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1954-09-29 第19回国会 衆議院 内閣委員会 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年九月二十九日(水曜日)     午前十時五十八分開議  出席委員    委員長 稻村 順三君    理事 大村 清一君 理事 平井 義一君    理事 高瀬  傳君 理事 下川儀太郎君    理事 鈴木 義男君       青木  正君    八木 一郎君       山崎  巖君    並木 芳雄君       粟山  博君    飛鳥田一雄君       中村 高一君    池田正之輔君  出席国務大臣         国 務 大 臣 緒方 竹虎君  委員外出席者         総理府事務官         (行政管理庁         管理部長)   岡部 史郎君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  細田 吉藏君         運輸事務官         (中央気象台総         務部長)    北村 純一君         運 輸 技 官         (中央気象台予         報部長)    肥沼 寛一君         運 輸 技 官 大和 順一君         日本国有鉄道参         事         (営業局船舶課         長)      篠田寅太郎君         専  門  員 亀卦川 治君         専  門  員 小關 紹夫君     ――――――――――――― 九月二十九日  委員永田良吉君及び松村謙三君辞任につき、そ  の補欠として青木正君及び並木芳雄君が議長の  指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  行政機構に関する件     ―――――――――――――
  2. 稻村順三

    稻村委員長 これより内閣委員会を開会いたします。  本日はまず洞爺丸事件に関連いたしまして、運輸省機構について調査を進めたいと存じます。  まず当局の説明を求めます。中央気象台予報部長肥沼寛一君。
  3. 肥沼寛一

    肥沼説明員 今回の洞爺丸事件を起しました台風十五号についての大体の概況と、それに対しまして気象台でとりました処置のあらましを御説明申し上げます。  この台風は二十六日の午前二時に鹿児島県にぶつかつて参りまして、そのときの強さが九百七十ミリバールでございます。午前九時には中国地方を横断しまして日本海に出まして、九百六十八ミリバールに発達しております。それから非常に早く一時間に百キロ以上という速度で進みまして、午後三時には青森の西方で九百六十ミリバールという強さになつております。午後六時には北海道の積丹半島と奥尻島の間くらいのところに中心がございまして、九百六十ミリバール、そうして翌朝二十七日には宗谷海峡の方へ抜けております。この台風特徴といたしましては、非常に速度が早かつたということと、それから北の方へ上りながらかえつて強くなつて行つたということが特徴でございます。これに対しまして中央気象台といたしましては気象資料を一番たくさん持つておりますので、全国の台風経路に当ります気象台測候所に対して指示報というのを流して参考にしております。現地ではこの指示報と自分のところで集めました現地資料並びにその土地の気象のくせなどを考慮いたしまして注意報なり警報なりを出す建前になつております。気象台では、前の方を省略いたしますが、二十六日の十二時から大体一時間ごとに台風経路に当ります気象台測候所指示報というのを流しております。これは台風の強さ、位置、進行の方向、速度、そういうものを知らせる建前になつております。  次に函館状況を申しますと、函館では二十六日の正午に東の十六メートル、一時に東北東の十八メートル、二時に東北東の十九メートル、三時に東の二十一メートル、四時に東の十七メートル、五時に東南東の十七メートル、六時に南々東の十四メートル、七時に南の十八メートル、八時に南の二十四メートル、九時に南の二十六メートル、これが一番強いのでありますが、十時に南々西の二十三メートル、十時以後は省略いたします。こういう状況であります。これは函館気象台ではかつた値でございますので、海上では大体現地の五割増しくらいに普通推定いたしております。なおこれは平均風速でありまして、新聞などによく出ております瞬間風速というのはこの十分間平均よりも五割程度強いのが普通でございます。  現地函館でとりました処置は、実は先ほどの指示報の問題でありますが、私どもの持つております気象専用線が二十六日の七時二十分以後で切れてしまいまして、多分函館市内付近で切れたのだと思いますが、昨日までこれが復旧いたしませんでしたので、電電公社の線を使いましていろいろの情報を集めたのでありますが、私ども資料数字を主とするものでなかなか詳しい状況がわかりませんでした。  今私ども承知しております函館でとりました処置は、二十六日の午前八時、これは台風が広島県あたりを通つている時期でありますが、この時期に函館では風雨注意報というのを発表しております。それから午前十一時に、これは台風位置は能登半島の北にあつたときでありますが、暴風雨警報を発表しております。そのあとは、暴風雨警報が一番警戒の段階では強いのでありまして、あと状況に応じた情報を発表しております。午後四時に放送局から情報を一つ出しております。それから函館海洋気象台でありまして、海上に対しての警戒をやるのでありますが、海上に対しての警戒は二十六日の午前一八時に強風の警報を出しております。それから十一時には先ほど申しました暴風雨警報、これも海上に対して出しております。それから午後三時に海上に対してまた出しております。これは一般に出したものでございますが、そのほか問合せによつて答えた状況は、先ほど申しましたように通信がまだ完全でございませんので、詳しい状況まではよくわかつておりません。新聞などにいろいろなことが伝えられておるようでありますが、数字が、あるいは時間が食い違つておるようなものもございまして、はつきりしたお答えができないのが残念でございます。以上であります。
  4. 稻村順三

  5. 細田吉藏

    細田説明員 私、運輸省鉄道監督局国有鉄道部長細田であります。局長運輸大臣と一緒に現地参つておりまして、本日こちらへ帰ることになつておりますので、かわりまして今回の青函間の連絡船事故につきまして御報告を申し上げたいと思います。  去る二十六日の夜第十五号台風によりまして、青函間航路日本国有鉄道連絡船が五隻沈没いたしました。二隻は衝突をいたしまして大破いたしました。特に旅客船洞爺丸函館港外におきまして、沈没をいたしまして、非常にたくさんな犠牲者を出しましたことは、私どもといたしまして非常に遺憾に存じ、また深くおわびを申し上げるところでございます。この事故は申し上げるまでもございませんが、国有鉄道としてはもとより、わが国といたしましても、いまだかつてないといつたような大きな事故でございまして、いろんな問題があるかと思うのでございます。この沈没原因につきましては、実は大体の模様につきましては、専門家でございます国有鉄道営業局船舶課長がただいま参ることになつておりますので、詳しく御報告申し上げることにいたしておるのでございます。  お手元資料の三ページのところにございますように一応の概況としてどうして沈んだであろうかという点につきまして推定されておるのでございますが、いろいろ新聞等にもございます出帆当時の状況あるいは旅客を乗船させましたときの状況、そういつたような点につきましては遺憾ながらただいまのところでは必ずしもまだ判明いたしておりません。現地におきましては、国有鉄道あるいは運輸省からも参りまして調査をいたしておるような次第でございまして、この点に関しましては、運輸省といたしましては徹底的にこの原因の探究をいたしたい、かように考えておるわけでございます。なおこの点に関しましては、後刻船舶課長が参りまして御説明を申し上げるかと存じております。  さらに、不幸にして遭難されました方々のお取扱い、弔慰の方法その他の取扱いにつきましては、運輸大臣現地に参りまして、昨日も直接連絡があつたのでございますが、これまでの先例とかそういうことでなく、全力をあげて万全を期すように大臣自身が指揮をいたしておるような次第でございます。運輸省といたしましては、国鉄はもとよりただちに対策本部を設けまして種々対策をやつておるわけでございますが、運輸省といたしましても対策協議会を設けまして事故原因を探究しますと同時に、今後再びこのような不祥事を繰返さないように、実は一昨日以来種々検討を開始いたしておるような次第でございまするし、なお今後のいろいろな対策につきましては、これは安全の方策でございますとか、あるいはいろいろ事故あとの処理の問題でございますとか、あるいは輸送力がこれまた船が一時に五はいも沈没いたしましたし二はいもこわれましたというような状況でございまして、本州、北海道間の輸送力が非常に減少して参りますので、これらの対策、そういつた方面につきまして対策協議会におきまして、本日もただいままで会議をいたしておつたような次第でございまして、今後引続いて十分な努力をいたして参りたい、かように考えておる次第でございます。輸送力の点につきましては、後ほど国鉄から参つて報告を申し上げることになつておりますので、この点は国鉄からの御説明に譲りたいと存じます。  なお二十七日に、十一時から私の方の大臣関係閣僚にお集まりを願いまして、さつそく事故報告をいたし、また政府といたしましてのいろいろな対策についてお打合せがございました。その結果ただちに石井運輸大臣現地へ出向くことになりまして二十七日に出かけたわけでございますが、本日夕方には大臣がこちらへ帰つて参ることになつておる次第でございまして、現地状況につきましても詳しく見て参ることになつておりますので、私どもとしましては、電話ではいろいろな事情は聴取いたしておりますが、さらにいろいろなことがわかるのじやないかというふうに考えておる次第でございます。  非常に概略でございますが、以上申し上げまして、国有鉄道からさらに詳細な御説明を申し上げたいと思います。
  6. 稻村順三

  7. 篠田寅太郎

    篠田説明員 去る二十六日の夜半から二十七日の早朝にかけまして稀有の暴風によりまして青函連絡船に非常な大椿事が起りましてまことに残念に思う次第でございます。被害概況を御説明申し上げますると、青函連絡船は常時十四隻の船を持つております。客船四隻の貸物船十隻という隻数で青函間の輸送を確保しておつたのでございますが、当日旅客船洞爺丸が夜半に沈没し、そのほか第十一青函丸北見丸日高丸十勝丸の四隻の貨物船を失つたわけでございます。その沈没の様子は、大体お手元に上げてあります資料に書いてあるような要素がいろいろ錯綜いたしまして沈没したのでございますが、大体船尾から大波が浸入し、貨車甲板が浸水して除々に水が機関室に入つて運転不能になつたというような状況、あるいは貨車緊締具が切れて貨車が転覆するという状況船体が横転したというような現象を呈しているように見受けられます。これも今後さらに詳細に調査いたしませんと、各船とも必ずしも同一原因によつて沈んだ―共通した点はあるとは思うのでございますが、必ずしも同一という条件までには至らないと思つております。またこの沈んだ船のほかに大雪丸、それから第六青函丸というのがちよつと軽い傷を受けたのでございます。それで非常に多数の人々の遭難を惹起いたしまして非常に残念であり、また非常にお気の毒に思う次第でございます。洞爺丸の現在までにわかりました状況は、死亡の確認された方方が二百二十六人、生存の判明いたしました方が百二十三人、いまだ行方のわかりません方が七百九十三名、合計千百四十二名、このほかに外国人の方が六十二名となつております。なおこのほかに乗組員相当被害をこうむつておるわけでございます。それで、被害船舶のうち第六青函丸は大体修理が終りまして動くようになつておりますし、大雪丸も近々動けるような状態になるものと思われます。なお、この事故を起しましたときに摩周丸という客船浦賀ドック、第七青函函館ドックに入渠しておつたのでございますが、第七青函はすでに稼働状態に入りましたし、摩周丸も近々のうちに稼働状態に入れる、これも修理を促進いたしまして短縮して、近々のうちに稼働状態に入れるという見通しが立つたのであります。それで後ほど、その残つた船でわれわれとしてこの青函輸送ルートをどういうふうに開いて行くかということをお話し申し上げたいのでございまするが、その前に一応今回の事故におきまして一番大切なことは、何事を置いてもなくなられた方々並びに行方不明になられた方々を早く処置しなければならないという問題に当面しておりますので、事件が起りますと同時に、国鉄におきましては本庁総裁室対策本部をただちに設置いたしました。なお事故関係方々の御相談を受けるために相談所本庁、上野、仙台、青森函館札幌等の各駅に開設したのでございます。なお事件発生と同時に、営業局長を空路現地に派遣いたしたのでございます。その後引続いて天坊副総裁片岡理事兼松外務部長現地に派遣いたしたのであります。関係家族への措置といたしましては、遭難者へのお見舞並びに御遺体の引取りの旅行については無賃扱いとして御便宜を供与することといたし、さらに現地における宿泊等の御便利も与えておるというような状況でございます。なお見舞金遭難者留守宅見舞者を派遣いたしまして、五千円をとりあえず贈与いたしました。なお現地青函管理局長名義香奠及び見舞を一万円と、総裁名義のお供物を捧げておる次第でございます。なお各御家庭に御帰還の後は、総裁名義香奠五万円を霊前に供えることにいたしておる次第であります。なお現地におきまして犠牲者収容加療等措置に万全を期しておる次第であります。なお青函地区で足りませんので北海道札幌地区その他の地区からそれぞれ人員を派遣いたしまして、万全を期しております。なお行方不明の御遺体捜査につきましては、この事故の起りました直後、残りました連絡船船腹を利用いたしまして、遭難の一番現地に近い函館湾内に二十七日に全面的に救命艇をおろしまして、全海域を捜索いたしましたし、さらにその後引続き海上保安庁並びに自衛隊の御協力を得まして、国鉄の持つております港内に使います補助汽艇も利用いたしまして、函館湾内の潮流の関係で流れておりはしないかと推定される地点に、さらに前進して、現在捜査を続行しておる次第でございます。なお船体の中にそのまま残つておられると推定されるものもございますので、これもただちに実施したのでございますが、二十七日はまだ天候が回復いたしませんでダイヴアーを入れましたが、波のために暗くて見えないで、昨日は二十体くらいの御遺体を収容できたようでございます。さらに関東、関西方面潜水夫を集めておりますので、今後の見通しとしましては、ここ数日のうちに三十五名の潜水夫を入れることが可能になると思つております。  次に輸送上の措置でございます。事故発生と同時に青函航路旅客並びに荷物の取扱いを停止いたしたのでございますが、二十七日にとりあえず御遺族方々等をお運びしなければなりませんので、大至急残つております羊蹄丸で輸送を実施いたしたのでありますが、昨二十八日に大体下りのお客さんが二千七百五十二人、上りが二千三百三十四人、大体現在青函航路で日常輸送しております人員程度輸送することができたのでございます。それで本日からは旅客の面については御迷惑をおかけしないで済むという状態まで回復いたしたのでございます。なお貨物につきましては御承知のように相当船腹を失つておりますので、この回復は非常に困難なのでございます。現在残つております船腹で、最高の能力を発揮いたしまして、秋の繁忙時に備えたいと思つております。大体今年の計画といたしましては、青函は十八運航を実施いたしまして、貨車にして六百四十両を片道送りたいという計画であつたのでございますが、今回の事故によりまして、全能力を出しまして計画の八〇%程度に回復するのがやつとではないかと思います。この事故発生と同時に下関にあります徳寿丸をただちに回航いたす手はずにいたしまして、これは一日に青森に到着いたし、旅客輸送の便に寄与することができるものと思つておりますが、なお宗谷丸をもちまして貨物輸送を補うべく考えておるわけでございます。さらに今後の見通しといたしまして、どういう輸送の要請の出るかに従いましては用船ということも考慮しなければならないと考えておる次第であります。  以上簡単でありますが、御説明を終ります。
  8. 稻村順三

    稻村委員長 以上の説明に関し、質疑の通告があります。通告順によつて順次これを許します。中村高一君。
  9. 中村高一

    中村(高)委員 今御説明を受けましたが、われわれもあまりそういう方面に専門的な知識を持つておりませんので、さしあたり具体的事実について国有鉄道船舶課長さんにお尋ねをいたします。  この資料の六ページに図面がありますね。これによりますと、沈没船はいずれも港外に出ておるのでありますが、これは退避するというような場合には、港内におるよりは港外に出ておることが通常とるべき方法であるのかどうか。港内港外について、通常の場合と今度の場合とひとつ御説明を願いたいと思います。
  10. 篠田寅太郎

    篠田説明員 これは港外でも一応港内ということにはなつておるのでございますが、一応防波堤外なんでございまして、通常港外と申し上げてもよろしいのでございます。防波堤外に出ていかりを入れるということは、海上風速が非常に大きいので、天候を見合せてこの地に投錨しておりまして、波を待つてただちに出港するという場合に使う方法と、それから相当しけて参りまして、港内では船腹が輻湊し、また港内で走錨いたす確率が非常に高いというような観点から、こういうところに出ていかりを入れ、しけて来たならば、エンジンをかけて走錨を防止するというのが普通の航海運用術として使う方法でございます。
  11. 中村高一

    中村(高)委員 今度のようないわゆる暴風警報が出ておるときには、われわれの常識から考えると、何か防波堤の中に入つて退避するのがほんとうのように見えるのでありますが、むしろ防波堤の中におることがこういう暴風のときには危険なのか。出港の都合などで外に出ていかりを入れておいて、静まつたならばいつでも出せるという用意をすることもそれはわかるのですが、こういう暴風警報が出て―そのために防波堤というものがあるとわれわれには思われるのですが、なぜそういう場合には防波堤の中に入つてはならぬのですか。一つも中に入つておらぬ理由がわれわれにはよくわからないのです。特に暴風警報が出て、気象台からはそういう注意も受けているのに、そういう場合に防波堤の外に出ておるということについてもう少し具体的に説明願いたいと思います。
  12. 篠田寅太郎

    篠田説明員 港内には、御承知のように、いろいろな施設がございまして、先ほども申し上げましたように、船が外にいかりを入れるという場合も、退避をしてちよつと静まるのを待つて出るという場合と、こういう避難をするという場合と、二通りあるわけなんです。避難をする場合、風がある程度強くなつて来ると、外に出た方が安全だということに一応なつておるのでございますが、これはもちろんその調査の結果では、やはり外へ出られなときの風向とか波浪とかいろいろな問題(一段まるごと欠如)がほんとうのようでありますが、そういうことについて報告の来たものがありますか。
  13. 篠田寅太郎

    篠田説明員 実は今お話の点は、相当むずかしい問題だと思います。特にそのときの船の状態がどうであつたかというような点もつかめず、また実際どうであつたかということは現在現地の方で調査いたしております。それで私の方にはどういう状態であつて、どうであつたかということの報告がまだ参つておりません。現地の方でいろいろ事件に関する調査をいたしておりまするので、そのうちはつきりした点がわかつて来るものと思つております。
  14. 中村高一

    中村(高)委員 あまり詳しいことはおわかりならぬのかと思いますが、私の方の党でも冨吉君と菊川君が遭難をされまして、いまだに死体が発見されないのでありますが、その他の多数の遺族の方などもみな現地に行つておると思うのであります。きのうまでの新聞などの報道では、潜水夫がわずか二人か三人しか操業しておらぬようであります。ただいまの報告によると、近いうちには三十五名とか潜水夫を使うというのでありますが、これはいつから増員をして船内の捜査をやるような準備ができておるのでありましようか。
  15. 篠田寅太郎

    篠田説明員 とりあえず二十七日は函館におります日本サルベージの人を四人使つたのでございますが、二十八日はさらに函館ドックというのがございまして、そこに潜水夫が一名おりますので、昨日は五名使つたのでございます。これが大体あの地区におります。る使い得る能力のある潜水夫の人間でございまして、これを全員あげておるのでございますが、それではどうしても足りませんので、一応内地の岡田サルベージ飯野サルベージあるいは開発建設関係のものだと思いますが、そこにも二名くらいおりますので、大体一応の計画を立てたものによりますと、二十七日が四人、二十八日が五人、二十九日が九人、三十日は十五人、一日は三十人、二日は三十人、三日が三十五人という計画を一応立てておるわけであります。さらに現在まだほかに有能な潜水夫がおるかどうか調べさせておる次第でございます。
  16. 中村高一

    中村(高)委員 洞爺丸の方は写真など新聞説明で見ますると、ちようどさかさになつておるようでありますが、一、二等の方は下の方になつて、また船の形で行けば三等船客が奥の方ではあるが、転覆の状況から見ると非常に困難なようなところに入つて、なかなかこれは出しにくいような状況にあると思うのでありますが、場合によつたならば船を破壊してでも出すというようなことも新聞に載つておりまするが、そういうような計画も今日あるのでありましようか。もつと具体的な死体の搬出について御計画があるのでしたならば、われわれも早く死体を出して遺族に渡してもらうということが国民全般の希望だと思いまするので、もつと具体的なことがおわかりになりますれば説明していただきたいと思います。
  17. 篠田寅太郎

    篠田説明員 現在まだ詳細なサルベージ方法については私の力に報告は入つておりません。またどういう器具を便うか。普通のサルベージ常識で行きますれば一応船側にありまする開口を切り開きまして、そこから入つて中を見るのでありまするが、場合によつては場所によつて非常に困難なところがあれば、これは穴を明けて入るということも一応常識になつておるのでありますが、具体的にそれでは洞爺丸のどこにどう穴を明けてどういうふうに出すかということはまだ報告が入つておりませんし、詳細な点はこれは現地へ参りまして実際に現場を見ませんと詳しいことは申し上げられません。そのうちある程度のことは報告が参ると思つております。
  18. 中村高一

    中村(高)委員 この船舶出港についての責任というのは管理局海務課にあるのか、実際は船長にあるのか、法規上の責任出港指令については、どちらにあるのか。もし実際上は規定と違うのでありますならばどうするのか。出港指令についての御説明を願いたい。
  19. 篠田寅太郎

    篠田説明員 御承知のように船長には出港の権限が全面的にあるのでございまして、船長の判断によつて動くのでありまするが、国鉄の場合が一般船舶と違う点は、御承知のように連絡船ダイヤということがございますので、ダイヤを出しておくということは、そのダイヤによつて動くということになつているのでございまして、天候その他の異変の場合にはそれを一応変更するということを申し出まして変更をする。やはり権限は船長にあるのでございますが、そこにそういつた報告をし、了解を得て出るというところがやや違つたように見受けられるのでございます。ですが、実際に在来習慣的にはそういつた方法をやつておりますが、やはりその出港の権限は法規でもきめられておりますので、船長が判断をするべきものかと思います。
  20. 稻村順三

    稻村委員長 下川君。
  21. 下川儀太郎

    ○下川委員 ただいま中村君から質問がございましたけれども、私は今度の災害の根本をなしているのはやはり予報の問題じやないかと思います。ということは、おそらく洞爺丸のあの遭難も、予報が的確であつたならば避けられたのではないかという感を強くするのであります。きのう、きようあたりの新聞にも気象事務の拡充ということが非常に取上げられておる。それから昨日の参議院の運輸委員会におきましても、やはり気象事務の拡充という問題が決議されておる。これを考えてみますと、当時の予報がはたして的確であつたかどうか、同時にその連絡がスムーズに行われておつたかどうか、これが非常にポイントになつて来ると思います。もちろん直接的な責任とか、あるいは問題については目下調査中でございましようが、やはり大きく考えてみると、被害を未然に防ぐ、そのために気象台のいろいろな苦慮がなされておるのでありますが、その点について現在の気象台関係事務、あるいはまた人員、あるいはその方法等についてどのようになされておるか、まずこの点をひとつ気象関係からお伺いしたいと思います。
  22. 肥沼寛一

    肥沼説明員 台風に関しましては全国的に災害を引起すものでございますので、特殊の扱いをしております。これに対しましては中央気象台台風位置をきめ、どのくらいの強さ、早さでどちらへ向いて進んでいるか、そして何時間後の予想位置はどの辺に到達するということをきめまして、これは全国の測候所気象台に通知いたします。これは指示報と申しております。その次の段階は全国が十の予報区というのになつておりまして、その中心になつて責任を持つ気象台がきめられております。中央気象台は全国の仕事と同時にその十の中の一つも担当しております。今回の場合には北海道は札幌が北海道予報区の責任官署になつております。その次は災害のことになりますと、どうしても自治体との連絡をよくしなければなりませんので、各府県に府県測候所というのがございまして、それがその上の地方予報区の指示によつて自分のところの判断をさらに加えて予報警報を出すということになつております。北海道に関しましては地域が広くなつておりますので、私どもの方では七つの府県並の区域にわけております。函館はその一つを担当いたしております。海上の問題になりますと、少し事情が違いますので、地方海上予報区というものを設定しておりまして、今の陸上と似たような責任の管署がきめられております。函館は津軽海峡から北海道の太平洋岸根室のところまでの地方海上責任を持つようになつております。そういう事情でありますので、今回も先ほど御説明申しましたように、中央気象台から毎時間指示報を流した。それから札幌からも陸上の問題として函館指示報を流しております。函館はそれに基いて渡島、檜山地区責任を持つた警報を出す、こういうふうになつております。今回の場合は不幸にして北海道気象専用線が各地で切断されまして、函館の場合は二十六日の七時二十分と記憶しておりますが、二十分以後は指示報が到達していなかつたのではないかという懸念がございます。しかし指示報はありませんけれども、直接中央気象台から資料として放送しております気象の材料を自分のところで受けて、これで天気図を書いて警報を出す、これは実施しておりましたので、先ほど申しましたような情報は出ております。しかし通信がそういう状況でありましたので、非常に完全な状態情報が出されて、これが各地へ流されたかどうかということについては、はつきりしたことは今のところまだ申し上げられないのですが、いろいろ新聞などで食い違つたことも出ておりますが、とにかくある程度連絡は電話などでとつたらしいのであります。そういう状況であります。
  23. 下川儀太郎

    ○下川委員 ただいまの予報部長の話を聞いておりますと、結局のところ連絡が不備だという、大体その言に尽きるじやないか、要するにとつたと思うとか、あるいはまた指示したけれどもそれが到達しなかつたというふうに聞えるのですが、そうとつてよろしゆうございますか。
  24. 肥沼寛一

    肥沼説明員 ただいまの函館の方へ指示報が到達しなかつただろうというのは、二十六日の十九時以後の問題でございます。それ以前には私どもの線が生きておりましたので、これは到達していたと思います。
  25. 下川儀太郎

    ○下川委員 あの遭難当時における五十メートルの風速、こういう問題についてはこれは未然に船舶の方まで通達しておつたのですかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  26. 肥沼寛一

    肥沼説明員 はつきりしておりますことは十一時に警報が出た。内容は、これも新聞などで食い違つたのが多少出ているようでありますが、このときはまだ専用線が生きておりましたので、私どもの方で報告を受けておりますところでは、陸上に対しは二十メートルから二十五メートル、海上に対しては二十五メートルから三十メートルくらいの風だろうという警報が出ております。これは全部行つております。そのあと連絡状況は、先ほども申しましたように、放送もありましたが、聞くところによりますと、函館市内で停電などが起つて連絡が非常に困難になつたということを聞いておりますが、これは今後詳しい調査をして御報告申し上げたいと思います。
  27. 下川儀太郎

    ○下川委員 その指示が二十メートルあるいは三十メートル、その当時報ぜられたのでしようが、しかし現実には五十メートルの風速ということが今日歴然としておる。そうなつて来ると、なぜそれくらいの台風かあるいは暴風が襲来する、そういう予報がキャッチできなかつたのか、その点をお聞きしたいのです。
  28. 肥沼寛一

    肥沼説明員 五十メートルと申しますが、あれは瞬間風速でございます。私ども大体瞬間風速はふだん使つております十分間の平均風速の五割増しという見当にしておりますから、三十メートルと申しますことは、瞬間風速四十五メートル、そういたしますと、五十メートルと申しますと、実際よりはこれは多少弱目だつたということは申せるのでありますが、そのくらいの数字になるのです。
  29. 下川儀太郎

    ○下川委員 もちろん瞬間の姿でございましようけれども、しかしその瞬間がこの一つの遭難を呼んだのでありますから、そういうことも十分考慮して、やはり予報しなければならぬと思う。  それと先ほどお聞きしておると、内地の観測、状況だけを指示しておるようでございますけれども、大陸から来るとか、あるいはまた南方から来るとか、そういうふうないわゆる台風のキヤツチの仕方はどのようにしておるのでございましようか。
  30. 肥沼寛一

    肥沼説明員 大陸方面あるいは海上方面資料を一番持つておりますのは中央気象台でございます。台風の位日置、強さその他を決定いたしますのは、できるだけ広範囲の正確な詳しい資料によらなければなりませんので、中央気象台で決定して指示をするわけてございます。地方の気象台測候所では、今申しました資料は全部の放送は不可能でございますが、天気図を作成いたしますに必要な程度のものは気象台から放送をいたしております。気象台の放送はTMBという符号、これは国際放送でありまして、外国語もとつておりますが、国内向けにはTMCという放送と、この二つのチャネルで放送しております。この中には、気象台の方は大事をとつて正確なものを指示報で知らせるのでありますが、およそのところは自分のところでも同じ作業ができるような内容を持つた資料の供給を放送によつております。
  31. 下川儀太郎

    ○下川委員 この前の十九国会当時、行政機構の改革の問題に関しましてわれわれが気象台を視察したことがございます。ところがその当時気象台の職員あるいは台長も同じように、定点観測が廃止になる、そのために今後さしつかえを生ずる、定点観測というものが大きな基本をなしておるんだ、もしこれが廃止されると、今後の予報の問題も非常に狂つて来るということをるる説明され、われわれに陳情されたことを覚えておりますが、この定点観測の廃止に伴つて、たとえば今度の遭難等々と考えてみますと、そこにやはりこの廃止が一つの役割を果しておるというふうにわれわれ感じておるのですが、その点はどのようにお考えでしようか。
  32. 肥沼寛一

    肥沼説明員 先ほども申しましたように、気象の判断をいたしますには広範囲の詳しい資料がぜひ必要なのでございます。そういう意味におきましては定点は、太平洋の上に正確な観測所がないので、太平洋上の気象資料は私ども一般商船の報告にたよつておりますが、この台風あるいは低気圧の発生のことを気象台で放送いたしますと船舶は待避いたしますので、大事なときに資料がなくなつてしまう。そういう意味で非常に危険なときには定点観測も待避はいたしますが、しかし全然逃げてしまうのではなくて、安全なところまで待避してそこでさらに観測を続けるということで、これは、ぜひほしいものでございます。ところが、これは台風などが日本の南方の海に発生いたしまして、一体どちらへ行くか、関西へ来るか、関東へ来るか、あるいは中共の方へ向つて行くか、そういうことを非常に早目に判定しなくては災害に対する準備もできませんので、できるだけ早目に正確な決定をしたい。そういうことについては非常に大事で、これは私もぜひなくてはならない観測だと存じます。しかし今回の事件が起りましたときは、すでに十五号台風は九州に上陸し、中国地方を横断して、裏日本に沿つて進行しておりまして、すでに中心の状況はつかんでおるのでございます。それで、そういうふうになり、はしたときには、中心の状況、強さ、その他は日本の内地の観測だけでも大体はつかめる―完全にと申せますかどうかはちよつと疑問でありますが、大体はつかめる。むしろ今回の問題は、北海道気象専用船が各地で遮断されたという問題の方が大きいと思います。
  33. 下川儀太郎

    ○下川委員 緒方副総理が来たから、簡略に質問いたしますが、現在の説明を聞いていると、これは洞爺丸の問題に関連した答弁のように思えますが、やはり日本全土を台風が襲つて来るのてすから、日本全土を台風から予防するという見地からすると、もつと大きな見地からこの問題を取上げて行かなければならぬ。たとえば大陸の場合あるいは南方の場合においても十分なる観測が必要じやないか。ましてや中国あたりは何ら連絡がない。南方の連絡もやつておらない。あるいは聞くところによると、沖繩あたりは台風が過ぎてしまうと、それきりにしで内地の方には全然連絡しないということである。このような状態では完全な気象観測はでき得ないと私は思う。そういう点で、気象台としても今後この遭難を機として、十二分に問題を国会の方に取上げてもらつて発展して行かなければならぬと思う。しかも先般の行政整理の以前と思いますが、約三割ほど人員が減らされておる。人員の三割減によつて、事務的な問題あるいは観測上の問題に非常に大きな欠陥が生じたことは事実のように思うのですが、その点については、あなたともう一人職員関係の人が来ているはずでございますから、その点の詳細な説明をお願いしたいと思います。
  34. 北村純一

    ○北村説明員 気象台の職員の定数につきましては、昭和十八年に文部省から運輸省に移管されまして以来、たびたび定数の変更がございますが、そのうちで最も大きいのは、先ほどお話のございましたような昭和二十四年の行政整理でございまして、その際は六千三百人のうちから千三百人の職員がなくなりました。そのときの影響が非常に大きいということでございまして、その後職務の執行について非常に難渋をいたしたのは事実でございますが、この点につきましては、行政管理庁その他におきましても、この業務の運行が非常に困難であるということを御理解願いましたので、その後の行政整理におきましては、そういう点を考慮に入れていただきまして、いろいろと御配慮願いました結果、他の官庁に比較いたしますれば比較的軽度の行政整理を受けて参つたわけでございます。もちろん行政整理を受けましたということは、能率向上によつてこれをカバーしなければならぬわけで、ございまして、職員の負担は決して軽減されたとは申し上げかねるのでございますが、いろいろくふうをいたしまして、どうやら今日まである程度の仕事をやるようにはまかなつて参つております。最近の行政整理におきましても、実際上の被害のないようにこまかい御配慮を願つておるわけでございます。そういうわけでございますので、現在の職員の配置が十分であるか十分でないかということは非常に困難な問題だ、見方によりましていろいろ見方ができると思うのでございますが、私どもが現在申し上げれることは、この仕事をやる上におきまして現在従事しておる職員がいろいろ苦労しながらベストを尽して大体課せられた仕事をやつておると考えております。ただ十分でないと思いますので、この点につきましては予算その他の機会を通じましていろいろお願いして、気象台の業務がもつと完全に行えて国民の福祉増進に貢献できるようにさせていただきたいというように考えておるわけであります。
  35. 稻村順三

    稻村委員長 副総理がお見えになりましたが、副総理に対しましては反民主主義活動対策協議会及び中央調査社に関する問題について説明を求めることになつておりましたところ、出席が得られないため二回も委員会が延期になつたことは非常に遺憾に存じます。つきましては明日午後同問題につき参考人を招致することになつておりますので、明日午前十一時御出席の上説明を求めることといたし、本日は洞爺丸事件に関連して運輸省機構につき、それに関連して副総理の答弁を願うことにいたしたいと存じます。鈴木義男君。
  36. 鈴木義男

    ○鈴木(義)委員 時間が限られておりますから、ごく簡略に御質問申し上げます。  函館に起つた今回の災害は、全体としてまことに遺憾のきわみでありますが、なかんずく洞爺丸につきましては、遺憾言うべき言葉を知らないと申してもさしつかえないと思います。これは単に一船長あるいは一国有鉄道の幹部の責任でなくして、やはり運輸当局の責任であり、ある意味において内閣の責任であると思います。今質問をやろうといたしておりましたが、それを省略してただちに副総理に質問をするわけでありますが、たとえば先年キテイ台風によつて意外な人命の損傷を来しましたので、私はこの委員会において、今後再びああいうことの起らないように、気象通報等について、ただ画一的に行政整理の名のもとに人員を二割減、三割減とかいうようなことをすることは間違つておる、むしろ気象通報の機構気象観測の機構等については、この際もつと拡充する必要があるのではないかという質問をいたしまして、気象台長もぜひそう願いたい、また政府も責任を持つてそれをやるということを約束しておるのでありますが、その後どういうふうにその約束を実行されたか、集計その他に基いて説明を求めようとしておるのでありますが、それはあとでやりますが、とにかくそういう点から見ても、政府にも怠慢があつたということを言い得ると信ずるのでありまして、かつては天災に対しても政治家は責任を負うたものであります。少くも道義的責任は免れないものと思うのでありまして、その点について政府の責任者としてどういうふうにお考えになつておられるか承りたいのであります。
  37. 緒方竹虎

    ○緒方国務大臣 今回の函館方面に起りました災害と申しますか、災難と申しますか、特に洞爺丸事件によつて世界的にも類例の少い犠牲者を出したということにつきましては、政府としても非常に遺憾に存じております。事件の起りました翌日ただちに関係の閣僚の会合をいたしまして、東京において確かめ得るだけの事情を確かめまして、即日運輸大臣及び北海道開発庁政務次官を現地に派遣いたしまして、十分の調査並びに今後のことについて現地で研究をして来るようにということをいたしたのであります。さらに遺族方々に対してもできるだけ心を尽して慰問をして参るようにということを申したような次第であります。今夜十一時近くに運輸大臣が帰つて参りますので、その現地で確かめ得たことを元にいたしまして、さらに検討を加え、今後再びこういう災害を繰返し犠牲者を出すようなことがないようにできるだけの研究をいたしたいと考えております。  今の行政整理の話でありまするが、これは政府として行政整理を繰返し行つておりしまするけれども、実情に沿わない行政整理、人減らしというようなことはやつていないのであります。実際の仕事に当つておる人の事情も確かめて、その上に無理のないことをやつて参つておるつもりでありまするが、今御指摘の気象関係につきましては、はたして今お述べになりましたようなことがあつたかどうか、そういうことにつきまして事情を検討いたしてみたいと考えます。  天災について道義的責任を感ずるということは私同意いたしかねまするけれども、こういう災害が繰返されないようにするためには、政府といたしましても上方全の策を立てたい、かように考えております。
  38. 鈴木義男

    ○鈴木(義)委員 もう一問だけ……。私も今回北海道遊説に行くはずでありましたが、ある事情で参らなかつたのであります。もしあの場におつたならばということを考えると戦慄を禁じ得ないのであります。わが同僚の二人も犠牲者となつておることは御承知の通りであります。とにかく船の構造についても疑問があり、ああいう大波が来ると水が入つて来て機関がとまつてしまうような構造であるということは実に驚くべきことでありまして、そういうことについて気がつかなかつたというようなことは単なる怠慢というべくあまりに重大な問題である。それから佐渡の住民はあぶないから自分は乗らないと一旦乗つた船からおりておる。冨吉氏にもおりることを勧告したが、せつかく青森からの寝台券を用意してあるから、船長が大丈夫だというから信頼して行こうということで出かけたという。そういうしろうとですらもこの程度が危険である、佐渡ではしばしば沈没もし、非常な遭難にもあい、しけ返つてもおるというような事実を知つておるのに、船長がそれを知らないということは考えられないような大きな過失であります。また読売の報ずるところによれば、天気予報やラジオなどは聞いていないという鉄道の管理部の諸君、一体こういう場合に気象通報等を聞く義務を法律上課すというようなことは今後の問題として考えなければなららぬと思います。とにかく結果から見ていろいろ言うことは残念なことでありまするが、許しがたいような過失が多いように見えるのでありまして、私は少くも運輸大臣等はこれに対して責任を感じなければならぬ。それについていま一度政府の責任者として責任を感ずるか、どういう責任をとるつもりであるか承りたいのであります。
  39. 緒方竹虎

    ○緒方国務大臣 運輸大臣が東京に帰つて参りまして、正確なる情報に基いて責任の所在等を明確にいたしたいと考えております。
  40. 稻村順三

    稻村委員長 平井義一君。
  41. 平井義一

    ○平井委員 世界にあまり例のない大惨事を起しました洞爺丸遭難事件につきましては、まことに哀悼の念にたえません。  洞爺丸遭難事件原因はいろいろございましようけれども、私は機構改革の問題に対して質問をいたしたいと思うのであります。気象台の役人が運輸省と属しておることは御承知の通りであります。もし二十六日の夜気象台が的確な情報洞爺丸報告いたしたとしましても、当時国鉄の総支配人その他幹部が乗つておられたので、とにかく風は強いが出せともし言われたとするならば、日本人は位がいい人に対しては頭が上らぬ。そういうことになり、ますならば同じ省に属しておるからあるいは船を出さないとも限らないのであります。もしもこれが他の省に属しておつたならば、もし暴風で線が切れておるなら自転車に乗つてもこれを出してはいかぬと言つておそらくつつぱることができましよう。昭和十八年までは気象台は文部省に属しておつたわけであります。これは戦時中に運輸省にかわつてつた。その運輸省に所属いたしたのにはいろいろ原因がございましようが、私どもまたその時分は若かつたのでありますが、その後聞くところによれば、運輸省に属すればパスが出るじやないかというようなごく小さい気持から、気象台の幹部が運輸省に移管することに同意したというようなことを聞いております。鉄道のパスくらいは何とかこつちでまたしますが、そういう小さい気持ちで運輸省にされる。あるいは航空がその通りだ。日本航空が運輸省に属しておれば、もし飛行機に乗る場合、これはあぶないと言つても、運輸省のえらい人がもし乗つて大丈夫だから出せと言われれば、幾ら飛行場長がこれでは出せません、あぶないですよと言つても出すのが日本人の風習です。今度はそういうことがあつたかどうか知りませんけれども、死んだ人を悪く言うわけには行きませんが、総支配人その他の幹部が乗つて、やれやれこのくらいのことは問題でない、もしそういうことがあつたとするならば、船長も仕方なく出てみましようかということになつたのじやなかろうか。そこで行政管理庁の岡部部長か見えておりますが、これを機会にひとつほかの省にお移しになつたらどうか。これは真剣にですよ。日本人は同じところにおると悪い。ほかの省におればつつぱりがきく。その点は塚田さんにお聞きしなければなりませんが、あなたもひとつその気になつて、それから国鉄部長の和田氏が来ておるから、運輸省もほしかろうけれども、これを機会にこの際ほかの省に移管をする。過ぎたから仕方がありません。死んだ者が生き返るわけじやないから仕方がありませんが、せめて中央気象台運輸省からよそにまわす。また副総理は閣議でもぜひひとつこの際―ほかの省にまわせば、どこでもよろしゆうございます。文部省におればなかなか研究します。今日の気象台はこれだけ発展しながら、何と言いますか、まあ勤めだからやつてみようというようなことでは問題にならぬ。やはり研究をして世界一の気象台にならなければいかぬのです。その点で特に海と陸を持つ交通機関に関係がある運輸省に属していれば無理が行く。ぜひともこれを機会に、死んだ仏に対してもこれをほかの省に移すというくらいのことをしなければ、とても、とても納得が行きかねると私は思いますが、岡部管理部長はどう思うか。私は社会党でありませんから首切りの話は別にいたしますが、人間が多い少いというよりも、省が違えば自転車に乗つてもつつばる。船長出すなよと言います。運輸省に属しておれば、総支配人が黙りなさいと言えばおしまいですから、その点で大臣のはつきりした答弁を聞いて塚田大臣にそれを告げて処理しきるかどうか。細田運輸省国鉄部長は省で発言しきるかどうか、また副総理に閣議でこれを発言していただけるか、この点を御説明願います。
  42. 緒方竹虎

    ○緒方国務大臣 ただいまの平井委員からの御意見は今回の経験にもかんがみまして、また直接の責任当局において検討いたしました上で、その必要があれば閣議においてそういうことをいたそうと思います。
  43. 岡部史郎

    ○岡部説明員 ただいまの平井委員のお尋ねでございますが、気象台が現在運輸省の付属機関になつているということは、それ相当の理由があることと存じますが、御意見に基きまして全般の機構改革の問題もございますので、慎重に徹底的に研究いたしたいと思います。  なおこれは蛇足と存じますが、気象台運輸省の付属機関でございまして、このたびの青函連絡船国有鉄道の方に属するわけであります。気象台国鉄の方の職員との上下の関係あるいは監督の関係はございませんので、その点はお考え違いかと思います。それは全然別の機構でございますで、気象台国鉄とが上下あるいは監督の関係にあると解するのは少し無理かと存じます。
  44. 細田吉藏

    細田説明員 運輸省といたしましても、十分その点を研究させていただきたいと思います。
  45. 平井義一

    ○平井委員 ちよつと岡部管理部長にお尋ねいたしますが、たとい機構が違うにいたしましても、監督をするのは石井運輸大臣であります。それならば大体兄弟と同じだから、日本人はおやじの言うことを聞くことになつておる。それに仲がちよつと違う、あるいは性質が違うから、兄弟じやないとは言えませんよ。あなたは子供を何人持たれておるか知らぬが、長男と次男は性格が違いますよ。あいつは性格がよくないからおれの子じやない、こういうことは言えない。そういう事務的なこまかいことを考えないで、大きな立場からひとつぜひとも考慮していただきたい。
  46. 稻村順三

    稻村委員長 高瀬君。
  47. 高瀬傳

    ○高瀬委員 緒方副総理に今回の函館洞爺丸事件について一言所見を伺いたいと思います。実は大体二つの点について政府の所見また北海道開発庁長官としての緒方副総理の意見を私は伺いたいと思うのでありますが、この事故原因あるいはその他については、いろいろ意見もあり、また目下考究中でありますから、これについてはその事務当局の詳細なる調査をまつてから質疑をいたしたいと思いますが、特に私は今回の事故が青常に大規模であつて相当な貴重な人命をそこない、まことに国民全体として哀悼の念にたえないわけでありますが、政府としても普通の鉄道事故としてこれを考えることは常識上なかろうとは存じますが、この多くの人命を失つた問題に対して、政府自体として何らかのいわゆる国家補償というようなことをまじめに今後考えてやられるつもりであるかどうかということが一つ。  それからもう一つは、北海道開発庁長官としての緒方さんが先ほど今後こういう事故はなるたけ起らないようにするというお話でございましたが、私もその点はまことに同感に存じます。しかしながら具体的問題として北海道にはときどき突風が起つて、この前も多くの船舶を喪失し、今度も多くの船を失い、人命をそこなつたということで、非常に危険であろうと思います。政府は北海道開発のために毎年約四百億くらいの金を投じておられると承知いたしております。従つて、この船舶による輸送ということは相当危険を伴いますので、私自身の考えとしては、青森から函館までいわゆる海底トンネルをつくつてほんとう輸送の増強を確保し、また人命の危険を除去するという意味で、特に北海道開発長官として緒方副総理に具体的に善処していただきたいことは、今後のこともございますから、青森から函館までいわゆる船による輸送ということをおやめになつて、何でも四百億くらいあれば十年間、あるいはもつと早く海底のトンネルができるそうであります。従つて明日からでも、あるいはすぐにでも政府にあるいはこの委員会なりにその調査の機関をつくられて、青森から函館までの海底トンネルによる運送の状況を具体的に研究していただくことが今後の政府のとるべき処置でもあり、特に北海道開発長官としての緒方さんのやるべき重大なる仕事ではないか。私は国会の論議を通して特にこの点を強調し、また具体的に政府に一推進されんことを希望すると同時に、緒方さんの具体的な所見をこの際伺つておきたい。
  48. 緒方竹虎

    ○緒方国務大臣 第一の御質問の今回の犠牲を出した災害に対して、政府はどういう責任を感ずるかということでありますが、これは石井運輸大臣が帰つて参りまして、詳細その報告を聞いた上に十分な検討をしなければならぬと思いますが、この災害は天災であつたにいたしましても、その間にいろいろな過誤あるいは施設等の欠陥があつた、つまり鉄道側あるいは政府側に、今回の災害に対しての明瞭な責任があるということによつて遺族等に対する扱いを政府が考えるのは当然だと考えております。  それから第二の青函連絡をトンネルにする意思はないか、これは今回の災害に顧みまして、だれしも考えることであろうと思いますが、国有鉄道の方にもあらましの計画はあるように私は承知いたしております。四百億ではどうかと思いますが、五百億程度だということを聞いておるのであります。北海道開発の上から、また今後北海道の開発に伴つて、五百万ないし六百万の人口問題の処理を北海道によつてやりたいと考えますが、そういうことにつきましても、この隧道をなるべく早く実現させたい、そういう希望を持つております。
  49. 稻村順三

  50. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 今副総理の方から無理な人減らしはやらなかつた、こういうふうに言つているのですが、幸い気象台の方の労働組合の方が見えておられるので、この際そうであるかどうか事実についてお話をいただきたいと思います。
  51. 大和順一

    ○大和説明員 お答え申し上げます。無理という解釈がいろいろあると思いますが、やめたくないものを無理に強制的にやめさせるということは、今回の行政整理にはまずなかつたように思います。しかしながら気象台の業務というものは年ごとに技術が進歩して参りますにつれまして、人手が多くかかつて参ります。新しい研究ができますと、それを実行に移すまでの間、やはりそこに人間を要するのでありますが、そういうかつこうでむしろ少しずつでも人員の増を私どもは希望したいところでございます。それからなお私どもはまあ人が減りましたけれども、今回のように災害の場合はおきましては職員同士お互いに励まし合いまして、できるだけの技術を保持するように努めております。しかしながら現在の人員をもつていたしましてはもう限界じやないか、こういうことも感じます。それは特に私どもの方は胸部疾患が多いのでございますが、そういうのは減りませんで、幾分ながら漸増の傾向もありまするので、非常に心配しておる次第でございます。以上でございます。
  52. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 今の人員で今後も正確な予報がやつて行けるのであるかどうか。なかんずく人員だけではなしに定点観測を打切つたりあるいは高層気象の観測をやらないとかいうような事態を前提にして、今回のような災害を避けるための万全の予報ができるかどうか、これは組合長にお願いいたします。
  53. 大和順一

    ○大和説明員 お答え申し上げます。今正確な予報といいますか、予報を百パーセントに当てるということはなかなか困難な問題でありますけれども、少くとも今より相当精度を上げるということは可能なことでございます。それにはどういう問題があるかと申しますと、人員もそうでございますが、まず測候所の施設が悪いことでございます。函館の例をとつて申し上げますと、正規に測候所としての独特の設計によつてなされたものではありませんで、二箇所にわかれて不便な勤務をしておる。このように同じ人数にいたしましても能率的に働けないような環境のところが多々ございます。それから非常に古くなりまして、強風なんかになりますと、測候所の建物自身があぶない。これは中央気象台の中にもございますけれども、そういうふうな建物のところもございます。それから北方定点がなくなりましたことも私どもほ非常に残念に思つております。あれがありましたならば絶対的とは申し上げませんけれども相当寄与していただけたんじやないか、こう思つております。  それからさらに気象台に欠けておりますのは、気象台では予報あるいは警報をつくりまして、皆様にお知らせするわけでありますが、それを一般の民衆の方々に周知徹底するような組織が遺憾ながら十分じやないのであります。予算によりますれば、たとえばそういうような気象のサービスマンといいますか、そういうのは一人も予算上定員として認められておらない、こういうふうに聞いております。これは一つの例になるかどうかわかりませんが、今まで台風などが参りますと、気象台では電話が殺到して参ります。そしてその都度全員で答えて参りましたが、それは今後電電公社の方で回線を入れましてテープレコーダーで御回答を申し上げますようになりましたところ、三百回線あるのでありますが、この三百回線がフルになつている、こういうような関係からいたしましても、まだまだ私どもは民衆にサービスする面が多々あるんじやないかと思う。で、東京で三百回線、これで不足でありますから、あるいは五百回線でも一。はいになるかもしれません。そういう状況でございます。  それから直接予報担当の人員面から申し上げますと、私どもが予測をいたしましたのよりは、実際の台風の進路は間々食い違うのであります。食い違つた原因というものを、ほんとうは次の台風が来るまでに相当程度探求いたしまして、次の台風にはその資料をもとにして万全を期する、こういうふうに進めたいのでございますけれども、どうもその辺の人員数は十分とは申せられないのでございます。で相当つておりますが、何しろ気象というものは相当複雑でございまして、人数が何名あれば完全にやれるか、これは無理でありますけれども、少くとも今より相当ふえればそれだけ精度も増す、現在がぎりぎり一ぱいの線である、こういうことは言えるんじやないかと思います。  それからさらに私ども気象を差上げるばかりでありますけれども、また一面これを利用していただきますいろいろの船が太平洋とかいろいろなところを通つておるのでありますが、船員の方も気象の知識が十分でないところがございます。それは船で気象観測をしていただきまして、気象台に電報で送つていただきます。しかしながら十分な気象知識がありませんものですから、入つて参ります気象資料というものは相当大きな誤りがあることがございます。従いまして私どもとして念願いたしておりますのは、そういう船の乗組員各位と一緒に話合つてお互いに知識を交換したい、つまり私どもは海洋上の気象のことは比較的ないわけでありますから、そういうような知識を交換するような何かの機関があつたならば、まだ海洋上の気象というものは正確につかめるようになるのじやないか、こういうふうにも考えております。
  54. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 あなたの方の今のお話を聞いておりますと、定点観測の廃止ということは予報上技術的に致命的だというふうに伺えるのですが、そう伺つてよいのですか。
  55. 大和順一

    ○大和説明員 さようでございます。
  56. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 さらにもう一つお伺いしたいのは、予報をいたします場合の資料について、国際的な協力というのはほぼ理想的に行つておるのですか。
  57. 大和順一

    ○大和説明員 これも国際気象機構というのがございまして、それを通じまして統一的にやつております。ただ中共地区の方ははつきりいたしておりません。ほかのところは全部それに統一されまして一定の形式の気象電報を出しております。ソビエト地区もやつております。ただ観測時間が多少ずれております。それから使います気象電報の内容の組立て方が多少違つておりますが、それはすべて公表されてありますので、ソビエト地区につきましてもはつきりわかつております。中共地区と蒙古地区、これだけが現在ブランクになつております。
  58. 鈴木義男

    ○鈴木(義)委員 関連質問。予報課長と組合の人に、鉄道部長などに資料を提出していただくために御質問申し上げますが、前回キティ台風で意外な災害があつてたくさんの人が死んだ、そこでこの気象通報及び気象観測の機構ということが問題になりまして、台長が出て来て御説明になり、―私が質問したのでありますからよく覚えておりますが、最善を尽してやつておる、しかし不十分な点がある、不十分な点があるならばひとつ政府と協力してぜひそれを充実してほしいということを要求しましたところが承知しましたと言われた。また政府当局もそれを承知されたのであります。必要ならば行政整理も気象台に限つてやめる、やめるだけではなくて、増員するくらいの意気込みでやつてほしいということを注文しておいたのであります。なおそういうことをただ内部でぐずぐず言つてつても実現しないから、内閣委員会のようなところまでお持ち出しになつたらよかろうということまで台長に御注意申し上げておいた。内閣委員会にはその後別に働きかけがないように記憶しておりますが、キティ台風当時そういうことがあつたということは御存じでありましようか。予報課長にお伺いいたします。
  59. 肥沼寛一

    肥沼説明員 お答え申し上げます。キティ台風というのはたしか二十四年だつたと記憶しております。あの当時私は札幌の気象台長をやつておりまして、東京でどういう折衝があつたかはよく存じませんが、結果的に見ますと、あれはたしか洪水警報とかいうような組織を関係官庁、団体の間でつくつて万全を期すというようなことをやつた、結果的にはそういうふうになつております。その他の処置がどういうふうにとられておりましたか、私札幌におりましてよく存じません。なお台長はただいま外国に出張されておりますので、この間のことは総務部長からひとつ……。
  60. 鈴木義男

    ○鈴木(義)委員 それでよろしいです。それで資料の提出を求めたいのでありますが、運輸大臣並びに気象台長に、あのとき以後どういうふうに機構の充実あるいは能率の増進のための措置をおとりになつたか。キティ台風以後改革せられたる点あるいは充実せられたる点、そういうことについて文書でひとつ当委員会に報告を出していただきたい。
  61. 平井義一

    ○平井委員 ちよつと船舶課長に質問じやありませんが警告を発しておきたい。それは連絡船はあなたの方でお持ちになつておるのですから、今後連絡船に乗せる場合に少し空模様が悪いというときには、これで出ますがよろしゆうございますか、もしおりる人はおりてください、乗る人は乗つてください、こういうふうに人権の尊重をしてもらいたい。これは外国に行かれた方は御存じだろうと思いますが、外国では飛行機はどんな天気のときでも死んでもよろしゆうございますという署名をしなければ乗せません。そこで連絡船に乗せるときには承知しましたという人だけを乗せて、おれは天気が悪いから行きますまいという人は乗せるのをやめる。やはり連絡船に乗る人は船長なり事務長が一応聞く。きようは天気が悪いが出ます、承知の人だけ乗つてください、承知でない人はおりてください、これくらいのことは今後はやるようにしてもらいたい。この点私は警告を発して、ぜひともそういうふうに人間を大事にしてもらいたいと思います。
  62. 篠田寅太郎

    篠田説明員 お話の御趣旨はよくわかりました。人権を尊重しなければならぬということは申し上げるまでもないことでございますが、その線に沿いましていろいろ研究をさしていただく、これは扱い方として非常にむずかしい点も出て来ると思いますので、今後研究させていただきたいと思います。
  63. 稻村順三

    稻村委員長 本日はこの程度にして、明日は午前十時半より開会いたします。これにて散会いたします。     午後零時四十三分散会