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1954-03-22 第19回国会 衆議院 内閣委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年三月二十二日(月曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 稻村 順三君    理事 大村 清一君 理事 平井 義一君    理事 山本 正一君 理事 高瀬  傳君    理事 下川儀太郎君 理事 鈴木 義男君       江藤 夏雄君    大久保武雄君       木村 武雄君    船田  中君       山崎  巖君    粟山  博君       飛鳥田一雄君    田中 稔男君       冨吉 榮二君    辻  政信君  出席国務大臣         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         内閣官房長官 江口見登留君         行政管理庁次長 大野木克彦君         総理府事務官         (行政管理庁管         理部長)    岡部 史郎君         北海道開発庁次         長       谷口 明三君         自治政務次官  青木  正君         厚 生 技 官         (公衆衛生局環         境衛生部長)  楠本 正康君         農林政務次官  平野 三郎君         林野庁長官   柴田  栄君         建設政務次官  南  好雄君         建設事務官         (計画局長)  渋江 操一君  委員外出席者         農 林 技 官         (林野庁指導部         治山課長)   塚野 忠三君         建 設 技 官         (計画局水道課         長)      岩井 四郎君         建 設 技 官         (河川局砂防課         長)      木村弘太郎君         専  門  員 亀卦川 浩君         専  門  員 小関 紹夫君     ————————————— 三月二十二日  委員三輪壽壯君辞任につき、その補欠として松  前重義君が議長の指名で委員に選任された。 同日  理事鈴木義男君が理事に補欠当選した。     ————————————— 三月二十日  恩給比例増額に関する請願増田甲子七君紹  介)(第三六二三号)  同外二件(吉武惠市君紹介)(第三七〇〇号)  同(戸叶里子紹介)(第三七四七号)  公立学校事務職員恩給制度確立等に関する請  願(羽田武嗣郎紹介)(第三六二四号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第三七〇一号)  人権擁護局存置に関する請願阿部五郎君紹  介)(第三六二六号)  同(佐瀬昌三紹介)(第三七二二号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願(  田中伊三次君紹介)(第三六四四号)  同(淡谷悠藏紹介)(第三六四五号)  同(川俣清音紹介)(第三六四六号)  同(今井耕紹介)(第三六四七号)  同(庄司一郎紹介)(第三七四一号)  恩給法の一部改正に関する請願小泉純也君紹  介)(第三六四八号)  同(牧野寛索紹介)(第三七〇二号)  同(庄司一郎紹介)(第三七〇三号)  戦犯者恩給支給に関する請願小泉純也君紹  介)(第三六四九号)  軍人恩給支給額引上げに関する請願小泉純也  君紹介)(第三六五〇号)  恩給支給促進に関する請願小泉純也君紹介)  (第三六五一号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (小泉純也君紹介)(第三六五二号)  軍人恩給支給促進に関する請願庄司一郎君紹  介)(第三七〇四号)  再任特定郵便局長在職年数通算に関する請願  (山中貞則紹介)(第三七〇五号)  奄美大島公務員身分保障並びに恩給法適用に  関する請願山中貞則紹介)(第三七〇六  号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  連合審査会開会に関する件  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(  内閣提出第九一号)     —————————————
  2. 稻村順三

    稻村委員長 これより開会いたします。  行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたし、まず総理府説明を求めます。行政管理庁管理部長岡部君。
  3. 岡部史郎

    岡部政府委員 それでは総理府整理人員につきましてこれから御説明申し上げます。二条一項の内訳表というのをごらんいただきます。総理府のまず本府について御説明申し上げますと、本府は大臣官房と内局それから付属機関でございますが、その総数を合せまして現在の定員一千九百十九人のうち、今度の整理によりまして、通じまして二百十人を減ずることにいたします。ただ総理府のうちで科学技術行政協議会という付属機関がございますが、ここの事務局職員五人をこのたび増員いたすことにいたしました。その理由は、この科学技術行政協議会すなわちスタツクにおきましては、その航空研究部会を充実強化するという趣旨でございまして、その充実強化する方策といたしましては、航空技術審議会をこのスタツクに設けまして航空技術行政調整に当らせるという趣旨で、この航空研究方面を担当させるために五人を増加せしめるというのが本府における増員理由でございます。  次に公正取引委員会におきましては、差引増減なしでございます。  それから国家公安委員会におきましては、これは警察制度改正とからみますので、あとから御説明申し上げることにいたしまして、消防本部土地調整委員会につきましては、新たな増員理由の御説明申し上げるものはございません。  それから内閣機関としての人事院がこのたび総理府外局としての国家人事委員会になりますので、この現在の人事院職員八百八十二人を百四十六人整理いたしまして、七百三十六人として総理府外局として計上いたした次第であります。  それから外局調達庁におきましては、七百一人の整理をいたすことに相なりまして、新定員は三千九百七十三人から三千二百七十二人になりますが、これは事務量を勘案いたしまして、二十九年度におきましては、提供不動産返還事務の減少、あるいは不動産あるいは駐留軍不法行為に基く損害賠償事務というようなものはあまり減る見込みがございませんが、三十年度以降においては若干事務の進捗を見ることができるというように考えますので、三年間の計画によりましてこれを減らすことにいたしております。すなわち、二十九年度においては二百二十五名、三十年度においては二百三十二人、三十一年度においては二百四十四人、合計七百一人を三年間に整理する、これが他の各省各庁に比べまして、調達庁年次計画によつてその事務量を勘案して減らすことにいたした一つの例であります。  それから北海道開発庁におきましては、事務量増加、ことに営繕関係、すなわち駐留軍と保安庁の兵舎の建設工事が非常に厖大に上りまして、担当職員事務量が内地と比べまして非常に多いものでありますから、その必要な人員十人を特に認めたような次第であります。  それから自治庁におきましては、新規増加といたしましては、自治学校が昨年から設置されておりましたが、これに専任職員がおりませんので、その教官及び事務官の最小限度必要な人員十人を認めた次第であります。新規予算でどうしても認めなければならない事務量増加はそのようなものであります。  次に、警察に関して、前にもどつて申し上げますと、警察におきましては、これは現在の自治警国警を統合いたしまして都道府県警察一本にするという建前におきまして、それによつて生ずる余剰人員整理する、すなわち警察におきましては、現在国警自治警合せまして十六万七千三百六十一人の職員がおります。そのうち国警総数七万一千七百四十九人、自治警は九万五千六百十二人であります。これを四年間にわたりまして、総数三万人を整理いたしまして、総数十三万七千三百大十人にするという整理案でございます。この警察といたしまして新しい警察制度ができますと、それは中央におきましては、国家公安委員会のもとに警察庁ができる、それから地方においては都道府県警察ができる、こういうことになつております。十三万七千三百六十人の総員のうち、警察庁職員が総勢七千五百四十七人に相なります。この警察庁職員七千五百四十七人を除いた残りの分がすべて都道府県警察職員、こういうことに相なるわけであります。そしてこの現在の十六万七千三百六十一人から三万人を整理するに当りましては、これを四年計画でやることは先ほど申し上げましたが、その四年計画は結局二十九年度におきまして一万名、三十年度におきまして七千五百名、三十一年度におきまして七千五百名、三十二年度において五千名、この四年計画によりましてその整理の円滑を期するという建前になつておるわけであります。このようないきさつによりまして、結局総理府全体といたしましては、改正前の定員八万五百三十四名から六万六百九十九名を減ずる、この六万六百九十九名を減ずる中には、単にこれを整理するというのではなしに、そのうち五万九千三百二十九名は地方に移すという意味でありますが。それを含めまして、差引総理府職員といたしましては一万九千八百三十五人が新定員ということに相なります。  総理府につきましては、以上簡単でありますが、御説明申し上げまして、御質問にお答えいたすことにいたします。     —————————————
  4. 稻村順三

    稻村委員長 お諮りいたします。理事鈴木義男君が去る十九日委員を辞任せられ、理事一名が欠員となつておりましたが、同日再び委員に選任されましたので、同君を理事に指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 稻村順三

    稻村委員長 御異議なければ、鈴木義男君を理事に指名いたします。     —————————————
  6. 稻村順三

    稻村委員長 以上をもつて総理府関係説明は終了いたしました。これより質疑に入ります。質疑の通告がありますから、これを許します。山崎巖君。
  7. 山崎巖

    山崎(巖)委員 私の質疑一般官庁に通ずる問題があるのでありますけれども総理府の所管の場合にも質疑お許しいただきと思います。  今回提案されました行政機関職員定員法の一部改正案は、各種の行政事務簡素化合理化に伴うものでありまして、人事院を除くいわゆる行政機構改革につきましては、過日の本委員会における質疑応答によりまして、政府検討中であり、成案を得たる場合はあらためて定員法改正を出す場合もあるかもしれない、こういう御答弁であつのでありまして、この点は私ども了とするものであります。政府は今回の定員法改正によりまして八万三千人の減員を計画せられておるのでありまするが、今後どういうふうな行政事務簡素化をはからんとせられるのでありますか。すでに行政審議会におきましては行政運営改善に関する答申政府に出されております。また政府は二月十二日の閣議において行政運営改善に関する決定をいたされております。しかしこれらの閣議決定を見ましても、従来たびたび主張せられました事柄の羅列でございまして、往々にして実効を上げないきらいがあるように私ども考えられるのであります。昨年でありましたか、政府におきましては、陳情行政につきましては書面陳情を先にするということの決定をされ、公表されたのでありますが、その後陳情行政について何らの変化を私ども見ないのであります。こういう点から考えまして、今回の人員整理が、主として行政事務簡素化合理化という原因にあるようでありますが、政府は具体的にどういうふうな方法によつてこの行政事務簡素化合理化をはかられんとするか、この点をまず伺つておきたいと思います。
  8. 大野木克彦

    大野木政府委員 行政機構の点につきましては、過日長官から申し上げましたように、ただいま鋭意研究いたしておりますでの、今後もし成案が得ますならば御提案を申し上げる運びになると存じます。それから行政運営の点でございますが、過日閣議行政運営に関する決定もいたしまして、それらの趣旨は、この定員法改正にあたりましても、名省事務簡素合理化並びに執務方法改善という点におきまして、それぞれ各省においてくふうをいたしまして、一部分盛り込んでおる次第でございます。なお陳情等の点につきましては、これも先般閣議決定をいたしまして、なるべく名地方出先機関に権限を委譲するようにいたしまして、一々東京まで出られなくとも、それぞれの地方において陳情趣旨が片づくようにいたしまして、不便を省きたいと存じておる次第でございます。個々の事柄につきましては、それぞれ各省においてくふうをいたしておる次第であります。
  9. 山崎巖

    山崎(巖)委員 政府においても行政事務運営ついては、いろいろごくふうをなすつて、今後一般とこれが実現されますように最善の努力を払われんことを希望いたします。  次に、今回の政府提案改正案でございますが、政府行政整理に伴う人員縮小については初め三箇年計画ということを御説明に相なつてつたのであります。はたしてそうでありますか。ただいま大野木次長の御説明を伺いますと、調達庁については三箇年計画に相なつておりますが、その他の点については一箇年、今年限りのようにも見受けられるのであります。この点はつきりいたしませんので三箇年計画とするならば、三十年度、三十一年度計画をお示しをいただきたいと思います。その点いかがでありますか、お伺いいたします。
  10. 岡部史郎

    岡部政府委員 この人員整理をどういうように行うかということにつきましては、政府といたしましては整理人員数ともにらみ合せて決定したい、こうかねがね考えておつたわけであります。すなわち相当大量の整理になりますと、初年度においてこれを整理いたしますことはいろいろな事情で困難になつて来る、あるいはまた仕事初年度においてただちにこれを整理するということが困難になつて来る、あるいは人員につきましても転職、配置転換その他につきましても円滑を欠くおそれがありますので、これをある程度長期計画にすべきではなかつたかという考えがあつたわけであります。また昨年秋の行政審議会答申におきましても、相当長い期間整理をして、毎年毎年この整理を繰返すことのないようにしたらどうか、こういうようなことであつたのであります。しかしながら、だんだん整理人員が具体化して参りますにつれまして、その総数が大体六万前後であるという場合におきまして、これをそう長期にもやる必要はなかろうじやないかという考えになりまして——しかし六万と申しましても、これは今の社会事情経済事情のもとにおいては相当困難なことであるから、一年間において整理することは困難であろう、こう考えられますので、今年一月十五日の人員整理閣議決定におきましては、原則としては二十九年度において行うけれども、いろいろな都合でこれを二十九年度一年間において実施することが困難な場合におきましては、これを三十年度に繰越すことができることを定めました。さらにまた特殊な部門におきましては、先ほど申し上げました調達庁であるとか、国立学校の教職員であるとか、警察であるとか、引揚援護庁であるとかいうものにつきましては、それぞれ年次計画を立てました。すなわち年次計画を立てたのは、今申し上げました警察調達庁国立学校引揚援護庁、この四つでございますが、この四つのうち警察引揚援護庁につきましては、事務の状態を見まして四年間で整理することにいたし、それから調達庁国立学校は三年間で整理することにいたしました。その内容につきましては、またその節御説明申し上げますが、これらを除きましては各省は、原則として一年でありますが大体二年間におきまして整理を行う、すなわち二十九年度においてやれるだけやる、残りは三十年度に繰越してもいい、こういうことになつておりますので、この定員法の第二条一項の表は、年次計画によつてできたものは年次計画によつて将来最終的に到達し得る数字を、すなわち援護庁なら援護庁は四年後において実現できる数字、それからその他の各省におきましても三十年の六月三十日まで、すなわち十五箇月間で整理できる数字を計上してございます。
  11. 山崎巖

    山崎(巖)委員 私も行政整理が二年も三年もわたるということについてはむしろ反対でありまして、政府のただいまの案を了といたすものであります。ただ昨年の暮れでありましたか、塚田長官から、三箇年計画人員整理をやるというような御説明がございましたので、その点を明確にしておきたいと存ずる次第であります。  そこで、ただいま岡部部長の御説明によりますと、あるいは警察とか、あるいは引揚援護庁とか、あるいは調達庁とか、こういうものは漸次機構縮小する関係で、どうしても四年ぐらいの整理期間を必要とするという御説明でございましたが、これに関連いたしまして待命制度の問題でございます。今回の待命制度期間切つて、申出の期間を短期間にしておられるようでありますが、四年もかかりますならば、この整理を要する期間につきまして待命制度をどういうふうにお考えになりますか、その点を明確にしておきたいと思います。
  12. 岡部史郎

    岡部政府委員 待命制度につきましては、御承知通り昨年十一月から今年の二月十五日まで特別待命制度実施いたしまして、この特別待命によつて申し出て、この特別待命承認を受けた職員整理者の中に数えるという措置を講じまして、これによりまして各省を通じて九千百六十名の特別待命承認があつたわけでございます。この特別待命は、もともと行政整理実施を円滑にするという趣旨があつたわけでありますが、この定員法実施に伴いましてその余の人員整理を円滑にいたしますために、さらに、臨時待命制度実施するということに相なつているわけでありますが、この臨時待命制度原則としては、各省各庁を通じてこの十五箇月間に整理を行うものをできるだけ短い期間に円滑に行いますために、二十九年度における臨時待命は四月から六月末日まで三箇月間に申し出るなり発令なりをして片づけるということでございますので、これはあくまで各省各庁を通じて原則として一年間に行う整理対象としておるわけであります。お尋ねの警察であるとか、あるいは引揚援護庁とか、三箇年、四箇年計画にまたがるものにつきましては、政府としてそれをさらに次年度以降にわたつてどういうふうに整理をするかということにつきまして、はたして待命制度をまた採用するかどうかということは、明年度におきまして検討の上、必要があれば御審議をいただくという方針で、今年度臨時待命は、一応今年度においてだけお願いいたしまして、明年度以降の長期年次計画にわたるものにつきましては、明年度において検討いたしたい、こう考えております。
  13. 山崎巖

    山崎(巖)委員 さらに行政事務縮小並びに再分配、行政事務処理方式改善につきましては、過日の委員会大久保委員から御指摘のありましたように、許可認可事項抑制緩和というようなことを初めといたしまして、法令整備改廃を要するものがきわめて多いだろうと私は思います。戦争前の法律にして、すでに廃止を要するものもたくさんあると思います。また占領期間中の法令にして、実情に沿わないものも多々あるように思うのであります。政府は昨年暮れに、法令についていろいろと検討せられて、二百八十五件を対象としていろいろ考究をされたように伺つておりまするが、この定員法改正に関連いたしまして、今期国会において、行政事務簡素化をはかる意味において法令改正をやられる御意思でありますか、どうでありますか、その点を明確にいたしておきたいと存じます。
  14. 大野木克彦

    大野木政府委員 法令簡素化の必要なことにつきましては、御説の通りでございまして、先般申し上げましたように、政府におきましても引続いて検討をいたしております。一応最近そのめどがつきましたので、ただいまそれをいかに御提案申し上げますか、法制局の方で準備をいたしておりますので、おそらく何らかの形で御審議を願えるようになるのではないかと存じております。
  15. 山崎巖

    山崎(巖)委員 法令改廃につきましては、私は今期国会にぜひ御提出を願いたいと存じております。これは定員法改正とも関連する問題でありますから、政府は至急具体案を作成せられまして、この国会提出せられんことを希望しておきます。  次に行政事務が二省以上にまたがるために、事務が複雑をきわめ、関係者に非常に迷惑を及ぼし、ひいては国費、地方費の濫費を来す事例が私は少くないと存じます。政府は今回の定員法改正にあたりまして、いわゆる共管事務整理につきまして、どういう検討をせられたのでございましようか、まずその点を承つておきたいと存じます。
  16. 大野木克彦

    大野木政府委員 御承知通り現在共管事務と言われておりますところにつきましては、それぞれその関与いたしておりますところの省におきまして、その省の所掌事務関係から関与いたしておりますので、必ずしもすべてが重複しているというわけではないと存じますけれども、しかし一つ仕事につきまして各省にわたるものが相当にございます。しかし現在残つておりますそれらの事務は、いずれも沿革的にも非常に錯綜しておりまして、先般機構改正がなかなか困難で、思うように行かないということを長官から申し上げました最も大きな一つの要素をなしておるような状況でございまして、たとえば港湾の事務でありますとか、水道事務でありますとか、治山治水関係でございますとか、それらの点につきましては、極力検討を重ねたのでございますけれども、まだ結論を得て御審議を願う段階に至つておりませんことをはなはだ遺憾に存じます。今後も引続き検討を加えまして、なるべく早く解決をいたしたいと存じておる次第でございます。
  17. 山崎巖

    山崎(巖)委員 私は今回の定員法改正行政事務簡素化あるいは合理化というような趣旨である以上は、各省共管事務について一件も解決ができないということは、まことに遺憾に存じております。以下私は二、三の共管事務について、政府のお考えを承つておきたいと存じます。  まず第一は水道行政であります。御承知のように水道行政は、厚生省建設省共管でございまして、これを一元化すべしという議論は、これはもうおそらく水道条例始まつて以来の問題ではないかと思います。私どもが役所におりました時代にも——私は厚生省関係にも関係しましたし、また建設省関係土木局にもおりまして、その当時から非常に議論のあつた問題でございます。この問題につきましては、すでに昭和二十五年四月の行政制度審議会においてはその結論答申をせられております。また過般臨時行政改革本部長から水道条例等改革の申出が行われておるようであります。現在厚生、建設両省水道事務処理方法を対照してみますると、布設認可許可実施計画認可設計変更認可予算変更認可国庫補助指令、これは厚生省が起案いたして建設省会議をいたしております。工事完了認定につきましては、建設省が起案をして厚生省会議をいたしております。こういうふうな行政のやり方が水道を布設いたします市町村、これらに非常に大きな負担をかけておるように私は思います。その手続はまことに煩雑でありまして、一つ水道を布設いたしますのに、建設省厚生省両省にお百度を踏まなければならぬというのが実情でございます。こういう問題につきまして、この共管事務整理を今後どういうふうにおやりになる御所存でございましようか、この機会政府の御所信を伺つておきたいと存じます。
  18. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 実は今度の行政整理機会に一番重点を置いてやらなければならないということを考えましたのは、機構の面では国の出先機関整理するということと、それから本省機構の面では御指摘共管事務整理するということが重点であつたわけであります。これは私がしばしば出先機関整理するのは縦に重複を整理する、それから横に共管整理するという言葉で申し上げたのであります。ところがいろいろ検討してみますと、縦のこの共管事務整理するという考え方、つまり国の出先機関をなるべく整理して行くという考え方は、自治団体の機構のあり方とどうも密接に関連があるという考え方で問題が非常に重大になるように考えられますので、これはひとつ本格的に考えなければ中途はんぱな整理はむずかしいのではないかという考え方で一応見送りという形になつておるわけであります。横の共管事務の点は、その意味におきましては本省の中央の機構で一応考えられるわけでありますが、御指摘水道の問題、それから農林省と建設省のいろいろかみ合つておりまする事務の問題、これらの問題はどなたからも非常に強く御意見を伺つておるし、私もぜひやるべき問題であると考えたのでありますが、実際に手をつけてみますと、重大な面がたくさんありまして、数回検討いたしまして、私どもとしては幾つかの結論を得てみたのでありますけれども、どうもまだ全体調整というものがつきにくいということで、実はとりあえず人員整理をやつて機構の部分は比較的簡単に、しかも他との関連なしに解決つく部分だけをまず片づけておいて、その他の部分は全部本格的な検討をしよう、こういう考え方にいたしまして、これも先に延びておるわけであります。しかし国の機構改革をいたすといたしますならば、その二つの面を解決するのでなければ、機構改革というものはないと考えらるべきものでありまして、これはぜひともやり遂げたいという考え方をいたしております。ただ御想像いただけると思うのでありますが、実際の仕事になりますと、当初予期いたしましたよりもいろいろな面に困難がたくさん出て来るのでありまして、まことに恐縮な話でありますが、まだ今のところ力が十分尽せておらないので、結論が出ておらない状態になつておるわけであります。
  19. 下川儀太郎

    ○下川委員 関連して。ただいま水道に対して厚生省建設省の両省にまたがつての問題がございましたが、これは厚生関係委員も強く厚生省がやるべきだということを主張しております。世界各国の情勢を見て参りましても、やはり衛生、厚生担当が水道をやつておるのであります。建設省関係は工事関係にとらわれて、勢い厚生省にはみ出して来るということが強くいわれておる。従いまして両省にまたがるこうした問題は、厚生省にやるべきだということが強く主張されておる。この点を十分検討されまして、厚生関係委員とも御相談くだすつて水道関係——われわれの生活に重要な関係を持つ衛生関係において、建設省の工事関係を強く排除して、あくまでも厚生関係にこれを移すべきだというふうに考えるのですが、その点今後どのようになさるか、参考までにお聞きしたいと思います。
  20. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 整理をいたしますのにどちらに重点を置くかということは、個々の問題になると問題になると思うのです。私ども水道の問題をいろいろと考えてみて、今の段階ではあるいは御指摘のような意見の方がいいのではないかという感じを持つておりますが、現在の各省のタツチの仕方、それから水道行政というものを将来どちらに重点を置いて行くかによつて、最終的な結論を得たいと思うわけでありまして、先日も申し上げましたように、こういう問題になりますと、それぞれの所管の省の意見が鋭く対立をいたしますので、よほど腹を据えて本格的にかかりませんと、簡単には結論が出にくいというような状態になつております。
  21. 高瀬傳

    ○高瀬委員 この別表の内訳の説明を今大野木次長から伺いまして、事情もよくわかりましたが、私は三つだけ聞いておきたい。  この総理府人員整理の方針には老朽淘汰、昔あつたいわゆる新陳代謝、こういうような意味が含まれていないようにも思うが、そういう連中が含まれておるかどうか。それから人事院を人事委員会にした理由、それから事務当局としては全体について、大体不満だけれどもこれでもいいというのか、事務当局の見解、この三つだけを聞きたい。
  22. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 今御審議を願つております定員法改正は、大体各省各庁でこれくらいの者の整理がつくであろうという数字を出したのであります。御指摘のようにその中でなるべくどういう人たちに引いていただくかということは、高瀬委員の御指摘なつた方針で各庁でこれを運営していただけるという考え方をいたしておるわけであります。  人事院の改組は、先般参議院の本会議でも申し上げたように、行政委員会というものに対する政府考え方から参るのであります。戦後の日本の行政機構の特殊形態として、御承知のように行政委員会が幾つかできておるわけであります。もちろん個々のものを検討してみますと、今日もなおその存続の必要性を認められるものがあるわけでありますが、しかし行政内閣が責任をもつてやるのであつて、従つて行政の全責任は内閣が負うという考え方と、行政委員会があることとに食い違いが出て参るのであります。そこで行政委員会の形のものはなるべく数は少くしたい。残して置くものもその権限は最小限度にする。そうして行政に対しては内閣が全責任を負うというように形をすつきりさせて行く、こういう考え方を持つておるわけであります。そういう意味におきまして、現在の人事院のあり方をいろいろ検討してみますと、人事院の非常に強い独立性というものをもう少しゆるめて、ほんとうに内閣と十分連絡のつくような形の面も出て来なければならぬ。そうかといつて行政委員会にこれを改組いたしましても、人事委員会自体が持たなければならぬおのずからの任務というものがありますから、その任務が遂行できないようにこの独立性を失わせてしまつてはならないから、その辺を頭におきながら、今申し上げたような行政委員会全体に対する考え方にのつとつて考え出したのが今度の改組案と御承知願いたい。  そういう感じからして、当初考えておりました人事院の相当大幅な改組と現実に出て来たものとはかなりずれがあるだろうと思いますけれども、いろいろ検討してみると、やはり今日の段階では、この程度でないと人事委員会の使命が果せて行けないのじやないかというように今感じておるわけであります。
  23. 高瀬傳

    ○高瀬委員 ただいまの塚田長官の大体の御方針はわかりました。但し私は、人事院を人事委員会にすることがいいか悪いかの方針については意見がありますので、後日に譲つて質疑を終ります。
  24. 山崎巖

    山崎(巖)委員 共管事務につきまして、もう二つばかりお聞きしたいと思います。建設、農林両政務次官が御出席でございまするから、その関係の方を先に伺いたいと思います。  それは河川砂防と治山砂防の問題でございます。この問題は、明治三十年に制定されました砂防法並びに森林法制定当時からの懸案でございまして、砂防法をめぐりまする河川行政と林野行政調整の問題は、風水害の襲来ごとに非常な世論となつてやかましく論議をせられておるのでございます。しかしながら終戦後のいわゆる占領政策期間中におきましても、革命的の行政機構改革が行われたにもかかわらず、この問題は遂に解決を見ておらないのであります。政府は昨年の大風水害にかんがみまして、内閣治山治水対策協議会を設けられて、河川、林野行政の総合調整を策せられたようでございますが、のど元過ぎれば熱さを忘るで、今日ではこの問題はまつたく等閑視されておるような感じがいたすのであります。何ら具体的の案をいまだ私どもは拝見することができないのであります。もとよりこの両者の関係は、観念上は一応は区分することはできると思いますが、しかしながら技術上治水上の効果を期する上におきましても、また両者の施行の手段が非常に重複をいたし、類似をいたしておる点、また事業遂行上地域的に接触競合いたしております事例は、全国的に枚挙にいとまがないのであります。私は具体的に各県の事情も調べてございまするが、その数は非常に多いように思います。上流を農林省のいわゆる山腹工事で施行して、そのすぐ下流には建設省のいわゆる砂防工事というように、きわめて現地では重複をしておりまして、ことに地元の市町村等では非常に迷惑をしておるような事例も多々あるように思うのでございます。両省による現地の調査の重複はもとより、この両省施行に伴います人件費、資材費、労力費の分散的な浪費という点も考えまして、私はこの問題はぜひ今後至急に御解決を願いたいと思うのでありまするが、政府はこの問題を今後いかに御処理なさらんとするつもりでありましようか。聞くところによりますと、内閣委員会等を設けて、その委員会で両省の相互の調整をはかるというような御計画もあるやに伺つておりますが、私はそんなことではこの多年の問題を解決することは絶対不可能であろうということを確信をいたしておるのであります。こういう大きな問題を行政機構改革の際に解決をしないということ自体、私は政府の熱意を疑うものでございます。御所見をお伺いいたします。
  25. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 御指摘の点も、実は私どもがやはり問題として取上げておる点でありまして、御意見にはまつたく同感であります。ことにずつと共管事務整理いたしまして問題点を調べたものによりますと、私どもも農林省と建設省との間に共管というものの一番の問題の大きなものがたくさんあるように考えておるわけであります。たとえば治山による洪水予防というものを建設省は河川改修のための砂防という面から取上げておる。農林省は林地保全のための砂防崩壊防止、造林のための植林という面からやつている。御指摘の治水の面は建設省は洪水に対する河川改修、洪水に対する市街地防禦のための都市水利事業、それに対して農林省は湛水及び悪水排水のための農業用水利事業という面から治水を取上げておるというようになつておる。この建設省と農林省との二つが共管しておる事業の事例は、とても容易ならぬ問題である。これをこのままにしておくことは適当でない。この面から来る国の行政のむだというものは、かなりあるということも痛感しておるわけであります。今後ぜひともこれらの点は、重点を置いた問題点として解決をして参りたいと考えておるわけであります。ただこれはどういう機構検討するかということは現在改革本部があるのでありまして、いろいろな問題を検討し、逐次できるものから取上げて今日に至つておるわけでありますが、今後の問題点としてぜひ解決したいという強い希望を持つておる次第であります。
  26. 平野三郎

    ○平野政府委員 二省以上にまたがる行政事務のために国民が非常に迷惑しておるというお説につきましては、ただいま塚田大臣からお答え申し上げました通りでありますが、農林省の意見を申し上げまするならば、これらの行政事務の重複のための代表的な事例として、御指摘通り農林省と建設省の所管でありまする林野行政と砂防行政とがありますが、これは歴史的にもずいぶん古い問題でありまして、詳しく申しますならば、昭和四年の十二月六日に内務、農林両省から依命通牒によつて所管事務につきましての権限の調整をいたしております。これは当時閣議におきまして決定をいたしました事項として、「荒廃地復旧及開墾地復旧事務」、すなわち農林省所管のものと内務省所管との間に存する権限整備は左の趣旨によることというふうにいたして、一つは「原則トシテ渓流工事及山腹ノ傾斜急峻ニシテ造林ノ見込ナキ場所ニ於ケル工事ハ内務省ノ所管トス」「森林造成ヲ主トスル工事ハ農林省ノ所管トシ尚渓流工事ト雖モ右工事ト同時に施行スル必要アル場合ニ於テハ農林省ノ所管トス」「尚詳細ハ実施ニ先チ実地ニ付両者ニ於テ具体的ニ協定スルモノトス」こういう決定をして、昭和四年に通牒を出しておるわけであります。これが今日はなお生きておるわけでありまして、今日は建設省が内務省の仕事を引継いでおられますが、両省において協議をしてやつておるわけであります。大体において、それほど問題はなく、比較的円満に行つておるわけでありまして、特にまた非常な問題のある箇所においては、その地元々々において実施の際において、両省で協議するという方向でやつております。しかしながらお話の通りあるところでは法律によつていずれの権限であるか明確でないという場合がありますわけで、その間におきまして、いろいろ批判等もある場合もあるわけでございますけれども、おおむねこの点は、この通牒によりまして円滑に行つておると存ずるわけであります。しかしながらこの問題のみならず行政機構全般にわたりまして、いろいろ改革すべき点があるわけでありまして、この点につきましては、塚田大臣から申し上げましたように、政府部内におきまして、ただいま鋭意検討いたしておるわけでありまして、できますならば、今国会にも間に合せて御審議をいただきたいということで努力をいたしておる次第であります。
  27. 南好雄

    ○南政府委員 塚田長官並びに平野政務次官から、大体砂防関係で両省が事務的に錯綜しておりますことにつきましてはお話があつたと思うのであります。ただ現地の実情は、御承知のように大体のところ土木部に砂防課というものができておりまして、そこでやつておるのであります。中央からの命令が、それが建設省であろうが、農林省であろうが、実際問題といたしましては、そう大して矛盾撞着は起きていないようにも聞いております。しかし理論的に掘り下げてみますと、どつちの仕事か非常にむずかしい問題も出て参りますし、また具体的の例につきましても意見がいろいろわかれて参りますときには、なかなかむずかしい問題が起きると思うのであります。しかし、ずれにいたしましても、この両省に事務がわかれておるということから、実際自治団体が迷惑を受けるということは決してよくないことでありまして、塚田長官のお言葉の通り、こういう問題の解決にもう少し両省ができるだけ自治団体、その他国民の各位に迷惑を及ぼさないように十分協調いたしまして、いずれなりとも、要は受ける人たちの立場から考えて、あまり理論的に走らないようにやつて参りたいと考えております。
  28. 山崎巖

    山崎(巖)委員 ただいま御説明でございましたが、現地の実情は、なかなかそうは行つておらないのであります。私もさつきの昭和四年に閣議決定になつておりますことはよく承知しております。しかし実際の例は、今両政務次官が御答弁になつたような状況ではないのでありまして、非常に地元としても両省にわたつておるために迷惑をこうむつておる事例が全国に多いのであります。私は鹿児島県の例とか、あるいは大分県の例とか、いろいろ具体的の例をたくさん持つておりますが、時間もございませんからその例を一つ一つ申し上げませんが、実情をよく御調査くださいまして、もう少しこの問題を円滑に行くように両省においてさらに努力せられんことを要望しておきたいと思います。  それからもう一つ共管についてお尋ねしたいことは、起債の認可の問題であります。共管事務整理のうちで一つの大きな問題は、私はこの起債の認可の問題が自治庁と大蔵省にまたがつておる点であろうと思います。この問題も長い間の問題でございまして、論議は十分尽されておるように思います。第十六回国会におきまして、当院の地方行政委員会と大蔵委員会の間におきまして、この問題が相当論議をされまして意見の対立を見ましたことは、御承知通りであります。議員提出の資金運用部資金法の一部を改正する法律案地方自治法の一部を改正する法律案の二つが十六国会提出せられまして、とうとうこれが継続審議に相なつておることも皆さん御承知通りであります。そうしてこの起債の認可につきましては、衆議院の大蔵委員会委員長地方行政委員会委員長が中心になつて、よく相談してこの問題の解決をはかろうというような申合せもできたようでありまするが、その後この問題が一向にはかどつておらぬように思います。この起債の承認の非常に遅延しますること、あるいは陳情の横行しますること、これがこの問題をめぐつて最もはなはだしいものがあるように思うのであります。地方といたしましては、あるいは公共事業を経営する上におきましても、あるいは公共施設を推進して行きまする上におきましても、あるいは災害復旧をやりまする場合にも、どうしても財源を起債に求めなければならぬことは当然でございます。しかるにこの認可が両省にまたがり、しかも出先機関におきましては、自治庁関係では府県庁、大蔵省の関係では財務部へ財務局というようなところでさんざんこずきまわされまして、市町村長が一つの起債の認可を得るのには、両省関係の役所にお百度を踏まなければなかなか解決できない、こういうのが実情であります。こういう共管事務につきましても、ぜひこの際、この定員法改正機会にある程度の方向を見出すことが絶対に必要のように思うのでありまするが、自治庁長官のこの点についての御説明を伺つておきたいと思います。
  29. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 この点は私が一方の責任者でありますので、できるとかできないとかいうことは申し上げられる筋のものではありませんし、またこの面にも共管があつて、ぜひこれは整理しなければならないということは、私もまつたく同感でありますので、これはぜひ今国会中にまとめる、必ず何らかの成案を得るという考え方で大蔵省側と折衝いたしております。折衝には主として政務次官に当つていただいておりますので、政務次官から後ほど御説明を申し上げるつもりでありますが、まあ基本の考え方としては、どちらかにすつきりとまとめてしまいたいという考え方でやつておつたわけでございますけれども、現在の折衝の状態では、大体今の行き方を運用の面で改めることによつて相当程度の実効をあげられるのではないかという方針で進んでおるわけであります。どうしてもそれでやつて行けないというときには、これはぜひとも本質的な解決をしたいと思つておりますが、とりあえず今までの折衝の経過等について政務次官からお聞きいただきたいと思います。
  30. 青木正

    ○青木(正)政府委員 起債の共管の問題でございますが、お話のごとく、大蔵委員会それから地方行政委員会で異なつた二つの提案がありまして、この問題を中心といたしまして、大蔵委員会の当該小委員会、それから地方行政委員会の当該小委員会とその後再三協議いたしました結果、大体の各委員の御意見は、結局これは法律改正の問題にあらずして、むしろ運用の点において解決すべきものじやないか。なるほど共管といえば共管でありますが、自治庁自治庁としての立場において地方公共団体の健全なる発展をはかるために、現在の状態におきましてはやはりある程度権限を持たなければならぬ問題がある。また大蔵省は大蔵省といたしまして日本の金融面から見てやはり起債についてある程度の関与をする必要があるであろう、こういうことで、結局法律改正の問題によらず、もつぱら運用の点においていろいろ支障のある点を改善するように、こういう意見でありまして、その結果両省の事務当局、それに政務次官が関与いたしまして何か結論を出すようにというお話だつたので、その両委員会の御意向に基きまして、当省の事務当局を中心にいたしまして、いろいろ問題になる点を取上げて検討して参つたのであります。その結果大体の点におきましては両省間の意見が一致いたしまして、まだ現在残つておりますのは起債の許可の協議に関する限度額、これが現行五百万になつておりますのを、私ども自治庁といたしましては五千万程度に上げたらいいのじやないか。大蔵省側ではそれでは上り過ぎるというようなことで、事務的にまだ若干残つている点があるのであります。そこで実はもつと急速に解決しなければならぬということは、私どもも重々心得ておつたのでありますが、たまたまちようど起債の許可の途中でありましたので、その途中において事務上の手続をあまり変更することになりますと、結局結果においてかえつて地元の方々に御迷惑をかけるのじやないかということで、起債の配分の途中でありましたので、最終決定の協議を多少遅らせておつたのであります。しかしそれも御承知のごとく二月末をもつて二十八年度については全部一応配分が済みましたので、この機会に残つた点について最終的な打合せをいたしたいということで、先般も大蔵省の政務次官とも二回ほど協議いたした次度であります。ただいま大臣のおつしやいましたことく、この国会中にぜひとも最終的な結論に到達いたしまして、地方公共団体に御迷惑をかけないようにいたしたい、かように存じております。
  31. 山崎巖

    山崎(巖)委員 起債の認可の問題は、ただいま政務次官のお話の通りに、私はやはり両省の間でお話合いをつけていただきまして、そうして結論を得ることが適当だろうと思います。どちらにいたしましても、法律改正によつてやりますことはかえつてこの問題を紛糾させるもとじやないかと思いますが、私ども考え通りに今非常に御尽力願いまして、近く結論が出るということでございますから、私はぜひその結論を一日も早く出していただけるようにお願いいたしておきます。  以上私は共管事務のうちで特にはなはだしい二、三の例をとつて申し上げたのでありますが、そのほかにも共管事務について検討を要するものが多々あると思うのであります。あるいは港湾行政をめぐります運輸省と建設省の間、あるいは砂防の河川行政をめぐります農林、建設、運輸というような問題、その他たくさん共管事務について検討を要する問題があろうと思います。先ほど塚田長官のお話によりますと、出先機関整理共管事務の総合調整については相当検討したというようなお話でございますが、今までのいろいろの御説明によりましても、起債の問題はやや曙光を認めたようでありまするが、その他の共管事務についてはまだほとんど見当がついておらぬような感じを受けるのであります。さらに出先機関整理の問題につきましては、いろいろ御検討に相なつていることとは思いまするが、この問題は、現在の府県の性格がこのままである限りにおいては、私はなかなか困難ではなかろうか、こういうように考えるわけであります。そういうふうに考えて参りますると、結局今回の定員法改正というのは、行政運営の強化といいまするが、天引きの行政整理であるというふうに言われてもしかたがないのじやないか、こういうふうな感じを持つのでありまするが、それにつきまして何か御所見がありますれば伺つておきたいと思います。
  32. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 先般もちよつと申し上げたのでありますが、私はこの機構改革を、機構の面と人員整理の面と二本に一応考えておるわけでありまして、機構の面は国、地方を通じて国力と国情にふさわしい簡素な、強力なものにしたいという考え方、それから人員整理の面は、もちろん機構改革と関連があるわけでありますが、機構改革それからそれに合せて国がやらないでもいいような仕事は国がやめてしまうということ、それから残つている仕事もなるべく効率的に簡素に運営して行く、そういうようないろいろの面、それにさらに国民負担のこういう状態であるということを頭に置いて、公務員の諸君にもう一段ふんばつていただく、つまり執務能率を上げていただく、そういう面を合せて考慮して、人員整理がどれだけできるかということを考えて行くわけであります。今度の人員整理はそういうぐあいに機構の部分が大部分あとにまわりますから、機構改革から来る部分は大部分後日に残つておるわけでありますが、その他の人員整理可能と考えられる面から検討いたしました数字が、一応今度整理対象とした人員でありまして、それが御審議つておる数字であります。ただこれが天引き整理ということになりますかどうでありますか……。もちろんこの人員整理の本来の行き方からすれば、ある省のこの仕事はやめた、従つてこの仕事に従事しておるこれだけの人間はいらなくなるのだというようにいたしますのが、天引きでない、いわゆる純粋の整理ということになると思うのでありますが、考え方としてはそういうように検討はしておつたわけであります。しかし実際に検討に当つてみますと、そういうぐあいにはつきりこの仕事をやめたからこれだけ人間がいらなくなるというように行けますものは、一番はつきりいたした例は競馬というもので、国営競馬をやめてあれした場合に、この人間ははつきりとわかる、そのほかたとえば会計事務を簡素にする、人事事務を簡素にする、その他庶務関係を簡素にするということを考えましても、だからしてここにこれだけの人間がいらなくなるというようにはなかなか関連性がつきにくいのであります。それからただ事務整理しなければ人間が整理できないということばかりを頭に置いて考えますと、この複雑な官庁機構ことに行政管理庁にいたしましても、機構改革本部にいたしましても、外から問題を見ておるものですから、個々の省にどこにどれくらいの余剰人員があるかということはなかなかつかみにくいものでございまして、しかも全体として見るとこれはやはり官庁それぞれの内部においても、まだ整理すればできるという意見がたくさんある。国民の側におきましては、もちろん非常に官庁の人員にむだがあるという意見であります。その一般的に見たむだがあるという意見、もつと能率を上げて少しの人間でやれるはずだという意見をここに検討いたしました場合に、個々にむだがあるのだというぐあいな点でつかみ出したものと非常なずれができてしまうわけであります。それでは結局行政整理というものはできないものでありますから、今申し上げたような事務整理でありますとか、執務能率の合理化というものは別途に考えまして、いろいろ手を打ちまして、そしてそれを裏づけとして、一方ずつと各省庁の仕事の性質を見ておつて、この辺の仕事はこれくらい整理できるのではないか、この辺の仕事はこれくらい整理できるのではないかという職種によつた整理の可能性の強いところ、弱いところあるいは全然考えられないところを区別いたしまして、そして各省別にこれだけの整理が御協力願えるのではないかという数字を出して、そして各省の御意見を伺いながら最終的な判断をして行くということであります。ですから天引き整理だということであれば、考え方においてはそれもあえて否定は申し上げませんけれども、しかしそれだけの努力とくふうをしながら、無理の起きないように努力をいたしたという点だけはぜひひとつ御了承いただきたいと考えます。
  33. 山崎巖

    山崎(巖)委員 最後にもう一点伺いまして、私は質問を打切りたいと思います。  それは地方公務員の整理の問題でございます。終戦後機構が非常に複雑化し、あるいは人員が厖大化しております点におきましては、地方の方が中央以上ではないかと私は思うのであります。たとえば府県の機構であります。府県機構であります部制にいたしましても、終戦前と現在を比べますと、おそらく各県とも三、四倍ないし四、五倍程度に部がふえておるように思います。また人員の点におきましても、大体地方公務員百三十五万でございますか、これを地方財政計画によりまして総予算のパーセンテージをとつてみますと、昭和二十八年度は大体三三%に上つておると思います。国の一般会計におきましては一二%か一三%足らずであつたと思います。もつとも警察官でありますとか、あるいは教職員でありますとか、そういう特殊な人がございますから、パーセンテージが上ることはやむを得ないとしましても、少くとも現在の地方の公務員の人員が非常に厖大であることはいなみがたい事実であろうと私は感ずるのであります。政府におかれましても、過日の人員整理閣議決定の際に道府県並びに市においては来年度五・五%、町村においては四%というような減員を勧告するというような御決定に相なつておるようでありますが、現在の地方自治団体のあり方からいたしまして、政府の勧告によつてはたしてこの整理ができるものであるかどうか、この点に私は非常に疑問を持つておるのでございます。また近々地方自治法の改正提案されるような御予定でありますが、この自治法の改正におきまして府県の部制についてどういうようにお考えになつておるのでありましようか、この点も伺いたいと思います。  また人員整理について、単に政府の勧告ということにとどめられておるのであるか、あるいは財政交付金の算定基準の場合に人員を減少して基準を出すとか、そういう点もお考えになつておるのでありましようか、どうでありましようか、具体的な案がございますればこれを伺つておきたいと思います。ことに現在の地方自治団体のあり方から見ますとなかなか実現がむずかしいのではないかというような懸念を持ちますがゆえに、ただいまの御質問を申し上げる次第でございます。
  34. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 地方機構及び人員の面におきましても、まつたく問題に対する認識は山崎議員の御指摘と同じであります。部制その他部課も非常に多過ぎる、人間も多過ぎる。こういう感じを持つておるわけであります。ただ何にいたしましても自治団体でありますし、自治団体と国の、つまり政府との関係というものはよほど気をつけなければならないものでありまして、一般行政官庁の出先というようにやるわけには参りませんので、大体の整理考え方はこういうぐあいにいたしておるのであります。部などの機構の面におきましては自治法に基礎を置いておる面があるわけでありますから、この部分は法律自体を直せば直る法律を直して、従つてそれに応じてやつていただくということになるわけです。ところが現在実情を調べてみますと、自治法が規定をしておる部制の部の数の上にたいていの道府県はみな上まわつたものを持つておるわけです。これは申請をして許可を得るという形になつておると思うのでありますが、それで今自治法の上に出ている部までを縮小するか、それともとりあえずの考え方として、その上まわつておるものを整理をしてもらいたいという行き方にするかということでいろいろ検討した結果、相当数上まわつておるものがあるようでありますので、今度の機会にはこの機構の面は、上まわつておるものを整理するという面に重点を置いてみたらどうだろうかというような考え方をいたしております。そういう考え方で機構の面は自治法の上に出て参ると思うわけであります。  それから人員整理の面は、一応整理の目標を国の平均整理率と調子を合せるということにいたしております。しかし実はこれはそういう考え方自体がおかしいのでありまして、第一おかしいということになれば、自治団体を自治庁が、都道府県市町村を通じて全部の数を集めて多いとか少いとかいつて議論しておること自体もおかしいのでありまして、個々の自治団体について検討すべきでありますが、しかし一応全体の感じといたしましては相当ふくれておるという感じがありましようから、国の今度の整理率と同じくらいの整理率を頭に置きまして、一般整理の基準としておる。従つてこの率からはじき出せる数字までは——これではじき出された数字を基礎に置いて、人件費などを財政計画の上に組むということになりますから、この整理に合わないところには、そこに財政計画の個個の自治団体に無理が出て参るわけであります。従つてこれ以上に人間をお入れになりたい、使つておきたいという自治団体があるならば、それはその自治団体の住民の負担においてやつていただくということになりますよという考え方で、間接強制をいたしておるわけであります。しかし実際には、自治団体の人員がどれくらいが適当であるかということは、実は私はこの一般的な整理基準とは別に考える、と申しますのは、幸いここに非幸にたくさんの数があるのでありますから、ある規模の標準に考えられるもの、相当理想的にやつていただいている自治団体があるわけであります。そういうところを十分に検討してみまして、なるほどこの程度でも片づいておるところがあるということがわかりましたらば、それと比較して非常に多いところは、逐次指摘をいたしまして、そういう実例もあるのであるから、こういうところをよく見習つて、再検討してもらいたいというように勧告指導して参りたい、こういうように考えておるわけであります。
  35. 平井義一

    ○平井委員 塚田大臣は、昨年行政機構改革に伴う行政整理ということを考えられたのでありますが、機構改革はあれやこれやで、遂にいまだ本格的なものが出ないので、定員法がここに審議をされておるのであります。私がその際能率本位に行くかあるいは経費の節減、国費の節減という立場において整理をやるのか、こういうお尋ねをして、その節、国費の節減ならばほかに手がある、ということを塚田大臣に申し上げた。塚田大臣もいろいろ考えた結果、ことに六万二千九十八名を整理する、その中には警察官が三万入つておりますので、約三万の整理と相なつておるのであります。先般特別待命制度をつくりまして九千百六十名、そこで欠員が一万くらいはあろうと私は思うのであります。そうすれば約一万名くらいの整理になる。それが昭和三十年までにやればいいというのでありますならば、各省において必要なものは無理に整理しなくても、翌年まわしでいいのかどうか。ここに政府提案されておりますこの定員法をわれわれはこのままのんでも、これがもし整理できない場合は三十年度にまわすのかどうか。また塚田大臣においてはこれまでには各省といろいろ折衝しておると思います。そこで各省が承諾をしたか。これでよろしゆうございますと、こういうことでこの定員法は出て来たと、私はこう思うておる。それにつきまして、農林省あるいは建設省のごとく出先の現場で働いておる方々が、どうしても整理をされては困るというようなことがあるでしようから、特に林野庁長官あるいは建設省出先機関の方々にお伺いするのでありますが、どうしても困るという場合には、これを翌年度にまわしていいかという点を一点お聞きするのであります。  それから先ほど来問題になつておりました各省にまたがる事項の中で、いろいろ相談をする、たとえば砂防問題のごときは、建設省と農林省と相談をしてやる、この相談は明治時代から相談をしておりますが、できません。そこで自治庁長官としての塚田大臣が自分の信念をかけて在職中に林野に移すべきか、あるいは建設省に移すべきか、これのひとつ判断を下す時期が来ておると私は思うのであります。双方の意見を聞いたらとてもまとまりません。山崎委員は内務省の出身である。あるいは農林省の出身の者はこれまた譲らない、いずれにして意見を聞くならば絶対譲りません。そこで内閣にいかなる委員会ができようと、どうしようと、できませんので、塚田大臣がひとつ、おれはこつちがいい——各省の政務次官、大臣、責任者を集めて十分意見を聞いて、おれはこう思うという信念のもとにきめるのが、今日の塚田大臣の大きな仕事である、こう私は思うております。ただ両方の顔を立てるというならば、これはできません。また水道問題にしてもその通りである。厚生省建設省の意見を聞けば、これはどつちも譲らない。ここに行政管理庁長官としての信念を披瀝して、これはこうすべきだという判断を下すときである。近ごろのように非常に大きな災害の来るときにおいては、特に河川の災害予防ということはもう重大な問題であります。山と農地と海は農林省でやつて、河川は建設省でやる、こういう不自由なことは実はないのである。しかしこれは各大臣あるいは各局長の自分の立場によつて意見は異なりましよう。しかしながら今こそ塚田長官がこれをやつてのける、またたとえば横浜、門司、長崎というような港に行きますならば、税関がありあるいは検疫所がある、農林省の植物検査所がある、海上保安庁がある、こういうことで事務が一本化するわけがない。こういう大きな問題を取上げて、これを二つ三つ解決するだけでよろしゆうございます。ほかのものは機構改革はいりません。こういう大きなものを三つだけでも解決すれば、塚田長官は永遠に政治家としてまつり上げられる。(笑声)そういう機構改革の全般にわたつてできるものではございませんから、かつて懸案で解決のできな大きな問題をここで解決してもらいたい。私はこれが塚田長官に対するお願いである。在職中にできるかできぬかをひとつ御答弁を願いたい。(笑声)  それから総理府の江口さんにお願いします。内閣はいろいろ担当しておられますが、最近私ども各党四人が琉球に行つたのでありますが、琉球は今日琉球政府となつて、向うの民政下に置かれておる。そこで内閣では南方連絡事務所というものをつくつて内閣から人を派遣しておりますが、御承知のごとく琉球には政府ができておるのでありますから、一般の交際あるいは日常の生活は外交官並にやらなければならぬ。そこで連絡事務所の所長がおりますけれども、所長も一向外交官らしくもないし、あるいは機密費もないし、定員も少い。少し様子のいいかつこうをして、アメリカ人と同格に話すような経費と人員をひとつ与える気があるかどうか。機密費というか交際費といいますか、これなどはまあどこの省も少いけれども、あまりにも貧弱で気の毒ですから、年に百万円なりとやるような気があるかどうか。この点をひとつ江口さんにお尋ねをいたすのであります。  また建設政務次官が来られておりますが、私の先ほど話した問題で、これは農林政務次官が見えたら少し困るのですが、真剣に、建設省はこうである、どうしても河川は放せぬという根拠をひとつお話してください。同時に出先がありましようから、特に建設事業というものは出先が多いのでありますから、出先のここの部分を整理されては困るということをひとつ私は聞きたい。聞いてまた特に塚田大臣にお願いしたい。農林省も同様であります。その点私は全部をひつくるめて質問をいたしたのでありますが、塚田大臣の信念と、各農林省あるいは建設政務次官の信念をお尋ねいたしたいのであります。江口さんにも伺つておりますよ。(笑声)
  36. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 逐次お答えを申し上げます。まず人員整理でありますが、各省承知をしたかどうかということでありますが、各省と話合いをいたしました上で、各省に御了承願つたのが今度の数字であると御承知いただきたいと思います。もちろん各省に御承知いただけるためには、その裏に待命という考え方もあり、また非常に事務整理のすみやかにできがたいというものには、年次計画という考え方もある。そういう考え方を頭に置いて御承知を願つたわけであります。ただ誤解のないように申し上げておきたいのでありますが、現在ある欠員の数字、それから一年間に自然に退職して行きます退職の数字というものは、必ずしもその全部がそれだけあるからして実際に整理をせずにいいというわけには参らないのでありまして、欠員というものの相当部分というものはやはり補充をしなければとても業務の運営がつかないという状態のものでありますので、わずかな部分がむしろ整理の一部分に充当できるものである、こういうように御了承願いたいと思います。それからして年次計画になつておるが、来年以後になつておるので、来年度以降になつておるものは原則としては今度の整理は一年という考え方をしておるわけであります。しかしそのために非常に無理があつてはいけないからして、御相談願えばある程度本年まわしのものもあつてもやむを得ないと判断いたしましてそうする。しかし一応の目標はことしは予算の上でも御承知のように少くとも六割は年内中に整理をしてしまうという目標になつておりますが、六割以上もなるべく二十九年度のうちに各省に御協力願つて整理をする。やむを得ないものだけが来年度に持越しになる、そういうように考えてあるわけであります。さらにはつきりとこの定員法の上で年次計画になつておりますものは、これはその事務の性質上やむを得ないものであるという判断をいたしたわけであります。  それから機構の面につきましては繰返して申し上げますが、まことに十分な整理改革ができませんで恐縮をするわけでありますけれども、しかし自分の考え方といたしましてはこれはぜひやらなければならないし、やる面がまたたくさん残つておる。これをすることが国民の大多数の要望に沿うゆえんであると考えておるわけでありますが、先ほどからしばしば申し上げておりまするように、やはり最終決断をいたします場合、もちろん最終的には本部長の御指示を得て、行政管理庁の長官である私がやはり実質的な判断をいたさなければならぬと思いますけれども、それをいたしますためには少くとも機構の今残つております面はいろいろな過去の沿革があつてできておりますものでありますから相当な困難があり、そのためには広く深く検討し、また多方面の意見を聞きまして、それと同時に一部局だけを問題にいたしますと、その問題になつた当該部局が非常に困難な立場に立たれるという事情もありますので、やはり少くとも今度あるときの改革においてはこの程度までは取上げなければならないと考えられる部分は、全部一応判断の基礎を固めまして、こうしてまとめて一緒にばさりとやる行き方でないと、一つの場所がこういう判断だからということでやるということは、政府部内のいろいろな納得を得て行くという上におきましても、また国会に出て御納得をいただけるという意味におきましても、どうも不得策なのじやないかというような考え方が、今度の提案までには行かなかつた理由の大きな部分であります。私の在任中にできるかどうか、やる意思かというお尋ねでありましたが、いつまで在任をしているかその点はわかりませんので、在任中にどうかということは見通しは申し上げられませんが、しかし在任中に片づけたいという強い信念と決意を持つておるということだけで御了承を願いたいと思います。
  37. 南好雄

    ○南政府委員 お尋ねの第一点は、建設省は現場を持つておるが、その現場の人員整理について仕事のさしつかえがないかどうかという御質問であつたかと考えます。御指摘通り建設省は直轄工事をやり、道路、河川、営繕というふうに主として現業的の色彩が非常に強い部門を持つておるのであります。御指摘はおそらく地方建設局の職員であろうかと存じます。しかし反面におきましては政府の持つております行政整理の方針ということにつきましては、私たちも十分に理解をいたしておりまするし、また協力して推進しなければならぬと考えておりますので、その間の調整をいたしまして、大体行政管理庁にも御納得を願いまして、詳しい整理の内容につきましては後ほどお話申し上げますが、今日のところにおきましては、ほぼ現在の人間で仕事にさしつかえのない、かつまた行政管理庁御希望通りの人間を整理し得られる立場にあると考えております。大体整理の方針は二年間にやつて参る方針でございますが、事務の簡捷とそれから能率を向上させるという二つの点から整理をいたしましても、ほとんど皆様方に御迷惑をかけないという程度の信念を持つたところに参つておると考えております。  お尋ねの第二は、水道とかあるいは砂防という面におきましていろいろ各省と関連しておるが、その共管事務解決するについてお前はどういう信念を持つておるかというお尋ねのように拝承いたしました。水道につきましては建設省といたしましては都市計画という一つの大事な仕事を持つておりまする関係から、これを全然野放しにしてしまうということはなかなか参りかねると思います。しかし要はこの共管事務につきましてはどこの省が主となつてやるかということで、その省の主要任務につきましてお互い関連事務について協力して行くという態勢に上も下もなりますれば、それほどむずかしい問題は起きないと私は考えておるものの一人でございますが、なかなかそういうように参りかねる。たとえば砂防にいたしましてもどこが一体中心になつてやるかというと、名省それぞれ所管事務を協力して行くということになるのでありまして、私は共管事務と申しますものはほんとうに虚心担懐に上から下までその気になればそうむずかしい問題じやないのだと思いますが、その立場々々になりますとなかなか自説と申しますものを折れないというようなことも現実の問題といたしまして出て参りまして、長い間非常にむずかしい問題が起きて参つておるのだと考えております。しかしながら何とかしてこういう問題を政府といたしましても解決して、これを受ける立場における人たちの御迷惑を最小限にして行くということはぜひやらなければならぬと考えております。その意味におきまして砂防にいたしましても、水道事務にいたしましても、できるだけ何と申しますか国民各位に御迷惑を及ぼさないという観点に立つて、しかも国家の総合事務の運用と申しますか、そういうものをできるだけ発揮するような機構に持つて参りたい。またそれに協力したいという信念でおりますことを申し上げまして、お答えにかえたいと思うのであります。
  38. 江口見登留

    ○江口政府委員 お答え申し上げます。南方連絡事務局の那覇出張所を御視察くださいまして、たいへん御理解のある御質問をいただきまして、まことに感謝にたえません。定員関係におきましては現在二十八年度におきまして四十一人ございますが、このうち四人二十九年度において整理することになつておりますが、この整理人員は南方連絡事務局の仕事にかんがみまして、一般整理より軽減されておるのでございます。その役目が主として対外関係と申しますか、そういう方面の仕事が大部分でありまするので、いわゆる在外公館並に縮減の率が低くなつておるのでございます。定員におきましては四名減員になりましたが、常勤労務者といたしまして——現在二十八年度におきましては非常勤職員が二十一名ありますが、二十九年度におきましては常勤労務者に振りかえまして二十三名となつておりますが、この点では二人増員というようなことが言えるかと思うのであります。現地の職員に対します交際費その他の特別の手当等につきましても、十分財務当局とも相談いたしておりますが、十分なそういう方面の経費を盛り込むことができませんので、ただ特別手当については一、二度増額したこともございますが、なおお話の点なども十分大蔵省と話合いをつけまして、御指摘のありましたような点についても不十分のないよう今後とも大いに気をつけて行きたいと思つております。
  39. 柴田栄

    ○柴田(栄)政府委員 お尋ねの第一点でございますが、人員整理と現業の関係につきましては何といたしましても現業、しかも企業特別会計の現業が私ども地方の現業職員でございますので、必要の人員に関しましては、ぜひともこれが確保を必要といたす次第であります。それに関しましては、その調整を御相談いたしまして御了承いただいておりまするので、現在の整理案にありまする定員によりまして現業は完遂できるものと見ております。なお必要の新規事業に関しましては、定員増も認められると思いますので、企業の特性からいたしまして、必要なものはお認めいただき、節減できるものは節減するという方向で御相談をいたしておりますので、現業は支障なくしかも整理も一応円滑に完遂できると見込んでおります。  なお第二点の機構の問題につきましては、私どもこれを明確に割切つて遂行し、かつ関係の皆様方が支障なく行けるという方向に対しまして、決して反対いたすものではないのでありますが、治山の問題等林野行政、さらには農林行政という非常に複雑な関連をただ一点から割切るという問題は、かえつて御迷惑をかけるというような結果もいろいろ考えられますので、その点私ども自分の分野を守らなければならないからこの機構でなければならぬというようなことは、毛頭考えないつもりでおりまするが、公正な御判断と周到な御審議によりまして決定いたしますれば、全然私ども異議はない、かような考えを持つております。
  40. 平井義一

    ○平井委員 先ほどの塚田大臣の答弁をお伺いしまして大体納得をいたしたのであります。塚田大臣の御答弁によりますならば、六割は今年度整理をいたしたい、残りは翌年にいたしたい、こういうことでありますので、政府提案のこの定員法をこの委員会でこのままのんでも、あとは御相談に応じてくださるのかどうか、御相談に応じてくださるとすれば、社会党の各位も無条件でこれは本委員会を通すと私は確信を持つておるわけであります。この点は塚田大臣は相談に応じ、不自由な点は翌年まわしに委員会の希望通りしてくださるかどうか、もう一ぺんお尋ねをいたしたいのであります。あとはなかなか塚田大臣も慎重に考えて今日まで努力されたということが見受けられるのであります。  それから建設政務次官は、信念を私は聞いたのでありますが、これは信念になつておらない。なぜかといえば、水道なら水道建設省で許可も建設もやりたいから、こちらにくれた方が便利でいい、あるいは大衆のためである、こういう信念を私は聞きたいので、両方で相談をしてやるならば、これは信念ではありません。地方の町村長がその点非常に不自由であるから私は言うのであつて、相談はいりません。建設省なら建設省にください、建設省へくれた方が能率が上るし、市町村のためになる、私はこのために政務次官を賭してでも闘いますということが信念です。今のは信念にならぬから、もう一度聞き直したい。  それから林野庁長官は非常に謙遜な態度でりつぱでしたが、実はこの砂防の問題ですが、謙遜するのも程度がある。実は河川砂防は林野行政切つても切れぬ関係にあるので、ぜひとも建設省の河川事業というものは林野庁に持つて来るべきである。これはおそらく林野庁長官が言いたいところでありましようけれども、言えなかつたのであると私は思つておるのであります。この点で私は今こそこの問題を解決しなければ、将来大災害に遭遇する場合においては非常に国が損であり、国民が損である。この点で塚田長官も聞かれたように、林野庁としては主張はしたいけれども、しない。ただ建設省としてはわれわれがそつちに行くのは困る。しからば山を川と海を包含しきれるかどうか。建設省がしきれなければ河川のみを建設省にとどめるというのは不合理だ。どうしても災害を守るためには保安林の育成、すなわち治山事業を拡充せなければならぬのである。山と川は続いている。海もまた続いている。そこで山と川と海はやはり一つの省なり庁が担当すべきであると私は考えるのである。従つて林野庁にもし面子上やれないというならば、別に何とか庁をつくればいい。これを一緒にしてやるぐらいの信念がなければとても解決しません。いつまでたつて解決しません。この点につきましても塚田管理庁長官——これは緒方さんに相談をしてもできません。あなたがこの問題を取上げて緒方さんと議論をかわすならば、われわれは支持します。とても緒方副総理ではむずかしいと私は見ている。その点で私は数多くの機構改革の中で、塚田大臣の在職中にお願いしたいのは三点。すなわち川と水道と港であります。先ほど申し上げたこの港と川と水道問題を在職中に解決してくだされば、塚田長官はほんとうに政治家の模範としてたたえられる。これは先ほど申し上げた通りである。  そこで江口副長官にもう一度ちよつとお尋ねします。よくお気持はわかりましたが、実は先般福永長官と私的に御相談をしたときに、いくらか交際費を増そうか、こういう話であつたのであります。これは委員長と二人で行つたのでありますが、そこで私は予算を動かしてこれを増せと言うのではありません。内閣にあるあなた方がお使いになる金の中から、交際費をあなた方がしんぼうして、琉球に行つている南方連絡事務所にやつてくれぬか、これはわずか百万円ぐらいです。それを私はお願いしているのでありまして、大きく大蔵省と相談をしてなどと、私は与党であるから大蔵省をゆすつたり予算に傷をつけるようなことは言いません。あなたの使つているところから幾ばくか融通してくれませんか、話によるとわずか月十万ぐらいです。それを少しふやしてくれという意味でありますから、その点ひとつ官房長官と御相談の上、十分御考慮願いたいと思うのであります。  以上私は次会に譲りましてこの程度にいたしますが、塚田長官にもう一度のお尋ねと、政務次官の信念と、それから林野庁は非常に謙遜でしたが、治山課長にひとつ信念をお聞きしたい。
  41. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 お答え申し上げます。第一の定員整理の点は、年度内は困難な事情があれば、六割までやつていただけばやむを得ません。しかしなおできるだけそれ以上もという考え方でありますので、その線で各省は大体計画を立てておられると考えております。  第二の点、川と港と水道、私もちようどそういうような問題点が最も重点であると考えております。水道は先ほど申し上げたように近いうちに必ず結論を出しますが、なおその他の問題も早急に結論を得て、ここに取上げて解決ができますならば、これだけはぜひ在任中に片づけたいと存じます。
  42. 南好雄

    ○南政府委員 平井委員から重ねて信念をという御質問を受けたのでありますが、私は大体その各省所管事務と申しますものは、要するに一応事務をとる便宜のためにできたものでありまするが、その便宜のためにできた言葉の説明と、従来からやつておつたいろいろのしきたり、伝統あるいは過去の経緯と申しますものが紛着いたしまして、今のような共管のむずかしい問題が起きて来たと思います。しかし各省官制があくまで国民のためにあるのだという信念に徹し切れば、共管事務解決には相当大きな役割が出て来るのじやないか、私たちが政務次官になつておりますのも、要するに官僚の今までの考え方に引きずられるというような立場に立つのでなく、大きな意味で、各省所管事務と申しまするものは、国民の便宜のためにできたものであるという信念のもとにおいて共管事務解決したい、こういうことなのであります。川の問題にいたしましても水道の問題にいたしましても、その心持に立つならば、相当解決に役に立つのではないか。ただ今の建設省の所管事務あるいは官制を考えて参りますならば、河川の行政を申しますものは、河川局があげて林野庁の今の機構のもとに統合されるというようなことは、平井さんのお言葉でありますが、言葉の上におきましても従来のあれにおきましても、少し無理のように思うのであります。しかし、もしもほんとうに砂防というものをすつきりした形に持つて行くために新たな機構考えるというような見地に立ちますならば、そういう点につきましても、私たちは過去のいきさつになずまず、新しい意味におきまして協力する、こういうことを申し上げたのであります。要は、信念も大事ではありまするが、(「信念以上に大事なものがあるか」と呼ぶ者あり)共管事務解決には、ほんとうに国民のためにということが一番大事であるという私の心構えをお答え申し上げた次第であります。
  43. 柴田栄

    ○柴田(栄)政府委員 私どもの信念と申しまするか考え方を、もう少し明確に正直に言うたらどうかという御尋ねだと存じまするが、私案は正直に私の気持を申し上げた次第であります。現在のわが国の地勢から来まする現状からいたしまして、まことに申訳ない次第でございますが、林野の内容整備が必ずしも的確に行つておらないということを率直に申し上げなければならない現状におきましては、治山事業と治水、利水が、順序を考えずに同時に実施されなければならないというところに非常に問題があると存じまするが、林野、森林を整備することによりまして、治山を完了いたしますれば、治水の問題は、主として利水の問題になるのではないかというような気さえするのでございます。しかし現状におきましては、治山と治水、利水とは非常に有機的な関連にありながら、同時に解決しなければならない幾多の問題を包蔵いたしておりますので、この際統一的な機構をもつて実施することがいいのか、あるいは他の関連におきまして、連絡いたしまして、それぞれ非常に大きな部面を調整いたして担当するのがいいかということには、非常に問題が多いのじやないか、かように考えておりまするが、私どもといたしましては。あくまで治山事業と林業の計画的経営によりまする国土の保全というものと経済、産業と公益事業との調整をいかにするかという問題でいろいろ御審議を願い、その万全の方法によつて決定いただければ、それが最も妥当である、かような考え方には一切かわりはないということを重ねて申し上げます。
  44. 塚野忠三

    ○塚野説明員 治山の問題については、ただいま長官からお答えを申し上げた通りでございます。災害と山の関係については、遺憾ながら山の状態が万全な形を整えておりませんので、非常な降雨等において非常に大きな災害を起しておることは、はなはだ遺憾であります。せつかくこういう契機に災いを転じて福となすべく基本的な問題から検討を行つているのであります。先ほどお話のありましたように、治山治水の根本的な対策として、まず水源山地の保全的な管理という面から、保安林の整備強化、あるいはその線に出て参ります造林、あるいは最もはなはだしく荒廃しておるところに対する治山事業の施行というようなことも、新しい観点から従来の方式に検討を加えて、十箇年計画をもつてこれに対処しよう、かように考えております。
  45. 平井義一

    ○平井委員 もう実はやるまいと思つたけれども、今の御答弁によつてもう一点伺います。治山課長にお尋ねしますが大体私は、河川改修にいかに国費を投じても、治山事業を拡充しなければ、災害はのがれられぬと思つておるのでありますが、この治山事業と防災、すなわち河川の防災事業とがどういう関連を持つか、しかして林野庁における治山事業の一環として、河川の改修なり河川の変更をやらなければならぬのではないか。その点で二つがわかれておることは非常に不自由ではないか。これは決して私ども農林委員でもなければ建設委員でもないのでありますから、深く言うわけではありません。ただ機構の面に置いて不自由ではないか。そこで林野と河川というものが密接な関係がある。その点で林野庁に持つて来いとは、政務次官もおるから、なかなか言いにくいでしようが、これは実はこうこうこういう点で自分たちの方でやつた方が非常に便利であり、災害ものがれる率が多いということをひとつ御答弁願いたい。
  46. 塚野忠三

    ○塚野説明員 災害と山の関係を重ねてお尋ねでありますが、治山が完全にできますれば、災害は相当に防止軽減できるという信念でおります。
  47. 平井義一

    ○平井委員 それで、川があなたの方に来た方がよいかどうかということです。言いにくいですか。やはり一緒がよかろう。
  48. 塚野忠三

    ○塚野説明員 川の問題につきましては、そういう観点から、水源から下まで一貫するということは、これは御案内の通りきわめて厖大な仕事であります。私どもの立場で現在仕事をやつておりますのは、山に砂防があり川に砂防がございます。いわゆる林野砂防と称し、河川砂防と称するのでありますが、山に関する砂防については、先ほど申し上げましたように、治山がまだ十分に行つておりませんので、これを精一ぱい拡充していただくということが、災害に対する私どもの最大の念願であります。
  49. 稻村順三

    稻村委員長 辻政信君。
  50. 辻政信

    ○辻(政)委員 簡単に一点だけ。この人員整理の案は塚田長官の信念が、官僚どもの組織的抵抗に破れた案だ、こう思うのであります。自由党も官僚の組織的抵抗に負けた。自由党の最大のスローガンは行政改革であります。そこで問題は、この人員整理を実行するときにまた負ける。というのは、課長以上がそのまま居すわりになつて、低い地位の人、現場の人、弱い者にしわ寄せが来まして、頭が大きくて手足の細つた人員整理になるということが非常に心配なのであります。そういうことがないように、各省ににらみをきかして、整理すべきポストを死守するというような御回答がこの前ありましたが、その資料をひとつ御提出願いたい。またそれに基いて各省が、課長以上で何人首切るか、係長クラスでどのくらい整理をするか、第一線をどのくらい整理するかという比率をはつきりここへ示していただきたい。そうしないと抽象的な議論ではその懸念が解消できないので、この次の機会までに、委員長から政府にその資料の提出を要求していただきたいと思います。
  51. 平井義一

    ○平井委員 先ほど江口副長官にお尋ねした中で、その費用は、実は今、年に十万円なんです。それだから年に百万円くらいにしてもらいたいという意味なんですから、訂正しいおきます。
  52. 江口見登留

    ○江口政府委員 官房長官とも十分相談いたしまして、二十九年度から適当な方策を見つけるように努力をいたしたいと思います。
  53. 稻村順三

  54. 大久保武雄

    大久保委員 私は本日お配りになりました各省別欠員数調、非常勤職員在職者数調につきまして、ちよつと御質問申し上げたいと思います。人員整理に関しましてはすでに数次行われておりますために、いろいろな行政の実際の運営上無理な点が出て来ておる。これは前回も塚田長官がみずからお認めになりました。そこで問題は、先ほど同僚の山崎委員から述べられましたように、許認可事項の整理改廃法律改廃と非常な至大な関係を持つておる。そこでこの整理と実際の行政運営上の調整をどこでやつておるかというと、私は非常勤職員というところに出て来ておるのじやないかという気持がするのであります。そこで実際定員を削減せられて、行政運営ができないのを非常勤職員という形で埋め合せをしておる、そういうことではないかと実は考えるのであります。そういたしますとその数はきわめて多いのであります。そこでこの表はいかなる根拠でおつくりになつておるのか、表を拝見いたしますと、非常勤職員の在職者が四十四万七千人ということになつておる。これははたして事実であるかどうか、もし事実であるとするならば、この費目はいかなる予算上の費目から御支出になつておるか。またこの非常勤職員の四十四万七千人というのは、行政管理庁長官においてお認めになつておるのか、この点をまずお尋ねいたしたいと思います。
  55. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 大体定員と非常勤職員関係は、こういう考え方をいたしておるのであります。定員で出しますものは、仕事の性質からしても国家公務員であるべき性格の者、さらに大体の標準の仕事の繁忙さというものを考えて、その繁忙さにおいて常時なければならない者は定員である、こう考え方をしております。従つて時期的にある時期は非常に忙しい、しかし年間を通じて忙しくないというときには、忙がしい時期に必要な要員というものは、これは非常勤職員で置く。また仕事の性質からいつても、これは国家公務員たる性格でないというものがあるならば、これは定員外の者、従つて非常勤職員の中には、年間のうちきわめん短期間雇用される者があるのと、それから今御指摘になりました数字のうちのきわめてわずかの部分でありますが、従つてそのうちの若干は常時置いておる者もあるわけであります。考え方は大体そういう考え方でありますが、ただいま御指摘数字は、資料として提出いたしましたものでありますからして、当然私どももこれは承知いたしておるのやあります。なおその内容につきましては、管理部長からお答えいたします。
  56. 大久保武雄

    大久保委員 いかなる費目から出ておりますか。
  57. 岡部史郎

    岡部政府委員 この非常勤職員数字は、各省からとつて行政管理庁で作成したものでありますが、これは大体各省委員、顧問、参与というような当然非常勤の者、それから農林省でございますと、年間数百円の手当を受取りまして、作物状況の報告の調査に当るというような種類の者、そういうような者を全部ひつくるめて四十四万という数字でございまして、これは今年におきまして特にふえたということではございませんで、こういうたぐいの数字は、ずつと前かから非常勤職員というものは全部ひつくるめてあるというようにひとつ御了承願いたいと思うのであります。  これの費目につきましては、それぞれ事業費でございますとか諸手当とか、そういうものに入つておるわけでありまして、「昭和二十九年度予算説明」、大蔵省でこしらえたものの中の職員給与の中の諸手当、それから謝金というようなものの中に入つております。
  58. 大久保武雄

    大久保委員 ただいま長官は、きわめて季節的にフラクチユエーシヨンのはげしいものに対しては臨時的にはとるのだ、こういう御答弁でありましたけれども、私が承知するところによりますと、必ずしもそうでないものもあります。実際上の職員とほとんどかわりがない仕事を常動的にやつてつて、形の上において非常勤の形である、手当も少い、こういう種類の職員各省庁にきわめて多いようであります。現在塚田さんの郵政省にもそういう者がおる事実がありますし、農林省あるいは大蔵省その他各省にわたつておりますが、こういう種類の職員を今度いかにされる御予定であるか、いかなる方針をもつて臨まれるか、その点を明確に承つておきたいと思います。
  59. 岡部史郎

    岡部政府委員 今の大久保委員のお尋ねの点は、非常勤職員より一つ定員法職員に近いところの常勤労務者についてのお尋ねでなかろうかと思うのであります。この常勤労務者と申しますのは、実はお尋ねのようにその勤務の形態においては、ほとんど定員法の中における常勤職員と同じような形態を持つておるということは御指摘通りであります。このような常勤労務者をそれでは定員法の中に入れるべきでなかろうか、あるいは定員法から整理するならば、この常勤労務者の中にみんな逃げてしまうじやないかというようなお尋ねもあろうかと思うのであります。私ども考えといたしましては、かねてから国会、各方面におきまして、この常勤労務者の処遇の点につきまして再三お尋ねがございますので、これは非常に大きな問題と考えておるわけでありますが、一品に申し上げますならば、定員法定員というのは、各省の大体恒常的な、パーマネントの職位を構成する職員をこの中に含む。それから常勤労務者というのは、実際において定員法上の定員に含まれる職員と同じような仕事をしてはおるけれども、その省の恒常的なポストを占めるものではない、いわば臨時的な状態のものである、そういうように考えておるわけでありまして、これが真にその省の恒常的な職位を占めるような職員になりますならば、もちろん定員法の中に入れなければなりません。しかし同時にまたこの常勤労務者というものが、二十五年、人事院の通牒によりまして、そういう者を大体常勤の職員と同じように扱え、こういう通牒が出まして、さらに二十七年度予算から常勤労務者給与という項目が予算上認められまして、これが比較的固定したような一つ職員の種類になつておることは、これは御指摘通りであります。それでその数はどれくらいかと申しますと、二十九年の二月十五日の調べでは一般会計、特別会計合せまして二万四千八百ということになつております。大体ここ数年三万前後の数字のようであります。これらをどうするか。これを定員法の中に入れてしまつたならば、さらにこういうものが一体なくなるものかどうか。こういうものを定員法の中に入れてしまつたあとで、また同じようなものができるか。あるいはこういうものと定員法の中における雇員、用人というようなクラスとをどういうように処置するかというようなことは、いわば公務員の制度上一つの大きな問題であろうと思いますので、これは近くできます公務員制度調査会の一つ審議事項にいたしまして、最終的な解決方策を見出さなければならぬものではなかろうかと存ずる次第であります。ただこれらの職員は野放図になつておるのではございませんで、それぞれの事業量に応じまして、毎年予算においてそれぞれ各省別に査定してその数を確定して行つているというような状態でございまして、ある程度までの統制は加わつておるということを御了承いただきたいと思います。
  60. 稻村順三

    稻村委員長 大久保君の質問に対する岡部理部長の答弁について、多少事実と食い違つた点もあるので、その点委員長から質問いたします。  事実農林省関係の現場では、事業費から雇つている者は全部これを非常勤として常勤さしております。常勤とは、すなわち予算に組まれたものであり、人件費として組まれたものを常勤とし、これは普通の公務員と同じように働いておるのであるが、現場においては、事業費から出しているものはこれは全部常勤と同じように働きつつ、しかも手当あるいは健康保険その他の点において除外をされつつ、悪い条件のもとに働いている者が、非常勤としての名前で使われている者があり、それが相当の数に上つておることは、これは大久保委員指摘した通りであります。この点もし明確に資料があるならば、至急提出願いたいと思います。  なお大村委員から発言を求められておりますので、これを許します。
  61. 大村清一

    ○大村委員 前会希望しました資料が出たようであります。私のお願いしたいと思いますところは、今日のような社会状態、経済状態のもとにおきまして、定員法改正によつて減員される人のうちで、はたして何人が首を切られるか。言いかえてみますと、その意に反して公務員の地位を失わなければならぬものの概数を知りたいのであります。六万人が減員になつておりますが、そのうちには特別退職者もあります。これはその意に反したものではなかろうと思います。あるいはまた欠員のうちで処理される部分もございましよう。また配置転換によつて、現実には首を切られずに済むという人も何がしかあるはずであります。それらの点を御考慮の上で、減員のうちで現実に何人が首を切られるか。このような点をひとつ——これは想像が入りますから、正確な数字は出ないと思いますが、見込数でけつこうでございますから、結論的な数字を伺いたいと思います。
  62. 稻村順三

    稻村委員長 ただいま大村君の要求した資料とともに、先ほど辻君から要求されました、課長以上の整理一般整理との比率に関する資料の御提出を要求いたします。
  63. 田中稔男

    田中(稔)委員 大久保君の質問に関連して。非常勤職員の数が法務省関係において四万二千幾らあるということですが、この具体的な内容はどうなんですか。人事調停委員とか、民事調停委員とかありますね。具体的にああいうものを指しているんじやないですか。
  64. 岡部史郎

    岡部政府委員 お説の通りであります。  大村委員のお尋ねにお答えいたしますが、この前のお尋ねがございましたので、本日資料といたしましては、特別待命者数及び欠員数の資料を差上げた次第であります。それではあと実際に整理される者が何人かということは、それらから導き出すよりほかないのでございまして、申し上げますと、警察につきましては、三万名を四年間に整理いたしまして、二十九年度におきましては一万名の整理でございます。一万名の整理のうち、すでに特別待命によりまして二月十五日までに警察では千六百四十二名出ておりますから、その余が、二十九年度において一万名から千六百四十二名を除いた分が今後整理されるということになります。それから一般職員におきましては三万名でございますが、そのうち特別待命が九千百六十名出ております。そのうち警察の千六百四十二名引かなければなりませんが、それらのものがこの三万名の中に含まれる。それから欠員が現在のところ七千九百十六名ございます。この欠員が全部充当できるものでないことは、これは先ほど長官から申し上げた通りでありますが、この欠員が相当部分充当される。これがどれくらい充当されるか、これも実際各省事情によりますので、これも推定で申し上げるよりほかありません。それから二十九年度におきましては、約五千六百七十名の増員がございます。それでこの五千六百七十名というものは、新たな仕事、どうしてもしなければならぬ仕事に基きまして認められた数字でありますから、これも整理する方と差引ができませんけれども、場合によりましてはそちらの方に間に合うものもあろうかと思うのであります。そういうことも考えますると、先ほど建設省及び農林省から現場の事情につきまして申し上げました通り、円滑に行くのではなかろうか、各省ともこれは円滑に整理できるというように考えておりますので、その点を御了承いただきたいと思います。  それから先ほど辻委員から資料の要求がございました。これを各省提出するように連絡はいたしますが、各省といたしましては、これから具体的な人員整理、ことに特別待命以外のものはこれから整理にとりかかりますので、今から課長何人、係長何人というような数字各省は実際において持たないのではなかろうかと推察されますので、できましたらもちろん提出いたしますが、あるいは明日とか明後日ということは無理ではなかろうかと思いますので、御了承いただきたいと思います。
  65. 辻政信

    ○辻(政)委員 ただいまの岡部さんのお答えに関連してつけ加えますが、この前の委員会塚田長官は、下級者だけにしわ寄せにならないような方法で、各省に上級者も淘汰する一つのわくというか、標準を示している。それで各省がかつてに下級者だけを首切らないように、その標準に照し合せて相談をしてやるという御答弁がはつきりあつた。それならば、各省にお示しになつたその整理実行の基準のわくをお示し願いたい。
  66. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 御指摘のようなものはあるはずでありますし、必ず御提出を申し上げます。
  67. 稻村順三

    稻村委員長 なお委員長からも念を押しておきたますが、行政機構改革が出ておらないのでありますので、もし行政機構改革はやらないとすれば、課という機関はそのまま残るのであります。従つて課長の数は整理しないということが原則になるのでありまして、そうすると、好むと好まざるとにかかわらず、課長以外の人間の整理ということになるのであります。その矛盾をどうするかということについて御意見を伺いたいと思います。
  68. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 機構改革ができませんけれども、実はこれだけはぜひやりたいという考え方で課、係の整理ということを実は考えているわけであります。各省に一応意向は伝えてあるのでありますが、やはり改革本部から何か一応の基準を出してもらわないとやりにくいということで、その基準を出してもう一度推進するようにという考え方であります。しかし私は課、係の整理と辻君のお尋ねの点とは、そう矛盾はしておらぬのじやないかと思うのであります。辻君は要するに、末端の弱いところで整理をして、上のところで整理をしないようなことでないようにということであると思うのでありまして、私ども整理の際にはそういう考え方で、上の人も下の人もある考え方に従つて、同じ線で政府はやつて行くという考え方で、御期待に沿えるのではないかと考えております。
  69. 大久保武雄

    大久保委員 たとえば各庁の定員に対して、五分なら五分、一割なら一割、こういう天引き整理であつた場合は、局長定員が十人あれば、一割ならば一人減る、二十人ならば二人減る、こういうことに相なる筋合いと思つております。そこでたとえば機構改革をせぬでも、定員の方面から、自然各庁の局課に対して廃合が行われる、こういうふうに私は当然考えられると思いますが、この点についてはいかがでございますか。
  70. 塚田十一郎

    塚田国務大臣 私は実はそうは考えておりませんので、全体として数を整理する、従つて十人の課がありますれば、一割整理ならば、どこかから一人だけ整理をするということになるわけです。しかし現実にその場合、一番末席の者を整理するか、一番上席の者を整理するか、あるいは次席の者を整理するかということは、それぞれの部課の具体的な事情によつて判断をさるべきであつて、しかしそれとは別個にやはり課、係は非常に多いと思いますので、これは別の考え方からぜひ整理をして行きたい、こういう考え方をしております。     —————————————
  71. 稻村順三

    稻村委員長 他に総理府関係についての御質疑はございませんか。——質疑がなければ、この際お諮りいたします。  本案に関し、人事委員会より連合審査会を開きたいとの申入れがありましたので、人事委員会と連合審議会を開会いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 稻村順三

    稻村委員長 御異議なければさよう決定いたします。  なお連合審議会の開会日時は、当該委員長と協議して決定いたしたいと存じますが、大体の予定といたしましては、人事委員会との連合審査会は水曜日の午後、郵政、電気通信委員会との連合審査会は木曜日、農林委員会との連合審査会は金曜日に開会いたしたいと存じますから、さよう御了承願いたいと存じます。  大分時間も経過いたしましたので、午前の会議はこの程度にいたし、午後二時まで休憩いたします。     午後零時五十三分休憩      ————◇—————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕