○近藤
政府委員 そこでこのアンバランスをどういうふうにして是正するかということでございますが、ただいま一万二千円の年金を受けておりまする既年金受給者につきまして、それを国家公務員の恩給のベースに引直しました場合にどのくらいの年金になるかという計算を一応いたしますると、国家公務員につきましては昭和二十三年の七月以降今日まで四回のベース・アツプがございまして、基本給が上
つております。
従つてその基本給に相当する恩給額も上
つておるわけでございます。ただいまの一万二千円の年金を受けておる方の基本給を計算いたしますと約七万八百円になります。それを国家の恩給に引直しますと、約二万三千円程度の年金を受けるのが適当の金額になります。従いましてこの二万三千円からただいまの一万二千円を引きました差額分だけこれを
増額することが適当ではないかと
考えまして、実はその
予算要求をいたしてございます。しかしながらこれに対しよして財政当局の
考え方といたしましては、私立
学校教職員共済組合に対しまして、その長期給付年金補助額がわずか十分の一でございます。これは
法律に明記してございますが、十分の一であります
関係上、これにならいましてその差額全部を国が補助金として交付いたしませんので、その差額の十分の一、金額で申しまして約二百八十万でありますがその程度の額は
予算で認めてございます。これはただいまの私立
学校教職員共済組合の年金受給者とバランスをとる
意味におきましてはやむを得ない額ではないかと
考えますが、しかしながらこの一割程度の額ではもちろんただいまの差額を埋めるわけには参りませんので、その残りの九割分に相当する額につきましては、何とかほかの方法でこれを充足する必要がある、か
ように
考えております。
その充足する方法でございますが、これにつきましての意見といたしましては私立校学
教職員共済組合は全
職員員の福利厚生のための施設であるから、その
組合員がこれを
負担するということが一つの方法であろうかと思います。それからもう一つは、その差額分につきましてさらに国庫の補助を要請するということも一つの方法であります。第三の方法といたしましては、これは御
承知と思いますが、私立
学校振興会の剰余金をも
つてこれに充当するという方法があろうかと思います。
そこでまず第一番の私立
学校教職員共済組合の
組合員がこれを
負担するという問題でございますが、これにつきましてはただいま発足したばかりで、私立
学校教職員共済組合の掛金率は、御
承知と思いますが、長期短期を合せまして千分の百三六でございます。その百三十六が非常に高い率であるということで、本年の三月までは千分の百二十にな
つておる
ようなわけでありまして、この百三十六の率をさらに引上げまして既年金受給者の分までもこれが
負担をするということはなかなか困難ではないか、か
ように
考えます。それから私立
学校振興会からの剰余金をも
つてこれに充当するという
考え方でございますが、これにつきましても、ただいまの私立
学校教職員共済組合の掛金の率の方にまずこれを充てて、掛金の率を下げるということが第一の問題でありますので、これを金額との既年金者のために充当するということは、これも困難な問題ではないかと私は
考えます。従いまして最後の手段といたしましては、やはりこれは国の補助をいただくということが最後の方法ではないかと私は思います。しかしながら本年はわずか一割にとどま
つておりますので、これは将来国の補助をさらにふやしてもらう方向に向
つて努力する以外に道がないのではないか、かよに
考えております。