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井出一太郎君 ただいま
議題となりました
内閣提出、
農林省設置法の一部を
改正する
法律案、
保安林整備臨時措置法案並びに
国有林野法等の一部を
改正する
法律案につきまして、
審議の
経過並びに結果の大要を御
報告申し上げます。
まず、
保安林整備臨時措置法案について申し上げます。
災害を未然に防止し、あるいはその
被害を軽度にとどめますためには、まず水源地帯の森林を造成し、その森林を国土保全の
目的から適正に管理することが必要不可欠の
条件であるのであります。この意味におきまして、治山治水対策の重要な一環として保安林の
整備拡充を緊急に
実施するため本
法案が
提出されたのであります。
次に
内容の骨子を述べますと、第一には、重要河川の流域ごとに保安林
整備計画を中央森林
審議会に諮問して農林大臣が定めることとするのであります。第二には、保安林
整備計画に基きまして、流域保全のための保安林、治山事業
施行地の森林、及びこれらに隣接していて国が一括管理することが適当である森林等を国が買い入れるものとするものであります。なお、この買入れの対象と
なつた森林等が農用林でありました場合は、国有林野との交換によ
つて処理することができることとし、また森林法による伐採制限等に違反し、かつ造林命令や復旧命令に従わないのみならず、国の買入れの申込みにも応じないような場合には国が強制買取りを行うこととし、この場合、中央森林
審議会の議を経て農林大臣が手続を行うのでありますが、この買入れ等の対価は時価によることとし、その算定方式は政令によ
つて適正に定めることといたしております。第三に、保安林等の買入れ
措置を円滑に進めるため、租税特別
措置法の一部を
改正いたしまして、登録税、譲渡
所得税及び再評価税の減免等の
特例を認めるとともに、
地方税法に新たに設けられる不動産取得税につきましても、交換により森林を取得する場合、免税することにいたしております。
本案は去る三月二十二
日本委員会に付託され、同二十四日農林
政務次官より
提案理由の説明を聞き、以後七回にわた
つて委員会における
審査を行いますとともに、林業に関する小委員会におきましても並行して
審査を進め、特に四月九日の委員会には学識経験者五名を参考人として招致いたし、その意見を聞いて
審議の慎重を期したのであります。その間委員各位より熱心な
質疑があり、保安林の国による買入れ、交換及び買取りについての税の減免
措置に関する問題を初めといたしまして、各方面についての論議が行われたのでありますが、詳細は速記録に譲りたいと存じます。
本日
質疑を終了いたし、採決に入るに先だち、自由党福田委員より
修正案が
提出されました。その
内容は、国の政策に協力して国土保全上必要な森林等を国に売り渡した場合は、強制買取りを受けた場合と同様に資産再評価税を免除すること、及び、またそれら森林等を国有林野と交換した場合に取得した清算金に対しても免税
措置を講ずることといたしたものであります。
この
修正案並びに
修正部分を除く原案を
議題として採決の結果、
全会一致をも
つて修正案並びに
修正部分を除く原案はともにこれを可決いたした次第であります。
次いで、社会党足鹿委員から六項目にわたる附帯
決議を付したいとの
動議が
提出され、採決の結果、これまた
全会一致をも
つて可決いたしました。附帯
決議は六項目にわた
つておりますが、その第一は、
本法施行後における運用の実績に徴し、第四条の規定による買入れ
措置の強化について検討すること、以下ございますが、詳細は速記録に譲りたいと思います。
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次に、
農林省設置法の一部を
改正する
法律案につきまして申し上げます。
本案の
趣旨は、長野営林局が現在長野県西筑摩郡福島町に所在しておりますのを、本年度中に長野市に移転しようとするものであります。
長野営林局が現所在地に設置されましたのは、
昭和二十二年、終戦後におきまする林野行政の改革にあたり、一時的の暫定
措置として行われたものでありまして、その後国有林野事業の
重要性が増大するにつれ、他の行政庁、
関係団体等との連絡折衝が頻繁とな
つて参りましたが、現所在地は
地方の行政及び
経済の中心地から距離が遠く、能率的、
経済的に多大の犠牲を余儀なくされる状態でございます。のみならず、地勢上からも住居、交通に多大の制約を受け、職員の勤務能率に著しい支障を来している実情でありますので、これらの
理由から、長野市移転は数年来の懸案であ
つたのであります。
以上、
本案が
提出された事情と要旨を申し述べましたが、
本案は去る四月十五日付託となり、翌十六日農林
政務次官から
提案理由の説明を聞いた後
審議に付しました。
同日
質疑を終了しました後、
討論を省略して、ただちに採決を行いましたところ、
全会一致をも
つて原案の
通り可決すべきものと決した次第であります。
以上御
報告申し上げます。(
拍手)