○河野(一)委員 関連して……。私の時間が参りました際に、砂糖問題について根本的なお尋ねをいたしたいと思いますが、今ここで早急に政府にお尋ねをし、また明確にいたしたいと思いますことは、先般政府が全国の菓子商組合連合会に二千トン近くの砂糖の払下げをなさ
つたことであるのでありますが、具体的に申しますと、その際に
地方の菓子屋が参りまして、個々に聞きますと、一軒について運動費として十円ずつ集めました、こう言うております。これは私自身が具体的に菓子屋から聞いたのでございます。だからこれは絶対に間違いがないと私は確信いたします。これを全部数字をまとめてみますと
金額総計四千万円くらいになります。四千万円全部集めたか集めぬか私は知りませんが、とにかく神奈川県下の個々の菓子屋に聞きますと、運動費として十円出した、こう言
つております。ところが中央で巻間伝えるところによりますと、四千万円の金を菓子屋は集めて、二千トンの砂糖の払下げの運動費としてこの四千万円を使うのだ。これはうわさでありますから責任は待ちませんが、うわさがありましたことも私は聞いております。そこで、現下政治に対していろいろ疑惑のありまする際に、こういうことのありますることははなはだ遺憾であります。絶対に農林省にそういう間違いがあろうと私は想像いたしません。いたしませんが、何にいたしましても、砂糖が高くな
つたからというので菓子屋に砂糖の払下げをしたことは事実でありますから、長官もこれはその
通りでありますとお答えになるだろうと思う。それから菓子屋が十円ずつ金を出したという人も個人ではあるのでありますから、どの範囲に金を出したか、しかもそれは何のために出したのかというと、運動費として集めました、こう言
つておりますから、そういう事実も間違いないと私は思う。これははなはだ遺憾なことでございますから、この際農林省で調べがつくならば、
食糧庁長官自身の責任においてお調べになることは一番けつこうであります。しかし事情はそういうことでありまして、
食糧庁長官にこれを調べろということは不適当だと私は思います。またできないだろうと思う。できなければただちに検事局に移牒してこの間の事情を明確にしていただきたい。よろしゆうございますか、今私が申し上げたことは、神奈川県下の菓子屋が、先般あなた方が払い下げられた二千トンの砂糖をもらう運動費として十円ずつ出しましたと言
つておる人がおる。けさも現に私の弟のところに来て、そういうことを言
つて帰
つた菓子屋がある、私のところへ来て言うて行
つた菓子屋がある。ですからこれは絶対に間違いない。これを巷間伝えておりまするところでは、全国で四千万円菓子屋は金を集めて、それを運動費に使おうとしてお
つたが、世間がやかましくな
つたから、その金を出さずにどこかへしま
つてあるといううわさがあります。これははなはだ遺憾なことであります。しかしこういう時局柄のことでありますから、こういう点は明瞭にいたしませんと、出した菓子屋はなるほどあれでは政治はくさるのはあたりまえだと、もら
つた砂糖は砂糖で、出した金のことは巷間やかましく伝えますから、その金の行方を明瞭に調べて、善処されることが
食糧庁長官の立場上一番いいと思う。しかしそれは自分ではおできにならぬでしようから、河野から国会でこういう発言があ
つた、こういうことでけつこうでありますから、速記録を
根拠にして検事局へ告発なさ
つたらよろしいと思う。そうして明瞭にしていただきたい。その他の点につきましてもいろいろありますが、具体的に私が
考えるのは今申し上げた点でありまして、こういうことははつきりなさるがよろしい。それからその他ドルを使
つて、そうして砂糖の輸入をして、これを各製糖会社に割当てる
経費につきまして、すでに参議院においても大分問題にな
つておるようでありますし、衆議院におきましても当
委員会におきましていろいろな御意見があ
つたと思いますが、これらについてすみやかに調査なさる必要があると思うのであります。というのは、先般あれだけ砂糖
価格が高くな
つて、最近下り始めた。一体何のために上り、何のために下るのかということが納得できません。およそ経済の現象は、前に想像で上るだろう下るだろうということはともかくといたしまして、結果から見てなるほどああいうわけで上
つたのだな、なるほどこういうわけで下
つたのだなということが了解できない事項はないのであります。ところが現在の砂糖の
価格のように、何のために上り——上
つたことは思惑で上
つたという想像はつきます。しかし最近の下
つたのは一体何のために下
つたのだろうということは了承ができません。少し国会でうるさくな
つたから下げておけというので下
つたのだという人もあります。しかしそういうことであれば、これはとんでもないことであります。そういうことで一時を糊塗して、この国会が済んだらまた砂糖がか
つてになるというようなことは非常に遺憾なことでありまして、そういうことが思惑の材料にな
つて、一部に不当な利益をむさぼる者があるということは、大衆
消費者としては非常に迷惑であります。ですから現在の程度でなしに、農林省におかれましては、すみやかにこの砂糖の問題についてはどうするのだ、どこまでどう持
つて行くのだということを——先般来新聞を見ておりますと、いろいろむし返してああでもない、こうでもないということでや
つておるようでありますが、これははなはだ遺憾なことでありますから、この際大臣が御出席になれば一番けつこうだ
つたのでありますけれ
ども、政務次官から、大体いつまでにこの砂糖については政府部内の意見をとりまとめて、具体的な方策を講じて、こういうふうにして政府の責任をと
つて行きたいということの御答弁を、お願い申し上げる次第であります。