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1954-02-24 第19回国会 衆議院 内閣委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年二月二十四日(水曜日)     午前十時五十分開議  出席委員    委員長 稻村 順三君    理事 大村 清一君 理事 平井 義一君    理事 八木 一郎君 理事 高瀬  傳君    理事 下川儀太郎君       江藤 夏雄君    高橋  等君       永田 良吉君    船田  中君       山崎  巖君    粟山  博君       田中 稔男君    冨吉 榮二君       三輪 壽壯君    辻  政信君  出席国務大臣         国 務 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         総理府事務官         (恩給局長)  三橋 則雄君         行政管理庁次長 大野木克彦君         保安庁長官官房         長       上村健太郎君         引揚援護庁次長 田辺 繁雄君         海上保安庁長官 山口  伝君  委員外出席者         議     員 松前 重義君         宮内庁長官   宇佐美 毅君         総理府事務官         (行政管理監察         部長)     山中 徳二君         総理府事務官         (監察参事官) 柳下 昌夫君         総理府事務官         (監察参事官) 吉田 龍雄君         総理府事務官         (監察参事官) 山口  酉君         専  門  員 亀卦川 浩君         専  門  員 小関 紹夫君     ――――――――――――― 一月二十六日  委員迫兼光君及び島上善五郎辞任につき、  その補欠として田中稔男君及び加藤清二君が議  長の指名委員に選任された。 同月二十七日  委員片山哲君及び西村榮一辞任につき、その  補欠として三輪壽壯君及び平野力三君が議長の  指名委員に選任された。 同月二十九日  委員山村新治郎君辞任につき、その補欠として  池田正之輔君議長指名委員に選任された。 二月一日  委員加藤清二辞任につき、その補欠として安  平鹿一君が議長指名委員に選任された。 同月十一日  委員安平鹿一辞任につき、その補欠として飛  鳥田一雄君が議長指名委員に選任された。 同月十二日  委員田中稔男辞任につき、その補欠として石  村英雄君が議長指名委員に選任された。 同月十三日  委員石村英雄辞任につき、その補欠として田  中稔男君が議長指名委員に選任された。 同月二十四日  委員大久保武雄辞任につき、その補欠として  高橋等君が議長指名委員に選任された。 同日  理事稻田柳右エ門君の補欠として高瀬傳君が  理事に当選した。 同日  理事迫兼光君の補欠として下川儀太郎君が理  事に当選した。     ――――――――――――― 二月十三日  科学技術庁設置法案松前重義君外七名提出、  衆法第三号) 同月二十二日  統計法の一部を改正する法律案内閣提出第四  八号)(予) 一月二十一日  恩給金庫復活に関する請願島村一郎紹介)  (第一号)  金鵄勲章年金復活に関する請願佐々木盛雄君  紹介)(第二号)  同(山本友一紹介)(第三号)  同(關谷勝利紹介)(第四号)  恩給法の一部改正に関する請願神近市子君紹  介)(第五号)  同(稻村順三君紹介)(第六号)  昭和二十三年六月三十日以前に給与事由の生じ  た恩給特別措置に関する法律適用請願(花  村四郎紹介)(第七号)  戦犯者恩給支給に関する請願松浦周太郎君  外一名紹介)(第八号)  恵庭町に保安隊施設設置に関する請願椎熊三  郎君紹介)(第九号)  地方監察局廃止反対に関する請願高瀬傳君  紹介)(第四四号)  M・S・Aによる防衛五箇年計画反対に関する  請願山花秀雄紹介)(第六八号)  北陸財務局存続に関する請願岡良一紹介)  (第八二号)  同(喜多壯一郎紹介)(第八三号) 同月二十六日  恩給金庫復活に関する請願小峯柳多君紹介)  (第二二三号) 二月一日  東北地方開発法制定に関する請願只野直三郎  君紹介)(第三九一号) 同月三日  恩給法の一部改正に関する請願橋本龍伍君紹  介)(第五四〇号)  恩給金庫復活に関する請願三浦一雄君外一名  紹介)(第五四一号)  恩給進達事務に対する国庫補助増額に関する請  願(山中貞則紹介)(第五四二号)  軍人恩給復活に関する請願大村清一紹介)  (第五九二号) 同月四日  恩給金庫復活に関する請願青柳一郎紹介)  (第六二六号)  恩給法の一部改正に関する請願庄司一郎君紹  介)(第六五〇号)  同(大平正芳紹介)(第七二八号)  戦犯者恩給支給に関する請願庄司一郎君紹  介)(第六五一号)  軍人恩給支給額引上げに関する請願庄司一郎  君紹介)(第六五二号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (庄司一郎紹介)(第六五三号)  元満蒙開拓青少年義勇隊員恩給法等適用に関  する請願外一件(戸塚九一郎紹介)(第六八  二号) 同月五日  恩給金庫復活に関する請願塩原時三郎君紹  介)(第七四七号)  同(山下春江紹介)(第七七四号)  恩給法の一部改正に関する請願橋本龍伍君紹  介)(第七六〇号)  同(池田正之輔君紹介)(第八一九号)  恩給比例増額等に関する請願河本敏夫君紹  介)(第七八八号)  加久藤村を保安隊演習場接収反対に関する請  願(伊東岩男紹介)(第七九一号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願外  四件(高瀬傳紹介)(第七九三号)  軍人恩給支給額引上げに関する請願池田正之  輔君紹介)(第八一八号)  戦犯者恩給支給に関する請願池田正之輔君  紹介)(第八二〇号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (池田正之輔君紹介)(第八二一号) 同月八日  恩給比例増額に関する請願岡村利右衞門君  紹介)(第八三五号)  同(高橋圓三郎紹介)(第八八〇号)  同(岡田五郎紹介)(第八八一号)  同外一件(吉田賢一紹介)(第八八二号)  同(松平忠久紹介)(第八八三号)  同(藤枝泉介紹介)(第八八四号)  同(土井直作紹介)(第八八五号)  同(金子與重郎紹介)(第九五六号)  同(小金義照紹介)(第九五七号)  同(坊秀男紹介)(第九五八号)  同外一件(長谷川保紹介)(第九五九号)  同(山本幸一紹介)(第九六〇号)  同(三鍋義三紹介)(第九六一号)  同(船田中紹介)(第九六二号)  同(松岡俊三紹介)(第九六三号)  同(牧野寛索紹介)(第九六四号)  同(小澤佐重喜紹介)(第九六五号)  同(淺香忠雄紹介)(第九六六号)  同(松平忠久紹介)(第九六七号)  同(田中龍夫紹介)(第九六八号)  同(鍛冶良作紹介)(第九六九号)  同(橋本龍伍紹介)(第九七〇号)  同(中曽根康弘紹介)(第九七一号)  同(山下春江紹介)(第九七二号)  薬務局存置に関する請願福井勇紹介)(第  八五七号)  蚕糸局廃止反対に関する請願吉川久衛君紹  介)(第八六一号)  同(降旗徳弥紹介)(第一〇一九号)  同(小川平二紹介)(第一〇二〇号)  同(松平忠久紹介)(第一〇二一号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (高橋圓三郎紹介)(第八八六号)  同(大平正芳紹介)(第八八七号)  恩給法の一部改正に関する請願高橋圓三郎君  紹介)(第八八八号)  同(大平正芳紹介)(第八八九号)  同(木村文男紹介)(第九七三号)  同外二件(星島二郎紹介)(第九七四号)  同(熊谷憲一紹介)(第九七五号)  恩給金庫復活に関する請願高橋圓三郎君紹  介)(第八九〇号)  同(大平正芳紹介)(第八九一号)  同(木村文男紹介)(第九五四号)  同(熊谷憲一紹介)(第九五五号)  軍人恩給支給額引上げに関する請願高橋圓三  郎君紹介)(第八九二号)  同(大平正芳紹介)(第八九三号)  戦犯者恩給支給に関する請願大平正芳君紹  介)(第八九四号)  農林省畜産局等併合反対に関する請願(關内  正一君紹介)(第九〇二号)  保護関係官庁機構縮小反対に関する請願(福  田繁芳紹介)(第九八七号) 同月十一日  金鵄勲章年金復活に関する請願廣瀬正雄君紹  介)(第一〇三六号)  恩給比例増額に関する請願吉川久衛君紹  介)(第一〇三七号)  同(永田亮一紹介)(第一〇三八号)  同(西村榮一紹介)(第一〇三九号)  同(古井喜實紹介)(第一〇四〇号)  同(高瀬傳紹介)(第一〇四一号)  同(松浦周太郎紹介)(第一〇四二号)  同(矢尾喜三郎紹介)(第一〇四三号)  同外一件(細迫兼光紹介)(第一〇四四号)  同(北山愛郎紹介)(第一〇四五号)  同(田中織之進君紹介)(第一〇四六号)  同(青柳一郎紹介)(第一〇四七号)  軍人恩給支給額引上げに関する請願木村文男  君紹介)(第一〇四八号)  恩給法の一部改正に関する請願星島二郎君紹  介)(第一〇四九号)  戦犯者恩給支給に関する請願木村文男君紹  介)(第一〇五〇号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (木村文男紹介)(第一〇五一号)  山根村及び上中妻村地内に保安隊演習場設置反  対に関する請願加藤高藏君紹介)(第一〇五  二号)  農林省畜産局等併合反対に関する請願(助川  良平君紹介)(第一〇九九号)  同(粟山博紹介)(第一一〇〇号)  蚕糸局廃止反対に関する請願中澤茂一君紹  介)(第一一〇五号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願(  高瀬傳紹介)(第一一二〇号)  農林関係官庁機構縮小反対に関する請願(矢  尾喜三郎紹介)(第一一二一号)  中小企業庁廃止反対に関する請願福田繁芳君  紹介)(第一一二二号) 同月十二日  恩給比例増額に関する請願外一件(小林かな  え君紹介)(第一一五六号)  同(岸信介紹介)(第一一五七号)  同(椎熊三郎紹介)(第一一五八号)  同(中村幸八君紹介)(第一一五九号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第一一六〇号)  同(河野一郎紹介)(第一一六一号)  同(松田竹千代紹介)(第一一六二号)  同外二件(西村直己紹介)(第一一六三号)  同(下川儀太郎紹介)(第一一六四号)  同外三件(大西禎夫紹介)(第一二二六号)  同外一件(有田喜一紹介)(第一二二七号)  同(杉村沖治郎紹介)(第一二二八号)  同(門司亮紹介)(第一二二九号)  同外一件(倉石忠雄紹介)(第一二三〇号)  同(尾関義一紹介)(第一二三一号)  同(灘尾弘吉紹介)(第一二三二号)  同外一件(中澤茂一紹介)(第一二三三号)  同(黒金泰美紹介)(第一二三四号)  同(西村力弥紹介)(第一二三五号)  同(櫻井奎夫君紹介)(第一二三六号)  同(助川良平紹介)(第一二八四号)  同(小川平二紹介)(第一二八五号)  同(前田正男紹介)(第一二八六号)  同(星島二郎紹介)(第一二八七号)  同(岡田五郎紹介)(第一二八八号)  同(仲川房次郎紹介)(第一二八九号)  恩給法の一部改正に関する請願青柳一郎君紹  介)(第一一六五号)  同(大村清一紹介)(第一二二三号)  同(橋本龍伍紹介)(第一二二四号)  同(加藤勘十君紹介)(第一二九〇号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願  (山下春江紹介)(第一一八六号)  金鵄勲章年金復活に関する請願佐々木盛雄君  紹介)(第一二二五号)  農林省畜産局等併合反対に関する請願山下  春江君紹介)(第一二六七号)  農林水産統計機構に関する請願齋木重一君紹  介)(第一二七九号)  大蔵省地方出先機関存置に関する請願(中村時  雄君紹介)(第一三〇五号) 同月十三日  恩給比例増額に関する請願富田健治君紹  介)(第一三二九号)  同(小林絹治紹介)(第一三三〇号)  同(伊瀬幸太郎紹介)(第二三三一号)  同(田子一民紹介)(第二三二号)  同外一件(赤澤正道紹介)(第一三三三号)  同(橋本清吉紹介)(第一三三四号)  同(櫻内義雄紹介)(第一三三五号)  同(井出一太郎紹介)(第一三三六号)  同(高橋圓三郎紹介)(第一三三七  号)  同(野田卯一紹介)(第一三八一号)  同(長谷川峻紹介)(第一三八二号)  道外一件(青柳一郎紹介)(第一三八三号)  同(中居英太郎紹介)(第一四一八号)  同(山田長司紹介)(第一四一九号)  同外一件(井谷正吉君外二名紹介)(第一四  二〇号)  同(井谷正吉君外二名紹介)(第一四二一号)  同(野原覺紹介)(第一四二二号)  同(武藤運十郎紹介)(第一四二三号)  同(佐藤榮作紹介)(第一四二四号)  同(橋本龍伍紹介)(第一四二五号)  同(關谷勝利紹介)(第一四二六号)  同外一件(林信雄紹介)(第一四二七号)  同(長野長廣紹介)(第一四二八号)  同(柴田義男紹介)(第一四五九号)  同(井谷正吉紹介)(第一四六〇号)  同(原茂紹介)(第一四六一号)  同(中井一夫紹介)(第一四六二号)  同外一件(木村俊夫紹介)(第一四六三号)  同(亘四郎紹介)(第一四六四号)  同(坪川信三紹介)(第一四六五号)  同(田中萬逸紹介)(第一四六六号)  同(徳安實藏紹介)(第一四六七号)  同(楯兼次郎君紹介)(第一四六八号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (秋山利恭紹介)(第一三三八号)  軍人恩給支給額引上げ請願秋山利恭君紹  介)(第一三三九号)  戦犯者恩給支給に関する請願秋山利恭君紹  介)(第一三四〇号)  恩給金庫復活に関する請願秋山利恭紹介)  (第一三四一号)  恩給法の一部改正に関する請願秋山利恭君紹  介)(第一三四二号)  南九州財務局等存置に関する請願池田清志君  紹介)(第一三六二号)  同(片島港君紹介)(第一五〇一号)  蚕糸局廃止反対に関する請願井出一太郎君紹  介)(第一三九九号)  同(原茂紹介)(第一五一三号)  再任特定郵便局長在職年数通算に関する請  願(船越弘紹介)(第一四一〇号)  保護関係官庁機構縮小反対に関する請願(井  谷正吉君外二名紹介)(第一四四二号)  農林水産統計機構に関する請願井谷正吉君外  二名紹介)(第一四五七号)  熊本国税局存置に関する請願片島港君紹介)  (第一五〇〇号)  南九州財務局存置に関する請願柴田義男君紹  介)(第一五〇二号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願  (柴田義男紹介)(第一五一二号)  農林省畜産局等併合反対に関する請願片島  港君紹介)(第一五三五号)  地方郵政監察局廃止反対に関する請願片島港  君紹介)(第一五五三号)  労働基準局等地方移管反対に関する請願(赤  松勇君紹介)(第一五五七号) 同月十五日  恩給金庫復活に関する請願楠美省吾紹介)  (第一五六四号)  同(千葉三郎紹介)(第一五六五号)  恩給比例増額に関する請願外二件(小島徹三  君紹介)(第一五六六号)  同(鈴木正文君外四名紹介)(第一五六七号)  同(稻葉修君紹介)(第一五六八号)  同(内海安吉紹介)(第一五六九号)  同(藤枝泉介紹介)(第一五七〇号)  同(中川俊思君紹介)(第一五七一号)  同(押谷富三紹介)(第一五七二号)  同(富田健治紹介)(第一五七三号)  同(楠美省吾紹介)(第一五七四号)  同(中島茂喜紹介)(第一五七五号)  同(今井耕紹介)(第一五七六号)  同(濱田幸雄紹介)(第一五七七号)  同(日野吉夫紹介)(第一五七八号)  同(岡野清豪紹介)(第一五七九号)  同外一件(安平鹿一紹介)(第一六七八号)  同(猪俣浩三紹介)(第一六七九号)  同(黒澤幸一紹介)(第一六八〇号)  同(石山權作君紹介)(第一六八一号)  同(久保田豊紹介)(第一六八二号)  同(只野直三郎紹介)(第一六八三号)  同(三輪壽壯紹介)(第一六八四号)  同(小山倉之助紹介)(第一六八五号)  同(竹山祐太郎紹介)(第一六八六号)  司(荒舩清十郎紹介)(第一六八七号)  同(三浦寅之助紹介)(第一六八八号)  同(福田繁芳紹介)(第一六八九号)  同外二件(舘林三喜男紹介)(第一六九〇  号)  同外一件(大平正芳紹介)(第一六九一号)  同(江藤夏雄紹介)(第一六九二号)  同(菊川忠雄紹介)(第一六九三号)  同外一件(高橋英吉紹介)(第一六九四号)  同外二件(遠藤三郎紹介)(第一六九五号)  同(渡邊良夫紹介)(第一六九六号)  同(中村時雄紹介)(第一六九七号)  同(關谷勝利紹介)(第一六九八号)  同(根本龍太郎紹介)(第一六九九号)  同(北れい吉紹介)(第一七〇〇号)  同(小林絹治紹介)(第一七〇一号)  同(今澄勇紹介)(第一七〇二号)  戦犯者恩給支給に関する請願楠美省吾君紹  介)(第一五八〇号)  恩給法の一部改正に関する請願楠美省吾君紹  介)(第一五八一号)  同(楯兼次郎君紹介)(第一五八五号)  軍人恩給支給額引上げに関する請願楠美省吾  君紹介)(第一五八二号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (楠美省吾紹介)(第一五八三号)  ひ免警察官勤続年数加算に関する請願舘林  三喜男君終介)(第一五八四号)  薬務局存置に関する請願椎熊三郎紹介)  (第一六二六号)  千歳町の農林統計調査機構整備に関する請願  (椎熊三郎紹介)(第一六四八号)  江別町の農林統計調査機構整備に関する請願  (椎熊三郎紹介)(第一六四九号)  北海道農林統計調査機構整備に関する請願  (椎熊三郎紹介)(第一六五〇号) 同月十八日  恩給比例増額に関する請願堀川恭平君紹  介)(第一七九二号)  軍人恩給に関する請願大石ヨシエ紹介)  (第一七九三号)  傷病恩給裁定における結核症基準引上げに関す  る請願内藤友明紹介)(第一七九四号)  監察機構整備に関する請願中村時雄紹介)  (第一八二三号)  南九州財務局存置に関する請願池田清志君紹  介)(第一八五二号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願  (黒澤幸一紹介)(第一八五七号)  同(只野直三郎紹介)(第一八五八号)  同(山中貞則紹介)(第一八五九号)  同(田中幾三郎紹介)(第一八六〇号)  同(小笠公韶君紹介)(第一八六一号)  同外一件(中井徳次郎紹介)(第一八六二  号)  同(吉川久衛紹介)(第一八六三号)  同外二件(中澤茂一紹介)(第一八六四号)  同(西村力弥紹介)(第一八六五号)  同(足鹿覺紹介)(第一八六六号)  同(下川儀太郎紹介)(第一八六七号)  同(井出一太郎紹介)(第一八六八号)  同(田中龍夫紹介)(第一八六九号)  同外一件(佐々木更三君紹介)(第一八七〇  号)  同(青柳一郎紹介)(第一八七一号)  熊本農地事務局存置に関する請願熊谷憲一君  紹介)(第一八八三号)  労働基準局等地方移管反対に関する請願(只  野直三郎紹介)(第一九一一号) 同月二十日  戦犯者恩給支給に関する請願山下春江君紹  介)(第一九三四号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願(  高瀬傳紹介)(第一九五二号)  同(降旗徳弥紹介)(第一九五三号)  同(冨吉榮二紹介)(第一九五四号)  同(森三樹二君紹介)(第一九五五号)  農林省統計調査機構統合等反対に関する請願  (柴田義男紹介)(第一九七七号)  再任特定郵便局長在職年数通算に  関する請願橋本龍伍紹介)(第一九八八  号)  恩給比例増額に関する請願井伊誠一君紹  介)(第一九九八号)  同(佐藤芳男紹介)(第一九九九号)  同(高橋等紹介)(第二〇〇〇号)  同外一件(武知勇記紹介)(第二〇〇一号)  同外一件(竹山祐太郎紹介)(第二〇〇二  号)  同(三宅正一紹介)(第二〇〇三号)  同(吉田賢一紹介)(第二〇〇四号)  同外二件(岩川與助紹介)(第二〇〇五号)  同(齋木重一君紹介)(第二〇〇六号)  同(佐々木更三君紹介)(第二〇〇七号)  同(川島金次君外二名紹介)(第二〇〇八号)  同(島村一郎紹介)(第二〇〇九号)  同(正木清紹介)(第二〇一〇号)  恩給法の一部改正に関する請願池田清志君紹  介)(第二〇一一号)  法務省保護局存置等に関する請願山口好一君  紹介)(第二〇一二号) 同月二十二日  恩給比例増額に関する請願鳩山一郎君紹  介)(第二〇四七号)  同(大村清一紹介)(第二〇四八号)  同(田中彰治紹介)(第二〇四九号)  同(根本龍太郎紹介)(第二〇五〇号)  恩給法の一部改正に関する請願大村清一君紹  介)(第二〇五一号)  同(三輪壽壯紹介)(第二〇五二号)  熊本国税局存置に関する請願外一件(片島港君  紹介)(第二一二七号)  宮崎財務部存置に関する請願片島港君紹介)  (第二一二九号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願外  四件(橋本登美三郎紹介)(第二一四一号)  同(黒澤幸一紹介)(第二一四二号)  薬務局存置に関する請願片島港君紹介)(第  二一四三号) 同月二十三日  恩給比例増額に関する請願外一件(植木庚子  郎君紹介)(第二一七四号)  同外三件(逢澤寛君紹介)(第二一七五号)  同(辻寛一紹介)(第二一七六号)  同(中村清紹介)(第二一七七号)  同(神戸眞紹介)(第二一七八号)  同(鈴木仙八君紹介)(第二一七九号)  同(塩原時三郎紹介)(第二一八〇号)  同(三池信紹介)(第二一八一号)  同(秋山利恭紹介)(第二一八二号)  同(齋木重一君紹介)(第二一八三号)  同(竹谷源太郎紹介)(第二一八四号)  恩給金庫復活に関する請願關谷勝利紹介)  (第二一八五号)  旧軍人下級者公務扶助料引上げに関する請願  (岸信介紹介)(第二一八六号)  同(關谷勝利紹介)(第二一八七号)  軍人恩給支給額引上げに関する請願關谷勝利  君紹介)(第二一八八号)  同(岸信介紹介)(第二一八九号)  戦犯者恩給支給に関する請願岸信介君紹  介)(第二一九〇号)  恩給法の一部改正に関する請願關谷勝利君紹  介)(第二一九一号)  同(岸信介紹介)(第二一九二号)  同(土倉宗明紹介)(第二一九三号)  同(中曽根康弘紹介)(第二一九四号)  農林省統計調査機構拡充強化に関する請願  (三鍋義三紹介)(第二二五九号)  同(岸信介紹介)(第二二六〇号)  同外一件(秋山利恭紹介)(第二二六一号) の審査を本委員会に付託された。  一月二十日  行政機構改革断行に関する陳情書  (第一号)  恩給金庫設立に関する陳情書  (第二号)  同(第三  号)  同  (第四号)  恩給優先支給に関する陳情書  (第五号)  北海道鷹栖村に保安隊射撃場設置反対陳情書  (第六号) 同月二十九日  恩給加算制度等存続に関する陳情書  (第一〇一号)  恩給金庫設立に関する陳情書  (第一〇二号)  同  (第一〇三号)  同  (第一  〇四号)  同  (第一  〇五号)  同  (第一〇六号) 二月四日  機構改革案に伴う労働基準行政の地方移譲反対  の陳情書  (第二八〇号) 同月六日  恩給金庫設立に関する陳情書  (第三〇一  号)  改正恩給法の不合理是正に関する陳情書  (第  三〇二号)  改正恩給法の不平等是正に関する陳情書  (第三〇三号)  恩給の不均衡是正に関する陳情書  (第三〇四号)  戦没軍人軍属の恩給遺族年金並びに弔慰の適用  範囲拡大に関する陳情書  (第三〇五号)  北海道別海村地内に保安隊配備の陳情書  (第三〇六  号)  自治功労者に対する栄典制度の立法に関する陳  情書(第三〇七  号)  北海道における未開発地域開発促進に関する陳  情書(第三〇八  号) 同月十三日  行政整理断行に関する陳情書  (第五〇一号)  機構改革、行政整理並びに行政費の削減等に関  する陳情書  (第五〇二号)  対馬島防衛体制の確立に関する陳情書  (第五〇三号)  対馬厳原町に保安隊駐とんに関する陳情書  (第五〇四  号)  恩給法改正に関する陳情書  (第五〇五  号)  同  (第五〇六号)  在外邦人の恩給既得権に関する陳情書  (第五〇七号)  北陸財務局存置に関する陳情書  (第五七三号)  同(第  五七四号) 同月十七日  国土省設置反対に関する陳情書  (第七〇一号)  北陸における政府出先機関の整理等  反対の陳情書(第七  〇二号)  恩給法等の改正に関する陳情書  (第七〇三号) 同月二十日  恩給法改正に関する陳情書  (第八二七号)  退職公務員の恩給増額に関する陳情  (第八二八  号)  特定郵便局長の恩給在職年数の通算に関する陳  情書  (第八二九号)  南九州財務局及び熊本国税局存置に関する陳情  書(第八六七号)  同(第八六八号)  同(第八六九号)  同(第  八七〇号)  南九州財務局の存置に関する陳情書  (第八七一  号)  厚生省薬務局存置に関する陳情書  (第九〇九号)  農林統計機構の拡充強化に関する陳情書  (第九二  二号)  蚕糸行政機構拡充強化に関する陳情書  (第九二九号)  水産行政機構拡充強化に関する陳情書  (第九三六号)  機構改革案に伴う労働基準行政の地方移譲反対  の陳情書  (第九六〇号)  労働基準行政における職員の削減反対等に関す  る陳情書  (第九六一号) 同月二十三日  軍人恩給進達事務費の増額に関する陳情書  (第九六五号)  恩給法並びに援護法の一部改正に関する陳情書  外一件  (第九六六号)  法務省保護局及びその支分部局の拡充に関する  陳情書(第九  七〇号)  南九州財務局及び熊本国税局存置に関する陳情  書(第  九七三号)  同(第九七  四号)  同(第九七  五号)  南九州財務局及び宮崎財務部存置に関する陳情  書(第九七六号)  同(第九七七号)  同(第九七八  号)  北陸財務局並びに福井財務部廃止反対陳情書  (第一〇一三号)  南九州財務局及び熊本国税局存置に関する陳情  書(第一〇一四  号)  同(第一〇一五  号)  同(第一〇一六  号)  同(第一〇一七号)  同(第一〇一  八号)  南九州財務局及び宮崎財務部存置に関する陳情  書(第一〇一九  号)  厚生省薬務局存置に関する陳情書  (第  一〇二二号)  農林統計機構の拡充強化に関する陳情書  (第一〇三〇号)  蚕糸行政機構拡充強化に関する陳情書  (第一〇三二号)  労働基準行政における職員の増員及び予算増額  に関する陳情書  (第一〇三七号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  科学技術庁設置法案松前重義君外七名提出、  衆法第三号)  行政機構に関する件  恩給に関する件     ―――――――――――――
  2. 稻村順三

    ○稻村委員長 これより内閣委員会を開会いたします。  お諮りいたします。理事早稻田柳右工門君より理事辞任いたしたい旨の申出がありました。これを許可し、その補充として高瀬傳君を理事指名したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 稻村順三

    ○稻村委員長 御異議なければさよう決定いたします。  なお理事迫兼光君が委員辞任され、理事が一名欠員となつておりますので、その補充として下川儀太郎君を理事指名したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 稻村順三

    ○稻村委員長 御異議なければさよう決定いたします。     —————————————
  5. 稻村順三

    ○稻村委員長 次に去る十三日付、付託になりました科学技術庁設置法案を議題とし、その趣旨説明を求めます。松前重義君。
  6. 松前重義

    松前重義君 ただいま議題となりました科学技術庁設置法案につきまして、提案者を代表いたしまして、提案の理由並びにその内容の概略について御説明申し上げます。  現代の原子力を中心とする科学技術の進展が、産業界に第三次産業革命をもたらさんとしている今日、わが国の自立経済の達成もまたこの科学技術の画期的振興と、生産技術の向上以外に、現下の高物価、低品位のための海外貿易の不振を打破することができないことについては、すでに皆様方御承知の通りであります。  この立ち遅れた科学技術の振興をはかるため、科学技術に関する総合的かつ基本的な施策の企画立案、関係各行政機関の所掌する科学技術行政の総合調整、科学技術に関する試験研究、資源の総合的活用、及び防災に関する調査等を行うとともに、科学技術振興に関する権限と責任の所在を明確にせんとするのが、この法案の目的であります。  現在各省にはそれぞれ科学技術に関する行政機関が設置されていますが、それらを総合調整する科学技術に関する総合的行政を行う機関が存在しておりませんため、きわめて無統制にして重複せる研究のむだがあるばかりでなく、また重点的な研究の集中も行つておられないような状態であります。この科学技術庁の設立により、貴重なる国費の節減と、これが重点的活用により、画期的科学技術の振興に資するものと信じます。  次に、法案の内容について簡単に御説明申し上げます。科学技術庁は総理府の外局としてこれを設け、長官は国務大臣をもつてこれに充て、すなわち閣議における発言権をこれに与え、政治に科学性を注入し、次長、長官々房、企画調整部、及び資源調整部を置くとともに、長官に直属して重要なる庁務に参画するため、科学技術官及び調査官を置くことといたしました。  次に科学技術庁の附属機関として資源調査所、防災研究所、中央航空研究所、科学技術資料所を設置することといたしましたが、これにつきましては別途法律をもつて施行することといたしました。  ここで簡単に内容を御説明申し上げまするが、資源の調査所、これはすなわち現在通産省の工業技術院のもとにありまする地質調査所をこの科学技術庁の傘下に持つて参りまして、広汎なる資源の調査に当らしめる。現在ではまことに貧弱なる予算をもつて細々と地質の調査をやつているような状態であります。しかも日本のような狭いところで、資源の貧弱なところで、なおかつ日本全体の地質調査さえもできておらないような状況であります。中国などは地質部というものをつくりまして——部というのは省でありますが、いわゆる草原地帯、高原地帯、あらゆる地帯の大規模な地質の調査をやり、資源の開発に資しているような状況でありますので、今日のような日本の状況では人口の多い国の貧弱な資源さえもこれを開発できない、こういうふうに思いまして、中央に一応これを移して、来年以後において拡大強化する準備をなさんとするものであります。  防災研究所は、現在のところ建設省や農林省あるいは気象台等に分立されておりまする災害防止の関係のもろもろの研究所をここに一緒にするのでなくて、それぞれの省に属する研究所はそのままにして、ここでは大体とりまとめる役割をせしめる、そして連絡調整をいたしまして、各省の歩調を合して災害の防止に当らしめる、こういうような役割をつかさどらしめるところの防災研究所をつくろうというのでございます。  中央航空研究所は現在通産省と運輸省と保安庁とが、おれがつくると言つてみんな張り切つてそれぞれの案を出しているそうでありますが、こういうふうなものはすべてのものに共通なものでなければなりませんので、どこへつくつても非常に災いを残すおそれがあり、また重複をいたしますので、これを避けるためにこの科学技術庁のもとに中央航空研究所を置かんとするものであります。  科学技術資料所というのは、世界の科学技術がどのくらいの水準にあるかということを目のあたりに見られるような機関が必要でありますが、わが国の外交機関は科学技術なんというものをまるで問題にしないでおりますために、科学技術における世界の情報と申しますか、その発達のぐあいをよく知り、わが国と常に比較して世界の水準に追いつくようにしなければならない、また追い越すようにしなければならないのでありますが、その世界を見る眼と申しますか、神経として科学技術資料所を設け、これが敏速なる活動を促さんとするものであります。  こういうものを設置いたすのでありまするが、原則として科学技術庁には直接の研究機関は置かないということがこの設立の趣旨であります。何となればこの科学技術庁は全体の各省にまたがるいわゆる工業技術院とかあるいは農林省、あるいは厚生省、あるいは運輸省やその他の各官庁や機関に属しておるその研究所、この全体を総合調整いたしまして大体歩調を合せて日本の技術の向上に努める、そのような行政をつかさどるのが趣旨でありますから、直接自分が研究所になるというようなものではないのでございます。従来各省におけるこれらの発言がその属する省の大臣を通じてなかなか閣議に出ないのが現状でありますので、これらを打破いたしまして政治の中に科学性を注入し、日本の生産と文化の向上に資せんとするものであります。  なお、同じく附属機関といたしましては、この法律の施行と同時に科学技術振興審議会、資源調査審議会、防災審議会、航空技術審議会を置きます。すなわち科学技術振興審議会は、現在各県庁や各自治体に付属されております工業試験所あるいは産業技術の指導機関、こういうものが各地に散在はいたしておりますけれども、これらはほとんど無関係でありましてそれぞれ重複したり、あるいは指導者がなくて全然活動していなかつたり、実にむだな動きをいたしておるのが現状であります。各地に存在する研究所は、その土地の特異性ある工業生産品を生産して、そうして日本の輸出の振興に資するのがその目的でなければならないのでありますが、それがほとんど捨子のように、どこへ行つていいかわからないで迷つておるような状態であります。これを一つの審議会にまとめまして、国家の立場から一つの方向を発見し、それぞれ向う道を発見せしめんとするものでありまして、これを審議会として付設せんとするものであります。資源調査審議会は、先ほど申しましたような資源の調査と、これに関するもろもろの意見をとりまとめて、資源調査所の活動方針を決定せんとするものであります。防災審議会は、災害の防止に必要なるもろもろの問題について審議いたしまして、その結論に基いて防災研究所が活動するようにしたいというのであります。航空技術審議会またしかりであります。このようなもろもろの審議会を通じまして、一般多数の国民の、また有識者の意見をここにとりまとめ、各省に属する研究所並びに科学技術庁に直属いたしますそれぞれの機関、あるいは国全体としの科学技術行政の行方、こういうものをここにとりまとめまして、たくましい科学技術行政の推進をいたさんとするのが目的であります。これらの審議会の組織及び所掌事務、及び委員などにつきましては、他の法律に別段の定めがあります場合を除くほか、政令で定めることといたしておるのであります。  なお日本学術会議と政府との連絡につきましては、従来の科学技術行政協議会をもつて当らしめることといたしました。その事務は科学技術庁においてつかさどることといたしておるのであります。御承知のように日本学術会議の代表者は、科学技術行政協議会のメンバーになつておられるのであります。従つて日本学術会議においてきめられましたもろくの問題は、科学技術行政協議会に持ち込まれまして、これには各省次官などが委員として出ておりまするから、これを通じて各省との連繋に当るという仕組みでありましたけれども、しかしこれを実現いたしまするための行政機関が現在まで欠けておつたのであります。そこで日本学術会議において決定したる問題を科学技術行政協議会に持ち込んで、ここで決定されたるものを責任を持つて科学技術庁が実現に当るというのがこの目的であるのであります。そのために科学技術行政協議会法の一部を改正いたしまして科学技術行政協議会の審議すべき事項を明確にいたしたのであります。  以上本法案の提案の趣旨及び内容の概略につきまして御説明をいたしたのでございまするが、どうか慎重御審議の上御賛同あらんことをお願い申し上げまして私の説明を終ります。     —————————————
  7. 稻村順三

    ○稻村委員長 本案についての質疑は次会に譲り、次に行政機構に関し調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。高瀬傳君。
  8. 高瀬傳

    高瀬委員 本日宮内庁長官に出席を求めましたところ、ここに見えておられますので、いささか宮内庁関係の問題について質疑をいたしたいと思います。特に今年の新年早々起きましたあの二重橋の事件は、われわれ国民としても非常に遺憾に考えておるところであります。これらの取締りの関係、あるいは行政処置、警官その他に対する処置についてはすでに処置済みであり、これらの問題については地方行政委員会において取上げられたことと思いますが、私がここで特に宮内庁長官の責任あるお答えを願いたいことは、ああいう二重橋のような、つまり新年に際して一般国民に対して無制限に宮中の参賀を許すということは、今後も継続する方針であるのかどうか。一体ああいうことはどういうことからおやりになつておるのか、そういう点を一応伺つておきたい。それから私の質疑をいたしたいと思います。
  9. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 お答え申し上げます。去る一月二日の参賀の際に思わざる悲惨事を起しましたことは、犠牲者に対しましてはもちろん、国民各位に対しましていろいろ御心配をかけた点につきまして、これを主宰いたしました宮内庁といたしましてまことに遺憾に存じ、申訳なく存ずる次第であります。  この一般参賀の問題はたしか昭和二十三年から引続き行われておるのでございます。御承知の通り新憲法前までは、参賀という制度がやはり、ございましたが、一定の資格の人に限つて行われておつたのであります。その後二十三年からその資格の制限を撤廃いたしたのでございます。最初のころにはきわめて少数で、ございましたが、漸次参賀に参られる方が多くなつて参つたわけでございます。参賀の方法は、参入せられまして、記帳をして行かれるというのが建前であつたわけでございますが、多数の方が見えられますので、ただいまでは両陛下がこれにこたえるためにバルコニーに出ておられるわけでございます。参賀を受けられます制度は古くからの制度で、ございまして、宮内庁といたしましては、今後におきましてもこの制度を廃止する考えは持つておらないのでございます。しかし本年のようなことが起りましたので、今後ああいう多数の方の取扱いにつきましては、関係警察当局とも十分連絡をとりまして、万々にもそういうことのないようにいたしたいということで、目下検討いたしておるわけであります。
  10. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいま宇佐美長官のお話でございますが、今後あの参賀を全然廃止する意思がない。もちろん新年に際してああいうふうな参賀を陛下が受けられるということは、私はけつこうなことだと思いますが、ああいうふうに無制限に、特に昔の江戸城のように、敵が入ることが非常に不便にできているところ、つまり外敵を防ぐような仕組みにできたああいう江戸城のようなところに、何らの資格もない、極端に言いますれば、あの混雑に乗じて犯罪行為でもやろうという意図のある人間、あるいは年齢の制限もないわけでありますから、三歳の童子あるいは九十歳の老翁、こういうふうな者がごちやごちやに行けばああいうふうな惨事が起るのは当然であります。これについて、参賀の制度をやめられる必要は毛頭ないとは存じますけれども、宮内庁はああいうふうな国民大衆を陛下のお住まいになつているところに無制限に許容して入れられるというお考えであられるのかどうか、この点を伺いたい。
  11. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 昭和二十三年からの考え方といたしまして、従前はきわめて特定の人だけ許されておつたのでございますが、しかしただいまの時代において、国民のそういつた参賀をしたいという方につきましては、資格の制限をしない方が適当ではなかろうかということで今日に至つておるわけでございます。もとよりただいまのところにおきましては、十分に方法を立てまして進んで参りますならば、再びこういうような事故は起らないだろうと考えております。しかし参賀の数が今後非常にふえて来て、整理の範囲外に至るというようなおそれが出て参りましたならば、この点につきましては、十分そのときに検討いたしたい、かように考えております。
  12. 高瀬傳

    高瀬委員 私はただいまのような方法であれば、必ず将来またああいうふうな惨事が起きると思う。この際将来などというそんな手ぬるいことを言つておられずに、はつきりと、一定の資格のある者について新年に参賀を差許すのが、私は真の民主主義であろうと思う。ただああいうふうに、非常に参賀しにくいようにできているところに無制限に国民を入れるということは、私はどうかと思う。こういう点について、単なる民主主義という言葉にとらわれずに、宮内庁長官としてはもつと断固たる長官としての立場からこれらの問題についてはつきりした方針をきめるべきではないか。実は私が特においでを願つたのは、いろいろほかの委員会において、あの当時の警官の取締りがどうの、責任がどうのということだけであつて、宮内庁の、いわゆるあなたが宮内庁長官としてこれらの問題に対する断固たる所信を天下に披瀝していない、これでははなはだもつてのほかではないかというのが、私が特においでを願つた理由なんでありまして、今後状態を見て善処するなどというなまぬるいことでは、とうていあの惨事を防ぐことはできない、いわんや民主主義の真の精神からいいましても、あの二重橋から以内は、それこそ陛下のお城でありまして、何もあの中を公園化する必要は私は毛頭なかろうと思う、従つて参賀を受けることはもとよりよろしいと思いますけれども、一定の資格のある者だけを入れるのが当然であろうと思う。例をあげて言いますれば、昨年国会議員を陛下の御誕生日か何かにお呼びになつた。一定の資格のある者をどういう標準で半分くらい呼ばれたか知りませんけれども、ちやんとした同等の資格のある者を片方で制限をしておつて片方では年寄りでも子供でも、極端に言えばすりでも何でもごちやごちやに参賀を差許すなどという、そういうなまぬるい方針で宮内庁が国民に対処しておつたのでは、とうてい君臣和楽などはできない。宮内庁長官としては、当面の責任者としてあの問題について、そんなことでなく、今後は一定の資格のある者のほかは参賀を許さぬということにされるのが私は当然であろうと思う。国会議員ですら、あの陛下の誕生日には、どういう標準で選定されたか知らないけれども、おそらく場所が狭いという理由であろうと思うが、半分くらいしかお呼びになつていない。いわんや無制限に、年齢も地位もかまわずに今後二重橋から国民の参賀を許すというのはもつてのほかだと私は思う。その点について、はつきりとした宮内庁の意見を即刻きめるべきだ。私が非常に憤慨しているのは、二重橋が狭いから広くしろという意見が朝日新聞に出ている。あの参賀を差許す必要はないというのは、作家の木村毅君一人であつた。陛下がお出ましになる時間が区切られておつて、七回くらいしかおでましにならぬからああいう惨事が起きた。——これは私の自分個人の例を陛下の場合と一緒にするのは、恐れ多い話でありますが、たとえば私が国会議員で、高瀬を国会に出してやつたのだからどんな顔をしているか見てやろうというので、元日から私の門の中へ有権者が入つて来たら、私は追い出します。これは極端に言えば同じことだろうと思う。でありますから、宮内庁長官としては、これらの問題について断固たる方針を立てて国民に対して方針を明示しなければならぬ立場におありになる。それが将来研究などということはもつてのほかだと思う。これを聞きたいからおいでを願つたのであります。
  13. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 重ねてのお尋ねでございましたが、宮中内部におけるいろいろの儀式等につきまして、公式のものにつきましては、やはり一定の資格をもつてきちんといたすべきであると思います。ただ参賀という性質上やはり一般に開放して行うという建前で行つておりますので、特に資格をつけなくてもやり得るという考え方でおるわけでございます。広く参賀の気持のある人に来ていただくという建前をとつておりますので、ただいまのところ資格を特に制限をいたして、参賀の制度をやり直すということは考えておらないわけでございます。お説の点につきまして、ただことしのような不祥事が起りましたので、このようなことが起らないような措置だけは十分にいたして参り得るものと考えている次第でございます。
  14. 高瀬傳

    高瀬委員 私が特に聞きたいのは、二重橋から以内はあれは陛下のお住まいであつて、参賀で入れるにしても、何ゆえに二重橋を通して陛下がお住まいになつているそばまで資格を無制限にして国民を入れなければならないか、そういうことについてはどういうふうにお考えになるか。そんな理由は毛頭なかろうと私は思う。
  15. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 皇居の中におきましては、もとより陛下のお住まいもございましようし、お住まいというよりも、公の宮殿と称するものもございます。また現在の状況におきましては、役所もございますし、他の官庁もあの中に入つているわけでございます。もとよりお住まいになつておるところを一般の者を通すということは、これはお説の通り、ないことであると存じます。従つてそういう場所につきましては、現在においてもはつきりと区別を立てておるのでございます。ただあの皇居の中の参観、見学という問題につきましては、現在もいたしておるわけでございましてこれはただ日本ばかりでなく、各国の王室においてもそういうことが行われておる例がたくさんございます。国民が象徴のお住まいになる付近を参観したいという希望は、可能な範囲において許容いたしてよろしいんじやないかというふうに考える次第であります。
  16. 高瀬傳

    高瀬委員 そういうふうに宮内庁長官がお考えになつておるならば、私は一応それだけ伺つておきますが、私は断固反対です。そういうなまぬるい考え方には断固反対だ。それでは決して君臣和楽の真の実を上げることはできないと私は思う。断然反対です。一方的にそういう意見を表明して、この問題を終ります。  もう一つ伺いたいのは、宮城清掃という問題であります。ただいま非常に多くの国民が宮中に入つて清掃に奉仕されておる。私はこの熱意に対しては非常に敬意を表し、反対をするものではありませんが、陛下のお住まいになつているところは非常に広袤として、なかなか普通の予算では清掃し切れない。従つてほんとうに君臣和楽といいますか宮中と国民との密接な関係を増進する意味であれを許しておられる。しかしながらあそこに清掃に行つた方々のところに陛下が直接お出ましになつてしよつちゆうあいさつをされるということも私は伺うておる。それからあそこでは元陸軍の参謀か何かが写真を写して金をもうけておる人もおる。こういういわゆる宮城清掃という制度も、国民の熱意はさることながら、これらに対して今後も漫然と宮内庁で予算がないからそれを許すのだとか、続行するのだとか、あるいは国民の熱意を買うのであるとかいうことで続行されるつもりなのか、それとも宮内庁としては必要なる経費を国会に要求して、そうしてその経費のもとに宮内庁の責任と創意においてやろうとされるのか、これは当然宮内庁長官としてお考えになつておつていいことだと私は思う。一体それらに対してどういうふうにお考えですか。
  17. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 ただいまの清掃奉仕につきましては、これも昭和二十年、二十一年、ごろに、非常に戦後荒れました皇居の実情を見て宮城県の方が見えたのが最初で、今日に至つておるわけであります。ただいまも非常に希望が多うございまして、一年だんだんらいまでの約束をしろということで攻められる次第でございます。もとより事務的に申しますと事務の面におきましても多数の方をしよつちゆう送り迎えする点につきましては、いろいろ苦心もある点でございますが、ただいまのところ各地の熱心な御希望に押されまして続けておる次第でございます。私といたしましても今後の行き方につきましては研究をいたしたい、かように考えておる次第であります。
  18. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいまのお話でございますが、これら宮城清掃などに来られる方の熱意はさることながら、たとえば農村の方が非常に多いが、これらの人はできるだけ食糧増産あるいは自分の仕事に挺身するようにお願いして、宮内庁長官としては当然国会に必要なる経費を要求して、宮内庁の責任と創意において宮城の清掃をおやりになることが妥当であろうと私は思うが、そういう御意思があるかどうか、ちよつと伺つておきたい。
  19. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 ただいまお答えいたした通りでございます。現状においてすぐやめるということは、まだ決断をいたしておりませんが、先ほど申し上げました通りに今後の扱いにつきましては十分研究いたしたいと考えております。
  20. 平井義一

    ○平井委員 ちよつと宮内庁長官にお伺いいたしますが、宮内庁と皇宮警察はどういう関係にありますか。
  21. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 行政組織の関係におきましては、皇宮警察は国家地方警察の一部でありまして宮内庁とは全然関係のない官庁であります。もちろん指揮関係も全然ございません。しかし職域を同じくしておりますので、常時の連絡というものは十分遂げるようにいたしておる次第であります。
  22. 平井義一

    ○平井委員 長官として皇宮警察隊長といいますか、本部長といいますか、この人方に意見を言うということもできないのでありますか。
  23. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 事実上希望、あるいは意見を言うということはできますが、法制的に指揮とか命令とかいうことはできません。
  24. 平井義一

    ○平井委員 さきに起つた惨事に対して皇宮警察本部長が辞表を出した。警視庁は警備部長が辞表を出した。どちらの長官もやめておりません。すなわち斎藤国警長官もやめておらない。田中警視総監もやめておらない。現在の丸の内署長も何ら罰せられない。その中間の警視庁の警備部長と皇宮警察本部長二人がやめただけで、現地におつた班長といいますか、巡査の大将も何にも処罰を受けておらない、こういうことに対して宮内庁長官として、本部長だけやめさせればよいということで済ますのか、あるいはこの問題ではやめる必要はないというような意見を、斎藤国警長官に申し入れる、その資格があるならば、そういうことをしたかどうか、これをひとつお伺いしたい。
  25. 宇佐美毅

    ○宇佐美説明員 事件の責任あるいは懲戒の件につきましては、何ら話合いはございません。それぞれの長官の責任においてやつておることであろうと存じます。
  26. 平井義一

    ○平井委員 最後でありますが、先ほど高瀬委員が言つておられましたが、資格を持つた者だけを宮城に入らせるということは、私は自由党ですが、どうも納得ができない。すなわち広く皇居を拝賀させるということが、戦後の国民の立場として、あるいはまた宮内庁の立場としてとるべきことであつて、何か資格がなけれが二重橋から先に行つてはならぬというのは、これはどうも高瀬さんがあまりに明治憲法にとらわれ過ぎておるのではないか、こういうふうに考えます。  それからもう一つは清掃の問題でありますが、清掃の問題を見ましても、宮城の草刈りにいなかから来るということは非常によいことです。ただ一点申し上げたいのは、いなかから来れば汽車賃がいる、あるいは宿賃がいる。これはまさか宮内庁が出したのではありますまいが、この経費と、宮内庁が雇うて掃除をさせるという人夫の費用を比較をすれば、私はおそらくいなかから来る方が高くつくだろうと思う。国家的見地に立ちますならば掃除夫を雇えば失業対策になりますが、わざわざいなかから上つて、汽車賃を使い、宿賃を使つて、長い間東京に滞在する——むろん見物もありましよう。半分見物の気持で来ましようけれども、この点はひとつ宮内庁長官はよく考えられて、国民の経費を非常に使うので、こちらで人夫を雇うて掃除をしたいからと国会に申し込めば、この予算ぐらいは通過できる、実はこういうふうに考えております。ただ高瀬委員と違うところは、何もかにも資格主義で行くということはどうかと私は考えておるのです。これはやはりだれにも見せなければいけない。国会を見学に来るのと同じです。東京に来れば宮城も見たいというのでありますから、できる限り広く見せてもらいたい。これがすなわち自由党の政策であろうと思う。私の意見を申し上げて終ります。
  27. 高瀬傳

    高瀬委員 私は別に改進党を代表してただいまの意見を申し上げたのではない。内閣委員高瀬博として申し上げたのであります。先ほど申し上げた私の所信はちつともかわつておりませんから、宮内庁長官の方でも十分に研究して、その方策をすみやかに立てていただきたい。ほんとうかどうかは知りませんが、巷間伝うるところによりますと、ある新聞記者が御文庫まで潜入した、これは宮城が公園化したという一つの証拠なんです。こういうだらしのないやり方では皇室の権威を高めることはできないと私は思います。ですから、私の考えはあるいは保守的であるかもわかりませんが、そういう点率直に自分の見解を申し述べて、あなたの宮内庁長官としての業務を行う場合の参考に供した次第です。どうぞこの点御了承願いたいと思います。     —————————————
  28. 稻村順三

    ○稻村委員長 次に塚田行政管理庁長官より行政機構改革の経過報告を求めます。塚田行政管理庁長官。
  29. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 機構改革につきましては先般一度中間に御報告申し上げまして、その後特に御報告申し上げるような進展を見ておらぬのでありますが、人員整理の部分はもうすでに法案を着々準備中でありまして、近く本委員会に御提出申し上げて御審議願える段取りになつておりますが、機構の部分につきましては相当大きな部分がみな未解決でまだ残つておりまして、現在大体具体的に進行いたしておりますのは人事院の改組の部分、それから競馬機構の民間移譲の部分、それから世論調査所の廃止の部分、それらの部分でありまして、非常に問題になつておます学術会議の問題に、大体の考え方は先般来の本会議その他しばしば申し上げておるように、民間に移譲してしかるべきではないかというような考え方をいたしておるのでありますが、その場合の機構をどうするかというような問題についても、学術会議側の意向もあるようですからこれを問合せ中というような状態です。その他全般の機構の部分は各方面の意向をいろいろ聴取しておりますが、なかなか意見の一致点が出ない問題が多うございますので、まだ決定という段階まで至つておりません。なお特にこういう点についてどうかというお尋ねがあればそれについて申し上げたいと存じます。
  30. 稻村順三

    ○稻村委員長 質疑の通告があります。これを許します。下川儀太郎君。
  31. 下川儀太郎

    ○下川委員 ただいま塚田長官の報告を受けますと、何ら中間報告になつておらない、それほどまでに行つていないように思われますけれども、この私の手元に、これは労働組合関係からいただいた案のプリントのものですが、これによりますと人員整理についていろいろと明細に書かれております。そうして部局にも関連したいろいろな問題を目下折衝しておるということを聞いておる。しかもこの労働組合関係からもらつた書類の中では、人員整理に関する閣議決定、昭和二十九年一月十五日の日が書いてある、こういうものが労働組合関係にはもうすでに持たれておる。しかもこれが折衝中であるということを聞いておる。結局内閣委員会にはこれを報告しておらないけれども、労働組合とは直接そういうことを折衝しておる。これはあまりにも内閣委員会を侮辱しておる。隠れてこういうことがなされておつてわれわれ内閣委員会の席上では何ら報告をしておらない、こういうことは長官としてはなはだ責任があるので、これを具体的にどのように考えておられるか、その点をまず御答弁願いたいと思います。
  32. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは先ほども申し上げましたように、人員整理の部分はすでにもうそういう段階はとうに過ぎまして法案の準備をいたして、近く御審議願う段階になつておると申し上げたのでありまして、この内容について説明をしろというお尋ねであればこれは十分申し上げられます。これはもう閣議決定その他でも世間に周知の事実でありますので、あるいはもうすでに御承知であるかと存じて申し上げなかつたわけであります。ここでこの閣議決定の内容について説明をしろというお尋ねなんでありましようか。
  33. 下川儀太郎

    ○下川委員 いや説明をするのが当然でありまして聞かれなければ言わないというそういう長官の態度は私はいけないと思うのです。しかも労働組合の方にはこれが流れておる、折衝するについて……。(「配つてある」と呼ぶ者あり)いやきよう配つたんです。しかもこれは内閣委員会で配つているので、長官それ自身が前もつて内閣委員に配るべきものである、あるいはまた労働組合に折衝する前に、こういう案がなされておつて目下折衝中だということを内閣委員に知らすべきだ、あるいは内閣委員会が開かれなくても、文書によつて通達してもいいと私は思う。それをなされておらないから私はあなたに言つておるのです。
  34. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは国会審議の普通のやり方といたしまして、特に御要求があればもちろん御説明申し上げるべき筋のものでありますが、そうでない場合には、法案を提出いたしました場合に御説明申し上げるというのが慣例でありますのでそのようにいたしておつたのであります。しかし先ほど中間報告をしろというお尋ねであつたので、こういうことの説明をしろということであればこの機会にあらためて御説明申し上げますと、こういうようにお答え申し上げたのであります。
  35. 下川儀太郎

    ○下川委員 暮れの委員会におきましても、こういう案が出たら出していたたきたいということを私は要望しておるのであります。従いましてそれに関連して私は出していただけると思つたのです。しかも休会中にわれわれは十分これを研究するということまで、これははつきりと速記録に載つております。従いましてそれを加味してきようめらためて御説明を願いたいと思います。
  36. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 それでは私から簡単に御説明申し上げます。大体人員整理の部分は、先ほど申し上げましたように政府の考え方ははつきりときまつておりますので、大体所管の各省との話合いもつきまして、先般閣議の決定いたしましたところでは、一応の整理対象人員、現定員八十二万六千五百六名に対して六万八十一人という整理数字を出したわけであります。これをどういうぐあいに計算をして出したかということでありますが、今度の整理におきましては、しばしば本委員会においても申し上げておりますように、天引整理になるということは避けなければならない、これは国会の強い御意向でもあり、私もまたそうあるべきものであると考えておりましたので、やはり整理をする以上は、その整理が無理のないように事務の整理をする、またその事務が法令に裏づけのあるものなら法令の整理をする、そういうことをスタートにいたしまして法令の整理とか事務の整理、それからさらに事務のやり方がもう少し簡素にできるものがあるならばそういうものを簡素にする、さらにまた事務の能率を上げるということも考えてしかるべきであると思いますので、事務の能率も上げる、そういうふうにいろいろな面から考えまして、人間が減らせるというこの前提条件をつくつておいて整理というものを考えたわけであります。しかし一旦この整理に着手をいたしてみますと、たとえば法令を整理いたしまして、この法令をこういうぐあいになくする、もしくは改正するということによつてどれくらいの人間が整理できるかということは、予算の編成のぐあいなどと比較していろいろ検討いたしましても、この施設がなくなつたらこれだけ人間が整理できるという数字がなかなかつかみにくいのであります。そこで結局事実上の状態はできるだけそれをつくるということにいたしましてそういうことを頭に置きながら、現在官庁がやつておりますいろいろな行政事務のうち、まだ比較的整理ができるのではないかと考えられるもの、それから非常に整理が困難であると考えられる部分、そういうものを幾つかの段階にわけまして、この辺の仕事についてはこのくらいの整理が可能ではないか、この辺のものについてはこのくらいというように段階をわけましてそれに一定の率をかけて一応の数字を出してみて、そうしてその数字を基礎にいたしまして数回にわたつてそれぞれ所管の省に折衝いたしまして各省が各省それぞれの具体的事情というものを申し出して参りますのを十分協議をして、この程度であるならば改革本部の考える線に乗つて整理ができるであろうという意見の一致した点がここに申し上げました数字になつておる、こういうことになつておるわけであります。なおまた具体的に詳細な点あちこちお尋ねがあればそれらについてお答え申し上げます。
  37. 下川儀太郎

    ○下川委員 この問題につきましてはもつと詳しく研究して十分質問したいと思います。  なお昨年の暮れ要望しておきました立川の国有地の問題、それから駐留軍の住宅の返還の問題、これはもう調査済みだと思いますので、御説明いただきたいと思います。
  38. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 この問題は先般お尋ねがありまして、調査が行き届いておりませんで回答が遅れておつたのでありますが、その後十分調査をいたしましたので、私から、ごく荒筋のところを御説明申し上げ、あとは政府委員から補足させたいと存じます。  まず第一に、立川の国有財産の問題でありますが、これは借りております相手方は、御承知のように山金醤油株式会社という法人であります。正式に大蔵省との間に契約関係で貸借が始まりましたのは、二十三年の九月二十七日であります。このときに三箇年の契約で貸借が始まつたのでありますが、その後三箇年の満期の二十六年三月三十一日が来ましても、そのまま独自の形で契約が更新された形になつてずつと続いておつたのであります。二十八年の六月十八日になりまして、関東財務局に対して山金醤油から、土地建物の払下げをしてくれということの許可申請が出ております。それから二十八年の七月三十日になりまして、関東財務局に対して建物の増築をしたいからという許可申請が出ております。その建物の増築許可申請に対しましては、二十八年の九月二日に一応財務局から許可をいたしております。ところがいよいよその許可によつて建てた建物の実情を十月になつて調べに行つてみますと、申請の内容と違つたものを建てておるということがわかりましたので、十月の二十九日になつて建築の許可を取消し、建物を撤去してくれという通知が行つておるのであります。迫つて十一月五日になりまして、前に出ました土地建物の払下げの申請も却下、たしております。ところがその後ずつと建築を続けて行きまして、さらにその財務局の建物撤去、原状回復の通知を無視して、十二月の十九日になりますと、米軍将校三、米軍軍属二、日系軍属四人というものをその建物の中に入れて、家賃を二戸当り毎月三万六千円ずつとつておるという事実がはつきりいたしましたから、これは明らかに契約の趣旨を逸脱しておるというので、現在財務局といたしましては、これは結局建物の収去それから土地明渡しの訴訟を提起しなければならぬだろうということで、訴訟の提起を準備中であるということでありますが、訴訟の提起になりますには法務省との相談がありますので、まだ具体的にはそこまで進んでおらないそうであります。  それから連合軍人の住宅の件でありますが、御承知のように二十七年の四月一日に連合国軍人等の住宅公社が廃止になりまして、このときにその建物の所有権の関係は大蔵省、つまり国有財産に移管になつております。ただ管理は、行政協定によりまして引続いて駐留軍が管理をするということになつておりますので、それらのものの管理権は日本政府の手にはないのでありますが、大蔵省といたしましては、調達庁を通じてなるべく実情の把握に努めておる、こういうようにやつておるのであります。  なお私がこれらの御質問をいただいていろいろと考えてみますると、こういう問題がぼつぼつ出て参りまして、国会の御腐心になります点は、やはり国有財産全体の管理状況についての監祭をすべき必要があるのじやないかということを考えておりますので、適当の時期に計画を立てて、国有財産の管理状況の監察というものをやつてみたい、こういうふうに考えております。  なお詳細の点は政府委員からお答えいたさせます。
  39. 下川儀太郎

    ○下川委員 長官の言われる通り、国有財産の問題は、非常に多岐にわたつてあると思います。従いましてこれは、単なる一例にすぎませんが、ぜひこれは監察部を充実して積極的にやつていただきたい。これ以外にいろいろと来ておりますけれども、きようは省略いたしますが、ぜひひとつこれは調査あるいは監督を十分にやつていただきたい。これを希望して、きようは一応この点は打切ります。
  40. 平井義一

    ○平井委員 この際塚田大臣にお伺いいたします。先般待命制度というものをつくられて、私が質問したときは申込手がなかつたが、その後非常な成績らしいのであります。そこでこの待命制度によつて非常な人員が待命の適用を受けたとするならば、もう人員整理はいらないのじやありませんか。その点待命制度でどのくらいの人員が適用されたか、お尋ねをいたしたい。
  41. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 御指摘の通り相当数り待命者が出ておるわけであります。一月末日までに集まつておる数字は五千九百三十九人、約六千人ということになつております。二月十五日まで期限があつたわけでありますから、その後相当数ふえておるのじやないかと思います。あと大よその見通しでは一千名程度あるだろう、そうすると約七千名ということになるのでありますが、七千名ではやはりまだ予定する整理人員には到達いたしません。今後政府としても整理する必要がある、こういう考えであります。
  42. 平井義一

    ○平井委員 それが成績がよいとすれば、この待命制度をずつと延ばされて、これで片づけて行つたらいかがですか。  それからもう一点伺いたいのは、機構改革が遅れておるということは、一応公務員としては心配するわけでありまして、この機構改革の中で、大体機構改革はあまりやらぬように私は承つておりますが、塚田大臣の所管するところの郵政省において監察局をなくそうというような話が出ておるそうであります。少し早いかもしれませんが、塚田郵政大臣においては自分の口からこれを廃止すると言うのかどうか知りませんが、これはやはり残してやるという建前で今から腰をすえておいてもらわなければならぬと思います。ほかの省はあまり機構をいじらないのに、郵政省だけこういうことをする。何か局を廃止して、監察局長を監察監にすれば非常によいようでありますけれども、同じことであります。局長にして、犯罪の多い、特に特殊犯罪が多い郵政省でありますから、ぜひともこの監察局は残したいという気持に大臣が今からなつておかないと、これは、おれは行政庁長官で、首切りの親方で、機構改革の親分であるから、まず自分のところをやらなければならないという気持はいりません。そこでこれはひとつぜひとも残していただきたい。最近異動をやつておられるが、あつちこつち監察局長が出ておるのに、何日もたたないのに庁からのけられるということでは、これは気の毒でありますから、その点考慮されて、犯罪を防ぐという意味で、いずれ私どもは正式に長官に申し込む時期もありましようが、ぜひとも今からひとつそのお心構えでいてもらいたいと思いますが、長官の心構えはいかがでありますか。お聞きしたいと思います。
  43. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 この機会にひとつ機構についてのいろいろの感じを申し上げたいと思うのでありますけれども、人員整理の点は先ほど申し上げましたように、ある程度解決点に行つておるわけでありますが、機構の点は実は一つ一つの機構の改革というものを取上げて参りますと、非常に御説明を申し上げることが困難なのであります。しかし全体として詰めて簡素化するという考え方ならば、これは一つの考え方であつて御説明申し上げられる。私どもの立場からかりに機構改革案を出したときに御説明申し上げることが困難ということは、反対される立場からはそれだけ有利だということになる。従つて全体として考えました機構改革案というものが、どこかの点でうまく行かないというときには、非常にこれは考え方をまとめることが困難になつて参るのであります。その断片的な部分で、そういうものとは別個に、こういうものはこうしてしかるべきであるという立論の根拠が割につけやすいものは、もちろんあるのでありますが、大体のものは、今申し上げるように機構の面において、たとえば医務局と薬務局を合併して医薬局とするというように、どちらにも何がしかの利益がある、よほど人員の整理になるとか、経費の節約になるとかいうことであれば、これはまた一つのものの考え方であるのでありますが、そういうような面からは大幅な人員整理とかいうものはなかなか出て参らないものでありますから、まとめて一体どこにどれだけの得があるのだということなると、なかなか骨が折れる。しかし全体として現在の行政機構が非常に大きくなつておるではないか、こんなに大きくなくてもできるのじやないかという考え方から、各省全部取上げましてこれを整理するという考え方なら、これはまた一つの考え方で十分御説明申し上げられる。そういう点が非常に難点になつて、思うように進まないという状態になつておるわけであります。今の御指摘の郵政監察——郵政省の監察の点は、実は少し官職が違うのでありまして、この面は切り離して——もちろん一つのものの考え方として、改革の一応の構想といたしましては、ああいうものは局という制度を廃して全部監察監という制度でもつて機動的に動くというような機構であつてしかるべきであるし、そういう機構の方が能率的に行くのではないか、こういう感じを持つて問題を見ておるのであります。しかし皆さんの御意見もよくまた考えまして、十分善処したい、こう考えております。
  44. 平井義一

    ○平井委員 人員整理ということに関しまして、恩給局長もちようど見えておるが、恩給の適齢期をことし一ぱい延ばすとか、あるいは一年延ばすということにして、そうして待命制度をもう少し延ばせば、あなたが御心配をして、人からもいわれて、無理に整理をする必要はない、実は私はこう思つておりますが、いずれこれは恩給の問題になるのであります。適齢期を延ばす、そうして待命制度をまた延ばして、やはり自然にやめて行くようにする。とにかく今やめては損だ、もう一年すれば恩給がつくという人もありましよう、あるいは三箇月でつくという人もありましよう。こういう人は待命になりたくてもなかなかできない。こういうことでありますから、この点ひとつ恩給局長にも考えてもらう、それから塚田長官にも考えてもらつて、無理のないやめ方をしてもらわなければいかぬと思う  それから今の監察局の問題ですが、監察監だけ置いて長を置かぬというのはおかしいと思う。監察監にするというが、監察監の長というものがいると思う。だから監察監を置くならば長を置いても一つもさしつかえない。これは何か長をつけたのが悪いというその理由があればいざ知らず、人間というものはやはり長をつけてもらいたいので努力をしておるのだから、監察監というよりも監察局長といつた方がやはりにらみもききます。そういうような小さいことから考えてやることがやはり政治のもとですから、人間の喜ぶように、また人の気持を能率的に持つて行く上においても、それを置くならば長を置き、その下にまた監察監がおつてもよろしいのでありますから、この点は郵政大臣から言いにくいと思いますが、われわれから言つたときはひとつ受けて立つてもらいたいということをお願いいたしまして私の質問にかえます。
  45. 下川儀太郎

    ○下川委員 関連して……。平井さんからいろいろ監察局の問題が出ましたが、私も賛成でありますが、ただ局を廃する、あるいはまた監察監にする、これは単に名誉的な問題でなくして、対等の立場に立つてこれを行う、その方が業務的にもあるいはまた能率的にも、あるいは郵政局に対する一つの権威の意味においても、非常にいいのじやないか、私はかように考えます。同時に大体業務それ自体が、広くいつてサービス業なんだ、これはお客さんにいろいろと被害を与える場合が非常に多い。そうすることによつてやはり国家的に非常にマイナスが出て来る。そういうことを考えるとやはり局を存置して権威づけておいて、どこまでもお客に対するサービスをより以上に倍加するという観点に立つて、いわゆる監察監というようなそういうことでなくて、やはり対等の局の立場においてこれを十分に生かして行くという点を御考慮願いたいと思いますが、この点いかがでありますか。
  46. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは先ほども申しましたように、いろいろ検討したいと思いますが、ただ私の監察というものに対する考え方は、俗に監察という言葉でもつて世間が受取つておる仕事の場合には、局とか部とか課とかいう組織を持つた、平たい言葉で言いますと、かみしもを着てという感じでない方が私はよいのじやないかと思う。もちろん内部監察でありますから、大臣の下の官房において大臣から直接指示を受けて、絶えず部内の非違を見張つておるという感じの方がよいのじやないか。また人間を使う上におきましても、人間を地域的に、また質の上でも機動的にどちらにでも動かせるという意味において局、部、課の組織を持たないで監察監というような一つの制度にしておいた方がよいのじやないか。にらみという点は確かにあると思いますが、その点では官庁部内のそういう格の問題は、大体昔ですと官等というようなものがあつて格をつくつておつたのでありますが、今の場合にはたいてい級というものが格になつておりましておのずから何級ということでにらみというものができておるようでありますから、実際にその仕事に当る者のそういう意味の給与というものにおいて考えて行けば、そういう面も必ずしも不足しないのじやないか。今の構想では、今の監察局長に当る者を監察監というものにして、一応特殊の地位というものを考えておるわけであります。何かそういうようなくふうをすることによつてできるのではないか、こういうふうに考えておるのでありますが、これは先般来本委員会だけでなしに、やはりあつちこつちで大分議論があるようでありますから、なお十分検討してみたいと考えております。
  47. 下川儀太郎

    ○下川委員 お話はわかりますが、先般郵政局の方にわれわれが視察に参りましたときに、監察局の方からもいろいろと資料を取寄せたりいたしましたが、非常に問題が多いわけであります。数字は持つておりませんけれども、広汎ないろいろな犯罪がある。そうなつて来るとやはり局にしておいた方が——先ほど申し上げたようにやはりサービス業なんでありますから、その点の厳重な取締りあるいは監督を、局にしておいてにらみをきかせながらやつた方がよいのじやないかというふうに、われわれの見て来た経験から考えるわけであります。  それからもう一つ、待命制度の問題が平井君から出ております。しかし待命制度がしかれて待命の希望者が非常に多いということで、この問題を片づけてはならないと思います。ということは、たとえば嫁入り前の女の人々に待命希望が非常に多い。あるいはまた、あらゆる角度からその待命による退職当とかいろいろなものを希望して退職が出ておるようであります。しかし退職して行く者はよいが、残された人々は非常に寡少な人間で非常な重労働をしなければならぬ。ますます複雑になつて来るこれからの政治的な情勢に対しましてこれらの人々が少い人数であらゆる労働をしいられる形になつて来る。だから待命制度を強化することによつて過重労働というものが現われて来る。こういう点を考えて参りますと、これは押しつけるものではなくて、やはり現実の仕事に照し合せて問題を発展させて行かなければならないと思うが、これについてどのようにお考えですか。
  48. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは、待命制度を設けて、やめる者にはこれだけの恩典があるからやめて行けという感じではなしに、そこに重点があるのではなしに、どれくらいの人間が整理できるだろうかということは、私が本委員会においてもしばしば御説明申し上げましたように、やはりまだ今の官庁機構の中にはむだがあり、整理できるものがあるという観点から、先ほど申し上げた整理数というものを一応算定いたしたのであります。ただその算定された人たちが職を離れていただくのに、今日のような情勢であまり困難があつてはならないからという意味におきまして待命制度とか年次計画とかいうものをいろいろと考えたわけであります。それで、そういうものはまず数がきまつてその人たちがおやめになる場合にあまり困難がないようにというので、第二次的なものの考え方でそこについて出て来たものであります。現在の特別待命は、早くおやめくださるならばこの程度の条件、それからいよいよ整理が始まつてからはこの程度の条件というように二段構えになつておるわけでありまして、待命によつて、無理に整理してはならないもの、もしくは整理不可能なところから整理者を出そうという考え方では決してないわけであります。
  49. 下川儀太郎

    ○下川委員 現実の問題と、それから待命して行く後における問題、これがやはり今後の労働者間においての重要問題になつておりますので、この点はいずれ機会を得て質問いたしますから、きようはこの辺で打切ります。
  50. 稻村順三

    ○稻村委員長 他に御質疑はありませんか。——なければ次に移ります。     —————————————
  51. 稻村順三

    ○稻村委員長 次に、恩給に関する件について質疑の通告がありますから、順次これを許します。平井義一君。
  52. 平井義一

    ○平井委員 三橋恩給局長にお尋ねをいたします。昨年から軍人恩給を支給することに相なつたのでありますが、その恩給を支給する進行が非常におそいように思われる。陸軍大将とか中将とかいうような人は、わかりも早かろうが、昨年の暮れにはもうもらつておる人もあります。感謝をしておる人もありますが、その他当然恩給をもらえる人々がいまだ恩給がもらえないというような状態にあるということを聞いておりますが、この進捗状況はどうなつておりますか。恩給局長の予期通り進んでおるかどうかということをお伺いしたいと思います。
  53. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 旧軍人の恩給の裁定事務の処理状況の現状についての御質問かと思いますので、そのことにつきましてお答えいたします。今の御質問の御趣旨のように、私どもといたしましては、でき得るだけすみやかに旧軍人の方々に恩給を給し得るように努力しておるところでございますが、今御指摘のように、若干私たちの意に満たないような、私の考え通りに行かない点もございます。ところで詳しく申し上げますと、昨年の八月に恩給法の一部を改正する法律が国会におきまして成立し、公布されましてから、ただちに恩給局の機構の整備拡充に着手いたしまして、御承知のごとく恩給局は小田原に本庁を持つておつたのでございますが、農林省その他にいろいろ御迷惑をかけましたが、とにかく東京に本庁を移しまして、そうしてまたその法令の実施に必要な手続を制定し、全国を数ブロツクにわけまして、法令並びにこれらの手続の周知徹底のために事務関係者の会議を開いて参つたのであります。恩給の進達の衝に当る厚生省の復員局におきましても、恩給書類の進達官庁としての立場から、恩給書類の進達に従事する人々に対しまして、恩給書類の進達事務についての啓発につきましていろいろと努力してもらつたのでございます。八月に法律が国会を通過いたしまして公布されたのでございますが、何もかにも一度に、すなわち機構の整備拡充、それから調査の整備拡充、それから新しい厖大な事務を処理するための人的物的ないろいろな準備、そういうようなことからいたしまして、心ならずも今御指摘のごとくに仕事が延びて参りまして、そうして今申しましたような、地方の啓発宣伝のための会議というのは九月の終りから十月の初めにかけて行つたような事情でございます。恩給書類の進達の事務に当られる厚生省におきましても非常に努力してもらいまして、大体下部の恩給書類の進達の事務に当る人々についてもいろいろの手続の周知徹底をはかつていただきまして、十一月の中旬ごろからはぼつぼつと書類が恩給局に進達されるようになつて参つたのでございます。十二月の上旬に至りましてから大体本格的に書類が恩給局に進達されるようになつて参りました。旧軍人の恩給の中におきまして、傷病者に給せられまするところの増加恩給につきましては、昨年八月に受給者の数が、大体大まかに申し上げまして四万四千あつたのでございますが、これらの人々に対しましては、法律の規定によりまして基本の額が改訂増額されることになつておりまして、それ場からまた、こういう方に対しましては、扶養家族のある方につきましては、従来と違つた扶養家族加給が、すなわち範囲も広げられ、加給の金額もふやされまして扶養家族加給が給せられることになつたのであります。それらの増加恩給の受給者に対しまして基本額の増加恩給につきましては、恩給局におきまして増額改訂の手続をとることにいたしまして、昨年の十月の恩給の支給期までには大体その事務を終えてしまいまして、昨年の十月の恩給支給期には、増加恩給の受給者の方々に対しましては増額されました恩給を支給するような取運びにいたしたのでございます。ただ、今申し上げまするように、扶養家族のおられる方につきましては、御本人からの請求によりまして扶養家族加給をつけることになつておりますので、その後に御本人の方から扶養家族加給の請求を出していただきまして、そうして扶養家族加給を受けるべき方につきましては、増加恩給の金額を改訂いたしまして改訂増額された恩給を支給するようにいたしております。この扶養家族加給のあることによる増加恩給の金額の増額改訂につきましては、今も書類を受付けておるところでありまして、全部は完了いたしておりません。大体この四月前後には片づくのではなかろうかと思つておりまするが、大部分のものがもう全部片づいてしまつております。といいますのは、昨年の十二月に相当多数の書類が請求されて参つたのでございまするが、その中には不備な書類もございましたし、それからまた、書類のとりさばきにぐずぐずいたしておりますと、一月の恩給支給期に増加恩給受給者に対して恩給支払いができなくなるおそれがあるのでございます。そういうようなことからいたしまして、不備な、非常に不完全な書類と思われるものにつきましては、一応一月の恩給を受取られてから、あらためて恩給局の方に扶養家族加給のあることによる増額改訂を申し出ていただくような取扱いをいたします。そういうような関係もありまして、この関係の恩給の増額改訂につきましては、若干残つておつて、今も受給者の方から請求が参つておるような実情であります。  それからその次に、旧軍人の方々に給しまするところの普通恩給と扶助料につきまして申し上げますると、今日まで恩給局におきまして処理した件数は十五万三千五百でございまして、大ざつばに申し上げまして十五万四千でございます。昨今の一日の大体の処理の件数といたしましては四千件内外でございまして、たまには五千件出ることもございます。現在恩給局におきまして旧軍人の方々に対する普通恩給、また遺族の方々に給する扶助料で、請求を受付けておりまする件数は、大ざつぱに申し上げまして約八万件ございます。かくのごとく書類がたまりましたのは、つい最近——ことしの一月の半ば過ぎごろからだんだんふえて参りまして、ごく最近のことでございます。恩給局の職員の中で、大部分の者は臨時の職員でございます。そしてまた臨時職員の中の大部分の者は、学生とかあるいはまた受験準備中の学校卒業者でございます。それでことしになりましてから、学年末の試験期を控えまして、退職者もかなり多く出て参りまするし、またそういう学生諸君の欠勤も多く、ございましたために、かなり事務の能率が低下いたしたのでございます。そういうようなこともございまして、ごく最近におきましてはかなり書類がたまつたようなことになりましたが、試験期を過ぎるにつれて一般の出勤もよくなつて参りまするし、今申し上げますような事態というものはおいく改善されるものと信じ、また改善に努力いたしておるところであります。  また恩給の種類にはいろいろな種類がございます。御承知の通り普通恩給、扶助料、増加恩給というような種類がございまするし、また扶助料の中におきましても、いわゆる普通扶助料とかあるいは戦死者の遺族に給せられますところのいわゆる公務扶助料というのがございまして、恩給にはいろいろ種類がございます。そしてこのいろいろの恩給の中におきまして、審査すべき内容もまたいろいろ違つておりまするし、また恩給が裁定になりましてから、支給庁でありまする郵便局に通知しますところの通知要領につきましても、恩給の種類によつていろいろ違つておるのでございます。恩給局に従来から勤務しておる職員でありましても、ある種の恩給の審査事務に習熟しまするがためには、かなりの日時がいるわけでございます。またある種の恩給の事務に習熟しておる者が、他の種類の恩給の審査事務に習熟するにも、相当な勉強、努力をしなければならないのでございます。今度旧軍人の方や旧軍人の遺族の方々に対しましては、一定の毒に応じまして、いろいろの種類の恩給が給されることになつておるのでございますが、先ほど申し上げましたように、これの審査事務に従事しまする者は、従来から恩給局におりまするところの職員を中核といたしまして、多数の臨時の職員を使つて、臨時の職員の協力をまつて処理いたしておるのでございます。そこでこれらの多数の臨時の職員をよく恩給の審査事務に習熟させまして、そして自由に恩給の審査事務を処理するようにいたしますのには、どうしても若干の日時がかかるのでございます。また一つの恩給審査事務になれました者を、他の方の種類の恩給の書類がたくさん出て来たからといいまして、すぐそちらの方に向けるがためには、またそれ相当の教育をしなければならないというような実情で、ございまして、言いかえますと臨時職員でない常時の職員を使つて、そうして恩給の審査事務を処理しておつたと仮定いたしました場合のことを考えますと、現在におきましては臨時の職員を多数使つておる関係からいたしまして、若干事務の能率が思わしく行かないという点は少くないのでございます。これを一つ言いかえますると、結局恩給局の職員の中に相当多数の臨時の職員に働いてもらつておるということは、恩給の審査事務の上から言いますると、事務に機動性があまりない、こういうことになつて来ておるのでございます。この点につきましては改善をはかつて、そして普通恩給の書類がたくさん出て来たときは普通恩給の事務、また普通恩給の事務が少くなつて公務扶助料、戦死者の扶助料が多くなつたときには、相当多数の者をそちらの方に振り向けられるように、職員を研修いたしまして、一日もすみやかに恩給の裁定事務がはかどるように、今画策し努力いたしておるところでございます。さような次第でございますので、今相当数たまつておりまするけれども、これはだんだんと少くなつて来るものと思つております。今御質問のありました趣旨はよく体意いたしまして、できるだけすみやかに裁定するようにいたします。
  54. 平井義一

    ○平井委員 説明はごく簡単でよろしゆうございます。非常に説明が念が入つておるのでありますが……。なかなか恩給局長の思うた通りに進まない、そうでございましよう。旧軍人軍属合せれば百数十万人おるのでございますから、そう思うたようには行きますまいが、旧軍人軍属で恩給をもらう人が請求をされて、この人方に支給をするまでどのくらい時間がかかりますか。簡単でようございます。
  55. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 恩給局に請求書が到達いたしましてから、裁定をいたしまして、恩給に関する証書を発行いたしまするまでの日時は、今のところでは普通恩給と申します老齢軍人その他に給せられるもの、これは割合に手数も簡単でございまして、大体三日前後で私の方では処理するようになつております。それから公務扶助、戦死者に給せられる扶助料につきましては、これは相当たまつておりますので、特別に事情のあるものは別として、普通の場合におきましても、十日内外は今かかるのじやないかと思つております。
  56. 平井義一

    ○平井委員 恩給局に請求書が来れば、生きておる人は三日、戦死者は十日ぐらい——それはまことにりつぱな話でありますが、恩給局に請求書が届くまでに、まず市町村を経由し、県を経由しなければならぬ。そこで市町村に問いに行けば、よくわからぬから県庁に行つてくれ。県庁に行けば、恩給局なり厚生省に聞き合せてみろ、こういう順で、まず恩給局長のところに書類が来るまでがおそらくたいへんなことであろうと思うのでありますが、この市町村の事務処理、あるいは県の事務処理を早くしなければ、書類がたまることはわかつておる。そこで市町村の事務の状態はどうなつておるか。あるいは旧軍人あるいは軍属で、けがをした、足を二本なくしたが、食うに食えぬ。県庁まで行くのにも気車賃がない、こういう人が大体は年金がほしいのであります。こういう人というものは市町村からけられればそれまでで、泣寝入りという状態が非常に多い。そこでそういわれれば、人間が足らぬ、あるいは臨時雇いだからなかなかはかどらぬ、ごもつともでありますが、せつかく旧軍人軍属にやるようになつたのであるから、なつた以上ははかばかしくやることができなければ、必ずお前にはやるのであるということを言明されて、納得をさせなければ、証書はもらつたけれども金が来ない人もある。ほんとうにくれるだろうか、くれまいか、疑心暗鬼にかられておる人がかなりあります。あるいはまた軍属なり、あるいは自決をした者——終戦のとき自決をしたが、これは一体くれるのでしようか、くれないのでしようかと、私が内閣委員だから聞きに来るのではありません。国会議員として聞きに来る数も相当ある。自決の証明がすでに出ておる。ちやんと部下あるいは見ておる人が確かにある。終戦のどさくさまぎれで、自決をいたしましたという証明書まであつても、これに何ら施すところもない。これはほんとうであります。ほかの委員にもかなり来ておると思いますが、一体こういう人にやるのかやらぬのか。現地で自決をした者にはやる、内地でした者にはやらぬ、何かはつきりしたことを言わぬと、もらえるのかもらえぬのかさつぱりわからぬ。法律はつくつてくれたけれども、金は手に入らぬというのが現状でありますので、これは厚生省、援護庁にも関係がありましようが、援護庁と恩給局とが協力をしてできる限りすみやかにやつてもらいたい。その原因をただせば市町村にあるのでありますが、市町村の係りは自分が恩給をもらうのなら一生懸命やりましようけれども、人がもらうのだから県まで問い合せてやらぬのだ。そこをもう一ぺん親心を出して親切に、汽車賃を使わぬでも市町村と県との連絡あるいは県と恩給局並びに援護庁と連絡をとつてやつて、何とかすみやかに助けてやるという方法を講じなければ非常に気の毒な人が多いのであります。この点をひとつ局長も考えられて、われわれが手紙が来たのを一々局長に持つて行けばきりがありません。これをどうするかということをいえば、局長は始末がつかぬのでありますから、こういうことがないように、また援護庁長官もしかりであります。実はわざわざ東京まで松はづえをついて出て来る者が相当あります。そうしてお前の診断はつまらぬ、向うで爆撃をされて、その爆撃が原因でない、戦争が済んで帰つて来てお前は病気をしたのだろうとか、それは兵隊に行かぬでもそういう病気は出たのだというようなことで、どうもはかどらぬ。先般何とかいう予算委員が予算委員会で、兵隊に行つて、慰安のため女郎買いに行つて梅毒になつた者さえ少し助けてやれということを言つておつた。それはあまり極端な例ですけれども、やはり国のために従事をして遠き現地に行つた者に対しては、あまり詳細に調べて診断が違うとか、あるいは診断をする医者も数がいないので、そう親切には診断をしますまいが、ある程度本人の態度、本人の気持を察して、これで多少判断を下してやらなければ、わざわざ汽車賃を使つて、県とか、東京まで来て見てもらつて、しまいにはだめでしたからと言つて、われわれに汽車賃を借りて帰る、それが現状でありますから、援護庁長官はどういう考えであるか、あるいは三橋局長も努力の上にさらに努力を重ねて、こういう方々が納得をするようにひとつ尽してもらいたい。今すぐやれぬがお前には必ずやるとか、もうしばらく待てとか、何か言うてやらなければ非常に不安であります。こういう人は千円の金も急ぐ人でありますから、この点を十分考えられ、また自決者あるいは軍属にしてけがをした人、あるいは病名が悪いとかそういうことを言わぬで、ひとつ援護庁長官も援護してやるというところに援護庁長官の値打ちがあるのでありますから、この点援護庁長官はいかなる気持であるか、あるいは三橋局長はさらに努力をして対策を進めるとうい信念があるかどうか、お聞きをしたいのであります。
  57. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 ただいま平井委員からの御質問は、結局恩給の裁定に当つては受給者の側の心情をよく察して、そうして受給者と進達官庁と裁定官庁と、この三つの間におけるところの取扱いといいますか、関係をできる限り円滑にして、そうして請求者にむだな迷惑をかけないようにして書類の取運びをせよというような御趣旨ではないかと思つておるのであります。私まつたく同感でありまして、私の至らない点は多々あると思いますが、よく努めまして御期待に沿うようにいたしたいと思つております。
  58. 田辺繁雄

    ○田辺政府委員 お答えいたします。戦傷病者戦没者遺族等援護法を制定する際に、戦争犠牲者に対して広く社会保障制度の見地に立つて、あるいは国家補償の見地に立つて、つまり恩給法の暫定措置法としてこれをどうするかという点については議論のあつたところでありますが、これは御承知の通り恩給法の暫定措置法ということを主眼として制定されたのであります。従いましてその対象も恩給法の公務傷病の範囲ということに限定して解釈をいたしまして裁定をいたしております。今日まで受付をいたしました総数、これはちよつと古いのでありますが、昨年末で百九十二万件、軍人軍属の死没者の受付をいたしまして百八十六万件裁定をいたしたのであります。その中で却下いたしましたものが二万五千件でございます。その中で死亡した原因がいわゆる公務と密接な関係にないとして却下されたものが一万八千件、私の方で公務であるかそうでないかの判定の基準といたしましたものな、恩給法の過去の裁定の実例をできるだけ詳しく調べまして、その基準によつて裁定をいたしたのであります。一々恩給局の方に御相談を申し上げるのは手数でございますので、事前に従来の行政実例を詳細に調べまして、その基準によつて解釈をいたしたのであります。今日残つておりますものは、死亡いたしました関係で一万五千件くらい今手元にございまして、それをさらに検討中でございますが、どうしてもむずかしいケースが残りまして、これははたして公務と解釈してよろしいかどうか、いろいろ疑問がございます。事務的には一応の結論は得ておるのでございますが、いろいろの事情からただちにこれを却下するということはいかがなものであろうかと思いまして、恩給局の方の御意見も十分伺つた上で、恩給局と一体になつて裁定をいたしたい、こういう気持で、できるだけ密接な連絡をとりながら、全部を一々協議するわけに参りませんので、できるだけ代表的なケースを選び出しまして恩給局の方と私の方とが詳細に協議をいたしましてこれをさばいて行きたいと思つております。なお、たとい恩給法上の公務に該当しないとして判定された場合におきましても、軍人が召集を受けまして軍務に精励中不幸病魔に倒れたような場合におきまして、国家として何らか弔慰の情を表するということはまことに当然のことと考えますので、この点今度の国会において弔慰金を御遺族方に差上げるようにいたしたいということで、目下法律案を検討いたしております。近く成案を得る見込みでございますので、できましたならば国会に提出いたしまして、こういつた方々に一日も早く援護の手を差延べるようにいたしたい、かように考えております。
  59. 平井義一

    ○平井委員 しからば援護庁次長に一点お尋ねをいたしますが、たとえば終戦後に満州にいて、どうせ助からぬ命だというので、もう逃げる余地もないので自決した、こういうものを公務死にするかしないか、これを審議するというようなことで、その審議がいつまでたつてもきまらぬというのが現状でありますので、こういうわかり切つた、証明書があり証明者がおるものは、やはりただちに公務死としてやらなければ、これは件数も多いし、なかなかその判定が下らぬなんということは、こういうことから事務が停滞してしまう、こう私は考えております。終戦時に森師団長を殺して自決した、こういう人と違います。そういう方を私は急げと言うのではない。現地にいてほんとうにのつぴきならぬで自決をした、あるいは大衆を助けるために自決したというような人間は、審議をしなくてもわかりそうなものだ。こつちにおつて反乱を起して自決したのと違います。こういう方は別の話であります。こういうものも現地におつた者も一緒に考えて、どちらにしようか、判定が下らぬということは、これは事務の停滞の一番大きな原因になる。こういうことは、あるいはお下しになつてこれはりつぱなものだというときは、少しは間違つておつても、公務死にしてもいいんですよ。終戦後のどさくさまぎれで内地におつて自決をした者は下心があつてしているんでしよう。また原因があつてしているんでしようけれども、現地にあつて自決した者は、言わねでも公務死のことはわかつておる。それがいまだに勝負がついておらぬということは、あらゆる事務の進まない原因になりますので、援護庁長官は自分の独断でもこれに判定を下す、これはりつぱな公務死だといつてどんどん処理をしてやれば、あとから要求をして来たものの審査も早くなるのでありますから、そういうものはどんどんしあげなさい。現地で自殺した者は公務死でけつこうです。だれも文句を言う者はありません。特別に師団長とかなんとか意味があつて自殺した者は別にしてもいいですが、一般の兵隊、あるいは一般の小隊長、中隊長に至つては、ことごとく公務死にしてもさしつかえありません。この点をひとつ十分お考えになつて、すみやかに判断をされて、恩給なり援護の手を伸ばすようにしていただきたいと思いますが、この点判断を下し得るかどうか、御答弁を願いたい。
  60. 田辺繁雄

    ○田辺政府委員 私もお気持はよくわかります。ただ、ここに恩給局長がおられますが、援護法で公務として裁定した者が、将来恩給法で非公務となつて却下になつては困るというのが私の立場であります。従いましてやはり私の方は恩給局のお考えを根本といたしまして裁定を下すべき立場にございますが、御趣旨の点はよくわかりますので、恩給局の方とも十分連絡をとるようにして、できるだけ早く処置いたしたいと思います。
  61. 平井義一

    ○平井委員 実は恩給局長も援護庁次長も一生懸命やつてくれておるから、激励だけにとどめようと思つたけれども……。援護庁の方で公務死にしたものが恩給局に行つて公務死にならぬと困るという。それが問題である。同じ日本政府の官庁に勤めておつて、援護庁の方で判断を下したものを恩給局でひつくり返す、まさかそういうことはいたしません。また返されてもよろしゆうございます。なぜ返したかという原因を三橋さんから聞くから。そういうことを遠慮するから勝負がつかぬ。先ほど言うたように、その点は心配ありません。そこで援護庁長官はこれを公務死になるといつて恩給局にまわしたらいかがですか。それで疑問のある場合は特別の場合だから、恩給局長とわれわれ相談もしてみましよう。あるいは意見も聞いてみましよう。われわれが下しても向うが承らぬとか、そういうことばかり言うからいけない。独断でけつこうです。けつこうだからやつてください。それをお願いしておきます。
  62. 稻村順三

    ○稻村委員長 高橋等君。
  63. 高橋等

    高橋(等)委員 大体前の質問で恩給裁定促進に関する要望は尽きたのでありますが、ただいま復員局に旧軍人恩給と遺族扶助料の書類がどのくらいたまつておりますか。
  64. 田辺繁雄

    ○田辺政府委員 ただいま資料を持つて来ませんでしたので……。
  65. 高橋等

    高橋(等)委員 そんなことでは困りますね。あなたの管轄下の復員局に今どれだけ書類がたまつておるか、毎日日報をごらんになつていただきたい。それくらいの監督をしていただいて、一日も早く復員局の事務処理を終えて、恩給局にこれが進達になる、このことをぜひお願いをしたい。また機会を見てその点の数字をひとつお知らせ願いたいと思います。  それから恩給局長に伺いたいのですが、旧軍人の恩給と遺族扶助科で支払うべき件数は大体どれくらいになる見込みでありますか。
  66. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 本年度の予算に説明として書いてあるところを申し上げます。公務扶助料が百四十六万三千、普通扶助料が十八万二千、普通恩給が二十一万二千、それから増加恩給が……。
  67. 高橋等

    高橋(等)委員 増加恩給はよろしゆうございます。
  68. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 それから傷病年金……。
  69. 高橋等

    高橋(等)委員 それもよろしゆうございます。それらを差引いた総計は幾らですか。
  70. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 ここには総計したものしか書いてないものですから……。
  71. 高橋等

    高橋(等)委員 ただいまのお答えを総計いたしますと、大体百八十万くらいになると私は考える。そこで、現在十五万件処理ができておるというお話であります。これはほとんど全部が旧軍人の普通恩給で、すでに恩給を受理した者が多いだろうと私は考える。いずれにしましても、普通恩給と普通扶助料は相当早く手続上支払いができると思うのですが、結局百四十六万件に及ぶ遺族扶助料の裁定に相当しわ寄せが来るものと考えます。それでただいま承れば、一日の処理四千件——今までやられたものは、相当簡単なケースのものが多かつたのではないかと思うのです。そこで今後事務の処理を十分なされましても、初めての恩給、すなわち遺族関係の公務扶助料の裁定をこれからなされなければいけない。ところがこういうスピードでやつて行きますと、当然受取るべき人の恩給の支払いが、私はあと一年たつても終らないだろうということを憂うるのです。そんなことではたいへんであります。そこで私は、いつも恩給局長にも申し上げるのでありますが、この公務扶助料の裁定にあたつては、すでに厚生省において綿密な調査をして、そうして遺族年金その他を出しておるのでありますから——同じ政府部内のことなんです。あなたの方の立場もあるだろうが、厚生省が裁定をしたものは、一応目を通す程度にして、そのままでどんどん裁定をして行つていただきたいと思う。今承れば、普通恩給恩給局に届いてから三日でやれる、そうして公務扶助料の方は十日かかるとおつしやつた。しかし現在すでに八万件というものがたまつておる。四千件ずつやりましたら、日曜日もあるのですから、一月かかります。だからもう少し、あなたもそういう考え方になつておると思うのだが、ひとつ事務処理の簡便なやり方を思い切つてやつていただきたい。今から一年も先まで恩給を延ばされる連中の気持になつてごらんなさい。地方の方は大体書類は出ておる。地方の方も、実はその督励をさせるために、先般も厚生大臣の方に、予算の残を全部まわして事務費を増額して一日も早く中央に届くように処理をお願いしたはずであります。そういうわけで、いろいろ御苦心の点はわかるのですが、これはもうこれ以上遅らすべきものではないのでありますから、ひとつ思い切つた方法を講じていただきたい。これは、あなたがどうしてもおやりにならぬのなら、私は場合によりましたら、国会の決議としてあなたを拘束したいということを考えております。そこまで行かぬうちに、同じ政府部内なのでありますから、ひとつ厚生省とよく話し合われまして、簡単にやるということをぜひお考えくださるようにお願いをしたいと思います。これは御答弁いりません。希望であります。非常な覚悟と決心をこの際お願いしておきます。それから、今日はいろいろな問題で伺いたかつたのでありますが、時間も経過いたしておりますから、簡単に戦犯の恩給関係についてひとつお伺いを公式にいたしておきます。この問題については、非公式にはすでにいろいろとお話を申し上げておりますが、現在戦犯として拘禁をせられておる方々で恩給年限にすでに到達をいたしておる人について、恩給法恩給を停止いたしておる。そこでこの拘禁せられておる方には選挙権その他も認めておりまして、一般の国内犯罪によりまするところの受刑者とは、おのずから取扱いを異にいたしておるのであります。そういういろいろな状況を勘案いたしますると、国際情勢のいろいろな問題があつたときやむを得なかつた措置であつたかもしれませんが、本日の段階におきましては、これらの人々の留守家族の援護ということは重大な問題になつて来ている。しかも恩給がもうついておるという方について、どういうわけで恩給を停止しなければいかぬのか、私は英断をもつて恩給法改正を提案なさるべきではないかと考えますが、その点はどういうようにお考えになつておられるか、お伺いいたします。
  72. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 いわゆる戦犯の万々対する恩給につきまして、現在とられておるような措置をなお今後続けて行くか、あるいはまた改めて行くかどうか、また改めるとしますならば、今御質問のありましたような趣旨を体しまして、そうして改めたらどうかというような点につきましては、いろいろと政府部内におきましても検討を加えておるところでございます。いずれ近くこれにつきましては私ども結論を得ることになろうと思いますし、また近く恩給法の一部を改正する法律案を国会に出す予定にいたしております。その際に今申し上げましたような問題について明らかにいたしまして、皆様の御審議をお願いいたしたい、こう思つておりますので、それまで私から先走つてこうだ、ああだというようなことを申し上げることは控えさしていただきたいと思います。
  73. 高橋等

    高橋(等)委員 何か希望を持たすような、持てないようなお答えでどうも困るのですが、西ドイツあたりの例はどうなつておりますか。こうした方々に対しての西ドイツの扱いはいかになつておるか。またもう一つは、戦犯で絞首刑になられた気の毒な方々があるが、この方々に対しまして、西ドイツあたりでは遺族としての扱いをして遺族恩給を支給しておりますかどうですか、これは御承知でありますか。
  74. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 私が調べましたところにおきましては、西ドイツにおきまするいわゆる戦犯者に対する取扱いと、日本における戦犯者に対する取扱いとは根本的に違つておるように思つておるのであります。御承知かと思いまするが、西ドイツにおきましては、国際的に外国占領軍が戦犯者としての取扱いをいたしましても、国内的にはそのまま戦犯者としての取扱いをするというようなことになつていなかつたように思います。ドイツ自身におきましても、戦犯者戦犯者としてまた別にきめることになつていたのではなかつたかと私は思つております。あるいは記憶違いかもしれませんが、そういうふうになつていると思います。従いましてドイツ政府におきましてつまりドイツみずからの手において戦犯者ときめたものに対しましては、恩給は給せられないことになつていたのではないかと思います。  それから絞首刑の問題でありまするが、絞首刑といいますと、結局連合軍の手によつて絞首刑に処せられた方に対する恩給の問題と思いまするが、そういう方に対しましても、私が今申し上げましたようなことで措置されているのではないかと思います。そのこまごましいことについては、私は承知いたしておりません。
  75. 高橋等

    高橋(等)委員 あなたの今お話になつておることは、たいへん古いのじやないかと思う。最近外務省において調査をいたしたところによりますと、西ドイツの戦犯に対しましては全部恩給を支給いたしております。また絞首刑に対しても恩給を支給している。これは外務省の戦犯室において——もちろん戦犯室からあなたの方へ連絡するようにとは申しておいたのですが、まだ連絡がなかつたのなら、戦犯室における資料を御一調査願いたい。そこで私はこうした問題について、もし政府の方でその提案をなされなければ、議員立法においてでもこれはやらねばいかぬ問題だと考えております。しかしそういうことはやりたくない。あなたの方と外務省といろいろ御折衝になつておられると思うので、その裏話をここであなたの口からひつぱり出すことは困難かと思いますが、今のあなたのお気持はこれをやろうというお気持であると拝察してよろしゆうございますか、それをちよつとお漏らし願いたいと思います。
  76. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 その点につきましては、私はまだはつきりしたことは申し上げかねます。
  77. 稻村順三

    ○稻村委員長 高橋君に申し上げますけれども、三橋恩給局長は事務官でございますので、そういう政治的な意見は大臣なり、政務次官なりを呼んでおただしくださらんことをお願いします。
  78. 高橋等

    高橋(等)委員 御注意は十分承つておきます。
  79. 稻村順三

    ○稻村委員長 高瀬傳君。
  80. 高瀬傳

    高瀬委員 ただいま平井君からも恩給支給の進行状態が質問され、いろいろお話を伺いましたが、どうもこの点はわれわれ内閣委員全体の希望として、もう少し敏速に適切に早く恩給を支給していただかぬと、古い軍人の方々は死んでしまう。きのうも私のところに来まして、私はもう死んでしまうかもわからぬ、いろいろ手続をしても恩給証書をなかなかくれないと言うのであります。何か書類みたいなものが渡つて来るけれども恩給証書をもらわない、それをもらわぬことにはどうも安心が行かぬ、これではどうもあした死ぬかあさつて死ぬかわからないと言つてつえをついて日清戦争のころの陸軍中尉の方が見えました。実に私は気の毒だと思います。だからこの点はわれわれ全体の要望として、どうしても一刻も早く的確に恩給証書を握らせる、金も上げるというように全力をあげてやつていただきたいと思います。  そこで私は一つ伺いたいのです。ただいま恩給局長の口から、いずれ恩給法の一部を改正する法律案を提案するというお話でありましたが、それは今国会において提案されるつもりなのですか。
  81. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 恩給法の一部を改正する法律案は、この国会に提出をいたします。
  82. 高瀬傳

    高瀬委員 それでは伺いたいのですが、この前の恩給法改正の際に非常に問題になりました通算、加算の問題、これはある恩給連盟の幹部の方に聞くと、政府の言う千数百億もかかるというのはまつ赤なうそで、大体二百億ぐらいの増額があれば優にできるというお話であります。これは私もその案の内容も受けましたが、まだ検討いたしておりません。従つて通算、加算というのは政府は手続上非常にやつかいだから逃げを打つておるにすぎないので、千数百億かかるなどというのはまつ赤なうそであるという主張がございます。しかもこの通算、加算の問題については恩給局長御自身から、いずれこれは事務的に検討して、将来の問題として研究をするというお話でありましたから、この進行状態を伺いたいことと、それからこれに関連いたしまして実は機関車乗務員の加算の問題です。特殊勤務による機関車乗務員その他の加算の問題について、この前の恩給法においては三箇月一応加算を認めるということであつたのを、その特殊事情をわれわれが主張しまして、八箇月ということに加算を延期いたしました。従つて今度の三月一ぱいでこれが切れるわけなんです。そこで機関車乗務員の諸君が特に主張しておることは、若年停止を、五十五才は非常に勤務過労であつて、五十才にしてもらいたいということ、それから加算の問題を元通り認めていただきたいという強い熱望を持つています。従つてこれらの熱望を、このたび提案されるところの恩給法改正法律案の中に政府提案としてぜひとも入れていただきたいと私は思うのですが、入れる御意思を持つておられるかどうか、この点を伺いたい。私はこの前の改正のときにも、あれをなぜ削るのかということで、これは一般軍人の通算、加算の問題がやつかいだから、特殊炭坑労働者であるとか、あるいは機関車乗務員などに加算を認めておくとはなはだやつかいなことになるから、これも一緒に削つてしまえというお気持でやつたのではないかというので、私は質問の際に、あの条項をなぜ削るかということも伺つたと思うのです。今度改正されるのでしたら、これらの従事員の勤務上の特殊性を考慮されて、ぜひともこの加算の問題あるいは若年停止の問題についても御考慮を願いたい。これを入れられる御意思がおありになるかどうか。
  83. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 ただいまの御質問の通算、加算と、それから機関車乗務員に対しまする不健康業務加算、それから若年停止の延長の件、こういうものについて今度の一部改正法案の中にその点を入れる意思があるかどうかという御質問でありますが、これにつきましては、今の高瀬委員のような御意見もあつちこつちから耳にしたところでありまして、こういうような皆様方の意見も十分に考慮に入れて検討しておるのでございますが、私から、法案の最後的な決定を見ます前に、今お話のように改正をする、あるいは改正しないということを明言することは、ちよつと差控えさしていただきたいと思います。
  84. 江藤夏雄

    江藤委員 恩給法改正の問題が出ましたから、ちよつとお伺いしておきます。今の特定郵便局長の恩給でございますが、あれはたしか三等郵便局ですが、昭和二十二年十二月三十一日に、いわゆる公務員並に取扱うということになつております。その前の郵便局長としての勤務年数というものの恩給加算でございますが、これは現在では半額支給でございます。その問題を全額支給にするというふうなお気持はあるかどうか、この点ちよつとお伺いしておきます。
  85. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 今のところはそういう考えを持つておりません。といいますのは、従来特定郵便局長は、恩給法上におきましては、公務員ではなくて準公務員としての取扱いを受けておつたのであります。準公務員と申しますものの中には、特定郵便局長もございまするし、また学校の先生、小学校の準訓導とか、代用教員というような人たちもあつたのでございます。そういうようないわゆる準公務員という人たちにつきましては、その準公務員としての普通恩給を給するという取扱いはしてなかつたのであります。代用教員、準訓導というような、いわゆる準公務員でありまして、恩給法におきましては、準教育職員と申しておりましたが、そういう準教育職員の方々が、そのまま教育職員に引続いて昇進して行かれるというような場合におきましてのみ、準教育職員の在職期間の二分の一だけを通算をいたしまして恩給を給するということになつておつたわけでございます。この特定郵便局長につきましては、先ほど申し上げましたごとくに、従来は準公務員として取扱つておつたのでございますが、昭和二十三年の特定郵便局長の制度の改正からは、私たちと同じように、一般の公務員としての取扱いを受けるようになつたのであります。それに伴いまして恩給法上におきましても、ほんとうの公務員としての取扱いをすることにいたしたわけであります。そこで今度は、その前に準公務員として取扱われておつたときの特定郵便局の在職年を、恩給法でどういう取扱いをするか、こういうことが問題になつて来たわけであります。その際に、今御質問のように準公務員としての特定郵便局長の在職期間を、まるくそのまま私たちと同じように、恩給年額を計算する場合に、在職年を恩給年額計算の基礎にするということも一つの意見と思われるのでございますが、一方におきまして教育職員、準教育職員に対しまして、今申し上げましたような制度が従来からとられておつたことを考えますと、特定郵便局長のみに限つて特別の取扱いをするということもいかがなものか、こういうなことになつて来たわけであります。そういうことからいたしまして準教育職員、教育職員と同じような取扱いをするということからいたしまして、特定郵便局長の方々が従来の準公務員の恩給法での公務員から、引続いて恩給法上の公務員となられた場合におきましては、準公務員としての在職期間は二分の一を通算する、こういうことにいたしておる現状でありまして、今特定郵便局長だけに限りましてまるまる通算するというような改正をするということは、考えていないのでございます。
  86. 辻政信

    ○辻(政)委員 関連して……。各委員から詳細を尽されておりますから、二点だけ伺います。  昨年の十月のこの委員会で、三橋局長にお伺いしたところ、事務処理能力は一日に約一万という御回答があつたのであります。本日は約四千、そうすると昨年の四月からの恩給は、来年にならなければもらえないという人が出て来る、国家は昨年においてすでに四百五十億という予算を出しておる、その根本原因は事務処理能力の緩漫というか、あるいは事務の複雑という点にあるのであります。私はこの休会中、徹底的に私の郷里だけにおいて調査してみたのですが、概括的に申し上げますと、傷病兵はほとんど大部分もらつております。老齢軍人は私の地方では約半数です。遺族はほとんどもらつてない。逆になつておる。一番困つておる者がほとんどもらつてない。なぜもらえないかというと、あのじいさん、ばあさんが、八通から九通の書類を出さなければいけない。字を書けない人が書いてもらつて、いなかから、はるばる県庁まで持つて行つて、何回もそれをつつ返されて来る。それが今度ここの復員局になると、どうなつておるか。お前の病気は適当しない。——病因の判定をやるのは、ここの第一復員局においては井上というお医者さんがやるわけであります。これは保安庁のお医者さんであしまして、保安庁に勤めておつて、一週間に一日だけ第一復員局に来て、その進達書類の審査をやつておるのであります。でありますから先ほど高橋委員から言われたように、復員局にはそういう険路があつて、関門を通過できない書類というものが、うず高く積つておるのであります。それを、あなた方が厚生省でやつたやつを、また恩給局で再調査するというようなばかげた事務をやつておるから、こういうことになるのです。ほんとうにこの実情を知つておるものは、県の世話課です。あなた方よりも詳しい県の世話課が、責任を持つてよろしいといつたものを、すぐ渡すという処置をとらないのかどうか。  いま一つは田辺次長に伺います。遺族援護法において、ソ連抑留中の自殺者、これは今審議にかけられておる。満州入隊後三箇月に満たない発病の脳膜炎、胸膜炎、こういうものも除外されておる。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食中毒、胃癌、内地勤務におきましてクルツプ性肺炎、肺結核、細菌性赤痢、心臓麻痺、カタル性黄疸、心臓弁膜症、急性肺炎、肺浸潤、こういうものは除外されておるのですが、いやしくも軍務に従つて直接、間接にその影響を受けて病死した者を、こういうつまらない病名によつて区別をして渡さないということは、国家としての心持ちじやないと思います。援護法の改正を至急やらなければいけない、こういういやしくも軍服を着、軍務に基因をして死んだ者は、病因のいかんにかかわらず、これを国家として救う。この情ある、涙のある気持をとらなければだめだ。それを申し上げて私の質問を終ります。
  87. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 ただいま県の世話課におきまして、給すべきものと決定したものは、そのまま恩給を給するようにできないものか、こういうような御質問でございます。県の世話課は進達官庁として書類を出して来るのでありますが、その進達官庁として書類を取扱う建前をとつております現在の世話課を、すなわち裁定官庁と同様な取扱いに全部各県にしてしまうということは困難なことではないか、私はこういうふうに考えておるのであります。それは今までの書類の実際の取扱いを考えてみましても、私は無理なことじやないかと思つております。おそらく今の辻委員のお話は、一度恩給を給された者についてはそうしてもいいじやないかというような御意見であるかと思います。そういうならば割合にわかるのでございますが、それにつきましても進達官庁である県の世話課だけにおきましてするということは結局既裁定である、一度扶助料なら扶助料、あるいは普通恩給なら普通恩給の裁定を受けたものであるという書類を、全部私の方から各県に配らなければいけないことになるのでございます。事務の取扱いといたしましては、そういうようなことをしなかつたのでございまして、一応各県から全部出させまして、私の方において索引カードをまとめてつくつておいて 一度恩給の裁定を受けた者だということを確めて、手早く恩給を給するというような措置をとつて来ておりますので、今辻委員の申されますように、事務のとり方を改めてしまうというようなことも、ちよつとできかねるような事情であります。  それから先ほど扶助料の裁定が非常に遅れておるというようなお話でございましたが、私も扶助料の裁定が、非常にはかばかしく行つておるということを申し上げておるわけではございません。大体どういうことになつておるかと申しますと、普通恩給の裁定は今まで八万件余り処理をいたしております。それから扶助料の方でありますが、普通扶助料と戦死した人の遺族に給される扶助料を合せますと、七万四千ばかりの数を裁定いたしておるのでございます。これは決して戦死者の遺族の方々の書類をあとにするとか、あるいはまた普通の病没された方の遺族の方々の書類をあとにするとかいうことをしたわけではないのでありまして、自然普通恩給の書類取扱いが、扶助料の書類の取扱いに比較いたしまして割合に簡単でありますので、それに対して恩給の事務の処理の順序といたしまして、自然の流れとしてそういうことになつて来たのじやないかと思つております。今のところでは、私の局といたしましては普通恩給の方の職員をだんだん扶助料の方の書類の裁定事務の方にまわすように努力いたしておるところであり、また昨年の十一月に一万件を目標として何とかできないものかと努力しておるということを申し上げましたが、そのような考え方で組織というか、事務職員の増員とか、そういうようなことを画策いたしております。それでありますから、先ほど私は四千件ないし五千件くらいしかできていないということを申し上げましたけれども、私はこの数はまだまだ少しふえて来るもりである、こういうふうに考えておるところでございます。
  88. 辻政信

    ○辻(政)委員 ふえて来ても、おそいものは昨年の四月の分を来年にならなければもらえないということなんです。あなたは県にまかすことができないとおつしやいますが、きわめて確実で明瞭なものを今までもらつておつた者は、これは県にまかせてよろしゆうございます。そのうちの一割なり二割なりの不明瞭なものだけを進達して裁定するようにしたらどうか。百九十万に近い書類があなたのところに押しかけて来て、どうしてこなせるか。それを言つておるのです。全部無条件でやれというわではない。あなた方の仕事のしぶりであると二年たつてもあの気の毒な遺族はもらえないのだ。どういう気持で仕事をしておるか。遺族の身になつて仕事をおやりなさい。手続において間違いがあるかもしれませんが、千の中の一つくらいしかないでしよう。今日の官界の汚職を見てごらんなさい。上でどんな悪いことをしておるか。それを見れば、その遺族に手違いが少々あるといつても、それが国家に与える損害はどのくらい出るか。百分の一も出ないでしよう。地方にまかしても間違いはありませんぞ。そういう点から考えると、先ほど与党委員から言われましたように、ほんとうにおやりにならないならば、これは議員立法でもつて決議する以外にない。しいて回答を求めませんが、よく考えていただきたいのであります。
  89. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 私の答弁を今お聞違いになつておるのじやないかと思いますから、もう一ぺん申し上げておきます。私が申し上げましたのは、すでに恩給を給されておる方につきましては、これは給されておるということでございますから、あるいは地方にまかしてよいかもしれませんが、しかしながら恩給を給されておるかどうかという調べをしなければいかぬ。こういうことにならなければいけないと思います。恩給が給されておるということが各府県の世話課におきまして全部わかつておられるならばそれはよいわけですが、わかつていないのが相当あるのであります。そうしますと、結局恩給局におきましてはすでに恩給を給されておる人はこれこれであるということを調べて、そうして各都道府県に対しまして各都道府県の関係の分をお知らせしなければならない。こういうことになるのではないかと思うのであります。そういう前提のもとに事務を運んでは来ておりません。それを実際やるということも私は困難なことだと思うのであります。今のところでは、かつて恩給を給されておつた方でありますならば、恩給を給されておつたということを明らかにして、そうして恩給局に出していただきますならば、恩給局におきまして一般の索引カードを用意いたしまして、手軽くすでに恩給を給されておつたということと、それからその恩給を給されたことによるところのかつての恩給の金額、それから今度の改正法によつて給されておる新しい恩給の金額の計算を全部してしまつておいてそれを新しい今度給すべき恩給金額として給する措置をとるわけであります。そういう措置をとつておりますので、今これを全然改めてしまつて、辻委員が仰せられますような措置をしますということは、かえつて混乱を生ずるだけであつて、事務がおそくなりはしないかということを申し上げておるのであります。今辻委員が仰せられますように、非常に急いで簡素化して仕事を運びまして、恩給受給者の御要望にできる限り沿うように努加する。これはもちろんのことでございます。私は微力でございますが、恩給局職員もすべてがそういうような頭をもつて、そういうような態度で仕事をしてくれております。私はいわばその驥尾に付して行つておるような実情であります。
  90. 田辺繁雄

    ○田辺政府委員 ただいま辻委員の御指摘になりました点については何らかの形において手を打つようにいたしたい、かように考えまして今度の国会に改正法律案提出するように目下その準備中でございます。
  91. 高瀬傳

    高瀬委員 もう一点簡単に恩給局長に伺いたいのですが、この前恩給法改正の審議の際に恩給の受給者から強い要望がありまして、恩給金庫を創設してくれ、私のところにもその後軍人遺家族、傷病兵の連盟その他からこの恩給受給者の経済的立場を擁護するために恩給金庫をぜひ創設してもらいたい、政府の方もその点について非常に協力的であるという内意を私は聞いております。従つてこの問題について具体的に何か運んでおるのか、またそういう意思をお持ちになつておるのか、これをちよつと伺つておきたい。
  92. 三橋則雄

    ○三橋(則)政府委員 いわゆる恩給金庫を創設するというようなことには今きまつておりません。ただ国民金融公庫におきまして恩給を担保として金を貸し出すための具体的な措置を講ずるための法律案を大蔵省におきまして準備いたしております。
  93. 稻村順三

    ○稻村委員長 保安隊及び警備隊に関する調査は、明日午前十時より委員会において行うことといたし、これにて散会いたします。     午後一時十一分散会