○
高良とみ君 私は
却つて反対に
考える。別に今
内乱をしている反対側を援助すべしなんということは申しませんよ。そういう
意味ではなくて、正統
政府といえ
ども曾
つて、
日本などよりももつとアジアには
独立を完成しないために相当なかいらい政権というものもあることは御存じの通りであります。これは世界の世論でありますから、これは
日本が何と
考えようとも自由であ
つて、そしてそれがそういう国は
日本と正式な
交渉を持
つているからそれを認めるべきだとおつしやるならば、それも
一つの外交的な立場でありましよう。併しそうだからとい
つてそこに武器或いはその他の防衛生産に、これは
日本の近い所にたくさん安い武器ができて来ていいということで、まあ大変に粗末な
言い方でありますが、そうしてそういう国が武器をたくさん持
つて来るということは、
却つてそのことこそ
内乱、内政干渉であり、まあ間接にはですよ、直接にはでなく、そしてそこにいつまでも
内乱を継続させて来るという実際の結果が見られるのではないか。このことを私は何らかの道義的
限度をお
考えにな
つていると思うのです。それがないとするならばアジア諸国から将来、
日本は遂に軍
国主義にはならなか
つたけれ
どもそのときの商人に
なつたということでうらまれてもこれは仕方がない。こう思うのですが、そういう危険はない、そういうことは心配しないで正統な
政府が、自分のはうで外交
関係を持
つている正統な、バオダイ政権であろうがどこであろうがこれと
交渉しているのだからそういうことは心配のはかであるという形式的外交主義のみでよろしいとおつしやるならばそれも
一つの
考え方だと私は了承します。大変な失礼な
言い方かも知れませんが。