○佐多
忠隆君 案がなかなかないのでという
お話でありますが、案は、やる決意をされて
総理がその押しで積極的にやられれば、案は幾らでも出て参ると思います。どうかそういう決意を強くして具体的な案を早急に
作つてこの隘路を打開することに積極的に
努力して頂くことを切に希望しておきたいと思います。
それからこれも今朝ほど一応触れられた問題でありますが、インドシナにおける
統一行動の問題であります。この問題については、ダレス国務長官が昨日、今日ヨーロッパに
参つてロンドン、パリで
統一行動、その第一歩としての対
中共共同宣言案、それをイギリスなりフランスに説得を行な
つていると思いますが、その説得をするにかかわらず、今までの情勢ではダレス長官に対してチャーチル・イギリス
首相もラニエル・フランス
首相も率直に両国がこの共同宣言案に賛成ができないという理由を答弁するであろうと言われるように判断をされていると思うのであります。ヨーロッパにおいてそういう情勢であるのみならず、特に現地においてはバオダイ首席が十一日パリに飛んで行
つたと思いますが、首席もダレス長官と会合してヴエトナムの
政治情勢を説明する、特にヴエトナム人は
米国の強硬な
態度の結果、
戦争が激化をしヴエトナムの国土が朝鮮のように荒廃に帰することを極度に恐れている事情を告げるであろうというふうに伝えられておると思うのであります。西欧においても特に現地においてもこういう
状況であり、更にタイは成るほどこの誘いに乗
つたようでありますが、フイリピンもこれに対してはそういう誘いに乗れないというようなことを返事しておるように思います。そこで我が
日本としても、先ほど
総理は、そういう誘いを受けたこともないし今の
状態ではお断りする以外にないということをおつしや
つたのでありますが、その
態度は我々も賛成をするところで、その
態度を更にもつと明確に押出して頂きたいと思うのでありますが、
総理はどうお考えになりますか。特に私がこの点を繰返しお開きするのは、この間中から外務大臣にこの問題をお尋ねした際に、外務大臣は、そういう問題のときには兵を出してこれを助けることはできないかも知れないけれども、
自由諸国群の一人としてその他の面においては積極的にこれに協力することが然るべきであろうというような答弁をしておられると思うのですが、
如何に自由主義国家群の
一つあろうとも、少くともフランスなりイギリスは今申上げたような
態度をと
つておるのであるから、その点はイギリスやフランスより更にもつと進んで
アメリカに引ずられるというようなことのないように、むしろもつと直接に非常に大きな
利害関係を持
つておる
我が国としては、その点は絶対に
戦争に介入されるような糸口を作らないことを堅持する、そういう意味では、共同宣言案
自体についてもなかなかむずかしいし、そういうことをしないほうがよいという
態度をむしろ堅持して然るべきだと思いますし、
総理の先ほどのお答えはそういう含みを持
つておると思うのですが、その点をもう一遍はつきりと御答弁を願たいと思います。