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1954-08-07 第19回国会 衆議院 法務委員会上訴制度に関する調査小委員会及び違憲訴訟に関する小委員会連合会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年八月七日(土曜日)     午前十一時二十一分開議  出席小委員   上訴制度に関する調査小委員会    小委員長 小林かなえ君       鍛冶 良作君    林  信雄君       古屋 貞雄君    非伊 誠一君   違憲訴訟に関する小委員会       押谷 富三君    小林かなえ君       吉田  安君    猪俣 浩三君  小委員外出席者         専  門  員 村  教三君         専  門  員 小木 貞一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  上訴制度及び違憲訴訟に関する件     ―――――――――――――   〔小林上訴制度に関する調査小委員会委員   長、委員長席に着く〕
  2. 小林錡

    小林委員長 これより上訴制度に関する調査小委員会違憲訴訟に関する小委員会連合会を開きます。  これまでこの連合会において参考人意見を聞き、委員各位にいろいろと御審議を願いました結果、大体得られましたわれわれの考えの要点をとりまとめて申し上げますれば、   第一説 最高裁判所裁判官増員説 第一 最高裁性格違憲裁判と終審の上告裁判所たる性格を兼有する  一、違憲訴訟につき具体的訴訟審理説を採るか、抽象的に訴訟審理説を採るか  二、違憲判決効力については   イ 箇別的効力説を採るか、この際に国会政府等に対して正式な公示方法規則通りでよいか   ロ 政府国会等がその違憲判決を尊重しない場合に起る責任はどこで負うか。  三、違憲訴訟事件につき移送手続法を作るか   イ 移送事項は大体次の如くでよいか    イ 法律命令等が合憲か違憲か    口 憲法その他の法令の解釈にき、判例抵触    ハ 事件が重要で最高裁が自ら処理を適当とする事件    二 最高裁判所が必要と認めた時は何時でも高等裁判所その他下級裁判所から係属事件を送致させて自ら審判する   ロ 事実関係の確定の段階や違憲訴訟関係部分を全体の訴訟から分離する線は明確に出るか   ハ いかなる内容を盛るか、人身保護法先例になるか   ニ 最も速やかに下級審から最高裁に移送する工夫として何がよいか 第二 上告の範囲  上告理由拡大の線を民刑同一にすることを再確認するか   イ 法令違反の総てに及ぶか、   ロ 判決に影響を与うる法令違反か、現行民訴の線か   ハ 再度の考案検事上告の再検討等制限説の線は如何 第三 最高裁判所機構改革  一、裁判官増員の数   現在よりの増員数は   イ 十五人か   ロ 三十人か  二、大法廷   イ 九人か   ロ 七人か   ハ 十三人か    小法廷 三十人として   イ 各組は三人宛か、五人宛か   ロ 憲、民、刑、行の各部か  三、 大法廷の構成   イ 小法廷の部長九人位で構成するか   ロ 毎年又は二年毎位最高裁内部規則により順番又は選挙等にて小法廷より一名又は二名が参加するか  四、裁判官権限は差別なく、種別もなしとするか、即ち   イ 全員は大法廷にて違憲訴訟を審理する権限あり、且国民審査を受けるものとするか   ロ 認証官の待遇は裁判所法改正により全員にするか、又は大法廷に参加するもののみにするか 第四 調査官の縮少又は廃止について   イ 裁判官を十五名増員すればこれを廃止するか   ロ 大法廷事件にのみ調査官をおくか   ハ 事件を急速に処理するために、当分の間調査官をそのままにおくか 第五 裁判官任命方法  詮衡委員会議を作り、候補者名簿を作り、二倍又は三倍を予定する。その中より内閣が任命する。その際に   イ 最高裁側意見を反映する方法として何がよいか   ロ 詮衡委員の選定は先例の如く各法曹界より選挙にて選ぶか   ハ 先例は失敗というがその事情は何か   第二説 中二階説  一、最高裁判所裁判官減員説最高裁性格違憲訴訟のみの裁判所となる   イ 七人か、九人か   ロ 小法廷はなくするか   ハ 減員方法はいかにして定めるか、裁判所内部にて定まる見込ありや   違憲訴訟事件移送手続は前述の通りでよいか   イ 最高裁権限によるか   ロ 下級審の申立によるか  二、上告裁判所を新設か   最高裁の下にて高裁の上にある上告裁判所東京に一つ設けるか、その支部は各高裁所在地に設けないでおくか  三、東京高裁上告部をおくか   イ 東京高裁判例統一に支障がないか   ロ 大阪高裁側の反対は考慮すべきでないか  四、上告制度拡大   上告理由拡大の線をどこに引くか   イ 法令違反の総てか、何らかの制限部分をつけるか   ロ 刑事上告制限の根拠は特にあるか、現行民訴の線は如何   ハ 制限説の線として    1 事前審益    2 再度考案    3 上告許可    等の再検討   第三説 憲法裁判所的機能説  一、現行憲法憲法裁判所を新に設置できるか  二、最高裁判所に「憲法部」を設置して憲法裁判所的機能を発揮できるか、即ち抽象的に法律違憲無効等裁判ができるか   イ 可能説 裁判所法等改正により可能か   ロ 不可能説 裁判所法等改正によつても憲法は之を許さないのか  三、違憲判決効力   1 一般的効力説を採るべきか、    この際    イ 提訴権者を誰に制限するか    ロ 判決期間を何ヶ月に制限するか    ハ 既成事実の転覆により復元的措置のための法律がいらぬか   2 違憲判決に対しては国民の直接投票又は国会承認等措置を必要としないか  四、違憲訴訟手続法案   イ その内容はいかなるものか   ロ 西ドイツ、オーストリヤ等につき運用の実績はどうか   ハ 国会違憲訴訟手続法を制定しても現行憲法の下で判例が変更されぬ限り、違憲法律として最高裁にて判決さるべしとの意見があるが、如何。 第四 その他特任判事に関する問題、法曹一元化に関する問題等であります。  これについて委員間で懇談をいたしたいと思います。     ―――――――――――――   〔午前十一時三十三分懇談会に入る〕   〔午後零時二十四分懇談会を終る〕     ―――――――――――――
  3. 小林錡

    小林委員長 それでは委員会における懇談はこの程度にとどめまして、予定通り来月の六日からさらに開くこととし、本日はこれにて放会いたします。    午後零時二十五分散会