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1954-09-06 第19回国会 衆議院 法務委員会上訴制度に関する調査小委員会及び違憲訴訟に関する小委員会連合会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月六日(月曜日)     午前十一時三分開議  出席小委員   上訴制度に関する調査小委員会    小委員長 小林かなえ君       鍛冶 良作君    佐瀬 昌三君       林  信雄君    高橋 禎一君   違憲訴訟に関する小委員会    小委員長 佐獺 昌三君       小林かなえ君    吉田  安君       佐竹 晴記君  委員外出席者         専  門  員 村  教三君         専  門  員 小木 貞一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  上訴制度及び違憲訴訟に関する件     ―――――――――――――   〔小林上訴制度に関する調査小委員会委員   長、委員長席に着く〕
  2. 小林錡

    小林委員長 これより上訴制度に関する調査小委員会違憲訴訟に関する小委員会連合会を開会いたします。  まことに御多忙のところをまたこれから引続き御苦労願うことになりましたが、何分よろしくお願いいたします。本日はこれまで出たいろいろの議論を、お手元に差上げてありますように違憲上訴制度改正主要問題点としてまとめましたから、この点につきまして小木専門員より一応説明をしてもらうことにいたします。
  3. 小木貞一

    小木専門員 ただいまお手元に配付してあります違憲上訴制度改正主要問題点、原案では違憲上訴制度改正要綱試案とありますが、表題を今のようにかえて御説明申し上げます。先に速記に残す関係で一応読みます。    違憲上訴制度改正主要問題点  第一 最高裁違憲審査権について   一 一、いわゆる広義の違憲審査権を有するものとするか   二 二、いわゆる狭義違憲審査権を有するものとするか  第二 上訴制度について  上訴制度は一から五まであるわけでありますが、問題が幾つもありますので、上に通しの問題点の番号がずつと打つてありますから御承知願います。これは通し番号の三からになるわけであります。   三 一、上告理由現行刑訴(旧民事特例)の型にするか   四 二、上告理由現行民訴の型にするか   五 三、簡裁事件上告審を高裁とするか、最高裁とするか   六 四、刑事上訴継続審とするか   七 五、上告事件につき原裁判所適法要件審査権を認めるか  第三 狭義違憲審査権を有するものとし且つ上告理由現行民訴の型に統一した場合に      一、最高裁の裁判の能率化をはかり且つ国民権益を擁護する具体策   八  イ 裁判官増員数を十五名とするか十二名とするか   九  ロ 増員裁判官は認証官とするか   十  ハ 調査官、秘書官を整理するか  十一  ニ 大法廷、小法廷構成  十二  ホ 大法廷、小法廷権限  十三  ヘ 大法廷、小法廷の外に特別法廷を置くか。その構成及び権限  十四  二、違憲事件移送を認めること  十五  三、移送の外に、最高裁が、下級審係属事件につき、憲法解釈の点だけ取上げ審判することを認めるか  十六  四、最高裁違憲判決の効力につき規定を設けるか  第四 訴訟促進及び国民権益擁護策としての第一線強化について  十七  一、陪審制度をどうするか  十八  二、いわゆる参審員制度をとり入れるか  十九  三、第一線裁判官補給源及び養成(司法研習所の拡充)並びに待遇をどうするか  第五 司法行政権及び規則制定権行使方法について  二十  一、常置委員会のような会議体に委ねること  二十一 二、記録調製整備最終責任者及びその権限を明かにすること もう一つ別刷りものですが、これは実は大法廷のところにもう少し問題があるわけでありますから、最高裁機構の大法廷、小法廷等問題になる点をもう少しこまかくわけた分類であります。  それで最高裁機構の問題であります。  第一、最高裁機構   大法廷と小法廷とに分ける建前をとるか  そういう建前をかりにとるとして、一、二、三、四、五、六まで問題があるわけでありますが、一、大法廷構成員裁判官全員とするか、各小法廷代表者又は九人程度一定数裁判官とするか。その次に二、一定数裁判官をもつて大法廷構成するとした場合におけるその裁判官選出方法。三、大法廷所管違憲事件及び前判例変更を要する事件とするか。四、小法廷構成する裁判官は三人とするか五人とするか。五、大法廷所管以外の事件は小法廷所管とする。六、大法廷に代る特別法廷をおくか。これは後ほどちよつと御説明いたします。  第二、最高裁裁判官の任命にあたつては、法曹、学界、経済界等国民各階層の代表者をもつて構成する諮問機関を設け、その諮問に付することとする。  これは簡単に今まで問題になつた点を整理してみたものでありまして、ほとんど説明の要もないくらいでありますが、大体この問題でイエスかノーかができるような問題に書き直してあるわけであります。その中で改正主要問題点の第三の、最高裁の、これはおもに機構あるいは権限の問題に触れるところでありますが、それとあとで申し上げますが、別な刷りものの、主として機構の細分した問題でこれと関連して申し上げますが、これは大体最高裁を大法廷と小法廷にわけてやるという一応の建前をとるものとして考えてみたわけでありまして、十五名の増員あるいは十二名の増員ということで、たとえば小法廷を五人にすれば十五人をふやした場合には三十人になりますから、小法廷が六つでき、小法廷が三人の場合には小法廷が十できるわけであります。また十二名ふやしますと二十七名になりますから、そうするとこれは三人の小法廷にすれば九つできる、こういうことになるわけでありまして、大法廷構成する裁判官はこれを全員とするかあるいはそうでなくてもいいかどうか、そこのところが非常に憲法八十一条の解釈上問題になつて来る点ではないかと思います。この点は十分あとで御相談願いたい点であると思います。もし憲法の八十一条の解釈違憲事件をやる場合にも、大法廷すなわち全員でなくてもいいということになりますと、この案にあります大法廷にかわる特別法廷というようなものは従つて必要がなくなつて来やせぬかと思うわけでありまして、この大法廷にかわる特別法廷というのを考えましたのは、一応憲法法廷のようなものを何か考えて、そこで憲法事件を大体やれるならやるようにしたらどうか、大法廷に持つて行かぬでもそこで片づけたらどうかというようなことを考えたのであります。しかし今申しますように、大法廷構成全員でなくてもいいということにすればこれは必ずしも必要がなくなつて来るじやないか、こういうふうに思われるわけであります。  大体説明を申し上げる点は以上で、その他は今まで問題になつた点でありますから、説明を省略させていただきます。
  4. 小林錡

    小林委員長 それではこれから懇談に入ります。      ――――◇―――――   〔午前十一時十七分懇談会に入る〕   〔午後零時三分懇談会を終る〕      ――――◇―――――
  5. 小林錡

    小林委員長 それでは懇談はこの程度にとどめ、明日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時四分散会