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1954-03-20 第19回国会 衆議院 予算委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十日(土曜日)     午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 倉石 忠雄君    理事 小峯 柳多君 理事 西村 直己君    理事 西村 久之君 理事 川崎 秀二君    理事 佐藤觀次郎君 理事 今澄  勇君       相川 勝六君    赤城 宗徳君       尾崎 末吉君    尾関 義一君      岡村利右衞門君    北 れい吉君       小林 絹治君    迫水 久常君       高橋圓三郎君    中村  清君       灘尾 弘吉君    野田 卯一君       葉梨新五郎君    原 健三郎君       福田 赳夫君    船越  弘君       本間 俊一君    八木 一郎君       山崎  巖君    山本 勝市君       臼井 莊一君    小山倉之助君       河本 敏夫君    白浜 仁吉君       竹山祐太郎君    中村三之丞君       古井 喜實君    三浦 一雄君       足鹿  覺君    伊藤 好道君       齋木 重一君    滝井 義高君       松原喜之次君    山花 秀雄君       横路 節雄君    稲富 稜人君       川島 金次君    河野  密君       小平  忠君    堤 ツルヨ君       館  俊三君  出席国務大臣         国 務 大 臣 緒方 竹虎君         国 務 大 臣 安藤 正純君  出席政府委員         大蔵政務次官  植木庚子郎君         文部政務次官  福井  勇君  委員外出席者         専  門  員 小林幾次郎君         専  門  員 園山 芳造君         専  門  員 小竹 豊治君     ————————————— 三月二十日  委員庄司一郎君、富田健治君、羽田武嗣郎君、  森幸太郎君、河野金昇君、中曽根康弘君、武藤  運十郎君、佐竹晴記君、及び河野一郎君辞任に  つき、その補欠として、野田卯一君、赤城宗徳  君、岡村利右衞門君、北れい吉君、臼井莊一君、  白浜仁吉君、齋木重一君、小平忠君及び中村梅  吉君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)     —————————————
  2. 倉石忠雄

    倉石委員長 これより会議を開きます。  昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)を議題といたします。本案に関する質疑はすでに終了いたしております。この際日本社会党両派共同提案として、佐藤觀次郎君ほか十四名より昭和二十八年度一般会計予算補正(第3)に対し、編成替を求めるの動議提出されております。その趣旨説明を許します。稲富稜人君
  3. 稲富稜人

    稲富委員 私は日本社会党両党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)に対し、政府はすみやかにこれを撤回して、以下申し述べますごとく、これが編成替を求めるの動議提出し、その提案理由並びにその概要を説明するものであります。  すなわち政府提出しました第三次補正予算は、これを一言にして申しますならば、東京大阪神奈川、の富裕都府県に対する義務教育費国庫倉担二十七億八千万円を支出するために各省の予算を削つたものであるのであります。これ第一に、われわれの主張する義務教育費国庫負担基本線政府が一部認めたものでありますが、これによつて義務教育費国庫負担が完全に行い得るのではないのであります。  第二には、この二十七億円の財源でありますが、政府はすなわち弱い者いじめの方式によりこの財源捻出したのでありまして、はなはだしきに至りましては、国立学校及び大学付属病院より一億円、特殊医薬品買上げ諸費より一億円、失業保険費負担金より一億二千万円の予算を削つているのであります。これは明らかに自由党政府が、いかに社会保障に対して理解を持つていないかという明らかなる証拠であるといわなければならないのであります。  さらに第三には、政府は当初予算を組むに、いかずさんな組み方をしたかという明白な事実であるのであります。すなわちこのような財源捻出方法をとるならば、他に幾らでも財源捻出方法はあるのでありまして、われわれは何ゆえにかくのごときふしぎな財源捻出をしたのかまつたく了解に苦しむのであります。われわれは以上のような考え方から、大体次のような組替の動議提出するものであります。  まずこのたびの補正予算は、あまりに片手落ちでありますので、われわれは全般にわたる補正を行うために、補正予算規模政府案よりさらに百五十七億七千八百六十六万円を増額しまして、百八十五億五千八百六十六万円とするものであります。  さらに第二の問題は、政府案義務教育費国庫負担金追加額は、義務教育教職員給与費国庫負担金としてはなお十七億六千五百万円不足し、これでは教職員給与支払いに困難を来して、地方財政をさらに困窮に陥れるおそれがありますので、これを増額するものであります。  第三には、社会保障関係費不足分支出及び昭和二十八年度産米の米価減収加算に要する支出並びに国家公務員等に対する年度手当支出政府は無視しておるので、これを追加支出せんとするものであります。  第四には、以上の経費社会保障関係費やこれに関連する人件費不用見込額支出によらず、保安庁経費並びに防衛支出金不用見込額支出によつてこれを充当せんとするものであります。  なお詳細なる数字についてはお手元に配付してありますのでこれを省略いたしますが、結論といたしましてわれわれの主張は、防衛関係費の未使用分によつてほぼ完全なる義務教育費国庫負担を行い、さらにその他の適切なる施策を行うことによつて国民生活の安定を行わんとするものであります。  以上をもつて政府の第三次補正予算の組替動議趣旨の弁明を終る次第であります。(拍手
  4. 倉石忠雄

    倉石委員長 これにて編成替を求めるの動議趣旨説明は終りました。  これよりこの編成替を求めるの動議並びに昭和二十八年度一般会計予算補正(第3)の原案を一括して討論に付します。西村直己君。
  5. 西村直己

    西村(直)委員 私は自由党を代表しまして、ただいま議題となつております補正(第3号)案に対して政府原案賛成社会党組外動議には反対をいたします。  特別法案が否決をいたされましたため、昭和二十八年十二月から昭和二十九年三月までの給与費負担金のいわゆる所要額、二十七億八千万円が不足することになりました。この不足額を補うために二十八年度既定予算の中から不用見込額財源としてまかなうことに政府原案はなつておるのであります。二十八年度一般会計規模一兆二百七十二億円にはかわりはないのであつて、単に予算的措置を施したのでございますので、問題はないと存じます。  これに反しまして社会党の組替動議でありまするが、富裕都府県を除く他の都道府県におきまして十億円くらいの赤字が出ておるといわれておるのでありますが、この組替に対しまして、はたして十億円の赤字がはつきり出ておるかどうか、現在のところはつきりいたしてないのであります。従つてこれらは大蔵大臣説明の通り、決算補助の形において処理すればよいのでありまして、さしむきこれについて何ら財政上ただちに措置する必要はないとわれわれは考える次第であります。しかも社会党の組替案におきましては、いつもながら組替財源保安庁経費の未使用分を充てておるのは、われわれの党の主張します自衛力漸増の建前からは断固として賛成できないのであります。  以上が政府原案賛成社会党組替案に対しましては反対する理由であります。(拍手
  6. 倉石忠雄

  7. 川崎秀二

    川崎委員 本予算案は、今日としては大した政治的意味を持たぬものであります。しかしながら昨年第十八国会において義務教育費国庫負担法臨時特例に関する法律案が出されまして、これが不成立終つた跡始末でありますが、当時主としてわが党の主張に基くものであり、自由、社会両党ともこれに同調して遂に不成立終つたいきさつを考えますと、この予算提出はきわめて妥当であります。しこうして輸入食糧価格調整補給金国債諸費保安庁経費等既定経費不用見込額をもつてまかなおうとしておることは、これまた妥当であろうと思うのであります。一々政府の言うことに文句をつけるということは、われわれとしてはとりませんので、この際きれいさつぱり賛成いたします。(笑声、拍手
  8. 倉石忠雄

  9. 滝井義高

    滝井委員 ただいま議題となつております昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)につきまして、日本社会党を代表いたしまして反対の意を表明するとともに、社会党両派提出による編成替を求める動議賛成するものでございます。  政府さきに二回にわたつて提案をいたしました義務教育国庫負担法臨時特例に関する法律案が、憲法二十六条の義務教育無償原則教育機会均等原則を無視した、教育地方自治破壊の悪法であるとの強い世論の反対にあつて流産をするや、補正予算は組まずとの前言をひるがえして、ここに東京大阪神奈川の三府県義務教育職員給与費国庫負担金二十七億八千万円を提出して参つたのでございます。もし政府にしてこのような親心があつたとするならば、富裕府県を除く他の弱小県の当然明白な義務教育費国庫負担金不足分十七億円についても、昭和三十年度決算を待たずして提案をして、そうして教育関係者地方自治体への財政上の苦悩を最小限度にとどめ、もつて教育の順当なる遂行と地方自治の円滑なる運営に資してしかるべきであつたと思うのであります。  さらに重要なことは、社会保障関係の二十八年度赤字についてであります。すでに当予算委員会においてはもちろんのこと、他の厚生委員会等においても、各委員より鋭く指摘されましたところの約四十億という莫大な赤字について、言を左右にして少しも政府は誠意を示さなかつたのでございます。しかも本補正第三号におきましても、びた一文も計上せずに、ほおかむりして通ろうといたしておる政府のこの冷酷無慈悲なる態度は、ともに民主主義政治を語るに足らずと断ぜざるを得ないのでございます。(拍手)  なお米価審議会が勧告をいたしておりまするところの米価減収加算費についても、審議会答申である九百三十二円というものを無視して、五百五十五円を計上し、これで打切らんとする態度というものは、昨年の十七国会救農国会と銘打つて農村救済を声高らかに掲げながらも、実際においては何ら農村救済策を講ぜなかつた。しかもその救農国会の後においては、農民との縁切り国会であるとの悪名をちようだいしておるのでありまするが、まつたく米価に対する態度はこの国会における態度と同様であるといわなければなりません。吉田内閣は、吉田自由党政府こそは、日本農民農村と農業とを瞞着するものであるといわなければならぬと思うのでございます。(拍手)  なお政府はこの二十七億八千万円の財源といたしましては、保安庁経費あるいは失業保険費あるいは輸入食糧価格差補給金等歳出不用額をひねり出して充当しておるのでございまするが、特に私が指摘いたしたい点は、保安庁経費三億二千百三十四万円に関連してでございます。これは人件費不用額でありますが、このほかに保安庁には船舶建造費三十六億千三百四十万円があるはずでございます。これは十六隻九千百二十トン分の経費でございますけれども、二十八年度がまさに終らんとしておる現実において、いまだ造船の基本的な設計もできていないし、まだ契約もできていない経費なのでございます。しかも二十九年度予算に、さらに船舶建造のための経費が百十三億計上せられておるのでございます。こういう現実から考えまするならば、当然未使用の二十八年度船舶建造費三十六億円については、政府は斧鉞を加えなければならぬのでございます。これにさえも緊縮予算を口にするところの政府が一指も触れ得ないということは、MSAに関連して、日本防衛計画というものが米国の強い圧力によつて行われており、しかもその圧力によつてできておるところの日本の自衛隊というものの性格が傭兵、再軍備であるといわれても、これに政府一言も申し開きができないと思うのでございます。(拍手)  以上のごとく、政府現実無視の第三次補正予算提出いたしておるのでありまするが、わが社会党両派の組替案というものは、現実日本の客観的な姿を見きわめて、これに対応する施策を真摯な態度で実行せんとするものでございます。(拍手)すなわち昭和二十九年度一兆円のわく内の緊縮耐乏予算を着実に実行するには、二十八年度赤字を二十九年度に繰越し、大衆をますます窮乏に追い込むべきではないというのが、われわれの基本的な態度なんでございます。このような基本的な態度のもとに、社会保障費義務教育費国庫負担金赤字、あるいは米価凶作加算金国家公務員年度手当金等下足分というものを計上することにいたしておるのでございます。かかる観点に立つて、わが社会党は、同氏生活の安定と日本自立態勢確立に邁進せんとするものでございます。  従つてわれわれは現実無視政府原案反対をして、社会党両派の編成替を求める動議による組替案に全面的に賛成の意を表するものでございます。何とぞ与党各位におかれても、大乗的な見地から、われわれの動議賛成せられんことをお願いいたしまして、私の討論を終るものでございます。(拍手
  10. 倉石忠雄

  11. 小平忠

    小平(忠)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、政府提案昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)の政府案反対し、両派社会党の共同組替え要求動議賛成の意を表明せんとするものであります。  まず義務教育費国庫負担に関しましては、われわれは富裕都府県であろうとなかろうと、義務教育費用というものは単に教員給与だけでなく、他の一切の費用をもできるだけ多く国が負担すべきであるという立場に立つものであります。今回の第三次補正予算案には、富裕都府県分に対する最低必要経費しか計上されておらず、その他の府県に対して当然国が負担すべき分は全然計上されていないのであります。しかも政府支出せんとする二十七億八千万円の積算基礎は、昨年五月の現員現給であり、その後の昇給に伴う経費の増加などを全然見込んでいないのであります。このように本来国が負担すべき分を地方に押しつけた結果、三月分の教員給与支払いに支障を来しているような県さえあるのであります。そこでわれわれはこの不足額十七億余円を追加計上せんとするものであります。このことは当然の要求でありまして、こういう事態にほおかむりしようとする政府の無責任な態度に対しましては、とうてい許し得ないのであります。  次に、義務教育費以外の点で二十八年度一般会計予算全体においてなお補正を要する費目が多いのであります。社会党両派はそれらの中でまず社会保障関係費として、生活保護費児童保護費の増額を要求いたしております。これらの経費がすでに二十八年度内においていかに不足しているかという点につきましては、さきに本予算審議の際にわれわれが追求いたしたところでありまして、今やデフレの進展に伴つて公的扶助を必要とする人々の数は急激に増加しつつありますが、これらの人々のための経費を増額して救援と厚生の手を差延べることは刻下の緊急事であると思われるのであります。また生産者米価について減収加算金四百二十三円の追加払い要求は、凶作による農村の打撃を緩和する上からも、また米価審議会答申を尊重する上からもきわめて適切な要求であります。先般東京芝公会堂において開かれた全国農漁民大会における血の出るようなあの叫びを、政府当局は一体何と考えておられるのか、農民を愚弄するも私ははなはだしいものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)さらに国家公務員年度手当要求は、政府職員並びに公共企業体職員諸君の切なる要望にこたえるゆえんであると思うのであります。  さらに財源の点につきましては、政府案はすべて既定経費不用額を計上いたしておりますが、私はこのうち国立学校大学付属病院特殊薬品買上げ失業保険などの経費不用額を生ずるような予算執行措置は、文化の向上、社会保障の充実という観点から決して安当なものではないのであります。この点からも政府案には賛成するわけには参らないのであります。不用額の計上という点からしますれば、巨額の未使用額を生じておりますところの不生産的な防衛費こそ大幅削減することに最もふさわしい経費でありまして、かくてこそ平和を求める大衆要望に沿い得るゆえんであると確信するものであります。  以上のような理由から私は政府案反対両派社会党の組替案に賛成の意を表明するものであります。(拍手
  12. 倉石忠雄

    倉石委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。まず日本社会党両派共同提案として佐藤觀次郎君外十四名より提出されました昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)に対する編成替を求めるの動議を採決いたします。右の動議賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  13. 倉石忠雄

    倉石委員長 起立少数であります。よつて佐藤觀次郎君外十四名より提出されました昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)に対する編成替を求めるの動議は否決されました。  次に昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)を採決いたします。右の原案賛成諸君起立を願います。     〔賛成者起立
  14. 倉石忠雄

    倉石委員長 起立多数であります。よつて昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)は原案の通り可決いたしました。  委員会報告書の作成は前例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 倉石忠雄

    倉石委員長 よつてさように決しました。  これにて昭和三十八年度一般会計予算補正(第3号)に関する議事は終了いたしました。御協力ありがとうございました。  本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時五十五分散会