○三木(武吉)
委員 私は与えられたる時間がわずか十分とか十五分とかいうお話でございますから、理由を抜きにいたしまして、すべて結論的に
吉田総理その他の
閣僚諸君にお尋ねしてみたいと思います。
と申しまするのは、去る特別
国会及び臨時
国会の両度の
予算委員会において、現段階の
日本は、
吉田総理の言葉をかりて申せば、占領
政策の行き過ぎを是正しなければいけない、これによ
つて初めて
日本の再建を軌道に乗せるんだという声明でございます。私をして言わしむれば、誤つたる占領
政策は、独立後の
日本としてはその振出しに返
つて、
日本らしい
政治の軌道に乗せて再建に従事しなければならぬ、こういう
考え方であ
つて、その趣旨においては
吉田総理も私
どもも大体において意見の一致があるのでございます。それからその手段方法と申しますか
政策の
考え方についても、社会党両派の
諸君とははなはだしく基本的の
考え方が違
つておるのでございますが、
政府、
自由党及び私
どもとの間においては、はなはだしい相違はないのでございます。それは両
国会の議案に対するわれわれ野党側の保守
政党の
態度をごらんにな
つても、はつきりしておるはずでございます。だが、それがおそらく
吉田総理も期待するほどの結果を得ておらない、私
どもも期待するほどの結果を得ておらない、
国民もまたそれに対してはなはだしくあきたらない
考え方を抱いておるということは、これは現実偽ることのできない事実なのでございます。この点についてはおそらく
政府の方も
自由党の
諸君も同感であると私は信じております。しからばこれはなぜこんなことにな
つておるのかと申しますれば、結局は保守勢力というものが——
国民の間における保守勢力、保守的
考え方、
国会における保守勢力というものが、おのおの従前の行きがかりあるいは感情もしくは利害というものにとらわれて、それに拘泥するがために、すべてがぎこちなくな
つて予期するような効果を上げておらない。そこで私は、何といたしましてもこの占領
政策を是正するというには、保守勢力を完全に結集する。結集すれば説明するまでもなく
国民の過半数、衆議院における三分の二の勢力というものがあるのでございますから、たとい社会党両派が何と言おうとも、(笑声)また共産党がいかなる運動をしようとも、断々固として
お互いの期待することは実現することができるのです。かような
考え方を私は持
つておるのでございまして、社会党の
諸君には常にこの点において、見解の相違があ
つて、遺憾の意の表明はせられておりますが、私はそういう信念を持
つておる。からいたしまして、前二回にわたる臨時
国会及び特別
国会においても、
政府は保守勢力の結集をして、占領
政策の是正に邁進する
考えはないかということを
質問をいたしておる。
総理大臣からこの点についてはつきりした
答弁は今日まで
承知をしておりませんが、他の
閣僚諸君は、すべて異口同音に、私の見解に対しては異議がない、同感だということがはつきり言われておるのであります。だがなぜこれができないかと申しますると、行きがかり、感情、その他の事情と申しましたけれ
ども、それは一言にして尽すならば、
吉田総理大臣が一日も早くおのれを無にして、国家的の見地に立
つて、占領
政策是正のためには自分の進退のごとき一身のごときは、ごうも顧みるべきものでないという気持にならない限りは、できないということを私は確信をしている。しかもその
吉田総理が、か
つてかような気持でいうことを私
どもに言明せられたことがないということが、政局が混乱し、紛糾し、
日本の再建が遅遅として進まないばかりでなく、むしろ逆のコースをとるようにな
つている
ゆえんであると思うが、
吉田総理はこの点について何と今日
考えておられるか、この点をはつきり伺
つておきたい。