余地を拡げるようにという工夫はいたして参らなければならないと思つております。  又来年度になりますれば、これは準備期間も十分ございますので、本年よりも一層政府は何と申しますか、できるだけあとに下つて集荷団体が集荷について活躍する面を拡げるようにということで考えて行くべきではないだろうかというふうに只今のところ考えておるわけでございます。
  143. 奥むめお

    奥むめお君 食管会計が会計検査院から非難されているだけでも相当な金額になつているわけですね、年々殖えております。まあ消費者価格は据置いて、そうしてたくさん豊作による供出が多く出たら配給日数を殖やしたいというお話でしたけれども、あなた方が想定し得る配給日数の増というものはどのくらいに見ているのですか。
  144. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) これは生産地と消費地と違いますが、生産地につきましては、大体現在のところの水準と変らない水準で行きたいと思つております。大体生産地にいたしますと十五日という予定でございます。消費地につきましては内地米を十日というようなことで考えて参りたいというふうに今計画しております。
  145. 奥むめお

    奥むめお君 それは二千六百万石供出、二千五百万石供出、どつちですか。
  146. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 今申上げました十五日と十日といたしますと、約二千五百六、七十万石要る勘定になろうかと思つております。ですから余裕を見ますと二千六百万石ということになろうかと思います。
  147. 奥むめお

    奥むめお君 そうすると外米輸入はどういう方針をそれと並んで立てていらつしやいますか。
  148. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) これも外米輸入につきましてはいろいろ黄変米等の問題もございますので、できるだけ何でもかんでもという方針をやめまして、品質のいいものを選んで買いたいというふうに今考えているわけであります。そういたしますと、いいものを選んでということになりますと、給源の関係から参りまして、数量はおのずから限られて来ることになつて参ると思います。本年度よりも、相当程度外来輸入は減るような計画で今は進んでおります。
  149. 奥むめお

    奥むめお君 どのくらいの数字をあれしておりますか。
  150. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) これは何といいますか、どれだけいいものが買えるかということとの関連でございますので、正確に今のところ最終的な数字として幾らというところまで出ておりませんが、本来穀年度につきましては不作というような関係もございまして、百六十万トンくらい入れたわけでございまして、その前年は百十万トンばかりということになつておりますが、平年のベースでいつて大体百万トンということでございますので、平年ベースよりも更に若干下廻るというふうになつておろうかと存じます。
  151. 小林政夫

    委員長小林政夫君) 予算では幾らでしたかね。予算のときに見込まれておつた外米輸入数量は……。
  152. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 予算は二つの米穀年度が混つておりますので、たしか予算では百十六万トンと記憶しておりましたが。
  153. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それより十万トンくらい減るんですか。
  154. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 最終的に数字を出しておりませんので、最終的な予算は何万トンというところまでは行つておりませんが、考え方としてはいいものというようなことで今数字を当つております。
  155. 奥むめお

    奥むめお君 病変菌がどの米にもあるというふうなことがだんだん出て来まして、国民総挙げで配給辞退をやつておりますね。それでも配給外米を買わなければならないのですか。病変菌か決してないものが買えるという自信があつて考え方でしようか。それともまああつてもなくても、これは成るべく害がないように検査の結果を待つて配給しなければならんから買うという予定を立てていらつしやるのですか。国民は配給辞退をするということは結束しております。それの対策はどう考えていらつしやるのですか。
  156. 新沢寧

    説明員(新沢寧君) 今のお話でございますが、確かに学理上有害じやないという問題と、心理上有害だと感じていることとの間に、非常に何といいますか、混乱が生じておりますので、実際にものを扱います私どもといたしまして非常に困惑をしておりますことは事実でございますが、実際上いろいろな需給の数字を作り、又実際の消費の実態を考えて見ますと、やはり日本の主食の構成の上において外米のウエイトというものはやはり無視できないウエイトを示しておるように存じます。従いまして専門の立場から安全だという限度が確定いたしますれば、やはりその限度内においては入れ、丈夫際配給するということはどうしてもやつて行かなければならないのじやないだろうかというふうに考えております。ただ配船の方法といたしましては、今まで通り消費地につきましても外米、内地米合せて十五日という計画の中に織込んで配約するか、或いは外米だけは切り離して、いわゆる希望配給という形をとつたほうがいいのか、この点については実際の取扱の問題についてはいろいろ考えなければならない点があろうかと思つております。まあいわゆる徴でございますので、全然一粒もついていないもののみを買うということは、これは事実上不可能だと存じますが、学問的に許される限度内のものということになりますれば、これはおのずから原産地のいろいろな気象条件、管理のやり方、そのもののいろいろな取扱の方法等によりまして、比較的安全度の高いものと、非常に注意を要するものとの間に区別はつくのではなかろうか、いわゆる安全なものを買付けるということはできるのではないだろうかというふうに考えております。ただ何でもかんでも外米は恐ろしくて合えないんだということになりますと、実際問題として買つて配給しようと思つてもいろいろな困難に逢着するかと思いますがこの点につきましては学者間にもいろいろ研究を進めて頂いておるわけでございまして、できるだけ早い機会に結論を出して頂きまして、不安を取除いて、配給が不安ない形で参りますようにということを念願にして今いろいろ作業を進めて、おるということでございます。
  157. 奥むめお

    奥むめお君 外米の取扱方について今考慮中だとおつしやいましたが、大変これは希望的に偏つたわけですが、政府は数年前から粉食奨励に相当予算使つている、又努力するとおつしやつておる。こういう際に国民の要望も、病変菌以上に恐れて配給辞退を結束してやつている。この際が食生活の切替をする一番いい機会だと思います。ですから私は第二、第三の対案を考えないかということを始終言うておりますが、何でもかんでも粒食で外米を混ぜなければいかんのだということに捉われていたいで、もう少し広い観点から、今国民がいやだと言つているから、いやなものを無理やりに高いものを買つて来て配給しなくても、第二案、第三案というものを考えて、国民の納得の行くように行かせる丁度いい機械だから、そこで食の切替というようなことが推進できると思いますが、それにはやはり政府は何とか予算をお取りにならなければならんと思います。ですから高い外米を買つたり、それに補給金をつけたりする予算を、私は第二、第三の方法をもう一遍考えるほうに予算的な措置ができないか、こういうことを専門的な立場の方に、十分国民の声のあるところを容れて、そうして考えてもらいたいということをここで要望しておきたいと思います。又別の機会に申上げたいと思います。
  158. 小林政夫

    委員長小林政夫君) それではほかに御質問がなければ、本日はこの程度で散会いたします。    午後四時三十九分散会