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1954-03-11 第19回国会 参議院 運輸委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十一日(木曜日)    午後一時五十二分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     前田  穰君    理事            入交 太藏君            重盛 壽治君    委員            植竹 春彦君            岡田 信次君            仁田 竹一君            一松 政二君            高木 正夫君            森田 義衞君            大和 与一君            天田 勝正君            村尾 重雄君            木島 虎藏君   委員外議員            松浦 清一君   政府委員    運輸政務次官  西村 英一君    運輸省船員局長 武田  元君    運輸省鉄道監督    局長      植田 純一君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君    常任委員会専門    員       田倉 八郎君   説明員    運輸省海運局海    運調整部海務課    長       大森 重義君    日本国有鉄道総    裁       長崎惣之助君    日本国有鉄道経    理局長     石井 昭正君    日本国有鉄道営    業局長     唐沢  勲君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○遠洋かつおまぐろ漁業の用に供す  る船舶についての船舶職員法臨時  特例に関する法律案内閣提出・衆  議院送付) ○港域法の一部を改正する法律案(内  閣提出・衆議院送付) ○国有鉄道運賃法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○運輸一般事情に関する調査の件  (運輸行政に関する件)   —————————————
  2. 前田穰

    委員長前田穰君) これより運輸委員会開会いたします。  先ず遠洋かつおまぐろ漁業の用に供する船舶についての船舶職員法臨時特例に関する法律案を議題といたします。  前回に引続き質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 大和与一

    大和与一君 この前岡田委員が尋ねられたが、大体二年の目安でやるそうですが、この法律は大体二年ということを一応期限的には考えておられるかどうか。それからその間に水準をだんだん上げて行くというお話がありましたが、あの点がどうもちよつとまだ御説明では明快でないように思うのです。それでこの資格を少しゆるめるというか、臨時措置法だからこういうことになるのだろうけれども、それと海難事故といいますか、そのために起る不祥事故とか、そんなことがあつたらなお大変困ることだと思いますが、そういうことも考えながら、而も実際に新らしい漁場が夢想だもしなかつたということですね、これの一つ説明をお願いしたいと思います。全然今まで考えられもしなかつたことがぽこんとそういういい話が出て来た。こういうことになるわけですが、それが一つと、それから二年間の補充ということが、今いつたように資格を相当ゆるめることによつて海難とか何とか、そういう不祥事故が起る心配がないかどうか。それから二年間の区分の仕方が、そうでなくても人手が足りなくて、新らしい漁場が見つかつたからそれをほつたらかしておくのは勿体ない。従つて資格を下げてまでそこに人のやり繰りをして実際に魚をとる。こういう状態になるのは、そういう無理をすると、二年間にそういう一応の計画があつても、それは講習員といいますか、一人前の今の資格試験検定試験に通る、こういうような計画が果して実行できるかどうか。そういうことですね。それからもう一つは、大体二年間ということを期限としてお考えになつておるかどうかということです。
  4. 武田元

    政府委員武田元君) 二年間は期限として考えておりまして、二年を終りますれば、現行法別表第二というのに還す方針でございます。で、その間におきまして小船舶職員充足方法につきましては、前回にも御説明を申上げましたのでありますが、三つ方法によりまして充足を図る。第一には、現在かつおまぐろ漁船に乗組んでおりまする船員の再教育、これは講習会を開催しまして再教育をやる、それから第二には、遠洋かつおまぐろ漁船乗組船員以外の船員遠洋かつおまぐろ漁船転船せしめるということ、それから第三には、水産関係学校卒業者を採用するという三つ方法でございますが、そのうち再教育につきましては、数字的に一応検討してございますが、これは従来の試験の実績と申しまするか、受験しました者の合格率というものはわかつておりますが、その程度のものはやはり試験にパスして免状が取れるであろうという見通しを立てております。それから水産関係学校卒業者のうち、その半数はかつおまぐろに乗るものと思つております。そのほか第二番の方法の、他の漁船なり或いは汽船に乗組んでいる船員かつおまぐろ漁船への転船につきましては、これも現在の求職者状況、並びに大体遠洋かつおまぐろ漁船がだんだん大型化して参つておりますので、居住施設もよくなつて来ている。その他いろいろ船施設がだんだんよくなつておるという状況から見まして、この転船による充足見通しが大体可能であろうというふうに考えておるわけでございます。それでこの暫定措置を講じております間の航行安全性の問題でございますが、これは法案にございますように、甲区域乙区域中間程度資格を設けましたわけでございますが、実際問題といたしまして、現在乙区域操業しておりまする遠洋かつおまぐろ漁船が、この百五十トン以上が大体大部分が遠くに出るだろう、それでつまりそれらの漁船に乗組んでおる船員は多年遠洋まぐろかつお漁業に従事しておりまして、経験を持つております関係もございます。多少引下げましても安全性の点は差支えないだろうという、この点につきましてはその道の権威者或いは水産庁、或いはかつおまぐろ経営者団体等意見を十分参酌いたしまして資格を定めたわけでございまして、航行の安全の点については、先ず差支えないものと考えておる次第でございます。  それから新らしい漁場が発見されたという点は、これは漁場の点は、実は水産庁のほうにもいろいろ聞き合せましたわけですが、これは本当に全然予想してなかつたそうであります。大体この乙区域で昔から操業しておつて外に出るということは本当に予想もしなかつたようで、これは関係業者等が終戦後非常に漁業経営が行詰りましたために、食糧資源確保のために非常に努力をした、大いに努力をしたためにその新漁場を発見されたということだそうでございます。
  5. 大和与一

    大和与一君 そちらからもらつたこの理由書に、「これを満すに足る船舶職員を得ることは、現在の漁船に乗組む船舶職員養成機構としての不備を海上企業としての漁業特殊性から見て、極めて困難な状況にあり、」こういうふうに認めて書いておられるので、私のほうでも質問したわけです。そこで戦争前に日本水産業といいますか、こういう漁業の一番盛んな時に、こういう程度の船が幾らでももつとあつたかも知れないのですが、それに対して量的には資格者はおつたのだ、併しそれが暫らく休憩をしたから復習をしなければならん、こういうふうな意味のことになるのか、或いは船も新らしく大型になつて少し遠くに行くようになつたから、これは純然たる新らしい分野を開くために新らしい資格を必要とする、こういう意味なのか、それはどちらでしよう。
  6. 武田元

    政府委員武田元君) 後者のほうでございます。
  7. 大和与一

    大和与一君 そうですか。
  8. 前田穰

    委員長前田穰君) 委員外議員として松浦清一君から発言を求められておりますが、許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。
  10. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) この法律案の今までの審議の過程で解明せられているかも知れませんが、一つ気にかかることがありますので、ちよつと船員局長にお伺い申上げておきたい。遠洋に出ているかつおまぐろ船船舶職員法に関する臨時特例というと、法律案そのものに対しては非常に結構なんですが、そのほかにやはり本年の九月一日から、改正せられている法律が適用になる以西トロールの船五十八隻、それから以西底びき六百七十一隻、以東底びき五千二百五十四隻、それからかつおまぐろ中型船、百五十トン未満の中型船、これが五トン以上で千五百二十四隻、それからひき網漁船の、これは概数ですが、千二百九十二隻の五十トン以上の船があるのですが、これらの船の船舶職員についても、九月一日からは、二年前に制定された法律が適用されるということになりますと、非常に船舶の運航上支障が起るということになりますが、これらの問題に対しての対策はどのようにお考えになつておりますか。
  11. 武田元

    政府委員武田元君) 只今お話のございましたように、現行法附則の二項で、結果的に今年の八月三十一日までに認めている別表第七が、九月一日以降別表第二に移るわけでございます。資格が殆んど一階級上るわけでございます。で、以西以東底びき或いは遠洋かつおまぐろ中型船、それからひき網漁船、こういつたものにつきまして、実は現在、九月以降の需給見通し関係方面と打合せをして調査をいたしているわけであります。この九月以降これらの漁船船員需給についていろいろ問題があると思いますので、その需給調査の結果を見まして、その対策につきましても、目下検討を進めている次第でございます。
  12. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) いろいろな法律にその臨時的な特例を作るということは、原則的に私は余り賛成ができないのですけれども、現実にこの遠洋かつおまぐろの船と同じような状態が九月一日から起つて来るとすれば、できるだけ速かにこの対策を講じておかないというと、法律が実際に施行されるときになつて困るという現実になるのですが、この九月一日までに、それまでに臨時国会が召集されないということになると、これと同じような特例法国会に出すということはできないことになりますが、この国会開会中にその対策は完了して持つて来るということに、そういうことになりますか。
  13. 武田元

    政府委員武田元君) 特例法ということではなくて、この附則改正ということに法律技術的になりますのでございますが、九月以降支障が起らないようにまあ善処をいたしたいと考えている次第でございます。
  14. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) どれぐらい今の資格が上るというと該当免状が不足するか、調査はできておりますか。今申上げました以西底びき、トロール船、以東底びき、かつおまぐろ中型船、それからひき網漁船等について……。
  15. 武田元

    政府委員武田元君) 以西底びきにつきましては、今までの調査によりますと約六割、それから以東は約五割程度しか充足できないという数字になつております。その他のものにつきましては、先般来調査中でございまして、まだ調査の結果が判明いたしておりません。
  16. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) 以西底びきで六割、以東で五割不足だというんですが、現実に現在わかつてつて、このまま行つて九月一日になつて混乱しはしませんか。
  17. 武田元

    政府委員武田元君) 今の数字は大体のことでございまして、なお水産庁とも協議調査を進めているのでございますが、只今の感じでは、相当困る事態が起るのじやなかろうかと思われる虞れがあります。従いまして何とかして九月以降に支障の起らんようにしたいと思います。
  18. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) その混乱が起らないように対策を講ずるとおつしやるのですが、国会で議決されない、法律改正をやらなくても講じられるという対策はどういう対策でございますか。
  19. 武田元

    政府委員武田元君) いろいろ研究をいたしておりましたのでありますが、やはり国会法律として法律案を提案をいたすほかに今のところ方法がないと考えております。
  20. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) そうすると本国会開会中に、国会の承認を求める段取りをつけるという、そういう方針でございますか。
  21. 武田元

    政府委員武田元君) そういう方針でございます。
  22. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) もう一点、海員組合のほうから昨年の暮に請願が出ておりますが、その請願の中に乙一、乙二の免状については、施行規則別表第一、乗船履歴表その一に定める船舶資格欄に定められた海員免状を有し、三年以上船長若しくは機関長職務とつ乗船履歴を有する者が運輸大臣の認定する教育講習を終了した場合は、学術試験を行わないで免状を授与してもらいたい、こういう請願が出ておりますけれども、それに対してはどういう御見解を持つておられますか。
  23. 武田元

    政府委員武田元君) 只今請願につきましては、これは職員法自体の根本的な建前にも関する問題でございますので、実はそのほかにも職員法の内容につきましていろいろ検討をいたしたい点もございますので、併せまして、近く従来眠つておりました海上安全審議会運輸省設置法改正によりまして発足させたいと考えておるのでございますが、これも国会の御審議を願うわけでございますが、それが発足しますれば、その審議会で各方面権威者或いは関係団体代表者を網羅いたしまして、検討を進めたいと考えておる次第でございます。
  24. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) これは私が申上げるまでもないのですが、漁船だとか小型の機帆船だとかいう船に乗つて五年も十年も船長乃至は機関長職務をとつて来た者は、技術の点においてはこれはもう非常に優秀な技術を持つておるけれども、船内における非常に激しい労務の関係、時間の関係等のために、学科的に勉強する時間的な余裕がなかつた、そういうような関係で鉛筆と紙と持たせて学科試験をやられるというと、そいつは非常に不得手だ、こういう者があるのですが、そういう者については、十分考慮するというお考えをお持ちでしようか。
  25. 武田元

    政府委員武田元君) 現行法によりましても、この下級免状に対する試験につきましては、これは丙以下でございますが、丙以下の学術試験は、筆記試験はやりませんで、口述試験にとどめております。又試験に際しましてこういう方々に対する試験の、試験に接する試験官の心構えにつきましても、本省におきまして特に配意をするよう指示がいたしてある次第でございます。ただ今お話の乙一、乙二程度のものをどうするかということにつきましては、これは目下部内でも事務的に検討いたしておりますので、いずれ新規に、そういう御意見も又関係団体から出ておりますので、先ほど申しました審議会ができますれば、審議会において十分検討をして頂きたいと考えておる次第でございます。
  26. 松浦清一

    委員外議員松浦清一君) 今のその船舶安全の審議会、そういうところを十分活用されて、そうして先ほど申上げたような九月一日から忽ち問題が起つて来そうな船に対する対策を早急に一つ立てて頂きたいことをお願い申上げておきます。
  27. 天田勝正

    天田勝正君 私は他の委員会関係がございまして、この質疑に今まで参加いたしておりませんから、若し他の委員諸君と重複いたすものがあれば、もうすでに答え済みとさえお答え願えればよろしい。それでお伺いいたしたいのは、この理由書の一の一番末尾のほうにございますが、船舶航行の安全から見て甲区域相当資格を必要とすることは当然であるが云々、こういうことになつておる。そうしますと、今度のこの特例によりまして、若干資格を緩和することによつて、多少その安全に危惧があるということをお認めになつているけれども、必要上こういう措置をとりたい、まあこういう論理だろうと思うのです。そこで海上のことでありますから、まあ飛行機ほどのことはないにしても、安全が脅かされるということになりますと、ときにとつて一大事が起きるのでありますが、そうした危惧を御承知になるまま、而もこう緩和してそうした一大事が起るようなことは他の方法で防ぐとか、或いはまあその程度のことはないと、こういう見通しでございましようか。この点を一つ他質問がございませんければ、その点を申して頂きたいと思います。
  28. 武田元

    政府委員武田元君) この汽船遠洋区域に相当します遠距離にあります甲区域、この甲区域操業をいたします遠洋かつおまぐろ漁船につきまして、この航行の安全、万全を期しまするためにやはり現行法に示すところの資格が必要であろう、この現行法資格につきましては、先般職員法昭和二十六年改正の際に十分検討された点でございまするので、一つ万全を期するためには必要な措置考えたのでございますが、このたび予想されなかつた事態が生まれましたし、又この新事態を無視することは国家的にもできないし、不利であり、又違反船を出す虞れもありますので、航行安全の面と船員の需要の面と併せ考えまして、この程度暫定措置を設けたのでありますが、この措置をとりまして、先ほども申上げたのですが、現在は大体乙区域遠洋かつおまぐろ漁業に従事しております船舶職員がそのままに甲区域に出て参ることになると思います。そういう経験者、多年の経験者が乗り込んでおることでありまするし、又船舶も型がだんだん大型化して参りまして、各種の施設と、航行の安全に関する施設も改善されて参つておりますので、この程度資格で差支えないものと考える次第であります。
  29. 天田勝正

    天田勝正君 どうも不思議な御答弁な気がするのですが、私がこういう質問をするのは、それは私も、まぐろかつお輸出というものが極めて我が国経済にとつて重大な地位を占めておることは承知しておるし、だからこれをたくさん作りたいことは、あなた方とも意見を異にしてるのではございません。問題は、何が尊いかと言うてみたところで、人命ほどに尊いものはないはずです。幾ら漁獲を上げようと、幾ら輸出が伸びようと、併し人命の失われる危険もあるという場合には、これは少々考え直さなければならないというのが、まあ私の根本的な考え方です。そこで現在この安全を脅される状態にあるというふうに、説明者理由書によつてもそうお認めになつておる。ところが、およそ過ちというものは、過ちの起きないと思うところに起きるのであつて、大抵のことが万全だと思つてものを措置したのが、ところが事実はそこに危険を生ずると、こういうのが私は過ちの性質だろうと思うのです。そういうところからいたしますと、私は何か措置があるのかと言つてさつきお聞きしたのは、多少そこに危惧はあるけれども、一方漁獲というものの我が国経済の占める重大性考えて、資格の緩和をここに図るけれども、警備船を出すことによつて、そうした万一の場合については、人命に影響するということなきようそこに処置すると、こういうところがありますれば、私は直ちに頷くのでありますが、そういうことをやらないで、まあ乙区域で、そこに続いている所を行つているからまあまあと、こういうことになれば、俗の話で、日本橋の下を流れる水でもロンドンのテームズ河の水へも続いておるわけでありますから、この所から先はまあまあと言えば、どこまでもということになるのです。だからそこのところで、何かそういう一つの例を申上げれば、警備船でもちよちよい出して、そういう危険を排除する、こういう方法一つでありましようから、あなたの今のお答えのように、一歩々々を、それに接触する乙区域までは行つているから、それをちよつと伸ばしてもと言うのならば、そつちに伸ばしても危険がないから、それなら余り文字を書かせるような資格等にはそう拘泥せずに、それだけの実力があるとすれば、臨時特例ではなくして、一般的に認めるということにしてもいいんじやないか、こういう別の意見が出る。これとの関連において、一つお答えを賜わりたいと思うのです。
  30. 武田元

    政府委員武田元君) お話誠に御尤もと存じますが、この航行の安全、保安のこの限界線の引き方は非常に技術的に、殆んど境目のところと申しましても不可能のようでございますが、一応申上げますと、この乙種二等航海士程度というものは、航区へ出る場合一〇〇%充足ができる。それから乙種一等航海士は、大体八割程度充足できる。残り二割というものにつきましては、これは関係業者におきまして、今手配を進めておるところでございます。なお、この航行の安全につきましては、お話のように水産庁並び海上保安庁とも今後十分連絡をいたしまして、万一のことがないようにできるだけ配慮いたしたいと思つております。
  31. 天田勝正

    天田勝正君 そこでですね、私が聞きたいと思つておりますことは、確かに御説明のように地域的なものを線を引くというのは、どこで線を引くにしたつて誰でもこれは、どういう条件で引こうとも、一体これがまずいということはとてもできない、これが刑事犯罪みたいに、一方は泥棒である、一方は泥棒でないというこういう引き方なら、実に明瞭なんだけれども、地域で引くということになると、村の境が何が何やらわからないと同じに、その先に一歩踏み込んだつて、こつち側にいたつて、一向身体に感ずるわけでもないし、影響もない。それと同じように、甲地域乙地域区域を規定してみたところで、全く幾何学の線の定義みたいなことになつてしまつて、これから先へ入つたからずつと危険だということはないと思うのです。だけれども、それをずつと甲区域なら甲区域にどこどこまでも行くというと、そこにはどうも危険の度がだんだん増して来るのではないかと、こういう私は恐らく御心配なんだろうと、こう思うのですね。で、そうでございますと、だからやはり経験という一つ学問を積み重ね上げることが、こういう実際の仕事に当る場合には大いに必要なんでありますから、一遍に甲区域ならその区域だけはどこまで行つてもいいということでなしに、だんだん漸進主義にして、一航海ここまで行つたら、次の航海はここまでというようにすれば、人命の危険というようなこともなしに済むのではないかと思うのですけれども、そういう点の御配慮はされているのでしようか、実際指導の面において。法律の規定は別として……。
  32. 武田元

    政府委員武田元君) 実際問題といたしまして、この図面がございますから、この図面で御覧頂くような個所に出漁いたしますわけでございまして、まあ甲というと、これはどこまでも行けるわけでございますけれども、実際問題は、この線から近い……、距離的にはどのくらいになりますか、まあハワイ方面或いはインド洋方面、濠州方面と、実際に遠洋かつおまぐろ漁船が参りますこれは業者自体が、航行の安全の面と、或いは操業の採算の面と、両方睨み合せて、こういう漁場に参るので、どこまでも遠方へ行くというわけのものではないのでございますので、この程度のことで暫定措置をするよりしようがないものと考えておりますが、なお今後航行の安全を確保いたしますための更にいろいろの措置については、検討いたしたいと思つております。
  33. 天田勝正

    天田勝正君 その点はそれでよろしいのでございます。そこで私は、こういう前提的な質問を申上げた一つ考え方は、これは船員局長にこの問題に限つて質問申上げるのは、少々答弁されるのが無理だとは思うのですけれども、私は根本的には、さつき松浦君がその質問の中で指摘せられておりますけれども、日本のこの資格のいろいろな条件制限等の問題それ自体に非常に疑問を持つているのです。文字に現わす学問学問として、その他の経験によるところの学問などはさつぱり学問の勘定に入れてない。まあそういうことが、世上一般なんでありますから、例えば大学の電気科を出た連中がラジオの組立などになるとさつぱりわからん、これがざらです、実に。これはもう私どもがここにおりましても、電気係なんかでちよちよい痛感する有様で、一体そういう資格文字に現わすということがそれほど尊いのか。僕はいつか進駐軍がおつた時分に、別の機会に会つたときに、日本ではどうも空疎なことをえらい資格だとか何とか言つておるけれども、我々のほうの学問は、経験を通すのが最も価値ある学問だ、こういうことを言われたことがあるのですが、その点が僕は日本資格条件等の一番欠けておる点ではなかろうか、こう思つておるのです。それだからさつき質問で申上げたように、多少行つてもいいというような見通しがつくならば、その実態に応じて許可したらどうか。だから、それは生命に危険があるということならば、これはやめたらいいし、そいつを多少でも許可していいというのなら、又その線は更に再分割をしても、ここまではよろしいということで、実際の経験を取入れて、十分にやり得る人に、まあ筆で書かせる試験はないというから、その点は私は安心しているのですけれども、今後もそういうふうに、経験は更に尊い学問である、こういうことで一つ私は処置願いたいと思う。これは希望も含めて申上げておくわけです。  そこで、そういう点について、まあこれは私は本来全般的にそういうことを言いたいのですけれども、あなたの所管はこれに関することでありましようから、船員資格等については、やはりそういう措置でだんだんと、急でなくてもやられる御意思かどうかも併せて伺つておきたいと思います。
  34. 武田元

    政府委員武田元君) 只今お話御尤もと存じます。現行法におきましても、経験というものに対しましては十分これを活かす、例えば試験に際しまして、経験というものを履歴の中に織り込んでございます。例えば、何の試験を受けるにはどういう大きさの船に何年間乗つていたという履歴がなくてはいかんというふうに履歴の中に織り込んであるわけでございます。併し、先ほど松浦先生からもお話がございましたし、只今の点は今後審議会において、現行法の建前に関する重大な問題でございますので、十分検討をいたして参りたいと考える次第でございます。
  35. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質問ございませんか。
  36. 大和与一

    大和与一君 さつき質問いたしましたのですが、今も天田さんからお話があつたように、臨時特例、これを法律としてきめる以上は、海上保安庁その他にいろいろと協力をしてもらうということは、これはこの法律をきめなくても当然あるべきだと思うのですが、そいつはやつぱり他力本願的な考え方だから、一旦この法律臨時特例としてきめる以上は、如何なる場合においても責任は全部政府が負うというふうにはつきりと断言をして頂きたい。そうでないと、さつき私が指摘したように、この理由書にあるように、非常に無理だということをあなたのほうで明かに認めておられるわけですから、はつきりとそこを断言してもらいたいと思います。
  37. 武田元

    政府委員武田元君) 万一の事故の発生いたしませんように、本法案を提案いたしました主管事務当局といたしまして、万全の措置をとりたいと思つております。
  38. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質疑ございませんか……。別に御発言もないようでありますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明かにして順次御発言を願います。
  40. 岡田信次

    岡田信次君 私はこの法案に賛成をいたします。  この法案は二年間の期限付きの臨時立法でございまするが、現状から見て止むを得ないと思うのでありまするが、事船舶航行安全に至大な関係を有するものでありますので、二年間を待たず、速かに船員の充実を図りまして、一日も早くかかる臨時法案の要らなくなるというふうに、政府の格段の努力を要望いたしまして、賛成いたします。
  41. 天田勝正

    天田勝正君 私はこの法案に賛成するものでありますが、元来法律臨時特例等を設けて部分的に崩して行くということは、法体系としても頗るうまくないのであります。でありまするが、これは元来我が国輸出産業の消長にも関する大きな意義を持つものでありまして、そこに、確かに先ほど来各委員質問にもありましたように、危険は伴うのでありますけれども、その危険に対しては、十分に政府側において責任を持つて対処するとの答えもございましたし、この際かつおまぐろ漁業の伸展の我が国に与える好影響等を考えまして、この意味からここに賛成いたしますが、更に船員技術向上等については、十分今後善処されることを希望いたしまして賛成するものであります。
  42. 大和与一

    大和与一君 私もこの案に賛成をいたします。日本の産業の再建の一翼を推し進めるために今回の措置を止むを得ないものと思います。併し、それよりも曽つて世界の三大漁場と言われたカムチヤツカ近海、千島がヤルタ会談によつてソ連に取られた恰好になつておりますけれども、こちらのほうの漁場のほうを、もつと政府が外交的手腕によつて、積極的にそこの漁場に入つて行く、曽つてそうであつたように、そういう態度をとることのほうが日本水産業界のために飛躍的な発展であり、又日本の産業の発展のキー・ポイントとなるであろう、こういう点も考えまして、そういう点も今後十分にやつてもらいたい、こういう希望を付して賛成いたします。
  43. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御発言ございませんか。他に御発言もないようでありますが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。  本案を原案通り可決することに御賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  45. 前田穰

    委員長前田穰君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容と事余の手続は、慣例によりまして、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされました方は、例により順次御署名を願います。   多数意見者署名     入交 太藏  重盛 壽治     植竹 春彦  岡田 信次     仁田 竹一  高木 正夫     森田 義衞  大和 与一      天田 勝正  村尾 重雄      木島 虎藏   —————————————
  47. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、港域法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  48. 岡田信次

    岡田信次君 港域法改正昭和二十六年四月、二十七年七月に二回出ているのであります。それでその内容は、やはり今回のこの改正と全く同じように別表改正である。今後も、大体提案理由の説明にありましたような、第一、第二、第三の事情がどんどん起きて来ると思うのでありますが、毎国会同じような改正が出て来ることが予想されるのですが、どうも少し芸のない話だと思うのですが、政府当局はどういうふうにお考えになつておりますか。
  49. 大森重義

    説明員(大森重義君) お答え申上げます。御質問の趣旨は誠に御尤もと存じますが、現在持つている港域法の法的性格に鑑みまして、今直ちに岡田先生のおつしやつたような措置をとることにつきましては、ここでお答え申上げかねますが、その点については十分検討いたしたいと思います。それでは港域法は法的には如何なる性格を持つものであるかという点につきまして、少しく御説明申上げますと、先ず、この法律は、港則法第二条、本法の本則第二項との関係によりまして、本法は港則法に対して特別法的立場にあると共に、他の海事関係諸法令の港の区域については、できるだけ本法の規定するところによらしめることによりまして、個々の法令においてそれぞれ別個に港の区域を定めることの煩雑さを避けしめようとしている点に鑑みまして、本法は又一面において、それらの法令に対しまして共通法的立場に立つているものであります。でありますから、今申上げましたように、港則法に対しまして特別法的立場に立つており、而も港域法の二項において、「港則法第二条の港の区域は、この法律の定めるところによる。」というように規定したわけであります。
  50. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると、この港域法の現在のままでは、提案理由にありましたように、水路の浚渫とか或いは港湾工事の進展など、今後種々起ることだと思うのですが、その他第二、第三の問題についても、港が発展すればするほど大きくするというのですか、殆んど毎国会同じようなことをしなければならんということは当分止むを得ないというようなお考えなんですか。
  51. 大森重義

    説明員(大森重義君) 御意見のほどは十分よくわかりますし、又我々といたしましても、その煩雑さについては十分認識しておりますので、できれば港勢の変化の都度法律を変えるという方法を避けるように早急に検討いたしたいと思います。
  52. 大和与一

    大和与一君 今の岡田委員からも言われましたように、こういうふうな法律を出されて、まあ苦笑を禁じ得ないのですが、これは私たちだけでなくてあなた方のほうが余計そうだと思う。これは時代物的な法律のような感じがするのですがね。今まで、こんなことをその都度やらなければいかん、こんなものはいいじやないか、こういうような意見が実際に担当者としてもおありだつたと思うのですが、どこで引かかつてつたか。或いは一遍もそういうような御意見はなかつたか。或いはもう少し正確に言つて、この次の国会に、こういうような法律一つ一つ出さなくてもいいようにしたい、こういうふうに一つやりたいと思う、こういうふうな具体的なお答えが頂けますか。
  53. 大森重義

    説明員(大森重義君) 先ほど申上げましたように、港域法は、港則法第二条におきまして、港の区域は、別に法律で定めるという規定を受けまして、本則の二項におきまして、港の区域については、この法律の定めるところによるというふうになつておるのでございますが、本法の関係するところは、今申上げました港則法のみならず、他の海事諸法令、例えば船員法とか、船舶職員法とか、船舶安全法とか、港湾法とか、港湾運送事業法、或いは又関税法などに関係いたしまして、例えば関税法の規定には開港の港域については、港域法の定めるところによるというような規定をいたしておる事情にも鑑みまして、今の御意見の趣旨は御尤もと思いますが、そのように関係するところも多うございますので、今ここで次の国会に一々港域の変更の都度、港則法を変えないようにするために何らかの措置をするというふうにはお答え申上げかねるのでありますが、御趣旨のほどはよくわかりますものですから、早急にその点について検討いたしたいと存じます。
  54. 大和与一

    大和与一君 これは人為的な例えば浚渫とか何とか細かく書いてありますが、そういうふうな人為的な変化によつて、港域を変える、天然的な何か変化が起つて。もう一つは、自国の船と外国の船と、そういうふうな関係があつて、やはりこういうことが絶対必要だということになるのか。その利害得失の一番大きなところ、そういう点を一つ教えて頂きたい。
  55. 大森重義

    説明員(大森重義君) 甚だ申訳ございませんが、今の御質問の趣旨がよくわかりかねるのでございますが、港勢の変化が、この港域法別表改正の主なる要因でございますが、その港勢の変化は、必ずしも人為的のもののみとは考えておりません。併し只今提案いたしました港の区域につきましては、これは自然的な変化はございませんで、人為的のものだけでございます。ただ自然的、人為的という言葉を使うのは変でございますが、提案理由にも書いてございますように、名瀬港、古仁屋港のごとき港につきましては、これはいわば政治的な要因によつて、港の区域を新たに定めようとするものでございます。
  56. 大和与一

    大和与一君 港則法の内容はよくわかりませんが、港域というのは線を引くだけでしよう。それがそんなに大切だということをもうちよつと説明して頂きたい。
  57. 大森重義

    説明員(大森重義君) 港の区域につきまして、一定の区域を限定するということの重要さにつきましては、これは大和先生もお認めになつている通り、港則法との関係におきまして、港内における船舶交通の安全と整頓とを図るために、人の使用を制限し、或いは人に義務を課する等の交通警察にかかわる事項が多く規定されております。その適用の範囲も又人の権利義務に重大な関係を有しているわけでございます。又港則法以外の海事関係の諸法令におきましても、例えば船舶安全法の場合を例にとつて申上げますと、港内における船舶は満載吃水線を超える吃水で航行してもよろしいということになつておりますし、又第三種船、これは平水区域航行する旅客船でございますが、その第三種船の場合は、救命設備については最大搭載人員の三〇%で事足りることになつておりますから、港の外と内との区別をすることは、その点からいつても必要なわけでございます。
  58. 前田穰

    委員長前田穰君) 他に御質疑ございませんか。他に御質疑がなければ、質問は終了したものと認めてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにして順次お述べを願います。別に御発言もないようでありますが、討論は省略いたしまして次に採決に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  61. 前田穰

    委員長前田穰君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本会議における委員長の口頭報告の内容等、事後の手続きは、慣例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 前田穰

    委員長前田穰君) 御異議ないと認めます。  次に本案を可とされました方は、例により順次御署名を願います。   多数意見者署名     入交 太藏  植竹 春彦     岡田 信次  仁田 竹一     高木 正夫  森田 義衞     大和 与一  村尾 重雄     木島 虎藏   —————————————
  63. 前田穰

    委員長前田穰君) 次に、国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  64. 岡田信次

    岡田信次君 一等の収入が二十九年度約二億円というふうになつておるのですが、一等旅客というか、一等車の運行のための原価といいますか、実費といいますか、それはどのくらいになりますか、ちよつと伺いたい。
  65. 石井昭正

    説明員(石井昭正君) 大体一等車の運行の原価は、一般の車両と比較いたしまして、運転費には大した相違はないと考えております。ただ車両の修繕或いは減価償却費等が、一般の車両よりやや高めになりまするが、これは若干そういう相違はあると思います。従いましてほぼ定員の比例で以て原価はきまつて参るのじやないかと思います。それよりは幾らか、定員の比例で考えましたものよりは、普通の車両に比べて幾らか高いという程度で、余り高いとは言えないんじやないかと考えております。正確な数字只今資料を持ち合せておりませんので、大体の考えから……。
  66. 岡田信次

    岡田信次君 そうすると今回の一等の運賃の値上げと、航空運賃と比べますと、むしろ航空運賃のほうが安いというふうになつちやつて、一等の利用者と申しますか、旅客が非常に減るだろうと予想されるので一等車を廃止するお考えはないか。
  67. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) このたびの値上げは一等、二等でございまして、一等のほうが少し高くなる。従いまして航空運賃との比較をいたしますと割高であるということは事実でございますが、今回は実は三等も値上げをしたいという希望もあつたのですが、そういう時でないということで、一、二等だけ税金外枠となつた次第でありまして、その点三等との均衡という点については、なお今後検討すべき問題がありやしないかと思うのでございますが、航空運賃との関係につきましては、目下の航空事情から申しましても、又航空運賃というものが果して妥当かどうかというような点から申しましても、航空運賃との関係において特にそういう大幅な、一等が減るというふうには考えないでいいじやないかというふうに考えております。これらは勿論将来の様子を見ましても、或いは何らかの対策考えなければならんじやないかとも思つているわけでございます。なお一等を廃止するというような問題につきましては、研究問題としましては、或いは三等といいますか並等と、上等といいますか、二段階くらいでいいじやないかというような問題もございまして、研究はいたしておりますが、そこまでやるほうがいいという結論にまでは目下のところは到達しておらない状態であります。
  68. 岡田信次

    岡田信次君 一等運賃の収入が、先ほどお話になりましたように、御提出の表によりますと二億円足らずだ。今一等車を連結した列車は恐らく一列車数億円の価格があるだろうと思う。一等を廃止すれば旅客列車の運用効率が非常によくなる。例えば今「つばめ」が一日八時間しか走らないから十六時間も寝ておるというので、結局三分の一しか有効に使われておらん。これを要するに展望車或いは「銀河」にしても一等寝台がついているというために「つばめ」がそのまま「銀河」にならんということになつて、一等車を廃止すれば相当旅客列車の運用というものはよくなるのではなかろうかと考えるのですが、旅客列車の運用効率ということについて御研究になつておるかどうか。貨車の運用につきましては、大分改善の跡が見えておるのですが、旅客列車の運用ということについては、どういうふうにやつておられるか、伺いたい。
  69. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) 客車の運用効率につきましても、勿論非常に細心の注意を払つて、できるだけ効率を上げるようにいたしておる次第でございます。従来もそうでございますが、この点につきましては、特にその必要を感じまして、客車の受持の区であるとかというようなものの改正も思い切つてして、更に効率を高めたい。或いは列車の運行の区間を短く改め、長距離に行かずに、短い所で折返して回数を殖やそうというような点だとか、その他いろいろな面で研究をしておるわけでございまして、貨車の運用と同じように努力いたしておりますが、なお今の一等車をつけることにつきまして、一等車につきましては、一等列車というものはおのずから限定されておりますので、御指摘のようにどうしても運用効率につきましては、一般の三等客車というようなわけに行かない点は御指摘の通りでございます。従いましてそういう面からいたしましても、一等車というものをやめて、或いはもう少し一般的な上等車といいますか、そういうものに変えて効率をよくするということも確かに一つの立派な考え方であるかと思いますが、今までの設備なり、それから外客の関係とかいろいろな点から申しまして、にわかにそういう方面にすぐやるというところまでには、なお相当研究の問題があろうかと思いますので、今後も研究さして頂きたいと思つております。
  70. 大和与一

    大和与一君 一等車を連結している線はどの線で、何列車ですか。
  71. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) 大体東海道線、それから九州のほうに行きます鹿児島、博多とか長崎とかという長距離の列車、それから東北本線といつたような幹線の急行列車だけでございます。
  72. 大和与一

    大和与一君 一等の乗客数と全体との比率、それから一等の旅客収入と全体との比率が、若し今おわかりになればお願いいたします。
  73. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) 収入の比較は、予算面にあるのでございます。こんな比率に……。人数はすぐ調べてお答えいたします。
  74. 大和与一

    大和与一君 今度の改正で、一、二等の運賃が実質的に二割程度上るようになると思うのですが、それが社会生活に与える影響というか、刺激というか、そういうものはどのようにお考えになつておられますか。
  75. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) どういう御質問か、はつきりちよつとあれですけれども、私どもといたしましては、一、二等のみならず三等の旅客運賃も引上げてもらうほうが、国鉄の経営の面から言いまして、簡単に言いますと、国鉄の経営の面から、又現在の運賃が比較的他の物価その他から見ても安いというような面から考えましても妥当でないかという考えを実は持つてつたのでございまするが、只今はそういう時期でないという御方針に従いまして、一、二等だけにいたしたような次第でございます。それも通行税というものは二割かかつて、いわゆる内枠であつたのを外枠にするということになつたのでございますが、従いまして三等までするということになりますと、国鉄それ自体の経営という面から見ましても、理窟はございましても、社会的影響は相当大きくなると思います。一、二等だけから言いますと、社会的影響というものもそう大した……ないというわけじやありませんが、そう大きな問題はないという程度考えております。
  76. 大和与一

    大和与一君 私鉄には二等車はございませんか。
  77. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 私鉄におきまして、一等は勿論ございません。二等を連結しておりますのが、北海道の定山渓鉄道一社のみでございます。ただそのほかに国鉄の二等車を乗入れしている私鉄は極く少数ございます。
  78. 大和与一

    大和与一君 今度の改正によつて、そういうふうな二等車を持つている所は、やつぱり国鉄に準じて値上げをするわけですか。どういうふうな方針ですか。
  79. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 只今申しましたように、私鉄自体としましては、二等車を持つております所は、北海道に一社あるのみでございますが、申請がございましたならば、国鉄に準じまして運賃改訂をしたい、かように考えております。
  80. 大和与一

    大和与一君 その北海道の二等車の定山渓鉄道ですか、これは二等車をやめるという噂も聞きましたが、そういうことはございませんか。
  81. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 二等車をやめるという話を聞いております。多分やめることになろうと思つております。
  82. 大和与一

    大和与一君 船舶の通行税は、現在どのようになつているか御存じでございますか。
  83. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 船舶は一等だけに通行税がかかつているよう承知いたしております。
  84. 大和与一

    大和与一君 そうすると、今回この時期に一、二等の通行税を外枠にしようというのは、どういうふうな考えでそういうふうにしようとするのか。こういうお尋ねをしておきたいと思います。
  85. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 只今業局長からも話がございましたように、いわゆる国鉄の財政面から申しまして、財源の関係から運賃値上げというものの実は要望が出たわけであります。その面と、現在の経済情勢を勘案いたしまして、国民生活に及ぼす影響を最小限度にとどめたいということから、この一、二等の運賃だけにとどめた、かようなことになつておりますが、なお同時に運賃法の建前から申しましても、一、二等の運賃は三等の二倍及び四倍という実は建前になつているわけであります。ところが通行税がございまして、実は通行税は内枠になつている関係で、通行税というものにつきまして外枠にいたしまして、鉄道の運賃というものを二等、一等を二倍、四倍に実ははつきりとしたということ実質的の理由は、初めに申しましたように、国鉄の財源として、国民生活に及ぼす最小限度の影響ということからが実質的な理由でございますが、いわゆる通行税というものを外枠にした鉄道の収入を二等、一等を三等の二倍、四倍という原則に徹底させた、かような両方の観点からでございます。
  86. 大和与一

    大和与一君 運賃体系を整備したい、そういうふうな一つの案をお持ちになつて、その案がなかなか実行できないから一部この程度にとどめた、こういうふうな形になつているのか。そういう運賃体系というものは今度は考えていない、こういうふうにこつちは理解してよろしうございますか、今度の改正については……。
  87. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 運賃体系につきましては、或いは根本的にもつと考えなければならん点があろうかとも思います。ただ今回は先ほど申しましたように、影響を最小限度にとどめる範囲内におきまして、若干の財源を得たいという観点から、いわゆる通行税の外枠ということのみに今回はとどめたのであります。
  88. 大和与一

    大和与一君 ですから運賃体系を整備する、そういうふうな構想を持つたのではなくて、国鉄の収入を少しでも確保したい、それに社会的ないろいろなその他のことも考えた、そういうことを一番強く考えてお考えなつた、こういうふうに考えてよろしうございますか。
  89. 植田純一

    政府委員(植田純一君) そういう趣旨でございます。
  90. 大和与一

    大和与一君 そうすると非常に悪い言葉で言うと、まあ場当り的というか、取りあえず今の措置としてそうするのだから、そうすると引続き三等運賃を値上げするとか、そういうふうなことは恐らくないだろう、こういうふうに考えてよろしうございますか。
  91. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 只今お話申上げましたように、少くとも只今の情勢におきましては、国民生活に及ぼす影響から三等の旅客運賃は据え置く、値上げする時期でない、かような判断からこういう改正法案になつたわけであります。
  92. 大和与一

    大和与一君 今度の一等運賃を、三等運賃の三倍として考える、こういうふうな考え方に立つた場合に、航空機の運賃と比較して見ると、短距離ではちよつとそれでもまだ汽車のほうが高いけれども、東京—博多とか、東京—札幌、こういうふうな所を比較すると大分まだ安くなると思うのですが、そういうふうなお考えは全然ございませんか。三等運賃の三倍にするというような考え方……。
  93. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 確かに一等の運賃を、只今までの原則の四倍がいいか三倍がいいか、これは各国の事例を見ましても、相当議論があるところであろうと思います。ただ今回は只今申しましたように、通行税の関係のみの改正ということにいたしたようなわけでございまして、そういう点につきましては、今後の問題といたしまして研究すべき問題ではないか、かように考える次第でございます。
  94. 大和与一

    大和与一君 航空機のほうも今出発したばかりで、非常に経営というものはまだまだ健全ではないと思うんです。だから十分の補助をもらつて、それで運賃のほうは、できるだけ乗つてもらわないといかんから、勉強するというか、随分無理をする恰好になつておる。それで今度国鉄のほうがそれに対してやはり相当見合つた恰好で客の争奪戦が起ると思うんですが、我々このまま放つておいて、ただ考え方だけでやつて行くと相当の減収になつたりすると思うんですが、先ほど営業局長からもそういう点は考えると、こういうふうなお話がございましたが、今私が言つたようなことも一応お考えを頂いて、今後善処というか、適切にやつて頂きたいと思います。
  95. 高木正夫

    ○高木正夫君 今回の一、二等運賃の値上げによりまして、大体どのくらいの増収になつておりますか。お見込は。
  96. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 約二十億でございます。
  97. 高木正夫

    ○高木正夫君 多少根本的な問題に入るかも知れませんが、この運賃の値上げをしなくてはならないようになつた事情を、根本問題としては、先ほど御説明のありました通り、ほかの物価に比べて非常に安い、比較にならんほど安いんだ、だからまだ上げる余地があるということなんですが、併しこれは国民生活に及ぼす影響が非常に重大であるから、なかなかこれはちよつと簡単に行かないで、いつも問題になると思うんです。従つてそうすればどうしてやつて行けばいいかということになるわけですが、先ずそのどうしてやればいいかという問題の前に、先ほど申上げました一般の物価よりも比較的に安いということ以外に、運賃値上げをしなければならん事情というものがおありであればお聞かせを願いたい。
  98. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 実は国鉄の収益勘定の事情から申しますと、先ず第一に、いわゆる国鉄の施設が、御承知の通りの状況でございまして、非常に老朽化しているわけであります。これに対しまして、いわゆる設備の補充取替というものを極力やりまして、国鉄の施設の維持を図らなければならん、こういうような観点から実は減価償却費並びに特別補充取替費というものを毎年計上しているわけでございますが、従来計上いたしております算定の基準というものは、昭和二十四年現在の適正価格をもとにいたしまして、いわゆる第一次再評価の線におきましての数字を出しているわけでございます。今日の国鉄の実質的の資産の現状から見まして、この現状を維持するだけから申しましても、更に相当の金額が要るということで、実は現状の価格に換算いたしまして、これを維持しようと思いまするし、いわゆる実質的な減価償却、特別補充取替が約四百八十億くらい要るという計算になるわけであります。従来それを、今年は三百二十五億ございまするが、その程度つておるのでありまして、いわゆる補充取替不足というものが年々溜つておる勘定になつております。これを何とかしていい方向に持つて行きたいということで、勿論四百八十億一ぱい一ぱいということもこれは無理でございまするが、もう少し、もう百億近くは多く補充取替の費用に充てたいということが強い国鉄の要望であるわけでありまして、これは確かに是非必要なことであろうと実は私どもも考えておるわけでございます。更に御承知の給与改訂が昨年行われまして、その関係の増加というものが平年度に直しますと約百五十億余り要るわけなんであります。かような点からいたしまして、国鉄当局としましても、運賃値上げをしましてその費用を賄うという要望が出たわけでございます。勿論その前提といたしましては、極力収入の増を図る、又一面節約も極力やるということで考えておりまするが、どうしてもそういうような今申しました大きな点を考えて行くためには、どうしても運賃値上げをしなければならんということで要望が出て参つたわけでありまするが、さつき申しましたように、一般的な影響から考えまして、一般的な運賃値上げはこの際は抑えるべきであるということで、減価償却もできるだけ少くして、これも結局は従来のベース、従来の考え方通りに我慢してもらうという考え方に立ちまして、なお且つ或る程度の財源がどうしても要るというようなことを睨み合せまして、一、二等だけでも運賃値上げは止むを得ないという結果になつたわけであります。
  99. 高木正夫

    ○高木正夫君 私は最近の情勢から見て、どうしてもそういうことが必要だと思うのです。この程度のもので行くなら結構だと思うのですが、今日は余り深うは入らんと思うのですが、国鉄の運営が相当転換期に来ているのじやないか。これは一私見ですが、航空の発達又道路交通の発達から見て、非常な転換期に来ているのじやないか、このままで推して行くと行き詰つてどうにもならんような事態が来るのじやないかということを考えるわけであります。そういうことについて十分に今から皆さんが、これは国鉄総裁もおいでになつておりますが、この前の国会で私は運輸委員としてお尋ねしたことがあるのです。十分一つ考えおき願つておると思うのですが、併しそれは根本問題になりますので、予算委員会でお尋ね申上げるか、又他日に譲ることにして本日はこの限りにとどめておきたいと思います。  ただ幸い国鉄総裁がおいでになるので、この間私が本会議で質問したことで一遍御意見を承わてておきたいと思うのです。ということは、これもやはり国鉄経営の一端になると思うのですが、私は大きな高所から考えまして、新線建設をすることはもうよろしくない。大臣の答弁は甚だ私とは意見を異にするものですが、私はもう国有鉄道に負担を非常に重課して、而も建設費に普通の道路よりも十倍ほどの費用をかけてやるということは、日本全体のためにはならん。それよりも道路をよくしてバスやトラツクでやつたほうがいいじやないかという考えを持つておるわけですが、これにはいろいろ議員諸君でも反対の人があると思いますが、まじめに考えたときには、そういう結論がどうしても私としては出て来るのですが、総裁としてはこの点についてどういうようなお考えであるか、一つ長崎さんの意見をお聞きしておきたいと思うのです。
  100. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) お答えいたします。私は今の高木さんの御意見には全面的には賛成いたしかねます。と申しますことは、成るほどヨーロツパ等におきましては、今日新線の建設なんということはいたしておりません。併しやはりインドネシアであるとか、或いはアフリカであるとかいうような所は新線の建設をいたしております。丁度その真中ほどにあるところの日本はまだやはり新線建設が要るのじやないか。と申しますことは、電源の開発にいたしましても、或いは国土開発にいたしましても、鉄道なしには私はできないのじやないか。高木さんがおつしやるような道路では完全には行かないのじやないか。そういうことによりまして、今まで眠つてつた水が動力になる、或いは今まで眠つてつた森林が開発されるというような面で、国全体として私は利益があるのじやないかと思います。不幸にして今日のやり方には不満であります。国有鉄道に全面的に負担をかけて、その損失において国家が得をするということは、これはパブリツク・コーポレーシヨンの建前から申しまして、いわゆる独立採算制という点から申しますと、私はそのやり方は何か改正しなければならんということを考えております。殊に、ついでに申上げますが、さつき道路運送のお話がございましたが、高木さん御承知のように、運送というのは非常に面白いのでありまして、船舶は船しか持つてない、港も燈台も誰かほかの人が作つている。それから航空もそうであります。空港、或いはビーコンというようなものはほかの人が敷設する。航空機だけ持つていればいい。バス、トラツクも同様でございます。ところがどういうわけか、鉄道だけが何から何まで全部自分が負担しなければならないということになつております。これは恐らく鉄道というものは陸上交通の独占企業であつたという点に根拠があるのではないかと思います。ところが高木さん仰せの通り、今日はだんだん鉄道の独占的性格が薄らぎまして、非常にバス、トラツクに競争されるということになつておりますので、そういう点についても私は大きな転換点に、仰せの通り転換点に立つておるのではないか。これはやはり国の交通政策として考え直す必要があるのではないか。なお私は道路交通と鉄道というもの、それでは鉄道は全然なくていいかと申しますと、これは千万年も持つものではありませんが、まだまだ鉄道の必要はあると思います。幾らバス道路が発達いたしましても、バルキーな貨物の問題とか、或いは朝夕のラツシユ・アワーとかというものは、どうしてもバス、トラツクでは解決つかない。でありますから道路運送と鉄道運送をどう結付けるか、どういうふうにして協力させるかということが、これはちよつと私の領域から離れた交通運輸の根本政策になりますから、これは運輸大臣の畑でございますが、まあ私としてはそういうことを考えておかなければならんと思つて、そういう方面にいろいろの研究もさせ、実際にもできるだけそういう方面に伺つて努力をして行きたい、かように考えております。
  101. 高木正夫

    ○高木正夫君 大体よくわかりました。わかりましたが、まだ私と意見を異にする点があると思うのですが、今日ここで論ずるのもどうかと思いますが、私先ほど申しましたのは、建設線を一切やめるというのではないのでして、従来の国有鉄道の線路の短絡とか、国有鉄道の採算に都合のいいような所はやらなければならない。又すでに着手した所はもとよりであります。それから電源開発とか、そういう特殊の使命を持つたものは、鉄道でなくちやならん所はやらなければならんと思うのですが、今日のあの表を見てみると、必ずしもそうはなつていない。いろいろの政情の動きによつて左右される点があるのではないか。ここは少し言い過ぎかも知れないけれども、そういう点も相当考えなければならないのじやないかという考えを持つているわけなんです。それから道路交通と鉄道との関係は、私は道路交通に比して鉄道は非常に長足の諸外国に劣らんくらいまで興つている。もう少しここで道路交通というものを盛んにしなければならん、これは又運輸大臣のほうの意見があると思うのですが、この点もう少し……、総裁といたしましても、関係認めているわけですね。要するにこの問題は相当大きな問題でありまして、今日の議題になつている問題とは大分遠ざかりますので、その点につきましては又日を改めて質問をいたしたいと思います。
  102. 森田義衞

    ○森田義衞君 先ほど岡田委員からちよつと触れられたようですが、一等の旅客でありますが、無賃旅客が大分あるのですが、そうでなくて本当の有賃旅客の客席に対する乗車効率といいますか、どれくらいになつておりますか。
  103. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) 有賃の一等旅客の乗効率の数字ちよつと持つておりませんので、改めて……。
  104. 森田義衞

    ○森田義衞君 それからこれも或いは資料をお持ちにならないかと思いますが、外国人が一等に、まあ勘でも結構ですが、どれくらい乗つておられるかおわかりでしようか。
  105. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) 申上げる資料は持つておりませんのですが、大体旅客で、二十七年のたしか実績と思いますが、二千人くらいがいわゆる一般の団体扱いとして乗つております。最近は大分殖えておりますが、これは一等ばかりでなく、特二を利用する者も相当多いのでございますが、一等についての正確な数字只今ここに持つておりません。
  106. 森田義衞

    ○森田義衞君 長崎総裁は絶対のサービスとおつしやつて、いろいろとサービスの改善にお努めになつていることは、いわゆる何といいますか、一、二等優待といつたことでなくして、或いは通勤なり通学なりいろいろな面におきまする国鉄のサービスの改善だろうと私は考えるのですが、その点資金上なかなか行きかねておられるということはよくわかりますが、そういつたことで、今回の二割程度一、二等運賃が上る、或いは寝台も上るとなりますと、やはりこれは利用される方は特定の客でないかといつたことを私は考える。但し運賃は高いからペイされているといつた面もあるかも知れませんが、昔は三等寝台というものがあつた。長距離の客ならば確かにああやつてつて行くことも相当苦痛を感じますし、或いは又何と申しますか、座席以上の客があるといつたことも放任されているといつたことで、そういつた点で、そういつた客も少しは考えてやるといつた面から、三等寝台といつた、いわゆるこれも少しはサービスが全般に行き亘つていないときに、そこまで行けないといつた御議論もあると思いますが、一部はそういつたために客車を改造するとかいつた点にお考えがありましようかどうか、ちよつとお伺いしたい。
  107. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) サービスの点につきましては、何と言いましても輸送を十分にする、長距離の客は勿論座つて行ける。通勤の客もあんなひどい混み方は絶対になくするというように、要するに輸送に気を付けるということがサービスの最も根本だろうということは、私どもも考えておるのでございますが、御承知のような事情で、なかなか車両といい、設備といい、十分なところに行かんのは誠に遺憾に思つている次第でございます。従いましていろいろサービスの面でもしたいと思うこともできかねておる状態でございますが、只今お話のございました三等寝台につきましても、かねていつかはこういつた点も考えたいとは研究しておる次第でございます。曽つてつたような三等寝台がいいか、或いは三等のいわゆる優等車、寄り掛るようなシートの三等車がいいかというような点についても研究はいたしておるのでありますが、何といいましても目下の状態では長距離の三等のお客さんが立つて行かなければならんというような悲しい状態でございますので、先ずそういつた面を解消しまして、然る後に更に一段とサービスを向上して、寝台車なり優等車というところまで考えて行きたいと思つているわけでございます。この三等寝台にしましても、特殊の三等のサービスのための車にしましても、僅かばかりつけたのでは、結局幹線だけを走るというようなことになりまして、全体にはなかなか行き亘らないと思うのでございますので、今申上げましたように先ず客車を整備して、長距離のお客さんは少くとも座つて行けるという程度まで確保し、その後にだんだん進んでサービス改善を考えて行きたい、かように考えておる次第でございます。
  108. 森田義衞

    ○森田義衞君 ちよつと私個人の意見になりまして非常に恐れ入りますが、二等寝台、一等寝台が現実にあるといつたところで、客車の編成上増結もきかないだろう、そうなれば三等寝台は、三等車の一般の車体を削らなければ連結ができないといつた面もございましようが、日本の今の耐乏生活と申しますか、レベルと申しますか、普通ならば二等寝台が三等寝台であつて、一等寝台が二等寝台であるといつたところが日本の普通の姿じやないか、仮にまあ外人その他の関係におきまして特殊の考慮を加えなければならん面もございましようが、そういつた意味合いから急に何といいますか、三等寝台を全国的に復活しろということを申しておるわけじやない。いつでもそういつた連結の希望区間がほかにあつても、二等でもやめないと連結できないといつたような所があると思いますが、むしろそういつたような大衆に近いサービスで、或る程度採算も合うといつたようなことをむしろ御検討願いたい。そういつた意味合いにおいて御検討つておるかどうか、もう一遍伺いたい。
  109. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) 三等旅客のサービスということにつきましては、勿論一般の大衆のサービスでございまして、是非優先的に考えなければならんと思つているのでございます。従いまして三等寝台或いは優等車といつたようなものをやりたいということはかねがね考え、殊に本年度あたりからも相当或る程度の、具体化すればどのくらい金があればどういう所をやるかといいうような点も、相当研究しているのでございまして、許されればできるだけ早い機会にそういう点で実現して行きたいという程度には考えているのでございますが、差当つてのところといたしましては、殊に本年度の緊縮の予算というようなものにおきましては、客車の廃車を補充するのがせいぜいというような程度でございますので、この際そこまで実現するということはどうかというわけで、只今すぐ実現するという段階には行つておらない実情でございます。
  110. 森田義衞

    ○森田義衞君 私は一、二等で以て少しばかりそういつた料金なり運賃を上げてもらう政策よりは、やはり本当にコストが足りなくて、実際に国鉄が合理的経営をやつておれば、或る程度まで可能なような、又大衆にサービスができるような運賃の値上げをしてもいいのではないか、それにはこういつた一、二等のサービスよりは、むしろ三等サービスその他をやつて、そうして初めて運賃値上げの一般大衆の何と申しますか、世論も沸いて来るのじやないかといつた感じがするので、むしろ余りいい行き方じやないという感じがしておるのでありまして、国鉄御当局もそうだつたと思いますが、そういつた意味合いにおきまして特に何といいますか、今後のサービス改善は、長崎総裁が前からのモツトーとされておるような点で、お金をおかけにならないのでございましようか、極力重点を三等車におとりになるだろうと想像しますが、むしろこういう方面にお使いを願いたいということを希望しておきます。
  111. 一松政二

    ○一松政二君 二十億円の増収を若し国鉄全体の旅客収入に按分したら、一体何パーセントになるのか、或いは何か計算がございますか。
  112. 石井昭正

    説明員(石井昭正君) 全体の旅客収入の点から申しますと、大体正確には一・五%から、若干その上程度であります。
  113. 一松政二

    ○一松政二君 そうすると一%か一%半くらいな運賃の値上げなら殆んど値上げというほどの声を聞かずして私はむしろ行かられるのじやないか。何だか一、二等だけを二割上げたということは、上げたというよりも、全部をひつくるめて僅かに一%か一%半上げたといいますか、これは人によつて受ける感じが違うか存じませんが、国鉄は端的に一、二を二割上げたという感じを持たせるよりも、国民の受入れる感じが少なくて済むのじやないか。これは人によつて感じが違いますが、運輸省はこれをどういうふうにお考えになつておるか承わりたい。
  114. 石井昭正

    説明員(石井昭正君) 確かに全体の旅客収入からみれば、非常に小さな割合でございますので、そういう表現のほうがやわらかいとも思いますが、ただ三等の運賃、一般大衆に対する運賃は事実において上げておりません。一、二等だけを上げた、こういうようなわけでございますので、そのまま実は説明しておるわけでございます。
  115. 一松政二

    ○一松政二君 それは一応いわゆる大衆に媚るというか、結局何かの行きがかりで、まあ殆んど八五%じやないかと思いますが、三等はそれは上げないのだ、あとの一割五分か、そこいらの普通に考えれば多少上層階級という言葉を使つていいかどうか存じませんが、そういうものの負担だから構わないのだ、だから、その面だけを上げて大衆は上げなかつたということの考え方で、こういう措置をとられたのだろうと思いますけれども、私は国鉄は運賃を上げたという印象を与えておると思うのです。一、二等の旅客は、外人は別問題として、多くの場合にあてはめて言えば、今日の流行言葉で言えば、公用族、社用族が乗つておるのです。本当に自己のふところで、そうしてまあ多少金を儲けたような人は家族連れで乗るかも知れませんが、大体旅費を会社負担或いは国家負担で乗つておる人がかなり私は多いと思うのです。だからそれは結局廻り廻つて、消費の節約というような意味と運賃値上げは直接関連はないといたしましても、これは結局国の費用なり、会社の費用なりで以て賄われているのであつて、これはいわゆる会社の経費なり、国の経費を増すほうに近いほうだ。そうして一方には値上げという印象を与えておる。国鉄のほうから考えれば、恐らく通行税を外枠にしたんだと、運賃値上げしたんじやないというのは、これは玄人にはわかつても素人にはわからんです。運輸省はなぜ三等には通行税がなくて、一、二等だけに通行税を残されたことについて、行政的に、大蔵省或いは閣内において、これを廃止するということに対して、どれだけの努力を払われたか、御見解を承わりたい。
  116. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 確かにこの通行税は三等もかかつてつたわけでありますが、三等には廃止になりまして、一、二等だけ残つておるわけでございます。通行税につきましては、実は今日のいわゆる交通機関の発達の状態から見まして、通行税というものは廃止すべきではないかということを、かねてから意見を持つておりまして、この点につきましては、機会ある毎に大蔵当局に折衝いたしておりますし、そういう問題を提起いたしておりまするが、今日財源を多少でも求めるということにつきましては、非常にむずかしい情勢でありますので、全面的の廃止ということは、政府部内におきまして話がついておらないわけであります。併し例えば航空関係におきまして、一部分割合が低くなつたというふうなこともございますし、この通行税というものにつきましては、その廃止の方向に実は運輸省当局といたしましては、今後もつて行きたいというふうに考えておるわけでございます。
  117. 一松政二

    ○一松政二君 三等には通行税がなくて、一、二等だけに通行税があるということに対しては、これは甚だ不公平といいますか、いわゆる考え方が、砕いた言葉で言えば、大衆に媚びる政策ということになるのか、どうも割切れないと思う。あるなら全部にあるべきであつて、而もその通行税は多分料金に比例したのであろうと思うが、一、二、三等に通行税があるのならこれはわかるけれども、三等になくて、一、二等だけに通行税が残つておるということは、これは一部の国民だけにそういう通行税を課して、大部分の人間には通行税を課さないというのは、これは甚だ不公平ではないですか。これは運輸当局、運輸省に聞くということは多少筋違いと思うけれども、こういうことは非常に論じられなければ、通行税がないことは、国鉄としても希望なんだろうと思うのですが、そういう考え方を運輸当局としては是認されますか、是認されませんか。
  118. 植田純一

    政府委員(植田純一君) 只今質問が出ましたように、船には一等だけ通行税がある、こういう状態でございます。従いまして、いわゆる高級なものだけ残つているわけでございますが、只今御指摘の通り、通行税というものは根本的に果してどういう、何といいますか、存在理由があるかということにつきましては、御指摘の通り私どもも運輸部内におきましては、いろいろ議論もしておりますし、只今申上げましたように、これは廃止されて然るべきものではないか。三等のみならず全部廃止されて然るべきでないかという見解を持つて、部内におきまして検討をいたしておるのでありますが、ただ財源という観点からして、全面的に廃止という方向には至つておらないというのが現状でございます。
  119. 一松政二

    ○一松政二君 私は運輸行政は、船にしても飛行機にしても、国鉄にしても、これは要するに交通運輸に関する限りは運輸省の所管であると思うのです。従つて通行税が悪税であるということは、これはもうたしか日露戦争か何かのあとに起つた税金だと思うのですが、相当悪税である、悪税であるということで、幾度か、戦前なくなつたこともあるのだが、今度の第二次世界戦争の結果そういうことが起つたのではなかろうかということを私は考えておるのだが、一部を軽減するなら全部に亘つて軽減するがよろしいし、一部にないなら全般にないのが当り前であつて、税率で加減するのなら話はわかりますけれども、三等にだけなくして、船は一等にあり、汽車は一、二等にあり、飛行機のほうはこれは一割にしたというのは、これはとても筋の通らない税金なんでありますから、こういう運賃の値上げをしなければならんというような機会には、私は当然その方面努力をなすべきであつて、ただ枠外に持つてつた、或いはまあこつちが、国鉄のほうが少しずるく考えて、こういうことにしておけば輿論がますますやかましくなつて来たら廃止に持つて行けるのではないかというようなお考えも或いはあるのではないかと思いますが、これは運輸省の努力の点において甚だ遺憾に考えるわけであります。だからもう一段の努力を希望いたします。この通行税の問題はこの程度にしておきますが、たまたま森田さんから触れられた三等の寝台車というものは私は相当ペイするであろうと思う。国鉄の運賃の中で、一般運賃がほかの割合に比して安い安いとおつしやるけれども、寝台券だけは決して安くない。寝台券だけは元の三円と四円五十銭のものから見れば大体五百倍になつておる。決して安くない。だから三等の寝台があれば、これは二等の客はがらがらに減ると思う。二等で、特二で行くよりは三等で寝て行つたほうがよほどいい。そうして旅行する人も金が少くて助かるわけであります。特二などに、ああした最初のスタートが間違つたのかどうか知りませんけれども、えらいローヤルテイをとられて、特二を一生懸命おやりになつて、一部の人に奉公したのか、アメリカに奉公したのか知りませんが、夜行の特二よりも私は三等の寝台車を殖やすべきであると考える。それも私は寝台券を五百倍にしたということは甚だどうも附に落ちないけれども、仮に五百倍にしておきましても、非常に利用者は私は三等は多かろうと思う。従つて特二にかける金があるなら、私は三等の寝台車を作るべきであろうと思う。今日は特二が随分各本線の急行には殆んどついている。特二のついておることはよろしいけれども、場所によつてな或いは特二がそれほど利用されていない線がありはしないか。これは私は乗つたことがないから、国鉄のほうが一番御承知なんだから、私はその点ははつきりもしませんけれども、特二に使つた国鉄の経費は相当大きかろうと思うのであります。でありますから、その一部を割いてでも私は三等寝台車は至急に建造すべし、ほかのものに対してサービスがかなり進んで参りましたけれども、三等寝台は前にあつて、私どもも随分三等寝台では便利で、安くて、利用者が非常にあつたと思うのです。それが戦後一つも復旧を見ないということは、ほかのものの復旧の割合にそれが復元していないということに対しては、私は甚だ遺憾に考えるわけです。僅か二十億の通行税を外枠にして、私はこの運賃値上げの印象を与えているということに対しては、私は甚だ策を得たものではない。通行税を廃止させる狙いが別にあるなら、これはどうも或いは苦肉の策として一応考えられるべきことでありますけれども、一時も早く通行税を廃止して、一等は形の上では四倍になつているが、一等の収入がそれだけあるかどうかということは、私はかなり疑問だと思うのですが、二割上げたという印象を国民に与えたことは、余りいい効果ではないように思うのです。大体私は値上げという印象を与えて、而も収入は大したことはないのですから、このくらいならばむしろ上げずに通行税廃止を叫んでもらいたかつた。併し予算にも計上してこういう法案を一応出されて、衆議院も通つているということでありますから、私一人反対するほどの問題でもないと思うから、一応了承しますが、私の質問は法案に関する限りは、一応この程度でよいと思います。
  120. 大和与一

    大和与一君 運賃法の質問は今日はこれで打切つてもらつて、私はかねてから質問を通告してありますから、運輸一般の問題について一つつて頂きたい。私の一つの希望は一等車の乗客で無賃乗車証によつてどれだけ利用しているかということ、それだけお願いしておきます。
  121. 前田穰

    委員長前田穰君) 今あなたの言う意味は、運賃関係質問はもういいというのですか。
  122. 大和与一

    大和与一君 まだ終りではないけれども、一応今日はこれくらいで打切つてもらつて、前から頼んであるから、そのほうの質問に入つて頂ければいいというのです。
  123. 前田穰

    委員長前田穰君) 議題を変えろというのですか。
  124. 大和与一

    大和与一君 そういう意味です。
  125. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  126. 前田穰

    委員長前田穰君) 速記を始めて。
  127. 木島虎藏

    ○木島虎藏君 この運賃値上げにまあ関連してと申しますか、多少の関連を以て、この輸送面からの増収計画、或いはサービスの向上というようなことで何か御計画がございますか。
  128. 唐沢勲

    説明員(唐沢勲君) 増収対策或いはサービス向上ということについてでございますが、今年のこういう苦しい予算でございますと、どうしても増収は輸送力を増強するということが根本だと思います。その点が増収に見合うといいますか、増収を図るような思い切つた改善については、施設なり車両ができませんので、大幅な増収になかなか困難だろうと思つておる次第でございます。従いまして従来とも考えておりましたような、やはり貨物でいいますれば貨車の効率をよくするとか、或いは繁忙期の輸送をつまり閑散期に繰越す問題であるとかいうようなものをやはり遂行して行くというような、従来と大同小異のやり方、旅客でいいますれば、やはり繁忙期の団体などを閑散期へ持つて行くというようなことをするとか、或いは先ほどもお話がございましたように、客車の運用効率を高めるといつたような方法をとるということになるだろうと思います。そのほかいろいろの雑収入方面などにおける増収を図るというようなことを推し進めて行く、又、併し車のほうにおきましても、相当すでに皆様に御了解願つておりまする通り、車その他の施設におきましても、相当取替不足といいますか、償却不足で弱つておりますが、それもできるだけ特別の修繕をするなりして延命策を講ずる、或いは車の新製と廃車をうまく噛み合せまして、繁忙期の輸送にはできるだけ車が使えるようにするというようなわけで、乏しい中で極力知恵をしぼつて増収を図りたいというような考えでおります。又サービスの面におきましては、まあ輸送の確保ということがやはりサービスの根本となると思うのでございますが、通勤の面におきましては電車を相当殖やすというようなことも考えております。それからヂーゼル自動車などもできるだけ確保しまして、各方面からの要望にできるだけ副うように努力をしたいと思います。又電化なども、これも一つのサービスかと思うのでありますが、極力この方面にも従来の計画かそう車が歪められずに遂行できるようにやつて行きたい、かように考えておる次第でございます。   —————————————
  129. 前田穰

    委員長前田穰君) それでは運賃法に関する件は、本日はこの程度にとどめまして、運輸一般事情に関する調査を議題といたします。
  130. 一松政二

    ○一松政二君 運輸政務次官にお尋ねしますが、次官の御出身であり、私も同様ですが、大分県の、大分県というか、県を挙げれば何ですが、いわゆる日豊本線の、殊に大分—門司間、或いはそれは門司—行橋、或いは門司—柳ケ浦、門司—別府、門司—大分の線は殆んど輸送力がもう頂点に来てしまつておる、どうにもならん状態になつておると私は考えますが、運輸政務次官は如何にお考えになりますか。
  131. 西村英一

    政府委員(西村英一君) 私も非常に最近の詳しいことは知りませんが、日豊線の小倉—行橋間は全国でも有数な混雑度の高い所でありますが、これは問題のある所であります。それから又日豊線小倉から中津、更に延長して大分までと申しますか、そのうちで行橋までは、これは全国でも有数な混雑する所であります。これは北九州の工場地帯を控えておりますから、それでこの区域につきましては複線化ということが相当に考えられなければならないのでありますが、なかなか財政の問題でうまく行かないというのですが、取りあえず国有鉄道では信号所を作りまして、列車の数を殖やすというようなことを小倉—行橋間については考えておるようであります。併しこれによりまして何らかやはり列車回数が殖えると思いますか、非常に日豊線は、私はこれは郷里でもございますので、いろいろ陳情等も受けております。甚だ虐待視されておつたのでありまするが、併し国有鉄道の当局も非常に認めまして、先には急行列車を通して頂きまして、それから又準急等も相当に便利よく只今のところはやつておるわけでございます。併し今後はやはり少くとも小倉から行橋、乃至大分、乃至進みますれば更に遠くまでこれが複線化ということが必要になつて来るのじやないか、こういうふうに思いまするが、やはり莫大な資金が要ることでありまするから、急速にはなかなか行かないと思います。十分認識はいたしておるつもりでございます。
  132. 一松政二

    ○一松政二君 私はそれでは国鉄総裁から一つ承わりたいが、今の政務次官のお答えによりますと、成るほど信号所は三つも四つももうすでにできておりますが、もうその信号所ではどうにもならん段階に来ておる。そうして又工場も拡張され、それから発電所も増設されておつて、石炭業者からの陳情もそれはどうにもならんという状態で、工場はできても輸送力がない。それから今度はもう一つは北九州に向つての通勤者が多い。それから急行も準急も成るほどありますが、もう上りの急行などになるというと、もう途中の中津方面からのお客さんは乗れない、前の汽車で門司かどこかへ行つてつている以外には、自分の駅には急行が折角とまつてもドアーも開かない状態であります。これは特別に少い時はそうでもありますまいが、ホームはそういつたような状態で、そうして朝晩の通勤では、東京の学生などで一番のラツシユ・アワーになつている時と同様の状態であります。殆んどはみ出すような状態で、どうにもならんというのが現状なんです。これを更に三年も五年も先にやつてつてはどうなるかということは、あの地方におる人の非常に憂慮に堪えないところなんです。而もそれによつて非常に産業に支障がある。刈田港なら刈田港でもどしどし計画通り進めておるが、背後の輸送力がこれに伴わなければ港湾の能力は発揮されないわけであります。灰かに聞くところでは、いわゆる五年計画というものに一応考えてはおるそうでありますけれども、それをはつきりどの程度考えておるか、北九州と言えば全国有数の工業地帯である。万事に劣らない所、而も石炭の非常に出る所でありますから、これの輸送力というものは当然考えなければならない。それが今度は日豊線の大分くらいまでは、各地に工場が興りつつある、或いは増設されつつある、これの輸送力を確保しなければならんのです。むろん全国的にいろいろの問題もありますけれども、これに対応すべくどういう計画を持つておるか、総裁から一つお答えを願いたい。
  133. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 北九州の問題は、過般の水害の際に私参りまして見て来ております。相当ひどい混雑振りであることも聞いております。従いましてこれに対する対応措置というようなものは早急に講じなくちやならんということは考えておるのでございます。又お話のございました刈田港の背後の輸送力というようなものについては、これ又実際考えておるのであります。ただこれらが早急に、実現を私は希望いたしておりますが、資金等の面が非常に窮屈でございまして、どうしても早くはできないということは非常に遺憾でございます。何とかして資金を調達して早い機会に実現を図つて行きたいということは考えておる次第であります。
  134. 一松政二

    ○一松政二君 今の国鉄の総裁は、頗る私は、まあそう具体的にはお答えもむずかしかろうと思いますけれども、電化の問題、或いは特急車或いは旅客のサービスということも私は絶対に必要なことであるとは考えます。決して疎かにすべきではないが、輸送力の増強ということは、増強というか、輸送力のすでに頂点に達しておるところの輸送力、そこはますます将来まだ荷物の往復の殖える所ですから、これは又収入の源泉にもなる。単なるサービスと違います。従つてこれらの増強は、先ほど高木委員からも触れられましたけれども、新線を非常に要望しておる所から言えば又別の意見があるかも知れませんが、新線の建設或いはサービスの改善というようなところよりも、むしろそういう方面が焦眉の急じやないかと私は考えます。で、複線に直ちにしようと思いましても、これは又一朝一夕にできるものではない。用地の買収にしましても、路線をつけるにしても、これは一日も早く私は具体的な計画を定められて、そうして処置をとつてもらいたい。成るほどいろいろ問題もあつて、或いは東北線が虐待されておるとか、或いは高崎線が京浜線と違うとか、いろいろ御議論も承わつておりますが、この間もそういう問題のときに一言私は申上げたのだけれども、少くとも大分までの日豊線は、又大分の先にも昔の軍需工場の跡がだんだんこれが工場に使用され、或いは拡張されつあるわけですから、これの輸送力の確保ということは、私は今から仮に計画を立てたつてそう二年や三年でできるわけじやない。結局五カ年なら五カ年計画の中にはつきり織込んで頂かなければ、五年先になつても実現ができない。今日もうすでにこういうことになつておるのですから、五年先に実現するということはなかなか待遠しい話ですけれども、併しこれは計画を立てても五年かかると言えば、それで仕方がないわけですが、ただ単なる一地方の問題とお考えにならずして、国鉄の全部の収入源でもあるし、それから国鉄の使命に鑑みまして、私は一日も早くこれを具体的に何カ年計画というものを国鉄としてはお持ちになつているはずなんですから、そのお持ちの計画の中に今日只今から入れるように一つ努力をして頂きたい。それに対する国鉄総裁のこれに対処する心構えを一つもう一度承わらして頂きたいと思います。
  135. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 先ほど申上げました通り、この問題は十分に私承知いたしておりますので、五カ年計画は目下試案を作成中でございますが、それが根本的にきまるときには恐らくこれは無論入ることと考えます。
  136. 一松政二

    ○一松政二君 今の国鉄の総裁の御答弁を以て了承いたしましたから、私はこの問題に関する限り、今日はこれを以て終つておきたいと思います。
  137. 大和与一

    大和与一君 今の話に関連するのですが、国鉄の経営について、いろいろと最近増収があるというので喜んでおられるか知れませんが、儲かつているような線は主要な幹線が幾つか数えられるだけだと思います。ところが実際は今のように日本の道路が悪くて、自動車も必ずしも最上のサービスではないと私どもは思いますけれども、それがだんだんと国鉄の客を実際に奪つておる。国鉄の輸送力がだんだんなくなりつつある。これは現実だと思います。そういうことがわかつておりながら、若干増収があるからといつていい気になつておるというほどでもないでしようけれども、どうも少し甘い考えで国鉄経営全体に対しておられるのではないか。今の中央と地方とアンバランスの問題もありますが、それではそういうことを具体的に解決促進するために、例えば線路を余計敷くとか、或いはスピード・アツプとか、或いは客車の運用効率をよくするとか、間合いを縮めるとか、こういうようなことは当然常識として考えられるけれども、そんなことはもつと道路がよくなつたり、自動車がよくなれば、これはもつともつと自動車に圧迫をされる、こういう状態が来ると思うのです。例えば上野—小山—高崎というような環状線がある。こんな所へ幾ら急速車を走らしても、実際に小山と高崎の間の前橋、伊勢崎、桐生、佐野、栃木なんという所のお客さんは東武とか自動車でどんどん来てしまう。こういうふうに非常に困難な形になつておると思うのですが、このままにしておつたんでは恐らく国鉄がだんだんと、一時的な団体旅客による増収はあつても、決してそれは根本的な問題でないと思いますが、その点はどのようにお考えになつておるか、その侵蝕されつつある具体的事実をお認めになるかどうか。
  138. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) これは先ほど高木委員の御質問に対してもお答えしたのでありますが、はつきりと私はバス、トラツク等の道路運送と鉄道運送というものの関係というものを調節しなくちやならんのではないか、侵蝕されていることは事実であろうと思います。併しながら、といつて、陸上輸送とか鉄道輸送というものが無用になるという時期はそう速急に来るものではない。ここにおいてか、道路運送と鉄道運送というものの関係をどう調節するかという交通政策一般の問題になるだろうと思います。私の今考えておりますることは、これはまあ運輸省でお考えになることでありますが、国鉄の責任を持つておる私といたしましては、お話の通りこのまま放擲しておればだんだん困難になつて行くということははつきりいたしておるのであります。従いましてこれに対する対策として、或いはヂーゼル・カーを動かすとか、或い電化をやるとかいろいろな方法もございます。同時に今まではとかくバス、トラツクと国鉄とは競争するというふうな考えでおりましたけれども、それはいけないのであつて、国家全般の経済から申しますと、道路運送と国鉄とどう結付けるか、どう共同して行くかというふうな方向に観点を向けなくちやならんじやないかと思つております。但し、これにつきましては、大和委員も御承知のように、ヤード或いは貨物駅というものと道路運送というものの結付きが、昔の荷馬車式な考えでおるのでありまして、これは大きな改善を加えなければならん。それについて資金が又相当に要るのでありまして、その資金のでき次第、そのように改善して行かなければならんのじやないかと、できるだけ道路運送と鉄道運送というものの協同態勢を作つて行きたい、こういうふうに考えております。
  139. 大和与一

    大和与一君 私は鉄道行政というか、それが絶対に必要だという立場で話しておるわけです。それでこの交通政策の問題だと言われますが、その点は運輸委員会でも私は大臣に何遍かお尋ねしておりますけれども、その全日本の陸上交通、或いはもつと小さく言つても東京都市交通だけでも、全体を具体的にコントロールする、マネージメントするというお考えが、お答えが今までは残念ながら具体的にないわけであります。従つてそういうような窮屈な形で、例えば一つの常識で若しも道路が平坦であれば二百キロまでは当然自動車が優先する、これは通説になつておるわけであります。そういうことになつたときに鉄道として起死回生の妙案があるかというとなかなかないわけであります。私は今言つた話もわかるけれども、鉄道もやはり自動車を持つておるのだから、昔の監督行政というか、その意味から言うと、例えば平行線はちよつと困るとか、いろいろな、一つの形があつたとすればそれがだんだんと変つて来て、まあ民間の声が強いというか、民主的になつたというか、もうそういうことは別として、いろいろなほかの角度からもこれは実際に需要が多くなればそういうふうになつて来ると思うのですけれども、そういうふうになつて来ておるとすれば、やはり自動車で対抗するということも考えられる。そういう工合に国鉄の今の自動車行政といいますか、営業政策というものが、どうも私は消極的であつていかんのじやないかと思う。あちこちの自動車事務所へ行きましても、まだまだ野ざらしになつていて倉庫もない。それぞれの事務所で独立採算制と言つておるけれども、やはり従業員は火の玉になつて一生懸命やつておる。こういう所だけは何とかうまく行つておる。併しこういう所も自己を犠牲にして一生懸命やつておるということは御承知の通りだと思います。もう少しこれは中央で掌握して、やはり鉄道と自動車のほうももつと商売をうんとよくやるようにその計画をされ、又実行をされなければいかんじやないかと、その点はどうもこれは極めて不十分であつて、通説に従えば、民間のほうの力の圧迫が非常に強いために国鉄の自動車はだんだんにしぼんでしまう。そうすると鉄道だけではどうにもならん。今言つたように限度が考えられる。こうなるとますますしぼんでしまう。そうすれば一国の産業を興すための鉄道の使命というものも、又その使命がだんだんと弱くなつて行く、こういうふうに考えるわけであります。それで自動車行政、自動車営業政策というか、そういうようなものに対してもつと積極的な態度、又総裁はその意味においてパリに行かれて十分新らしい鉄道経営も御研究になつたと思う。大分日がたちましたからその具体的な国鉄経営の健全化、或いは収支の増収などのために、もうやや具体的なお話を承わることができれば非常に幸いだと思います。
  140. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 今のお話非常に同感な点がございます。但しフランス国有鉄道などは政府との協約であつたと思いますが、で、自動車事業の経営を禁止されております。そういう所もあるのであります。で、まあこれは別途の方法で子会社のようなものを作つて自動車運送をやつておりますが、併しそう大部のものじやございません。又その国鉄の自動車との共同ということだけじやなしに、民間の自動車との共同も考えていいのじやないかと私は考えております。そこで先ほど来申上げましたように、もはや今日の交通状態は、政策上の大きな転換をしなくつちやならんのじやないかと思う。そういう大きな観点から一遍見直してみなければならんというふうに考えております。現にフランスの国鉄などは線路を外すといいますか、休止して貨物輸送をやめておる所もあります。それをトラツクに任せてしまう。或いは旅客輸送についてもそういうことがございます。これはまあ話はいろいろ細かくなりますが、今の儲からない線路で、而もそれがバス或いはトラツクで賄えるものだつたら、これから減価償却をして行くことによつてむしろ損失を重ねて行くのじやないかというようにも考えられるのでありまして、そういう点もう少し詳細に私調べてみたいと考えております。非常に複雑でございまして、運賃との関係もあり、いろいろ諸問題がございまして、ちよつとここに簡単に申上げられません。併しながらそういう研究を進めて行きたい。而も事態は非常な大転換を要するのではないかということは深く感じております。簡単でございますけれども、いずれ又機会がございますれば、ゆつくり私は御説明申上げたいと思つております。
  141. 大和与一

    大和与一君 そこでまあ一つ、これからの国鉄の経営を健全にするために、一つの壁としては公共企業体等労働関係法があるのではないか。この前の委員会では総裁は、国鉄は独立採算制であると、こういうふうにたしか御答弁されたと思いますが、私はそういうふうに理解をしておらない。実際に一生懸命儲けても自分のために使えない。非常に窮屈なんだ。むしろがんじがらめに縛られておるのではないか。そういうことがあなた方に手腕、力倆、識見があつてもそれを十分に伸ばすことができない。むしろ切歯扼腕をしておる。こういうふうに同情しておる点もあるのです。これを一つ改正をするということをお考えを頂くことが一つと、もう一つは、最近国鉄関係で非常にあれこれと忌わしい噂、或いは事実もあるかも知れませんが、随分出ておりますが、こういう関連を断ち切つて、それぞれの会社か何か知らないけれども、それぞれの会社の形のものはそれぞれの力でやつてつて行く。協力して行くということはあるかも知れませんが、今新聞なんかで言われたり、又司直の手で捜査をされておる点は、大体そういうことを想像してみても、相当腐れ縁というか、よくないものがたくさんあると思うので、これはこの際もつとずばりと正常な形にする御決意があるか、この二点についてお尋ねいたします。
  142. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) あとの問題から先にお答えいたします。現在司直の手に調べられておりますことは、これは私どももつまびらかにすることはできません。又新聞等に書かれておりますることは、これは全く国鉄とは関係がございません。全く外郭団体だけのことのように私は思います。これははつきりいたしておきたいと思います。  それから公労法の関係は、これは労働大臣の関係なんでございますので私がお答えすることは如何かと思います。  それから国有鉄道法の問題でございますが、これは大和委員御承知のように、近く公共企業体等臨時合理化審議会ですか、大変長い会議ができるはずであります。そこで十分に研究せられると思いますので、それの意見等も参酌いたしまして、無論私も委員の一人でございますから、意見を申上げるつもりでおります。御承知のようにイギリスのパブリツク・コーポレーシヨンなどに比較いたしますと、私のほうのパブリツク・コーポレーシヨンは、公共企業体というものは非常に窮屈なものであります。イギリスは実に寛大でありますが、併しながら第二次大戦後におきましては、相当政府が縛るようになつているようでございますが、併しそれにいたしましても、現在の我々の立場とは雲泥の相違でございます。
  143. 大和与一

    大和与一君 その傍系会社と申しますか、外郭団体と申しますか、それは具体的にあなたはどうとか、誰がどうとかという話をしておるのではなくて、そういうような、例えば交通公社とかいろいろな関連がある、そういうような形をもつと健全化して行くとか、合理化するとかいうことは、そういうことはめのこで考えても客車の運用効率を上げる、或いはスピード・アツプする、そこら辺にまだまだ国鉄自体が経営をうまくやつて行くという形があるのじやないか、こういうふうな意味言つておるのです。そういうことは全然今のような形で、何もそれはそつちのほうの関係を改善をしても別に収入には何も関係ないと、こういうふうに断言をされるのだつたらもう一遍おつしやつて頂きたいと思います。  それからもう一つ公労法のほうは、ちよつと言葉が足りなかつたのですが、日鉄法の改正ということになるにしても、この合理化審議会というものができたことになつてつて、まだ一回もやつていない。あなたはその委員になつておられる。ところがあの委員の顔触れを見ると、大変えらい人で、悪く言えば並び大名のような気がする。実際の運営は専門委員がおやりになると思うのですが、そういうことを聞いております。そうすると、そういう専門委員は、労働組合代表ということは別にしても、労働者代表といいますか、よく公労法なり、日鉄法等に明るい、こういうような適当な人がおれば、総裁としてはそういうふうなもの入れてもいいんじやないか、こういうふうに推薦をすることができるかどうか、お尋ねします。
  144. 長崎惣之助

    説明員長崎惣之助君) 外郭団体の運営につきましては、実は重大な関心を持つているわけでありまして、今後改むべきものはどんどん改めて行く。そうしてそんなことは今までもございませんけれども、十分な、何と申しますか、適正な運営をやつて行きたいというつもりでおります。まあ一例を申上げますと、ちよつと自慢話みたいなことになりますが、日通、交通公社等の未納問題という、未払問題ということがありましたが、私が参りまして、これは全部契約通りに進行いたしております。そういうふうなきまつた通り少くともきちつとやつて行くという方向に私は参りたいと思つております。  それから審議会の問題でありますが、来週の火曜日に初顔合せがございます。まあ幹事、専門委員というようなものがございます。で、幹事としては私のほうとしては大槻理事が出ることになつております。組合のほうの関係でございますが、実は私間違つておらなければ、たしか最初は労働大臣入つていなかつたそうであります。今度労働大臣が入るということになりましたから、その方面から十分貢献されるのじやないか、かように思います。
  145. 大和与一

    大和与一君 前のお話は交通公社などの関係を正常に戻したことはわかるのですが、そういうふうな契約といいますか、約束をすること自体が果して本当に最適かどうか、こういうことに考えを及ぼしてやつて頂くことが延いては国鉄の経営の健全化のために非常に裨益するだろう、こういうふうな意味で申上げているのですから、そういうふうな意味で十分に一つ関係機関等の検討をお願いしたいと思います。今日は終ります。まだ併し質問たくさんありますから、この次にやります。
  146. 前田穰

    委員長前田穰君) それでは本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十三分散会