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1954-06-30 第19回国会 衆議院 農林委員会 第59号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年六月三十日(水曜日)     午前十一時三十一分開議  出席委員    委員長 井出一太郎君    理事 足立 篤郎君 理事 佐藤洋之助君    理事 福田 喜東君 理事 金子與重郎君    理事 川俣 清音君       秋山 利恭君    小枝 一雄君       佐々木盛雄君    佐藤善一郎君       田子 一民君    松岡 俊三君       吉川 久衛君    足鹿  覺君       中澤 茂一君    安藤  覺君  委員外出席者         農林事務官         (農林経済局         長)      小倉 武一君         農林事務官         (蚕糸局長)  寺内 祥一君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)      新沢  寧君         専  門  員 難波 理平君         専  門  員 岩隈  博君         専  門  員 藤井  信君     ————————————— 六月十日  委員天野公義君及び吉田重延辞任につき、そ  の補欠として松岡俊三君及び松山義雄君が議長  の指名委員に選任された。 同月二十三日  委員本名武辞任につき、その補欠として金子  與重郎君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  金子與重郎君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  小委員及び小委員長補欠選任  食糧に関する小委員会において参考人招致の件  繭糸価格安定法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一八二号)  食糧問題に関する件  東北地方における凍霜害による農作物の被害状  況に関する件     —————————————
  2. 井出一太郎

    井出委員長 これより会議を開きます。  まず繭糸価格安定法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。御承知通り本案は第十九国会の五月二十七日提出になり、その後六月三日閉会中の審査を本委員会に付託されたのでありますが、その間相当の日時の経過を見ておりますので、繭糸価格安定措置に関する現状並び問題点について、政府説明を求めたいと思います。
  3. 寺内祥一

    寺内説明員 それでは繭糸価格安定法に関連いたします現状についてお話いたします。お手元資料提出いたしておきましたが、糸価推移からお話いたしたいと思いまするが、繭価格推移と上の方に横に書きまして、わくの入つた三枚刷りの資料をお手元に差上げてあるのがそれでございますが、この一番上の紙は、繭価格推移の二十五年から二十八年まで調べたものでございますが、二枚目の生糸価格推移の表をごらんくださると現在の趨勢がおわかりになると思います。これが生糸価格推移を調べたものでありまして、二十五年の平均、二十六年の平均、二十七年の平均、二十八年の平均とありまして、二十九年になりまして、ここに一、二、三と書いてありますのは月でありまして、それが二十九年の一月の平均価格、二月、三月、四月、五月までありまして、六月以降の一、二、三と書いてありますのは日にちでございますが、六月一日は二十一万二千円、二日が二十万四千円、こうありまして、括弧の六、十三、二十、これは日曜日でありますので、これには価格が出ていないというような状況であります。これをごらんになりましてもおわかりになります通り糸価は非常に二十八年の十一月ごろから暴騰いたしまして、一応二十七万円というような値段が出たわけでありますが、年間平均いたしましても二十四万五千九百円という数字になるのでございまして、本年に入りまして一月の平均は二十六万六千九百円というような数字が出ておるわけであります。こういう状況でございましたのが、四月ごろから少しずつ下落傾向が現われて、四月の平均が二十三万七千二百円、五月に入りまして二十三万七百円、こうなつたのでありますが、六月に入りましてからまた急激に下落趨勢をたどりまして、ここに毎日の価格をあげました通り、遂に六月の八日に至りまして十九万九千円という二十万円を割る事態に至つたわけであります。そこで政府といたしましては繭糸価格安定法規定に基き、また本生糸年度最低価格は十九万円ということを審議会の答申としておりますので、十九万円になりますと生糸買い上げなければならないのであります。しかも繭糸価格安定法施行令規定によりまして、最高価格最低価格差額の二割をプラスした価格が出たときには買上げ格差をきめなければならない、こういう規定になつております。この規定を適用いたしますと、ただいまは最高価格が二十三万円でございまして、最低価格が十九万円であります。従つてその価格差額四万円の二割八千円になります。従つて十九万八千円という価格が出ますが、御承知通り二十九年の二十三万円というのは二一中のA格でございますが、買上げ生糸はそのほかに二一中の三AからC格まで、あるいは一四中の四AからB格までときまつておりますので、これらの格差をきめなければならないのであります。  そこでこの価格推移表ごらんになりますとおわかりの通り、八日に十九万九千円、翌日には十九万六千円になりましたので、その準備をいたしまして、その格差をきめますにも繭糸価格の小委員会がございますので、これを急速十一日に招集いたしまして、ここで格差を決定いたしたわけでございます。その後一時この毎日の表をごらんになりましてもおわかりの通り、十六日になりまして少し上つて二十万円台に回復いたして参りましたが、二十三日からまた下りまして十九万九千五百円、二十四日に十九万九千円、大体その後の推移は、この十九万八、九千円というところを上下いたしておりますが、昨日の現物相場は十九万七千円ということになつております。それではたして十九万円で政府買上げをしなければならなくなるかどうかという点につきましては、これは相場見通しでございますので、はつきりしたことは申し上げられないのでありますけれども、われわれといたしましては、万一十九万円になりまして買上げをしなければならないというような事態になりました場合に万全の措置をとらなければなりませんので、買上げ手続、それから、ことに現在の、この価格下落というものは金融引締めによりまする内需の減退ということが一番大きな問題でございます。そこで買い上げましても政府資金支払いが遅れますと、早く売つて少しくらい安くても金にかえた方がいいというようなことが起りまして、十九万円を割るような相場を出しては困りますので、政府買い上げました場合には、この価格支払いを迅速にやるということが、まず買上げがもし始まつたというときに一番問題になるわけでございます。これは政府買上げとなりますと、いろいろめんどうな手続等もございますが、それらをできる限り財政法の許す範囲内におきてまして簡易な処置をとることによりまして、ただいままでのところでは、大体買入れが決定いたしてから、おそくも一週間以内くらいには資金を支払うような手続を大体きめまして、しかもこの買上げ輸出に向く生糸につきまして、輸出検査を受けたものを買い上げるということになつておりますので、横浜神戸におきましてこれを買い上げるというわけでございます。横浜につきましては、東京都は割合近いもんでございますから、資金支払いもすぐできますが、神戸はちよつと日にちがかかります。またこれが神戸横浜におきまして、支払い日にちが一日でも違つては困るというような事情もございますので、それらの事情を考えて日銀その他と打合せをいたしました結果、大体神戸横浜とを同時に買い上げを決定してから、今のところ早く行けば五日くらいで資金支払いができるという準備をいたしまして、いつでも申込みがあれば買い出動に応じ得るという準備を整えておりますが、いよいよ買い上げなければならない事態になりますれば、すぐにも動き得るだけの準備はいたしておるわけでございます。  それからなおもう一つ一番大きな問題は、現在御承知通り繭糸価格安定特別会計法におきまする資本金は三十億円ということになつておりまして、これが二十七年から出資いたしまして今日まで幸いに発動の時期はございませんでしたが、この資金預金部に預託いたしておりまして、それが利子がつきまして、ただいままで約二億ばかりの利子がついておりますから、買上げが発動いたしまして実際に使い得る金が三十二億あるわけでございます。この三十二億の資金買い上げをすれば、最低価格十九万円といたしますと、約一万六千俵買い上げられるわけでございますが、これは買い上げの時期によりましても違うのでありますが、三十二億で足りない場合が起りはしないかという問題が一つあるわけでございます。これもただいまのところ買い上げておりませんし、またいつ買上げの時期が来るか、またそのときの生産事情等によりまして、必ずしもこの三十二億で足りるとも足りないとも申し上げられないわけでございますけれども、われわれといたしましては、万一足りない場合にはどうするかということについても、ただいま着々準備を進めておる次第でございますが、これはその場合には一体どういう処理をとるかといいますと、これはそのときの情勢なり、そのときの生産事情によつて方策はいろいろあると思うのであります。たとえば幸いに国会開会中でございますならば、ただちに予算の補正をしていただいて、資本金をふやしていただくという方法もございますし、財政上の点で資本がふやせなければ、特別会計が借入金をするというように法律改正いたしまして処置いたすこともできまするし、またかりに国会閉会中にそういう買上げ事態が起り、なおかつ資金が足りなくなつたという場合もございますので、この場合には、たとえば金融処置によりまして一時その生糸を保管いたしまして、これに対して政府予備金を支出して保管料なり資本を補償するという方法もございますし、あるいは何らか別途の処置によつてこれを買い上げるという処置もいろいろ考えられるわけでございますが、それらの処置につきましては、その事態が起つたそのときの情勢によつて、具体的にはどの方法をとるかということは、ただいまのところいろいろ準備研究はいたしておるわけでございますが、これについてはあらかじめ大蔵当局ともわれわれ交渉いたしておるのでありますが、ただいままでの経過におきましては、今申しましたような具体的な方法によつて、そのときによつて違うけれども、何らかの処置をとりまして、最低価格十九万円を維持するという方策については協力しようということになつておりますので、必ずしも資金が足りないからそのままもうあとは野放しであるという処置は、政府としていたさないという確信があるわけでございます。  それからもう一つは、そういうような場合に糸について処置をするか、あるいは繭について処置をするかという問題があるわけでございますが、これもそのときの情勢によつて違うわけでありますが、あるいは糸に処置をしないで、繭の方につきましては、ただいま御審議をお願いいたしております繭糸価格安定法の一部改正法案の第十一条の改正といたしまして、農林大臣が指定いたします農業協同組合連合会乾繭保管をして、それに金利倉敷を補給するという具体案を御審議中でございますが、この規定につきましては、これはかりに法律が通過いたしませんでも、それだけの予算的な処置ができますれば実行し得る状態でございますから、もしもあの法案がまだ通過いたしません場合に、最低価格生糸買上げが始まる、しかも生糸だけでは不十分であつて、繭にまで処置しなければならないような場合には、あの規定の精神に沿つたと同じような制度大蔵当局と話合いまして、予備金を支出いたしまして金利倉敷の補償をすると同時に、融資のあつせんをいたしまして、乾繭保管をするというようなこともできるわけでありまして、そういう事態になりましてわれわれの方でそういうふうにしてもらいたいという交渉を持込みますれば、大蔵省におきましても、それについて好意をもつて審議してくれるはずでございますので、これもまだそういう事態が来ておりませんから、具体的にそういう決定をしたというわけではございません。これはまだ準備の段階ではございますが、事務的にはそういう準備を進めておりまして、いつでも処置がとれるような心構えをしつつ待機いたしておるという状況でございます。
  4. 井出一太郎

  5. 足鹿覺

    足鹿委員 ただ実情の御説明だけであつたのでありますが、この価格の大きな変動の原因は一体那辺にあるか、これに対する当局としての御研究状態を承りたい。また今後の見通しということについて、どういうふうに見ておられるのか、そういつた点もあわせてこの際御説明を願いたい。
  6. 寺内祥一

    寺内説明員 この価格の急激なる変化につきましては、いろいろ見方があるわけでございますが、われわれの研究いたしました大体の結論といたしましては、やはり金融の引締めによります内需の減少ということが一番大きいように思われるのであります。本来から申しますと、六月という月は生糸の端境期でございますので、需給の関係から申しますと、これほど価格の下るはずがないわけでございますし、ことに昨年は凍霜害によりまして相当の繭の減産もございますので、糸がそれほど余るはずはないわけであります。現に横浜神戸におきます在庫の数量も、六月に入りましてから一番多くなつた日でも四千俵以上になつた日はないのでありまして、ただいまも二千俵台でございます。従いまして、こういうふうに普通から考えますると下るはずはないというふうに見ておつたのでございますが、やはり一つには昨年に比べまして今年は繭も増産になるであろうという見通しと、それからやはり金融引締めによる内需の抑制ということが非常に大きく響いたようでございます。その数字を大体申し上げますると、二十七年におきまして、国内消費につきましては十八万八千俵あつたわけでございます。これは実績でございます。二十八年になりまして十七万七千俵となつております。これが二十九年におきましては、これからの見通しでございますから、あまりはつきりした数字はわからないのでありますが、大体現在のような金融政策が推し進められて行くと仮定いたしますと、おそらくもう少し内需減つて、十六万五千俵程度になりはしないかと考えております。こういうような先に対する見通しというものが、増産ともからみまして一つの人気を呼びまして、これほどな下落なつたものと思うわけであります。  これから先の見通しにつきましてどうなるかといいますれば、実は今年も凍霜害もあつたわけでありまして、これは全国的な規模から申しますと、昨年よりは規模においては小さかつたわけでありますが、局部的には非常に大きな被害がありますし、また昨今のような天候でございまするので、われわれといたしましては、繭でどのくらいの生産があるかという見通しについては、相当困難を感じておりますが、大体統計で出ました昨年の繭の産額は二千四百八十万貫ばかりでございまして、その前の年が二千七百四十五万貫ですので、二十九年度におきまする繭の生産量というものは、今のところ統計調査部におきまして先日発表いたしました春繭予想収穫量が約千四百万という数字を出しておりますが、これが凍霜害によりまして大体百万貫程度減産はあると思いますので、春繭については約千三百万貫程度と見ております。夏秋蚕につきましてもこの天候でございますとちよつと見当がつきかねますが、まあ大体千四百万貫くらいと見ますと、二千七百万くらいになるわけでありまして、これを生糸に換算いたしますと、これは少しきつく見ますれば、二十六万俵程度でございます。輸出につきましては、これだけ価格が下つて参りますれば、昨年が六万五千俵、一昨年七万二千俵に対しまして、価格がうんと下つて参りますから、まあ八万俵程度輸出はあろうと考えております。それに対しまして、内需につきましては、先ほど申しました十六万五千俵というふうに見積つて参りますと、期末在庫が昨年よりは約一万俵程度ふえるのではなかろうか、こういう見通しがございますので、こういう下落傾向をたどつたことと思うのであります。  それならば、十九万円まで行つて政府買上げをしなければならないかどうかという点につきましては、これはただいまちようど春繭繭価協定の最中でございますので、政府がそうなるというようなことを明言するというと一つの悪影響を及ぼしますので、これは何とも申し上げない方がよかろうと思うのでありますが、大体新糸が非常に出まわります七、八月はちよつと警戒いたしております。そういう状況でございます。
  7. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 大体繭の数字は妥当だと思うのですが、ただ春繭が千四百万貫よりもうちよつと出るんじやないか、結局二千八百万貫ぐらいことし行くじやないかという見込みなんですが、どうですかその点は。そうはできませんか。
  8. 寺内祥一

    寺内説明員 これは先の見通しでございますので、あるいはそういう見方もできるかとも思えます。われわれの推算では、先ほど申しましたように、春繭統計調査部で先日発表いたしましたのが千四百万貫という数字でございますが、それが凍霜害で約百万貫程度減産でございますから、春が千四百万貫、秋は増産を期待いたしますと千五百万貫という予想と見ますが、この天候で見ますと冷害がございましようから——長期予報によりましても七、八月に気温が下る予報もされておりますので、千五百万貫はちよつと無理ではないかと思うのです。といたしますと千四百万貫、合せまして二千七百万貫と予想されております。
  9. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 といたしますと、寺内さん皆から聞かれまして、二十万から二十一万ならば行けるであろうという見通しでございましたが、輸出促進ができませんかね、下つて参りますと。
  10. 寺内祥一

    寺内説明員 価格の点からだけ申し上げますと、二十万ないし十九万台になりますれば、輸出相当増進すると思います。ただ御承知通り、二月から六月末まで例のリンク制をやりまして、これによつて相当輸出が伸びましたので、ただいまアメリカにおきます在庫が約六千俵程度でございますので、この七、八月急に伸びるかというと、それは期待できないと思いますけれども、しかし価格がここまで下りまして、十九万以下になれば必ず政府処置をする、十九万以下には下らないんだということがはつきり向うに認識され、こつちもその覚悟でございますので、輸出の一番最盛期になりますと、十月以降になつたならば、価格の点だけにつきましては相当有望ではなかろうかとわれわれ考えておりますが、八万俵か八万五千俵という計画で行つているわけであります。
  11. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 今寺内さんはアメリカ対象にしましたが、どうですか、欧州ことにイギリスあたりは、日本の糸を買いたいと言つておりますが、イギリスあたりは二十万で引合うのです。御承知通りリンク制度は七月で終ります。そうするとノーマルな輸出ができてるわけであります。そこで欧州方面に対するお見込みはどうです。イギリスとかほかの方面は。
  12. 寺内祥一

    寺内説明員 これは先日絹業会議が終りましてからイギリスの業者と会談いたしましたときに、当時価格が二十四万円だつた、これが二割ぐらい下つて二十万円程度になれば約倍の需要があるというようなことを申しておりました。これは倍という数字が確実かどうかはわかりませんが、相当伸びると思つておりますし、この間のリンク制によりましても、相当フランス、イギリス、スイスヘの輸出が伸びておりますので、二十万、十九万程度糸価が、それ以下に下らないということになれば、欧州でも相当買いつけると思います。ただ一つ警戒しなければならないのは中共糸進出であります。日本糸価が下つておりますので、中共におきましても糸価を下げたそうでございます。これが相当ヨーロッパの方に進出を見ているわけでありますが、今までのところは、ヨーロッパにおきてます需要の約一割程度中共糸でまかなわれているということでございますし、あと日本生糸が行つておりますが、これが一つわれわれの警戒しなければならぬことだと思つております。
  13. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 とにかく欧州方面では日本糸を希望しているようですから、ひとつこの面も開拓を願いたいと思う。  それから今いただいた玉糸資料を見ると、相当やはり使つている。この資料を拝見しても、二十五年の生糸生産が十四万八千俵に対して輸出が八万五千四百九十五俵、それに対して玉糸が九千俵出ております。それから二十六年が生糸が五万五千九百十六俵に対して玉糸が一万二千四百、それから二十七年が五万四千に対して玉糸が一万六千。非常に伸びております。それから二十八年に至りますと、生糸輸出が五万五千俵で、玉糸が七千九百俵、相当玉糸輸出分が多いのです。だから玉糸に対する処置をやはり講じなければならぬ。最近アメリカでは御承知のように、玉糸をまぜ織りでなくして、生糸を縦に使つて玉糸を横に使つて織り出している。大体婦人の服に用いられているというような状況なんですね。そこで玉糸輸出は将来相当あるのじやないかという、こういう点に立つて見ると、玉糸に対しては今のところ何ら処置が講じてない。糸価安定の中に入つていない。そこで玉糸に対して政府はどんなふうなお考えを持つていますか。
  14. 寺内祥一

    寺内説明員 玉糸繭糸価格安定法による買上げ対象にしてくれということにつきましては、業界でも非常な要望もありますし、われわれも原則的には、相当輸出いたしておりますから、輸出振興並びに蚕糸業安定という繭糸価格安定法の第一条の目的に添うわけでありますし、買上げ対象にしてよろしいと考えているわけでありますけれども、ただ問題は例の資金の問題でございます。それにつきましてはすでに大蔵当局とも交渉いたしたのでございますが、今までに意見の一致を見ておらないわけでありますが、向う側の言い分といたしましては、買上げ対象といたしましても輸出におきます二二五中だけでございますので、あいにくとこの二二五中は輸出だけでございまして国内でほとんど需要がない。そこでそういうものが買上げした場合に、今度は最高価格になる場合に、政府として売出しができないわけです。その間にまあ数箇月経過するでありましようが、その間に輸出需要がなくなつてしまつた場合に政府の手持ちになつて困るから、一体輸出見通しが将来あるのかどうかという点について、はつきりした回答を持つて来てもらいたいという状況になつているわけであります。そこでわれわれといたしましても研究いたしているのでございますが、率直に申し上げまして、まだわれわれの方に意見が二色あるわけでございまして、玉糸輸出は将来安心だという説と、それからもう一つは、玉糸についてはそう楽観は許さないという二つの説があるわけでございますが、私自身の経験を申し上げますと、一昨年の十月ごろに現在アメリカのシープ・カウンシルの会長をしておるサリヴアンさん、これはあのジヤーリさんのおむこさんでありますが、この方と会談をいたしましたときに、玉糸輸出の将来につきましていろいろお話合いいたしましたけれども、そのときサリヴアンさんの御意見といたしましては、玉糸を二十六年、七年に相当買つたのは、生糸の方が相当高つたから、そのかわりとして買つたのであつて生糸値段が下つて来て、それがわれわれの手に自由に入るようになれば、玉糸需要は将来減るだろうというような意見を申しておつたのであります。ところが一方におきましては、絹業会議に参りまして——私は参りませんでしたが、アメリカをまわつて来られた方の御意見によりますと、玉糸は将来有望なんだという御意見もあつたそうであります。従いましてサリヴアンさんのこれは個人的御意見でもありましよう、これをアメリカ業界の全体の意見だと即断するわけには参りませんけれども、もう少しその先の推移を見て参りませんと、先ほど佐藤先生のお話になりました数字を見ましても、二十六年は一万二千俵、二十七年は一万六千俵出ておりますが、二十八年になりましてがたつと半分の七千九百に落ちております。本年四月までのまとまりました確実な統計数字を見ますと、二千二百四十俵出ております。これは昨年の同期と比較いたしまして、昨年同期は二千二百六十俵で、大体同じような数字が出ております。これは、この四月はリンク制の実施中でありましたからこれだけ伸びたわけでありまして、もしリンク制をやらなかつた場合にどうなるか、その場合まだ多少疑問がありますが、なおそういう点も調査をいたしました上で、大蔵当局ともう一ぺん当つて行きたいと思つております。
  15. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 実は二十七年に一万六千俵出たのが、急に二十八年にがたつと落ちたその理由は、二十七年に粗悪品が行つて、これが品返しになつたりして、そういう関係で二十八年はぐつと落ちたのです。しかし御承知のように、玉糸には玉糸の味があるのです。たとえば米国生糸需要品は、昔のように二十一中とかA格のような細目の良品のみではなく、現在の利用状況も、昔のようなくつ下専門でなしに衣料が主でありまして、そのために玉糸が最近になり著しい需要を喚起して参りました。そういうところに玉糸の将来性があるのじやないか、こういうふうに私は考えておるのです。この点、今は七千九百に減つたけれども、これはやはり、二十七年の品質粗悪な結果がこうなつたと思うわけです。だからこれはノーマルじやないと思うのです、それを御承知願いたい。それから玉糸は六〇と一一〇と、あと承知のように一二五中とがあるわけでして、このうち一一〇は輸出内需の両方に用いられる。ですからこれを重点的にやるという傾向にすれば、これはやはり一一〇が多くなつて伸びて行くわけです。こういう点があるものですから、ひとつ玉糸の将来性については、特段の御考慮をお願いしたいと思います。  それから最初のあなたの御説明のデータにもどつて、二十七年の内需が百十八万八千俵、二十八年が百十七万八千俵、二十九年は、推定として十六万五千俵ということですが、しかしおそらく内需は激減すると思う。歩どまりはこんな数字ではとどまらぬと思うのです。私どもの見込みでは三割と見ておるのですが、そうすると内需は十五万を欠けるのじやないかと思う。こうなつて来ると、あなた方の期末手持ちが一万俵ふえるというよりは、これは二、三万俵の手持ちがふえ、どうもだぶつくという懸念があるので、この資金措置というものは、至急にあなたの方で講ぜられなければならないということと、それから大体製品の輸出生糸の二一中に対するA格級の輸出品の規格によるところのものは一応手当ができておるわけです。ところが最低価格による繭価の保障という問題になつて来ると、何もまだ講じていない。あるいは乾繭においても、乾繭させておいて倉敷手数料を払うといつても乾繭設備もまだない。大体大製糸家に吸収されてしまつているから、乾繭設備はどうしても大製糸家のところへ持つてつて委託するほかはない現状であるわけです。一方、措置が片手落ちになる傾向にありますから、乾繭の資金措置というものに対して、速急に何らかの手を打たなければならぬということになつて来るわけです。これはあなた方も肯定なさるでしよう。それをひとつおやり願いたいと思うのですが、これに対してあなたのお考えを伺いたい。
  16. 寺内祥一

    寺内説明員 内需の現在の見通しでございますが、先ほど申しましたように、やはり金融引締めが今後も継続され、あるいはもつと強化されるというようなことになれば、先生のおつしやるようなことになるかもしれないと思いますが、私が一応内需は十六万五千俵と申しましたのは、この中には実は輸絹も含んでおるのでございまして、純内需は十四万俵程度と見ておりますが、これはそういう見方もあると思うのでございまして、御注意によりまして、なお今後慎重に検討いたして参りたいと思つております。  それから繭の処置につきましては、ただいま乾繭施設が不足ではないかというお話もございました。これは多少そういう懸念もございましたが、ただいまわれわれの方で考えておりますところを数字的に申し上げますと、現在農協連その他の乾繭保管設備が全国三十一府県に七十六箇所もございまして、その所有する乾繭機が百三十四台あるわけであります。その昼夜の乾繭能力は約二十五万貫あるわけであります。また所属の繭倉庫は八十二棟で一万六千坪、この乾繭保管能力が二百六十四万貫あるわけであります。ある程度は偏在はいたしておりますけれども、この制度実施に伴う乾繭処置といたしまして、全面的にこれを活用できてないものがありますけれども、これらは地方的にその利用について施設をいたしますれば、大体われわれの考えておりますところによりましても、二百六十四万貫程度乾繭保管をいたしますれば、大体価格の維持に支障なかろうというふうに考えております。なおこの点につきましては御注意の趣旨もございますので、われわれの方でなお検討いたして、万遺憾なきように処置いたしたいと存じます。資金の手当につきましては、ただいま大蔵当局と折衝中でございまして、大体予備金について一応とつてやろうという程度のところまで行つております。
  17. 佐藤洋之助

    佐藤(洋)委員 まだいろいろ聞きたいことがあるのでありますが、これから吉川さんの説明を伺わなければなりません。実はこれはこまかいことですが、もう少し掘り下げたいのです、また今の乾繭設備などについても大いに異論があるのですけれども、これは小委員会に譲りまして、この程度で私は打切ります。
  18. 足立篤郎

    ○足立委員 一点だけ……。リンク制の問題でございますが、私どもの耳に入るところでは、どうも不適当な事態が起つているのじやないかということを憂慮するものであります。端的に申し上げれば、砂糖による利益を目当てに相当無理をして生糸輸出をしたのじやないか。その結果、私が心配するのは、生糸だけについて見れば一種のダンピングが行われたのじやないか。これは砂糖の面で見ると、製糖業者の話を開きますと、百ドルそこそこであるべき原糖が百八十ドルもするんだ。従つて砂糖の値を上げるのはあたりまえだということを申しておる。最近またもりもりと砂糖の価格上つてつた。一時安心しましたのもつかの間で、かような事態が起つたというのも、製糖業者はリンクのせいにしておるのであります。悪口を言えば、まるでやみ業者のような行き方をとつているのじやないか。これは私は非常に憂慮するものであります。正常な貿易をスポイルするような結果になりはしないか。そうして二十万を割り、十九万台になれば、当然普通の状態であればぐんぐん輸出が伸びるべきものであると思うのでありますが、今私が心配しておるように、この春一種のものすごいダンピングが行われておつて、実勢価格はむしろそれ以下にされておつたということになるならば、これはなかなかちよつとやそつとでは輸出は伸びない。つまり外国市場にそれだけ悪いくせをつけてしまつたという結果になるんじやないか。そうしますと、リンク制をやめた場合には、これはまた一大難関にぶつかるんじやないか、そう楽観を許さないんじやないかというような気がするのでございますが、蚕糸局は、この実態についてどのような調査をされ、どのような認識を持たれ、今後の対策については、私が心配している点は単なる杞憂にすぎないかどうか、この点をひとつはつきりお答えを願いたいと思います。
  19. 寺内祥一

    寺内説明員 生糸と粗糖とのリンク制につきましては、これは二月の十一日から実行いたしたのでございますが、そのときやつてみますと、ただいまの先生のお話の通り、非常なダンピングをやるものが出て参りまして、アメリカ市場を混乱させましたので、一時これを二月の末に中止いたしまして、リンクの方法をかえたわけでございます。砂糖とのリンク率を半減いたしますることと、リンクによつて輸出したものは一俵について一万円の積立金を輸出組合にする、そうしてフロア・プライスを四ドル五十セント、これをアメリカ——横浜のFOBに換算しますと二十一万円ということになりまして、それ以下に安売りをしたものについてはリンク制をやらないということに厳重な制限をつけまして、たしか二月の末に再開いたしまして、しかもそのあと相当つておる四、五、六、三箇月間に月六千俵ずつ合計一万八千俵という目標で実施いたしましたが、ちようど五月の二十一日になりまして契約が一万八千俵に達しましたので、そこでもうリンク制はストップいたしております。ただその契約の積出しを六月一ぱいということにいたしておりますから、六月中はリンク制の契約による積出しはいたしましたが、契約は五月二十一日にストップいたしておりまして、たまたま価格もそのときのリンク制のフロア・プライスの二十一万円が十九万円に下つておりますから、今後はもうリンク制はやらないつもりで、すでに停止いたしております。
  20. 金子與重郎

    金子委員 こまかいことは今佐藤委員と同様に小委員会でやりますが、ちよつと関連した問題がありますから二点だけお伺いしておきます。一点は、先日来各委員から問題になつておりますアメリカ国会における可燃性繊維のその後の成行きがどうなつておるか、その点をこのところで報告していただきたい。もう一つは、これはあと審議の際にこまかく申し上げるつもりですけれども、ただいま蚕糸局長が、繭糸価の安定策として乾繭貸付をしようということに対して、佐藤委員から乾繭設備云々の問題が出たのであります。その乾繭設備に対して弁解はしておるけれども、この設備について再検討するというお話でありましたが、その再検討にあたつて、過去における乾繭設備というような考え方を持たれてはいけない、特にそれは御注意申し上げておきます。と申しますのは、過去における乾繭設備はなぜああいうふうに失敗しておるか。穀物のようなものは成功するけれども、繭の場合にはどうして失敗するかというと、御承知のように繭は農作物と違いまして、品種、飼育方法、乾繭方法、製糸技術が一貫して初めてものになるのでありまして、これが単独に動いたときには、総体の上に非常に効率が下つて参ります。従つて繭をつくる人はつくる、乾繭は乾繭といつて、そこで品種の統一もなしにめちやくちやにやられると、今度は乾繭として売るときには非常に価格が下つて参ります。そこでこれを解決するため、今後乾繭に対して融資をして、繭の価格の安定をはかろうというならば、それらの繭のほかの農産物と違うという特異性と、工業関係とどうして緊密な関連性を持たせ、しかも資本主義の圧力の下に敷かれないようにするか、この二つのむずかしい問題がありますので、その点をあなたたちは研究してほしい。今までの乾繭組合というものがつぶれて少くなつたから、これをふやそうというような考え方は持つてはいけない。こういうことは今あなたは研究されるという御答弁でありましたから、その点をあらためて申し上げておくわけであります。答弁としては前の可燃性繊維の問題を御答弁願いたいと思います。
  21. 寺内祥一

    寺内説明員 可燃性織物の禁止に関するアメリカにおける情勢でありますが、これはあの法律改正いたしまして、スカーフをあの適用から除くということと、それから可燃性織物であるかないかということの検査の標準を少し引下げるという修正法案が上院は異議なく通過したわけでありますが、それが下院ではやはり一部に反対がありました。五月中ごろまでの情勢といたしましては、アメリカ政府におきましても、対日関係から相当力を入れて援助してくれるから大丈夫だろうという楽観的情報が入つておりましたが、その後意外にこれに対する反対が熾烈であります。主としてこれはアメリカのニュージヤーシー州の絹織物業者の反対であります。下院における審議が停頓して参りまして非常に憂慮いたしておりましたが、六月一ぱいにあの修正法案を通過させるという見込みが今日なつてはなくなつたのでありまして、相当その結果について憂慮いたしております。ただいまわれわれが入手をいたしております公的、私的な情報からいたしますと、アメリカ国会は七月一ぱいありますから、かりに七月一日に施行されても、今国会中になお一段の努力をして、修正案を通過させるように努力するという報告が入つておりますが、これがはたして成功するかどうかということにつきましては、ただいまここでは何とも申し上げられませんので、ただいまの情勢はそういう情勢で、ちよつと憂慮すべき状態ではなかろうかと考えております。
  22. 井出一太郎

    井出委員長 中澤茂一君。
  23. 中澤茂一

    ○中澤委員 こまかい問題は小委員会においてつつ込んでやることといたします。私は少しひがみ根情を持つてつて、申訳ないのですが、これは金融資本によるところの蚕糸農民に対する圧力であるという見方をしております。なぜそういう見方をするかというと、少くとも二十九年の四月、五月まで二十三万台を維持していて、いよいよ春繭ができて団協をやらなければならぬ。昨年のように仮渡金をやれるやれないという問題が出て来ておる。そこでこの春繭が出るときになつてから急に二十一万になる。団協のまつ最中になつて来て、最低価格の十九万をちよつと上つたところで何とか押えて行こうではないかという金融資本と製糸カルテルによるところの一つの大きな政策によつて養蚕農民にしわ寄せをしたという形がはつきりここに出て来ておると思う。そこで今われわれ長野県においては、極力単協には乾繭をやるように奨励しておる。これは上ると見ておるのですが、それについて蚕糸局長は、これを補助あるいは政府の買入れをやらなければならぬという見通しですか。または上るという見通しですか。どちらですか。
  24. 寺内祥一

    寺内説明員 生糸の端境期になりまして、ことに繭取引の繭価協定を控えて糸価が下るという点につきましては、中澤先生のおつしやいますような見方もあると思いますが、われわれといたしましては、取引所なりその取引の裏の裏までつつ込んで研究いたしませんと、確実にそうであるといつて申し上げるだけの証拠がありませんので、ここでこれは確かに製糸資本の操作であるということを申し上げかねるわけでありますが、そういうことも一部にうわさされておるとみる程度で、われわれは何とも判断するだけの証拠を握り得ないのであります。なお上るか下るかという見通しについて言えとおつしやいましたけれども、われわれは先の相場の問題でございまするから、何ともここで申し上げない方がいいと思うわけでございます。
  25. 吉川久衛

    ○吉川(久)委員 蚕糸局長に申し上げておきたいんですが、私はあなたと同じように下ると思うんです。それは中澤委員のように私は楽観論者ではないんです。しかし政府が今のように、金融だけでデフレ政策をとろうというところに無理があるんですが、この無理を強行しようとしている。まだこれをゆるめようというお気持は全然見受けられない。通産大臣は最近、何とか緩和するようなことを言われましたが、それは本心ではなくて、政治的なゼスチユアにすぎないんですから、これは相当下ると見なければならないんです。私は下つてもいいと思うんです。しかし下つたならば、それに対してもつと生産の合理化という面について配慮がなければならないと思うんです。そういう面について政府の施策がちつとも見受けられないということと、内需が減退して来たから下るんですが、それならばそれを海外へもつと積極的に向けて行くという施策に欠けている点が、私ははなはだ遺憾だと思うんです。しかし私はここであなたと議論しようとは思いませんが、そういう点をわれわれは心配しておりますから、次の小委員会等の機会にこの問題を十分取上げてみたいと思いますが、そういう点についても、どうぞひとつお考え置きを願いたい。考えるだけではなくて、積極的に大蔵省とも折衝をして、具体的な施策を急速に実現するように努力を要望しておきたいと思います。
  26. 井出一太郎

    井出委員長 それでは蚕糸に関する問題は、先ほど佐藤委員長の御提唱もあります通り、本日はこの程度にいたしまして、これを小委員会へおまかせをいたす、かように決して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 井出一太郎

    井出委員長 それではさようにとりはからいます。     —————————————
  28. 井出一太郎

    井出委員長 それでは先ほど政府当局が見えないままに留保になつておりました吉川委員の御報告を伺うことにいたします。吉川久衛君。
  29. 吉川久衛

    ○吉川(久)委員 私は委員長委員会の御了解をいただきまして、去る二十日から四日間にわたつて、非公式ではございますが、青森、岩手の凍霜害状況を調査いたしましたので、時間の関係もありますから、私は概要を申し上げ、政府においてもこの対策について格段のお考えを願うとともに、本委員会においてもひとつお取上げをいただいて、現地調査等について御配慮をお願い申し上げたいということを、あらかじめここに申し上げておく次第でございます。  私が参りましたのは、すでに凍霜害被害を受けましてから十二、十三日になつたときではございますが、現地について見ましたところ、オホーツク海より移動せる寒冷高気圧の侵入によつて、岩手県の県北、青森県の三戸、上北、下北の三郡に異常な低温が六月の六日、十日の二日間にわたつて襲来をいたしまして、時ならぬときに降霜と結氷を来した。これは数十年来のできごとであるといわれておりました。私は特に農作物の被害状況について申し上げるのでございますが、この地帯を襲いまして被害を受けました農作物は、大麦、小麦、大豆、あずき、ひえ、あわ、とうもろこし、ばれいしよ、タバコ、りんご、桑、蔬菜等でございますが、あわ、大豆、とうもろこし、あずき、ばれいしよ、りんごは特に減収率がはなはだしいのでございます。ことにこの地域の開拓地は、標高がきわめて高い地帯でございまして、これはほとんど全般的に致命的な状況であると私は見て参つたのでございます。岩手県と青森県の県境の地方のごときは、私は特にここに二日間を要したのでございますが、秋の紅葉した時期とまつたく同じような状況でございます。岩手県庁では、天然色映画に収めまして、来る臨時国会等に国会へ持つて来て、議員各位にごらんに供すると言つておられましたけれども、実にさんたんたる状況でございました。私の見ましたところ、大体岩手県が二万一千百七十四町歩、その損害は十四億三千万円、また青森県においては、三万五百七十七町歩、損害金額にいたしまして十五億一千二百万円と申されておりましたが、私はこの数字相当信用してさしつかえないのじやないかというようなことを、つぶさにながめて痛感をして参つたものでございます。これの対策には、県は相当——ことに岩手県のごときは、積極的にいろいろの施策を考慮いたしておりましたけれども、この地方はちようど昨年のあの冷害凶作に見舞われた地方でございまして、打続く凶作のために、民心は非常に意気消沈をいたしております。私が青森県の県立の農場へ参りましたときに、その翌日農林省からも調査に見えるというようなことを伺つたのでございますけれども、その後農林省の調査はどういうようになつておりますか。この地帯が水田地帯ではなくて、ほとんど畑作地帯であるというところに今回の被害が最も激甚であるということを見て参つたのでございます。  これが対策といたしましては、営農資金の問題等については、前回六月災害は継続審議になつておりますので、この法案の実現までは、一体政府はこれに対してどういうような措置をとられるのか、私はこれはきわめて重大な問題であろうと思います。すみやかなる対策をとらない限り、この地区からの収穫は皆無の面積が相当出て来るのではないかと思います。ことに昨年の営農資金の延納等の問題、これらもひとつすみやかなる指示をされなければならないと思つております。共済金の仮払いあるいは精算払い等の問題についても、適切な手が打たれていることとは思いますが、特にこの地帯は畑作地帯でございまして、農業災害補償法の対象外の作物が大部分でございます。こういうものに対して、今日までわが国には何ら講ずべき措置がないように思うのでございますが、こういう場合に、農林当局はどういうような措置をとられるのか。これは国会自体においても、次の機会には農業災害補償制度について、特に私は考慮を要する点であると思うのでございますけれども、それを待てない現状において、農林省は何らかのすみやかなる措置を講じなければならない、かように見て来た次第でございます。病虫害防除はもう私は緊急の対策として取上げなければならないと思います。非常な寒冷のために、私が行つております四日間のごとき、私は東京のような気分でレイン・コートも持たずに参りましたが、自動車の外へ出て歩くのに、かぜでも引きはしないかというくらいに、身ぶるいを感ずるくらいに非常に寒いのです。そのために植えつけた水稲のごときも全然活着を見ないという状態で、これでは水田についても、私は相当な病虫害が発生するというような状況を見て来たのでございます。これは冷害と関係があるかどうかは存じませんが、弘前方面に参りますと、モリニヤ病という実腐病あるいは株腐病というようなものが非常に発生を見ておりまして、有名な青森リンゴの本年度の収穫は、相当に憂慮されておるような状況でございます。麦のごときは、私ここに見本を持つて参りましたけれども、開花期に零下五度という寒さに見舞われたために、全然結実を見ておりません。これがもう見渡す限りの、三本木を中心とするあの広大な、満州の平原を思わせるような広い畑作地全帯全部こういう状況であります。寒さに強い菜種のごときも、この頭の方はごらん通り結実しておりませんが、これはちようど開花期に寒さに見舞われたから、この寒さに強い植物がかくのごとき状況にあるというわけです。ここにもう一つ大豆ととうもろこしの見本がございますけれども、御存じの通りチモシーといいますか、あるいはその他の非常に寒さに強い牧草、その中へ落ちてはえたとうもろこしは正常に伸びております。ところが畑にまかれたところの、何らの寒さを防ぐ施設のないとうもろこしは、このように全部枯死しておる、こういう状況にあります。大豆のごときは、これが六月二十二日に正常であれば——この見本の一番左にあるのでございますけれども、その他のものは全部やられている、こういう状況でございまして、これは見るもさんたんたる状況でございますから、すみやかに農林省はこれに対する措置をとつていただきたい。  それから、本農林委員会においても、委員長委員各位は、どうぞこの実情をできるだけ早い機会に御踏査をいただきまして、この恵まれない広大な地域に対する農民の生活に、格段の御配慮を賜わるように切望するものでございます。委員長におかれてもそのようにおとりはからいをお願い申し上げる次第であります。
  30. 井出一太郎

    井出委員長 ただいまの吉川委員の御発言に関しましては、先ほどの理事会において、明日その凍霜害の問題を中心に、本委員会で災害対策を取扱う、かように決定いたしておりますので、御趣旨の線に従つて取運ぶ予定でございます。つきましては、経済局長もただいま聞かれた通りでありますので、その後のもろもろのデータを、明日の委員会に御提出を願いたい、かように思います。  この際松岡俊三君より発言がございます。
  31. 松岡俊三

    松岡委員 本年の気象に関しては、昨年気象台当局が種々説明されましたときに、つまり昨年において、本年及び明年等についての気象観測その他について、はたして自信があるかどうかということを、確かに私から尋ねたのであります。そのときにはつきりと、こういう手不足があるというようなことを言うて来るだろうと、私は予想をしていたのでございましたが、さようなことなくして、自信があるかのように申されたのであります。本年の気象は、われわれは今日までの経過において、実に憂慮にたえないのであります。それで明日は、特に気象台の当局委員長においてお呼びくださいまして、災害の事前において、われわれ委員会としてとるべき万全の道をとつて、昨年のごとき手遅れのようなことのないようにいたしたいと思うのでございます。委員長において御善処をお願いいたします。
  32. 井出一太郎

    井出委員長 ただいま松岡委員の御発言の通り、明日の本委員会に、気象台の方から専門家を説明員として招致したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 井出一太郎

    井出委員長 御異議がなければさようとりはからいます。     —————————————
  34. 井出一太郎

    井出委員長 この際理事補欠選任についてお諮りいたします。ただいま理事が一名欠員となつておりますので、その補欠委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 井出一太郎

    井出委員長 御異議なしと認め、金子與重郎君を理事指名いたします。この際暫時休憩いたします。     午後零時三十七分休憩      ————◇—————     午後二時五十八分開議
  36. 井出一太郎

    井出委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  午後は食糧問題、特に麦価の問題について議事を進める予定でありましたが、農林大臣が所用のため出席がありませんので、この際政府に設けられておる食糧対策協議会のその後の情況について説明を求めることにいたします。新沢食糧庁総務部長。
  37. 新沢寧

    ○新沢説明員 食糧対策協議会は、当初六月中に何らかの結論を出すというような計画で会議をしばしば開き、進めて参つたのでありますが、ようやく六月の半ばごろに至りまして大体委員の方々の御意見の発表が出尽しましたので、いよいよその各委員の方々の御意見をとりまとめるという段階に入つたわけでございまして、六月十九日の協議会におきまして、このとりまとめに当ります小委員の方々の選定を行つたわけでございます。そこで十二人の委員の方々が選ばれまして、その後この委員の方々は六月の二十五日にお集まりになりまして、今後のとりまとめ方について御協議があつたのでございますが、その席上におきましては、今までの意見につきましてもう一度反復して御意見がありまして、これをいかにしてまとめるかという御相談があつたわけですが、二十五日の会議におきましては、結局答申案のとりまとめに至りませんで、さらに十二人の委員の半数の六人の方々を起草委員に選びまして、この委員の方々が来る七月三日にお集まりになりまして、最終的にこの答申案の原案をつくるということになつております。この六人の委員会で答申案の試案ができますと、重ねまして七月の上旬にもう一度当初の小委員の方々にお集まりをいただきまして、小委員会としての報告案をここで作成していただくことになつております。その後できるだけ早い機会を求めまして最終的に食糧対策協議会としての答申案を決定する、こういうような順序で取進めをいたしておるわけであります。従いまして最終的に食糧対策協議会として答申の運びになりますのは、おそらく七月の中旬ごろになるのではないかという見通しを持つております。なおこの食糧対策協議会としての答申案の作成につきましては、食糧対策協議会設置の経過にかんがみまして、政府側として特に原案というものは提出することなく、もつぱら委員の方々の間で意見のとりまとめを願い、そして答申案も作成していただく、こういう段取りで現在取進めをいたしている次第であります。
  38. 金子與重郎

    金子委員 食糧対策協議会の問題でありますが、本委員会であさつて、二日の日に食糧に関する小委員会を開くことになつておりますので、その際、今説明された協議会の運営された経過について相当詳しく、たとえば何日に開かれて、そのときに提出した資料はどういうものとどういうものを出した、そして協議された事項はどういうことを協議されたというようなことを、日誌的な形に整理しまして、明後日の小委員会にはそれを提出していただきたい。そのことを資料要求としてお願いします。
  39. 新沢寧

    ○新沢説明員 かしこまりました。準備いたします。
  40. 足鹿覺

    足鹿委員 なおその資料のついでに、私昨日の審議会でも要求しましたが遂にいただけなかつたので、昨年産の三麦別検査数量、政府買上げ数量の実績、各府県別、等級別資料をぜひ御提示願いたいと思います。     —————————————
  41. 井出一太郎

    井出委員長 この際食糧に関する小委員補欠選任についてお諮りをいたします。  ただいま小委員が二名欠員でありますので、その補欠委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 井出一太郎

    井出委員長 御異議なしと認め、松山義雄君、金子與重郎君を食糧に関する小委員指名いたします。  次いで食糧に関する小委員会の小委員長もこれまた欠員でありますので、委員長において指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 井出一太郎

    井出委員長 御異議なしと認め、金子與重郎君を食糧に関する小委員長指名いたします。     —————————————
  44. 川俣清音

    ○川俣委員 二日に食糧の小委員会を開くことになつておりますので、その際輸入取扱い業者、特に小麦、大麦等の価格決定にあたりましてその品質が問題となつておりまするし、また今後の輸入状況と実際の実情をも知りたいために、輸入業者を参考人としてお呼びになることを動議として提出いたします。
  45. 井出一太郎

    井出委員長 ただいま川俣委員より提出されました動議の通り、明後日の食糧に関する小委員会におきまして、輸入関係業者を参考人として招致することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 井出一太郎

    井出委員長 御異議なしと認め、その人選等は委員長に御一任を願います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 井出一太郎

    井出委員長 さよう決しました。     —————————————
  48. 川俣清音

    ○川俣委員 十九国会のときに問題として食糧庁の注意を喚起いたしておきました長崎県における横流し事件についてのその後の経過につきまして、一応御報告を得たいと思います。これは資料が各委員に渡つておるやに承つておりますが、この際公式の発表をお願いしたいと思います。
  49. 新沢寧

    ○新沢説明員 長崎県の諌早の中央食糧株式会社の横流し事件のことでありますが、これは過去におきましてこの会社がいろいろ行いました行為につきまして、またそれについて食糧庁なり長崎県当局のとりました措置につきまして、先般の会期の終了の日だつたと思うのでございますが、資料としてお届けしてあるはずでございます。今ちよつと私その資料を持つて参りませんでしたので、正確に細部にわたつてまで承知しておりませんので、概略を申し上げます。  この長崎、諌早の中央食糧は、卸売業者とそれから指定倉庫業者と二つの業務を兼ねておるのでございます。まず昭和二十七年の終りから八年にかけてだと思いますが、卸売業者の登録変更の時期におきまして、正当な手続によらないで外米を流しまして、一部の小売業者に対して利益を供与し、それによつて登録変更に影響を及ぼすような行為をしたわけでございます。このときは食糧庁は小売業者からの投書によつて、その事実がわかりましたので、ただちに長崎の食糧事務所から県に連絡いたしまして、警告を発したわけでございますが、そのとき県といたしましてとりました措置は、当該卸売を県庁が呼びまして、誓約書をとりまして、今後こういう行為をしたら、その際には厳重処分をする、こういう誓約をとり、またその卸売業者の団体にも警告を発しまして、その行為を再び繰返さないようという措置をとつたわけでございます。そのときは卸売業者としての業務の停止とかあるいはその他の措置はしておらないで、警告を発し、誓約書をとるということにとどまつておるわけでございます。それが本年の二月だと思いますが、倉庫業務の方の関係で、食糧庁の指定倉庫でありまして、これに政府食糧を保管しておいたわけでございますが、そのうちの二百数十俵を現品検査の際に亡失しておることを発見したわけであります。その原因等調べましたところどうも正当な荷渡しさしず書によらないで、無断で出庫したということが判明いたしたわけでございます。食糧庁といたしましては、当時なお若干の保管貨物がありましたが、その保管貨物の出払うのを待ちまして、指定倉庫取消しをしたわけであります。同じ業者が重ねてこういう行為をいたしましたので、非常に食糧庁といたしましても困ることだと思いまして、県には厳重に警告を発したわけであります。また最近県の関係部長が上京した際に、今後のことについて厳重な措置をとるようにという警告をしたわけでありますが、そのときの県の部長の答えでは、登録変更に伴います横流し事件につきましては、現在小売業者、卸売業者の関係業者から告訴されておりまして、これが現在係争中になつております。県といたしましては、その判決の確定をまつて、それによつて処分いたしたい、こういう回答であります。しかしながらそういう行為をした会社でありますので、今後その措置については厳重に取扱つてもらわなければ困るということを重ねて言つておるわけであります。食糧庁といたしましては、直接卸業者に対しては権限を持つておりませんので、全部を県庁側に委任しておる関係でございますので、現在のところは県庁が適当な措置に出るということを期待し、またそれを促進するように警告を発しておるところであります。現在のところは今申し上げたような事情になつております。
  50. 川俣清音

    ○川俣委員 今の御説明で大体委員会の意向に沿うて善処されつつあることは認めるのでありますが、今お話のようにこれは二回目の事犯でありまして、前に再び犯すようなことがある場合には厳重な取消しをするという警告がつけられておつたものだと思います。従つてそれに即応するような対策が当然県でとられなければならないということが一つ。  もう一つは食糧管理の上からいつて、地方の事務所長が公の行為に基いた告訴がなされた場合に、これを軽々に取扱われるということになると、食糧管理の威信が失墜するのではないか、また勇敢に国の食糧管理を行うところの公務員の士気の上に非常な影響を与えるのではないかということを、私は非常に憂えるのです。こうしたものを発見した場合に、とかく地方でこれを隠蔽して、あいまいのうちに事を過すという傾向がたびたびあつたのでございますが、本件は幸いにというか大きな問題となつておるのでございますから、全国的にも地方事務所長、あるいは管理者にいたしましては、少からぬ大きな問題だと思うのです。この取扱いいかんによりましては、地方の各府県におけるところの所長の心理に与える影響が非常に大きいと私は思う。特に総務部長は当面の責任者でありますから、特にそうお考えにならなければならぬと思うのですが、この点について、もう一度はつきり御答弁を願いたい。
  51. 新沢寧

    ○新沢説明員 今おつしやつた通りに私どもも感じております。食糧事務所長が相当の決意をもつて、確証を握つて告訴いたしましたにもかかわらず、不起訴処分になつておるということにつきまして、どうも私どもも納得しがたいものがありますので、これはたまたま他の用件でございますが、輸入食糧の関係で私どもの第二部長が長崎県その他に出張いたしましたので、第二部長に、検察庁の方にもそのときの事情を、なぜ不起訴になつたか詳しく聞いて来てもらいたいということを言つておるわけであります。またその報告をまちまして、その後の経緯について申し上げたいと思います。
  52. 川俣清音

    ○川俣委員 長崎県の事件につきましてはこれで了承いたしますから、なお御報告を願いたいと思います。それからやはり前の委員会で検定協会の問題が論ぜられ、また警告的な発言のありましたことも、すでに御承知通りだと思いますが、依然として検定協会は人員をさらにふやしておる状況のように伺つております。去年よりも内地米の供出糧は一段と減量いたしておりまするし、また外米の輸入をも外麦に切りかえて輸入量も減りつつある現状において、なぜ検定協会だけ職員をふやさなければいかぬか。食糧庁の一般公務員は減員されなければならないという状態にあるときて、外郭団体でしかも補助をもらつておるような団体が、何ゆえに一体人をふやさなければならぬかということがどうも疑問だ。これは私だけの疑問ではないと思います。食糧庁に働いておられます公務員にいたしましても、食糧庁という規格の中におれば定員減がある。外郭団体は、同じことをやつておる、しかも補助を受けておる団体が増員するというようなことは、どうも納得行かないという問題がここにあると思うのです。これらの点についてどのようなお考えを持つておられるか。しかも検定協会については相当な補助金に類似する形で実際食管の中から支出されておるわけでありますから、これはやはり食管会計全体の上から行けば、依然として増額になるようなかつこうになつておるのであります。この点についての御見解を承りたい。
  53. 新沢寧

    ○新沢説明員 検定協会につきましては、先般御注意をいただいたわけでございますが、人員の増加の理由につきましては、実は検定協会は二十七年に一部のものができまして、その後現在の数までふえて参つたわけでございます。仕事の内容にいたしましても、実はその間に若干の変遷がございまして、現在やつておりますような業務の体系が整いましたのは昨年の十月以降でございます。また十月以降につきましても、十分職員の数がそろいませんために、一部の検定協会につきましては、その業務の全部をできませんで、一部の業務だけしかやつておらぬという状態であつたわけでありますが、一度検定協会をつくりました以上は、やはり全業務をやつて行くということによつて初めてその目的が達せられるわけでございますので、そういう意味合いで昨年の秋以来全業務を遂行するに足るだけの陣容を整備して参つたわけでございまして、さらに本年の春までの間に逐次陣容の整備を終りまして、大体現陣容が今の仕事と照し合せまして適当な状態に達しているのではなかろうか、こういうふうに考えております。また検定協会の検定料その他につきましては、直接間接に国の経費に響いて参りますので、これは厳重に査定をして参りたいということで、現在まだ査定を終えておりませんというか、食糧庁としての査定を終えまして、現在大蔵省と折衝しておる段階でありまして、去年に比べて国全体の節約の状態ともにらみ合せまして、できるだけ引下げて行きたいという心構えで今事務を進めておるわけでございます。費用の点につきましても、また仕事につきましても、国費の濫費に陥りませんように気をつけて参りたいという考えでおります。
  54. 川俣清音

    ○川俣委員 結局日通あるいは卸売業者を通じて政府の予算の中に見込まれて出ているのです。ただ補助金という名前で出ていないだけです。実際は管理費の中から管理費用として出ている、あるいは日通の取扱い費用として出ている。名目は補助金ではないけれども、現に出ているのは補助金という形で出ている。この額が去年とことしと依然として同じじやないかと思うのですが、増額になつたかどうか、総額どのくらいであるか。これは計算すれば、すぐわかると思う。それから去年からことしの春まで一年間に約三割二、三分増員になつておると思う。前は三割不足であつてもやれた。今度は三割多くなつてもやれる。これは前は不当に支出しておつたのかというそしりを受けるのではないか。それだけの人がいないで、仕事もないのにかかわらず与えたということになるのではないかと思う。今ようやく完備して、今度はしつかり仕事ができるというお説だとすると、現在はなるほど十分費用を使わなければならぬような状態であるかもしれないが、以前は使わない状態においても経費だけはとつてつた、こういうことになるのではないかと思うのですが、去年とことしとの総額の開き——もつともこれは去年の方が供出石数が多いから、ことしの方が少いということになるかもしれませんが、トン当りは去年とことしと同じじやないかと思つておりますが、この点を明らかにしていただきたい。
  55. 新沢寧

    ○新沢説明員 人員の点でございますが、先ほどちよつと申し上げましたように、昨年の途中に検定協会が長崎、それから大阪の支部として京都、兵庫の支部としての広島、愛知の支部としての静岡がふえました関係上、それらの人員がふえているという結果になつております。人員増加の大きな部分は、新しく検定協会ができたものに対応するものでございます。それから検定料のことでございますが、これは先ほどもちよつと申し上げましたように、まだ最終的な契約はどこともやつておりません。ただすでに見込んでおりますのは、卸売業者との分だけは米価決定の際にきめなくちやならない建前で、一月にきめたものがそのまま踏襲されておりますので、この点はかわらないと思いますが、日通との契約はまだやつておりませんで、大蔵省との折衝段階にあるわけでございます。これはおそらく去年に比べまして、単価としては若干値下げすることになろうかと思いますが、まだ最終的な契約はできておりません。
  56. 川俣清音

    ○川俣委員 日通とは去年は確かに契約されているはずですから、日通並びに卸売業者に出しました——トン当り百四、五円になると思いますが、総額どのくらいになつておりますか。
  57. 新沢寧

    ○新沢説明員 私は資料を持つておりませんので、概算で申し上げますが、これは卸と日通と両方合せまして、昨年は約一億ちよつとくらい、そんな見当かと思つております。
  58. 川俣清音

    ○川俣委員 それは大分計算違いじやないですか。トン当り百円といたしますれば、もう少しなるのじやないですか。
  59. 新沢寧

    ○新沢説明員 正確な記憶がちよつとありませんので、数字を調べまして別な機会にお答え申し上げたいと思います。
  60. 川俣清音

    ○川俣委員 十分お調べの上でお知らせ願いたいと思うのです。こういう点から見ましても、たとい一億といたしましても、これはきよう触れるべき問題でなく、長官がおいでになつてから触れるべき問題ですが、麦価等について、閣議まで開いて目をさらのようにして大蔵省と折衝して、半月も一箇月もかかる、こういう検定協会に三億か四億出すことについては、あまり問題にならぬで簡単に出る、こういうようなことでは私は、生産農民の立場からいつていかがか、こういう問題が将来起つて来ると思うのであります。これらについて資料をお出しを願つて、あらためてこの問題を続けたいと思います。
  61. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 実は六等麦の設定のことに関して総務部長にお尋ねいたしますが、この問題は非常に重要な問題であり、九州については各県にまたがる大きな問題でございまするから、総務部長において上司と御連絡の上十分御研究を煩わしたいと思います。四月以降の晩霜及び四月から五月にかけて毎日の雨でございまして、五月はほとんど連日の降雨というのが九州の状況であつたのであります。そこでこれは麦でございまするが、根ばりは不十分で減収、特に品質の低下は著しくございまして、等外麦が非常に多いのでございます。この状況はおそらく総務部長のところへも情報が参つておることと思います。大体の状況を申し上げますると、山つきよりも平坦地が九州においては非常に悪いのでありまして、雨のための根腐れが非常に多いのでございます。九州全部の状況を概観いたしますると、等外麦の見込みが約百万石以上に上ろうかというふうな状況でありまして、大体今のところ検査してとても五等にも合格の見込みがないといつたようなものは、農家の庭先に積み込んであるような状況でございます。大分の場合におきましては、総見込高の五十三万石のうちの約三〇%はこういうふうな状況で、九州各県大体平均して三〇%前後の状況というふうに相なつております。この点につきまして総務部長のところに、九州の状況について何か報告が参つておりませんか。そこのところをひとつまず最初にお尋ねいたしたいと思います。
  62. 新沢寧

    ○新沢説明員 九州の麦作の状況につきましては、私の方にも報告が参つておるわけでございますが、ただ現在まで私どもが入手いたしております報告によりますと、去年との比較でございますが、県の方々の御報告によれば、去年と同じような状態だ、こう言つておられますが、現在までに私どもが私どもの系統で得た情報では、去年よりは大分いいのではないだろうかというふうな数字になつておりますが、しかし非常に農家の経済に重要な影響を及ぼす問題でございますので、重ねて現地の事務所の方にも、実情の把握、報告を求めるようにいたしております。それに基いてこの措置を今後研究いたしたいと思つております。
  63. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 ただいま御答弁でございまするが、実際は今申し上げたような状況でございまして、指導農協の連中はみな上京して参りまして、今朝来ここでも陳情がございまして、おそらくあなたのところにもお願いに出ることだと思いまするが、午前中の委員会で九州各県の代表から陳情があつたような状況でございまして、非常に憂慮すべき状態にあるのが実情でございます。そこでこの扱いでございまするが、政府当局は、九州地区の麦作のかかる状況に対しまして、昨年度六等の規格を設定して政府買上げを行つた経緯から考えまして、本年度も当然かかる対策を私どもは考慮してしかるべきものだと存じまするが、その点についてあなたの御意見を承つておきたいのであります。これはあなた自身からまだ単独でお答えいただけないとするならば、十分御研究を煩わして慎重に考慮を願いたい。軽率なことをされますると、どうも憂慮すべき問題を発生する余地をはさむことを御警告申し上げておきます。
  64. 新沢寧

    ○新沢説明員 六等麦を本年も設定すべきかどうかにつきましては、まだ今日のところ設定いたしますというお答えを申し上げる段階に達しておらないのでございますが、先ほども申し上げましたように、十分実情をにらみまして、今後この措置について研究をいたしたい、こういうふうに考えます。
  65. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 昨年の六等麦の政府買上げは、品質不良のため、御承知のごとく主食となすに適しないというので、大部分は飼料等になつたということでございますが、本年度は昨年に比べてどうかと申しますと、大体その状況を見ますると、品質は一つ一つの粒が小さいために等外となるのが大部分で、その点六等を設定しても、政府買上げを行つても、これを飼料用に払い下げるとかいう必要はないのでありまして、十分主食用にまわされるのではないかというのが本年度九州の関係各団体の陳情の要旨でございます。この点も十分実情を御検討願いたいと思うのであります。われわれは山口も入れまして、九州はこぞつて強力に、どこまでもこれを貫徹するようにお願いしたいと思うのであります。もしこの点買取りが不可能だとするならば、現在の状況から言つたならば、庭先においてたたき売りの危機を包蔵しているわけでございまして、かつまた麦を当てにしての農手の回収がまつたく不可能になつてしまい、また肥料の問題とか、あるいは災害復旧の融資の回収というものは、もちろん肥料手当もできませんし、災害復旧の融資を回収するなんということは、とうてい及びもつかぬのであります。さらにまた水稲の肥料、それから水稲の場会の労務費の支払いということは絶対困難でございます。これを包括して申し上げると、次の農業再生費の回収ということはとうていできない状況でございまして、これは九州七県プラス山口の問題といたしまして大きな危機を包蔵しているのであります。御承知のごとく関西方面はまだ水害の危機もはらんでおりまするし、この点は十分実情を御認識いただきまして、この農手回収の問題、災害復旧融資の問題、肥料手当の問題、水稲労務費の支払い困難というような、こういう差迫つた問題一切を包含いたしまして、結局のところ次の農業再生産費の回収ということはとうていできないと思いますが、こういう危機をはらんでおりますので、この問題を十分政治的に御解決いただきたいのであります。それも六等麦を設けてお買いになつて、それが主食用にまわせない、飼料だけにしか使えないというのでありましたならば、御無理にお願いできないかもしれませんが、昨年に比べて、実際の状況はどうかと申しますと、粒が小さい、この一点に尽きるわけでございまして、この点は十分御研究を煩わしたいと思うのであります。
  66. 新沢寧

    ○新沢説明員 ただいまお話がございました点は、私どももよく今後検討いたしまして決定いたしたいと思います。
  67. 吉川久衛

    ○吉川(久)委員 私はこの際、十九国会の終りごろに外務委員会において加藤勘十君から政府に対して質疑をされておりますところの、中小企業の製パン業者を圧迫するところの大製パン工場設置の問題について若干お伺いをいたしておきたいと思います。  加藤委員から大分詳しい御質疑が行われておりますので、私はあまりダブつてお尋ねはいたしませんけれども、私どもの聞くところによりますと、これは明治乳業と東洋製罐に粉食奨励の名のもとに、農林省の元官僚が関係をしておることから、農林省が非常に積極的な援助をいたしているということであります。しかもその農林省の元有力な官僚が申されているところと、それから実際に今まで行われておりますところの中小企業の製パンのカロリー計算といいますか、パンの製品からその内容等を検討いたしてみますると、アメリカの機械を導入してつくられるところのパンとの内容には相当の差等がありまして、価格にいたしまして相当割高になるように言われております。そこで伺つておきたいことは、こういう中小企業が相当の施設を持つているのにもかかわらず、あえて食生活の改善の名のもとにこういうものを設けなければならないというその意図はどこにあるのか、それからそれによつて生じますところの中小企業との問題に対して、農林省としてはどのように考えておりますか、まずその点からお尋ねをいたしておきます。
  68. 新沢寧

    ○新沢説明員 中小企業の製パン業と大企業の製パン業との問題でございますが、食糧庁といたしましては、現在の食糧事情にかんがみまして、お話もありました通り、いわゆる食生活改善ということで粉食を大いに伸ばして行きたいということを考えておるわけでございます。それに対しまして、現在の粉食の最も大きな形態でありますパンにつきましては、主として中小企業がやつておるわけでございますが、現在の設備と技術等から見まして、必ずしも満足すべき製品ができていないような状態でございます。また価格をできるだけ安く消費者に提供するという場合につきましても、中小企業が非常に濫立している状態では、なかなか統一ある行動もできかねるような状態になつておるわけでございます。そこでできるだけ技術的にも製品的にも進んだものを出すためには、やはり設備の点においても一歩進んだものを取入れる必要があるのじやないか、こういうことを常々考えておつたわけでございますが、ただその場合におきまして、いたずらに現在あります中小企業者を無視いたしまして、大資本が大設備の工場をつくるということではいけませんので、私たちの念願といたしましては、できるならば中小企業者が大同団結いたしまして、こうした進歩した機械を取入れるということが最も望ましいことと考えておるわけでございますが、それができません場合において、大資本がこのパンに進出します場合におきましても、現存の中小企業との間に、いたずらに分野を侵すということは望ましくないと考えております。現在あります中小企業者との間に十分な調整をとつた上で大企業が進出するということならば、食糧庁としてもそういうものの進出について認容することができるのじやないだろうかということを考えておるわけでありまして、今御指摘のありました明治乳業等が企画しておりますパン工場につきましても、現在のところといたしましては、中小企業者と十分話合つてその間の調整をとつて来てもらいたい、その上において農林省といたしましてもいろいろな業界の企業の開始のための手続的な後援はいたしますけれども、中小企業との話合いができるまでは、やはり経過を見送つておく以外にないのじやないかという気持で、現在企画されております会社側にも言つておるわけでありまして、また中小企業者の方々にも、いたずらに対立関係を続けないで、やはり両者相提携するような方向に話を進めてもらいたいというような指導を現在やつておるわけでございまして、食糧庁として、はつきりいずれに軍配を上げて、そのようにやつているというわけではございませんので、両者の間の調整をはかつて行きたいということを主眼にして、今やつておるわけでございます。
  69. 吉川久衛

    ○吉川(久)委員 ただいまのお答えで、大企業と中小企業との関係については、両者の調整をとつた上でなければ、農林省としてはこれに援助をしたりするようなことはできないというように指導をしている、こういうことが明らかになつたわけでございますが、ただその中において、小さな工場が能率的にもあるいはその他パンの製品の質から言いましても、欠くるところがある。その点は大企業の方がもつと合理的に、もつと良質なものができるのじやないかというようなお考えであるやに伺いましたが、実はその明治パンが機械化製パン工場を企図いたしている目的というものは、今のお答えのように、良質にして廉価な食パンを生産するのだということを強調されているのです。これは一応ごもつともなんでございますが、その原価計算書というようなものが農林省にすでに提出されておると思いますが、そういうものを御検討になつたのかどうなのか、私の)ところに入つて参りました資料によりますと、まだ何かそれは、第一回に出したものが十分でないので、再提出中であるというようなことを聞いておりますが、その点はどうなのか。私の聞いているところによりますと、一斤三十円のパンを小麦粉二十二キロで七十九斤どりとなつているというのであります。従つて一斤の小麦粉が二百七十八グラム、これが千三十九カロリーであると言われております。市販の一般メーカーにおいては、小麦粉二十二キロで、六十三斤どりであると言われております。一斤の小麦粉は三百四十グラムで千三百カロリーでありまして、これを比較対照する、明治パンの方がはるかに三〇%も高いと、こう言われているのでございますが、原価計算書の提出されたものについて御検討の結果、こういうように言われていることと違いがあるのかどうなのか、そういう点について御検討になつた結果を、ひとつ御説明を願いたいと思います。
  70. 新沢寧

    ○新沢説明員 原価計算書が出されていることは私も承知しておりますが、直接の担当ではございませんので、その内容につきましては、私は直接数字に当つたのでございませんので、ただ最終的な結論として、こういうようなものの企業をどう扱うかということをきめます際に話にあずかつただけでございますので、ちよつと数字的なお答えはしにくいのでございますが、私がその間最終的な考え方をきめます際に、良質廉価ということを聞いておるわけであります。
  71. 吉川久衛

    ○吉川(久)委員 中小企業と大企業との調整の問題でございますが、中小企業の方の要請といたしましては、生産数量を工場能力の何パーセントかに制限をしてほしい、今私の聞いておるところでは、せめて一日五万斤程度にといわれておりますから、生産能力の半分ぐらいじやないかと思います。それから業者側の代表をその新設の会社の重役に入れるというようなこと、あるいはまた新設会社の株式の一部を業者に譲渡するというようなことで、非常に妥協的な案だと思いますが、そういうことがいわれておるのでありますが、そういつたような具体的な内容等について、タッチなさつたことはございますか、あるいはそういう要請は妥当であるとお考えになつたことはありますか。
  72. 新沢寧

    ○新沢説明員 これも私は直接交渉に介入したわけではございませんので、これも間接的に経過を聞いておることをお伝え申し上げることになりますが、現在までの両者間の話合いの過程におきまして、大企業家と申しますか、明治パン側から出された条件といたしましては、お話のように、工場能力といたしまして日産十万斤を五万斤程度に切り下げる、それから中小企業側からも経営並び資本参加を認めるということを会社側の方から持ち出しておるという話は聞いておりますが、ただそれだけの条件では話がついていないように聞いております。
  73. 吉川久衛

    ○吉川(久)委員 部長は御担当でないから内容についてはよくおわかりにならないようでございますが、どうも今まで農林省でやつております粗糖の割当についても、あるいは油の原料大豆の問題にいたしましても、その割当等についてのやり方を見ておりますと、どうも中小企業軽視の取扱いが今日まで非常に強く出ているんです。これは私非常に問題だと思うので、かりに小さくとも、合理的な経営をやつているところあるいはまた良質なものを生産しているというようなものについては、私はこういう小さいものこそ保護して行かなければならないと思うのですけれども、ことに農村等にありますところの小さな企業に対しては一顧も与えないというような態度では、農村工業はたちまち倒産をすることは当然でございます。小さなものの中にも非常に合理的な経営をやつているものもあることを見のがしてもらつては困るし、仏どものところへ来ております資料等によつて検討してみますと、大機械化生産よりは内容において安くできるというのに、それを合理的であつて良質なものであるということで大きなものにやらせるということは、どうしても納得が行きません。ですから担当の係と十分御検討になりまして、中小企業の人々の不満のないように、できるだけの措置をとつていただくと同時に、良質にしてしかも廉価なものができるとするならば、あらためて大企業をここに新設されなくとも、消費者大衆を擁護する道があるとするならば、これをできるだけ生かして行くというような点に御配意をいただきたいと思います。そういう点についてのお心構えを伺つて私の質疑を終ります。
  74. 新沢寧

    ○新沢説明員 私どもも既存の中小企業を健全に発展させて行くということにつきましては、もちろん十分の考えを持つておるわけでございますが、もちろんそういう方向にものことを考えて行かなければならないと存じております。ただこの御質問の出ました製パンの件につきてましては、一応現在までの段階におきてましては、大企業の進出によつて中小企業との間の調整が適当に行われるならば、中小企業の現在の地位を圧迫することもないであろうし、また現在伸びつつあるパンの需要に応ずるためにも、これによつてある程度規模の拡張は心要ではないだろうかというような点から考えられておるわけでございまして、もちろん今後本件の取進めに当りましても、中小企業の方々を十分発展させて行くということには十分の心を注いで行かなければならないというふうに考えております。なおいろいろ御指摘を受けました点につきてましては、当面の係の者にも伝えまして、さらに慎重な検討をさせたいと思います。
  75. 井出一太郎

    井出委員長 本日はこの程度をもつて散会いたします。     午後三時五十七分散会