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1954-05-08 第19回国会 参議院 議院運営委員会 第57号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月八日(土曜日)    午前十時開会   ―――――――――――――   委員の異動 本日委員上原正吉君、井上清一君、堂 森芳夫君及び矢嶋三義辞任につき、 その補欠として榊原亨君、中川幸平 君、戸叶武君及び阿具根登君を議長に おいて指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            松岡 平市君            杉山 昌作君            藤田  進君            天田 勝正君            松浦 定義君    委員            石井  桂君            石村 幸作君            榊原  亨君            重政 庸徳君            高野 一夫君            田中 啓一君            中川 幸平君            横川 信夫君            赤木 正雄君            加賀山之雄君            上林 忠次君            楠見 義男君            阿具根 登君           小笠原二三男君            大和 与一君            田畑 金光君            戸叶  武君            最上 英子君            鈴木  一君   委員外議員    千田  正君   ―――――――――――――    議長      河井 彌八君    副議長     重宗 雄三君   ―――――――――――――   事務局側    事 務 総 長 芥川  治君    参     事    (事務次長)  河野 義克君    参     事    (委員部長)  宮坂 完孝君    参     事    (記録部長)  丹羽 寒月君    参     事    (警務部長)  佐藤 忠雄君    参     事    (庶務部長)  渡邊  猛君   法制局側    法 制 局 長 奧野 健一君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○委員辞任及び補欠選任の件 ○会期延長の件   ―――――――――――――
  2. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 会議を開きます。  常任委員辞任及び補欠に関する件をお諮りいたします。
  3. 河野義克

    参事河野義克君) 自由党から、人事委員北村一男農林委員松本昇君、議院運営委員上原正吉君、同じく井上清一君、予算委員中川幸平君が辞任せられ、人事委員松本昇君、農林委員北村一男君、議院運営委員榊原亨君、同じく中川幸平君、予算委員井上清一君を後任として指名せられたいという申出が出ております。
  4. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 以上の通り決するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さよう決します。  休憩をいたします。    午前十時一分休憩    ―――――・―――――    午後一時十五分開会
  6. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 再開いたします。  常任委員辞任及び補欠に関する件。
  7. 河野義克

    参事河野義克君) 日本社会党第四控室から、議院運営委員矢嶋三義君が辞任せらて、阿具根登君を後任として指名せられたいというお申出が出ております。又同じく日本社会党第四控室から、懲罰委員小林孝平君、経済安定委員岡田宗司君、内閣委員矢嶋三義君、予算委員千葉信君、同じく江田三郎君が辞任せられて、懲罰委員江田三郎君、経済安定委員矢嶋三義君、内閣委員岡田宗司君、予算委員藤原道子君、同じく小林孝平君を後任として指名せられたいというお申出が出ております。  日本社会党第二控室から、議院運営委員堂森芳夫君が辞任せられて、戸叶武君を後任として指名せられたいというお申出が出ております。
  8. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 以上の通り決するに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さよう決します。   ―――――――――――――
  10. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 会期延長に関する件。  議長から発言を求められております。
  11. 河井彌八

    議長河井彌八君) 昨日、この議院運営委員会の御相談の結果を持ちまして、衆議院議長をいつでしたか、四時五分ですか、夕方、約五十分ぐらい訪問いたしました。そうしてこちらの議運で盛んに唱えられた各種の議論、御意見というものを伝えまして、かような衆議院の一方的な決定ということは、最も両院関係を悪くする。延いては国務の正常な進行を害するものであるということになる虞れがあるということを申しまして、そうして大体四つか五つの事項につきまして、事情を質しました。  第一は、昨夕の、昨夕というのは、昨日のことでございますから、今から言えば一昨日になります。その昨夕の堤議長からの電話、私への電話、この電話は、通告でありまして、協議とは解し得られないのである。その電話というものは、大池事務総長がのちに参りまして、これは協議の意志であつたと、はつきりは言いませんけれども、そのつもりに向う考えておるようでありました。若し協議であつたといたしましても、参議院側回答をまつ意思のない取扱い、そういう協議というものは、実質的には協議ではない、通告であるということで、その点について、一体どういう理由があつたか承わりたいのだということを質しました。これに対しまして衆議院議長は、一つは、昨年のあれはいつですか、会期終了のとき、切迫いたしましたときに、会期延長のことを相談いたしたのでありますが、衆議院でそのときの実情を考えまして、議長自身がたくさんの議員諸君の怒りを買うて、ひどい目に会つたというようなことで、とにかく会期が切迫してしまつてからは、なかなか危いということを考えたのであるから、とにかく、もうあの協議という、協議というか、通告かでありますが、まあ同意を得られた、得られたとは申しませんが、それで実行せざるのやむを得なくなつたのだということでありました。  それからもう一つは、これは私には、ちよつと説明が困るのでありますが、衆議院の側の党内事情といつたようなことも、党内事情か、或いは党派関係事情といいますかということもあつたようであります。そういうことで、何も六日にやらなくてもよかつたにかかわらず、六日にしなければならんということは、やはり党派関係で、一致して六日にやつたほうがいいということが議長のところに持ち込まれたので、そういうふうにしたというようなことが、その六日にやつた理由になつたと聞きました。そこで次には私は、只今のことに関連しますけれども、昨日も申述べたのでありますが、余期の最終日で時間的に余裕のない場合ならば、これはすでにそういうこともあつたんですが、とにかく二日もなお会期が余されているそのときに、参議院回答がなくして議決せられたということは、これは法規に違うのだ。こういうことは甚だ遺憾に思うという点であります。この点につきましては、これは実は何とも申訳がない。法規衆議院参議院も同じ規定できまつておるものであるから、そういうことになつたのは甚だ相済まないということを衆議院議長から言われました。それから、将来こういうことが再び起るということがあつては困るのだ。参議院議長としては、これは衆議院議長も勿論のことでありますが、会期延長等につきましては法規があるのだ。その法規規定通りに実行すれば何でもないことであるのに、今回もこういうことが起り、而して前回もそういうことがあつたということを考えるときに、将来こういうことを法規規定があるにかかわらず、先例というか知れませんが、取扱い例として又繰返すというようなことがあつたならば、これは甚だ不都合なことになる。要するに、それであるから今後はどうしても法規通りに実行するということをお互いにここではつきりいたしたいということを申述べました。これに対しまして、勿論違つた意見のあるはずはないのでありまして、そういうことを約束いたしまして帰つて参つたのであります。  大体の経過をここに申述べておきます。
  12. 天田勝正

    天田勝正君 私は、昨日の議運におきまして、議長さんにいろいろ折衝に当つての御注文を申上げると同時に、委員長にも御注文申上げたはずであります。  即ち同じ自由党の、衆議院議運委員長菅家氏でありますから、お互いそれぞれの院の議長を助ける立場からいたしましても、これらのことについて衆議院側委員長にも十分申入れを行い、又当然昨日も小笠原君からも追及されましたが、この事柄が、政府側が全く御存じないというようなことを言われておりますけれども、こういうことは常識を絶したことであつて、当然そういうはずはない。これらについても政府与党側態度並びに政府側態度等についても、一つ十分戒告してもらいたい。こういうことを申述べた。私が御注文した後に、小笠原君は、天田君の意見よりも更に私は強い意見を持つものだということの申出があつた。  それで、この際、委員長においてどういう取扱いをされたか、併せて御報告願いたいと思います。
  13. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 昨日会期延長の問題で、天田君、小笠原君その他から、只今天田君が申述べられたように、又小笠原君からもそれ以上のいろいろの御注意がありまして、只今議長からも詳細な報告がありましたが、私も、議長のお考えと全く同じでありまして、参議院衆議院両院において構成をせられておる国会である限り、会期延長の問題は、衆議院参議院とともども、甲乙なく評議をして決すべきである。こういうことは今更申上げるまでもない。ただ今回の処置といたしまして、私は菅家委員長とも、昨日もちよつと申上げておきましたように連絡し、又自由党小澤国会対策委員長ともその間の連絡もいたしましたが、六日には参議院は、すでに議院運営委員会は散会をいたしましたし、常任委員会懇談会も、七日に議長は開催すると、こういう御予定でありましたので、衆議院も恐らく七日にこの会期の延長問題を議決するのではないかと想像いたしておつたのであります。  ところが、こちらが散会した後に、本日やるということの連絡をいたして参りました。参議院においては、さような、本日これを取扱うということはもうすでにできない。併しながら衆議院が本日どうしてもやるということであれば、これも又止むを得ないと思いますということによつて、まあ衆議院が、いわゆる参議院議長の返事を、これに対する協議を、待つことなくして、これを議決したというところに、私は今度の参議院に対する衆議院のやりかたについての問題点があると思います。従いまして本日もこの問題につきましては、今御指摘のように委員長が私の所属の党からも出ておりますし、国会対策委員長等に、当時連絡をして、会期問題も協議いたしました関係で、議長の昨日の本委員会で述べられました趣旨を伝えまして、今後はこういう点について、十分参議院を無視しないように、法に定めたところの協議によつて両院常に協力し合つて会期の問題は解決して欲しいということを厳重に伝えたのであります。
  14. 松浦定義

    松浦定義君 この問題は、先ほど議長からの御報告がありましたが、報告があるまでもなく、もう完全に規則上から見ましても、道義的な立場から見ましても、これはもう完全に衆議院の一方的な独断専行であるということは明白なんであります。従つてこのことについての衆議院参議院というものの立場に立つては、与党皆さんたりとも、決して御異存はないと思う。例えばこの問題を解決するために両院議運委員長とのいろいろ話合いがあるにいたしましても、そのことは、決してその与党自由党という立場でなくて必ず衆参の立場はつきりされるものと思う。そういうことはあらかじめはつきり言わなくても、きまつておると思うのです。  そこで私は、もうそのことが、どうとかこうとかいうことでなしに、どうするか。今の御説明を聞いておりますと、まだそれが完全に了解したのではないと私は了承しているのですが、今度そういうことがないということを条件として、このまま呑むというようなことのために、これを御了承というような御意見かどうか。そういうことを先ず一点伺つてから、次の質問をしたいと思うのですが、質問と言うより、私の意見を発表したいと思うのです。
  15. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 松浦君に伺いますが、それは議長への御質問ですか。
  16. 松浦定義

    松浦定義君 議長に……。
  17. 河井彌八

    議長河井彌八君) お答えいたします。  私は今簡単に説明いたしたのでありますが、併しこういうふうな取扱があつたならば、これは実際、この両院の円満なる運営はできない。そしてその結果というものは、国家の大きな災いになるのだという、もうちつとひどいことまで極言いたしました。併しこれはもう、ここで皆さんがたに申上げる必要もないと思うのでありますが、そこで私は、申しますと、協議だとか、通告だとかいうようなことが多少疑問になります。併しこれに対しまして、協議ではないのだという結論を私は出して、そしてその通りであるというふうに、衆議院議長は言われたのであります。従つてその両院規則規定に反しているんではないかということも、はつきり申しました。そういう点についても、その通りだというお答えを得ております。  そこで然らば、最後はどうするかという、こういう問題です。それはとにかく将来に、先にちよつと申したのですが、先例なんぞにされたらたまらないのだ、まさかそういうことはないだろうが、法規に書いてあることは、法規通り実行すればいいのだ。これだけはもう当然のことなんだ。それは参議院でも衆議院でも、厳正に守つていくということをどうしてもしなければならんということを私は要求するんだと、そういうことで、それはその通りにいたしますという結末をつけたわけなんであります。  大体、私はそういう取扱をいたしたのであります。
  18. 松浦定義

    松浦定義君 昨日の議運での結論は、議長はこの問題に個人的にも、議長としても、遺憾である。だからそのことは、議運決定してくれれば、その意思を伝えて努力しようというお話であつたので、議長は、そういうふうに一つ伝えてくれよと。そこでまあ、報告願つて、あとのことを御報告をかねて、それでもう、議運は了承しろというのか、或いはこういうふうだから、議運で検討して、若しなにかあつたら努力しようとか、或いは善処しようというようなお考えかということを私は聞いておるのです。
  19. 河井彌八

    議長河井彌八君) 私は、大体結論をつけて来ましたから、その以上に何かおきめになりますということが、どういうふうになりますか、それは一応その議運意見伺つてみたいと思うのでございますが……。
  20. 松浦定義

    松浦定義君 私は、昨日の議長のお心構えというものはどこまでも参議院らしくやりたいという話で、而もその前に議長は、どうやるかということに対して、皆様のおきめに従つて私は行動すると言われた。何も議長が行つて聞いて来て、向うの言つたことを、必ずしも、認められたならいいけれども向うも、それは済まなかつた、間違いだつたということを言つておるのだからと言つても、なお今後やつたら、これはどうにもならんと議長がそう言われるなら、恐らく今後はやりませんでしよう。今後は絶対やりませんでしようからいいようなものの、今度行われたことについて、私どもはそれでは泣寝入りと言いますか、参議院に対することに対して、私は泣寝入りするということはできないので、若し希望が聞いて頂けるなら、私は最終段階は、議長が話をして、自分としてはこれ以上は何とか我慢をしてくれと言われるなら、結果は我慢はしましようが、やはり私どもは私どもとして、いろいろなあれがありまして、この問題はやはり曾つてないことであるから、それは、希望言つてはいけない、問題はもう言つてはいけないというとこなら別でありますが、私は少くとも与党皆様でも、このことについては遺憾だと言つておる通りに、意見の発表くらいは、或いはやつてもいいと思うし、その結果私は私なりに、その程度の、手続上やはり議運を通じて決定されることでありますから、議運に対して、何らかの措置といいますか、そういうことがあるように、一つ取運ばれたほうが、本当に議長に今後重要な問題も委託する場合に、何が何でも議長に一任すれば、我々の思う通りになるということなんじやありませんので、このことが契機となつて、今後、議長ばかりに委しておけんということになつては、これは非常に大きな問題じやないかと思いますので、やはり議運としては、折角、私どもが申上げるまでもなく、自分としてもこうだという御発言があつた限りにおいては、そういう御発言があつたのなら、我々の議運にかけない間に、すでに電話が来たときに、遺憾だと思つたときに、すぐこういうふうに善処したと、だから、議運に了承されたいと言われるためなら、それでもいいが、議運に一度かけて、このことは遺憾だ。だから皆さんの言う通りにするということでありますれば、これはまあ、物を言うなというなら、言いませんが、これは言い得るのであつて、その意向があるなら伝えられるという望みがあるか、その点をもう一点……。
  21. 河井彌八

    議長河井彌八君) 衆議院議長から電話を受取りましたときには、私は議長といたしまして、そういうおきめは、私のほうはよろしくないのだ。受けられないのだ。こういう意味を申しました。それは当然のことでありまして、法規の命ずるところに従つて常任委員長意見も聞かなければならんし、そういうことはできないのだということをはつきり申しておきました。  それともう一つは、何も本日きめなくたつていいじやありませんか、私のほうは、回答できないのだ、本日きめるということはいけないではありませんか、明日も明後日もありますという意味を私は通じておきました。それは昨日、お話したかどうか、私はしたと思いますが、今の御質問がありましたから、それは繰返して申しておきます。  それからもう一つ議運の御決定はどういううふに出るか、それは知りませんが、それは将来のための、或いは今回のことについても、もつとこういう措置をとれということであるならば、それはとるつもりであります。併し結論といたしましては、結局もう、衆議院議長が私に対して、先ほどのように言われたことは、結局は結論であると、私はさように考えております。十
  22. 松浦定義

    松浦定義君 このことは、私はなぜこんなに言いますかというと、昨日もちよつと触れておきましたが、党内事情ということが大きく影響している。というのは、今後の報告の中にも、党内事情で、むしろ会派間の問題だということをちよつと言われましたが、その通りなんです。  実は私ども、昨日申上げましたように、参議院は絶対に反対言つて向う通告しつぱなしで、両院議員総会に臨まないという態度は、私が一身上の問題に関係している。私に対する約束を履行しなかつたというようなことから……。衆議院参議院は別であろうということは、ご承知通り参議院には、党の最高幹部がここにおることは、御承知通りであります。これが党議ということになりますると、この最高幹部のおる参議院の私ども会派の中の相当の意見を聞かなければならん。そうしますと、それが相当何しまして、六日でなければいかん。七日にやつたら、又八日にやつたら、大変なことになるということから、もう私ども通告したとたんに、向うが逆転したのです。私はそれを知つておるから、もう両院議員総会に臨んじやいかん。そうすると、我々二院制度は、こういうことから打壊わされるから、是非参議院だけでも、守りたいというので、私は強引に強く会期延長に対しては反対だという線を出すというので、私のために、会期延長してまで、闘つておるじやないかということを、昨日いろいろ言われたことについても、はつきりしています。でありますから、衆議院改進党の空気が逆転いたしましたのも、参議院がそういう立場をとつたから逆転した。併しこれは日にちを延ばすというと、段々それが党内事情のあれで言うと、自由党のかたが言われると、困るということで、そういうことになつたということから、三日も前にきめたのは異例の措置ということになるので、そういうことを私知つておりますけれども、言えといえば言いますけれども、それ以上申上げないほうがいいと思います。若し許されるならば、こんな大きな問題を、むしろ私は、私の会派からそういうことがあつて、こういう結果を及ぼしたというようなことがあることを懸念して申上げるのだが、少くとも普通でありまするならば、議長は何らかの形式をとつて、この議運委員会に対して、やはり今回のとつた処置についても、一応のあれがあつて、その後については、両院議長の間において、如何様に取計らわれようと、それで私は異議がないのです。併しそれは、私だけが強要するのではありません。単なる私の意見として、そういうことを知つておりますから御参考のために申上げておきます。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私、先ほどこの会が始まりまして、議長の御報告がありましたが、それに対して不明な点はないと思いましたから、質問を控えておつたので、質問がないままに、意見が縷々述べられておりますが、私としましては、議長が他院の議長に参りまして、経過説明を求め、院の意思を伝えたところの結論として、両院規則に示される協議という名に価する手続を踏んでおらないという点は衆議院側もこれを認め、従つて手続上違法とまではいかんでしようが、異例な措置に出た点をも認め、そこで遺憾の意も表せられ、従つて将来どうする意向かと質して、今後かかる措置をとらないようにすると言明になつた。それを聞いて帰つて来たというふうに私は了解しておる。それを議長はその結論になる部分のところを、そうでございますか、それでは今後そうして頂くことにして、この問題はこれで円満に今後解決したものといたしましよう。そこまで言うて帰つて来たとあれば、私たち議運委員としては、不本意であつても、この問題について何ら善後措置をとるために議論を展開する余裕はないのであります。議長としては他院に対し、外部に対しては院を代表しておられるわけでおりますから、その言動は重大であります。併し又議長が昨日参られましたことは、協議問題そのものを内容として言つたのではありませんので、議運決定を持つ議長として院を代表されるかたであるから、従つて適当な地位にあられるから、衆議院議長のほうにその経過説明を求めるために出向かれた、御足労を願つたというに私はとどまつておると思う。従つて松浦君から縷々述べられましたが、将来はこうするということはわかつたが、じやあ今々の善後措置をどうするかということについて、衆議院に対して、まだ物が言い得るように道が開かれて議長がお戻りになつてつたのかどうかという点が、いろいろ不明確だとされておつたところであります。併しこれも前言を繰返しますが、議長としての主観においては、これより以外には結論は出ないだろうとお考えになつておられるようでありますが、併し別な何らかの善後措置決定すれば、それによつて参議院衆議院側に対して折衝をし得る余地もある。私はそう思つております。それで議長の将来に対しての問題が確認し合つたから、それでこの問題はいいと思うということは、これは議長自身のお考えである。より以上積極的な結論が、何らか出るとすれば、これは可能性の問題ですが、まだ折衝し得る道はある。このものは円満解決されたものとして、議長が呑み込んで来ておらなければですよ。私はそう思う。  それで議長は、先ほど松浦君の質問最後に、自分はそう思うけれども、何かこの議運でやろうとするならば、それはそれでやり得るということも申していますから、この点は明確だと思う。私はその先に進んでお話しますが、将来の問題は取りきめになつた。こう言いますが、取りきめになつても、実際的な行動としてはどういうふうにやるのかということを聞かなければ、又そういうことが、はつきり事務的に、或いは議運委員長同士においても、実際的な手続として、はつきりしなければならない。こういうことで主張があつて、それが認められれば、その取りきめもなし得ると、私はそう思います。  又、もう一つとしましては、遺憾の意を表しているというが、これは自発的に積極的に少くとも議長の意を体して議院運営委員会を処理した菅家委員長或いは議長を補佐している大池事務総長、これらの諸君がおいで願つて、十分に遺憾の意が表せられるということでなければ納得できないというような意向が、ここで、それはそうだということになれば、(「それはそうだよ」と呼ぶ者あり)それはそれとして、又、これは取上げられる問題であります。議論の余地は、まだまだこれはある問題です。私としては議長が御足労を願つて、真意が把握できるような御報告を頂き、一つのいい結論を得られたことについては、心からお礼を申上げたいのでありますが、少くともそういう話というものは、過去において、正面切つて向うへ持つて行くと、いつでも遺憾の意が表されて、まあまあということになつて手を打つて今日まで来たというのも、これは事実なんです。今度の問題は、今回に始まつたことではないんです。(「その通り」と呼ぶ者あり)過去においてもあつたことなんだ。それで正面の問題とし、そうして規則法律の問題として言われれば、無下に断り切れないから、政治的に、遺憾の意を表しているというだけのことであつて、そのことが、心から出て、将来確かな保証が得られるかということになると、過去の経験から言えば、得られない。(「その通り」と呼ぶ者あり)衆議院が苦しくなれば、或いは先ほど議長説明をされ、松浦君も党内の事情、私たちとしては非常に聞き苦しい話まで聞いたのだが、何らかいろいろな問題が起ればだね、独りでどんどん先につつぱしつて行く。参議院なんというものに対する配慮なんというようなものは欠けて来る。そういうようなことはあり得るんです。従つて私としては、少くとも他院のことに対して、それぞれ申しかねますけれども、実際的に参議院と事務折衝をする大池事務総長などは、議長補佐の立場にある者としてもう少し真剣に考えらるべき筋の人であろうと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)こういう方が議長が行つての話の場合に、変な法律解釈なり手続の問題を問題として、一片の電話通告を以て、それが協議であつたのだというような意思を述べて抗弁するなんということは、誠に不届なことなんです。(「その通り」と呼ぶ者あり)新聞の伝えるところによつても、或いは議長がさつきお話になつたところでも、前段においては、一応、それは協議意思を持つてつたことだということを言われたというふうに話があるから私は申しているのです。  それから又、菅家委員長は六日の議院運営委員会において、野党の我が会派から、これは参議院のほうの理事なり、議運のほうとの十分な連絡があることかと言つたら、いや、その連絡協議をするためには、先ず議運として取決めしなければならないことだから、決めようということで、そうかということで、まあ結果としては言いくるめられた形で議運決定を見た。だから当然の措置をしているはずだということを我々に伝えておるわけなんです。併しこの点については、菅家委員長も、協議の実際的な手続を踏む当面の責任者としてやつたこととしては、何ら議運決定のあとにおいてその措置がとられていない。寺尾委員長に申入れに来ておるのは、議運決定前の話であります。これらの点から言えば、私としてはこの当面の、真に参議院連絡をとるべき筋合の方々には出て来て頂いて、相当の意思表示がなければ、私たちとしては釈然といたしません。  又将来の問題についても、然らば具体的な手続としては、どういうことにするのか、両院の合同理事懇談会というものでこの問題についての意見を交換し合うのか、或いは事務総長同士を以てこれに充てるのか、議運委員長同士を以てこれに充てるのか、それらの点が不明確であれば、やはり一方的には、協議意思を以てこうしたのだと言われる臨機な措置が、自由に衆議院側からとられる可能性がある。そういうことでは参議院としては困る。我我としては、昨日来何度も申上げておるように、会派立場を超えて、議長にも御心配願つたような、そういうものの考え方で、この問題について、真にはつきりした結論を得ておきたいと思うのです。  この点は、うちの会派意見としても申上げておくところでありますが、特に自由党のほうの方々においては、やはり与党である立場においては、衆参両院のそういう立場が不明朗にならないように、積極的に我々の意見というものも、とつて用いて、この問題については、しつかりした結論を得られるように善処をして頂きたいと思います。そのことも希望として申上げておきます。
  24. 河井彌八

    議長河井彌八君) 小笠原君の御発言のうちにつきまして、多少、若し誤解があつては困ると思いますから、はつきりいたしたいと思います。  衆議院議長から参議院議長電話をかけて参りました言葉の中には、協議するとか、或いは御相談するというような言葉はなかつた考えます。併し事柄の取扱上、衆議院側で若しこれを、あれがあのとき協議したんではないかというような言葉でも出るということになつては甚だ面白くない。というのは、私議長といたしましては、とにかくまだ私のほうは何ら手続は済んでおりません。明日常任委員長の懇談会を開いて、それからきめることになるんだから、返事はできませんということを申しておいたんですが、併しそれにかかわらず、決議までしてしまつた以上は、やはりあれは協議じやなかつたかというような意味にとられるのを恐れまして、ああいうものは協議ではないんですということを、私は衆議院議長に申しまして、それで、その通りだと、こういうことになつておりますからして、ちよつとその点だけは、事実をはつきりいたしておきます。
  25. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういうことであれば、私が事実をその前提にしない誤解の下に申した発言の部分については、これは、私として取消しをいたしますが、そうなれば、結局衆議院は自ら規則を無視しているということになることは明白であります。私はこういう規則が立法府において尊重もせられない。都合によつて、而もそれは党内の事情が、会派事情もあつたがために、無視せられた、或いは衆議院会期切れのときの院議決定が今の会派の勢力上不測の事態をも予想せらるるような前例もあつたので、早急に参議院意思を無視して決定された。こういう衆議院だけの都合で、規則が無視されるということにおいて、単に遠い所で衆議院議長が遺憾の意を表されたところで、うちの会派は釈然といたしません。この点は明らかにしておいて、今後の意見を申述べる前提にしておきます。
  26. 天田勝正

    天田勝正君 私、は是非ともこのことについては、勿論我が会派意見として強い意見を申上げたいんですが、その前に、私は更に二点お伺いいたしたい。元へ戻るようでありますが、二点だけ議長に御質問申上げます。  それは、昨日の議運委員会におきまして、私は議長に、衆議院に行つて頂くについては、これは、飽くまでも違法の処置である、国会法並びに本院規則衆議院それ自体の規則にも違反しておる行為である。こういうことから、これは無効ということで、改めてやり直すように御努力願いたい。こういうことを申述べたはずでございます。この点について、議長はどのような御折衝をなさつたのか。それから先ほど御報告の中で、或いは他の委員各位におかれましては、衆議院議長参議院議長に遺憾の意を表された。こういうふうに受取られた人もあるようでありますが、私は御報告では遺憾の意を表されたというふうには受取りがたかつたわけです。そこで、明らかにこれは自分たちの処置は違法であつて、誠に申訳ないという意思表示が明瞭になされたのでございましようか。この二点をお伺いして、私は意見を申述べたい。こう存じます。
  27. 河井彌八

    議長河井彌八君) お答えいたします。  第一番の、衆議院が、衆議院議長から参議院議長協議することなしに議決をやつてしまつたということは、私はこれは違法であるということを申したのであります。参議院規則にも衆議院規則にもあります。併しならが、その議決は果して無効であるかどうかということについては、私はあの議決は、手続上は違法であつても、あの決議の効果を、何と言いますか無効にするということはできないであろうという、私はそういう解釈をとつております。併し取扱手続におきましては違法だといことうは、はつきり申しております。それは衆議院議長も、そういうふうに言うております。認めております。  それから第二点は、これは何と言いますか、言葉のとり方でありますが、とにかくこれは遺憾である。申訳けない。こういう言葉を私は確かに聞いております。それだけお答えいたします。
  28. 天田勝正

    天田勝正君 続いて、私の意見を申述べますが若し将来の保証、こういうことが、衆議院議長から言われたと申されまするが、一体それならば、本院議長が、国会法並びに両院規則に基いてこれは違法であるという指摘をしつつ、将来如何と、こう詰寄られれば、それは将来はかようなことはいたしません。保証いたしますというのが当り前であつて、そういう答えをしなければ、飽くまでもみずからが定めた法律及び規則に違反行為を続けて行きます。こういう言葉を述べるのと同じでありますから、まさかそういうことは言えなかつただけなんです。問題は、両院関係というものは国会衆議院参議院で構成されておりまする以上は、国会法や規則にかような定めが明らかになされておらなくても、道義的に、こうした協議ののちに会期等は延長をするという処置をとるべきがこれは当然であろうと私どもは思う。ここは、すでにそうした道義の問題を護らないというところから、いろいろな問題が発生して参るのであつて、特に道義の問題を超えて、こうして明定があるにもかかわらず、これをあえて侵す。侵すのみならず、将来は、これを詰寄られれば保証する。こういうことを言つておるけれども、今議長さんのお答えでも、併し手続は違法であつても、決めたその内容については、これは生きるものである。こういうことに相成りますれば、従来の衆議院側のやり方からいたしまして、飽くまでもこういうことは繰返す。私どもは、やがて我が党が政権を握つた場合、今日丁度自由党の諸君があられますると同じような構成になつて、そのときに我が会派から出ておる議運委員長或いは議長というものが、こういうような処置をとられた場合に、一体どうお考えになるのか。私どもがそういう場合でも、これは怪しからん行為である。こう考えまするので、私は、この点は飽くまでもはつきりと、ただ言葉の上で、将来こういうことをいたしません、それだけのことでなしにこの際これを機会に、はつきりとした取極めをいたさなければならない。こう私は考えております。  なお仮に衆議院議長が、その院の規則等を十分詳かにしておられないで、或いはうつかりする。こういうこともときによつては、善意に解釈すればできないではございません。ところが大池事務総長に至りましては、これはみずからも認めておられるし、世間でも認めているように、もう、要するに国会における生字引だ。こういうことになつている。これらの事柄が、規則法律に違反しているということを承知の上でやられた。私は、どうしてもそれ解釈せざるを得ない。他の衆議院に有利の問題になりますれば、小笠原君の言葉ではございませんが、あれやこれやとうまく解釈をして来る。そのかたがこのことだけはうつかりしたということは、ここでは通りません。私はすでに小笠原君が要求されておりますから繰返しませんけれども、どうしても大池事務総長をここへ呼んで、議長は、その院の責任者としてこれは当然であります。菅家委員長にも来てもらつて、このことをはつきりいたしたい。これは繰返しますけれども、法律にこれだけ明定されておつて、将来の戒めとするとか、将来は保証いたします。こう言うのは当り前である。でありますから、これは腰を据えて一つつてもらいたい。  なお私は、与党の諸君に申上げておきますけれども、理事会においても、これらの案件の上程につきましては、賛否はいずれといたしましても、議題に供するということだけについては、すんなり供しよう。これは私の意見であつた与党の理事諸君もお聞きでありましようけれども、そういうつもりで我々としては、賛否を明らかになつた結果が、院議としてどうきまるかは別問題として、議題に供することについては、これは私はよろしい。こういう考えをもつて臨んでおつたのですが、併しこの、事柄を明らかにしてということとは、おのずから別であります。この事柄を明らかにするのは、院の権威に関する問題でありますので、これは今言うたような措置をとられてはつきりして頂く。こう思います。
  29. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、松浦君のほうからも、議長を呼べというような口吻も見えられておつたようでありますが、私も意見としては、そういう意見を持つているということを申しておりますが、今天田君も、そういう意見がありましたが、私は、少くとも他院の議長であるかたを、形式の如何にかかわらず自発的にでもおいで願えるように措置をとるというようなことは、やはりこのほうの側においては都合はいいけれども、逆な場合になつた場合には、院として軽卒にはこれはできない。従つて私は、先ほど来その点は慎重に考えた末に、議長を呼ぶべきであるというような、自発的はも御出席を願いたいというようなことは申上げておらんです。それで、実際上事務手続をし、常に慣行等をお互い事務的に確立しあつている同じ衆議院の役員である事務総長、並びに実際的な生字引的な考慮を加えた連絡取扱いをなさつておられる菅家議院運営委員長、この両者のかたには、参議院議運委員長並びに政府与党の諸君等においても、お話合いの上で自発的に御出席になつて、真意が述べられ、今後の問題等についても、不明朗でない形で結論が得られるように、一つ善処して頂くということを私は期待して止まないのであります。ここで、呼ぶべきである、呼べ、という決議などをする筋合のこれは話ではございません。そういうことはなし得ないのですから、従つて先ず、この問題に結論を得ようとするならば、私は自発的に、どうせ将来に亘つて両者の関係を緊密に保たなければならない当面のお二人のかたがたは出て頂いて、そこで話合いを進める。或いはこういう議運のところでは、いろいろな話合いが意思の疏通を欠くことなく行われるのに不適当であるということであるならば、各会派の理事諸君もおられることですから、それぞれ理事の打合会なりそれらにおいてでも話合いをし、或いは意のあるところは十分聞き、伝え、将来の問題についても、具体的な話がまとまるものならまとめるということで、議運に御報告を頂きたい。そうなれば、私は、内容的なこの会期問題も、議決ということに入つても結構だ。その点については不明朗なしこりを残さないように結論が得られるように、私は委員長並びに政府与党の諸君に善処方を期待いたします。
  30. 松浦定義

    松浦定義君 今小笠原君から私の名前が出ましたので申上げておきますが、飽くまで私は、話が、物を言える会であるならば、こういうふうなことだということを申上げたいと思うことを、最後に私は参考として申上げたのです。決して私の意見が、そこまで押付けた、議題に供される、というような物の考え方でおりません。従つて私は、他院の議長に対して云々というような、軽率な意見であるということでなく、参考ということを申上げてあるということを御了承願いたいと存じます。  そこで私は、そういう意味から行きまして、先ほどはまだそこまで話が行かないということでありましたが、大分具体的になつて参りましたので、全面的に今の小笠原君の御意見に私は賛同いたしまして、できれば理事会等で、もう少し研究してみたい。というのは、私は逆に、お尋ねしてみたい点があるのですが、若し参議院側でそういう事態が起つて衆議院からそういう問題があつたときに、事務総長なり或いは次長なりが、そういうことが他院で行われているということが不当だとお考えになつておられるか、それなら、それは何とか措置をしても、あえて差支えないというようにお考えになるかというようなことも、私は御参考までに、今ここで聞いておけば、或いは理事会等の心構えも大分変つて来ると思うので、差支えなかつたら、事務総長でも次長でもよろしいから、他院に起つた場合、ひつくり返つた場合、こういうことが起つておるという場合には、やはりそういうようなことで差支えないのだ、議長がそういうふうにお考えになるならば、それでよろしいとされるかどうか。若し言えないならばいいですよ。
  31. 芥川治

    ○事務総長(芥川治君) 他院のことにつきましては、私から申上げる限りではありませんが、本院におきましては、そういうことがないだろうという御趣旨でございますか。
  32. 松浦定義

    松浦定義君 何も、本院がいいとか悪いとかいうことではなしに、実際事務総長が電話で聞いた責任者ですよ。議長なんかは、書いたものを読んでおるだけです、極端に言えば。そういうふうに考えたときに、私はそういうような考え方でなく、ちよつと考えられないとか。答えられないというのならば、いいのであつて、私は何も、他院のことを御答弁させるということで申上げているのではない。
  33. 天田勝正

    天田勝正君 ちよつと今の扱いについて私と小笠原君と松浦さんと、それぞれ意見が若干食い違つておる。実際上委員長もお困りになると思うので私は申上げますが、私は、これが再々あるから、それの根を断ち切るためには、私は呼べないという解釈でなくして、若し自発的に来ないというならば、証人にでも何でもして呼べる。これは誰でも呼ばれるのであります。(笑声)いや笑いごとではありません。こういうのでやれる。こういう気持を私はさつきから申上げておる。併し、直ちにそのことに入る前に、小笠原君が申されたような手続、即ち事務総長、議院運営委員長、こういうものを呼んで聞くということには、私は賛成いたします。そこでどこへ呼ぶかという問題につきましては、私はここのほうがよろしい。それは飽くまで自説として私は固守したい。というのは、記録のないところなどで言つたことは、自分の勝手ないい解釈だけ、新聞にでも発表するくらいが落ちであります。でありますから、私はその記録だけは、はつきりとつておいて、将来のそれこそ、明らかな材料にしたい。こう存じますので、私はここに来て頂きたい。こういうふうにして頂きたいと存じます。
  34. 松岡平市

    ○松岡平市君 衆議院が、十分なる協議参議院と遂げずして会期の延長を決したということについて、遺憾の意は、私どもも野党諸君と同様に持つております。ところがこの問題については、今回に限つたことでない。これは再三の前例がある。そこでこれを阻止することについて、これを防止することについてはどうするかというようなことについては、例えば国会法の改正等ついても、いろいろと論議されております。これを私どもから言わせると、今まで、どうしていたさなかつたか。これが習い性となつて、今回の場合においても、やはりこういう手続がとられたのだ。これをやめるようにするということについては、我々も何ら野党諸君と違つた意見は持ちません。問題は、それをどういう方法でいつやるかということについてであります。  先ず私は、国会法或いは参議院衆議院の議院規則における協議手続というものが欠如して、ただ協議という、衆議院のほうでも「参議院議長協議した後、議院がこれを議決する。」ということになつてつて、その協議ということを衆議院側は非常に自分の都合のいいように解釈して、そうして我々は通告考えていることを、先ほど議長もおつしやつたように、あれは一応協議のつもりでありましたというようなことで、協議ということを衆議院側衆議院側の解釈において都合よく解釈しておる点がある。こういうことになつておる。こういうことだと思います。そこは私は、この点については国会法の改正等についても参議院の自主性のために十分な手続を、欠除されておる手続規定を設ける必要があるということは主張しております。が、これは今までもそういうことであつて、このときだけに、今話によると議長も呼べる。こういうような話も出て来たようであります。それはお取消しになつたからよろしいようでございますけれども、先ずこれについてここで冷静に考えて頂きたい。今回は当院の議長から特に厳重なるこの問題についての衆議院側態度についての問責があつて、そうしてその結果、衆議院議長参議院議長に対して一応遺憾の意を表した。そうして将来においてかようなことを繰返さないということも申された。そうして我が院の議長はこれを了承して帰つておられる。こういう事態を一つ冷静にお考えを願いたいと思います。それで私は先ほどいろいろありまして、例えば事務総長をここに呼べとか、或いは衆議院議運委員長を呼べとかいうような御意見もあちこちから出ましたけれども、これらは容易にすべきことではない。要するに各院それぞれの独立の意思を以て独立の解釈で行動しておる際に、参議院衆議院の役員を呼ぶということはこれは重大な事柄であるのであつて、これをどうするかということについては、よほど慎重に考えて行動しなければならんと私は思うのです。  ただ私は、先ほど小笠原君が、或いはこういう事態に立至らしめた衆議院議運委員長なり或いは議長補佐をしておる大池事務総長なりという人が自発的にここへ出て来て、これについての陳弁をするというようなことを取計らえ、こういうような非常に示唆に富んだお話があつたことについては深く傾聴しております。従つてこれらをどういうふうにやるかというようなことについては、どういう方法がいいか、私もここで、こういう例えば、それらのことを与党だからといつて、直ちにお引受できるかどうかということについては咄嗟の場合は甚だ困難を感ずるものです。従つて私は、ここで暫く議運休憩して一応理事会を開いて、この問題についでどういうふうにして措置をするかという協議をさせて頂く。かようは私は考えます。
  35. 松浦定義

    松浦定義君 議事進行について。  今松岡委員のお話になつたことは、非常に私は納得のできないことなんです。私ども今回だけだとこういうふうにまあ考えて、時局が、これはこういうふうですから、或いは取上げたかも知れん。今まであつたことは、そのままだつたかも知れないが、少くとも最近の事態は、吉田内閣が相当長い、而も議運委員長与党委員長がやつてつたと、併しそういうことは、何も珍らしくないのだ、このことは当り前だと、こういうようなお話ですが、私は、この点は過ぎたことは私はそれでよろしいが、今の中に他党の役員を容易に呼ぶべきでないというお話……。
  36. 松岡平市

    ○松岡平市君 他院の……。
  37. 松浦定義

    松浦定義君 他院です。他院の役員を容易に呼ぶべきでないと、それで、私はお伺いいたしますが、参議院というものは、衆議院対の場合に何をするものであるか。例えば向うで多数できまつたものを同じような、政党が、多数によつて採決を以て、それを決めて行くということが参議院ではない。数の如何にかかわらず参議院は、私どもは、衆議院の行き過ぎを是正するということ、或いは至らないものを補つてやろうということをやる。今回は、完全に行き過ぎだということを、堤議長が我が議長に対して遺憾の意を表しているのじやないですか。そのことをやはり私ども議運が納得するようにしてくれということで、あと何も無理なことを言つておらない。昨日私どもは、議長に一任した、何でもいいから決めてくれ、そういうことではなかつたのです、実際問題として。併し、きまることならなにも、私はそれでよろしいということを前段で言つておる。
  38. 松岡平市

    ○松岡平市君 私は、他院の役員は軽軽しく扱うべきものではないと今でも思つております。例えば衆議院が我が院の議長を呼びつける。或いはこの議運委員長について、向うが呼ぶというふうなことについては、私たちは本院の名誉のために私は極力阻止するという立場を私はとるはずでございます。だからそれは、尊敬する必要がないとか、呼ぶのは差支えないというのは、見解の相違で如何ともいたし難いが、私は軽々しくそういうことはすべきでないと思つております。
  39. 松浦定義

    松浦定義君 それでは松岡さんにお尋ねいたします。  先ほどから理事会々々々というお話は、私も理事会は、松岡さんより前に賛成しております。理事会というものに各委員が任せていることは、少くともその会派が統一されておるということの前提に立たなければならない。皆さんがた本名の委員に、仮に松岡さんの意見に賛成であるかどうかということをやつても、ここでは、相当意見があります。冗談じやありませんよ。あなたが幾ら上席に坐つていると言つても、(「いや賛成です」と呼ぶ者あり)賛成の人があつても、反対の人もある。  これは私の意見ですから、だからいいじやないですか、委員長発言を求めておやりなさい。
  40. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 田畑君、発言を許します。
  41. 田畑金光

    ○田畑金光君 私は、先ほどの松岡委員発言が前半において、それが事実であるとしますならば、これは考え直さなければならない問題だと思うわけであります。と申しますのは、松岡委員発言によりますというと、従来ともしばしばこういう議案が衆議院においては行われたのであつて、今回初めてこのような暴挙がなされたのではない。こういうような発言があつたわけであります。先ほどの議長報告を承りますると、将来今回のようなことが前例とならぬように衆議院議長も遺憾の意を表明しておるというような発言があつたわけでありまするが、そういたしまするというと、松岡委員発言を前提としますならば、従来しばしば繰返された前例に対しまして、議長はどういう措置をとつて来られたのか。前例としてたびたび繰返されているといたしますならば、その前例が、今回は更に露骨に三日前において、衆議院において一方的な議決をなされている。今更前例を繰返さぬように衆議院議長が遺憾の意を表明されましても、これは有名無実に終るということは明らかであります。私はこういう点を考えました場合に、今回、こういう繰返されておる衆議院参議院を無視したような態度に対しましては、参議院の権威のために明確なる態度をとつて頂かなければならんと考えております。  そこで私は、今までいろいろ委員相互の中にも論議が繰返されておりましたが、将来参議院において失策が仮にあつたとした場合に、衆議院から、議長或いは院の役員等が喚び出されるような場合にどうするのだ。こういうような質問の形の応答がありましたが、私はこういうことはあり得ないと考えております。と申しますのは、私は参議院の良識のためにもあり得ないと考えておりまするが、こういうようなことが繰返されておるのは、やはり憲法に基く参議院の第二院としての性格上から来る私は衆議院の或る意味においては行き過ぎが、参議院に対してこのような形で現われておると、私は見ているわけであります。国会というものは、両院を以て構成されておるし、飽くまでも最高機関の一環としての参議院であるということを考まえした場合に、私は衆議院が、ともすれば参議院に対しましてとろうとする、或いはとつて参りました措置に対しましては、この際明確なる態度を以て臨むべきであると考えております。  そういう観点から申上げましたときに、私は小笠原君の先ほどの意見とも若干食い違つております。院の今回受けました侮辱と申しますか、無視と申しますか、これに対しまして、この院の名において、衆議院議長にその釈明を求めるということは、私は行き過ぎではあるまいと考えております。ただ併し、私は、先ほどの参議院議長の、我が議長発言において議長が正式に院を代表されて衆議院議長の釈明を受けて来られたという事実を私は尊重いたしますならば、この際はあえてこれを固執するものではありませんけれども、ただ無条件的に、小笠原君の御意見に私は賛意を表するわけではありません。今回の措置は、ただ、我が議長衆議院議長と話合いの上に立つて、釈明を受けて来られたというその事実を尊重するが故にあえて、これを固執しないということを申上げておきます。同時に私は、先ほどから問題となつておりまする大池事務総長、或いは菅家衆議院議院運営委員長に対しましては、当然に出席を求めて、繰返されたる今日までの行き過ぎに対しまして釈明を求めるのが、参議院の権威のために、今後の国会の円満なる運営のために正当の措置であると考えまするが故に、さような手続とつで頂くことを私は強く要望しておきます。
  42. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 いろいろお話が出ておりますが、結局は今度の衆議院のやつたことは、非常に遺憾なことであるけれども、これはこれとして認めて、その事実の上にこれから会期を延長するかしないかの内容問題を積み重ねて行く審議に入るかどうかという点が一点と、それから今度の衆議院のやつたことは遺憾であるから、今後のことに対してどうするかということ、こういうことになるだろうと思います。  それで、あとの問題につきましては、これはまあ今日すぐきまれば、そのほうがいいでしようが、将来のことでありまするから、或いは一両日あとでもいい。これはゆつくりあれしまして、従来実行するといつても、法律がすでにあるのに実行してないのですから、ただ実行いたしましようというだけでは困るでしようから、或いは協議の上、詳細に文書でやり方をきめる。松岡君がおつしやつたことをするとか。それにいたしましても、事務当局を通じて文書のやり取りだけでなしに、議運の理事或いは全員一緒に会つて、十分とつくり話合つて、こういう方法ならやつて行けるという、肚に入つた協議をするというようなことで、はつきり将来のことは取極めをすべきものだ。又さようにいたしたいと考えております。これは今日そこまでは行きますまいと思います。初めのほうの問題が、差当りの問題でありますが、これは先ほど議長の御報告にもございました通り衆議院議長は非常に遺憾の意を表していたということであります。ただ併し、従来もしばしばあつたことで、衆議院議長が、こちらの議長向うへ行つていろいろ詰問をし、なじつたために遺憾の意を表したというような形式的なことじや、甚だ肚へ入らんというような気分もありまして、是非とも向う運営委員長或いは事務総長に来てもらつて、直接お話も聞きたいという気分、これは尤もだろうと思います。併しこれについては、小笠原君も言われた通りに、他院の役員を呼ぶというふうなことは、たとえ向うに非違がある、或いは失礼なことがあつても、これは両院それぞれ尊重し合うという意味から如何なものであろうかという発言がある。これを引取られまして、松岡君のほうで、それらのことはいいと思うが、すぐここで、どうしてその方法を講じようかということも、咄嗟の場合考えられないから、暫く休憩にしようというお話、誠に私はお含みのある言葉と拝聴したわけなんであります。この辺で休憩にいたしまして、今小笠原君の話、或いは松岡君の話等の線で、休憩の間に然るべき方法がとれるならとつて頂いて、然る上でこの問題を、あつさり片附けて、この次の問題に入るとして、主張はいろいろ松浦君或いは天田君からありましたけれども、私はまあ、どなたに賛成する、反対するということじやないけれども小笠原君の話、それを引取られた松岡君の話等でやられたほうが、この際適当ではないかと、自分意見を加味して、そういうことを申上げたのであります。
  43. 藤田進

    ○藤田進君 これは、衆議院手続に対する点をいろいろ昨日論議もし、結論を出して、議長から報告ありましたようなところまでの処理を願つたわけですが、私は会期延長の問題に入る前に、参議院が同じように衆議院の愚を繰返すような傾向が生まれて来るような気がいたします。これは常識上、先に会期をきめんとするところが、未だその段階に達していない院に対して相談を持ちかけて協議をするというのが、これは常識だと思います。思いますが、今回の場合は、そういう相談もなしに向うがきめられているのですが、その二週間なるものは、どこから言い出して、それにこちらも迎合してしまうというようなことがあつてもなりませんし、こちらが、本来二週間という、当の衆議院決定についても、十分その根拠等についても伺わなければならない。  これは今手続上の問題になつているものとは、別の私は問題を言つているわけです。我が参議院規則二十二条にも、こちらの院できめようと思えば、必ず衆議院と相談しなければならんというふうになつております。相談する余地もない。向うはきめてしまつているのだから、もう相談いたしませんということが、果して通るかどうかという点も無論あり得ると思いますし、ですから当院としては、かくかくにきめたいと思う。あなたのほうはすでに、手続は別問題として、二週間きめられているけれども、ということもあり得るので、こちらが相談をしないできめて、ただ向うが相談しなかつたし、すでにきめてしまつているのだから、こちらは相談する必要はないと考えたということもどうかと思われるのが、先ず皆さんが触れられていない点、従つて私はこの問題に関連して申上げたいのです。それは松岡さんも、呼ぶべき筋合でもない、自主的にきめるべきものだとおつしやいますが、この会期延長に関する限り、そうであつてはならんのです。これは事と次第によるのであつて、この点に関する限りは事前の協議を必要とする。協議をするということは、これは細かくは書いてないが、どこかに会して、同じこの中のことですから、僅か隔つているだけですから、会してやるのが至当でしよう。こういうことで呼びもし、又行きもする。これは当然だと思うのです。ですから、やはりこれはそういう第二の問題もありまするし、同町に第一の点についても、議長間におかれてはさように了解をしたと、こうおつしやるわけでありますから、それはそれとして、大きな点については、そうでございましよう。併し議長を補佐して行く一面任務を持つ議運、或いは向うの事務総長とされては、やはり今後の保証にしても果して具体的にはどのようにするのかという点も、当然聞く必要が私はあろうと思います。これは決して議長間のお話合いをくつがえすという意味にまで行かないで、一つの限界を持つても行ける。こう思う。ですからその場を、この議運の席上にするか、或いは理事会の席上にするかは、これは皆さんの、私としては意向従つて結構だと思います。ですから、そういう手続をやはりとつて頂きたい。
  44. 鈴木一

    ○鈴木一君 この問題は、今回初めてであれば、私も衆議院議長参議院議長に対して遺憾の意を表したということで一応了解するわけですけれども、この前十六国会の際、会期を延長する際に同様のことが起つている。それでその際、両院の理事会を開いた際、こういうような一方的なことを、両院法規を無視するようなことがあつては困るということをこちらのほうから強く主張したところが、そのときの衆議院のほうの言い分は、一応衆議院のほうとしては、意見をまとめなければ他院と相談できないから、一方的にきめたような形になつたのだというような話があつたので、それでは困るので、一応衆議院意向をきめるということはいいけれども、それは飽くまでも内的にしておいて、その上で参議院と相談して、双方の意見がまとまつたら正式に決定してもらいたいというようなことを強く申入れして、甚だ衆議院のとつた態度は遺憾であつた。今後は絶対に気をつけましようということを強く理事会の際意思表示があつたのです。ですからそういうような前例があつて、又ここでこういうことをやられたのでは、今後の保証というものを、第三者が保証するならいざ知らず、悪いことばかりやつている御当人が保証したのでは、意味がないと思います。私はいろいろ問題もあると思いますけれども、この問題を先ず最初に先議した上、決定した上で、杉山さんがおつしやるように議事進行するなり、とにかく飽くまでもこれを先にしてもらいたい。
  45. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 申上げます。  だんだん御意見もありましたが、この御意見は、先ほど来、だんだんの委員からも御意見がありましたように、一応これを休憩にいたしまして、理事会を開いて、そうして話さなければいつまで経つてもこれは結論が得られないのです。かように存じますので、休憩にいたしまして、理事会にいたしたいと思います。
  46. 天田勝正

    天田勝正君 二つのことを、一回に意見を諮られますと困るのです。つまり私の申上げたいのは、休憩はそれでよろしいです。それは与党側の御意見の様子もあり。(「与党も野党もない」と呼ぶ者あり)私は私の……。
  47. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 暫時休憩いたします。    午後二時四十一分休憩    ―――――・―――――    午後五時十四分開会
  48. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 再開をいたします。  私が、先ほど突如休憩を宣しましたことにつきましては、多数の委員の各位から非常な御批判を頂き、又非常に御不満も拝聴いたしたのであります。私は皆さんの総意が、休憩をして理事会を開くということにあるということを考えまして、多少二、三の発言者はありましたけれども、これを休憩を宣したわけであります。私のとつた処置皆さんの総意に従い得なかつたということは、私の不徳のいたすところであり、私、甚だ申訳がないと、かように考えるわけであります。なお理事会等にもお集りを頂けなかつたということは、ますます私の不徳のいたすところで、その点申訳がないと思つておる次第であります。併し本日は、極めて重大なる議案でもあり、会期延長等の問題で参議院の極めて重大なる案件でもありますので、再びここに委員会の再開を賜わりまして、先ほどに焼きまして、会期延長に関する件を御審議を願いたい。  かように思う次第であります。どうぞよろしくお願いいたします。(「了承了承」と呼ぶ者あり)
  49. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 先ほど、休憩前に引続いての会期の問題の委員会ということですが、休憩前には、会期のいわゆる本論と言いましようか、延長するかしないかというような問題の前提として、衆議院の先般のやつた措置について、これを了承するかしないかというようなことが主たる話題に上つたわけなんです。あのときに、議長が昨日、わざわざ御足労頂いて、そのお話がありまして、一応は、まあ様子はわかつたというふうなこと、更に衆議院の当事者から直接お話を承わつたらというふうなことも話題になつていたのでありますが、本日は、すでに土曜日で或いは向うさんがおられるのか、おられないのかわからんようなことでもあります。だんだん時間も延びて参りますので、その問題は、皆さん御賛成であるならば、一応留保と言いましようか、先ほどの議長の御説明で一応の了解をしておく、更に日を改めて、十分衆議院等とも連絡して今後のこと、その他話合いを付けるにいたしましても、本日は一応の了承ということで、これで本論に入つて頂いたら、私はまあ、かように考えているわけでございます。
  50. 阿具根登

    ○阿具根登君 私は前に戻りますが、先ほどの委員長の弁明で了解はいたしておりますけれども、まだほかに御意見があるかと思つて聞いておりましたが、そのまま進んで行つておりますが、委員長は先ほど、大勢が休憩考えておる。こういう考え休憩を宣したとおつしやいましたけれども、私は、そういうふうに感じません。委員長は、まだ他の委員発言中に突如として休憩を宣しておる。そこから、いわゆる悪い言葉で言えば逃げ出された。他の者が皆休憩願つておるならば、ああいう態度をとられる必要は毫もなかつたと思う。ところが今、そういうことを言われる。我々が審議しておるのは、国会法に照らして、国会法にどうあるかという重大な問題を審議しておつたはずであります。それをその審議しておる最も重要なときに、この委員長が……、この国会法に私はもとると思う。そういう議事の打切り方をやられて、そうして一時間余りも会議が開かれなかつた。そうしてそれは、自分の不徳のいたすところだと、こう言われれば、何もないのだということになれば、私はほかの委員会でこういうことを委員長がやられるとするならば、議事の運営はうまく行かないと私は思う。一言だけ私は言いたい。ただどういうお話があつたか、何か私知りませんけれども、先ほどの委員長態度と今言われる委員長の答弁と、私は違うように考えておりますので、一言だけ委員長に私は言つておきたいと思います。
  51. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御注意、拝聴いたします。  私が、ここの席を立つて向うへ参りましたのは、私は、直ちに理事会を開きますと、こういうことで、自室に帰つたわけでありまして、ここを逃げたとかどうとかいう気持は全然なく、直ちに理事会を開いて頂くということで自室に帰つたのでありますが、その私の態度その他についで、さようなお感じを皆さんに与えた。こういうことになりましたことにつきましては、誠に申訳ないと思います。  只今の杉山さんの御意見に対しまする何か御意見ありましたら……。
  52. 松岡平市

    ○松岡平市君 先ほど私発言いたしましたが、今回の衆議院のとつた会期延長に関する措置については、私たちもこれは十分質さなければならんと、私先ほども発言いたしましたが、質す方法につきまして、今日、先ほど杉山さんの言われた本題に入る前にこれを質すということ、これは誠に時宜を得た審議の方法でもありますが、土曜日で、実は先ほど申上げましたように、私ども与党としてできるだけの穏便な方法を講じたい思つて、いろいろ努力いたしましたが、土曜日のことで衆議院は殆ど誰もおりません。からつぽになつております。そういう事態でもありますし、又これはやはり根本的にいろいろと論議も尽さなければならん問題もあると思います。これは月曜日なり火曜日なり、なるべく早い機会に、今度こそは確実に、再びこういうことが繰返されないような方法を、きちんときめる手段を我々も講じたいと思いますが、もう会期末、そして今日は土曜日でこれは時間も遅れておりますし、一般議員の各位も、本会議の再会はどうなるかと思つて待ちくたびれている。こういう状態でありますので、是非会期をどうするかという本論について、ここで御決定を願いたい。杉山さんの只今の御発言通りに、いろいろ御議論もございましようけれども、各会派とも御賛成をして頂きたい。私はかようお願い申上げます。
  53. 天田勝正

    天田勝正君 我が会派におきましては、従来それぞれの会派において相距る意見が出された場合には、まあまあその中間を行くように見られます緑風会の意見というものは、相当重視して、殆どはこれに同調してくるという態度をとつてつたのでございますが、今、委員長発言で議題にされた杉山さんの御意見には、この際私は同調いたし難い。なぜかと言いますと先ほど藤田君からも指摘されましたが、この事柄は、それぞれの院において独自の判断を下すという事柄ではないのである。これは明白に、これだけは他院と連絡をしてきめなければならない。こういうことに相成つているのでありまして、これは或いは言葉の綾によつて、呼びつけるというようなことならば、これは同じ結果になつても、少しきついのではないかという御議論もありましようけれども、これは当然連絡すべき筋なんです。でありますから遅れたりといえども、そういう処理をとられたならば、他院のそれぞれの役職のかたは、本院に参りまして、それぞれの弁明をなさつて然るべき事柄なんです。従つて私は、すでにさつき小笠原君が、いささか同情ある言葉を似て表現されたのでありますが、休憩をされて、その休憩ののちに理事会を開くか開かないかのことが、これは意見の食い違いがあつたのでありますけれども、とにかく休憩をされて、その間にどこの会派から言つて行くというよりも、同じ自由党のかたたちが連絡をされて、自主的にここに御出席願うということが穏かな方法である。こういう穏かな御意見が出ておつたくらいでありまして、私はこれらのことを与党自由党の諸君が確かめられて、若しこれと同様なことを社会党が多数をとつた場合にされたら、皆さんはどう考えるか。私は仮に我が党が政権を握つても、さようなことはしたくないから、ここで明瞭にしておきたい。こういう考えなんでありまして、私は今日只今、さつき言いました事務総長なり議運委員長なり、そういう人がたがおらないということになれば、なおさら承服ができがたい。こう思いますので、やはり私のような、最もきつい意見というものもありましようけれども、必ずしもその主張通りにいたさないまでも、遅ればせながらも、衆議院側が自主的に出て説明に当るべきものだ。こう私は主張申上げます。
  54. 戸叶武

    戸叶武君 いろいろなことを成るたけ手間どらないで、今日の議事を進めて行きたいという気持は皆にありながら、私たちがやはり、極めて原則的な問題に対して、最もけじめをしつかりつけておいてもらいたいということを、この際強く要求しているのは、少くとも参議院はイギリスの上院のように、一つの旧勢力の遺跡的な、盲腸的存在ではなくて、一院制度では行き過ぎがあるから困る。新憲法の下においては、日本の参議院というものは、衆議院同様に選挙制度によつて作られているものであつて、今まで国会を通じて政府並びに与党のかたの出方を見ていると、とにかく参議院には、政府の言いなりに必ずしもいかないいろいろな事情がある。だから衆議院のほうを数で押し通して行く。あとは既成事実によつて参議院を罷り通ろうという態度というものがことごとく出ている。それがたまたま今日においても、一つの表われとなつて問題化されたのですが、こういうことになると、実際二院制度におけるところの参議院の位置というものが、日に日に崩されて行く。存在の意義というものをだんだんなくして行くことが極めて重大なのでありまして、今天田さんが言われましたように、少くとも衆議院決定したのだから、参議院がどうあろうと、とにかくそれは何とかかんとかまとまつてしまうというような、こういう態度衆議院がとつている限りにおいては、やはり私は両院を、二院制度を設置して、一院制度の数による、力によるところの一つの議事運営だけでない国会の妙味を持とうとするところの新憲法の精神というものは全く崩されて行くと思うのです。この点は、少くとも参議院におけるところの議長並びに議院運営委員長というものは、この参議院の自主的権威を保つために、ただやたらに我々は権限を強めるというのではない。ただこの参議院自体の権威というものが、こういう形式的な面の崩れから、おのずから蔑視されて行くのだから、それはその政党の所属如何を問わず、その議運委員長なら委員長という責任感の上に立つて、もう少し出所進退をしてもらわなければ困ると思うので、我々は何も、少し委員長が興奮してテーブルをひつぱたいて出かけて行くような、そういう軽率な態度自身のあげ足をとつて行こうとするのではない。今のときにおける、議院運営委員会における委員長意思というものは、与党から選ばれたところの委員長としてでなくて、参議院の今後における二院制度の妙味を本当に守つて行くためにおいて如何に大切であるかということの認識の上に立つて私たちはやつてもらいたいと思う。そういう筋がはつきり通るならば、我々は土曜でありますし、成るたけ早く問題をとにかく進めて行きたいと思いますから、一番根本的な問題を置き去りにして、ちやらんぽらんに事務的処理というような形でやつて行くべき性質のものでないのですから、その点はどういう見解と、どういう善後処置をとるか、明確に、とにかく委員長自分の心境を語つてもらいたい。委員長だけでなく、これは議長としての一つの見解もあると思いますから、語つてもらいたい。
  55. 藤田進

    ○藤田進君 衆議院大池事務総長などがすでに帰つているから、これは、まあ事は新しい事態として考え直そうというようなことでは、確かに会期の議決が、衆議院においてなされたあの議決というものは、いつから有効であるかということは、事務次長から、昨日その解釈は一応述べられて、異論はなかつた。それは参議院が同じ議決をするか、或いは違つた議決をしたときに、初めて衆議院の議決というものは有効になる。会期の問題に対しては効力を発するということだつたと思うわけですが、併しまだ参議院において議決もなされていない今段階で、あの態度というものは、昨日、衆議院議長が俺のほうはきめたのだから、参議院は勝手にして、もうどちらにしたつて結構だというので、安心して帰つちやつた、そういうことなんでしよう。  又議長さんに、そういつた関連でお伺いをいたしたいのですが、この二十二条の手続が、つまり衆議院議長においては参議院議長との協議というものがなされていないのですね。これは怪しからんということで、議長も御足労を願つたわけですが……。
  56. 河井彌八

    議長河井彌八君) そうです。
  57. 藤田進

    ○藤田進君 ところが事実問題としては、次長も言われたように、次長の解釈によれば、すでに議決に本会議でなつておる。衆議院はですね。この有効、無効については、必ずしも無効ではないように私は伺つたわけですね。そういう場合には、この参議院において二十二条というものは、すでに衆議院議長協議しなければきめることができないということになつておりますが、向うがきめているのだから、もう協議の余地はないので、協議しないでこつちはもうきめ得るかどうかという解釈は立つのか、或いはきめてある以上は、衆議院においてはかくかくにおいておきめになつておるが、我が参議院では、議運はかくかくになつている、こういう意向だが、それでよろしうございますかとかなんとか、一応の協議の形式というものは、やはりとられるべきであろう。どうであろうか。私は後者のほうが一応守られるべきと言つている立場から見て、協議するのが至当ではないかと思うわけでございます。そういう後者の説をとるならば、今の衆議院議長初め関係者は当然これに応じるべきことになると思うのですが、いずれにしても会議進行上、どういうお考えでありますか。
  58. 河井彌八

    議長河井彌八君) ちよつと私も法律問題ですと、少々はつきりお答えしにくいかも知れません。併し衆議院がどうあつても、こちらとしてはやはり協議は求めるのが本当ではないかと思います。併しながら、衆議院では、すでにもう自分のほうのことは終れりというような気持もあるであろうということを考えるのですが、ただ筋合いとしては、やはりこちらはこうということを言うのが本当ですが、すでに議決をしてしまつたあとですから、衆議院が。でありますから、それがやはりやつても効果はないということは考え得ると思うのでございますが、ちよつとその点は、はつきりしませんが……。
  59. 河野義克

    参事河野義克君) 議長がおつしやいましたので、補足を申上げますが、私どもといたしましては、一般に仮に相手が理不尽であつた場合に、こちらもお互いに理不尽に出るということはよろしくないので、こちらは正しく対処するということは勿論でありますが、協議するということは、お互いに或ることが確定してない以前において協議をすることが協議の実質だろうと思いますので、粗手のほうでは、その意思が確定して何ら変更の余地がない状態においては、事実において協議ができないのではないか。従つて参議院規則は、そういう場合を毫も予測しておりませんから、そういう書き方にはなつておりませんが、こういう規則の予想せざる事態が生じて来た場合、而も協議ということが事実においてできない場合は、法がどうこうというよりも、協議が不能である。こういうふうに考うるべきものではないかと私どもとしては考えます。
  60. 藤田進

    ○藤田進君 その点で、然らば事前に協議がなされているとするならば、その協議の場裡におきまして、例えば衆議院側が二週間というならば、その二週間の立法計画等についても質し、できることならば衆参両院一致の結論を出す努力もできます。ところが今回のように、すでに国会法或いは規則が予想できない事態で、相手かたの院においてはすでに確定して、これが変更の余地なき状態にある。よつて協議するについては意味がないということになりますると、二週間なりなんなりという衆議院決定に対して、こちらが或る程度の参考と斟酌をして意を決する場合に、衆議院議長なり、或いはこれに代り得る人の出席を願つて、その間の事情を質すことが必要になりはしないか。こう思われるわけですが、そういう手段なり、或いはそれらの事柄についてどう解釈せられるであろうか。協議というものがある予想の下であつたものが、ないのですから、そこに新らしい問題が起きて来ると思う。
  61. 河野義克

    参事河野義克君) 通常の場合におきましては、協議ということが事前に行われるわけであります。その場合に協議をする形というものは、片一方の院の議長とか事務総長とか、或いは議院運営委員長、こういうものが一方の院の議院運営委員会に来て、という恰好では、協議をしておりません。そういうかたがたを他院の議運においで願うかどうかという問題は、今の協議をすることの必要、不必要ということとは別個の問題であると思います。  それから、それでは協議が事実においてなされないような状態において、通常ならば、協議をする段階において、先方から、先方のきめた考え方とか事由とかというものを伺つて協議をする方法を取るべきかということになりますれば、それば普通の協議の場合にされるように、必要があれば議長から議長とか、事務総長から事務総長とかいうふうに、先方のきめるに至つた経緯とか事由とかというものを聞くということは考えられると思いますが、そういう人たちを議運委員会にお出で願うかどうかということは別個の問題になりはせんかと思います。
  62. 藤田進

    ○藤田進君 そうしますと、事務総長乃至議長向うとの話合いをなさるのであつて、我々は議決権を持つてここは議運議運なりに臨んでおる者としては、いささか隔靴掻痒の感があるわけで、これが事前ならば、議運の理事会間におけるいろいろな事情の交換もしておる前例もあるわけです。一たびきつまたら、それができないということになりますと、これは非常に問題があるようで、徒らにどうも翻臨を来たすような場合が起き得るのではないか。
  63. 河野義克

    参事河野義克君) 今おつしやいます点は、普通協議をするために先方の決定の経緯や何かを聞く必要があるのではないかという点については、事前に協議を行う、通常の形態においても、こういう議運委員会等には出席を求めていないので、議長同士、総長同士で連絡しているということを申上げたので、従つて今他の事由から、そういう人を議運委員会にお出で願うかどうかは別個の問題だと思うということを申上げたのであります。それから今、議長もここでちよつとおつしやつておられますが、事実上、協議という形は遺憾ながらできない現実の問題としては、議長のお考えとしては、参議院参議院としての態度をきめるほかない。これは事実問題としてそれ以外にないというように今おつしやつておられますが、そういうことであろうと思います。
  64. 天田勝正

    天田勝正君 私、ちよつと関連して聞いておきたいのですが、それは先ほど議長も言われ、事務次長も言われましたが、仮に先方が非違を行つたとしても当院としては筋道を立てた行いをする。こういうふうな御意見があつたと私は拝聴いたしたのです。そういたしますると先方は衆議院規則の二十条を履まずして、勝手な行為を行なつたけれども、当院といたしましては、その二十二条に衆議院の二十条と同様の条項があるのであります。これによれば、やはり「議長衆議院議長協議した後、議院がこれを議決する。この場合において、議長はその会期における立法計画に関して、予め各常任委員長意見を聴かなければならない。こういうことになつておりまして、向うはその院の二十条を履まずして行なつたけれども、こちらは二十二条を履んで行なつて行く必要があるのではないか。協議をできないと、今ここで俄かにきめてしまわないで、向うは議決はあつたろうけれども、こちらはやはり筋道を通して本院規則二十二条に基いて御協議申上げる。こういうことで議長向う議長に申入れを行なつて、それが仮にここの院内におらないとしても、それは公邸にはおるでありましようから、連絡はつかないはずはないのです。そこでそういう申入れを行なつて、やはりそれの筋を通して、やはり私は、全然お話する必要がありません。又協議してみたところでそれは無駄でございます。こういう御返答なりを頂戴すれば、仮に私は時間をとらない方法ならば、電話連絡を一応してみて、それで、もう全然それに応じない。こうなれば、向うに、その協議のできない理由があるのであるという点が明らかになるから、その際に、今の議論のようにお取計いになるのは、これ又別個の問題である。私としてはこう考える。向うは筋道を通さずして、勝手にきめたから、もうできないのだと、ここできめてしまわないで、こちらはあくまで筋を通して行く。こういうことが然るべきであると思いますが、そうではございませんでしようか。
  65. 河井彌八

    議長河井彌八君) この議事規則考えは、昨日のようなことが起らないという前提の下に書いておるわけですね。だからお互に、常任委員長の審査状況を聞いて、そうして会期をどうしましようということを相談するわけでありますが、それはその通り行くべきでありますが、併し、すでにそれが破られてしまつて、実は昨日議運の諸君の意向も体し、少くとも私自身としては、そういうことは衆議院取扱は、参議院取扱まで不能にしたということで、私は話に言つたわけです。その結果どうかというと、事実そうなつたのは如何にも済まないのだという議長の釈明と言いますかを得て来ておるのでありますからして、今からそれを正議長は、本院に対してそれは遺憾であつた、済まなかつたということを言つておるのでありますからして、それを更に繰返してやるということは、今度は法律の問題はとにかくとして、事実上において不可能にしているのだ。こういう状態であると私は判断するわけであります。遺憾でありますが、これはどうも仕方がないのだ。こう考えます。
  66. 天田勝正

    天田勝正君 どうも、僕と議長と非常に見解が違うのでありまして、先ほど大池事務総長の話を私は持出しましたけれども、若しそういう扱いをすれば、成るほどこちらが協議をせないで会期の延長の問題を決定したのだけれども参議院のほうも、協議を申込まずして決定したのだ。五分々々だと言いかねない。だから事実上不可能だということを言わずして、ものことはすべて駄目押しをしてみるものだ。そうして向うは、事実上他院である参議院規則も不可能にしたのだ。こうおつしやるけれども衆議院自体は、その規則である二十条をふみにじつた。ただ、二十条をふみにじつて非違を行なつたけれども、それは衆議院自分の院の規則をふみにじつたのであつて、当院からいたしますれば、やはり本院規則の二十二条というものは生きておるのであります。一応は、本院規則の二十二条に従つて手続だけはやつてみる必要があると、私はこう思うのであります。
  67. 河井彌八

    議長河井彌八君) それは衆議院規則参議院規則は、大体条文は違いますけれども、同一のものであります。それで衆議院側で言えば、参議院の議事規則を履行することのできないような状態をでかしてしまつた。即ち協議も何もしないでやつた従つてこちらではもう、これは私の解釈でありますけれども衆議院の議決そのものは、私は効力があると、こういうふうに考えております以上は、こちらからこの手続を履むということは、正当であつても、それは協議の事前ならばよろしいのですが、それが破られてしまつた今日においては、それは不可能と考えます。而して昨日その点について衆議院議長に話に行つたところが、それは如何にも私のほうが悪かつたということを言つて、釈明と言いますか、遺憾の意を表しましたのでありますから、私はその関係から言えば、もう事前に協議するなりということはなくなつてしまつたのでありますから、参議院自身は、やはり参議院独自の見解で以て会期決定して行くほかはないのだ。こういうふうに解します。  それから、それならばどうすればいいかと言えば、即ち昨日常任委員長の懇談会をいたしました。そしてその意向を各受持の案の審査の状況等を聞きまして、そうしてその結果を得ておるのでありますから、それに基いて参議院はここで独自の決定をなさるという順序であると私は考えます。
  68. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほど杉山君から、或る種の御提案があり、又御意見つたかも知れませんが、あつたものが、天田君等からそれに対する反対意見が開陳され、それが延いては関連して議長への質問の形になつて手続上の問題を議論しておつたものが、何か会期議決に関して話を進めるような状態になりつつあるようでありますが、私は先ほどからの話を聞きまして、事務次長の答弁は、法律論として与党立場がそれに抵触しない形において答弁してにおることにおいては一応了承される。又議長議長として、昨日からのああいうお仕事をなされた。それで実際的にそれの交渉と申しますか、折衝に当つた立場のおかたとしては、その辺のところまで理解を持つて結論を得られてお帰りになつて来ておつて、二度と再び云々ということは、やり得るのには困難な立場があるというふうに私は午前中からその点も考えておりましたけれども、そういう表明がなかつたので、私はまだ道が開けておるという建前で議論したのでありますが、併し少くとも参議院規則なり衆議院規則なりに見て。両院議長協議した上、それぞれの議院において議決するとありますが、具体的に何日会期を延長するかということは、両院議長において決定しただけで、議長発議を以て本会議にかけられておるということではないのであります。具体的な日取りの問題については、議院の運営に関する事項としてでございましようか、或いは議長が発議するための諮問という形でございましようかは、私その点は疑義がありますので、二様の解釈を以て申上げますが、慣行としては、具体的には議院運営委員会で、会期は何日にすべきものとするという決定を持ち、或いは延長すべきでないという決定があつて議長が発議しておられるというのが参議院のしきたりであります。衆議院は或いは議員発議を以て形式上は本会議でやつておるかも知れません。間々議長議長発議でやつておるのを見ております。従つて議院運営委員会としては、会期問題に関して権限がないわけではない。権限という言葉が、又広汎な意味で私は申しております。  それからもう一つ、先ほどから手続上の問題とし我々いろいろ論議しておることは、国会法並びに院の諸規則に関する事項として、その規則が正当に履行せられないということを問題として、それが他院の問題に亘るからこそ、他院の責任あるかたに自発的に御出席を願つて、その経緯も聞き、所見も質したい。こういうことを私は申上げて、その後退席したのでありますが、仮に議長が、協議はできなくなつた状態で昨日所見を質したにしても、多分議長としてはもつと深く踏み込んで、衆議院において二週間の会期を延長したという理由はどういうところにございますか、或いは参議院の審議の状況も付度の上に、これは二週間の会期延長でよろしいというお含みを以て御決定になつたのでございますか。又これは、一応の会期延長の、二週間を目途とした議決であるというのでございましようか。最終的には又再び会期を延長する御用意を持つて、一度二週間の目途を以て会期を延長したのでございましようかという点については、質しておらないだろうと私は思うのです。それでその意味から、又申しますならば、本日我々の立場において事務次長並びに議長が御説明になつたように、議決させられたあとで、形式はとれない状態に陥つているいうことを、仮に素直に認めた場合でも、昨日遺憾の意を表されておるだけの衆議院のかたがたである限りは、その立法計画に基いて、二週間の会期決定したら、大体参議院においても、その程度でやり得るであろうとお認めになられた理由、これらを聞かなければ、又参議院として会期の延長問題を、衆議院立場も付度して議決するわけには行かないと、こういう議論が出て来ますならば、少くとも自発的に、そういう違法な異例な手続をとつた他院においては、参議院に納得せしむるがために、協議すべかりし内容を、議決したあとにおいても、積極的にここに出て来て御説明になるのが筋でございましようと、そういうふうに私たちとしては申上げなければならんのであります。  それが杉山君の御発言でありますと、向うの責任者である大池事務総長等も帰宅せられたかも知れないような、そういう状態も一つ理由となつて手続上の問題があと廻しになつて会期の内容的な問題をきめようといつたところで、こちらできめる場合でも、これは衆議院の場合のほうも考慮に入れ、衆議院のきめた理由、事由というものも、一応我々の耳に入れて態度を決するというのが、これはもう論理の上から言つて当然のことなんである。そうしてなお各派の立場会派理由とするところを以て賛否が決せられるということもあり得ると思う。  従つてこの協議が、もうできない段階にあるというようなことでも、そうであればあるほど、他院のほうのそれぞれの責任者に積極的に御出席頂いて御説明になるということのほうが、この参議院会期を本日何日にするかということをきめるのには、非常に手早いはずなんだ。そういうことを先ほど来から、お呼び願つてやれば、その点にも触れてこの問題は決せられたものだろうと私は考えるのです。  で、そういう点において時間的な余裕がなくなつたというような点でございますが、私たちもそう思う。そうは思いますけれども一今いろいろのお話のあつた法律論としての事由は、事情は、わかりますけれども、政治的にこの問題を考える場合には、私は大池氏等が不在であるとか、帰宅しておるとかいう事実が明確であるならば、昨日の今日、誠にこれは遺憾な次第であると言わざるを得ないし、又そういうことを理由として杉山さんに言われたのでは、これは、何とか話をつけようということを我々が改めて考慮しようと思つても、どうもその話だけ、その各種の理由のうちに、その理由一つでも載つているのでは、これは今のところ、喉から手の出るほど緑風会さんの御意見は尊重することが、各般の事情から言つてもいい点でありますけれども、この点はちよつと、うまく行かないと思う。杉山さんのほうからもう少し、事改めて提案するならするとして、事由を明確にしてお話頂きたいと思います。
  69. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 実は先ほど休憩前に、私只今小笠原君がおつしやつたように、こちらに呼びつけるようなことは、他院のことなんだから、自発的に来てもらうことを期待することのお話があつた。私も実はそれに賛成して、さつきお話申上げた。それでそういうようないきさつもございましたので、休憩時間に来て頂けるかどうかということを私は私なりに心配いたしまして、いるだろうかということを調べました。あのときにすでに帰つてしまつたということを聞きましたもので、それならば仕様がないなあという頭があつたから、さつきああいうことを申上げたんです。ただ理窟から言えば、昨日の今日、そんなに早く帰るという法があるかと、それは確かこ私自身もそう思つております。思つておりますけれども、すでにそういう事実であるというならば、それも一つやむを得ないことだろうなあというふうに私は考えていましたのですが、今の小笠原君のお言葉で、そういうことが理由一つにもなつているのではおかしい。まさにそれは理窟の上から言つても、両院審議の上から言つてもおかしいことであることは私も考えております。が、併し事実が事実であるし、又今日すでに、いろいろ議論が出まして、時間も長くなつている。まあ私としては、先にも申上げました、今後のやり方をきめる際には、当然に、今回衆議院でとられたことについての、こちらの批判と言いましようか、意見と言いますか、そういうものも十分話合いの結果、それだから今後はこうしようということに、当然なるべきものだ。そのとき十分の意見の交換或いは向うのほうヘ反省を求めると言つちや言葉が強過ぎるかも知れませんが、そういう機会もあり得るので、今日は議長の最初の御説明で、一応の了承をして、この会期を幾日にするかということを、ここできめるような段取にいたしたほうがよかろうというふうなことを申上げたのでありまして、別に帰つたのが当然だと、それだけの理由だという意味ではございません。それで了承願いたいと思います。
  70. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでは、ちよつとお尋ねしますが、仮に、仮にですよ、今後の手続問題等については、衆議院の、極論するならば専断的なそういう扱いにならないように措置し得るように、衆議院側の責任者との間に十分な取きめをすることについて、緑風会さん並びに自由党において、責任を持つて頂けますか。
  71. 松岡平市

    ○松岡平市君 これは小笠原委員も御承知通り、これは、参議院として議運では長い間の懸案であつたと思います。是非そうなければならんということで、今までもしばしば衆議院側に向つては、そういうことについて要請しておられたと思う。それは私ども与党といたしましても、参議院立場から、与党、野党を離れて、こういう衆議院規則なり参議院規則なりが、実際には履行できないようなやり方をすることについては、どこまでも質さなければならんと思います。或る場合には、二週間後にこの問題が起らないとも限らないと私たちは考えます。再び会期が延長されぬとはきまつておらんわけであります。そういう場合に、又こういう問題が繰返されることは甚だ残念であると思いますから、これは与党、野党ということでございません。参議院立場から、明日は日曜になりますけれでも、明後日でも、十分な手を尽して、こういうことが再び起らぬようにするということについては、あらゆる努力を払いたいと私たちは考えております。
  72. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 これは緑風会、自由党責任を持つてやられるか。こういうお話でございますが、如何なる方法を取きめたらそれで満足かというその方法が、今後の相談にかかつているわけなんです。従つて責任というのは、非常にきつい言葉なんですが、併しこれは緑風会、自由党の問題じやないのです。先ほどから皆さんもおつしやつているように、参議院全体、各党各派を通じての問題であるのです。これは私たちも、できるだけ全力を尽して参議院として立ち得るようなことを極力折衝すべきものであるという考えを持つていますし、又その場合には、それだけの努力は必ずいたすということを考えております。
  73. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは前提条件は、飽くまでも仮りでございますが、私の申上げている、言葉がきつかつたら、少くとも、理事会その他において折衝するについても、腰折れにならないでやるということを、飽くまでもお願いできますかという言葉なんです。  そういうふうな意味合いだと考えて、私はその点は了解する、と言えば、又語弊があるかも知れませんが、そういうふうに承わつておきますし、又委員長或い議長も、仮にそういうことでよろしいときまつた場合においては、積極的にこの経緯に鑑みこういう取きめをなすことに飽くまでも御努力願うということで御異議がないかと思いますが。
  74. 河井彌八

    議長河井彌八君) 小笠原君の言われた通り、それは当然のことだと思います。併し腰折れ云々の意味が私にはわかりませんが、両方で談判ずるときに、こちがえらい強く言つて向うをへこますことができないのを、腰折れということであつたなら、私はそういうことは考えられないのです。私はどういうことかと言えば、この法規規定してある。これが一つの基準なんで、その基準が正当に行われる方法を見出すということでなければならん。こういう意味において、私は小笠原君の言葉に、その通りに了解します。
  75. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の申上げているのも、その通りで、次の会期末までの間に、次の会期末に徒らな紛争が起らないだけの話合いがきちんとできることを、私は一応察して申上げている。実はこの議院の規則運営というような問題でやる場合においては、議運としては本問題ですから、先ほどは自発的においでを願うということに要請すべきだ、努力を期待すると申しておりましたが、それで出ておいでにならなかつたから、参議院としては、参議院の権威にかけてとも、証人として喚問してでも、この立法計画その他についてどういう事由を以て御決定になつたものだか、参考意見として聞いてまでも、或いはどういう手違いが、そこにどういう事由で起つたものかということまでも取調べるというようなことで、国会法なり諸規則の運用を守るという手続も私はなし得るとは思つておりますけれども、あえてそういうことは私は申上げなかつた。その期待しておつたことが、今日の時刻まで、期待通りに行われないということは飽くまでも遺憾でありますが、私としては一応、杉山君の御提案について、その真意がどこになるか。どういう御決意を前提として申しておつたのかという点については、これで質疑を終ります。
  76. 天田勝正

    天田勝正君 私は、先ず考えなければならないのは、先ほども申上げましたように、会期切れのときは、仮に衆議院会議を開いているという場合にも、各会派とも、参議院においてはその事態を見守つている。いわゆる十二時までいるということは、これはもう従来からの慣例なんです。その慣例であるにもかかわらず、衆議院のほうでは、会期問題をきめたから、すべての案件は、この延長期間に持ち越させるのだということで、安心して、帰つてしまわれる。こういう相手を相手にして、一体どう努力されたところで、そこに責任を負えるかと言われて、一体負えると言い得るのは、私はむしろ不思議だと思うんです。そういうことだから、私はくれぐれも先ほどから言うておる。であるから、議長とはいささか意見が違つて残念なんでありますが、向うはどう出ようとも、私としてはこちらだけは筋を通す、申込んで駄目であつても、少くともこちらの態度は、本院規則を踏みにじるということにはならないということだけは私は記録に残しておきたい。こういうことから、そんなものはもう受付けないと言われれば、言われたで、受付けないということをちやんと記録に残せばいいので、こちらはちやんと、やはり本筋に征つてつて行く。私がこれにこだわりますのは、何も衆議院議長から本院議長に呼びかけられるというふうには、規則には書いてない。それぞれの議院の議長が他院の議長協議してと、こういうことなんであつて、だから何も向うから呼びかけられなかつたからとて、こちらから又呼びかけるという途はあるのでありますが、とにかくそれは向うが、実質的にそういう協議の段階は過ぎたということを何遍も議長は繰返して経過を申されるのでありますけれども、それはそれ、なんです。けれどもこちら側としては、やはり本院の規則は厳然としてあるのだから、その手続を履んで行くがよろしい、私は飽くまでこう思います。  そこでこの際、奥野法制局長に伺いますが、先ほどから議論をお聞きになつておる通り、ここで一体私の解釈が然るべきものかどうか、これが一点。それから今日のような事態は、衆議院のほうとしては国会法の定めをただ十三条だけ、即ち、「両議院一致の議決に至らないときは、衆議院の議決したところによる。」と、この最後の段階だけを、要するに効力あるものなりという判定に立つておるが故に、こういう事態が起きると昨日、小笠原君も御指摘になりましたが、その前条である十二条のことが、本来本筋であつて、どうしてもこの十二条が決定に至らない。こういう場合はやむを得ないから、前二条、即ち十一条も含めて「衆議院の議決したところによる。」ということなんであつて、もう私はこの会期問題については、この章は、今までの慣例によれば十三条一条で用が足りることなんであつて会期等については衆議院の議決によると、こういう一条にすれば、今までの慣行、衆議院のやり方はこういうことになつて行く。それではいかんのであるからというので、国会法改正小委におきましても、私はいろいろ申述べてあるんです。そういうまあ経過はさることながら、そういう態度で一体衆議院が臨んでおる。このことについて、純法律的に法制局長は、どう解釈されているのか、この際私ははつきり承わつておきたいと思うんです。
  77. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) お答えいたします。  十一条で明らかにありますように、国会会期の延長ということについては、両議院一致の議決ということによつてやる。両議院の一致の議決ということが飽くまで本則と思います。そこで昨日小笠原委員も申されましたように、成るべく両議院の一致の議決に持つて庁くために、その前提として、あらかじめ両院議長協議をするということが両院規則で定められてあるものと思います。即ちその意味は、事前に協議をして、成るべく両議院一致の議決に持つて行くためのものであると思いますので、もうすでに一院のまあ意思決定してしまつた場合には、この協議ということは、いわゆる事前の協議と私は解しますが、それはもう殆んど意味のないものというふうになるのではないか。ただ先ほど来小笠原さんが言われましたように、事実上、衆議院の議決でどういう意味で以て二週間というようなことになつたかというような事情を聞くというような事実上の問題は別といたしまして、法律上の両院議長協議というのは、あらかじめの協議でありまして、それは両議院一致の議決に特つて行くための手段と考えますので、他院が決定いたしました以上は、最早その意味で不可能になるのではないかというふうに考えます。  それから第二点は、只今おつしやられましたように、会期の延長は、両議院の一致の議決でやるというのは飽くまでも原則でありまして、十三条というものは、そういう事実が得られなかつた場合はどうなるかというのでやむを得ず、結局それは「衆議院の議決したところによる。」という例外的な規定を置いておるわけであります。
  78. 戸叶武

    戸叶武君 やはり両議院一致の議決というものの重要性というものは認めておるようでありますが、両院一致の議決に至るまでの手続を省いた独断的行為というものは、第十三条における「両議院一致の議決に至らないとき」という解釈とは別だと思います。すでにその前提を崩しておるのですから、このことは、やはりこの法文に規定されたことよりも、この国会法違反に基くところの行為なんですから、そこが極めて重大だと思います。それを議長におきましても、向うが遺憾の意を表したというような形において、もう既成事実ができたんだから、これはもうやむを得ない。それはそれとしてという形において、非常な淡泊な形において引下つたようでありますが、過ちを犯したときには、その過ちを埋めるところの処置という粘りがやはり必要なんであつて、例えば男女の結合の問題にいたしましても、とにかく結合という既成事実を作つても、そこに結婚という一つの形式が必要なんであつて、そういうふうな、もう既成事実ができちやつたから、もう仕方がないから結婚という形式は要らんというような形においては、その道義的なものが崩壊して行くのであつて、少くとも議会政治というものは、一つの形式の政治であります。議会政治という形式によるところの民主的ルールであります。その民主的ルールを崩しておいて、その崩した過ちを埋める処置を行わないというのでは、いつでもこれは参議院なら参議院というものの規則というものが踏みにじられることになるのであつて、そういう既成事実ができても、既成事実それだけでは足りないから、やはりこの形は一つの、とらなければいけないという形で以て、やはり衆議院のほうにも呼びかけて、今日のような重大なときにおいては、その過ちの今度は善後処置に当るという方式をとるべきでありますが、そういうことができないところに、いつでも参議院というものが、衆議院のただ第十三条にあるような「一致の議決に至らないときは、衆議院の議決したところによる。」という、この基本的な形式を履まないで、既成事実の上に立つて、それに従つて行けというような、従属的な関係を作つているんだと思います。それに対して、議長並びに法制局長の答弁を求めます。
  79. 河井彌八

    議長河井彌八君) お話の通り国会法の規定によるべきことは当然なんです。而して国会法をどういうふうに実施して行くかということは、参議院規則並びに衆議院規則規定があります。そうしてその規定の文字は違いまするけれども、全く同一のものであります。そこで併し、昨日の衆議院の議決は、その手続において全く違法な手続衆議院がとつたということであります。そこでそれをどういうふうに規正するかという方法につきましては、私は極く徹底すれば、衆議院の議決は無効なんだ、もう一遍やり変えろ、そして初めからそれがなかりしがごとくに本院に協議を求めるということが本当であるか知れませんけれども、私は衆議院の議決は、とにかく議決としての手続を履んでおります以上は、これは本院に影響するところは非常に大きいけれども、併しながらその事実は、私は有効であると、かように考えます、而してそれなら、貴様腰が弱いじやないかというようなお叱りかも知れませんが、併し衆議院議長をして、衆議院のとつた方法というものは間違つてつたのだ。而してそれは遺憾であるということを言われたのでありまして、私はその以上に、自分がどういうふうな態度をとつていいかということはわかりませんが、対等な衆議院議長が、参議院議長に対して、その言葉を発したということだけで、その以上にどういうふうに追及するのか知りませんが、私はその以上にどうしろということを、今考えておらないのであります。そのことを申上げておきます。
  80. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) お答えいたします。  会期延長の問題は、両議院がそれぞれ議決権を持つてつて、その議決が一致した場合に、原則として会期延長になるということが十二条でありまして、従いまして両議院は、そういう議決権を持つておるのであります。ただその議決に至るまでの間において、両院規則で以て議長常任委員長意見を聞いて、他院の議長協議して、然るのちにそういう段階を履んで議決をするということになつてつたわけでありまして、飽くまでも議決することは国会法等によつてあるので、その前の前提手続は、自分の院の規則できめてあります。それでその規則手続によつて、初めて議決権が生れるのではなくて、そういう議決する権能は、国会法等においてあるので、その前提手続規則で定めてあるので、若し仮に各院できめた規則の前提の手続について瑕疵或いは違反があつても、それが当然に議決それ自体を無効とするものであるとは考えられないと思うのであります。勿論その場合は、規則に違反しておりますから、議長両院協議をしなかつたような規則違反の責任と言いますか、そういうものもありましようし、併しまあ、すでにそういうものを見越して院議で以て決議した場合は、その規則自体が自分の院だけで定めたものでありますから、それに対して多数で以て議決した以上は、そういう瑕疵を治癒したという解釈も成立つかとも思います。要するにその前提手続においての瑕疵があつても、衆議院の院議それ自体が無効であるということにはなるまいかと考えております。
  81. 天田勝正

    天田勝正君 ちよつとこれは大切なことで、奥野法制局長、あなたにお伺いするのですが、これは議長さんがおつしやるのは、政治的な御考慮をなさつたりして、先ほど来私はお述べになつておると思う。併しあなたにお聞きするのは、私は純法律的なところを聞いている。「かと思う」というようないつもあなたの答弁は、そういうことなんだけれども、どつちにもとれるような政治的な答弁でなしに、私は誠実に一つ法理的な解釈をお伺いしたい。  さつき私と議長議論をお聞きになつてつたと思うが、議長のおつしやるには、簡単に言えばルールを覆み外しても、きまつたことはさまつたのだ。こういうことで。私が言うのは、ルールを履み外してきまつたことは、無効なのである。こういうことを申上げておる。ところが、先ほど来議長と質疑応答をいたしますと、これはそうではないんだ。ルールなんか履み外しても議決があつたものは、これはやはり活きているんだ。こういう、いわばこれはこの際収拾するための、実は親心と申しますか、そういう考慮が入つて議長さんの御意見だと思うが、ところが私は、これは実に法律論としてはおかしい。そう法制局長も、そのように解釈されるならば、一体両院規則などというのは要らないんです。これは皆覆み外して何をやつても、議決は議決であるということになるのでありますけれども、そうでありますか。そうならば、私は更に改めてお聞きしなければならない。
  82. 奧野健一

    ○法制局長(奧野健一君) 各場合々々によつて、いろいろ問題があろうかと思いますが、まあ、これがその例として適当であるかどうかとは思いますが、例えば憲法では、首班の指名の手続は他の案件に先立つてやらなければならんというふうな場合に、多少他の案件が先にやつても、それからあとで首班指名をやつたというような場合、その首班指名の決議にそういつたような前提のところで多少違反があつても、その首班指名の決議という事態は無効ということにはならないとか、そうした、まあその他にも、いろいろ考えられると思いますが、その各規定の精神によると思いますが、今度の場合におきましては、その前提として、いろいろなこういうことをやつて、然る後にむしろ議決をするということが書かれておりますが、その前提の手続によつて、初めてそういうことができる権限が与えられる場合であれば、非常に重大になつて参りますが、そういう議決権が国会法等によつて基本的にあるのでありまして、ただそれをやる前に、内部的にこういう手続をしてからやろうという、各院々々でそうきめているのが規則でございまして、それに多少の違反があつても、とにかく議決というものが別に定足数を欠けるとか、そういつたものの瑕疵のない限りは、議決としては無効であるということにはなるまいと考えております。
  83. 天田勝正

    天田勝正君 そこがおかしいんです。私はつまり、ルールを履み外したものは飽くまで、決定決定にあらず、だがこの際は、先方も謝つたのであるから、これは例外として扱うというような話ならばわかるのです。併しルールを履み外しても、その決定決定であるということになれば、一体両院規則などというものはもう要らない。ルールがきまつている以上は、飽くまでそれは本則として無効である。ただ、たまたまこの際は、向う議長さんも、好意的に解釈するなれば、余りこうしたことをつまびらかにしておられませんために、そのために過ちを犯し、且つその後については、本院議長に対して遺憾の意を表しました。こういうことだから、この一つだけ、特段でこの際友好的に認めよう。こういうことに行かなければ私はならないと思う。そういうことを明確にいたしませんと、次の折衝で何をやろうとも、これはそんなルールは、もう先例で破つて来て、それは議決が今も有効なのだから、なに又やる。こういうことになるのは、私は当然だと思う。  これは私の意見だからもう質問ではございませんが、ここのところを私は各委員のかたに一つ考え頂いて、この問題を早く処理されたい。もうすでに、昨日でありましたかの議運理事会におきましても、私はこの種の案件は上程するということだけについては、スムーズにやろうということはもとより考えておる。だけれども、そういうあいまいなことであつては、私は困りますよ。
  84. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私もそれなら、これは私の会派意見ではございません。私、議院運営委員会委員の一人として、国会法或いは参議院規則を解釈する立場に立ちまして意見を申述べます。  私の意見は、法制局長の意見に同意する意見です。国会法に形式上合つておるということであれば、運用上の規則に適合しなくともそれは飽くまでも適法であろうというふうに私は考える。ただ私は、天田がいろいろ先ほど来申上げていることは、特例中の特例、異例中の異例、規則において違法、そうして結果、形式論としてかろうじて有効になるというような点が、これは立法府である限り、そういう解釈を以てただ荏苒よしとして言い逃れにすると、こういうようなことがあつてはならないという慎重な意味合いから、天田君が、この点を先ほど来十分指摘しておられたのだと思います。それでその点については、私は天田君の御意見に敬意を表するものです。併し法制局長にこれを質せば、法制局長は理論的な見解だけを言うので、天田君と言い、我々と言い、やつぱり現実に生きた規則の運用、或いは立法府における法律の運用、これを考えるときには、政治論というものが当然加味されるので、ともに天田君なり我々なり、同じような意見をたびたび申上げるわけなんです。  それで議長の見解においても、法制局長の見解においても、言つてしまえば、そういう見解であるけれども、さればと言つて、それなら、いや規則は破られても、国会法だけが形式上護られておればいいかと言えば、断じてさにあらずという私は政治論議をしなければならん。そういう問題は、非常な微妙な兼ね合いになつておる。でありますから、この点については天田君の真意とする点だけは、我々参議院に席をおくものとしては、何人といえども、この法は尊重されるということを了承しなければ、天田君の言うより、先に進まん。だから、そういう意味天田君の御納得が行くならば、自由党並びに緑風会さんでも、委員長でも、議長でも、今後において、たびたびどころか一度でも二度でも、もうあつてはならないこととして深い決意の下に、この規則と法律との運用に万全を期する。こういうことで強い意思表示を私は期待するわけです。
  85. 戸叶武

    戸叶武君 関連して……。  今天田君の言つている意味を誤解していると思うのです。天田君の言つているのは、議長の解釈と法制局長の解釈とはおのずから若干の相違があつてよろしいのだが、法制局長が、議長の政治的な含みをもつているような、そういう発言をされては、法律の番人にはならん。純法律的な立場からするならば、これは間違いであるけれども、という形において、それを議長がとりなすなら別だけれども、そういう法制局長が政治性をやたらに持つてしまつては、法律解釈というものを崩す因なのであつて、法律の規則通りに議会の運営というものが必ずしも寸豪も違わずになされるというわけには行かないであろうけれども、そういうおのおののフアンクシヨンというもののけじめをはつきりしてもらわなけばならんという意味天田さんは言つているので、又依怙地に、それがどこまでも無効なものであると言い切つているのではない。純法律的に解釈するならば無効なものである。だから、もつと一つのどういう形においてか、それに対するところの善後措置を図つて、それを進めて行つたらいいじやないか、という政治的な含みを持つた発言だと思う。そういう意味において、議長と同じような政治性を法制局長がやたらに発揮されてしまうと、法律の番人としての役割はない。そういう点を十分注意してもらいたい。こういう意味が含まれていると思う。
  86. 松浦定義

    松浦定義君 私は、午前中は議長たりとも、この問題については納得できないということで御交渉願つた報告があつたと思う。ですから私はあのとき、報告だけで我々は了承するということで終るのか、或いは又少しは物が言えるのか。そういうことで話をして、何ら物の言えそうもない様子であつたのです。或いは又、そうでなくて、皆でこの際、参考のために意見を言つたらいいじやないかということで言つてつたところが、話がどういう角度を持つてつたのか知らんが、参議院の自主性を尊重しようという意味で進んで行つたところを、幸いにして理事会ということが出ましたので、これは委員長はこの際理事会に切上げたほうがいいのじやないかということで切上げられた。その切上げ方が、全員が、いろいろな形にとつたということで、我々ちよつと時間が遅れたのですが、そのことは、委員長としても正当ではなかつたというような御意見がありましたので、これは私は解消した。そこで議長が先ほどからお話のありましたように、この問題は当然、向うの議決を無視するということはできない。併しそのことについての手続上の問題については、向う議長は全く遺憾であつたということを言つた。こう言いますと、私は二通り考えて見て、委員長が、あの打切りにしたことを了承したことと同じように、もう悪かつたと言えば、それ以上、許さぬと言つたところで、結果的にはどうにもならないし、悪かつた言つてしまつたら、全部なくなつてしまうので、これは十二条、十三条ということについては、ずつと前にいろいろ問題がありまして、すでに前々国会頃には、赤木先生方が中心になつて考え願つたけれども衆議院のほうじや聞かない。でありますから、赤木先生が言われたように、何とか徹底的にこの問題については今度は、参議院においてももう少し自主性があるように直して行きたいということで、今のままで行きますと、これでは自主性がない。今の無視されたということで、自主性のない議論をやつておりましても、いつまで経つて結論が出ない。今一応、遺憾であつたということを了承するならば、法律的な根拠に基いて論議をしておつても、これはどこまで追いつめて行つても、これを改正しなければ、私はどうにもならんのじやないかというふうに私なりに考えるのです。ですから、そういう意味で、私は、それでも、これをこのままやつて行くならば許さんぞ、衆議院議長が何と言つても許さんぞということが、可能であるならばいいのですけれども、可能でない限り、これは私はいつまでたつても同じだと、こういうように解釈するのですが……。
  87. 松岡平市

    ○松岡平市君 ちよつと速記をとめて下さい。
  88. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 速記をとめて。    午後六時四十一分速記中止    ―――――・―――――    午後七時二十五分速記開始
  89. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは速記をつけて下さい。  では、先ほど杉山君から御提案になりましたように、これより会期延長の問題を本議題として議する、こういうことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは、会期延長の問題を議題に供します。
  91. 河井彌八

    議長河井彌八君) それでは、昨日午前に開きました常任委員長の懇談会によりまして、各常任委員会における審議の状況を申上げます。  多数の常任委員会は、予備審査の法案が相当にそれぞれあるのであります。従いまして会期を何日にまで延ばすかということについては、はつきりした見通しをつけて言われたのであります。少数の二、三の常任委員会は、会期延長の必要なしと、こういう御意見もありました。ありましたが、多数は、会期延長の必要を認める。但しその期間をどれだけにするかということについては、ちよつとはつきり明言のできる委員長はなかつた。大体さような結果でありますから、このことをお伝えしておきます。
  92. 松岡平市

    ○松岡平市君 私はこの機会に、只今議長常任委員長会議の御報告等にも鑑みて、更に又、これは今朝来論議したように、非常に遺憾な取極めではあつたけれども衆議院がすでに先に、今後二週間会期を延長するということを決定しております。それこれ考えまして、何も衆議院決定に追随するという意味ではありませんが、参議院においても向う二週間、二十二日まで会期を延長すべきものと決すことの動議を提出いたします。皆さんにお諮りを願つて御賛同を得たいと考えます。
  93. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 只今議長のお話によりますと、委員長の懇談会においては、会期は延さなければならんと思うけれども、いつまでがいいかわからないという意見が多数であつた。これは今の法案の審議の状況を見ますと、衆議院のぼうでうんとたくさん抱え込んでいる。従つて向うからいつ送つてよこすかということにかかつて来る問題だろうと思います。従つてこちらの委員長の諸君は、そういう御意見であることは、これは御尤もなことだと思う。そういたしますと、ここで我々がいということが大多数の意見であるとすれば、その意思を尊重いたしまして延すことにして、いつまで延すかということになると、今申上げた通りで、衆議院から廻つて来る時期如何にかかることが非常に多いのであります。結局腰だめで行くというよりほかはない。腰だめということになれば、たまたま衆議院のほうで二週間ということをきめておりますから、一応こちらも二週間というふうにきめておいて、衆議院からこちらに送付の状況如何によつては、更にこちらでは考えるべき場合も起り得るであろうということを留保しながら、二週間ということにお決め頂くほうがいいのではないかと思います。
  94. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 主として自由党さん、次に緑風会さんのほうにお尋ねしたい点は、自由党から二週間の提案のあつたことは、常任委員長懇談会の意見は聞くには聞いておつても、それは形式的な手続的な問題であつて、実情は大体政府並びに与党である自由党、衆参両院のそれぞれの責任者において協議になられて、二週間ということを内定せられたということは、これは明らかな事実であります。従つてその二週間の会期を似て、現在本院の本審査になつておるものばかりでも議了し得る見込が、今の審議状況であり得るかという点について、検討を加えられて、計算の上で、二週間というものが出て来たのであるかどうか。この点は先ず似て伺つておかなければなりません。次には、仮にその点が不明確だということになります場合、実情によつては、もう一度の会期延長をも考慮しなければならなくなるだろうという予測もありつつ、一応のめどとして二週間という決定をしたかどうか。この点も明確にして頂かなければなりません。  又緑風会さんのほうには、会期は延長すべきものだと会派の責任においておきめになつておられながら、今日参議院に廻つて来ております法案の審議状況から鑑みて、二週間の、具体的に一例を挙げますならば防衛二法案に例をとつてもよろしいですが、今後二週間の会期を以て、これを決定し得るというふうにお考えになつておられるのかどうか。いわゆる自由党の御提案に仮に賛成するという場合に、それでよろしいとお考えになつておられるのか。どうせ実際上は、再度の会期延長は避けられないとお考えになつておられるのか。これはやはり会期延長会派として御決定になるにおいては考慮があつたことだろうと思うが、二、三日経てば、これはきまるであろう。或いは一カ月もかかるであろうという振幅があつて、めどが付かないから、二週間程度ということに協調しようということでは、私は実際は、こう言えば言い過ぎかもしれませんが、会派立場においては、それは何と申しますか、安易な軽い気持での御議論にしか聞きとれないのです。やはり院としての会期延長考える場合には、少くともその会期延長によつて、一般の法案の審議がめどが付き、或いは議了し得られるものであるという考慮を先に立てて、一応の日数が考え出されて来たものであろうと思う。それがないとするなら、仮にやむを得ないから、自由党の提案による二週間を以て議了をするという見込の下に御賛成になるとするならば御賛成になられるのか、この点を明らかにして頂きたいと思います。
  95. 松岡平市

    ○松岡平市君 延長すべき会期が、どれだけが適当であるかということを決定することは、これはもういろいろな点から至極困難なことであると思います。が、すでに今国会は百五十日の長きに亘つて各種法案を審議しておるにもかかわらず、まだ多数の案件が、本院は予備審査だけで、なお衆議院の審議結了にならないものも多数ある。こういう事態の下に、これらの法案を、これから先どれだけの時日があれば審議が足りるかということは、立場々々によつていろいろな見方があると思うのであります。併し私たちは、衆議院の状況等をそれとなく聞きますというと、こちらにまだ送り込まない諸法案、諸案件等は、不日そう長くないうちに議了して、参議院に送付し得るという状況の下にあると大体承知しております。そういたしますれば、参議院としては、すでに大部分の法案は、これは案件も、すべてでありますが、すでに提出されたもの、昨日もいろいろ官房長官との質疑応答の際に、政府は新らしくはもう出さないつもりだ。特別の場合のほかは新らしい法案等は出さないということになりますれば、今日衆議院が送り込まないものといえども、一応は予備審査を各常任委員会、特別委員会でいたしているものであります。こちらへ廻つて来れば、大体二週間あれば、私どもはこれは議了し得るものと、かような観点に立つております。万一議了ができない場合どうするか。こういうことでありますが、万一議了できない場合に、これをどうしても議了しなければ困るというような案件等が、なお議了されず残るというような場合に、参議院としても、或いは又衆議院としても、更に会期を延長する必要を認めざるを得ないというようなことも起り得るかも知れませんが、今日の段階に、二週間延長せられたいという提案をいたしましたのは、二週間において必要なる諸法律、案件その他、私は議了し得るという観点に立つて、二週間だけ会期を延長されたい。こういうことを申上げているのでありまして、更に今後あり得るかもしれないけれども、今後再び二週間後に、更に会期を延長するということを予定して、さような提言をしているものでない。こういうことは、ここではつきり申上げておきます。
  96. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 まあ、一つの法案を幾日かかつたら一体議了できるかということは、これはなかなか法案の性質にもよるし、又その法案の審議途中のいろいろないきさつ等によりまして不測の時間を費すということもありますけれども、併し今日、ここで持つている大きな法案、警察法案、防衛二法案、教育二法案、こういうふうなものであろうかと思うのであります。二週間という時間をみつしり努力いたすならば、絶対、それらのものは議了し得るだろう、議了し得ないときに、いつまでも議了するまで順次会期を延ばすというふうな考え方はおかしいので、やはり二週間の間に、大体議了できるだろう。又議了し得るように努力しようということにあるかと思うのであります。先ほど申上げましたように、衆議院からの送付され方如何によつて事情は大体きまるということを申上げましたが、いろいろ衆議院としても、二週間ということをきめた以上は、向うのほうでは、大体参議院にいつ頃廻そう。そうしたら、どんなことになるだろうということも、向うとしてもやはり配慮の結果、そういうことを言つておるのだろうと思うのでありまして、我々のほうは大体、今かかつておる、予備審査又は本審査になつておる諸法案を二週間あればやり得るだろうと思つております。ただ委員会等で、今後日程等をこれからきめるというようなことであると、その委員会、緑風会の人だけではありませんので、いろいろな会派の都合で日程がきまるということになれば、これは変更があるかもしれません。緑風会としては、各派の御協力と御努力で、二週間以内には全部上るように努力したい。又努力すればできるだろう。かように考えているのであります。  その先のことは、私たちも別に考えておりませんし、初めに申上げたように、向うの送り方によつて、若干の違いが出て来るかも知れんという気はいたしております。
  97. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、自由党並びに緑風会に重ねて共通の問題で質問いたしたいのですが、前提としては、私たちの会派は、会期延長問題については皆さん方と異なる見解を持つているのです。併し主張される会派の主張が、或る程度の筋立つたものでなければ、その主張されたものが、仮に結果として実際効果を発する場合において、私は将来影響するところが大きいと思うのです。御提案になられる、賛成なられるおかたがたには、十分責任を感じて御提案なされて、賛成なされて頂ぎたい。そういう立場でお尋ねするわけです。  先ほど杉山さんは、まあ一応腰だめとしてというお言葉を言つておられましたが、私はそれには触れません。併し、少くとも確かに、最大の会期が如何ほどあれば議了し終るかということについては、どなたもこれは御存じのないところ、推定のできないところであります。その通りであります。併し最低の日程というものは、少くとも計画、予定というものは、院である限りは相当の根拠を以て立てなけりやいがんだろうと思うのです。皆さん立場になる限り。そうであるならば、仮に、二週間ということを提案し、それに賛成するという立場は、少くとも、もう一例を挙げますが、まだ衆議院において予備審査になつておる、政府に言わせれば重要法案と言われる警察法案、これがいつ本院に回付されるかはわかりません。或いは数日のうちということも聞いておりますが、その後重要法案と称せらるるものの審議が、これを成立せしめようとするためならば、過去の実績例等から見ても、僅僅、予備審査の段階において二週間の会期の間に議了し終るものであるというようなことを、どういう根拠を持つて考えになつておられるのか。そのことは取りあえず参議院の審議権を徒らに拘束する結果ではないかという私は考えを持たざるを得ない。十分これらの点についても考慮せられた上で、なお一応二週間で議了し終れるというようなことをかりそめにも今日責任を以て御提案なされ、御賛成なさるおかたがたでこれを主張し得られる根拠は、私はないのはなでいかと思うのです。会期は慣行から見ても、過去の実績から見ても、たびたび延長されることは望ましい形ではありません。私は不測の事態と、どなたかおつしやいましたが、総理大臣の出席が常ならない、政府委員の出席が積極的でない等々という問題も、大きな問題であります。そういう中で最低の日程を組んだと仮にしましても、二週間でこの問題が終り得るということを一応推定を下し、責任を持つて提案したというふうには残念ながら考えられないのであります。最大の日程は然らば幾らかということは、これは私及び皆さんと雖も、これはわからんところでありますが、少くとも最初において、これだけの日数がなければ議了し終らないのではないかというそういう心配の下に、一応の日数をきめようとする場合に、二週間を以て足りるのだと私たちにお話になつて、なおそれが結果としては腰だめであつたと、又会期の再延長だ。こういうようなことは結果としてそれが出、私たちが反対しても、院議として決定せられたものには我々として従わなければなりませんから、今後においてそういうようなことを皆さん方がやられるのであつたらば、私は今のうちに再考せられて、十分皆さんの自信るある日程をお組みになるのが至当であろうと申上げたい。私たちは立場は違いますから、この討論の段階では会期延長に厚対する理由は申上げますが、おやりになろうと主張する側は、それだけの責任は持つて頂きたい。初めから腰だめであるというような形で、会期の延長が軽々に、具体的な日数が決せらるるということについては、私は院のために不本意です。遺憾であります。その二週間の会期末において、皆さん方は私たちに同調を求めるとして、何と言つて同調を求めらるるのか。私はその点をはつきりこの際しておいて、この問題の結論を得るようにして頂きたいと思います。  これはどの会派でも、恐らく自由党でも政府の事情によつて、たびたびの会期延長がありましたが、それでも院としては、たびたびの会期延長については、不本意であるという考え方には同感であろうと思う。まして緑風会さんにおいてもそうだろうと思うのです。従つて念のために、もう端的に、形式論として一応手続的にすらつとした話でなくて、実際のこの現状、現実において、皆さん方が御自信があるというならばありとし、自信がないとするならば、次にはもう一度の会期延長は必至であろうと予想せらるるということをはつきりしておいて頂きたいと思う。それを言をあいまいにされて、院の運営に関する最も重大な会期の延長問題を、結果として議せらるることには、飽くまでも賛成することはできない。そういう意味質問申上げておるので、与野党というような立場で申上げる立場に立てば、私たちは会期延長反対論で、討論の段階で申しますが、院の立場として、皆さん方の会派の責任上どうするのか。どういうめどと、どういう予想をもつておられるのか、端的にお伺いしたい。
  98. 松岡平市

    ○松岡平市君 小笠原君が述べておられるのは、例えば警察法案のごときものも、先ほども申上げましたように、もう両三日のうちには本院に回付されるものと私たちは信じております。それからあと十日で、それだけでも足りないじやないかという御意見のようでありまするが、私どもは先ほども申しましたように、すでにそれらの法案は、もう相当な期間本院は予備審査をしておるので、大体法案の審査については、もう大体、私はそう多くの……。
  99. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 予備審査は一回もしていません。委員長がここにいるけれども
  100. 松岡平市

    ○松岡平市君 いや、私どもは、まあ予備審査は一応されているものと考えておりますし……、それはどうして、委員会においては予備審査をせずに、十分、まあたくさんの法案がありましたし、委員会によつては、いろいろ追われておられるところもあるでしようけれども、もう百五十日の長き間をやつて来ましたし、それは長くいつまでも国会を、それは年がら年中やつてつてもいいようなものでしようけれどもお互いにそう長い持続された国会というものは、議員お互いにも迷惑であるし、あと成るべく各会派の御協力を得て、まあ審査は十分にして頂くが、非常にスピーディーにやつて頂くということであれば、二週間あれば、法案審査、案件の審査は議了するという観点に立つております。万一議了せぬときはどうするかということごありますが、私は与党であります。野党の御協力を得ることが、非常に困難な事態が起つて来て、審査が長引くというような事態もあるかも知れませんけれども、私たちはこの機会においては、野党各派においても十分審査に御協力を願えるものと固く信じておりますし、しかいたしますれば、二週間後には、今日提案されている法案その他の案件が、まあ無事、全部議了し得るものと固く信じております。万一そうでない場合には、或いは審査未了のままで過すことになりますか。或いはどうあつても、再度延長をお願いして議了を全うするということになりますか。これはまあ今から、私たちが今申しますように、どの案件も二週間目には、全部議了されると固く信じております。併しそうなるか、万一ならぬ場合はどうなるかと言えば、吉田さんの口裏ではないが、仮定のことはお答えできません。そうは私は申しませんが、それはそのときのことにして頂くより仕方がない。率直に申しましてそう考える。責任を負えと言われたところが、この点については我々が責任を負えるところではない。まあ参議院において、各会派が短い期間ではあるけれども、併し長い国会を経て来ているのだから、できるだけ早く議了しようということで、全議員が協力一致してやるということが大きな問題だと思うのです。是非各野党におきましても、まあ会期は、延長としては短かいようでありますが、併し、かれこれ御勘案の上、二週間で全部の案件が議了できるように御協力を願いたい。  一面そういう希望を持つておりますので、二週間あれば行ける。かように考えております。是非各会派の御協力をお願い申上げて二週間に御決定を願いたいと思います。
  101. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 まあ、その小笠原君のお話は、これは二週間過ぎた時に、又再延長をすべきではないぞというような意味の御意図であろうと思います。私もさつき申上げた通りに、法案が全部出来上るまでは幾らでも延長するのだというような安易な会期の延長というものはすべきではない。今自由党さんのほうからもおつしやつているように、私らも努力をして、二週間で上げるためには、随分勉強しなければならんだろう。まあそうすれば、衆議院から今後送つて来る時期にもよるけれども衆議院としても、そういうようなつもりでやつているだろうから、まあ二週間ならば行けるだろうということで努力をして行きたい。こういうことであります。腰だめというようなことも、結局衆議院にあれだけの法案があつて、あれがいつ送られるかということが今日わからんとすれば、送つて来方如何によつては、二週間の後に又若干のことを考慮せざるを得ないというような、これはこちらのほうの議事日程の問題よりも、向うからの来方によることでもありますので、そこには多少の考慮が払われて然るべきということもできるだろう。併しそれも今申上げたように、全部の法案を作るためには幾らでも延ばすのだということではなくて、各会派、この法案は是非議了してしまいたい、これは議了しなくてもよいということは、各会派意見が違うと思いますので、それは又そのときの会派の行き方で、少し延ばしても議了したいということになるか、これは流してもいいんだ、或いは継続審議でいいんだというふうな、法案についての価値判断がそれぞれ違うので、一様に今日から二週間、絶対あとは一日も延ばさんぞというようなことは、衆議院から来る法案の関係もありますので、言えないと思いますが、併し大体二週間あれば、やれそうなものだ、やるように努力しようということは、これは私のほうで考えておるところであります。
  102. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 両派のお考え、残念ながら私は一切納得できません。日頃の杉山さんにも似ないお話で、誠に遺憾に堪えません。腰だめであつて、或いはその事態において会期延長しなければならない。そういう事態も起り得るであろうというようなことは、私たちもそれは考えていることであり、考えられることだと思つております。私は与野党の駈引で法案審議がどうこうなるとか、政府側の出席が悪くて法案審議がどうこうなるとかという、現実の問題が加味せられて会期延長等が行われるというようなことを、それは現実の問題として認めます。  併しその前に、我々参議院として審議権を持つている立場において最低の審議期間というもの、審議される時間というものは、これだけなければならんだろうというようなことは過去の実績なり慣行によつて、或る種の法案についてはめどがついている。それを例えば仮に地方行政委員会は、法案が山積しております。その中に警察法案が入つて来る。内閣委員会のほうは、今定員法その他やはり法案が山積している中に防衛法案が入つて来て、まだこれの審議が展開されておりません。そういう中に、重要であると政府が考えるならば考えるなりで、見解の相違はあるけれども、我々としても国の運命なり、或いは国の制度の改変にかかわることですから、十分な審議をしなければならない院としての責任がある。それですなおに筋道を立てて審議して行つても、今後の問題として二週間で議了し終るものでは断じてないと私は思うのです、やるとすれば……。そういう意味においてあなたがた両会派において、そういうことですなおに行くならば、それで重要法案であるということで、十分で、而も速かな審議をするということで、それでもう二週間でいいのだというめどが、どこを根拠にして出て来るか。他の法案も山積しているのですから。そういうことで、これは余りにも見え透いた二週間という、根拠のない提案であると私は考える。  それで若しもそれを提案し、若しも賛成するかたであるならば、今後の会期末において、とやこうの議論がないようにすることを考えるためにも、又我々が結果としては釈然として事を進めるというためにも、少くともこの二週間というものでは議了し終らないと我々も思う。で次の会期の延長は、すなおな形においても必至だろうとは考えられるが、そのときになつてみなければわからんならわからんということで、はつきり立分けをつけて提案してもらいたい。それを議了し終るものと、一応認めると。一応も二応も、三応も、これは認められないのです。どうですか、杉山さん。あなたのほうでも、慎重な審議を或る委員会でやつてつて、審議が打切られても、なおかつ議了し終らない事態もあるのですよ。それですから、私はすなをに言つても、これは容易でない日程であり、根拠が薄弱であると思う。そういうのは会派の責任としてそれは緑風会さんは賛成の側ですから、これ以上緑風会さんには申上げませんが、こういうものをし出かして来た自由党に対しては、参議院の審議権というものを、何と心得ているかということで申上げておきたいのですけれども、又同じような御答弁であるならば、答弁の必要はありません。次の会期末において、私の言う通りのことが現実もなつてつて来たときに、私は又、二度三度と、皆さんの反省を促す発言をすることを留保しよう。
  103. 天田勝正

    天田勝正君 だんだんと時間が経ちますので、私は簡単に申上げますが、前提といたしましては、我々は小笠原君の言われたように、遺憾ながら両会派の御意見とは違つた意見を討論の段階においては申述べなければならん。併し反対しようと、賛成しようと、この種の議案については、それぞれが反対反対なり、賛成は賛成なりで責任を負わなければならん。というのは、決定した以上は、反対したものでも拘束力を持つわけでありますから、その意味から、私は簡単にお伺いしておきますが、一つはこれは数字的に申上げまして、先ほど懇談会でも私が指摘いたしましたように、本院が未だ委員会で審議中のもの百二十一件でございます。衆議院がまだ本院に送らないものが九十件、こういう状態でありますので、そこでこれを二週間という日に割つてみますと、二週間と言いましても、実質的には十二日ということになり、その半分ずつを衆議院参議院で議了をする。こういたしますならば、参議院といたしましては、現在本審査になつておりまする三十数件のものは、初めに審議していることができます。あとの九十件については、衆議院が送らなければできない。そこで衆議院立場考えますと、先ず初めの一週間、実質的には六日間のうちに、これを議了して本院に送つて頂かなければならない。こういう必要がどうしても出て参ると思う。そういたしますと九十件のものを毎日と言いましても、委員会の審議もあるのでありますから、これ又実質的には、三日間の本会議であげる。そうすると一日の本会議にかかるものは三十件、こういう数字になるのであります。それでありますから、衆議院がこれを議了するについては、大体におきまして、自由党一党で過半数を占めておる状態でありますから、従つて衆議院自由党が一日の本会議によつて三十件のものを議了する。こういう答えでありませんと、先ほど御両氏のおつしやつたように、これで十分ということには私はならないと思う。  そこでこの点については緑風会さんにお聞きしたつて無理な話でありますので、自由党さんのほうでは、衆議院自由党を督励して、かような数字に合うように議了せしむるところの覚悟があるのでございますかどうか。こういうことを先ず一点お伺いいたします。  第二は、今言つたような手順に従つて、誠に滑らかに本院にもろもろの案件が送つて来られたといたしました場合、百二十一件を議了するにはやはり、今の三十件は別として、あとの九十件というものは、あとの六日間で我我のほうも議了しなければならない。ところが本院におきまして重要法案とお互いが認めて、本会議説明聴取をいたしたものの残つておる分でも、まだ十件以上あるはずであります。これらはそれぞれ本会議で討論を用いなければならない。私はこう存じておりますが、そういう手続を経てなおこの期間によつて、再び延長することがない。こういう見当で、そういうふうにおつしやつたのでございますか。この第二段の質問にについては、両派それぞれお答え願いたいと存じます。
  104. 松岡平市

    ○松岡平市君 第一段の点につきましては、先ほども申しましたように、衆議院が是非議了を希望しておると思うものは、不日そう長引かないうちにこちらへ全部送付して来るという見込を私は持つております。なお又万一そういうものが遅れる場合には、与党でもありまするから、衆議院側に向つても、それを十分督励いたしまして、齟齬を来さないように我々努力をいたしたい、いたすつもりでございます。  第二段につきましては、先ほども申上げましたように、これはまあ、杉山君からもお話がありましたけれども、法案の種類によつては、継続審議になるものもありましようし、或いは審議未了ということで打切ることが適当であるものもありましようし、案件が、百二十一件とおつしやいましたが、大分どんどん片付いて行つているものは、昨日も今日の片附いて行つているようでございます。まあ私どもは、先ほど小笠原君の御質問にお答えしましたと同様のことをお答えするより以外には、そのほかにはないのであります。重ねて申上げませんけれども、御了承をお願いいたしたいのであります。責任とおつしやいますけれども、これは責任をどういう形で負うか、私どもはまあ、先ほども申しましたように、二週間で是非議了したいと思つております。議了については皆さまがたの……、成るべく与党としては十分なるご協力を得たいと思うし、得うるものという期待を持つております。どうぞよろしくお願い申上げるということ以外には、別段附加することはございません。
  105. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 再延長はしないで済むように責任を持つかというような意味かと考えたのですが、これはまあ、先ほども申上げ、今松岡君もおつしやつている通りに、十四日間で今日の案件を全部議了してしまえということにな出てきましよう。小笠原君がおつしやつたように、実際問題としていろいろなことが起きるというのですが、それより先に、一番初めには、私前提で申上げました、衆議院が非常に今日法案を持つているのが多いのです。こういうふうな会期末というのは、今まではまあないのです。今度初めてです。衆議院があれほどの法案を持つて、まだこちらへ来ているものより、今日衆議院のほうが多いくらいになつている。そういうふうな状況ですから、今後の議事の運びというのも、一つにかかつて……、と言つては言い過ぎかも知れんが、衆議院からこちらに廻つて来ることが非常に大きな関係があると思う。その衆議院の廻り工合によつては、さつき初めに申上げた通りに、二週間で結構だというようなふうに行かない場合もあり得るかも知らんけれども、一応衆議院としては二週間ということをきめたのは、向うからこちらへ廻すことも考えながらやつたのだろう。それはまあ、不幸にして衆議院のほうの事情を今日誰も責任者がいないということで聞き得ないので、甚だ残念ですけれども、一応そういうことに向うがやつてくれておるのだろうから、そういうことを勘案して、二週間で是非やるようにしたい。併しこの間からも申上げるように、向うからの廻り方如何によつては、今までの会期末と違つたような法案を衆議院参議院で持つている状況ですから、そこは若干の問題は、又そのときは考慮されることがあるかも知らんというふうなことを初め申上げたような形なんです。それで御了承願いたいと思います。
  106. 千田正

    委員外議員(千田正君) すでに、両社会党から十分おつしやつておられますから、蛇足なことは言いませんけれども、今国民が注視していることは、参議院のあり方がどう行くかという問題であると思います。今朝から論議を聞いていると、衆議院のほうでは、国会法十三条を盾に取つて、まるで参議院があるか、なしかの態度をとつている。こういうことでは、あなたがたは一体国民に対して顔向けできるか。こういうことですね、私からはつきり言えば……。緑風会のように良識のあるかたがたが果してこういう法案の審議を以て、一体国民に対してどういう顔向けができるか。私は是々非々の立場の無所属から言えば、只今のかくのごとき提案に対しては了承できません。  簡単に申上げまして、反対意思を表明いたします。
  107. 藤田進

    ○藤田進君 質問一つだけ……。討論ではない。  皆さんからお聞き願えればと思つて、待つていたのですが、一つだけ簡単に、与党である自由党の松岡さんのほうにお伺いをしたいのですが、二週間の延長ということについての種々質問に対して、お答えはわかつたわけですが、その理由は、大体了解、不了解は別問題として、ところで、今まで非常に審議が渋滞していた中に、かずかず政府の責任の内容がありますが、なかんずく吉田総理の出席がないために、或いは出席しても、その答弁が適切でないために、非常に派生的な時間をとり且つ審議が渋滞している。こういうものがあるように私は思うのです。  ところで、お説の二週間ということは、無論こういう要求があれば、吉田総理を初め各大臣には出席されて又適切な誠意ある答弁もなされなければならんだろうと思うわけですが、この点について、これば極力与党としては努力をいたしますというのが、従来のこれは皆さんの言い分であつたわけですが、現実には議運において、文部委員会に、或いは防衛関係については内閣委員会に出席を、与党としても当然のことながら、出席は努力をいたしましようということであつたにかかわらず出席がない。私は文部委員会の質疑を打切つた現在においても、出席がないというふうにも聞いておるんです。この二週間延長にかかる期間においては単なる努力ではなしに当然のことながら吉田総理大臣の少くとも出席は、要求の通り出席せられ、又御答弁もあるということが与党として保証ができますか、できませんか。その点だけ……。
  108. 松岡平市

    ○松岡平市君 端的に申しますと、保証するかといわれたところで、吉田さんの出席を保証するということはできません。これはいつ病気になられるやら、まあ、ああいう非常にお忙しい御用もおありだし、吉田さんのことを、私たちに保証しろと言われてもできません。これは端的に申上げておきます。併しできるだけの努力は、体もなおられたようですから、私たちは今後の国会においては、せめて……。従来も私たち何遍も、これは藤田さんはどういうふうに御理解になつたか知らんけれども、できるだけの努力は、口先だけでなしにやつて来たつもりではおりますが、今後一層、その点については努力いたしますが、保証という点については、これはもう何としても保証するということは申上げかねます。
  109. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) ほかに御質問はございませんか……。  それでば討論に入りたいと思います。
  110. 藤田進

    ○藤田進君 私は、只今の二週間延長という提案に対しては、反対立場から、若干の討論を試みたいと思います。なおくどくど申上げるようですが、本会議において、いずれにしても結論をみなければならんと思うので、その際における討論を如何するかということも、のちほど御相談があろうかと思いますので、若し討論を省略するというお話合いになるならば、私の申上げることは、委員長報告等の中に十分いたして頂きたいと思います。  先ず第一に反対いたします理由は、先ほど御提案になつておりまするかたがたの質疑を通じての答弁を聞きますると、いずれも不確定のものを要素としております。今日衆議院がとつたあの手続なり態度というものは、全体許しがたいものであることは、すでに確認せられた通り。その衆議院が昨日現在を見ても、約六十三件の未だに法案を持つて、本院は予備審査の段階ということになつているのであります。この衆議院がどういう計画に基いて、然るのち参議院はどういう計画を立てて何日の間に議了するかということについては、全く根拠ある御答弁はないのみならず、この点については、挙げて衆議院態度如何にかかつているのだ。こういうふうに言われたと思います。ところでかかることがあるからこそ、国会法並びに参議院衆議院規則別はあらかじめの協議を定めているのでありますが、これに対しては只今まで、殆んどこの問題に費したことく何らの手続も適法にとられていないのみならず、爾後のこれらの事情を聞くについても、只今すでにいろいろ捜索しても見当らない。衆議院の責任ある御答弁は聞くことができない、こういう極めて、重ね重ねの遺憾な点ばかりであります。こういう衆議院態度は、一面においては、衆議院議長から遺憾の意と将来への保障となるべきやについての、こちらへの連絡は、参議院議長を通じてあつたことは事実でありますけれども、併しこの段階で私は決するとするならば、それは会期の延長はしないという以外の決定は、いずれも根拠のなきものとなつてしまいまするから、衆議院に対する反省を求め、且つ本院の毅然たる正しい態度を表明する意味においても、又本院の決定が、すでにこの段階においては、国会法の定めによつて衆議院決定が優先するような実情等を勘案総合いたしますと、会期延長をすべきでないという結論以外には、正しい論理に基けば出るはずがない。このように思います。  更に、第二の点といたしましては、今日残されている法案等について考えてみますると、これはいずれも法律の定めている百五十日の会期、こういう定めの中に、即ち本日中に議了できなかつたという、そういう責任をさぐつてみますると、これは挙げて政府の責任に帰すべきものばかりであります。例えば、吉田総理大臣の出席を求めても、出席がない、たまたま出席があつたと思えば、適切なる答弁、誠意は認められない。こういうことが、あらゆる委員会や又本院本会議の進行を阻害いたしております。又提案せられるべきその時期等についても、法案の内容と余す会期との関連において、しばしば官房長官などを招致いたしまして、事情は義運としても聞いて進めて来たわけですが、ことごとくその言明と違つたり、又非常に遅ればせの提出が多数あつたりいたしまして、非常にこの審議というものは、すべて政府の責任に帰すべきものであつて、本参議院として負うべき何ものもない。  又第三に、現在提案されておりまする殆んどのものは、すべてと言つてもいいくらいものは、内閣提出のものであります。而も未だ結了していない法案関係覚ますると、いずれも私たちの立場からこれを見ますると、決して国のためにならず、国家国民を苦しめ、滅ぼすとも言うべきものが多数あるのであります。ましてや、本院においても、あの院議を以てその是正を求めた。汚職に関運する諸問題等々、現内閣において、会期の延長まで我々がして、そうして而も悪法を通さなければならないというものではない。むしろ会期延長をしないで、このまま悪法を食いとめたほうが、国家国民のためである。こういうふうに考えるのであります。  又最後に、第四といたしましては、以上のような諸点を総合いたしまして、今日の国民の立場からこれを見まするならば、一刻も早く国会は閉会となつて、そうしてこの百五十日の間、いろいろ審議をし、調査すべきは調査いたしました事柄について、直ちに国民にも訴えて、公正なる批判に待つべきすでに時期が来ている。  このように考えまするので、遺憾ながら先ほど御提案になりました根拠のない二週間という会期延長には反対し、会期延長をしないという結論になるのであります。
  111. 天田勝正

    天田勝正君 私も会期延長の御意見には賛成できません。私は藤田君の御意見と重複いたしますので、簡潔に申上げますが、その一つは、この会期延長をすべきという態度をとつておられます与党自由党のかた、及び緑風会のかたに対して、先ほど来の御質疑において、何ら満足すべきものが得られなかつた。即ちたとえ一日一分を違いがないように、はつきりと見通しはつかないにいたしましても、従来の両院におけるもろもろの案件の審議の実例に徴しまして、これならば先ずおおよそ間違いがなかろうという見通しはつくのであります。然るにそれらの見通しも全くつけることができないという御答弁であつたのです。而もこれは最後の政府対本院との関係で言及いたすことでありまするが、元来この審議が、百五十日に亘つたのにもかかわらず、今回ほどに多くの案件が最後の今日までも百二十件も持越されるという事態になつた大きな原因は、内閣の責任者である吉田総理の出席が定かでない。而もそれが仮病とも思われることによつて出席されないということに大きな原因があるのであつて、このことについては、先ほど藤田委員も質疑の中において質されたけれども、これすら明らかにされない。こういう状態で、重要法案が一件といえども挙げろと申されましても、挙げ得る事態にはなつておらない。ただ結果におきましては、衆議院決定があつたから、およそこれに、まあまあ盲従して行こうというようなこととしか受取れないのでありまして、かような説明によつて、私は了解することはできません。  第二の点は、下院、即ち衆議院との関係でございますけれども、これは先ほど私は、数字を以つて皆さんに御質疑申上げた通り、私の数字の分け方は間違つてつたといたしましても、今藤田君から申されましたように、未だ六十数件のものを持つておる。恐らくは二週間の会期、そのうちの六日間は本会議といたしますれば、重要法案が而も残つておるのでありますから、一日十件ずつを挙げて来る。こういうようなことは、神技でなければできないことなんです。私の記憶では、一日十件、二十件という案件を挙げるのは、請願、陳情以外にはできない。討論を用いるようなものが間に入りつつ十件、二十件というものを一日平均に挙げたということは過去にないのであつて、そういう無理を承知で、衆議院がなぜにやつたかと言えば、これは自分の六十件を挙げるだけの日程しか組んでおらない。参議院の審議権というものは全く度外視しての決定である。  その他のことにつきましては、遺憾な点等は、藤田君と重複いたしますから省略いたしますけれども、こういう遺憾な点を繰返す衆議院に対する反省をこの際に求めるという断乎たる方法をとらない限りは、両院の妙昧ある運営ということは到底期しがたい。反省を求めるには、この機会以外にはない。こう私は考えまするので、この意味からも御提案には賛成しがたい。  第三の点は、政府対本院の関係でございまするが、かように審議が渋滞して参りましたことは、先ず第一、政府の首班である吉田総理の責任であることは、先ほど申上げた通り、これに続くところの政府委員が、それぞれ積極的ではない。今日、過日の法務大臣の指揮権発動以来の法務省の官僚の態度を御覧願いましても、もうすでに現内閣の法務大臣には協力しないという態度が明々白々に見えるのであります。こういうような状態であると共に、更に院議を無視するような行為を積み重ねている。即ち、先日本院におきましては、殆ど旧憲法当時から貴族院を通じましても異例ともいうべきところの勧告決議案を決定いたしたのでありますが、これに対しても、何らの誠意を示さない。こういうことによりまして、現在進展しつつあると言われておりました汚職事件も中断されざるを得ない。こういうことが、国民にどうした影響を与えているかと言えば、国民は率直な気持を言うなれば、今日の国会は、ことごとく一応司直の手に委ねて、それからよいものだけをそれに戻せというくらいにすら強く考えているのであります。およそ政治は、国民の信がなくして行わるべきものではないのであつて、而も今日の国民は、この腐り切つた国会において決定されたことなどを遵奉するのは、真平御免という気持でいるのは事実であります。従いまして、仮に重要法案と称して無理矢理にこれを決定いたしましても、国民は眉に唾をつけまして、到底これを護る気持がない。こういう事態のときには、我々は法律がいずれでありましようとも、政治責任を明らかにして行かなければならない。その方法といたしましては、すでにこの国会においては、一切重要法案などというものは決定いたさない。こういう態度に出るのが然るべきであろうと私は考えます。  そういう観点からいたしましても、政府にも反省を求める意味も加えまして、この機会には、私は本院としては、会期延長すべからずという決定をするのが当然であろうと、こう考えますので反対いたします。
  112. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 別に御発言はございませんか……。討論は終結したものと認めます。よつて、これより採決に入りたいと思います。  松岡君の動議に賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  113. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 多数と認めます。よつて松岡委員の動議、即ち二週間の会期延長が可決せられました。
  114. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一応会期は延長すべきものと決定されましたが、本会議においての決定は、まだございません。  本日、議運にかけなければならないように要求されているような重要な案件があれば、この際やつてもらいたい。一応その点についてめどをつけておく必要がありますが、その点は何もございませんか。
  115. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) ちよつと速記をとめて。    〔速記中止〕
  116. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは速記をつけて下さい。  休憩いたします。    午後八時三十二分休憩    〔休憩開会に至らなかつた