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町村委員 ただいま
日本共産党に関しまする
大臣の御
所見の一端を伺つたわけでありますが、この問題は、ただいまもいろいろ御議論が出まする通り、将来の
日本のきわめて重大な問題に相なることかと思いまするが、これはこの程度で、私は論議を進めることを避けたいと思うのであります。
さらに私がもう一点
伺いたいと思いますることは、先般
国警長官に対しまして、どなたからか、
日本教職員組合の中に
一体どのくらい明確な
共産党員がいるかという御
質問がございましたが、これに対しまして、ある程度抽象的な御
答弁を長官はしておられたのであります。私
どもも数は必ずしも多いとは思いませんけれ
ども、しかしこれらの方々の影響力がきわめて大きいという点において、私は非常な憂いを深くいたしたのであります。私は、今日の
日本の五十数万の教員の大部分の方は方、みないわゆる政治的な中立性、
教育基本法の
精神というものをりつぱに守ろうという
考えをも
つて日夜教務に精励しておられるということを私はかたく信ずるのでありまするけれ
ども、ただ遺憾ながら、先ほど来お話も出ておりました通り、
日教組の中央の指導部の中に
共産党の影響を受けた方が多少おられるといたしますれば、その
日教組の指導
方針というものが自然末端の教員に流れて参る。その影響がまつたくなければ、
日教組がどういう指令を出されようとも私は少しもおそれるものではないのでありまするけれ
ども、
文部省から御
配付をいただきました各地における
偏向教育の事例というようなものを拝見いたしますると、どうも
日教組の中央からの指令なり
方針というものが、最近に至
つて各末端の先生方にもいろいろと多少の影響を及ぼして来たものがだんだんと現われて参
つたのではないか。今日これを放置しておくことはできない。放置しておけば、ゆゆしいことになるという御
見解のもとに、今度
政府はこの
法案を提案しようという決意をおそらくされたものと私は思うのであります。この
日教組が本来のあるべき姿に立ちもどるということについて、
文部省としても真剣にお
考えになる必要があるのじやないか。私は
文部大臣と
日教組の
関係を冷やかに拝見しておりますと、どちらに罪があるかわかりませんけれ
ども、
大臣と先生との
関係というよりも、何か労使のはげしい対立
関係に立
つているように感ぜられてならないのであります。こういうような
事態にならざるを得ないというところに、今日の大きな問題があると実は
考えるのであります。いずれにいたしましても、この
日教組と
文部大臣の
関係というものから
考えますと、これは何とか
日教組が
共産党からの影響というものをもつとなくすということについての御苦心がなければならぬはずだと私は思うのであります。
私は先ほどからいろいろ
資料を拝見して、調べておるのでありまするが、たとえば世界労連の中の世界教員組合連盟が主催いたしましたいわゆる世界教員
会議が開かれました際に、世界各国から四十八箇国の代表が集まつたそうであります。
日本からも十数名の代表が参加され、その大部分は
日教組の方が行
つておられるのであります。この
会議における
日本の代表の発言は、世界的にもきわめて重要な影響のあるものだと
考えるのであります。その報告書を拝見してみますると、私
どもにはふに落ちないことがかなり出ているような
感じがいたすのであります。従いましてこれは見様によりましては、
日本の
実態というものを世界に対して誤つた方向に認識せしめるような
事態も起
つて参りますることは、
日本の
教育界のためにもはなはだ遺憾としなければならない問題であるばかりでなく、さらにかような
考えを持
つて行かれることになりますれば、国内におりまする多数の
日本の
教職員諸君としましても、私ははなはだ不満ではないかというような
感じがいたすのであります。従いましてこれらの世界教員
会議に行かれました方々は、いわゆる
日教組の幹部といわれる方々が大部分であつたように
承知をいたすのであります。しかもそれらにおきまするところの発言というものは、少くとも私
どもから見ますれば、やはり
共産党の影響をかなり受けたような発言をしていらつしやる。たとえばメーデーの事件というようなものに対しましても、これを私
どもから見ますれば、非常に歪曲された形においてメーデー事件というようなものの報告をしているような一節もあるのでありまして、かようなことは私ははなはだどうも残念に
考えるのであります。いずれにいたしましても、
日教組というものは、よく世間では丹頂鶴といわれているのであ
つて、さような点を裏書しまするような
事態を相当うかがい知ることができるのであります。私は今後
文部当局といたしましては、
日教組から
共産党の影響というものを何らかの形において払拭することができるなら、あるいは今回の
法案というようなものは提案せずとも実は済んだのではないかということを
考えまするときに、私はかような法的措置のみをも
つてしては、かようなことはできるものではないと思います。そういう点について私は
文部当局として、もつと積極的に
日教組と日共との
関係を遮断するという点について、この立法措置以外に何らの方法がないのかという点についてひとつ伺
つておきたいと思います。