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1954-03-19 第19回国会 衆議院 郵政委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月十九日(金曜日)    午前十一時二十五分開議  出席委員    委員長 田中織之進君    理事 小林 絹治君 理事 船越  弘君    理事 大高  康君 理事 山花 秀雄君    理事 吉田 賢一君       飯塚 定輔君    河原田稼吉君       武知 勇記君    三池  信君       櫻内 義雄君    佐藤觀次郎君       浅沼稻次郎君  出席政府委員         郵政政務次官  飯塚 定輔君         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君  委員外出席者         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     宮本 武夫君         専  門  員 稲田  穰君         専  門  員 山戸 利生君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案内閣  提出第五八号)  郵政行政に関する件  請願  一 和田村に無集配郵便局設置請願船越弘   君紹介)(第三七二号)  二 青柳地区特定郵便局設置請願並木芳   雄君紹介)(第三七六号)  三 郡山亀田郵便局復活に関する請願助川良   平君紹介)(第三七七号)  四 犬川簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格   の請願牧野寛索紹介)(第三八〇号)  五 鶯沢簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格   の請願庄司一郎紹介)(第三八一号)  六 新野簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願戸塚九一郎紹介)(第三八二   号)  七 豊中郵便局舎新築に関する請願原田憲君   紹介)(第三八三号)  八 浅野郵便局集配事務開始に関する請願(   成田知巳紹介)(第三八五号)  九 入江郵便局集配事務存続に関する請願(   佐竹新市紹介)(第三八六号)  一〇 馬立原簡易郵便局を無集配特定郵便局に   昇格請願山中貞則紹介)(第五七七   号)  一一 種平郵便局集配事務開始に関する請願   (飯塚定輔紹介)(第六〇一号)  一二 神村簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願岡本忠雄紹介)(第六〇二号)  一三 新野簡易郵便局を無集配特定郵便局に   昇格請願戸塚九一郎紹介)(第六九四   号)  一四 勝岡簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願瀬戸山三男紹介)(第七四二   号)  一五 芳野郵便局集配事務開始に関する請願   (吉田安紹介)(第七九五号)  一六 立野地区に無集配特定郵便局設置請願   (有田喜一紹介)(第一一三六号)  一七 曾佐村に無集配特定郵便局設置請願(   有田喜一紹介)(第一六七一号)  一八 徳田に簡易郵便局設置請願山崎猛君   紹介)(第一九〇八号)  一九 荒川簡易郵便局特定局昇格請願(   堀川恭平紹介)(第一九〇九号)  二〇 富成郵便局集配事務開始に関する請願   (佐藤善一郎紹介)(第一九一〇号)     ―――――――――――――
  2. 田中織之進

    田中委員長 ただいまより郵政委員会を開会いたします。  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案議題といたします。本案につきましては、一昨日質疑を終了いたしております。  これより本案討論に付しますが、討論の通告がありますので、順次これを許します。山花秀雄君。
  3. 山花秀雄

    山花委員 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案の、この値上げの率は非常に高率でありますが、普通郵便料金と異なり、その影響の範囲が限定されていること、及び他の送金方法との間に選択の自由があること、また振替貯金業務独立採算確保立場から、赤字解消のためにやむを得ざるものとして、これを認めるものであります。なお五十億に近い資金が預金部利用されておるのであるから、預金部からの利子補給を、現行五分五厘より引上げるよう努力希望するとともに、業務改善等附帯決議も出るように聞いておりますので、これに賛成し、政府原案賛成するものであります。
  4. 田中織之進

  5. 大高康

    大高委員 わが党といたしましては、かような官公事業に対する料金値上げに対しましては、一面インフレを助長する素因とも相なりますので、原則といたしまして従来反対立場をとつて参つたものでございます。しかしながら御説明によりますと、この予算はすでに予算委員会において通過を見たのであります。よつてわが党といたしましては、やむを得ずこれに賛成立場をとるものでございます。
  6. 田中織之進

  7. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、この案につきまして賛成するものであります。  但し質疑応答の経過にかんがみまして、いろいろとこの案につきましては考うべき問題が残されておるのでございます。今、山花君並びに大高君もお述べになりました一点でありますが、料金等引上げの点は、これは大衆負担増加になるということにもかんがみまして、私どもは原則的には反対なのであります。この種のやはり特別会計における事業は、赤字になるという場合に、その赤字を解消するということは、可能な限りみずからの事業内容検討に力を入れまして、それによつて赤字を克服して行くということが本来の建前であり、赤字が生ずると、たやすく料金引上げ等によつて国民負担を増すというような安易な考え方を、私どもは根絶しなければならぬと思うのであります。そこで本来ならば、この付託された案に一応は反対をして、そうして事業自体のみずからの改善あるいは事業の振興、加入者増加等々に、さらにさらに多くの手を尽しまして、しかる上、ある期間を経過したときに、さらに振り返つてこの料金の問題を考えるということにしても、決しておそくないというのがわれわれの考え方であつたのでございますが、政府におきましては相当熱意を持つて、われわれの希望しておるところ、問題としておるところに新しい努力を加うるものと信じまして、私はここに附帯決議を動議として提出いたし、原案賛成いたしたいと思うのであります。附帯決議案を朗読いたします。    附帯決議  一、郵便振替貯金業務利用現況にかんがみ処理日数短縮を計る等極力サービス改善に努めると共に周知宣伝に力を致して利用増加を計るよう企業会計改善のため格段努力を払うこと。  附帯決議は以上であります。なおこの理由に附加しましてさらに申し上げたい点は、企業経理企業会計改善をし、事務の刷新をはかるという上におきまして、従業職員待遇を悪化するというようなことがあつてはいけませんので、そういつたことにつきましてもまた格段注意払つて、一層能率の向上と同時に、待遇が向上することもともになされる、こういうような線に一つの御注意を向けられんことを希望してやまんのであります。以上私の附帯決議理由等を終ります。
  8. 田中織之進

  9. 小林絹治

    小林(絹)委員 私は自由党を代表いたしまして、この法案賛成をいたします。  この法案提出されましてから以来の当委員会における質疑応答によりまして、政府の意図されておるところが明らかになりました。こういうよい法案はもつと早くお出しになつた方がいいのじやないかとさえ思うくらいであります。そこでどうかサービス改善といいますか、日数をもつと短かくて仕事ができるような点について、政府がなお御努力になりましたら、この法案はますます光彩を発揮して、国民利用度が増すと思います。簡単に賛成理由を申し上げました。
  10. 田中織之進

    田中委員長 これにて討論は終局いたしました。  郵便振替貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。本案原案通り可決すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。  〔総員起立
  11. 田中織之進

    田中委員長 起立総員。よつて本案全会一致原案通り可決すべきものと決しました。  ただいま吉田賢一君より、本案に対する附帯決議提案がなされております。附帯決議は  一、郵便振替貯金業務利用現況にかんがみ処理日数短縮を計る等極力サービス改善に努めると共に周知宣伝に力を致して利用増加を計るよう企業会計改善のため格段努力を払うこと。 以上であります。この附帯決議について採決をいたします。吉田賢一提案のごとく、本案附帯決議を付するに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めます。よつて本案にただいまの附帯決議を付することに決しました。  この際郵政当局より発言を求められておりますから、これを許します。飯塚郵政政務次官
  13. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 本法案が付託せられて以来の委員各位の御審議に対して、心からお礼を申し上げる次第であります。本附帯決議の御趣旨を体しまして、郵成当局といたしましては、極力御期待に沿うように改善をして行きたいと思います。ありがとうございました。
  14. 田中織之進

    田中委員長 なおお諮りいたします。本案に対する衆議院規則第八十六条の規定による報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。     ―――――――――――――
  16. 田中織之進

    田中委員長 次に郵政行政につきまして調査を進めます。  行政職員整理につきましては、すでに国会定員法改正案として提出されており、目下内閣委員会において審査中であります。この際郵政関係行政整理につきまして、その概略の御説明を伺いたいと思います。宮本人事部長
  17. 宮本武夫

    宮本説明員 今回国会提案されました定員法改正案につきまして、郵政省関係の分につきまして、その概略を御説明申し上げます。  今回の定員法改正によりまして、郵政省全体といたしまして、改正定員が二十五万二千百十一名と相なつております。今回の改正案によりまして、郵政省全体の整理定員減員数でありますが、これが六千六百五十五名となつております。その内訳といたしまして、一般会計における電波関係減員が二百十七名、郵政特別会計郵政事業につきましての減員が六千四百三十八名、こういうことに相なつております。この整理数現行定員に比較いたしてみますと、一般会計におきましては、電波関係現行定員が三千七十七名でございます。これに対しまして先ほど申し上げました二百十七名の整理定員でありまして、その整理率は七・〇五%に当つております。郵政特別会計におきましては、現行定員が二十五万二千百七十八名でありまして、これに対しまして先ほど申し上げました通り整理定員が六千四百三十八名でありますから、その整理率は二・五五%、こういうことに相なつておる次第であります。一般会計は別といたしまして、郵政事業にとりまして、ただいま申し上げました通り定員面におきまして整理定員が六千四百三十八名と法案においては相なつておる次第であります。但し二十九年度におきまして、郵政事業のいろいろな事務増、その他の点かちいたしまして、若干の増員が認められておる次第でございます。その増員数は、全部合せまして三千五百十一名ということに相なつております。従いまして定員面だけから見ますれば、六千四百三十八名の減員に対しまして三千五百十一名の増員差引純粋減員と目さるべきものが、定員面におきましては約三千名を切れるということに相なる次第でございます。  この郵政事業にとりまして、整理されます六千四百三十八名というものを、いか各機関に割振るかという問題につきましては、目下省内におきまして鋭意検討中であります。私どもの大体の構想といたしましては、この減員関係とありますが、大体現業部門、本省、郵政局あるいは監察局というような管理部門と申しますか、非現業部門におきまして大体千二百名程度にしたらどうかということを考えております。従いまして現業方面におきましては、六千四百三十八名から千二百名を差引ますと、大体五千二百名程度ということに相なるわけであります。現業方面につきましての五千二百何名という数字は、現在の郵政事業現況からいたしまして、相当めんどうな数字でありますが、先ほど申し上げました通り、大体三千五百名程度増員が一方において認められておる次第であります。かれこれを組み合せまして、事業の今後の円滑なる運行を確保いたしたいと考えておる次第であります。  なおこの三千五百名程度増員内訳を申し上げますと、郵便関係におきましては九百七十五名の増員が認められておる次第でございます。これは最近におきますところの郵便物取扱い数量増加に伴う増員として認められておる次第でございます。貯金関係におきましては三百五十名の増員で、これは軍人恩給支給支払い事務増加に伴う増員であります。次に保険関係におきましては百名の増員で、これは全国に約二十箇所の被保険者に対する福祉施設としましての駐在診療所を設けたい。その新設に伴う増員でございます。委託業務関係につきましては、一方におきまして四百八十名の減員がありました。これに対しまして二千四百名程度増員がございます。この四百八十名の減員は、二十九年中に公社の直轄に移管されまして、これに伴つて当然従業員公社の方に引継がれるものが四百八十名あります。これは減であります。一方二千三百七十二名、約二千四百名ほどの増員があります。これは電気通信施設の拡張に伴う増員が千二百八十二名でございます。それから次に断続勤務制廃止によりまして、労働基準法の命ずるところによりまして増員をしなければならぬものが千九十名でございます。次に特定局方面につきましては、特に特定局を増置するに必要な要員といたしまして、一百名の増員が認められておる次第でございます。なお奄美大島の復帰に伴いまして、約四百名の定員増加せらるることになつておりますが、これは今回の定員増三千五百名には入つておりません。以上大体申し上げましたのが、今回の定員法改正におきます郵政省におきます大体の概貌であります。
  18. 田中織之進

    田中委員長 本件についての質疑は昨日の委員会において、内閣委員会との連合審査会を申し入れることに決しました。内閣委員会の方の都合で、来週早々に連合審査会が持たれることに連絡がございましたので、その日取りは公報をもつてお知らせできると思いますが、連合審査会において引続き質疑を行うことにいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  19. 田中織之進

    田中委員長 次に、本日の日程に上つておりまする公報に掲載されております請願二十件を一括議題といたして、その審査に入りたいと思います。日程は、紹介議員の御出席都合もありますので、委員長において適宜変更いたしますから、御了承願います。なお紹介議員のお見えになりません請願につきましては、先例によつて専門員をして朗読いたさせます。  日程第一、和田村に無集配特定郵便局設置請願請願番号第三七二号、紹介議員船越弘君、本件について説明を求めます。船越弘君。
  20. 船越弘

    船越委員 この請願書趣旨は、請願の冒頭にも書いてありまする通り相当の実績を上げておりますので、これをすみやかに無集配局にしてもらいたい、こういう意味でございます。
  21. 田中織之進

    田中委員長 本件に対する政府の所見を求めます。
  22. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 和田簡易郵便局を無集配特定局にしてほしいという御請願でございますが、これは設置標準には大体達しておりまするけれども、同簡易郵便局における取扱量がさして多くない現状でありますることと、現行定員等にかんがみまして、さつきゆう実現することは困難のように思われますので、御了承を願います。  なおこの際申し上げておきますけれども、この請願におけるただいま私がこれからお答え申し上げることは一つ基準がございますので、その基準に従つて申し上げるのでありまするから、なお御質疑等があれば担当官から詳細にお答え申し上げることにいたします。     ―――――――――――――
  23. 田中織之進

    田中委員長 次に請願日程第二、青柳地区特定郵便局設置請願、第三七六号、紹介議員並木芳雄君、山戸専門員説明を願います。
  24. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、東京都北多摩郡国立青柳地区約五千の住民は、町内の国立郵便局へ遠く隔てている上に、交通の便が悪いので、電車やバスを利用して立川市内まで行かなければならない状況であるから、本地区郵便局設置されれば住民に裨益するところ大であり、これが設置のためには用地及び局舎その他所要設備一切を提供する計画である。ついては、国立青柳百六十番地に特定郵便局設置されたいというのであります。
  25. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 この請願の御趣旨は第十八回国会において、紹介議員である並木さんから質問主意書提出があつたのであります。また今回の申請の趣もよくわかつておりますけれども利用予定人口が少く、また先ほども申し上げましたが定員事情等からかんがみまして、さつきゆう実現が困難であると思われますので、御了承願います。     ―――――――――――――
  26. 田中織之進

    田中委員長 日程第三、郡山亀田郵便局復活に関する請願、第三七七号、紹介議員助川良平君、専門員説明を求めます。
  27. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、福島県郡山市の郡山亀田郵便局は今回廃止されたが、同局の利用者市内成山北町、大槻町の一部及び富田村の各地域関係官公署、学校、保安隊病院等六百余世帯、四千余名に達し、これが廃止による公私の不利不便はきわめて大である。ついては、郡山亀田郵便局を復活されたいというのであります。
  28. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 この郡山亀田郵便局は、昭和二十八年十二月十日郡山菜根屋敷に移転し、同時にその局名郡山菜根郵便局と称しておりますが、これは郡山市における郵便局配置状況、及びその発展状況にかんがみまして、利用者の少いその地域から、最近都市計画の実施により、発展の著しい菜根屋敷地区に移転したものでございます。郵便局の増置の困難な現在の事情下においては、やむを得ない措置であり、移転跡にさらに郵便局設置することは、利用予定人口が少いため、設置標準に達しないのでございます。この復活要求実現は困難と思われますから御了承願います。     ―――――――――――――
  29. 田中織之進

  30. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、山形県東置賜郡犬川村は犬川米の産地として名があり、近時は養鶏、緬羊も発展し、これが加工工場設置を見るに至つており、また酒造場しようゆ工場を有するほかに、犬川付近においては石油の試掘を試みられ、かかる発展途上の村勢にあつて、現在の簡易郵便局では利用価値が著しく少く、村民は不便にたえない実情にある。ついては、犬川簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格されたいというのであります。
  31. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 この犬川簡易郵便局を無集配特定局にすることは、現在の状況としては利用予定人口が少く、設置標準にも実は達しておらないのであります。従つて該局における取扱い数量も少いので、実現は困難と思われますが、ただいまの御説明にもありましたような利用度数増加によつては、将来は考えられることと思います。     ―――――――――――――
  32. 田中織之進

    田中委員長 日程第五、鷲沢簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格請願、第三八一号、紹介議員庄司一郎君、これについて説明を求めます。
  33. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、宮城県栗原郡鶯沢町は従来細倉郵便局を有していたが、昭和二十六年本町の実態を考察され、市外地の南郷に鶯沢簡易郵便局設置をみたが、該局の周辺には役場、農協、駅、商店等が並び、もはや簡易郵便局ではあらゆる点から不便にして、関係町民六千余はこれが昇格を熱望している。ついては、鶯沢簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格されたいというのであります。
  34. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 鶯沢簡易郵便局を無集配特定局にすることは、その設置標準から見ると、その標準には達しておりますけれども、この簡易郵便局事務取扱量が少いので、現下定員事情等にかんがみまして、実現が困難と思われます。     ―――――――――――――
  35. 田中織之進

    田中委員長 日程第六、新野簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格請願、第三八二号、紹介議員戸塚九一郎君。それから日程第十三は同一趣旨請願でございますし、また紹介議員も同一で、何か事務的な誤りだと思いますけれども日程に上つておりますので、日程第六と日程第十三は一括して議題にし、その説明を求めます。
  36. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、静岡県小笠郡新野村は戸数四百三十二、人口二千六百余を有し、農林産並びにその加工業発展しているため、生産販売には郵便通信機関利用ますます増大しており、現在の簡易郵便局にては隣接町村の局に三キロないし六キロを往復せざるを得ない用件がしばしばある実情で、村民局舎その他一切を提供してもその昇格を熱望している。ついては、新野簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格されたいというのであります。
  37. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 請願の御趣旨はよくわかりますけれども、この簡易郵便局を無集配特定局にすることは、その設置標準にほぼ達するような事情にありますけれども、この簡易郵便局における取扱量が少いので、現下定員事情等からかんがみまして、さつきゆう実現することは困難と思われます。     ―――――――――――――
  38. 田中織之進

    田中委員長 日程第七、豊中郵便局舎新築に関する請願、第三八三号、紹介議員原田憲君、山戸専門員説明を求めます。
  39. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、大阪村豊中市の豊中郵便局舎はすでに二十今年も経ており、飛躍した豊中市勢の伸張に著しい立遅れをしているのと、位置が市域の変更で適切でないため、さきに郵政省希望によりこれが敷地として本市中央部市有地七百五十坪を譲渡し、その際に新局舎建築は二十八年度に施行することを条件の一つとしてあるが、その後今日に至るも予算関係上着工に至つていない。ついては、二十九年度予算には該局舎建築費を計上し、すみやかに移転新築されたいというのであります。
  40. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 豊中郵便局舎は腐朽、狭隘かつ構造不良でありますために、新築の必要が認められ、その土地は二十七年度に実行予算で買い取つておりますけれども現下予算事情にかんがみまして、二十九年度の予算に計上することは困難でございます。従いまして三十年度以降に、なるべく早い機会に新営するように努力いたしたいと思います。
  41. 田中織之進

    田中委員長 本件については、請願趣旨の中に、敷地提供の際に、二十八年度に新築するという郵政省側との約束があるやの請願趣旨になつておるのですが、その点はいかがですか。
  42. 松井一郎

    松井(一)政府委員 私ども敷地買収についての際に、はつきりしたそういう約束はもとよりいたしておりません。ただ向う側としては、できるだけ早く出してくれという希望はもちろんあつたようでございます。     ―――――――――――――
  43. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第八、浅野郵便局集配事務開始に関する請願、第三八五号、紹介議員成田知巳君、山戸専門員説明を求めます。
  44. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、香川香川浅野村は、西に大野村、南に川東村にそれぞれ隣接し、国道高松脇町線によつて結ばれ、現在三村合併の機運が濃厚となり、近くこれが準備委員会が発足しようとしているが、大野村は遠く一宮郵便局に、また川東村もはるかに香東川を隔てた由佐郵便局に所管され、ひとしく不便を忍んでいる。ついては、これら三箇村の中心にある浅野郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  45. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 浅野郵便局集配事務を開始しますれば、現状のままでは関係局の仏生山及び一宮局施設標準に達しなくなるばかりでなく、相当の経費の増額をも要するので、実施困難でございます。なお付近町村合併状況等も考え、将来計画上の考慮をいたしております。
  46. 田中織之進

    田中委員長 本件については請願提案せられる以前に、紹介議員より当局にも委員長と一緒に陳情したことがあるわけですが、三村合併実現したときに、現在付近集配事務をやつておる関係を調整して、浅野局に集配事務を開始することの方が適当である旨、その当時の答弁があつた関係もあるわけですが、特に三村合併が最近実現するようでありますから、その上で適当な考慮をひとつ願いたいと思います。
  47. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 合併後の問題につきましては、ただいまお答えした通り、将来計画の上に考慮をしておるのでありますから、事務当局とも相談して御期待に沿うようにいたしたいと思います。     ―――――――――――――
  48. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第九、入江郵便局集配事務存続に関する請願、第三八六号、紹介議員佐竹新市君、山戸専門員説明を求めます。
  49. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、広島県高田郡吉田町の入江郵便局は開設以来八十年間、郵政業務を円滑に遂行しつつ住民の福祉に寄与してきたところ、今般町村合併に伴い特別の場合を除き、一行政区域内に二局以上の集配取扱局の存置は許されないゆえをもつて、該郵便局集配関係事務廃止する機運あるやに聞くが、管内の地理的条件、隣接局との距離、交通及び経済的諸事情からその存続は絶対に必要と認められる。ついては、入江郵便局集配事務を存続されたいというのであります。
  50. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 広島県の旧高野村吉田町に編入されて以来、郵便物区分上相当不便が生じておるので、入江局の集配事務廃止して、旧高野村の郵便を吉田局区内に統合するとともに、刈田局に集配事務を開始して、郵便区と行政区の一致をはかることが望ましいのであるが、該郵便局集配事務開始施設標準に達しない上、現在附近町村間に合併の機運が強いので、さしむき現状通りとして、町村合併が決定した後において、実情に即するように集配施設を調整する必要があると認めております。     ―――――――――――――
  51. 田中織之進

    田中委員長 日程第十、馬立原簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格請願、第五七七号、紹介議員山中貞則君、山戸専門員説明を求めます。
  52. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、鹿児島県囎唹郡財部町は、南北の地域が通信施設に恵まれず、現在馬立原簡易郵便局設置されているが、取扱事務の範囲が限定されているため、地域関係住民はきわめて不便をこうむつている。ついては、馬立原簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格されたいというのであります。
  53. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 この馬立原簡易郵便局と無集配特定郵便局昇格することは、設置標準には達しておりますが、該局における取扱量がさして多くないので、現下定員事情より、さつきゆう実現は困難と思われますけれども、将来は考えられる局だと思つております。     ―――――――――――――
  54. 田中織之進

    田中委員長 日程第十一、種平郵便局集配事務開始に関する請願、第六〇一号、紹介議員飯塚定輔君、山戸専門員説明を求めます。
  55. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、秋田県河辺郡種平村はバスによる交通の便と電話、電信の便が開けておりながら、本村地内の種平郵便局が無集配郵便局なるため、十二キロも離れた川添郵便局より一日一回の配達を受けるありさまで、村民は毎日一日遅れの新聞を読んでおり、村民の不利不便は大である。ついては、種平郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  56. 松井一郎

    松井(一)政府委員 種平局に集配事務を開始しますと、なるほど郵便物の速達上若干効果があるようでありますが、ただこれを開始いたしましても、きわめて小さな集配局になりまして、現在私たちの考えておる集配事務開始基準にははるかに及ばないというような実情でございますので、ちよつと実施は困難ではないかと思つております。     ―――――――――――――
  57. 田中織之進

  58. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、広島県沼隈郡神村は畳表、木履の産地として全国的に知られ、繊維及びベークライト工場等も加え、大小多数の工場を有する工業地として発展し、町村合併による市制施行も目前に迫つているが、本村地内の郵便局簡易郵便局なため、取引上多い通信、金融には水越局等の二ないし三キロも隔てる隣接局を利用しなくてはならないので、きわめて不便をしている。ついては、神村簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格されたいというのであります。
  59. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 この神村簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格させることは、利用予定人口も少く、設置標準に達しておりませず、取扱い数量も少いので、現下定員事情にかんがみまして実現が困難と思われております。     ―――――――――――――
  60. 田中織之進

    田中委員長 日程第十四、勝岡簡易郵便局を無集配持定郵便局昇格請願、第七四二号、紹介議員瀬戸山三男君、山戸専門員説明を求めます。
  61. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、宮崎県北諸県郡三股町勝岡簡易郵便局は開設以来事務量とみに激増し、昭和二十七年度取扱数は一万六千四十二口に達し、県下の簡易郵便局中において首位を占め、無集配特定局に比較するときはその数七十一局中十二、三番目に位し、町内の宮村、長田各特定局を上まわつているが、その取扱い事務に簡易局としての制限があり、町民は三キロないし四キロを往復して納税する等きわめて不便をしている。ついては、勝岡簡易郵便局を無集配特定局昇格されたいというのであります。
  62. 松井一郎

    松井(一)政府委員 勝岡簡易郵便局を、無集配特定局にするということは、先ほどの陳情の趣旨にもありましたように、一応私どもとしての設置標準には達しておるのでありますが、なお同じような簡易郵便局で、他にもつとはるかに必要の多いところがありますので、現在の定員事情では、さつきゆう実現は困難かと思われます。     ―――――――――――――
  63. 田中織之進

    田中委員長 日程第十五、芳野郵便局集配事務開始に関する請願、第七九五号、紹介議員吉田安君、山戸専門員説明を求めます。
  64. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、熊本県飽託郡芳野村は戸数五百七十七戸を有する農村で、果実園芸の発達著しく、村民の文化的生活も向上しているが、芳野郵便局は無集配局として設置以来十五年、業務は年々繁忙の度を加え、ことに貯金業務は表彰されること数回に及び、二十三年度には電話の交換機も設置されているが、無集配局のため郵便物は隣接の熊本市に三日も要する状況で、村民はきわめて不便をしている。ついては、芳野郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  65. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 芳野郵便局集配事務を開始しますれば、郵便物の速達上多少の効果がありますけれども設置標準に達しておりませんので、また定員増員を要することになりますので、さしむき、その実現が困難であるように考えます。     ―――――――――――――
  66. 田中織之進

    田中委員長 日程第十六、立野地区に無集配特定郵便局設置請願、第一一三六号、紹介議員有田喜一君、これについて説明を求めます。
  67. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、豊岡市は兵庫県北部唯一の都市として商勢とみに発展しているが、同市東部の立野三江地区と旧新田の一部には郵便局設置がないため、住民の不利不便は多大である。ついては、豊橋市立野地区に無集配特定郵便局設置されたいというのであります。
  68. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 立野地区に無集配特定局設置することは、もより局にも近く、利用予定人口も少いので、設置標準に達しておらないのであります。さらに現下定員事情等にかんがみまして、さつきゆう実現は困難と思われます。     ―――――――――――――
  69. 田中織之進

    田中委員長 日程第十七、曾佐村に無集配特定郵便局設置請願、第一六七一号、紹介議員有田喜一君、山戸専門員説明を求めます。
  70. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、兵庫県飾磨郡曾佐村は姫路市の西方に隣接して戸数六百を数え、中央にそびえる書写山には円教寺を初め数種の国宝を有し、播磨平野と瀬戸内海を一望に収める風光は古来より知られるため、阪神方面からの観光客も著しい数に上つているが、しかるに本村並びに東隣姫路市安産地区には郵便局がなく、また北隣の置塩村にはようやく戦後に設置を見たものの、地勢狭長のため南部の住民には利用価値が少なく、関係住民及び観光客はきわめて不便をしている。ついては、曾佐村に無集配特定郵便局設置されたいというのであります。
  71. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 設置予定地を曾佐村大字曾佐とするときは、設置標準には達しておりますけれども現下定員事情等にかんがみまして、さつきゆう実現は困難と思われますけれども、郵便の窓口機関利用するという面から見て不便だと思われますので、簡易郵便局ならば、将来考慮いたしております。     ―――――――――――――
  72. 田中織之進

    田中委員長 日程第十八、徳田に簡易郵便局設置請願、第一九〇八号、紹介議員山崎猛君、山戸専門員説明を願います。
  73. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、茨城県久慈郡小里村は県の最北端に位する山間僻地で、村内の部落間には山岳地帯が多く、村内大字大中に郵便局設置されているが、その日に通信の便を得られるのはほんの小部落で、大字徳田、里川等は一里半ないし四里も郵便局から離れ、預金、通信、急用等にはとまりがけで用を足す状態で、その不便と苦労は多大である。ついては、小里村大字徳田に簡易郵便局設置されたいというのであります。
  74. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 設置予定地を小里村大字徳田とするときは、設置標準にも達し、窓口機関利用上の不便も認められますので、将来設置方を考慮いたしております。     ―――――――――――――
  75. 田中織之進

    田中委員長 日程第十九、荒川簡易郵便局特定局昇格請願、第一九〇九号、紹介議員堀川恭平君、これについて説明を求めます。
  76. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、兵庫県姫路市荒川地区人口一万を数えるも、本地内の荒川簡易郵便局簡易郵便局であるため、税金、積立貯金及び電信電話等の事務を取り扱われず、関係住民は納税等のため貴重な時間と費用をかけて遠方に行く状態で、きわめてその不利不便は多大である。ついては、荒川簡易郵便局特定局昇格されたいというのであります。
  77. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 荒川簡易郵便局を無集配特定局にすることは、設置標準には達しておりまするが、その簡易郵便局における取扱量が少いので、現下定員事情等にかんがみまして、さつきゆう実現は困難と思われます。     ―――――――――――――
  78. 田中織之進

    田中委員長 日程第二十、富成郵便局集配事務開始に関する請願、第一九一〇号、紹介議員佐藤善一郎君、これの説明を求めます。
  79. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、福島県伊達郡富成村は近時果実生産地として全国に優位を占め、通信の利用も激増しているが、村内の富成郵便局が無集配局であるため、集配事務を取扱わず、二里も離れた保原郵便局利用するので、生果の取引上関係住民の不利不便は多大である。ついては、富成郵便局集配事務を開始されたいというのであります。
  80. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 富成局に集配事務を開始いたしますれば、郵便物の速達上並びに現受持局である保原局の集配難救済上、多少効果はありまするが、施設標準にも達しておりませんので、さしむき実施が困難であると思われます。なお町村合併等の状況等をも見た上で、将来計画上の参考といたしております。
  81. 田中織之進

    田中委員長 以上で本日の公報に掲載されました請願二十件について、請願趣旨説明及びこれに対する政府の所見を伺つたのでありますが、いずれも実施困難の理由といたしましては、定員関係事情等が各案件について述べられておりますので、この点は別途定員法改正法案も出ておりますので、その審議等とにらみ合せまして、本件に対する是非については、あらためて審査することにいたしまして、本日はこの程度で散会いたします。    午後零時二十一分散会      ――――◇―――――