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1954-02-20 第19回国会 衆議院 農林委員会林業に関する小委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年二月二十日(土曜日) 午前十一時四十五分
開議
出席小委員
小
委員長
川俣
清音君
秋山
利恭
君 小枝 一雄君
佐藤善一郎
君
福田
喜東
君
井出一太郎
君
井手
以誠君
出席政府委員
農林政務次官
平野 三郎君
林野庁長官
柴田
榮君 小
委員外
の
出席者
農林事務官
(
林野庁林政
部林政課長
) 臼井 俊郎君 農 林 技 官 (
林野庁指導部
長) 藤村 重任君 専 門 員 岩隈 博君 専 門 員 藤井 信君
—————————————
二月十日 小
委員川上貫一
君
昭和
二十八年十二月十四日委
員辞任
につき、その補欠として
久保田豊
君が委
員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同月十九日 小
委員加藤高藏
君同月十二日
委員辞任
につき、
委員長
の
指名
で小
委員
に補欠選任された。 同 日 小
委員芳賀貢
君同月十八日
委員辞任
につき、委
員長
の
指名
で小
委員
に補欠選任された。 同 日
秋山利恭
君、
足立篤郎
君、
佐々木盛雄
君、
井出
一太郎
君、
井手以誠君
及び
中澤茂一
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に追加選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
保安林
の
整備
、
木材
の
輸入等
に関する件
—————————————
川俣清音
1
○
川俣委員長
これより
会議
を開きます。 前回
審議
いたしておりました
保安林
の
整備
に関する
法律案
の要綱並びに
林業行政一般
について
議題
といたして
審議
を進めたいと思います。
井出一太郎
2
○
井出委員
最近における
木材輸入
の
現況
をごく概略的に伺
つて
おきたいと思うのでございます。 それに付随いたして、
アラスカ開発
というふうな問題もあり、あるいは最近は
沿海州方面
からの
輸入
について、これを何とか打開する道はないものか、あるいはそのために
木材関係者
が
ソ連側
と接触の
機会
を持ちたいというふうな
要望等
も聞いておりますので、これらもあわせて輪郭をお伺いしたいのであります。
柴田榮
3
○
柴田政府委員
二十八
年度
におきまする
外材輸入
の概要を申し上げますると、現在
外材輸入
として大体まとま
つて
入
つて
おりまするのは、
南洋材
、
ラワン
を
主体
にいたしますものと
米材
とがございまするが、
年度
当初におきましては、一応
計画
としては、
ラワン材
を
中心
といたしまする
南洋材
で二百三十万石、
米材
七十万石、合計いたしまして三百万石を
予定
いたしまして
外貨
の御
相談
を
願つて
来たわけでございますが、その後
需給
の
緊迫化
あるいは
需要
の
増強等
からいたしまして、
わく等
をふやしていただきまして、
実績
並びに三月までの
見通し
を簡単に申し上げますると、
ラワン材
におきまして、四月から九月までの上半期に入りましたものが二百五十四万石、それから十月から三月まで、まだこれは実物は入
つて
おりませんが、一応
確定
いたしましたものまでを合計いたしまして二百二十七万石、合計いたしまして四百八十一万石というのが二十八
年度
の
ラワン材
の
輸入量
になります。なお前
年度
よりの
越材
が八十万石ございまするが、大体二十九年へ同量くらいを越して行くという
見込み
でございます。 それから
米材関係
でございますが、四月から九月の上期で、
実績
四十八万石、それから十月から三月までの下期、
確定見込み
を入れまして七十二万石、合計いたしまして百二十万石、ストックが一応十五万石
程度
、これは前
年度
と大体同じくらい、こういう
見込み
でございます。今
通産省等
と来
年度
の
見込み
を打合せておりまするのは、大体これを
基礎
といたしまして
ラワン材
で四百五十万石、
米材
二百万石の
輸入
を
計画
いたしまして、これに対しまする
外貨
の
割当見込み
を御
相談
をいたしておるというのが現在でございます。 なお
アラスカ材
の
輸入
に関しましては、現在の
アメリカ
の
法律
によりますれば、素材をも
つて
輸入
するということは許されておらないために、加工して輸出するという
条件
がついておる結果、一応
アメリカ法人
として将来
パルプ事業
を向うに持
つて
、
製材
と兼ねて
加工品
を
輸入
する、こういう
話合い
のもとに昨年末、十二月の初めに一応
アメリカ法人
の設立が完了いたしたはずでございます。その後
事業実行
に対しましていろいろ
計画
をいたしておりますが、現在の
情勢
といたしましては、
アラスカ
州におきまして非常にこの仕事を歓迎いたしておる。ただその間に
北欧諸国
からも同様の
計画
が入
つて
参り、多少せり合
つて
いるというような点がありますので、あまりこの際急ぐということが不利になるというような場合を見越しまして、着手に対して多少時期をずらしておるというような
状況
で、
事業
の進捗としては
支障
ないという
見込み
でおります。当初は一応
製材事業
を
主体
として
計画
いたしまして、
製材品
の
輸入
を
考え
つつ、
伐採権
を確保いたしまして、
パルプ工場
が
目標
といたしておりますのは、大体年産十万トンという
計画
でおりますが、これを
基礎
としての
計画
を進めようということで、これはあまり外にははつきり出せないかも存じませんが、大体こちらの方の
考え
としては、四、五年後に
パルプ会社
を完成できればいいというような
見通し
だと聞いております。従いまして
需給
の
調整
のために有利な
アラスカ材
を少しでも多く入れるという
手段
は、私
ども
としてもぜひとも急速に運んでいただきたいと思いまするが、さしあた
つて
はあまり
需給
に対して大きな役割を期待するということは困難ではないかと思うのでございます。近い将来においてだんだん
相当
働いていただけるのじやないか。なお
価格
の
関係
からいいましても、現在の
船運賃
の
情勢
と
内地
の
木材価格
からいいますと、現在では
主体
となりますつが材、ヘムロックにいたしましても大体ペイするという
予定
でおります。 それから
沿海州材
につきましては、現在世界的に
相当余裕
のある蓄積を持
つて
おりますのは、何とい
つて
も
沿海州
を除いては針葉樹ではほとんど期待できないという
情勢
にありますので、いろいろ
外交
上、
思想上等
の諸種の問題はありましようが、
わが国
の
木材需給
の点、将来の
林政
上の問題を
考え
ますと、
取引
といたしましてこの際
沿海州材
を速急に何とか入手できるということは、私
たち
の立場としては、最も望ましいという
考え方
で、とりわけ
内地
の
木材価格
が、最近におきましても、なかなか騰勢をゆるめない、しかも二十九
年度
の
見通し
と
考え
ますると、
輸出等
を
見通し
まして、
化学繊維工業
が、依然として
相当強調
であるという場合に、
各種繊維源
としての
木材
の
需要
というものはさらに強化されて来るという
見通し
がありますが、現在までの
傾向
を見ましても、
産地
におきまして
パルプ材
を
中心
といたしまする
小径材
の非常な買いあさりという問題が、
産地高
の
需要地安
というような、まことに逆の
傾向
を示しておりまするのにさらに拍車をかけるような危険がございますので、この際
沿海州材
として
価格
的にもあるいは材質的にも最も適当であると思われまする
パルプ材
を
主体
として
輸入
が可能であつたらということで、
パルプ材
を
中心
といたします
需要者
の団体が
中心
となりまして、これらの
輸入
の
促進
をはか
つて
参
つて
おります。その他の
梱包用材
を
中心
とするもの、
建築用材
を
中心
とするもの等で、それぞれ
輸入
を運動いたして参
つて
おりましたが、今日まで進んでおりまするのは、やはり
パルプ材
を
中心
とするものが、一番強力に進んでおると申し上げ得るのでございますが、これは
外交
上の建前から、
商取引
のための双方への入国問題が非常にむずかしい問題にな
つて
おりまして、今日までそれが一番大きなネックで停滞いたしておりましたが、最近その
見通し
も、
通産省
、外務省、法務省、あわせて
農林省
でいろいろ
相談
をいたしまして、原則的に
商取引
のための入国を認められるというところまで、ほぼ
確定
いたしたようでございまするので、今夜は妥当な線におきまして、極力競合による
価格
の
つり上げ等
によ
つて
、
わが国
の損にならないような
方法
で、
業外
の努力を
要望
しようということで、現在
通産省
と
農林省
とでは
話合い
を進めておるという
現況
でございますが、まだ
確定
までには多少の時間を要する、しかし実現については
可能性
があるのではないかというふうに
考え
ておるという
程度
でございます。
井出一太郎
4
○
井出委員
大体ただいまの御説明で
けつ
こうでございますが、
内地
の
林木
を今後休養せしめて、できるものならば、用途の向きによ
つて
は
外材
にこれを仰ぐということはぜひ必要だと思うのであります。今度
経済政策
が大きく転換されようとしておる時期で、特に
国際収支
の面から
外貨
の
節約
をはかるという
要請
か出て参りましようが、その面から、今御
発表
のような二十九
年度
の
計画量
が
支障
を来しはしないかというような懸念、
内地
の山を休めるという
要請
と
外貨
の
節約
という
要請
この間にはさま
つて
、おそらく
林野庁
は苦慮されておると思いますが、今伺えば、二十八
年度
は
計画量
をそれぞれ
ラワン
においても
米材
においても二倍するようなところまで
実績
ができようとしておりますので、この
趨勢
をチエツクすることはなかなか困難であろうと思いますが、
外貨
の面との関連においての
見通し
はどうでありましようか。
柴田榮
5
○
柴田政府委員
ラワン
に対しましては、主として
輸出ベニヤ
の原料ということが
主体
でございますので、現在
価格
で入るということになりますれば、大体
外貨
の
割当
をいただけるという
見通し
でおるわけでございます。
米材
も
実績
からいいますと、それほど大きな額ではないのでございますから、一応事務的に折衝を進めております
範囲
は、大体国内の生産もぎりぎり二十八
年度
程度
、
需要
の
趨勢
を
考え
ますと、特に増強するということはなかなか困難であるが、一応二十八
年度
を確保するという
方向
で行こうというふうに大体
了解
を得ておる、こういうつもりであります。なお
ソ連材
に対しましては、
バーター貿易
ということになりますので、可能ならばおそらくその点でお
話合い
が、願えるであろう、こういうふうに
考え
ております。
川俣清音
6
○
川俣委員長
福田喜東
君。
福田喜東
7
○
福田
(喜)
委員
私はまず昨日に引続きまして最も重要なる問題をお尋ねいたしたいと思いますが、この点は
委員長
にもお願いし、
長官
にもひとつ
資料提供
をお願いいたしたいと思います。それは
流域指定
の問題であります。
長官
はこれを非常に軽く
考え
ておられる。適当に
委員会
で答えて、あとは立消えになるというふうにお
考え
になるかもしれませんが、私はこれはとことんまで追究したいと思
つて
おります。この
流域指定
につきまして、
林野当局
がお
考え
にな
つて
おるような
方向
とは、まつたく
違つた状況
に民間においては動きつつある。これは
閣議決定
を見ました
治山治水対策
の問題と関連しまして、非常に政治的の
ウエート
を持
つて
来た。これは
林野当局
が事務的にお
考え
にな
つて
おることとはまつたく
違つた
様相を呈しておることを、特に御認識を願いたいと思うのであります。そこでまず
委員長
にお願いしたいのは、この
流域指定
の問題はいかなる根拠に基きましてああいうものをやつたか、その一切の
資料
を御
提供
願いたいのでございます。私か承るところによりますと、過般
部課長会議等
におきましてこの問題が
発表
されておりますが、七十七河川につきましてあれをや
つて
、さらに幾ばくか追加されたということを言
つて
おられます。この問題を取上げるにつきましては、
公共性
ということか
基準
にな
つて
お
つて
、
流域
に住む人口であるとか、あるいは
農業利水
の問題、
電源開発
上の問題、
産業施設等
のものを
基準
としてお
考え
にな
つて
おるようでございます。これは
けつ
こうでございますが、ひつきようするところ、この問題は突き詰めて行きますと、
保安林買上げ
の問題であり、なお上流における
土砂扞止
の問題であり、
水源林造成
の問題であるのみならず、それに非常に重要なる政治的の
ウエート
が加わ
つて
来ておる、こういうことを御認識いただきたい。これは
委員会
としても放置すべからざる問題である。つきましては、今日
決定
に至りました
資料
を一切
林野当局
に御提出を願いたいのであります。この点を
委員長
にお願いいたしまして、
長官
の昨日の
答弁
は私は不満でございますので、御
意見
を承りたいと思います。
川俣清音
8
○
川俣委員長
委員長
より
長官
の方にお願いしておきますが、今
福田喜東委員
の請求になりました
資料
をひとつお出し願いたいと思います。
柴田榮
9
○
柴田政府委員
まだ
決定
はいたしておりません。いろいろ
流域指定
をいたします客観的な
条件
に基いて案を
審議
いたしているという
程度
でございますが、その案を
提供
させることにいたします。
福田喜東
10
○
福田
(喜)
委員
この点は
部課長会議
で
相当
の
内容
を御
発表
に
なつ
たのでありますか。
柴田榮
11
○
柴田政府委員
先日開催いたしました
部課長会議
に一応案を示してはおりますが、これは
研究資料
ということでございまして、
確定
いたしたものでは全然ございません。
福田喜東
12
○
福田
(喜)
委員
私
たち
の承るところによりますと、これは追加の
問題等
もあつたということですが、そういうことになりますならば、あるいはこれは一応の線は引かれていると見なければならぬかと思いますが、この点に対する
長官
の御
答弁
はいかがでございましよう。
柴田榮
13
○
柴田政府委員
一応客観的な
基準
に基きまして選定をいたしておりますので、大体その
基準
が
客観性
があるということになりますならば、
資料
として
提供
いたしましたものが
基準
の線になるということは実質的に言い得ると出えております。
福田喜東
14
○
福田
(喜)
委員
私は
林野当局
からこの
資料
を御
提供
になりまして、さらにこの
林業小委員会
におきまして、この問題はわれわれ
林業
に
関係
のある
委員
の共通な問題でありますので、
委員会
としてこれをお取上げ
願つて
、ここで
慎重審議
をしていただきたいと思うのでございます。これを
委員長
にお願い申し上げておきます。
川俣清音
15
○
川俣委員長
林業
の小
委員会
は将来出て参ります
法律案
もありますので、継続して参りますから、その間に御
研究
願います。
福田喜東
16
○
福田
(喜)
委員
つきましては
資料
が出まして後に、私はこの問題はここで
議題
としていただきたいと思います。
内容
の審査はそのときにお願いいたすといたしまして、私は質問を第一点に転じて、
長官
に御
意見
を承
つて
みたいと思うのでございます。 次は
保安林買上げ
の問題でございますが、大体
林野
御
当局
は、今回の
直轄
の
治山事業
は
国有林
に限るというふうなお
考え
のもとに進んで行かれたのでございましようか、その点を伺いたい。
柴田榮
17
○
柴田政府委員
民有林
の
直轄治山
を全部やめるという
考え
はございません。今後といえ
ども
民有林直轄治山
と
国有林事業
と併行いたすという
考え
でおりますし、
国有林野事業
によるものは特に
重要水源
の
流域
の
保安林
だけを
対象
として
考え
ますので、
一般地区
に対します
直轄治山
は、依然として将来も続いて参る、かように
考え
ております。
福田喜東
18
○
福田
(喜)
委員
大体
お話
の模様はわかりますが、しからばこの五万
町歩
十五億円というものは、大体
中心
はほとんど全部が
国有林
と見てよろしゆうございましようか。結局
国有林
にして
直轄治山事業
をやる、こういうふうに
考え
てよろしゆうございましようか。
柴田榮
19
○
柴田政府委員
事業費
の十五億
予定
いたしておりますのは、買い上げました
保安林
を
対象
とするという
考え方
でございまして、
直轄治山
ではなく、
国有林野事業
というふうに
考え
ております。
福田喜東
20
○
福田
(喜)
委員
そういたしますと、現在
民有保安林
とな
つて
いるもの、将来なるもの等も
考え
まして、現在
民有保安林
を
買上げ
て
国有地
として、それに
直轄事業
をや
つて
行く、こういうお
考え
のようでございます。それでは
民有林
の
保安林
の
買上げ
が完了して、
直轄事業
をいよいよそこに行うまで、どのくらいの
期間
がかかるのでございましようか。
柴田榮
21
○
柴田政府委員
今
目標
にいたしておりますのは、一部は
当年度買上げ箇所
についても
国有林野事業
で
実行
可能である、かように
考え
ておりますが、ただ二十九
年度
になりまして、本
年度買つて
、直接その
買つた場所
だけではたして十分に
事業計画
が可能であるかどうかという問題は、
相当
実際問題として
審議
いたしております。そこで大蔵省との
話合い
で、一応
買上げ
が
促進
できれば、
事業費
を
買上げ
にまわして、五万
町歩
以上でも買い進むということで、来
年度
以降において
事業
を
調整
して
考え
る、こういうことも
実行
に応じて
調整
をするという
了解済み
で進行いたすということにな
つて
おります。
福田喜東
22
○
福田
(喜)
委員
この
予算案等
に盛られている
内容
につきましてお尋ねするのでございますが、
民有保安林買上げ
が完了して、いよいよ
直轄事業
を
買上げ
たところについてやるというのは、やはり半年ぐらいの
ずれ
があるのではないかと思います。この点について
長官
のお
考え方
を承りたい。
柴田榮
23
○
柴田政府委員
買上げ
はおそらく
年度
一ぱい続くと思いますが、特に現在
国有林
と隣接いたしまして
民有林
の
直轄事業
をや
つて
おりますような地域は、
年度
当初に
買上げ
を
促進
いたしまして、並行して
国有林野事業
として可能な
見込み
も
相当
ございますので、ただちに着手できる所、あるいは
前半
を
買上げ計画等
に要する
所等
が出て参る、かようには
考え
ますが、一応
前半
に
買上げ
を完了いたしました
程度
が二十九
年度
の
事業計画
の
対象
になることには
かわり
はないんじやないかと
考え
ます。
福田喜東
24
○
福田
(喜)
委員
私の質問申し上げるのは、つまりその間におきまして、買い上げて
直轄事業
を行う場合におきまして、少くとも三、四箇月の
ずれ
がある。その間には一体
予算
の執行上あるいは
直轄事業
上、どういうふうな御
措置
を講ぜられるおつもりであろうか、こういうことであります。三、四箇月
ずれ
があるのではないでございましようか。
柴田榮
25
○
柴田政府委員
実際問題として当然さような
ずれ
は出て参ると思うのでありますが、
計画
を進めて着手いたします場合には、現在におきましても、
年度
当初からただちに着手するのは
継続事業
だけでございまして、新規に新しい
場所
に企画いたしますのは、
準備期間
として
相当
時間を費しております。
地方
によりまして、
年度内実行
の
期間
は
相当
いろいろな場合もありますが、可能でございますので、その点はそれほど大きな心配はないんじやないかと
考え
ております。
福田喜東
26
○
福田
(喜)
委員
可能であると
長官
は言われるのでありますが、これは昨日もお尋ねいたしました
買上げ
について、
強制措置
を講ずるかどうか。それから
買上げ
の
基準
とか、
価格算定
の
方法
とか、これに
伴つて一連
の
国有林野
に関する
法律
を改めて行くとかいう
措置
を今から手を打
つて
おられることだと思います。かかる各般の
法的措置
を講ずるについての御
準備
ができているかどうか。これは先ほ
ども
お話
を承りましたが、着々御
準備
をなさ
つて
おられるようでございます。その
準備
とそれから
実行
の
手段
ということについて、大体の
お話
を承りたいと思うのであります。
柴田榮
27
○
柴田政府委員
法的な
措置
に関しましては、ただいま
準備
を急いでおりますが、なるべく早い
期間
に法案の御
審議
を願うように進めたいと
考え
ておりますので、ぜひとも新
年度
までには問に合うように進める
準備
をしていると申し上げる次第でございます。それと並行いたしまして、具体的に
買上げ
あるいは
計画等
を進める現実の
対象
の調査を早く
促進
しなければならぬということで、先般も
関係
の
地方
庁の
部課長
並びに
当該所管
の
営林局長
の合同を催しまして、これらの
相談
を進めておりますので、端的に申しますと、
準備
は本
年度内
に大体済みまして、新
年度早早
から着手できるということで出発する
準備
をいたしているので、御了承を願いたいと思います。
福田喜東
28
○
福田
(喜)
委員
この点につきましては、さらに次の
機会
にまだお伺いしたいこともありますが、あまり長く
一つ
の問題だけにこだわ
つて
もどうかと思いますから、ひとまずこれで打切ります。 次に
町村合併
に伴います
町村合併促進法
第十七条の
規定
に基きまして、
基本財産
の
造成
の
規定
がありますが、あれと関連いたしまして、
町村合併
に伴う
村有林
、
公有林
の
措置
ということが非常に
地方
において問題にな
つて
いることと思います。現にわれわれの知
つて
いる限り、
九州地区
におきましても、こういう問題が頻々として起
つて
来ているわけであります。すなわち
村有林
というものは、
合併
後におきましは、
合併
後の大きな
町村
の中に併呑されて行く。そこで旧
町村
におきましては、どうせ大きな村のものになるならば、今のうちに切つちま
つて
換価処分してしまえというので、これが
山林荒廃
の
一つ
の大きな
原因
にな
つて
おります。そこで
林野庁
は、
国有林
の払下げのことばかり着目されておりますが、われわれが郷里に帰
つて
みますと、
町村合併
に伴いまして
公有林
がこういう悲惨な
状況
に陥
つて
いるのでございます。Aの村とBの村とCの村と
合併
する。Aの村が
村有林
がある。A、B、Cが一緒にな
つてD
というものに
なつ
たときには、これはどうせほかのものに
なつ
ちまうから、今のうちに切
つて
わけちまえというので、切らなくてもいいものを換価処分してしまう。これがいろいろな
荒廃
の
原因
をつく
つて
いるわけであります。この点につきましては、
林野
御
当局
といたしましては、何らかこういう
山林
の
荒廃
のもとをなすものに対して手を
考え
られているかどうか、お尋ねしておきます。
柴田榮
29
○
柴田政府委員
その点は御指摘の売り、
せつかく
の
町村合併促進
によりまして、さらに進展のための
基本財産造成
にしようというにもかかわらず、実情から申しますと、逆に
既存
の
公有林
が早期に
伐採
が
促進
されているという事実に対しましては、私
ども
非常に苦盧いたしまして、現在のところ実は県に
監督権
がないために、
自治庁
に連絡いたしまして、これが
対策
を指導していただくようにいたしておりますが、さような
程度
では実際問題としてほとんど
効果
がないということで、
ちようど
十七条二項に
林野
に対する
施業計画
の国の承認の問題がございますので、これを
地方長官
に
監督
をまかせるということにいたしまして、近く政令の
決定
、発布を見る
予定
にな
つて
おりますが、
既存
の
公有林野
とあわせて施業の
監督
をさせる、こういうことで、現在非常に意図に反して進みつつあります
公有林野
の無
計画
な
伐採
を押えて行くという
措置
を講じたい、かように
考え
ております。
福田喜東
30
○
福田
(喜)
委員
長官
のお
考え
、私は必ずしも悪くないと思います。しかしながら、この問題は
知事
にそういうものに対する
監督権
と申しますか、
指導権
をまかせただけで片づく問題では決してございません。これは現在の
自治法
と申しますか、
自治
に関する
一連
の法規を改めまして、たとえば
合併町村
につきまして
特別財産
区というものを設けるとか、あるいは入会の問題について法的の
措置
を講ずるとか、いろいろな
措置
を講じなければならぬ。これはお
役所式
の、
知事
に
監督権
を与えるということで能事終れりという
考え方
は、私
ども
のとらないところであります。それは
知事
の性格が昔と違
つて
参りまして、選挙を母体としております現在におきましては、こういう
監督権
を
知事
に与えただけでは決して片ずく問題ではないのでありまして、この点に関して私は
林野庁長官
の一段の御
研究
を煩わしたいと思います。 さらに第二の問題は、またこれに関連いたしまして、
干拓地あたり
に関して
農林省
で盛んに
監督
の問題がやかましく論議されておりますが、私は
九州あたり
の
干拓地
をずつと見渡して参りますと、こういう
干拓
のうちの
護岸等
に
保安林
を設定して強制的に植林させるというような
考え方
を
林野庁
で取上げていただけないものだろうかと思うのでありますが、ひとつ御
研究
を煩わしたいと思います。
柴田榮
31
○
柴田政府委員
護岸林
と申しますと
ちよ
つとはつきりいたしませんが、
海岸
の防潮、
防風林
は、小
範囲
のものについても現在も
相当
考え
ておりますが、ただ
予算
の
関係
でなかなか御希望のように参らないという点はございますが、これはできるだけ増強して参るという
方法
で
相談
をいたしておりますし、また先般の十三
号台風
の
実績等
から
考え
ますと、非常に狭い
範囲
に小量にあります
海岸林
も、非常に大きな
効果
を現わしておるという
実績
がございますので、地元においてもそれらの
要望
はかなり強いのでございますから、その
計画
に対しては、私
ども
も全面的に
促進
いたすという
考え
に
かわり
はございません。
福田喜東
32
○
福田
(喜)
委員
保安林
の問題が出ましたからついでにもう
一つ
お尋ねいたしますが、
保安林
の
買上げ
の場合、五万
町歩
で十五億も
特別会計
の
予算
に組み入れる問題がございますが、買い上げるということであるから召し上げではないのですが、買つたからこれでも
つて
済んだということでなくして、
保安林
を
国有林
に編入して買い上げたという場合に、山の持主からすれば、反対給付の山を、
買上げ
とは別にどこかやるというような
措置
を何かお
考え
でございましようか、その点についての御考慮を何か御
研究
中でございましようか、その点をひとつ伺いたい。
柴田榮
33
○
柴田政府委員
この問題は、取扱いによりましてなかなか複雑にな
つて
参ると存じますが、適当な箇所がございまして、一方においてこれを売り払うということも、当面の経営上さしつかえない。しかも大きな目的を達成するために
保安林
を買い上げることが可能な場合には、さような交換に
相当
するような事例も取上げ得ると私
ども
は
考え
ておりますが、ただ、常に交換を
条件
とするという危険は当然防止しなければならないと
考え
ておりますので、常に交換をするという
考え
では
ちよ
つと出発し切れないということで、現在この問題をいろいろ検討しておりますが、実際問題としてさような場合もあり得る、かように
考え
ておることを御了承願いたいと思います。
福田喜東
34
○
福田
(喜)
委員
最後に一点お伺いいたします。問題は小さい問題でございますので、
林政
課長さんがお見えでございますから、これは
林政
課長さんからでも
けつ
こうですが、普通財産の管理処分につき随意契約によることができる場合の包括協議事項中、所管大臣の適当と認める企業者についてという通達がございます。この点に関しては、一般的の問題でございますが、御承知のごとく、森林組合並びにその系統団体というものは、二十六年の森林法の制定に基きまして新たに
基礎
が確立されたような
状況
でございまして、農協とか漁連等と比べますと、あらゆる面において財産の取得、管理処分等につきまして非常に遅れておる。この点について特にお願い申し上げておきたいのでございますが、適当と認める企業者云々に該当するものといたしまして農業協同組合、農業協同組合連合会、塩業に関する中小企業協同組合、塩業に関する中小企業協同組合連合会、漁業協同組合、漁連、水産加工業協同組合あるいは水産加工業協同組合連合会等、
一連
のものが羅列されておりまして、こういうものが国有財産の処分について、随意契約等の場合においては特別の扱いを受けておりますが、この中に森林組合並びにその系統機関が抜けております。これは大蔵省と御協議いただきまして、少くともわれわれとしては水平運動を起して、漁連とか農協、その連合会と同じような待遇をして、この財産上の扱いについて大蔵省に発言権を持
つて
もらうようにお願いしたいのでございます。この点はあまり問題はなかろうと思いますから、ひとつお骨折りをいただきたいと思うのでございますが、いかがでございましようか。
臼井俊郎
35
○臼井説明員
お話
の通りでございまして、現在森林組合は入
つて
おらないように私も承知しております。その点につきましては、今後大蔵省とも協議いたしまして、特に森林組合だけを排除しておかなければならないという理由もございませんので、協議して参りたいと思
つて
おります。さよう御承知を願います。
福田喜東
36
○
福田
(喜)
委員
この点は、現在各県の県森連において、この条文かないために非常に不利をこうむ
つて
おるところがあるのであります。国有財産の払下げを受ける場合におきまして、ことに県森連あたりは、再建
整備
の途上において非常に損をしておるわけでありますから、特にお骨折りをいただきたいのであります。それにこれは通達で済むことですからお願い申し上げておきます。これで私の質問は打切ります。
川俣清音
37
○
川俣委員長
それでは本日はこの
程度
で散会いたします。 午後零時二十九分散会