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高田政府委員 麻薬につきましては、ただいま
お話のございましたように、わが国が加盟をいたしておりまする条約は十本に近いくらいございまして、国際的に非常に厳重な
取扱いをいたしておるのであります。わが国も戦争前、進駐軍の参ります前も、このこのことは同じであ
つたわけでございます。しかし進駐軍がや
つて参りましてからは、向うのこの方面の
専門家が乗り込んで参りまして、そうして実は非常にきびしくいろいろなことにつきまして――
最初は
厚生省あたりが
取調べを受けたというふうなかつこうであ
つたのであります。と申しまするのは、これは言葉をはばかることではございまするけれ
ども、日本が外地におきまして、
麻薬に関連していろいろや
つたことについて非常に国際的な不信を招いた、さようなことも影響してお
つたのだと思いまするが、この問題につきまして、進駐軍から非常にきびしくやられましたことは事実でございます。そのために
厚生省におきましても、戦争中の責任を負
つて犠牲者が出たりなんかいたしました。しかし進駐軍のやりました――確かにこれはきびしか
つたのでございますけれ
ども、先ほど
花村先生も
ちよつとおつしや
つたように、
間違つたことではない、それぞれ筋のあることであります。それでわが国におきましては、二十享年に
麻薬取締法をつくりましてや
つて参つたわけでありますが、どうも前の
麻薬取締法が、今問題になりました政府機関なんかの方の手続が非常にきゆうくつであ
つて、あまりに縛り過ぎるというふうな実情もございましたので、それでお
医者さんたちが
麻薬施用者になりたがらないというふうなこともございまして、実は昨年の四月
法律を改正いたしまして、そういう
取扱いの方を若干緩和いたしたような実情にあるのであります。しかし、一方
麻薬の弊害といいますか、あるいは
密輸、
密売買、
中毒者というようなものはだんだんとぐあいの悪いことにな
つて参
つております。それに、先ほど申し上げましたように、国際条約でももちろん縛られておりますし――国際条約とかなんとかいうことを抜きにいたしましても、この惨禍は恐るべきものがあるということで、この
取締りの方は実は一生懸命私
どもや
つておるわけであります。さような
麻薬に関する罪が日本の国あるいは社会全体から見て非常に憂うべきことであるというふうなこと、結局検察庁も裁判所もそういうふうな認識にお立ちにな
つて、今御
質問のようなことの行われることがだんだん多くなるのではないか、かように考えているのであります。なおどういうふうな事犯がどういうふうに
なつたかということは、これは条約に基きまして国際間で報告をいたし合うことに相な
つておるのであります。特に
厚生省から検察庁なりあるいは法務省なりにさようなことを申し入れているというふうなことはございません。