○林(信)
委員 やるとしますれば、
一指法でやるのか、十指法でやるのか。これは何とい
つても的確な点からすれば、指一本よりは十本並べた方がいよいよ的確だろうと思う。大分これは
経費が違うのでございましよう。何でも聞くところによりますと、
入国管理局ではずつと前まではやはり十指でなくちやいかぬというので十指法論者であられたらしいのだが、最近
一指にかわられたというような、デマかもしれませんが話を聞く。
犯罪の捜査
関係における各国の鑑識課等では、これはみんな十指法でや
つておるそうですが、的確な点ではこれが一番いいだろう。おそらく
方法は、事務的にもまた
経費の面からも
一指でやれば安いので、まあまあということではないかと思うのですが、そうでなくて、もう
一指で十分だという何か学問的というか、科学的な説明があるのでございましようか。デマかもしれませんが、以前には十指法を主張せられながら今お答えに
なつた点にかわ
つたとしますれば、どういう
理由でございましようか。これが一点。
あと一括して申し上げますが、先刻から言
つておられますぜひやりたい、こういふ
指紋の
方法があればと言われる点から見ると、あまり御
研究にな
つておられないように思うのですが、これはもう一ぺん
研究されたらどうだろうかと思うのです。なるほど
お話のように、
写真をいかにうまくと
つても、
写真をはぎと
つて張りかえるのですから、これの多いことは私も知
つております。多いというのは、あなたの力からお示しに
なつた資料によれば、二十七年から二十八年にかけて一年間に合計百十件、その他紛失による再交付その他のものが五千二百六十七件に達しておる。この
偽造関係は、これは
写真ならすぐはぎと
つてやれますが、しかしこれも市町村で
写真を張りましたものをそのままやるのでなくて、検の打出印ですか、型のつくもので、再検査をされてやるのですから、そう簡単にはげないだけの
方法はと
つてある。その打出しまで
偽造するということだけですでに困難ですから、かなり簡単にやれそうな
方法が、この
程度の百十件くらいしかないのじやないかと思う。これをやるならどうしてもやはり直接町村の係の者を買収して、汚職の結果によらなければ、そう簡単にやれない。これだけの
方法ですから、この
程度に不正を押え得るのです。
写真だ
つたら簡単に行くのだから、今
写真を張りつけておる
登録証のようなものを、もう少し
考えて、今度は台紙みたいなものに
張つてというようなことになると、
自分の顔の
写真を張るには、型を打つようなわけには行かない。外のバックがいる。何かバックのうるさい――私も正直なところ思いつきで簡単に言えば場当りの意見を今言
つておるのですが、そこのところをもう少しうるさくしたらできるのじやないか。そうしますと、そういう何かの
方法でやりますれば、
指紋をとるよりは
経費が少くて済むのじやないかと思う。初年度そのくらいで、あとは大したことはないと言われる。私も大したことはないだろうと思
つているのですが、それにした
つて現存の
方法よりはいくらかよけいかかるだろう。ことに先刻から申し上げておりますように、いやがられる面がある。それをだれかが臆測して、
警察の
方面で思想の取締か何かをやられるのじやないかと言うが、そういう目的がありますれば、これとタイアップして、堂々とその面でやるならこれはまた別でありますけれども、とにかく目的は何もないのだ、ただ
日本在住を証明するための
登録証一本の目的でこれをや
つているんで、人定別ができればいいということであれば、これにかわる
方法か何かあれば――何をや
つたとこで絶対に不正をなす者はないということはないのじやないかと思う。もつとも
指紋となりますれば、それはやはりよほど確実な
方法であります。係の者に不正をさせるということになれば、同じ
登録証を二通、三通出させることは、できないことじやないのですから、絶対に不正を免れるということは困難だ。これはもう少し
考えてもいいのじやないか。できるだけや
つて、そして出て来るものならばこれはやむを得ないのじやないか。それがただちに国の存在の根本をゆすぶるような重大な問題であるといえば格別なのです。これはそこらにお
つて取締りに都合があ
つたりとか、あるいは税金をとる面においての都合があ
つたりとか、いろいろ不都合はあるにしても、そう根本的のものじやないし、この際、財政の窮乏しております折から
経費の面ともあわせまして、再
検討をいま一度
お願いすべき問題じやないかと思うままに、これをお尋ねしているわけなのですが、いやもう絶対にそんな
余地はないと言われるのか、そこら辺を伺いたいのであります。