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1954-03-30 第19回国会 衆議院 内閣委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月三十日(火曜日)     午前十一時三十七分開議  出席委員    委員長 稻村 順三君    理事 大村 清一君 理事 平井 義一君    理事 山本 正一君 理事 高瀬  傳君    理事 下川儀太郎君 理事 鈴木 義男君       生田 宏一君    江藤 夏雄君       大久保武雄君    永田 良吉君       長野 長廣君    船田  中君       山崎  巖君    粟山  博君     早稻田柳右エ門君    飛鳥田一雄君       田中 稔男君    川島 金次君       中村 高一君    松前 重義君       中村 梅吉君    辻  政信君  出席国務大臣         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         行政管理庁次長 大野木克彦君         総理府事務官         (行政管理庁管         理部長)    岡部 史郎君         農林政務次官  平野 三郎君         農林事務官         (大臣官房長) 渡部 伍良君         通商産業事務官         (大臣官房長) 岩武 照彦君         運輸事務官         (大臣官房長) 山内 公猷君  委員外出席者         厚生事務官         (大臣官房人事         課長)     畠中 順一君         厚生事務官         (医務局管理課         長)      実本 博次君         農林事務官         (大臣官房文書         課長)     武田 誠三君         農林事務官         (農地局総務課         長)      正井 保之君         通商産業事務官         (大臣官房総務         課長)     秋山 武夫君         運輸事務官         (大臣官房人事         課長)     吉田善次郎君         運 輸 技 官         (中央気象台         長)      和達 清夫君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     宮本 武夫君         労働事務官         (大臣官房秘書         課長)     大島  靖君         専  門  員 龜卦川 浩君         専  門  員 小關 紹夫君     ――――――――――――― 三月二十六日  委員木村武雄辞任につき、その補欠として津  雲國利君が議長指名委員に選任された。 同月二十七日  委員冨吉榮二辞任につき、その補欠として川  島金次君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員八木一郎君、津雲國利君及び松村謙三君辞  任につき、その補欠として生田宏一君、木村武  雄君及び中曽根康弘君が議長指名委員に選  任された。     ――――――――――――― 三月二十五日  法務省設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第一一八号)(予) 同月二十六日  統計法の一部を改正する法律案内閣提出第四  八号)(参議院送付) 同月二十五日  人権擁護局存置に関する請願早稻田柳右エ門  紹介)(三九〇六号)  同(佐藤郷一君紹介)(第三九八八号)  恩給比例増額に関する請願佐藤善一郎君紹  介)(第三九二一号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (坊秀男紹介)(第三九七九号)  元朝鮮の地方公務員恩給支給に関する請願(  助川良平紹介)(第三九八〇号) 同月二十九日  恩給比例増額に関する請願細野三千雄君紹  介)(第四〇四〇号)  同(齋藤憲三紹介)(第四〇四一号)  同(鈴木義男紹介)(第四一〇七号)  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案撤  回に関する請願外一件(只野直三郎紹介)(  第四〇四二号)  同(只野直三郎紹介)(第四一〇八号)  人権擁護局存置に関する請願細野三千雄君紹  介)(第四〇五六号) の審査を本委員会に付託された。 同月二十六日  税務行政機構改革反対に関する陳情書  (第二三五  三号) 同月二十七日  行政機構改革促進に関する陳情書  (第二四六五号)  機構改革案に伴う保護観察機構縮小反対に関す  る陳情書  (第二四六六号)  人権擁護局縮小反対に関する陳情書  (第二四六七号)  再軍備反対等に関する陳情書  (第二四六八号)  恩給充当経費の未払繰越金等に関する陳情書  (第二五三一号)  北海道開発事業国費補助率引上げに関する  陳情書(第二五三  二号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(  内閣提出第九一号)     ―――――――――――――
  2. 稻村順三

    稻村委員長 これより開会いたします。  本日の議事に入る前に御報告いたしたいことがあります。ただいま審議中の行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に関し郵政委員会電気通信委員会厚生委員会より修正意見の申入れがありましたことをこの際御報告いたしておきます。  この際、二時まで休憩いたします。     午前十一時三十八分休憩      ————◇—————     午後三時二十一分開議
  3. 稻村順三

    稻村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。質疑の通告がありますから、これを許します。辻政信君。
  4. 辻政信

    ○辻(政)委員 本法案の総括的な質問といたしまして、二点お伺いいたします。  第一点は、この人員整理根本的な機構改革をやらないところに大きな矛盾と不徹底さがあると思いますが、これにうたわれた通り機構簡素化能率の増進に対する具体的な処置を今後さらに積極的に推進なさる意思があるかどうかという点が第一点。  第二点は、待命制度適用についてでありますが、本案による整理人員の二十九年度分についてのみ待命の恩典を考えておられますけれども、三十年以降に延ばされる人たちの中には、自己の意思によらずして、官庁要請によつて残る人も若干あるはずでありますから、これらの人々に対しては、政府は待遇の上において差別しないということが法令の根本であるべきだと思います。その点について塚田長官責任のある御回答をしていただきまして、それらの人々に不安を与えないような考慮を加える必要がある、この二点についてお伺いいたします。
  5. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 お尋ねの第一点の機構改革を今後どのようにするかということでありますが、これは当初構想いたしましたように、中央及び地方機構が、全面的にまだ未解決に残つておりまして、中央におきましては、省それから部局の統合、これを総合的にぜひとも考えたい。それから国の出先機関につきましては、地方自治団体機構のあり方とあわせて、これも検討して、従つて中央地方を通じて国及び地方機構全般にわたつて根本的な改革を今後慎重検討の上、ぜひ実現したいと考えております。  御指摘の第二の点、待命制度でありますが、御指摘のように本年度限りということになつておるのでありますが、私どもも明らかに法の上で年次計画によつて三十年度以降に整理を認めておるもの、これは確かに三十年度以降においても待命を考える必要があるのではないかと考えております。その他の部分につきましては、御承知のように一応本年度で全部整理はしてもらう、年限りの予定というような原則になつており、ただそれの非常に困難な部面に限つて三十年にわたるということを認めておる。従つて十五箇月の猶予期間があるわけでありますがこういう部分の中におきましても、御指摘のように官庁事務の都合でむしろ本人の意に反して、来年になるというところもあると思いますから、三十年度におきましては、御指摘のような点を十分考慮いたしまして、取扱いの上で不公平、不合理の生じないまうに善処いたしたいと考えるわけであります。
  6. 稻村順三

    稻村委員長 辻君、よろしゆうございますか。
  7. 辻政信

    ○辻(政)委員 よろしゆうございます。
  8. 稻村順三

  9. 高瀬傳

    高瀬委員 今回提出されました行政機関職員定員法の一部改正法律案定員の問題につきまして、政府当局並びに事務当局から長い間にわたつてわれわれはるる説明を聴取いたしました、従つてこれらの問題につきましては種々意見がありますが、大体において私どもの感じましたところは、相当期間の間にこれらの整理をなすことにつきましては、政府のいわゆる行政機構改革が不徹底とはいいながら、緊縮予算の建前上ある程度の合理性をわれわれは認めるにやぶさかではありません。ただ特に塚田大臣説明されました行政整理根本方針、すなわち大臣は四項目程度根本方針をわれわれに明示されたと記憶いたしております。すなわち第一段階として、各省いずれも節約という趣旨に従つて整理をしないところはないという原則大臣はまず立てておられるということを言明されました。また第二には、仕事種類により軽重はある。これも大臣として認めるところである。しかしながらこれらの仕事種類によつて軽重があるという原則は認めるけれども、困難なものについてはこれを中止する。これが第三点。また第四番目には、たとえば塚田郵政大臣所管事項については、行政管理庁十分話合いをして厳正公平に整理を行う。これらの方針を明示されたようであります。従つてどもはこれらの定員法改正内容につきまして事務当局意見を聴取したところによりますと、塚田大臣行政管理庁長官としてこれの妥当、合理性を主張され、また各省事務当局も大体においていわゆる定員法に基く改正を是認したように私は了承いたしました。しかしながら具体的に各省別にこの内容を当つてみますると、大体において現業官庁非現業官庁との整理が、先ほど塚田大臣言明を採用したところによつて見ても明らかでありますように、非常に画一的に、またバランスをとつて行われましたために、現業官庁定員査定に非常な重圧がかかつておる。従つて郵政省であるとか、あるいは食糧庁であるとか、あるいは農林省の統計調査部であるとか、あるいは電波監理局であるとか、あるいは大蔵省の財務局財務部であるとか、これらの多数の現業官庁職員に対して整理重圧がかかつておる。この点はわれわれひとしく認めるところでありまして、はなはだ遺憾とするところであります。この審議中にも、これらの関係労働組合の多くの諸君から私ども実情に基くところの熱烈なる定員復活陳情を受けて、その点について考えさせられるところがはなはだ多くあつたわけであります。もちろん私どもはこれらの労働組合立場を尊重いたしますが、それを額面通り受取るものではございません。いろいろこの審議中に聞いてみますと、なるほど私どもの考えておりましたように、政府のやつたような方針で、画一的な方法でいわゆる定員査定をいたしますと、必然的に仕事の分量から、あるいは仕事の性質からいいまして、定員査定に非常に困難を感じますところの現業官庁重圧がかかつて来て、ここに多くのしわ寄せが来るということは当然の帰結であります。特に郵政省のごときは約六千六百名の整理増員をまぜまして差引き二千二百数名という話でありますけれども、これらの点は特に顕著なる例でありまするし、また財務局財務部整理のごときは、約六千人の定員のうち五百七十五名という非常な高率の整理であるようであります。また食糧庁関係にいたしましても、あるいは統計調査部整理にいたしましても、非常に定員の少いところに持つて来て、現状に適せざる整理を行いました結果、実際上の仕事に非常に支障を来すというような現状はいなむことができないと思うのであります。特に郵政省の場合は、塚田行政管理庁長官郵政大臣であるという特殊な地位からいたしまして、やや模範を示した傾向があるのじやないかというような気がするのでありますので、これらの点を公平に考えまして、あまり原則的に、機械的に、画一的に定員査定をなさらず、これらの点について、行政管理庁長官といたしましても、また郵政大臣といたされましても、特に政治的考慮を加えられて、幾多の労働組合現状に基く陳情から見ましても、確かに各種の現業官庁定員査定に多くの不自然と不合理のあることは、われわれこれを認むるにやぶさかでないわけであります従つて一々これらの点について、定員の数においてわれわれがこれを修正するということは、はなはだわれわれといたしましても技術的に困難を感じ、またそれについて自信も持てないわけでありまするが、この際一般の行政整理に基く定員査定という大方針については、私ども改進党といたしまして反対するものではありませんが、特にこの多くの現業において、先ほどあげましたような各部門の現業官庁において、定員が不合理に、仕事に遊離して整理されております点に留意いたしまして、塚田行政管理庁長官におかれては、その政治的立場行政的手腕を発揮されまして、ぜひともこれらの定員の問題については、もちろん本年一年ではありません、来年という年もありますし、あるいは場合によつては三年、四年の部もあるようでありますから、ぜひとも誠意をもつてこれらの点について、現場要望にこたえられるように御考慮を願い、それらの実情に即した定員査定を行いまして、事務能率化に協力される御意思があるかどうか、大臣責任ある答弁を求めたいのであります。まだいろいろ申し上げたいことがありますが、特にこの現業官庁定員査定は苛酷なようでありまするし、また現場諸君からもるる実情を聞きましても、先ほどあげましたような現業官庁はすべて非常に事務遂行に困難な立場であるようでありますから、この点十分御考慮の上、ひとつ大臣責任ある答弁を願いたいと思います。
  10. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 御指摘になりました点は、私も重大な問題点であると思つておるわけであります。ただ、今までも繰返して申し上げましたように、各省の最終的な整理人員を決定いたしますまでの段階におきましては、行革本部案を、各省意見も十分取入れて調整をしておりますので、相当程度考えられたのではないかと思つておるのであります。しかし実際に運用して御指摘のような事態が出て参りますならば、これは行政運営を円滑にするものではありませんし、そこまでして整理をしなければならないということは政府の意図でもありませんので、十分に善処して参りたいと考えておるわけであります。なお私が自分郵政大臣を兼ねておりますので、郵政省におきましてはそういう各省との折衝の過程における調整が十分行われないのじやたいかということで、非常に懸念をしながら、細心の注意払つて、よく事務当局意見をすなおに聞き、調整をして参つたつもりでありますけれども、これも一般的に考えれば無理が生じやすい事態になつておりますので、特に自分といたしましては、今後整理のあとの状態がどういうぐあいに郵政業務運営の面において出て来るかということを、細心の注意をもつて見守りながら、でき得る範囲においては本年度の限られた予算のわくの中で、さらにできない場合には来年度、新しい事態に応じての増員要請、その他要望について善処して参つて、そうして御懸念のないように万全の注意を払いたいと考えております。
  11. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいま大臣言明がありましたが、おそらく本国会の討議に基きまして、これらの現場官庁におきましては、現場従事員諸君から定員復活その他について具体的な要望事務当局になされ、また行政管理庁長官としてのあなたの方に具体的な交渉なり要請があると私は想像いたします。従つてただいまの言明を私は信じまして、運用の適切なことを希望いたしたのでございますが、具体的にこういう問題が事務的に各省において提起されましたときは、ぜひとも誠意をもつて必ずこれらの要望にお答えいただくように善処願いたいと思いますが、いかがでございますか。
  12. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 そのように努めるのが私の立場の当然の職責であると考えますので、理由のあるものは十分傾聴するつもりであります。
  13. 田中稔男

    田中(稔)委員 厚生省にはいろいろな問題がありまして、それをこまかくやると、非常に長時間にわたりますから、私はここで国立病院国立結核療養所に関してお尋ねいたします。国立病院なり国立結核療養所における定員整理職種別の数字はどうなつておりますか。
  14. 畠中順一

    畠中説明員 御説明いたします。国立病院につきましては、現在の定員が一万四千七百二十三名に対しまして、行政整理をする数が四百七十七名となつております。その中で、二十九年度と三十年にまたがつて行政整理が行われますが、二十九年度につきましては事務官が二十九名、医師歯科医師等が十二名、それから薬剤師等が十五名、それから事務雇員が四十五名、看護婦五十三名、その他の職員が百六十八名、計三百二十二名となつておりますが、三十年度につきましては、職種別には現在まだはつきりいたしておりません。
  15. 田中稔男

    田中(稔)委員 整理人員職種別ははつきりしていないということでございますが、私の聞いたところでは、医師看護婦については二〇%、実数において四百名であるということを聞いておりますが、それは間違いですか。
  16. 畠中順一

    畠中説明員 国立病院療養所を含めまして医師につきましては事実上は行政整理をしないようにしております。
  17. 田中稔男

    田中(稔)委員 それは欠員が非常に多い関係じやないかと思うのでありますが、現在国立病院なり結核療養所におる医師看護婦欠員というのは何名ですか。
  18. 畠中順一

    畠中説明員 国立病院療養所におきまする欠員の数は、国立病院で七十二名、療養所全体を含めまして四百一名となつておりますが、現在医師看護婦についての職種別欠員は、現在私その数を持つておりませんので、後ほど資料を提出いたしたいと思います。
  19. 田中稔男

    田中(稔)委員 医療法施行規則によりますと、病床四につき看護婦一名と定められているのでありますが、現在これは守られておりますかどうか。
  20. 畠中順一

    畠中説明員 医療法にきめられました数につきましては、現在国立病院療養所につきましては、医師看護等について、その数をやや下まわつておる現状でございます。
  21. 田中稔男

    田中(稔)委員 やや下まわつておるということは、具体的に何床について一名か、その割合をひとつ……。
  22. 畠中順一

    畠中説明員 病院につきましては、医療法基準通りに配置しておりまして、療養所につきましては医療法特例が設けられておりまして、六人に一人という割合で配置されております。
  23. 田中稔男

    田中(稔)委員 結核療養所では六床に一人ということに特例で定めてあるというお話でありますが、今日の結核療法におきましては、化学療法とか、外科療法というような、いろいろな新しい療法が行われるようになつておりまして、とても六床に一名の看護婦では不足するというのが、これが専門家見解であります。人命に関する人道上の問題でありますから、施行規則の中に例外を認めて、こういう六床に一名というようなことでは、私は非常に不十分だと思いますが、これに対する御見解を承りたい。
  24. 畠中順一

    畠中説明員 現在の医療法はさようになつておりまして、療養所については例外規定がございますが、それでいいかどうかというような問題については、今後検討をいたしたいと考えます。
  25. 田中稔男

    田中(稔)委員 これはほんとうは大臣責任に関する問題になると思います。まあせつかく見えておるから、あなたに対して継続してお尋ねいたしますが、昨年末人事院から、国立病院国立結核療養所に、国の法律である医療法施行規則を執行していないじやないかというような指摘を受けたという事実があるのであります。厚生省当局はこの指摘にもかかわらず二千名の欠員があり、この欠員を解消するために何らの努力をしていない。この問題について御説明を願いたいと思います。
  26. 実本博次

    ○実本説明員 今のお尋ねの件は、看護婦の勤務時間の問題に関して、人事院から去年の十二月、行政措置の要求に対する裁定がございまして、出たものをおさしになつておると思いますが、これにつきましては、詳しい内容相当大部な裁定になつておりますが、要は現在は諸種条件労働時間を短縮することは困難であるが、将来いろいろな条件が、財政その他看護婦養成計画などがマッチすれば、なるべく労働時間を短縮することが望ましい、そういう意味の裁定が出ておることをさされておるのではないかと思いますが、この点につきましては、今急にどうこうということを人事院の方が言つておるわけではありません。将来の問題として、諸種条件が成就することを待つて検討することにしたらどうかと言つておりますので、検討いたしておるわけでございます。
  27. 田中稔男

    田中(稔)委員 私は専門外でありますが、完全看護制度完全給食制度完全寝具制度というような制度が採用されておるそうでありますが、その内容と、そういう制度を採用しておる病院なり療養所の数をひとつお知らせ願いたい。
  28. 実本博次

    ○実本説明員 完全看護完全給食完全寝具という、サービス提供のための所要人員についてのお尋ねでありますが、今厚生省完全看護と称しておりますのは、入院患者に対して、付添人をほかのところから入れなくて済むようなサービスを提供するための看護のことであります。これは具体的な内容と申しましても、別にいろいろな規定があつて、その規定を実行するといつたようなものではございませんで、ただ病院なり療養所から提供するサービスによつて患者治療が行われるように営まれるのを完全看護と称しておるのでございます。それから完全寝具と申しますのは、入院の際に、個々に患者寝具を持ち込まなくて済むように、病院なり療養所の方で備えつけの寝具を提供して、患者治療なり療養にさしつかえないようにする、それを完全寝具と申しております。
  29. 田中稔男

    田中(稔)委員 そういうことであれば、病院の要員の数はどうしてもふえなければならぬ。ところが今お聞きしますと、定員に対して相当欠員がある、こういう状態であります。そういうことで一体完全看護完全給食あるいは来年度から行われるはずであります完全寝具、こういう制度が実行できるとお考えになつておるかどうか。
  30. 実本博次

    ○実本説明員 今国立病院療養所におきまして、完全看護完全給食完全寝具を実施しているところは、初めの完全看護につきましては、主として国立病院だけに限定されております。と申しますのは、医療法適用を受けておりまする病院だけにまず完全看護を実施して行きたい、そういうことで、病院に主として完全看護を実施いたさしております。これは経費もかさみますので、健康保険完全看護を行うところは、完全看護を行つていないところに加えて別に三点の点加を認めております。諸種条件が許せば、療養所にも完全看護が行き渡るように持つて行きたいと厚生省では考えております。完全寝具につきましては、まだ最近準備をいたしておる次第でございまして、実施いたしておりますところはきわめて少いのでありますが、それも諸種条件を勘案しまして、できるだけ早くそういうサービスが提供できるように努力して行きたいと思つております。
  31. 田中稔男

    田中(稔)委員 今の御説明では私は不満であります。これらの制度を完全に実行するためには、むしろ人をふやさなければならぬ。ところが現在相当欠員がある。その点についての御答弁はどうも的を射ていないと思います。もう一度御答弁を願いたいと思います。それと、現在国立病院なり結核療養所における患者食糧費は一体幾らくらいになつておりますか、あわせて御答弁願いたい。
  32. 実本博次

    ○実本説明員 いわゆる完全看護を実施いたしますために、医師が十七名に一人、看護婦が四名に一人、雑使婦が二十五名に一人の割でやらしております。これに欠員が多いというお話でございますが、実は看護婦として配備している定員に対して、看護婦養成計画なり雇用状態が順調でなかつたわけでございます。これには種々の原因がございますが、主として養成計画がこちらの予定しておりました定員を充足するに不十分であつたこと。この点厚生省としては、こだわらずどんどん計画して、各療養所病院に付設して養成いたしております。養成所を出ますと民間にも出かけて行くわけでございますが、現在までの状況は、この養成計画定員所要人員にマッチしておりませんで、雇用が良好でない。そのために、看護婦にかわるべき雑使婦ないしは看護助手と申しますか、正規の看護婦を雇い入れられないためにそれに近いものを雇い入れて、それでもつて看護婦のかわりをさしておる。従いまして看護婦としての欠員はありますが、さればとて、完全看護なり完全給食をやつて行くには人手が得られませんから、代用看護婦というものを入れて、それをもつてつておりまして、病院定員欠員は今のところはさしてないわけでございます。さように看護婦を得られないものですから、看護助手なり雑使婦なりで補つてつております。
  33. 田中稔男

    田中(稔)委員 これはやはり一般的に定員を減らして常勤、非常勤の労務職員を補充する、こういう方式の一つの現われだと思う。私どもとしましては、こういう新しい制度を採用する場合には、それに伴う定員は確保してもらいたい。定員の確保ができない場合にそういう新しい制度をあえて採用する必要はないと思う。そこに私はどうもインチキがあると思う。  それから、相当欠員があるということはお認めになつている。しかもそれを補うために代用看護婦といいますか、そういうものを入れておられるようでありますが、今度国立病院及び国立結核療養所において、四百名医師看護婦定員の削減をやろうとしておる。これは現状をむしろ無視した計画であります。私は現状を改善する意味において、むしろ増員する必要があると思います。こういう定員の削減計画は、少くとも医師看護婦については撤回してもらいたいと思いますが、そういう撤回の御意思があるかないかお尋ねしておきたい。
  34. 畠中順一

    畠中説明員 国立病院療養所行政整理でございますが、看護婦医師につきましては欠員がございますが、これは極力補充することといたしまして、現在整理をいたしますものは看護婦以外の事務職員で、ございまして、これは事務能率の増進をはかりまして、ある程度の行政整理はやむを得ないのではないかという考えでございます。
  35. 田中稔男

    田中(稔)委員 事務職員整理のことを私はお尋ねしているのではないのでありまして、さつき私が指摘しましたように今度医師看護婦について比率として二%、実数において四百名の削減が行われようとしている、その事実について申し上げているのであります。今までお聞きしておりますと、確かに医師看護婦には欠員があるということは、すでにお認めになつておるのですから、それならばこの際そういう定員の削減はおやめになつた方がいいのではないかという意味でお尋ねしているのであります。もう一度お答え願いたい。
  36. 畠中順一

    畠中説明員 医師看護婦定員から落ちます分は、先ほど御説明しましたように、医師につきましては十二名、看護婦については五十三名ということになつておりますが、これは富山、大刀洗の国立病院地方委譲になりました分が定員から削除されるのでございまして、その分が当然県の方に移つて行くので定員法から削除になつております。それで定員法からは医師看護婦につきましては行政整理は避けるようにしておりまして、一名も整理のために落ちるということはないように私どもは考えております。
  37. 田中稔男

    田中(稔)委員 私が調べた数字と非常にそこに開きがあるのです。国立病院結核療養所を通じて医師看護婦が実数において四百名定員の削減をされておる。この事実はあなたは否定されるのですか。
  38. 畠中順一

    畠中説明員 定員の上からは数は落してございません。最初計算をいたしますときには医師看護婦というものについても考慮はいたしましたけれども、それは医師看護婦を避けるようにいたしております。
  39. 田中稔男

    田中(稔)委員 どうも答弁があいまいで満足でありませんが、時間も急ぎますから、次の質問に移ります。国立病院の収入についてでありますが、病院運営に対する料金収入の割合は、二十八年度において幾らになりますか。
  40. 実本博次

    ○実本説明員 お答え申し上げます。御承知のように国立病院は特別会計になつておりまして、バランス・シートが合わなければならないようになつております。大体二十八年度においては約五十六億の収入があつたと承知いたしております。支出も大体それに見合つております。それから一般会計に属します結核療養所の方の関係では、たしか支出の方が少し上まわつておりまして、収入はそれより下まわつて約四十五億だというふうに承知いたしております。的確な数字はちよつとわかりません。
  41. 田中稔男

    田中(稔)委員 国立病院の方についてお尋ねいたします。私の聞くところによりますと入院料金を引上げたために収入が支出を上まわつて相当もうけておる。しかもそれは職員のベース・アップがあつてもなお黒字になつておる。このことは国のためには喜ぶべきことかもしれませんけれども、また一面においては、これは医療に従事しております医師看護婦相当欠員を持ちながら一人当りの労働が非常に強化されておることになると私は思う。そういう訴えが労働組合から頻々としてある。厚生省当局はこの点について事情を十分御存じだと思いますが、御所見をひとつ承りたい。
  42. 実本博次

    ○実本説明員 国立病院国立療養所におきまする医療従業員の給与の問題でございますが、その労働内容とマッチした給与が支払われているかどうかというお話でございますが、国立病院療養所厚生省の付属機関といたしまして、そこで働いております者はみな国家公務員という一つのわくに縛られておりまして、その範囲内でできるだけの給与を支給いたして働いてもらつております。ことに結核の場合におきしましては、結核という病気の伝染病であるところから調整号俸というものを別につけてもらいまして、ほかの一般の公務員よりもその点調整号俸によりまして約二号、看護婦におきましてはもう少し高く調整号俸で調整をとつてつてもらつておる現状でございます。
  43. 田中稔男

    田中(稔)委員 今の答弁は私の質問を取違えている。私は給与がいいとか悪いとか言つておるのではないので、病院の経営において相当黒字を示している。そして一方大幅な欠員がある。結局現在働いでいる医師看護婦の方には給与のいかんにかかわらず、とにかく一人当りの労働力が強化されておるのではないかということを私は申し上げているのです。労働強化の点についてはいかがですか。
  44. 実本博次

    ○実本説明員 今の国立病院療養所におきまする現状では、今の給与と労働強化という問題につきましては、大体今の給与でもつて労働が行わるだけのバランスは保たれているものとわれわれの方では承知いたしております。
  45. 田中稔男

    田中(稔)委員 それはもちろん給与と労働の量というものは無関係ではありません。今の御答弁では労働強化しただけの給与は出してあるということでありますが、私はその点で見解を異にします。しかし厚生省関係の質問はこれで終りまして、次に通産省に移ります。通産省においても行政整理が行われるのでありますが、通産行政の今後のことを考えますと、減員するよりむしろ増員をしなければならぬ部門が多いと思う。第一に中小企業行政の充実という観点から私お尋ねをしたいと思います。中小企業というものはわが国の産業において大体九九%という大きな比重を占めております。これは非常に重要な点でありますから、政府は口には中小企業の育成とか振興とかいろいろなことを言いますけれども、実際何もやつていない。片山内閣時代につくりました中小企業庁さえこれを廃止しようとか、縮小しようとかいうことを政府は考えておりましたが、それは中小企業者の反対にあつて実行はできない、そうしますと今度は行政の内容をきわめて貧弱なものにする、こういうようなことになつておるわけであります。私どもは中小企業の組織化、それからまた特に輸出を主にしますところの中小企業の振興、あるいは中小企業の技術指導というためには、中小企業を担当する行政官庁機構はむしろこれは拡充し、定員はもつとふやさなければならぬと私は思うが、この点について一体どうお考えになつておるか、お尋ねしたいと思います。
  46. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 中小企業庁の問題につきまして御質問があつたのでありますが、中小企業に対しまする対策としましては、現在通産省におきましては御指摘がありましたように、組織化の問題、金融の問題、その他の問題につきまして各般の手を打つておるわけでありまして、いろいろなおやりたいこともございますが、いろいろな関係で十分に参らぬこともありまするし、またこの中小企業の行政はひとり中小企業庁という役所だけではやれるものではありません。それと省内の各原局、あるいは出先でありまする各地の通商産業局、あるいは各都道府県の関係の部課等と一体となりまして推進して参らなければならぬと考えます。その機構の一番元になる中小企業庁の点でございまするが、これは御指摘のように仕事の多種多様等に伴いまして、できるだけ人員が多いことが望ましいことは、当然でございますが、さりとて現在の行政一般の状況、財政事情もございますので、われわれとしましては、この今度の新定員の決定にあたりましても中小企業庁の定員の減をできるだけ少くいたしまして、このわれわれに与えられました人数をもちましてできるだけ能率をあげてやつて参りたいと考えております。この仕事は企画的な仕事と指導的な仕事が中心でございまするが、人間の数だけでも参りませんので、これはむしろ事務内容の充実と、なお実行機関でありまする各関係機関の活動の充実と相まちまして、何とかやつて参りたいと考えております。
  47. 田中稔男

    田中(稔)委員 次に重要な問題は、貿易行政の問題であります。今日正常貿易が、特に輸出の面において不振をきわめておる、手持ちの外貨もだんだんなくなつている、こういう状態にあることは皆さん御承知の通りであります。こういう際に大いに正常貿易を振興しなければならぬ。そうして貿易と申しますると、現在政府がほとんど禁止状態に置いておりますところの中国との貿易、あるいはきわめて不振な状態にあるソ連との貿易、こういう共産圏との貿易ということにむしろ政府は積極的に乗り出さなければならぬ。これはイギリスにしましても、フランスその他のヨーロツパ諸国は、もうアメリカがどう考えておりましようとも、積極的に東西貿易の伸長のために乗り出しております。こういう際に通産省がこの方面に積極的にやはり努力をするということが必要であることはもう申すまでもないのであります。昨年秋国会から中国との貿易を打開するために十数名の議員が参りまして、貿易協定を結んだのであります。しかしながら通産当局の態度がきわめて消極的である。通産当局としてはやりたくても外務省に遠慮する、外務省としてはやりたくてもアメリカに遠慮するというようないろいろの事情もありましようが、とにかく共産圏との貿易というものが少しも打開されていない状態であります。しかしこれはもう民間の熱意は非常に高まつております。だから今後は通産当局もその方面においては人員をふやして貿易振興をやる、こういうことが必要ではないか、そういう配慮が今度の定員法改正においては全然なされていないし、やはり他の局並にずつと減らされておる、この点を一体どうお考えになつておるのか、承りたいと思います。
  48. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 中共貿易の問題につきましては、前々から本会議あるいは予算委員会あるいは通産委員会その他関係委員会におきまして大臣から御説明してある通りであります。われわれとしましては、できるだけ貿易を拡大して輸出の増大をはかつて参りたい、同時に輸入面におきましても、先方の原材料の輸入の確保に努めて参りたい、昨年の夏以来極力輸出の品目の緩和等をはかつて参りました結果、昨年の輸入輸出の実績におきましては、一昨年に比べまして、正確な数字は今覚えておりませんが、数倍、少くとも四、五倍程度の増額でありまして、このことは統計上明らかになつております。  なお、もう少し品目の緩和等も行いたいと存じておりまして、外務省を通してそれぞれ関係の方と折衝しております。最近におきましては、例の昨年の日中貿易協定の品目の一部であります硫安等につきましても、国内の需給緩和等を見越しまして、五千トン程度の数量の輸出許可を与えておる実情でございます。われわれとしましては、隣接地域の輸出輸入ともに広大な市場でございますので、これの増大をはかつて参ることは当然でございます。だ、御指摘がありましたが、中共ないし大陸貿易の不振とこの定員との関係は、これはあまり直接的では、ございませんで、これは中小企業庁の方で申し上げましたように、内部の通商局の定員といたしましては、輸出の承認あるいは輸入の許可等の事務につきましては、そういう見地から、業務の具体性にかんがみましてできるだけ整理削減の率を緩和いたしております。ただ直接大陸貿易を拡大しますから、定員がふえるというふうなことも、結果においてはこれは事柄の性質上やむを得ないことと考えております。  なお通産関係の事務はこのほかにもいろいろ検査の事務その他もございますので、そういうふうに直接輸入の衝に当つております事務もたくさんありますから、先ほど申し上げましたように、個々の項目につきまして、このたびといたしましてはできるだけ定員の減を低目に押えておるわけであります。
  49. 田中稔男

    田中(稔)委員 それは確かに共産圏との貿易をやるからといつてただちに定員の数に響くとも言えないと思います。しかしこの際中国貿易なんかを熱心にやりたいという御意向のようでございまして、非常にけつこうであります。中国との貿易をやる、ソビエトとの貿易を盛んにするために、どうしてもやはりその方の専門家を現地に置く必要があると思います。通産当局としては、民間の要望も非常に高いのでありますが、そういう要望に応じて中ソ両国の貿易の実務のために渡航したいという人がある場合には、それを渡航ができるように援助していただくという御意向があるかどうか。さらにまた政府職員がそういうことのために中ソ両国に出張するというようなことについて、どうお考えになつているかお尋ねしたい。
  50. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 渡航問題につきましては、前々からいろいろ御希望があると存じます。現在の状態としましては、無条約国であるのみならず、諸般のいろいろの関係もございますので、通産省といたしましては、目下検討いたしておりまするが、なお機が熟さないではないかと存じております。従つて官吏の渡航の問題も、それが片づきましてから後のことだと存じております。なおこれは一般的な問題でございますので、具体的なことにつきましては、できますならば外務省当局の方から御答弁を願いたいと存じます。
  51. 田中稔男

    田中(稔)委員 次に試験研究部門についてお尋ねいたします。現在通産省関係の試験研究機関の定員がやはり非常に不足しておる、二、三割方欠員がちである。それをさらにまた今度削ろうとしておる。こういうようなことのために、助手クラスの人は先の見込みがないのでどんどんやめて行くという状態である。それで非常に有能な研究員が雑用に忙しくて、十分な研究ができないという現状であります。だから私どもは日本の工業技術の発展という見地から、試験研究機関の定員は、削減するよりもつとふやさなければならぬと思いますが、これについて御意見を伺いたいと思います。
  52. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 通商産業省では現在管下に付属機関といたしまして試験研究所を十一持つております。これにつきましてはいろいろな問題がありまして、性質によりましては、戦時中に活躍いたしたものの残つているものもございますし、またものによりましては、現在十分にその使命を果しておらないものもあるかと存じております。御指摘がありましたような研究不振という問題は、私は人間の数の問題よりも、むしろ一つは人間の質、能力の問題、もう一つは研究に要します予算の問題、この二つが重要ではないかと存じております。従いまして、通商産業省の基本的な考え方といたしましては、一つは予算におきましても、年々特別研究費等相当多額にいただいておりますが、これではまだ十分参らないと存じますし、また施設あるいは研究の装置等が老朽化いたしまして、十分に現代の研究の要望に沿わない点もありますので、そういう方面の予算でございますと、いわば長期といつた形のものを増額いたしたいと存じまして、御審議いただきました予算の中におきましても、この方の科目を相当ふやしていただいております。  それからもう一つは人間の質の問題でございますが、これにつきましては、やはり新進有能な人をもつて研究していただいた方がけつこうだと存じておりまして、定員は若干減らしておりますが、その内容の人的構成を刷新いたしたいと存じまして、新年度におきましても、新しく相当な学歴を持ちます人を採用して配置いたしたいと思つております。そういうふうな人的構成並びに所要の予算の面から、管下の研究所を動員いたしまして、十分時代の要望に沿うようなテーマを研究させたいと思つております。
  53. 田中稔男

    田中(稔)委員 次に特許庁についてお伺いいたします。近年特許の申請が非常に旺盛であります。これは非常にけつこうなことだと思うのでありますが、審査の仕事に当る職員が非常に少い。そのために審査事務が自然渋滞いたしまして、審査完了まで普通一箇年を要するという状況であります。こういうことでは日本の産業の発展、貿易の振興、技術の向上という点において非常に私はマイナスになると思うのであります。ですから特許庁というような特殊な機関は、これは人を減らすのではなく、これこそ人員を充実する。もつとも今お話もありましたように質の問題も考えなければならぬ。ただ無能な人がたくさんおつてもだめだ。有能な人をやはり数をふやして、そうして審査に要する時間を一箇年もかからないように、これをぐつと短縮するというようなことにして、国民の発明の才を大いに伸ばすことが必要だと思いますが、これについての御見解を承りたいと思います。
  54. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 特許の問題につきまして御質問いただきまして、非常にありがたく存じております。特許の問題、ことに戦後特許発明の出願が増加いたしまして、処理件数が増加いたしております。御指摘のように一年も処理にかかるというようなことは、われわれもはなはだ心苦しく存じております。幸いにいたしまして今回御提案いたしております改正法におきましては、本年度定員七百名に対しまして七百三十五名、わずかでございますが、五%程度の増員をしております。なおこの内容におきましては、一般的な官房といつた庶務的な人間を若干減らしまして、むしろ審査、審判といつた実体的な仕事の方面に増加の重点を置きまして、極力未処理案件の処理に当りたいと思つております。この点は特にわれわれといたしましても年来非常に遺憾に思つております。幸いにいたしまして、その希望の一部は達成されることになりまして、今後はできるだけ事務の渋滞等のないように努力いたしたいと考えております。
  55. 田中稔男

    田中(稔)委員 私は特許庁全体の数字を見ましたら、二十八年度定員は七百名で、これを八名減らすということになつておつたと思つておりましたが、承りますとこれはほんとうの審査の仕事に当る人は若干ふえるということで、けつこうであります。その点私は認識不足でありました。しかし私はもつとふやしたらいいと思います。  次に鉱山局、石炭局、それから鉱山保安局こういう関係についてちよつとお聞きしたいと思います。こういう地下資源に関します産業行政というものは、これは多年の経験を必要とするのでありまして、商工省ができまして以来今日まで、こういう資源の開発に関する政策は、時の内閣のいかんにかかわらず、今日までずつと継続的に推進されて参つた。そしてこの行政に従つておる公務員の身分も確保されて参つたのでありますが、今度これを相当大幅に減員しようという計画なんであります。しかしながら私どもはこういう基礎産業の行政に関しましては、特に資源の乏しい日本でありますが、積極的な開発計画を立てて、そしてできるだけ国内資源で日本の工業をまかなう、こういうふうにしなければならぬと思います。石炭それから石炭以外のいろいろな鉱業、それから石油、こういうふうなものの開発のためには、私はもつとやはり政府は努力すべきだと思うのでありまして、この際これを減員するごとには反対であります。なお鉱山保安関係でありますが、地下に働いている労働者の災害率というものは、やはり依然として高いのでありまして、こういう労働者の安全を確保するために政府は十分配慮しなければならぬと思うのであります。こういう際にその行政に従う公務員の数を減らすということは、私は反対であります。あえてこれを積極的に増員せよということは、私は申しませんが、これを今日削減するということは反対でありますが、これについて当局としてひとつ御見解を承りたい。
  56. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 資源関係の部局並びに人員が、資源庁廃止以後若干減つて参つたということは事実であります。これにつきましては、御指摘のように地下資源の開発という積極面もございますが、同時に在来の統制あるいは助長といつた仕事がある程度なくなりまして、具体的にも事務量の減少をしておる部局もあるわけであります。局によりまして事情は若干異なつておりますので、これを御説明いたしますと、鉱山局の方でございますが、これは地下資源一般の基礎になります鉱業法の施行の関係が中心で、これに石油、金属等の仕事がたくさんあるのでありますが、この鉱業の出願の関係はこれは先ほども指摘がありました特許関係と同様の事情でありまして、鉱業出願の処理が若干停滞しておるという傾向もありますので、この仕事関係の人間は減らされないつもりでございます。それから石炭関係でございますが、これは終戦後の石炭増産あるいは配給、統制といつた仕事がなくなりまして、事務の実態がかわつて参りまして、むしろ石炭鉱業の維持あるいは施設の合理化という事務に重点がかわつております。従いましてこの局はむしろ人員は相当減少の方向で考えております。ただしかしながら、この仕事はいろいろ御指摘がございましたように、むしろ管理的な業務が中心でありますので、これは人間の数というよりもむしろその人の能力あるいは経験といつたものを生かしまして、このむずかしい石炭行政を十分に消化して参りたいと考えております。それから最後に鉱山保安局でございますが、これは鉱山保安の重要性、ことに鉱山保安法施行以後鉱山災害が目に見えて減つて参つております。施行前に比べて稼行鉱山当りの災害件数は半減に近くなつております。そういうふうに人命あるいは施設の保持上顕著な効果を上げておりますし、かたがたこの仕事の重要性にかんがみまして、今回は中央地方ともにほとんど減少しておりません。本省におきまして若干二名程度の整理ということになつておりますけれども、実体的にはほとんど変化がないということで、この陣容をもちまして十分巡回して督励したい考えで参つております。
  57. 田中稔男

    田中(稔)委員 通産省はもう一問で終ります。地方の通産局を廃止せよという意見さえあるのでありますが、これは極端な意見であります。今度その人員相当削減するという計画でありますが、地方の産業を特に育成する、また中小企業を育成するという見地から、やはり地方のこういう政府機関があることは私は必要だと思う。ところが今度の定員の削減率におきましては約九%、率も相当高いようであります。私はこれは今後積極的に増員せよとは申しませんけれども、削減することは今申しましたような理由から反対であります。御当局の御意見を伺いたい。
  58. 岩武照彦

    ○岩武政府委員 通産局は、御指摘のように地方産業の維持助長の問題その他所要の事務を行うのが中心でございますが、われわれとしましては数を減らすということはとうてい承服できないところで、明年度以降大体現在の八局を維持して参る考えであります。事務の内容は、本省各局の縮図といつたごとになつておりまして、事務によりまして、先ほど申し上げましたように、鉱山保安といつた面もございますし、またそれに附帯いたしまして管理的な業務もあるわけであります。もう一つは、場所によりまして通商関係の事務も現在相当あるのでありますが、そういう通商関係の事務の比較的集中いたします局としからざる局、むしろ地下資源であるとかあるいは一般の中小企業というようなものに関する事務の多い局もありまして、一概にこの可否を論ずるわけには参りませんが、大観いたしまして、全体のバランスあるいは本年度までの人員の状況を考えまして、若干の整理もこの際やむを得ないと考えまして、定員の減を総体として考えております。この内部の配置等にあたりましては、ローカル的な事情に即しますように、事務の渋滞を来さないように十分に考えて参りたいと思つております。
  59. 田中稔男

    田中(稔)委員 次に農林省の農地局関係の質問をしたいと思います。政府委員出ておりますか。
  60. 稻村順三

    稻村委員長 農林政務次官、文書課長、農地局の総務課長が来ております。
  61. 田中稔男

    田中(稔)委員 農地局の現場の事業所のことでありますが、現在非常な超過勤務が行われておる。二十八年度においては月平均して一人約三十一時間に達しておるということであります。ところが実際に超過勤務手当の支給を受けておるものは、その時間の約四〇%で、あと六〇%はただ働きというかつこうになつておりますが、累年こういう状態が続いておる、非常な労働強化である、この事実をお認めになつていると思うのでありますが、御見解をお聞きしたいと思います。
  62. 正井保之

    ○正井説明員 私どもの方の現場機関として事業所がございますが、その事業所の勤務の実態は、ただいまお話がございましたが、相当に事務量が多うございまして、日曜、土曜日等もお天気のいい日には現場に出かける。お天気の悪いときには内部で設計書をいじるとか、その他書類の整理等をやつておるわけでありますが、ただいまお話がございましたように、大体四〇%ちよつと上まわるような現在の超勤の予算のつけ方であります。この点はぜひ是正いたしたいと思いまして、二十八年度予算におきまして、従来八時間程度であつたのを十二時間に引上げたわけでありますが、さらに来年度におきましては、十五時間程度まで引上げたわけであります。実はこの点は事業所等の勤務の実態から申しまして、超勤のみで事を処理することもいかがであろうか、根本的に別途の措置を考えられないだろうかということで、現在いろいろ現場にある職員の給与の状況とか勤務の状況とか、こういつたものを検討いたしておりまして、普通の事務を処理する役所と違つた面に即応した措置をできるだけとりたいというふうに検討を進めておるわけであります。
  63. 田中稔男

    田中(稔)委員 昭和二十五年十月に当時の人事院総裁から広川農相あてに一つの勧告が行われたことは御存じのところだと思います。その要旨は、実態調査の結果、月平均一人当り二十五・五時間の超過勤務を余儀なくされているから、職員が十分に能率を発揮し得るような見地に立つて適正な超勤の割当を考慮しなければならない、こういうふうに書かれておるのであります。もちろんこの勧告の趣旨は体してやられておると思いますが、今までのところこれは十分ではない。この勧告の趣旨につきまして当局はどういうふうにお考えになつておるか、あらためてお尋ねしたいと思います。
  64. 正井保之

    ○正井説明員 その勧告をいただきました点につきましては、超勤予算の実態が実情におつついておりませんので、私どももできるだけその線に沿つように努力をいたしておるわけであります。来年度予算におきましても、実態に完全に合うところまで行つておらない点はまことに残念でございますが、この点につきましては、現行の給与制度からは認められておらないのでありますけれども、機械的な超勤の手当による措置ということを越えまして、制度として、たとえば現場手当といつたものがむしろふさわしいのではないかと考えて、努力をいたして研究しておるわけであります。
  65. 田中稔男

    田中(稔)委員 なおひとつ研究していただきたいと思います。調べてみますと、二十五年度の事業量が二十八年度には五倍になつておる、しかも二十五年度定員は二十八年度においては六割に減つておる、ちようど逆になつておる、こういうことではこれは非常な労働強化になるのでありまして超過勤務の時間が驚異的にふえておるのも当然だと思うのです。だから、今の現場手当その他をお考えいただくのもけつこうでありますけれども、大体こういう状態において今度百名の人を減らすというような計画は、非常な無謀な計画だと思う。そういう無謀な計画をあえてされようとしておる当局の気持がわからぬのでありますが、ひとつ御意見をお聞かせ願いたい。
  66. 正井保之

    ○正井説明員 ただいま予算人員関係お話がございましたが、予算の金額は、今の数字はそのようになつております。ただ物価等の値上りというようなことで、実は予算額のふくれ方がそのまま事業量の増大ではないわけでありまして、若干上まわつておりますけれども予算の数字そのもののような増加ではありません。なお人員整理等につきましても、現場のどうしてもさくことのできないところには、各管理部面とかそういつた部面に負担をしてもらうというふうなことで、できるだけ現場の負担の過重にならないようにということで努力をいたしておるわけであります。
  67. 田中稔男

    田中(稔)委員 それで、定員が足りないということで、自然これを補うために常勤及び非常勤の労務者を雇うということにもなるわけであります。これは各省各局において従来一般的な現象でありますが、農地局の場合にもそれを行われる、これは人事行政上はなはだおもしろくないと思う。どこでもやつているからしかたがないというお考えかもしれませんが、この際農地局の総務課長にあらためて一点お尋ねしたいと思います。定員を減らしてそれを労務職員で補う、こういう人事行政が一体正しいものであるかどうか、今後いつまでもこういう行政を続けようとなさるのかどうか、お尋ねしたい。
  68. 正井保之

    ○正井説明員 お話のごとく現在の事業所におきまして相当数の常勤労務者がおるわけでありまして、正規の職員に比べまして約八割程度おるわけでありますが、実質的には正規の職員とほとんどかわりのない仕事をやつておりますので、できるだけ正規の定員に繰入れることが必要だろうと思いまして、今後もその線に努力いたしたいと思つております。ただ現在公務員の資格試験等もありまして、中にはそういつた資格のない方もおりますけれども、できるだけそういつた線には努力して参りたいと考えております。
  69. 田中稔男

    田中(稔)委員 私は農地局関係でもう少し質疑がありますが、同僚松前委員が急いでおられますので、松前委員に譲りたいと思います。私の質問は留保しておきます。
  70. 稻村順三

    稻村委員長 それでは田中君の質問はまた松前君の後に続けることといたしまして、松前重義君。
  71. 松前重義

    ○松前委員 郵政大臣にお伺いいたしますが、事業増に伴う定員増一万何千名かの要求を大蔵省になさつた、こういう話を聞いておりますが、それはその通りでありましようか。
  72. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 その点は先般も委員会お尋ねがあつたので、その後私も確かめてみましたが、非公式にはそういう話合いをいたした段階があるそうでありますけれども、正式にそういう数字を確定的に事業増に伴う絶対必要量という考え方で折衝をしたのではないのであります。
  73. 松前重義

    ○松前委員 大蔵省と折衝されるときには当然省議を開いて御決定になると思うのでありますが、いかがでございましようか。
  74. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 従つてただいま御指摘のような数字は、省議の結果、これでひとつ省の意向として折衝するという数字ではないように聞いております。
  75. 松前重義

    ○松前委員 大分近ごろのやり方はかわつたと見えまして、昔は省議を開いて、省議で決定したものを大蔵省に持つて行くのが常でありましたが、何かやみでだれかがきめて、大臣の承認を得ないで持つて行くということになつておるのでございましようか。
  76. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 もちろん正式に折衝いたします場合には、省の意向をまとめてやりますから、従つてその一万何千名という数字で折衝いたしましたものは、正式折衝という段階のものではない、こういうことであります。
  77. 松前重義

    ○松前委員 しからば正式折衝とはどういう意味でありますか。
  78. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 おそらく正式に省議を開いて、これだけの人員は絶対必要だという段階になつて折衝しておるものをさしておるわけでありますが、そういうようなものが、どの段階で、どのくらいの数字で折衝いたしたかは私今承知しておりません。
  79. 松前重義

    ○松前委員 大体一万何千名の数字をお出しになりまして、大蔵省と御折衝になつたことは確実でありまするが、事業増に伴うそれだけの人員が必要であるというのであります。先日伺いますと、郵便にいたしましても、簡易保険にしても、年金にしても、大分事業が伸びております。貯金は少しばかり減退の傾向があります。けれども全般として事業が伸びておりますので、それに応じた最も事務的に、いわゆるサービスを落さないでやるのにはこれくらいだという定員が一万何千名だということであると私は思うのであります。そういたしますと、増員しなければならないにもかかわらず、それを六千六百名の減員をなさつたということによつてサービスの低下は当然であると思われるのであります。この点につきましては、先日来伺つておりまするが、御返答はおそらくサービスは低下させないという話であろうと思いますが、とにかくサービスが低下することは確実であります。そういたしますると、今回、二、三日前従業員組合より声明を発せられておりまする日曜日の配達の廃止の問題につきましては、サービスの低下の一つの現われのような感じがいたしまするが、当局はどういうふうにこれをお考えになつておるか、伺いたいと思います。
  80. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 一万何千名で大蔵省とどういう折衝をしたかということは先ほど申し上げた通りでありますが、ただこの機会に一言お断り申し上げておきたいのは、今度省としてどのくらいの増員を要求するかということは、整理の数、それから増員の数を別建にいたしておるわけであります。従つて整理整理整理があるということを前提に置いて、必要な業務量による増員ということを考えて大蔵省と折衝するという指示をいたしておつた。その結果こういう数字になつたわけでありますが、先般来の各部局への割当については、しばしば申し上げておりますように業務低下がない、低下してはならないという大前提で割当をしておりますので、業務量の増加、そういうような部面にはおのずから必要最小限の増員はいたしております。また第一線などにかりに減員の予定されておるところがありましても、それはやはり十分に検討いたしました結果、この程度の減員は合理的に納得できるというものにだけ減員をいたしておりますので、絶対にあの整理からはサービスの低下というものは出て参らない、また出て来てはならないというかたい覚悟と見通しとを持つていたしておるわけであります。  そこで日曜集配の廃止ということを全逓の諸君が考えておるということで、その事実があるのかないのかということをいろいろ検討しておつたのでありますが、やはり正式にはそういう意思の申入れがあつたそうであります。しかし私どもといたしましては、もちろんこれは業務運営の範囲のことでありまして、するかしないかは郵政大臣が決定すべき事柄であり、従つてこれをやめるという場合には、それに伴つて人員検討すべきであり、繰返し申し上げておりますように、現在の定員ではそういう日曜集配の廃止ということは全然考えておらぬ、廃止はせずにこれでやつて行けるという見通しであります。もしこれを廃止するということであれば、おそらくまた廃止という前提に立つてもう一度定員の再検討をすべきが理の当然であると考えておるわけであります。従つてそういうような全逓の諸君意見、見通し、手続というようなものはあつても、私どもとしてはもちろん聞いておいて、よく再検討するという考え方でおるわけであります。
  81. 松前重義

    ○松前委員 大蔵省に御要求になられました増員部分の一万何千名の内訳の問題は、先般郵政委員の片島君から質問がありましたけれども、その内容についてはまだお答えがありませんでしたが、おわかりでありましたらちよつと伺いたい。
  82. 宮本武夫

    ○宮本説明員 その点につきましては、今まだいろいろ調査をしておりまして、今お答えすることができません。
  83. 松前重義

    ○松前委員 調査をしないものを大蔵省に御要求になつたというのでありますか、伺いたいと思います。
  84. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、この数字は、郵政省の正式の省議として決定した数字というほどの正式のものでもないのでありまして、従つてこの内容についても、調べてお答え申し上げられる性質のものではない、こういうふうに考えておるのであります。
  85. 松前重義

    ○松前委員 年々休暇を二十日間与えておるそうでありますが、現在平均いたしまして郵政省全体の一人々々の休暇をとり得る権利は五十日程度あるそうであります。このようにいたしまして、もしも労働基準法に示されたる基準によりまして厳格にこれを計算いたしますれば、むしろ三万ぐらいを増員しなければ、非常な労働過重になるということは明確であります。労働基準法を改正すれば別でありますが、このような状態につきまして、労働過重にならないという何らかの根拠をお持ちであるか伺いたいと思います。
  86. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 これは労働過重という言葉を厳格に解釈するならば、仕事量が減らないもしくはふえておりますだけ人間がふえておりません場合には、そういうことになると思うのであります。私どもとしてはある程度能率を上げていただくという考え方でおるわけでありますから、ある程度の労働過重ということはあり得ると思うわけであります。しかしそれによつてサービスを低下することになつてはならないと考えておるわけであります。それからまた休暇が十分とれない、もしくは超勤が非常に多くなつておるという事情も私どもぼつぼつ承知しておつて、非常にやつていただいておる方に対しては感謝の念を持ち、かつ私としてはそういう状態を長くほつておいてはならないというふうに思つておりますけれども、何にいたしましても御承知のように、郵政の今の事業は人件費が七割以上も必要であるという状態なのでありまして、今御指摘のような事情を解消いたすということになりますと非常に大きな人件費等が出て参つて、今日の郵政事業の特別会計は結局料金の値上げというところまで行き得ませんので、なかなかそこまで踏切りがつかないという状態になつておるわけであります。しかし今後ともいろいろな方法を講じて、そういう面を善処して参りたいと考えております。
  87. 松前重義

    ○松前委員 問題は非常に算術的でありまして、その算術的な計算によつて出て来るものがこの休暇の五十日と、そういうふうなことによつて三万人の新定員を要求せざるを得ない、こういう計算になるのであります。にもかかわらずここに相当な減員をなさるとすれば、そこにサービスの低下はどうしても起らざるを得ない必然的な現象であると私どもは見るのであります。これをしも大臣は、この算術的に正直に出て来る数字に対してもなお、抽象的にサービスの低下はないと断言なさるのであるかどうか、お伺いいたしたいと思います。
  88. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 算術的に出て参りますいろいろな超勤とか、休暇がとれない部分とかの数字そのものが必要量にはならないと私は考えております。また仕事量の増加がそのまま人員の増というものと数字的にすぐつながるとも考えておらないのでありまして、要はそれらのものが、どこでそういう状態になつておるかということに密接な関係があると思います。そこで私どもといたしましては比較的そういう無理のあるとこるは整理をしない、さらに場合によつて増員をする、そうでないと考えられるところからなるべく整理人員を出して、そうして合理化に努めるという考え方をやつておるわけであります。従つてどもといたしましては、その想定に基いてまず本年度の割当人員整理して行く、そうしてその上にサービスを低下させずに業務がやつて行けるかどうかということを見きわめて、十分国会の皆さん方の御意思に沿うて行きたい、こういう考えでおるわけであります。
  89. 松前重義

    ○松前委員 もしこれを実行された場合において、サービスを低下させないでやつて行くことが困難であるという結論が出たときに、どのような処置をおとりになそか伺いたい。
  90. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 多少の困難は忍んでいただかなければならないということは繰返して申し上げておるのですが、しかし減員によりましてそれが絶対不可能な状態であり、そしてそれが不可能な状態増員をしなければならないのだという事情でありますれば、これは事の性質上、当然新しい定員増員を要求するということになると考えております。
  91. 松前重義

    ○松前委員 ただいまの大臣の御答弁は非常に抽象的でありまして、具体的に郵政事業のごときは完全に算術的に出て来る数字であります。それをどこかにしわ寄せするとすれば、労働の過重より道がないのであります。このことはこの定員法律を見ましても歴然たるものがあることは、これはだれが見ても明らかであります。この点について私どもはこの定員法によつては必ず労働過重に陥り、何らかの手を打たなければならなくなるということをここに断言せざるを得ないのであります。この点はただいまの御答弁によつてはどうしても満足しかねるわけであります。  次いで農林省にお尋ねをいたします。農林省における減員の中で、特に私どもが重要であると考えますものは農地局の関係——これは先ほど田中委員より質問をいたしました。それからまた研究所あるいは検査所の定員、あるいは農業試験場の定員、あるいは家畜試験場の定員を非常に減らしてあるのであります。試験場や研究所や検査所などの定員を減らすということは、詳しく申し上げるまでもありませんが非常に危険なことであり、技術の向上を妨げる要素となるのでありまするが、これに対しましてどういうわけでかような減員をなさつたか伺いたいと思います。
  92. 平野三郎

    ○平野政府委員 試験研究機関につきましては、政府としてはこれをますます重視せねばならぬ、こういう基本的な考え方を持つておる次第であります。しかしこれはただ人員を増加すれば足りるというものではなく、むしろその質の向上ということも重要な面でございます。従つてそういう点から予算的には、二十九年度予算におきましては特別の措置をいたしております。また昨年は非常な冷害がございましたので、これに対する試験研究関係を充実して行く必要があるということで、特に昨年の臨時国会におきましてはこのための試験研究機関の充実をはかつたわけでございます。従つてまた今回の行政整理におきましても、人的に申しましてもこれらの部面につきましてはその程度を甘くするという配意を行つておるわけでありまして、政府としては試験研究機関をつとめて整備して参りたい、かように存じておるわけであります。
  93. 松前重義

    ○松前委員 試験研究機関の整備を重要視しておるという話でございますが、どういう具体的な方法で重要視されたのでありますか。すなわちたとえば、人間をふやすばかりが能ではないという話であります。しからば今までの人が無能と言うわけではないが、今までの人よりも比較的能力の多い者をここに入れかえるということをお考えになつておるのであるか、それとも設備が非常に不完全であるから、設備を増すことに対して努力されるつもりであるのか具体的にそこのところをお伺いいたします。
  94. 平野三郎

    ○平野政府委員 この試験研究機関の整備につきましては、やはり設備を充実するということも必要でございますのでそういう点の配意を加えましたし、また特に昨年度の冷害にかんがみまして品種の改良ということが必要でありまするので、こうした試験研究費を増加いたしております。またこれがためには試験地をふやすという必要もありますので、特に北海道、東北を中心にして藤坂五号等に関する試験地の増加をはかるというような措置をとつておるわけでございます。また人員につきましても若干減らしてはおりますけれども、その率をなるべく少くするというような方途を講じておるわけであります。
  95. 松前重義

    ○松前委員 予算の数字の上から、抽象的でなく具体的に伺いたい。
  96. 武田誠三

    ○武田説明員 これは試験場その他たくさんございますので、一々こまかく申し上げますと長くなりますが、たとえば農業技術研究所でございますが、できるだけ機械化し得る部面につきましては、今までも機械化の方向で努力いたして参つて来ております。現在農業技術研究所の現定員は八百十名おりますが、このうち四十各を今度の整理で減員をいたしております。これの内容といたしましては、いわゆる研究そのものに携わつております研究員というものを、できるだけ整理をいたさない方針で、主として事務雇員でありますとかあるいは守衛、それから定農夫といつたようなところ、なるべくそういう方面を整理をいたしまして、実際の研究には支障のないようにということに努めておる次第でございます。
  97. 松前重義

    ○松前委員 統計調査部における地方統計事務所に対する査定相当に大きいのであります。統計というものは、ことに農業関係の統計というものは非常に重要であるし、これが一切の食糧行政その他の基礎的なものとなるのであります。県やその他から持つて来たものは信用ならないといつて、今まで御信用になつていない。農林省自体が御調査になつたあの統計事務所の調査を基礎として一切のものをおやりになつておられる。こういう重要なものであり、最も科学的な正直なデータを出して来る、これを減員いたしますれば、当然不正確な統計が生れるものであると思うのであります。この点につきまして相当の減員をしてあるのでありますが、農林省の御答弁を願いたい。
  98. 平野三郎

    ○平野政府委員 統計事務の重要性につきましては、まつたくお説の通り政府も考えておるわけでございます。あくまで統計事務は充実強化いたしましてこれによつて国政の基本といたしたい、こういう考え方で進んでおるわけでございますが、農林省の統計調査部は九・九%、やや辛い数字が出ておるわけでございますけれども、しかしこの程度の減員では仕事に支障は来さない、要するに仕事の運用によりまして適正を期して行きたい、かように考えておるわけでございます。なおまた、どうしても足らない、特にこれは非常に重要な時期に際会いたしましたような場合におきましては、常勤労務者あるいは非常勤労務者等の活用等も考えまして、統計の完璧を期して参りたいと思つておるわけでございます。
  99. 松前重義

    ○松前委員 統計の問題は非常に重要でありまして、これをお減らしになるということはもつてのほかであると思うのでございます。最も正確なデータの上に立つての食糧行政その他でなければならないわけであります。これを減らされるということは、まつたく科学的な統計を無視した結論が生れることをおそれるものでございます。そこで農地局の問題でありまするが、農地局におきまする減員は、これは先ほど田中委員からるる御質問がありましたけれども、ちよつと伺いたいのでありますが、災害の復旧その他で非常に農地局は忙しいのです。しかも今後における食糧行政の立場から、何しろこれが統計とともに基礎でなければなりません。これに対して、だんだん災害もふえるし、また今後における農地問題は重要視されなければならないにもかかわらず、これが減員されたということはどういうところに理由があるかをもう一ぺん伺いたい。
  100. 平野三郎

    ○平野政府委員 農地行政の重要性につきましては、これまたまつたくお説の通り同感でございます。従いまして今回の整理におきましても農地局の現場職員というものは、なるべく整理しないように特にその点配意を凝らしたわけでございます。昨年はお話通り非常に災害がございまして特に多忙をきわめたわけでございますが、従つて昨年におきましては、臨時に災害等においては他の部局から応援をするとか、あるいは地方公務員の方々の御協力を得るとか、いろいろなくふうをこらしたわけでございますが、この点につきましてはお説のような趣旨によつて配意いたしておるわけでございます。
  101. 松前重義

    ○松前委員 厚生省それから通産省の方々にお尋ねいたしますが、先ほど農林省の関係のときにお尋ねいたしました研究の問題です。各省におきまして研究の重要性については申すまでもありませんが、これに対して減員されておるほかの省の理由について伺いたいと思います。
  102. 岡部史郎

    ○岡部政府委員 一般的な試験研究機関の整理方針につきまして、事務的にお答えを申し上げますが、試験研究機関におきましては、それが十分な能率を発揮いたしますためには、管理部門よりは研究部門が十分充実するようにといこようなことが大事であると考えまするので、政府方針といたしましては、試験研究に従事する職員につきましては最小限度の整理方針——これは大臣からも申し上げましたように、このたびの行政整理におきましては整理を受けない部門はないという建前に立ちましてしかも試験研究部門につきましては、各省の試験研究機関を通じまして最小限度の整理率をかける。従いまして試験研究員につきましては、できるだけ実際の出血がほとんどないように、各省を通じて配意いたしております。従いまして試験研究機関の人員整理につきましては、管理部門におきまして、なお試験研究部門に比しまして過大な人員を擁しているというような向きがありまするので、そういう方面をできるだけ減らし、全体としては試験研究機関の機能を尊重し、その能率を発揮するよう、こういうような方針で、各省を通じて整理方針を立てた次第であります。
  103. 畠中順一

    畠中説明員 厚生省におきましても、研究機関の重要性につきましてはお説の通りでございます。ただいま行管の方から御説明がありましたように、この整理は事務職員を主といたしまして技術職員につきましてはきわめて少数の者にとどめておる次第でございます。
  104. 松前重義

    ○松前委員 行政管理庁長官お尋ねいたしますが、今度の定員法におきまして、総体といたしまして現業と非現業の問題について相当考慮を払われなければならなかつたであろうと思うのであります。現業は少くとも具体的に民衆と接するところでありまするから、そこに減員の余地はほとんどないはずであります。この意味におきまして、厚生省にしても、農林省にいたしましても、あるいはもちろん郵政省におきましても、現業に関する総体的な減員の問題につきまして大臣の御所見を承りたいと思います。
  105. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 一口に現業と申しましても、おそらくいろいろに考えようがあると思うのであります。そのうち特に国民大衆と直接接触する部分として、そこのところを減員すれば次に非常なサービス低下ということになつてはつきり現われて来る、そういうものが一番整理をしてはならないし、また整理困難だと考えているわけです。研究部門などはそういう意味から行きますと、若干感触が違うと思うのであります。しかし全体としてそういう部分整理率は非常に少く、特殊配慮をいたしております。それからさらにそういう部門のうちで先ほど申しました直接民衆に接触するような部分、そこのところを減らすということになれば、また事務員がふえておるのに人間をふやさないということになれば、これは明らかにサービスの低下になるというような部分は減員をやめる、もしくは増員を措置するようにいたしております。私も具体的に、一々どことどことをこういうぐあいに処置したということは今申し上げかねますが、私の所管いたしておりまする郵政などの場合も、たとえば第一線の部分整理の必要がかりにあつたものといたしましても、当然それはこういう理由でこれだけの者が整理されてしかるべきだというところであります。またそういう第一線の部分については、おそらく増員のついておる部分が非常に多いわけです。増員も、先ほど申し上げておる通り百パーセント十分にとは申し上げかねますけれども、最小限度に増員措置もいたしておるわけでありまして、御懸念のような部分については減員が業務にさしつかえるような結果は万ないものと考えておるわけであります。しかし見通しの問題でありますので、今年一年大体六割程度を一年にやつておるわけでありますが、やつた結果を見て十分また検討した上で、次年度からは善処したいと考えております。
  106. 松前重義

    ○松前委員 先ほども質問いたしましたように、もし現業におきまして、サービス低下を来し、あるいはまた仕事能率が著しく低下するようなことになつたといたしますれば——多分私どもはそうなると思うのでありますが、そのときにはどのような処置をおとりになるつもりであるかを伺いたい。
  107. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 繰返して申し上げておりますように、サービスを低下させてしまつては、実際整理をいたしましても意味ないことでありますし、また国民もそこまでは御要望になつておらないと思うわけであります。その意味において私どもサービスを低下させないという大前提において、なおこれくらいでむだを節約してやつて行けるのじやないかという考え方に立つておるわけであります。従つてほんとうにやつてみた結果、確かにサービスの低下になつてしまつた、しかもそのサービス低下になることが人員を過分に整理したことから来るならば、これはどうしたつて増員をしなければならないし、またそういうぐあいにいたしますことが、郵政事業を預かつております郵政大臣の私としては、当然の責務であるわけでありますから、その場合には謙虚な気持で検討いたして、増員が必要であるならば増員のことを考えたいと思います。
  108. 田中稔男

    田中(稔)委員 災害復旧事業に関する部分について伺います。昭和二十八年三月、行政管理庁次長の名前で、農林省の事務次官あてに、農業用施設災害復旧事業行政監察の結果についてという書類が出ております。それから昭和二十八年の七月二十五日付で、会計検査院長から農林大臣あてに、補助行政における支出負担行為についてと題する改善意見が出ております。それから昭和二十八年八月一日付で会計検査院事務総長から、農林省の事務次官あてに、災害復旧国庫補助事業における不当工事の発生原因及びその対策についてという書類が出ております。この三つの書類は、いずれも不当工事について非常に厳重な指摘をしておる。この三つの書類に共通な点は、工事について国庫の補助をする、その場合に現地査定を厳格にやるというようなことをうたつてある、現在一般に行われているところによりますと、大体二割程度がほんとうに現地査定が行われている、あと八割程度は机上査定によつておる、それは結局こういう査定事務に従事する職員の数が少い、つまり手がまわりかねておる、こういうことであると思うのでありますが、政府におきましてはこういうものを、会計検査院その他から来た勧告あるいは警告の趣旨を尊重されると思いますが、それについて御見解お尋ねしておきたい。
  109. 平野三郎

    ○平野政府委員 お話通り農林省の所管であります農地の災害復旧事業につきましては、いろいろ失当の点が多いという御批難をいただいておりますことはよく承知しておるわけでございます。会計検査院の批難事項等も、農林省は非常に多くなつております。これはお話通り農地災害復旧事業は特に昨年は多数にあつたというようなことのために、これの査定等について、十分手がまわらなかつたということは事実でございます。特に国会におきまするところの特別立法の関係等からも、ごく少額の工事に対しましても査定をしなければならぬというようないろいろな関係から、こういう事態が起つておることは、政府といたしまして遺憾であると存じておるわけであります。従いまして何とか適正な方途を講じまして、かかることのないようにいたさなければならぬということで、ただいまいろいろ研究をしておるわけでございます。
  110. 田中稔男

    田中(稔)委員 今次官も認められましたように、災害件数が二十六年度で六万八千幾ら、二十七年度は四万、二十八年度が九万八千幾ら、この過去三箇年の平均数をとりますと、七万に近い災害が発生しておる、それについて査定事務その他に当る職員の数は、専門家がわずか三十名で、応援を加えましても四十名にすぎない、これではとうてい満足な仕事ができない、金額にしても災害復旧費が二十八年度の新規災害の部分は六百八十三億円に達しておる。これを四十で割りますと一人が二億近い金額を受持つということになるのであります。人手が足りないために現地査定も十分できないということになつて、国費の効率的な運用が行われないことになりますと、たいへんな国費の濫費ということになる。こういう点は平野政務次官も十分御存じだと思いますが、あらためて御見解を承りたいと思います。
  111. 平野三郎

    ○平野政府委員 ただいまの点はまつたくお話通りでございまして、今の陣容をもつていたしましては、とうてい正確なる査定を期することは不可能でございます。しかしながらこれは若干人を増員するというような程度をもつてしては、とうてい解決を期し得られない問題でありますので、災害補助に関する機構をこの際根本的に改正いたしたいということでただいま検討しておるわけでございます。これはどうしても都道府県にある程度責任の所在を明らかにするという方法を講じ、いわゆる間接補助の制度を確立するということが必要であるということでただいま立案をいたしておる次第であります。できますれば今国会で御審議を願いたい、こういうことで準備を進めておる次第でございます。
  112. 田中稔男

    田中(稔)委員 さらに少し調べたところを申し上げますと、現在一人の職員が一年間にやらなければならない事業量というのは、計画概要書の査定四百五十箇所、設計書の審査四百五十箇所、事業地区の調査二十七、竣工検査十八、こういうような数字になつております。専門家でなくても、この数字を見ますと、とても完全な仕事ができないということは常識でわかる。その結果過労になる。従つて仕事は粗漏になる。復興事業が円滑に行かない。国費の濫費になる。こういうことであります。中には結核で倒れる人もずいぶんあるということであります。今政務次官は、これはどうも人をふやしただけではいけないのだ、機構改革をあわせて考えたい、こういうお話でありますが、これは非常にけつこうな話で、大体今度の定員法改正は、行政機構改革と表裏して、ほんとうに科学的な根拠のもとに行われるものではなく、まつたく便宜主義、天引き整理をやられておるということは、各党の委員がひとしく追究しておるところであります。今の政務次官のお話は、その点において非常にいいと思う。ただしかしそれは研究しておる。今度のこの定員の削減、農地局のこういう査定に当る人の数を減らす。減らさなくても非常に少い。こういう数で仕事をやるという建前でこれは御提案になつておる。機構改革とあわせてはつきりお示しいただくならば、われわれとしてもまた考える余地がある。ただ定員改正だけを御提案になつたので、われわれとしては非常に不満がある。まあしかし、これについては私は意見を述べることにとどめまして、あえて御答弁は煩わさなくてもいいと思います。私の質問はこれで終ることにいたします。
  113. 稻村順三

    稻村委員長 この際休憩いたします。     午後五時三十五分休憩      ————◇—————     午後七時十六分開議
  114. 稻村順三

    稻村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。平井義一君。
  115. 平井義一

    ○平井委員 内閣委員会委員の気持を、私から大臣に最後に御質問申し上げます。  このたびの行政整理で、六十九万四千五百四十七人を六十三万三千四十九人にする、約六万人の人間が整理されるのでありますが、塚田長官としまして、この整理を実施した場合、業務の激増等によるところの、実施が困難な状態が起つた場合に、この処置をどうなさるか、この点を一点お聞きいたします。
  116. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 本年二十九年度に実施いたします分につきましても、必要の最小限は、増員各省それぞれいたしておるわけであります。しかし、お尋ねのように、これは見通しの問題でありますからしてどこかの省、どこかの部局に非常な業務の増が出て来たということであれば、これは何とかして措置をしなければならぬ。ただ年度の中途におきましては、予算等の関係がいろいろある思うのでありますが、とりあえず予算のわく内で最大限の措置をしておいて、次の最も早い機会に必要な予算措置をして増員ということになると考えております。
  117. 平井義一

    ○平井委員 大臣の御答弁で、大体その誠意はわかりましたし、先ほどの高瀬委員の質問に対する答弁のときに、減員が非常に困難な場合は誠意をもつて善処すると、こういうことを申されたのでありまするが、御承知のごとく、給与は予算ですでに決定を見ておる。しからば人件費の不足な場合にはどういう処置をとられるか、私は現業に働いている諸君は、予算の中での処理をぜひしてもらいたい。昭和二十九年度特別会計の予算総則の中の第十条に、「財政法第三十三条第一項の規定に基き、下記各特別会計においては歳出予算の各項の経費を彼此移用することができる。資金運用部、外国為替資金、厚生保険、国立病院、食糧管理、国有林野事業、アルコール専売事業、郵政事業、労働者災害補償保険、失業保険及び特定道路整備事業。」とあり、こういうものに関しては物品費から移用できるということが述べてありますので、ひとつこれを運用されて、困難な現業に携わつておる従業員諸君の中からでき得る限り出血のないように、また事業に支障を来さぬようにしていただきたい。郵政省の方は御承知のごとく現業でありますから、郵便物が一日滞つてもたいへんであります。国民と密接な関係があるのでありますから、一日としても現業に従事する人間を欠かすわけには行かない。しからばこういう現業に携わるところの従業員に対しても、何とか省内の金とかあるいは予備金等の処置によつて従業員の出血の出ないように、あるいはまた郵政事業という重大な任務に支障を来さないようにする考えはあるかどうか。減員が困難な場合、事業の激増でどうも人員を減らすわけには行かないというような場合においても、ぜひとも予算のわく内において操作をお願いしたい、こう思うのでありますが、大臣はどうであるか。(「それなら反対しろ」と呼ぶ者あり)社会党の川島君は反対しろと言いますけれども、自由、改進、日本自由党の三派の協定によつて予算はすでに通過をしている。この際において与党たる私が大臣に申し上げるのでありますから、大臣も信念を持つて誠意を持つて答弁をお願いいたしたいと思います。
  118. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 お尋ねの点につきましては、当年度におきましては、予算のわくと、それからして総則その他で許される範囲内において処置いたしたいと考えております。また明年度以降について、本年度分の整理の割当てが非常に無理であるという事態が発生いたします場合には、明年度予算において十分善処いたしたいと考えております。
  119. 平井義一

    ○平井委員 本朝の新聞に出ておりましたが、郵便配達が日曜日は休む、こういうことになりますならば、国民は非常に迷惑をするのでありますから、この点も十分お考えを願いたいのであります。同時に御承知のごとく各省の首脳部と組合とがもう少し意思の疎通をして首脳部は納得したが、組合が納得しないというようなことのないように、十分案をつくるときに納得をさして、これなら、大体事業にさしつかえなかろう、現業にさしつかえなかろうという線において今後機構改革なりあるいは整理をやつていただきたい。そうしなければ私どもといたしましては、あるいは現業にさしつかえる場合は政府に対して相当な要求をしなければならぬ。この点も十分大臣には考えられたことと思いますけれども、今後に無理のないように、円滑に処理できるような方針で進んでいただきたい。待に郵政は大臣が所管でありますから、心苦しい点もありましようけれども、郵便配達が休むというようなことのないようにくれぐもお願いをし、また大臣の信念をもう一度お聞かせ願いたいと思う次第であります。
  120. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 今度の整理は先ほど申し上げましたように、日曜集配を休まなければならないという整理には絶対なつておらないと考えておりますが、なおよく当会員会における御質問の趣旨、またはただいまの平井委員の重ねての御質問の趣旨を体して善処いたしたいと考えております。
  121. 田中稔男

    田中(稔)委員 関連して。大臣は今度の新しい定員の改訂を行われたが、新しい定員で日曜日に郵便の集配をやめるというような事態は起らないというようなお話がありました。しかし私の聞くところによりますと、郵政省関係当局の中には、全逓の組合に対しまして、人がだんだん減つて行く、仕事にさしつかえるあるいは休暇も十分にとれない、超過勤務も非常にふえるというような事態を考えて、むしろ日曜日の郵便の集配はやめるようにしたらどうかというようなことをかつて漏らされた、ということを私聞いているのであります。私はこれはほんとうだろうと思います。現在は私はそういう心境じやなかろうかと思つております。ただ大臣の督励もあつてそういうことは口にしたくても口にできないというような非常にデリケートな心境だろうと思います。大臣はそういう点を御明察になつておるかどうか、ひとつお尋ねしたいと思います。
  122. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 私の承知いたします範囲では、省内でそのような問題を取上げたことばまつたくないのでありますが、御想像をいただいてもわかりますように、日曜集配をやめたからといつてどういうところの人間をどのくらい削れるかということをお考えいただけば、今の行政整理によつて予定されている整理と、日曜の集配をやめることによつてその整理の困難なのが困難でなくなるという事態とは、全然つながりが出て来ないと私は考えるわけであります。かりに日曜集配をいたしました場合に、どういうぐあいの人員の構想が出て来るだろうかということを非公式に部内の者に意見を確かめて見ましたところ、もう千五、六百人の整理ができるだろうということを申しておりました。これは正確に最終的に見通した数字ではありませんが、そこでその千五、六百人の人間がかりに余つた場合に、ほかに振り向けるということもなかなか困難であります。どのように考えましても、この問題と今全体の整理の困難である困難でないという問題は、これはつながりがない問題でありまして、私は日曜集配をやるかやらないかということを検討するならば、人員整理という観点と別個の観点から、これをやめても別に国民大衆、利用者、郵便を必要となさる方に御不便でないということであればやめてもいいかもしれない。そしてそれによつて千人でも千五百人でも整理できる人間があるならば、これもけつこうかもしれないけれども、そういうことは考えられない。また国民がそれを要求にならないというときには、その観点から人員整理ということを私は考えるべきでないと考えております。
  123. 田中稔男

    田中(稔)委員 きのうの各新聞紙の夕刊を見ますと、全逓の中央執行委員会でいよいよ日曜の郵便物の集配をやらないということを言つております。あるいは本日あたりに当局との団交においてそういうような話が出たのではないかと思いますが、いよいよ日曜日における郵便物の集配を中止されることになりましたら、これは国民に対するサービスの低下でありますが、その責任は今度の人員整理をポつた政府当局にあると思います。その責任について郵政大臣として、行政管理庁長官としてどうお考えになりますか。伺つておきたいと思います。
  124. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 全逓の正式の代表者から正式の申入れとして、ことに団交の形式においての申入れを受けたようには承知いたしておりません。ただ先ほどもちよつと申し上げましたが、本日どういう形であつたか、一応そういうものの考え方をしているということは、ちよつと話があつたそうであります。それに対して郵政省といたしましては、人事部長命でそういう事態になるならば、これは重大であるから警告を発しておいた次第であります。私は今の整理でそういう事態が起きなければならない必然性があるとは思われませんので、そういう理由のない事情によつて、そういう事態が発生して参りますならば、当然しかるべき措置をとらなければならないと思つております。
  125. 稻村順三

    稻村委員長 これにて質疑は終局いたしました。  この際郵政委員会電気通信委員会及び厚生委員会よりの、ただいま審議中の本案に関する修正意見の申入れを御報告申し上げます。   昭和二十九年三月二十七日      郵政委員長 田中織之進    内閣委員長稻村順三殿   行政機関職員定員法の一部を改正する法律案修正に関する申入れの件  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案修正に関し、別紙の通り申入れる。    行政機関職員定員法の一部を改正する法律案修正に関する申入れの件  目下貴委員会において御審議中の「行政機関職員定員法の一部を改正する法律案」に依れば、郵政省定員は現在に比し三、一四四人を減ずることとなつているのであるが、   一、郵政業務は逐年著しく増加しつつあるにかかわらず、之に対応する定員措置は甚だ不十分にして現に従業員一人当り平均四十六日に及ぶ年次休暇の堆積がある現況である。   二、一方施設面においても未だ十分ならざるものがあり、現に国会毎に郵便局の設置の請願が多数に及び審査の結果必要性を認めて採択したものは終戦後百二十八件に及んでいるにかかわらず、その大部分は実現されていない。その他各郵政局において設置の必要を認めながら実現を見ないものが、約千三百箇所に上つている。従つて現在の定員数においてもなおかつこれらの要望に応ずることが困難である。   よつて委員会としては、今回の人員整理に当つては、特に郵政事業の公共性と特殊性とにかんがみ、他官庁に比し特段の考慮を払うべきものと認めるので、右法律案の御審議に当つては貴委員会の善処を要望する。   昭和二十九年三月二十七日    電気通信委員長 成田 知巳    内閣委員長稻村順三殿   行政機関職員定員法の一部を改正する法律案修正に関する申入れの件行政機関職員定員法の一部を改正する法律案修正に関し、別紙の通り申入れる。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案修正に関する申入れの件   目下貴委員会に於いて御審議中の「行政機関職員定員法の一部を改正する法律案」によれば、郵政省定員は現在に比し三、一四四人を減じることとなつているのであるが、昭和二十九年度一般会計予算内容並びに電気通信委員会に於ける政府答弁を総合すれば右減員中には郵政省電波監理局、電波研究所及び地方電波監理局における減員として昭和二十九年度二三〇人、同三十年度八七人、合計一二七人が包含されているものと解される。  然しながら、   (一) 最近に於ける科学技術の進歩により、電波の利用は、近代国家社会の諸活動の上に欠くことの出来ない地位を占めるものであうて、これに伴い、電波監理行政は益々枢要の度を加えつつあること   (二) 電波の性質上、国際的及び国内的に強い統制が必要であるのみならず、高度の技術的要素をもつ行政である関係上、電波行政はきわめて複雑多岐にわたり、かつ多分に現業的性格を帯びる行政であること   (三) 電波行政の対象たる無線施設は年々激増の傾向をたどり、無線局、利用周波数、無線従事者の数はいずれも最近四年間に、それぞれ二・八倍、二・三倍、五・二倍に及ぶ増加を示している結果、無線局の検査、電波監視、受信障害対策、無線従事者検定の各業務はいずれも著しい業務量の増加を来していること   (四) 電波科学は、無限の将来性を有し、且つ近代科学技術の粋ともいうべきものであつてこれが研究を推進することは、国家喫緊の要事であること  等の理由により、わが国としては、電波監理行政は極力これを重視しこれに必要な要員はいよいよこれを拡充強化しなければならないものと思われる。   しかるに実際においては、郵政省定員算定に際し、前に述べた事務量の増加に伴う当然の必要人員最少限およそ二〇〇名の増加が顧みられていないばかりでなく、今回提出の「行政機関職員定員法の一部を改正する法律案」においては、電波行政の実情を無視し逆に二一七名の減員を行おうとするものであつて、これを実行する結果は、国として最重点をおくべき電波行政を弱体化し、関係職員の負担過重を招来することは想像に難くない。   よつて委員会としては、さきに第十七国会において貴委員会に申し入れた電波行政機構拡充強化に関する決議のごとく、郵政省電波行政職員については、むしろ増員を必要とする現況にあると認めるので、右法律案の御審議にあたつては、この点に関し特別に配慮されるよう、貴委員会の善処を要望する。     厚生委員長 小島徹三   内閣委員長稻村順三殿   行政機関の職員定員法の一部を改正する法律案修正に関する申し入れの件  目下貴委員会において御審議中の「行政機関職員定員法の一部を改正する法律案」中左記の通り修正せられんことを申し入れる。  一、昭和二十九年度一般会計予算が修正決議された結果国立療養所一、〇〇〇床が増加されることとなつたにかかわらずこれに必要な定員を顧慮せずして現行定員を減少すれば職員を過労に陥れ、ひいては患者療養並びにサービスに支障を来すおそれがある。  よつて国立療養所一、〇〇〇床増床に伴い必要な定員を確保するため行政機関職員定員法の一部を改正する法律案第二条第一項中厚生省定員四二、九三三人を四三、三三三人に修正を行うこと。  二、引揚援護庁の業務は、旧軍人の恩給申達事務、未帰還者の調査究明事務等臨時的業務であり、その事務の完了に伴い、これに従事している職員は四年間に逐次整理されることとなつているのであるが、これらの職員に対しても臨時待命の機会を得せしめるため同法の附則に所要の修正を行うこと。 以上であります。  これより討論に入ります。討論の通告がありますから、順次これを許します。平井義一君。
  126. 平井義一

    ○平井委員 議題となつておりまする行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対し、自由党を代表いたしまして要望を述べ、賛成の意を表するものであります。  そもそも戦後複雑厖大化した政府行政機構簡素化をして、わが国にふさわしい行政体系を樹立し、行政費をできるだけ縮減して国民の負担を軽からしめるとともに能率化をはかることは、国民の要望にこたえる自由党の政策の一つであります。これまでしばしは実現に当つたのであります、このたび政府が本法案を提出して、全行政府にわたつて定員整理を行うのも、国民の要望にこたえんとする処置であると思うのであります。  世界情勢並びに経済危機の関頭に立つたわが国として、行政規模を定立し、行政費の節減を断行して、国家経済の振興に寄与する目的をもつて提案をされた定員整理は、実に重大なる意義と使命を有するものと思うのであります。政府は当初全面的な機構改革に伴つて行政整理を考えていたようでありますが、諸般の事情によつて定員整理のみ提出をいたしたのでありまして、これは遺憾とするところであります。現在の六十九万四千五百四十七人を六十三万三千四十九人に整理をし、この整理によつて百五十億の節減となることに対しましては、私どもといたしましても国家経済の節減ということにおいて同感であります。政府といたしましても配置転換対策本部等を設けまして、無理のないように、円滑にこの整理を行わんとしておることも見受けられるのでありますが、行政事務は行政府責任において遂行さるべきものでありまして、その方針、処置等につきましては万遺憾なきを期すべきであると思うのであります。この意味におきまして、三月十六日以来連日審議を重ね、人事、農林、経済安定、郵政、電通各委員会との連合審査も行い、十分に審査をいたしたのであります。この審査の結果、その過程においてはいろいろ議論をされ、中には傾聴すべきものも多々あつたのであります。特に現業に働く従業員に対しては国民に迷惑のかからないように、また予算に異動を来さない範囲において何とか処置をしていただきたいということは、先ほど大臣に申し上げた通りであります。この点を特に行政管理庁長官といたしましては十分考慮していただき、将来この整理に対して無理のないように、これを円滑に運んでいただきたいことを特に要望いたしまして、賛成の意を表するものであります。(拍手)
  127. 稻村順三

  128. 高瀬傳

    高瀬委員 私はただいま上程されておりまする行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対しまして、改進党を代表していささかその討論を行わんとするものであります。  われわれは去る三月十六日以来この法案の慎重審議にあたつて参りましたが、遺憾ながら私の感じました点は、総予算は三月三日に通過いたしまして、この定員法の一部改正法律案が本委員会に付託されましたのは三月の十日であります。もちろん種々事務的な手続もありましようが、国会自体の権威から申しますと、当然かくのごとき各省定員に重大なる影響を及ぼし、これに従事するところの職員の利害休戚に重大なる関係のあるこの定員法の一部を改正する法律案のごときは、当然政府として事務的に予算と並行審議を行うべきものでありまして、この点総予算が三月三日に通り、三月十日に本法案が委員会に付議されたことは、私の最も遺憾とするところであります。特にこの審議の過程におきまして、われわれは先ほど平井君も言われましたように、行政機構改革とこの定員法の一部を改正する法律案内容が、はつきりと関連性を持つておらないということが私が行政管理庁長官に質問した際に明らかにされたのでありまして、この点はまことにわれわれとして遺憾とするところであります。この法案の中には種々重要なる項目が含まれておりますが、特に私の注意を喚起いたしましたのは、いわゆる人事院を人事委員会にした点、しかもその内容については、この人事院の重要性にかんがみましておそらく内容的にはあまり変化はしておらないと思いますが、これは内閣より独立しておりますところの人事院定員を一般官庁の内閣の中に入れて、いわゆる定員法の中に規定せんとする意図から出たものと私は解釈いたしますが、特に人事院が、公務員法によりまして公務員のいわゆる団体交渉権を代表しているような重大な地位にあり、しかも給与の問題あるいは罷免事項に対するところの審議権の問題というような重大な権限を持つておりまする関係上、私どもはこの人事院の存在を全体の公務員の権利のために非常に重大視いたしておりますが、単に定員法の中に入れてこの人事院職員を規制せんとする意図で何ゆえに名前をかえるか、たとえば人事院を人事委員会にする、しかも当局に説明によれば内容はかわつておらないという話ではありまするが、かくのごとく重大なる職責を持つている人事院の名前をかえて人事委員会、しかもそれは単にこの定員法の中にこれらの職員を入れる目的であるというような状態では私どもは実ははなはだ満足しかねる点でありまして、これらの点について政府から積極的な説明がなかつたことを私は非常に遺憾といたしております。特に待命制度のごときは、本年はあの方法で確定いたしておりましても、明年はこれをいかにするかという点について、本委員会において本日の総括質問において辻委員によつて初めて明らかにされたごときは、政府がこれらの重要な法案に対して積極的に国会にこれを説明し、了解を得る努力の足りなかつた点において、私はこれまた非常に遺憾に思う点であります。  なお現業の、たとえば電波監理委員会であるとか財務部定員であるとか、あるいは郵政省定員であるとか、農林省の現業定員であるとか、これらについて必要以上に非常に風当りが強い。従つて真に国民大衆に最も接近した業務を行うものが、非常にそのサービス低下を来すがごとき定員整理を見ておりますることをわれわれはまことに遺憾とし、この点は切に政府注意を促した次第でありますが、これにつきましても、ぜひとも先般私の総括質問において塚田大臣言明されました通り、必ず誠意責任をもつてこれらの問題を政治的に善処されんことを私は要望する次第であります。  これらの点は、ただいま稻村委員長よりるる御報告がありましたように、各委員会より要望がありました点を見ましても十分明らかな点でありまするので、ぜひとも政府において善処されんことを希望いたします。  なおこの際私がこの審議にあたりまして特に感を深くいたしました点は、いわゆる事務当局労働組合との関係であります。実は私どものところへ、この審議が始まりましてから、各官庁労働組合の代表の諸君がしばしばお見えになりました。しかもそれらの説明あるいは要望を聞きますると、まことにもつともな点もあります。しかしながらいやしくもこれらの問題は、たとえば郵政省に関しますれば塚田郵政大臣の監督している範囲内において、これを政治的に、事務的に合理的に解決されまして、この労働組合要望その他についてもう少し円満なる行政処置、政治的処置ができないものか。私は労働組合諸君にもその点を要望したいのでありますが、私の討論の範囲外になりますから、これはやめますけれども、ぜひとも各省におきまして、あるいは例をあげれば郵政省におきましても、これらの労働組合要望あるいは立場というものについて、事務当局もあるいは主管大臣もよくこれを検討されまして、十分これを指導されて、これらの問題を国会まで労働組合の代表が直接持ち込まないように、今後ぜひとも御指導を願いたい次第であります。  以上簡単に所見を開陳いたしましたが、全体的に本年度のいわゆる一兆億以内の緊縮予算にわれわれは賛成いたした建前上、この政府によつて提案された定員法改正については種々遺憾の点はありますが、総括的に私どもはこれに賛成の意を表する次第であります。
  129. 稻村順三

  130. 飛鳥田一雄

    ○飛鳥田委員 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程されております行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対し反対の意を表さんとするものであります。  まずその第一の理由といたしましては、本法案が日本の急速な軍事体制を確立しようとする吉田政府行政整理だということであります。すなわち吉田政府は、昨年までは再軍備はいたしません、自衛力は経済の許す範囲でいたしますと、ばかの一つ覚えのように繰返して来たのでありますけれども、昨年秋以来、アメリカ側からの防衛軍要請に対し、遂にその口頭禅をなげうたなければならなくなつたのであります。すなわち池田特使をワシントンに派遣し、MSA交渉を進め、これを事前に国会に諮ることなく締結したのであります。あらためて申し上げるまでもなく、MSA協定は戦力を放棄し、平和を誓つた日本国憲法を蹂躙し、再び軍国日本をつくろうとするものでありまして、国是の方向転換であり、国民の意思を無視し、国会を軽視して行うべきものでないことは申し上げるまでもありません。防衛力を増強するためには、いわゆる耐乏予算、ここに耐乏予算から生活諸物資の騰貴にもかかわらず、公務員の給与の引上げを犠牲にし、あまつさえ首切りを行わなくてはならない根拠が発生して参つたのであります。吉田政府の対米イエス・マン外交の当然の帰結でありましよう。すなわちこの法案はかかる米国の安全保障のための一環としての日本の軍国主義化の過程に立つものとして、これを観察することができるのでありまして、われわれはこの法案に断じて賛成することができないのであります。  第二の点といたしましては、われわれ勤労者は、今まで常に重税に苦しめられて参りました。政府の口にする減税は、単なる税法上の減税にすぎず、現実には年々国民一人当りの税負担はふえるばかりであつたのであります。賃金や所得は物価の上昇に追いつくことができない。今や国民はほんとうに食うや食わずの状態であります。ところが保守党の諸君は、この点は少しも省みることなく、国民の食うべきものを食わずして納入した税金は、造船疑獄を初めとして、政府高官のふところに流れ込み、湯水のごとく使われている現状であります。今やこの現状に対し、国民は保守と革新とを問わず、はげしい怒りを爆発させている。政府はこの素朴なる国民の怒りに対し、定員法改正して、公務員の整理を断行し、これにこたえようとするつもりなのでありましよう。私たちはこんなに自粛してやつております、こういうふうに御主張になりたいのでありましよう。しかしそれならば、なぜ政府はもつと大きな国民の声に耳をかさないのか。戦争はごめんだ、再軍備は反対だと言つて、ビキニの死の灰に恐れおののいている国民の声に全然耳をかさない。歳出予算額の四分の一にも当る防衛関係費を計上して、国民生活の向上に資する経費を実質的に削減しているのはなぜか。その上——これはあとで詳しく述べるつもりでありますが、今回の定員法改正は、一口に言えば下級官吏のみの整理であり、第一線官吏の労働強化でありまして、自己の浪費、自己の失政を再び労働者の上に転嫁し、もつて一般善良なる国民を欺瞞せんとするものであります。結局するところ、かかる吉田政府行政整理こそ化けそこねたたぬきとまつたく同様のものでありまして、むしろ国民の真意に反するものといわなければならぬのであります。その証拠として、今一つの事実をあげましよう。すなわち行政整理を真に誠実に行わんと欲すれば、それは必ず徹底した行政機構改革を伴わなければならぬということであります。このことは、本案審議の過程において保守党の皆さん方すらが主張せられたところでありまして、あらためて論証する必要はないと信じます。官僚のセクト主義、なわ張り主義、封建主義がいたずらに行政機構を厖大化させておる事実、これは吉田さんも先刻御承知のはずであります。政府がもし日本国民の真の公僕としての心構えで行政整理に携わつておられるのならば、なぜこの根元にメスを加えようとせられないのか、なすべきことはたくさんあります。なぜ各省機構を再検討し局部課の整理をしないのか、複雑化する法令を整理して認可許可事項を簡素にしないのか、なぜ行政事務が二者以上にわたるものを再検討しないのか、事務の重複をなぜ避けないのか。それとも吉田内閣は自己のいすを保存し、子分をつくることのために、局部課長のいすが多い方が便利とせられるのでありますか。すなわち今回の行政整理行政機構改革を伴わぬところに、この整理が真に国民の素朴なる要求に沿つたものではない証拠があるのであります。化けそこなつたたぬきのしつぽはここに歴然と現われておるのであります。このような意味で、私たちは本案に断じて賛成することはできないのであります。  第三点といたしましては、私たちもはこの法案の内容を少しく検討してみなければならないと考えます。しかしその一々について私たちが個々に当りますことは、時間をとりますので省略をいたしますが、ただここでお考えをいただきたいことは、他の委員会、すなわち大蔵委員会、電通委員会郵政委員会厚生委員会等あらゆる委員会から、いろいろな申入れがやつて来ておるということであります。これはすなわち、現実の事実をよく直視せられたこれらの委員会が、本行政整理がいかに無理なものであり、いかに下級官吏の労働強化を伴うものであり、サービスを低下せしめるおそれがあるかということを承知せられておるその証拠であります。これらの各委員会は、保守党の方々も含めて全会一致でこの申入れをして来られたのであります。(「その通り」)この申入れを拝見いたしますと、私たちは、本委員会においてこの行政整理に賛成をせられておる皆さん方と、この行政整理に反対をしておられる保守党の皆さん方と、いずれをとつてよろしいやら迷わざるを得ないのであります。こういう点は本委員会質疑の中にも十分現われて参つたのでありますから、詳述は避けます。ただ一、二の例をあげてみますならば、大整理によつて最も出血の多いものの一つは郵政省であります。すなわち同省の定員は、昭和二十八年度において二十五万五千二百五十五名、それが本法案によりますと、二十五万二千百十一名、差引三千百四十四名の減員となつておるのでありますが、これに反して事務量は、内国引受け第一種郵便物だけを例にとつてみましても、昨年度は四千三百六十三万四千通の増加となつておるのであります。また東京中央郵便局は定員数約二千五百名、常時雇上げの非常勤職員約百名で業務を遂行しておりますが、郵便物の増加は、昭和二十六年度から昭和二十八年度までに約五割の増加を来しております。一方定員の面はというと、すでに数百名を減らされている始末であります。その上にまた大行政整理案がやつて来ようとするのであります。一体これで事務の処理が完全に行えるというのでありましようか。郵便配達員は午前七時半に出勤をいたしまして、自己の受持区域を配達完了して帰局いたしますのは普通午後五時半から七時ごろになつているのであります。何と驚くなかれ一日平均十時間ないし十一時間の勤務を行つている。それも一日だけというのならばいざ知らず、毎日々々そのような勤務を繰返しているのであります。その上に本法案が通過いたしましたならば、一体この人たちはどういう事態に落ち込むでありましようか。郵便物の日曜配達停止などということは当然起つて来るでありましよう。国民の声にこたえるはずの本法案が、国民に対するサービスの低下となつて現われて来るのであります。また大蔵省財務局を見てみましても、同局の整理人員は五百七十五人となつております。ところがこの財務局の事務はどうなつておるか。この場合にも、驚くなかれ同局は、いまだに税として物納された財産四万件のうち、約半分しか処理し終つていないのであります。税として物納された財産は国家のものであり、一刻も早く処分して、これを有効に使用すべきことはもちろんでありますが、定員を増して処理するどころか、逆に減員となつているのであります。さらに国税庁の一千九百五十二名の減員については、もういまさら申し上げません。納得のいく納税どころか、ますます国民の意思に反した押しつけ納税がやつて参りますことは当然であります。  以上私は数例をあげたにすぎないのでありますが、本法案は、その内容においてかくのごときものを含んでいるのでありまして、私たちはとうていこれに賛成をすべき筋合いではないのであります。  次に第四点といたしまして、私は本法案が行政職員労働強化をもたらすものであるということを指摘しておかなければなりません。すなわち、各行政機関の事務量の増加は何人も争うことのできない事実でありまして、さすがに政府もこの事実を認めつつ、事務の簡素化合理化によつて能率をあげると説明をせざるを得なかつたのであります。しかし簡素化合理化にも限度があります。先刻申し上げましたように、機構改革を伴わない簡素化合理化というものは、一体何を意味するでありましようか。帰するところ、それは労働者の労働強化あるいは定員を定時的に配置される非常勤労務者に振りかえること以外には意味がないのであります。現にこの委員会において自由党の山本正一委員の、事務簡素化合理化の具体策を示せ、こういう質問に対し当局は、何ら答うるところを知らなかつたという事実がこれを証明いたしております。また郵政省職員の年次休暇保有日数がすでに四十数日に及んでいるという事実も、これを端的に示すものであります。結核罹病率の増加等々をあげて参りますれば切りがありません。むしろこの際、定員を増加することこそ賢明な策ではないでありましようか。汚職に流れる金、再軍備に使われる金、それらこそ、今国民に対するサービスに使わるべきであります。また公務員と何らかわらない仕事に従事しながら、何ら公務員としての恩典に浴しておらない非常勤労務者の定員化に使わるべきでありましよう。その定期的に配置される非常勤などという複雑怪奇な用語、物件費や需品費から給与が支払われるなどという非人間的な制度こそ一刻も早く解消せられるべきものであるにもかかわらず、今回の改正法は、逆にかかる旧時代的な官僚機構を強化し、労働者の非人間的な搾取を強化しようといたしておるのでありまして、何で私たちがこのような、表に国民の素朴な声にこたえているかのごとく装いつつ、実は逆に官僚機構を強め、フアツシヨ化への道を纂進する本法案に賛成することができるでありましようか。  以上数点のきわめて基本的な反対理由をあげましたが、これを要しまするに、本法案の真の目的とするところは、日本の再軍備を強行的に推し進め、伝統ある日本民族を対米隷属に陥れるため、ほんのわずか国民の声に阿片的にこたえようとするもの、すなわち、日本国民を愚弄すること最もはなはだしいものがあるといわなければならないのであります。同時に、それはまた国民に対して複雑な行政機構を押しつけ、最も不親切にして横暴なる官僚支配を強めようとするものでさえあります。そして民主主義に逆行し、主権在民の憲法の基本的精神に反するものであります。同時にこのことは、吉田自由党内閣の強さを示すのではなくして、汚職と疑獄に明け暮れしておる吉田内閣とその与党が、かかる不均衡にして複雑怪奇な行政機構なしにはその存在を維持することが不可能になつて来たことを示すものであり、おぼれんとするものの最後のあがきの表現であると私たちは信じておるのであります。ゆえにかかる法案は、やがて国民の厳正なる批判の前に立たされるであろうことを私は付言をいたしまして、反対の討論を終るものであります。
  131. 稻村順三

    稻村委員長 中村高一君。
  132. 中村高一

    中村(高)委員 社会党を代表いたしまして、政府案に反対の意見を申し上げたいと存じます。  本定員法案の審査をいたしてみまして、いかにこの政府の提案が無理であるかということを、審議を重ねるに従いまして痛感いたしたのであります。ことにきよう賛成をせられた自由党や改進党の諸君も、質問や討論の内容においてはいずれも反対的な内容でありまして、最後にただ一言だけ賛成と、無理につけ加えておるところを見ましても、いかにこの法案が無理であるかということは、これでも証明ができると思うのであります。しかもこの内容になぜ無理があるかといいますならば、他の諸君指摘せられておりまする通り行政機構改革には全然手をつけずして、こういう下級の職員にしわ寄せするような定員法改正でありまするからして、当然ここに無理が出て来るのであります。なぜ一体行政機構改革ができないかについて、われわれの質問に対して、長官は何ら明確な答弁をいたしておりません。特にその答弁の中には、政党や国会側になかなかまだ意見の一致が見られないというような、了承することのできないりくつをつけて、自己の行政機構改革の怠慢を弁解いたしておるのでありまするが、行政管理庁という役所の長官である塚田長官は、何がゆえに行政機構改革を勇敢にやれないのか。行政管理庁のごときものは、ただ単に行政の管理だけが任務であるのかどうか。行政管理庁の任務は——各省の行政事務の整備あるいは企画あるいは機構改革、こういうようなことに対して行政管理庁は重大な任務を持つた役所でありながら、自分らが行政機構改革ができないのを他に責任を負わせるというような無能な大臣と無能な役所であれば、まず整理すべきものは行政管理庁並びに大臣でなければならないはずであります。(拍手)こんな無能な役所を置いておいて、これを指揮することもできずに、行政機構改革も手をつけずに、こうして多数の職員労働強化をしているような案をつくるということはそもそも無理でありまして、いかに行政管理庁長官が無責任であるかということが、この案によつても明らかに証明をされておると思うのであります。その責任のしわ寄せを多数の現業員などに負わせようというのは、もつてのほかであります。言語道断と言わなければならぬのでありますが、各役所についての調査をいたしてみましても、まつたく行政機構改革を伴わないために、上級者に対しては手をつけないで、普通の下級者にしわ寄せをするというようなことは、一将功成り万骨枯れる軍国主義的な整理案であると申してもさしつかえないと思うのであります。しかもこの案が強行されましても、長官がくだくだ答弁をするような事務の簡素化にもなりはしない。かえつて労働の強化をしいて、事務を渋滞せしめることが一つと、さらにその結果能率を低下させるということは、他の各委員会からすでに指摘をされておる通りでありまして、どこにもその整理によつて得るところはないのでありますから、われわれはどこからも賛成することができないのでありまして、こういうことについては十分に政府も考えてから着手をしなければならぬのにもかかわらず、失業対策費などはてんから削ろうというような原案をつくる吉田内閣でありますから、失業問題などについてはきわめて冷酷無情な吉田内閣とその大臣は、こういう整理をいたしましても、切れば切りつぱなつし、おそらくはその跡始末などは自分でせよというのであろうと思います。今度の整理案の結果などを見ましても、私は吉田内閣の反動性についても指摘せなければならぬと思うのでありますが、これは飛鳥田君から詳細にわたつて述べておりますが、これだけの経費を削るというのでありますが、われわれから見ますならば、むだな軍事費というようなものを増加することが、すべてこういう民生の方面にとかくしわ寄せして来るのでありまして、原子爆弾が二、三発あれば日本全土が見込みがなくなるという、生きることもできないという時代に、おめでたい再軍備などに金を使つて行こうというような保守党の諸君の政治知識と政治認識というものが、結局こういう暴案を生んだものでありまするから、その責任政府が負担しなければならないことは明らかでありまして、われわれはこういう法案に対しまして賛成をするということはとうていできないのでありまするから、もう少し詳細にわたつて討論をいたしたいと存じますけれども、もう他の諸君の討論で意味が尽きていると存じますから、この辺で私の討論を終りにいたしたいと存じます。(拍手)
  133. 稻村順三

    稻村委員長 中村梅吉君。
  134. 中村梅吉

    中村(梅)委員 私は日本自由党を代表いたしましてきわめて簡潔に討論をいたしたいと思います。  行政整理をする必要があるということは、われわれも是認するところであります。しかしながら行政整理には、行政機構改革ということが根本的な問題でございます。政府はもちろん行政機構改革を志されて努力はされたようでございます。この点は認めるのでございますが、努力の結果は、結局政府部内並びに各官庁からの反撃を受けまして、行政機構改革は遺憾ながら龍頭蛇尾に終つているものといわざるを得ないのでございます。かような上に立つた人員整理であり、行政整理でございますから、先ほど来議論のありましたように、画一主義に陥るというような余弊のありますことは、やむを得ざる帰結になつておると思うのであります。こういう画一主義の行政整理をやりますと、先ほど来社会党の諸君からもいろいろ御議論がございましたが、多分いろいろな方面に無理の生ずる点が予想されるのでございます。私どもはそういう無理の生ずる点についてはいろいろ懸念をいたしておるのでございますが、しかし当の責任者である政府としては、これでもやれるのである、こう言明をされているのであります。家を建てる必要はわれわれ認める。その家がどういう家であろうと、この家は十分持ちこたえるりつばな家なんだと大工さんがおつしやる以上は、私どもとしては行政整理の必要を認めますがゆえに、政府言明を一応信用いたしまして、本案に賛成をいたしたいと思うのでございます。(拍手)先ほど来御議論のありましたように、多分いずれかの方面に、ことに現業関係等については支障を来す憂いも十分ありますので、これらの点については政府として十分配慮せられまして、万遺憾なきを期するように希望をいたしまして、私は本案に賛成の意を表するものでございます。(拍手)
  135. 稻村順三

    稻村委員長 以上をもつて討論は終局いたしました。  これより行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について採決に入ります。本案に賛成の方の御起立をお願いいたします。     〔賛成者起立〕
  136. 稻村順三

    稻村委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。(拍手)  この際お諮りいたします。ただいま議決いたしました議案に関する委員会報告書の作成に関しては、委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 稻村順三

    稻村委員長 御異議がなければ、さようとりはからいます。  次会は公報をもつてお知らせいたすこととし、本日はこれにて散会いたします。     午後八時十八分散会