○小山倉之助君 私は、
改進党を代表して、
昭和二十九
年度予算各案に対し、三党協定になる
修正案並びに
修正部分を除く
政府原案に賛成の意を表し、社会党の
予算組みかえ案に
反対するものであります。(
拍手)
本
予算は、
編成の途上において、わが党の自立経済五箇年
計画に基く
財政緊縮の構想をも十分考慮に入れたインフレ是正の
予算であります。だが、これを強行するためには、それ相応の用意が必要であります。たとえば、この際
緊縮予算の実施によ
つて最も
影響を受けるものは
中小企業と
生活困窮者でありますが、これら階層に対する被害の予防措置が
予算面に適正に現われていません。また、当面
外貨の流出防止のために必要な食糧自給
増進費の計上も不十分でありまするがゆえに、われわれはこれに
修正を加えたのであります。さらにまた、世界は今や原子力活用による第三次産業革命時代の初頭に立
つているのでありますが、この
予算には、敗戦直後の萎靡した国情の惰性から、これら産業競争に伍して遅れないために、その気魄と用意が足りなかつたようでありますから、この点について、われわれは交渉をいたしたのであります。わが党は、過般来、
日本自由党とともに、
予算上の不備の改訂方を
自由党に申し入れましたるところ、数次の交渉の結果、与党もこれを了承せられまして、ここに一部の
修正が実現された次第でありまして、わが
改進党は、本
予算の
修正案及び
修正部分を除く
政府原案に賛意を表するとともに、
政府は十分なる勇気をも
つて、従来の行きがかりを捨てて、本
予算の
実行によりインフレの収束という目的を達成するよう、かたい信念を持
つて邁進せられんことを希望してやみません。(
拍手)
同時に、留意しなければならないことは、インフレ収束のためには、単に国家
予算の
緊縮だけでは不十分であります。ましてや、強固なる
わが国自立経済体制を達成するためには、
予算の
緊縮と並行して、幾多の積極的なる総合
施策を
実行しなければなりません。その代表的なものといたしましては、わが党は、
資金の量的、質的是正のための
投融資計画委員会の設置、
資本蓄積増進目的のための第三次資産再評価法の実施、及び労使協力体制確立のための生産協力
会議と労働
委員会等の仲裁基準の設定等をすみやかに
政府が
実行すべきことを提唱し、
自由党は三派
修正予算の附帯条項としてこれら三点を了解されましたことは欣幸にたえないのであります。(
拍手)
従つて、われわれは、
政府が今後において、これら諸問題の実現に対し、いかなる誠意を持
つて、あるいは熱意を持
つてこれを
実行するかを監視して、この
予算の
実行と相ま
つて祖国復興のために邁進せんことを期するものであります。(
拍手)
本
予算の
実行にあた
つては総合
計画を伴わなければなりませんが、そのまず第一にとるべきものとして、
金融政策について申し上げますと、従来のごとく、市中銀行が日銀から
資金を安く借り入れて、これを民間に貸し付け、いわばさやとり
金融をや
つて来たことから、通貨の膨脹と、ひいては
物価高を招来して来たのであります。そのオーバー・ローンの原因とな
つたのは、かような
政策であ
つたのでありますから、これを解消する手段を講じなければならぬと思うのであります。ただ、オーバー・ローンを解消するに急にして長期
計画を怠りましたならば、
政府の意図する目的を達成することはできないのみでなく、いたずらに
財政経済を破滅に導く結果をおそれまするから、特にこの点に留意せられんことを
要望いたしたいのであります。(
拍手)
オーバー・ローンの解消といたしましては、何としても根本の
政策としては資本の蓄積をはかることであります。これを
実行するには、総合
計画は、英、独のとつたような
政策が参考となると存ずるのであります。
自由党内閣は、米国の援助を受けておる間に、朝鮮ブームによ
つて巨額の
外貨を得ておつたときでも、多くの打つべき手を打たなかつた。この点につきましては、
外国の記者もみな遺憾とするところでありまして、最近、ニューズ・ウイークの記者も、
日本は絶好の機会を失つたと称しております。(「ヒヤヒヤ」
拍手)すなわち、西独におきましては、経済相エルハルトの努力によりまして、まずドイツ産業の基礎を固め、
輸出貿易伸展の地固めを完了いたしました。これがために経済的余裕ができまして、東独から来るところの逃亡者あるいは追放者実に一千万人を受入れて、これを救うの態勢をつくり上げ、欧州
支払い銀行に対しても
巨額の預金をなし、今やドイツのマルクは世界のいかなる硬貨とも自由に交換できるようにな
つたのであります。
総理大臣は英国に学べと言われましたが、その英国では、英蘭銀行の公定日歩を二・五%から四%に
引上げ、民間
投資を
削減し、
金融を量的に規制して
金融界を固めました。
しかるに、
日本においては、わずかに高率適用を行つた程度で、日銀の通貨を市中銀行に貸し付けて量的
抑制を糊塗したのみでありまして、信用規制をも行わない。いわんや、
金融の質的規制に対しても緩慢な態度をとりましたことは、今日のオーバー・ローンを馴致した原因であります。その間、企業の
合理化も徹底しない。朝鮮ブームや、米国軍の
日本国内で
消費するかげろうのような取得に酔うて、来るべき運命をもさとることなく、その日暮しの
政策を行
つて来たことに基因するのでありまして、事ここに至
つては、まず法人、個人を通じて
資本蓄積の
施策に邁進することが必要であると思うのであります。(
拍手)わが党が、法人にあ
つては第三次再評価の強制を断行し、これを無税とすること、長期預金の優遇などを主張しておりますゆえんも、ここにあるのであります。幸いに三派
修正案にてわが党の主張がいれられたことは多とするものであります。
この際特に
政府の見のがしてはならぬ重要
政策があります。それは
外貨の使用の点についてであ
つて、この点に特に深甚なる用意を欠いてはならぬと思うのであります。すなわち、現在
わが国は、重要
物資をほとんど
外国に依存しており、
輸入にまつのであります。
従つて、
外貨は
日本経済を左右しておると
言つても
過言ではないと思うのであります。特に
物価に直接
影響するところが多いのであります。
外貨の使用を誤れば、期待する低
物価を招来するどころか、通貨価値の安定さえも困難となることをおそれるのであります。また、
外貨の割当にあた
つて、特殊の企業に対して独占の利益を与うるような結果を防止しておかなければならぬと思うのであります。ゆえに、私どもは、内地
金融とあわせて、
外貨を含む権威ある
投融資計画委員会の設立を提唱するものでありますが、幸いに三派
修正の協議会において承認されたのでありますから、その運用に関しては万遺憾なきを期せられたいのであります。(
拍手)
第二には、
国際収支の
改善をはかることは重要なる
施策のポイントであると存ずるのであります。
わが国が、さきには領土を拡張し、管理紙幣でも
つて朝鮮、満州、樺太、台湾等から必要な原料を取入れた時代は永久に去
つたのであります。
外国貿易は唯一の原料入手の手段であります。これは金貨すなわち現なまをも
つて取得するのであります。その金貨をかせぎ出すことは、輸出を盛んにする以外にはありません。一方においてはインヴイジブルのインカムを
増加しなければなりません。
御
承知のごとく、
わが国は、か
つては
海外移民の送金によ
つて国際収支を補つた時代があります。また、
わが国の船舶が世界の七つの海を航海して大いに
外貨をかせいだ時代もあります。また、
わが国の
海外商社が
外国の商品を他の
外国に売
つて巨額の利益をあげた時代もあつた。この輝かしい時代はすでに去
つて、今日は、当時世界をまたにかけて活動された、すぐれた経験を持つた偉才はほとんど内地に引揚げて、その手腕を振う余地がなくなり、脾肉の嘆にたえざる者がたくさんあります。当時を回想して、うたた断腸の念を禁じ得ないのであります。(
拍手)また、世界中に数十箇所の支店を持
つて世界の
金融界に雄飛した正金銀行は、当時
日本の
海外発展にいかに役立つたか。今や普通銀行に変貌して、
海外活動の機能を喪失しているような哀れな姿であります。
敗戦の結果、
日本の
海外に対する進路はとざされ、明治の初期に返つたと同様であります。その当時、われわれの先輩は、治外法権の撤廃を断行し、
貿易事業を外人の手から
日本人の手に奪回した。当時の
日本人は深い経験を持たなか
つたのでありますが、しかもなお大いなる成果を収めたことは事実であります。現在では、経験を有する多くの第一線に活動した練達堪能の士を雲のごとく持
つておる。また、西独の実例、英国人の努力は、われわれにりつぱな亀鑑を示しておるのであります。これを学んで、われわれが現に有するところの尊い経験と偉才を活用するならば、国力の伸張期して待つべきものがあると信ずるのでありまして、全
国民がこの信念を持
つてこの難局に対処せんことを
要望せざるを得ないのであります。(
拍手)
第三は、労使協同態勢の確立の問題であります。現在
わが国労働界に見られるような政治的目的からする年中行事的な賃上げ要求と、これを裏づける全国的なストライキが頻発するような状態では、とうてい、
物価の
引下げも、国際的抵抗力の培養も、インフレの収束もできるものではありません。西ドイツが一九五三
年度の労働評議会において発表いたしました三つのスローガンがあります。その一つは、より多い資本を産業へ、第二は、闘争より平和へ、第三は、
賃金値上げより良品廉価の増産であります。これは単なるスローガンではなくして、これをドイツ
国民が
実行しておりますことは、西ドイツの経済復興の
実情から見ても明らかでありますが、
わが国の企業家のごとく、国家の要請に基いて、
国民の血税をも
つて投
融資すれば、そのたつとい
資金を横流しされたというようなことは、実に悲しむべきことであります。(
拍手)
また、
わが国の労働界は、闘争より平和へのスローガンと逆なコースをたど
つておるのが現状であります。最近におけるストのごときは実に悪質であ
つて、革命戦術とも申ずべきものであり、同じく悲しむべき事例であると言わなければなりません。また、
賃金値上げより良品廉価の増産も、
わが国はその裏を行
つておる現状であります。輸出で生きるところの
日本が、
海外市場では
外国品に比して必ずしも良品ではないものを高価で販売することができないで、生産費を割
つて廉売しておるということは事実であります。しこうして、これを内地においては高価で売る。すなわち、
外国で売つた損を内地の
消費者にぶつ加えて、それだけの差損を補
つておるという、いわゆる二重価格制度が蔓延しておるということが今日の
実情であります。この二重価格制度が行われておる品目は二十余種に上
つておる。しこうして、なおこれが
増加する傾向であります。
わが国労働階級の意識を、もしドイツの労働組合の程度に
引上げることができますならば、
わが国の自立経済体制を立てますことは容易でありまして、これがために、現在の資本家並びに経営階級とも従来の態度を反省して、労資双方がいたずらなる対立闘争的
関係を払拭し、協同調和的
関係に置きかえることが絶対に必要であります。かかる
関係を促進するために、
公共事業及び
財政投資を試みております基幹産業に対して、生産協力
会議とも申すべき
機関を設置して、経営の
合理化、労働の能率化、生産力の
引上げなどを目的として、資本家、経営者、労働者、中立者及び
消費者の代表
諸君を加えて、この
会議の構成によ
つてストライキを防止する態度をとるべきではなかろうかと存ずるのであります。
近来の企業家は、労働組合に対する認識がようやく深ま
つて来たとはいえ、反省すべき点のあることは見のがすべからざるところでありまして、いわゆる社用族的存在は経理を労働組合に示さず、相次いで起る
不渡り手形、
倒産の跡を見ると、不正、濫費、横領などがその真相を暴露しておるのであります。労働組合の憤激を買い、自暴自棄のストライキに追い込む事例もないではありませんが、もし経理を明らかにし、精励恪勤、誠意をも
つて労働組合に臨めば、ある程度の争議闘争を未然に防ぐことは可能ではないかと思うのであります。(
拍手)また一方、労働者、
勤労者の人々は、産業を守ることは国を守り自己の
生活を守るゆえんであるということを自覚して、扇動に迷わされず、政治ストに参加することなく、かような態度をとりましたならば、
わが国産業の復興は期して待つべきものがあると存ずるのであります。(
拍手)
西ドイツでは、労働組合に政治
資金を出すことを禁止しておるのでありまするが、かかる立法は、悪質なる政治ストを未然に防止する一方法であるかもしれません。近時、職業的闘争の跡は絶えません。いわんや、政治の混乱を惹起することを目的として某国より
巨額の
資金が供給されているというようなうわさが事実でありといたしますれば、まことに容易ならざることでありまして、日教組の赤化運動とともに、
政府は最も有効適切なる方法を強力に推進することを要求してやみません。(
拍手)
わが国のごとく経済の弱い国柄においては、対労働
政策を誤らんか、まつたく取返しのつかない破滅を来すことをおそるるものであります。
第四は国防
計画についてでありますが、
政府は、
日本の経済力に順応して
漸増すると言うばかりであ
つて、依然消極的態度に出ております。
従つて、
保安隊は自衛隊と改名いたしましても、依然として日陰者の存在であるということは免れません。
国民は自衛隊に対する愛敬の念薄く、かつまた彼らに栄誉を与える態度に出ておりません。
従つて、彼らは
国民の信頼を受けているということを意識しないのであります。信頼なき、栄誉なき存在は公の存在とはならぬのでありまして、彼らがその責任を自覚せず、
従つて、士気の上らないことは当然であると言わなければなりません。ゆえに、
国民は、
保安隊を腐敗堕落の温床であるかのごとく、むしろその
増強に対して恐怖の念を抱く者さえあることを認めなければなりません。国会においてもしばしば論議の中心とな
つたのであります。
しかるに、米国は、
日本の国防の前線ともいうべき朝鮮からは二箇師団の撤退を断行し、大統領のメツセージにおいては、友邦に対して新兵器の使用法を教える必要があると声明しておるのであります。私、寡聞にして、いまだ新兵器の発達の全貌を知る由もありませんが、近代兵器の発達はまつたく目まぐるしいものでありまして、これが使用には相当進んだ知識が必要であると思います。現在の
日本の学問の程度でこれを理解することは容易なことではなく、青少年時代より科学教育が必要であ
つて、
日本の教育に対する画期的変革を余儀なくさせるのではないかと思うのであります。この新兵器の使用にあた
つては、りつぱな訓練を積まなくてはならぬと信ずるのでありますが、
政府の態度はこの点においてもはなはだ明白を欠いておるのは、まことに遺憾とするところであります。また、MSAの援助に対して、米国の旧式な兵器を貸与されることを避けるがためにも、新兵器や、現在製造の過程にある原子兵器をも理解し、またはこれを使用する能力を持つことが先決問題であると思うのであります。私は、現在の兵器でさえも
日本が学ばなければならぬ多くの点があると信じます。
元来、軍需工業は、科学並びに化学の粋を集めたものでありまして、平和産業に利用する部分も相当あると存じます。第二次世界大戦では、
日本の軍人は世界の科学の進歩の程度に盲目であ
つて、
日本人同士が他の
日本人よりすぐれておるというばかりで優越感を覚え、驕慢にして他に学ぶの謙虚な精神の欠乏から大敗を招いたことは、われわれの親しく経験したところであります。
MSA援助の中にも大いに学ぶところがあり、学ばなければならぬと思います。これは
わが国再興の要諦であると信じます。
わが党は、原子爐製造のために原子力
関係の基礎調査研究費として二億三千五百万円、ウラニウム、チタニウム、ゲルマニウムの探鉱費、製錬費として千五百万円を要求し、三派のいれるところとな
つたのでありますが、米国の期待する原子力の平和的使用を目ざして、その熱心に推進しておる
方針に
従つて世界の四十箇国が加盟しておるのでありまして、これは第三次産業革命に備えんとするものでありまするから、この現状にかんがみ、これまで無
関係であつた
日本として、将来原子力発電に参加する意図をも
つて、優秀な若い学者を動員して研究調査せしめ、国家の大計を立てんとする
趣旨に出たものであります。(
拍手)
第五は、国土開発であります。
日本の未開発資源を開発することは、
日本の自給性を高めるゆえんでありまして、
わが国喫緊の要務であると言わなければなりません。多くの人々がその必要を認めていながら、国費が足りないという理由から顧みないでいたのは、御
承知のごとく河川の改修事業であります。この事業は、幾十年間荒廃のまま放擲されて参りました。これは、永年の土砂が堆積して河底が高くなり、洪水に侵されて良田が埋没されて参りますると、ますます堤防を高くするのでありますから、河底は平地より高く、あたかもアフリカの土人が水がめを頭上に乗せて運んでおるような状態でありまして、
わが国民全体は一大水がめを背負
つて生活をしておるような状態であります。年々歳々風水害に見舞われて、平時においてさえ毎年千八百余億円の
経費を災害復旧のために投じております。河底をそのままにして堤防主義を推進するのでありますから、真の復旧ではなく、復旧を糊塗するものであります。その結果、災害をますます増大するばかりであ
つて、その復旧の費用はいやが上にも
増加するばかりであります。今や、河川改修の事業は、この上放棄することはできない
実情にあります。いわゆる堤防主義を廃棄して根本的対策を講ずべき時期であると信ずるのであります。これがためには、
地方民を中核として自衛軍の協力を求め、漸次主要なる河川より全国大小河川に及ぼすならば、
日本の自衛隊は、スイスの民兵のごとく、平時は国土の開発、経済力
増進の平和産業に従事し、事あるときは銃剣をと
つて国を守ることができるのであります。また一方においては、ブルドーザー、ドレツジヤー等のごとき近代的土木機械製造工業の発達に貢献し、他方東南アジアにおいては、ポイント・フォア、未開発地開発
計画の米国の偉大なる
計画に参加する機会をつかむこともできるのではないかと思うのであります。この
計画は長期にわた
つて推し進めらるべきでありまして、電源開発と砂防
計画、造林
計画を総合すれば、ドイツのシユワルツ・ワルトを実現するがごとき河川の舟運を増すばかりでなく、良田、牧野の拡張となり、米麦の増産をはかることができるばかりでなく、また粉食にちなむ酪農事業の発展にも貢献することができるのではなやかと思うのであります。
御
承知のごとく、時局はすこぶる重大であります。一日もゆるがせにすることを許さない解決を急ぐ問題は山積しています。このよ
つて来るところは、自由国家群と共産主義国家群の対立から起
つておるのでありまして、ドイツ
国民は、この際にあた
つて、自由を守り、国家再建を目的として異常な決意を持
つておるのでありますが、その指導者は御
承知のごとくアデナウアーでありまして、今や一九五三年の世界の人として世界の脚光を浴びておるのであります。朝鮮の李大統領もまた世界の人物として舞台に登場しております。比島の新大統領マグサイサイも同様であります。御
承知のごとく、マグサイサイは、
国民はひとしく正常なる基盤に立
つて政治の解決を行わなければならぬとして、クリーン・ガヴアメントを標榜し、みずからの潔白を
国民に示すがために、一万三千数百ドルの金を——これだけの財産があるということを示したのでありますが、今やわれわれ
日本人もまたクリーン・ガヴアメントを樹立して、
国民の信頼を再び
政府並びに議会にとりもどすときであると思うのであります。しからざれば、
国民の念怒はあるいは爆発することなきやをおそるるのであります。
幾多の変遷を経て、今や
日本としては政治も経済も
わが国民自身の手でやらなければならぬときにあた
つて、二十九
年度緊縮財政は
編成せられ、これを契機として
日本は再起するやいなやの力をためさんとするのであります。この
予算を基礎として国家再建の実をあげられんことを
要望し、三派共同による
修正案並びにこれを除く原案に賛意を表するものでありまするが、
社会党両派組みかえ案のごときは、
わが国を無防備のままに
外国の侵略にまかせんとするものでありまして、その道はクレムリンに通ずる道であると思いますから、断じてこれに
反対の意を表して
予算討論を終了いたします。(
拍手)