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1954-09-14 第19回国会 衆議院 農林委員会 第68号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
二十九年九月十四日(火曜日) 午後一時三十九分
開議
出席委員
委員長
井出一太郎
君
理事
綱島
正興君
理事
金子與重郎
君
理事
芳賀
貢君
理事
川俣
清音君 小枝 一雄君
田子
一民
君 松岡 俊三君
松野
頼三君
松山
義雄
君
足鹿
覺君 齋木 重一君 中澤 茂一君 久保田 豊君 安藤 覺君
委員外
の
出席者
農林政務次官
羽田武嗣郎
君
農林事務次官
東畑 四郎君
食糧庁長官
前谷
重夫君 専 門 員 難波 理平君 専 門 員 岩隈 博君 専 門 員 藤井 信君
—————————————
九月二日
委員並木芳雄
君
辞任
につき、その
補欠
として吉
川久衞
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十日
委員田子一民
君及び
松山義雄
君
辞任
につき、そ の
補欠
として
木村文男
君及び
牧野寛索
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月十四日
委員木村文男
君、
牧野寛索
君及び
井手以誠君辞
任につき、その
補欠
として
田子一民
君、
松山義
雄君及び齋木重一君が
議長
の
指名
で
委員
に選任 された。
—————————————
本日の
会議
に付した事件
昭和
二十九
年産米価
に関する件
肥料
に関する件
—————————————
井出一太郎
1
○
井出委員長
これより
会議
を開きます。 まず
肥料
問題について
議事
を進めます。前回の
委員会
において
肥料審議会
の
構成委員
の問題について
決議
をいたしましたが、これに関して
金子與重郎
君より
発言
の申出があります。これを許します。
金子與重郎
2
○
金子委員
去る
国会
におきまして
肥料需給調整法
が本
委員会
で
審議
されました当時、その多数の
修正事項
のうち大きな問題になりました
審議委員
の
構成
でありますが、
肥料審議委員
の
構成
について当初
国会議員
七名を出すという
修正案
を出したのでありますが、その後
政府
、
自由党
あるいは野党間においていろいろ調整されました結果として、
学識経験者
七名といたしまして、うち五名を
国会議員
の中から
学識経験者
として出すというようなことに、
審議
の
過程
で進んで
参つたの
でありますが、その後
政府
におきましては、その
審議委員
の
決定
を見ない間に
国会
が閉会され、その後
肥料
の
審議会
が開催されました当時、十五名のうち、
ちようど
三分の一の五名が欠員のまま
審議
が続けられた。ことに二十九
肥料年度
の
需給計画
の答申もすでになされたのであります。次いで二十九
肥料年度
における
価格
の
決定
の問題になりまして、依然としてその
審議
を続けておりますので、
法律修正
に対して一応私の名において
原案
を出したという形に
なつ
ておりますので、その
責任
上、その
あり方
に対して困るという
意見
を
政府
に申し入れたのであります。
政府
はそれを取上げなかつた。そこで九月一日の
農林委員会
の
決議
に基きまして、
肥料審議会
に対しての
議事進行
の経緯にかんがみても、そういう
あり方
で
審議会
を進めることは妥当でない。
従つて国会
の代表として出て行く、いわゆる
国会
から出る
学識経験者
の
意見
を適当な
方法
で聞き得る形をとれということを本
委員会
で
決議
いたしまして、
政府
に申し入れると同時に、
農林委員長
から
肥料審議会
の
会長
である
工藤
氏にその事情も申し入れしたのであります。しかるにそれでも
政府
はこれに対して善処しようという様子が見えません。九月二日に
肥料審議会
を依然として継続して開かれまして、そのときに、前日
農林委員長
から
肥料審議会
に対して、
農林委員会
はこういう
決議
をしたという
報告
をし
善処方
を要望したのでありますが、そこで二日のお昼ごろ
会長工藤
氏に、私と
自由党
の
綱島議員
と二人で面会いたしました。そのときに
工藤
氏が言われるのには、きようの午後、二時間ないし二時間半くらいは
懇談会
の時間をとるから、その際に
国会議員
は何人か来て
発言
されるなら
発言
したらいいだろう、こういうような申入れがあ
つたの
であります。しかしながらそれは私は即座にお断りしたのであります。なぜならば
国会議員
が
肥料審議会
に対して物を申し入れたいという
意味
で言
つて
いるのでなくして、
審議会
の
構成自体
に、法案の
審議過程
に述べられた
委員
の
意見
と違う形のあることを私
ども
は指摘しているのでありまして、ただ
国会議員
が
委員会
へ行
つて
しやべりたいという
意味
で言
つて
いるのではないのだということを、よく納得の行くまで
工藤
氏に話してあげたのであります。それはそれで終りまして、その後において私
ども自由党
の
綱島議員
や、あるいは
政府
といろいろの折衝をした結果、九月六日ごろになりまして
自由党
の方の
意見
として、
農林委員会
がそういうふうに
文句
をつけて来るならば、それならば五名を出そう、そのかわり
通産委員会
からも話があるのだから、それから五名出そう、そうして
国会議員
がそこへ出て、いろいろ
意見
を述べたらいいじやないか、こういうような
考え方
をも
つて
私
ども
のところへ
参つたの
であります。私
ども
はそれも違う。なぜならば、この問題は
衆議院
の
農林委員会
が
法律
を
審議
したその
過程
にかんがみて、
審議会
の
構成
がよろしくないということを指摘しているのであ
つて
、
農林委員会
が
文句
をつけたとか、物を言いだいとかいう問題でないのだ、
従つて
その
委員
が正式に任命できないということは
国会
が開かれないということであるけれ
ども
、その
国会
が開かれている間に任命されなかつたということは、
政府
の落度になるのであるし、それは終つたことといたしましても、今日の
段階
になりましても、その任命はどういう形でなさるかといえば、当然これを
各党
にどう振りわけるかということが
一つ
と、その振りわけを承認されたあかつきには
各党
におまかせして、そうしてだれを選ぶかということは
各党
の
意見
によ
つて
やるというのが、
ひとり肥料審議会
ばかりでなく、すべての
国会議員
が
審議会
のようなものに出るときにはそういう形でや
つて
いるのであるから、そういうふうな
方法
をとればよい。その出て来る五人の
委員
が全部が
衆議院議員
になろうが、
参議院議員
になろうが、あるいは全部
通産委員
になろうが、
農林委員
になろうが、それは
政府
の
責任
でない。ただ
農林委員
とか
通産委員
とか、
衆議院
とか
参議院
ということを言
つて
いるのではなくして、あくまでこの
法律
の
審議
の
過程
に約束づけた、そういう形のものをつくれ、問題は
国会
が開かれないから形式的な
手続
が終らないだけだという形にして、
審議会
の
構成
をなすべきだ。こういうことを主張してお
つたの
であります。九月七日の夕刻にようやく話が大詰めに参りまして、そうして
森田経審次官
と、それから
羽田農林次官
と
自由党
の
綱島議員
と私と会談いたしまして、そうしてそれではそういう
方向
にきめるということにいたしたのでございます。それから九月八日になりまして、朝に
なつ
てまた逆もどりのようなことが出たのでありますけれ
ども
、それはいかぬということで、またさいぜん申し上げたような
方向
にもどりまして、九月八日の
審議会
に
自由党
から
松野議員
と
綱島議員
、改進党から私、社会党の左派から
芳賀
君、右派から
川俣
君、
都合
五人、
各党
から選出してもらつたことの
報告
を
政府
が受けて、そうしてこの
人たち
を、
手続
は完了しないけれ
ども
、一応
審議委員
の形で
出席
して、そうして
政府
の諮問を討議するということに相なりました。その後
自由党
から一名の変更がありましたけれ
ども
、九月九日、十日、十三日と三日間、
肥料
の
審議会
を継続してやつた次第であります。
審議
の状態はと申しますと、そういうふうに新しく
国会議員
が五名入りましたために、ややもするとこの
審議
が振出しにもどつたというような感も若干あるのでありますが、しかし私
ども
も出ている以上は、それを何も理解なしの間に
結論
に入るということはできませんので、各
委員
から熱心に
質疑
があ
つたの
であります。それで
原案
といたしましては、現在の
硫安工場
十七
工場
のうち、
国内需要
に満つるまでの数量に対して
加重平均
をとりますと、大体十一
工場
までをとる。それから一箇年間の
価格
は八百二十八円、最高十円上げ、上下十円の幅で
価格
をきめる、こういう
原案
でありますが、今
審議
の
過程
で、
国会側
から出ておりますところの
委員
が一番疑問に思
つて
おりますのは、一応ああいうふうな
法律
に基きまして
生産費調査
をやる、そうしますと、当然その
生産費原価
を調査する
報告
を求めるところの
政令
なり
政令
に基く
規程
でありますが、その
規程
に非常な欠陥があるじやないか。
従つて
出て参りますデータが、ある
科目
に対しては推定できめておるものもあり、ある
科目
におきましては非常に矛盾が見られるけれ
ども
、これは会社から実績として
報告
したのだからやむを得ない、こういうふうな問題もあります。そういうものをまぜこぜの形で十七
工場
の
一覧表
をと
つて
それを基礎にして検討しておるのでありまして、
問題点
が非常にたくさん残されておるのであります。しかしながらこの
肥料
の
価格
は御承知のように八月から来年の七月までの
価格
をきめるのでありまして、すでに九月に入
つて
おりますので、
協同組合
の系統は、むろん委託の問題が相当多く問題はありませんが、
一般市場
としては、
価格
がきまらないと取引ができないという問題も今盛んに言われておりますので、今後の見通しとしては、特別の問題が浮き上らない限り、今後
金土
と二日間継続して、今週中に一応の
結論
を出したいということを目途にして進んでおるわけであります。以上のような
経過
で進んでおりますが、その間において
委員各位
から
肥料
の
価格
あるいはその他の問題に対して御
意見
がありましたときには、さいぜん申し上げました
委員
が今出ておりますので、その
委員
のもとにいろいろと
意見
を御提示願いたいということをお願いしておきまして、私の
報告
にかえます。
井出一太郎
3
○
井出委員長
肥料
の問題につきましては、ただいまの
金子委員
の
中間報告
を承るという程度にとどめたいと思います。もし御
質疑
がありますれば、あとまわしにしていただきます。
—————————————
井出一太郎
4
○
井出委員長
この際
米価
問題に対する
審議
に入りたいと思います。とりあえず
前谷長官
から
農林省側
の
考え方
を
懇談会
の形で聴取したいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
井出一太郎
5
○
井出委員長
なお若干数字にわたる部分もありますので、
政府側
はこれを
秘密会
にしてほしいという御意向でありますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
井出一太郎
6
○
井出委員長
御
異議
なしと認め、さよう
決定
いたします。 ————◇————— 〔午後一時五十三分
秘密懇談会
に入る〕 〔午後二時五十六分
秘密懇談会
を終る〕 ————◇—————
井出一太郎
7
○
井出委員長
それではこれにて
懇談会
を終ります。
足鹿覺
君より
発言
を求められております。これを許します。
足鹿
君。
足鹿覺
8
○
足鹿委員
ただいま
懇談
中にいろいろとお打合せをいたしました点につきまして、
委員長
にお願いをいたしたいのであります。それはまず本
年産米価
の問題につきまして、明日の本
委員会
に
大蔵大臣
並びに
事務当局
の首腐部の
出席
を求めたいという点についてであります。聞くところによると、
大蔵大臣
は十八日には外遊の途につかれる趣でありまして、
最終段階
に至らんとしておる
米価
問題について、ぜひ今回の
農林委員会
において
大蔵大臣
の所見をただし、本
委員会
の
態度等
についても慎重に
決定
しなければなりませんので、これは
成規
の
手続
を通じて必ず
大臣
の
出席
が実現しますようにおとりはからいを願いたい。 いま
一つ
は、
通産大臣
並びに
事務当局
の首腐部に同様明日の
委員会
に御
出席
を願うようお手配を願いたい。それは現在問題に
なつ
ており、先刻
金子委員
からもつぶさに
肥料審議会
の
経過等
の御
報告
がありましたごとく、事実上の
マル公
を
決定
する
価格
問題が難航をいたしております。特に伝えられる
電力料金
の改訂問題をめぐ
つて
、この問題は
肥料
のみならず、
米価
との
関係
、あらゆる点に大きな関連を持
つて
来ると思いまするので、あわせて
通産大臣
及び
関係首脳部
の御
出席
を、
大蔵大臣
との時間的の
都合等
を見て、おとりはからい願いたい、以上であります。
井出一太郎
9
○
井出委員長
ただいまお聞き及びの
通り
、
米価
問題は緊急にしてかつきわめて重大な問題でございます。なおまた
電力料金値上げ
に関しまして、これが
肥料
の
生産
あるいは
農事用電力
に及ぼすところの影響もけだし甚大でございます。ただいま
足鹿
君御
発言
の
通り
、明日の本
委員会
に
大蔵大臣
並びに
通産大臣
の
出席
を
議長
を経由して要求いたしたいと思いますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
井出一太郎
10
○
井出委員長
御
異議
なしと認め、さよう決します。本日はこれにて散会いたします。 午後三時一分散会