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長谷説明員 お答え申し上げます。
一般の
事業者がその
専用のために、いわゆる
私設無線を設けたいという
考え方なり
計画なりというものは、実は数年来非常にふえて参りました。従前はこの
無線局の
免許関係の
仕事をいたしますのに、
無線局を
許可する場合の
基準をきめてございました。その
基準は
法律の定めるところに従いまして、
関係者の間の
公聴会等を開き、十分慎重を期してその
基準をきめてあるのでございますが、大体
法律上
保安通信のように、その
施設を義務づけられている場合を除きましては、
公社のいわゆる
公衆通信設備を利用することが不可能であり、かつ不適当な場合だけ
私設無線を許す。しかもほかの
通信手段、たとえば
有線その他でこれが
目的を達し得ないような場合、そういう場合には
無線局を許す、こういう
考え方にな
つておりまして、従来からそのような
申請がございました場合には、個々にその場合々々につきまして
電電公社側といろいろ御
連絡をして、
公社の方の
施設を提供することができない、あるいはいろいろの点から不適当だ、こういうような判断が下されたものについて、
免許を与えて来てお
つたのであります。しかし最近、これらの
私設無線の
出願が非常に多くなりました一方、
電電公社の方におかれてもいわゆる五箇年
計画等の工事の
進捗状況によりまして、次第に
設備が整われて行つたものでありますから、私
どもといたしましては将来のこれらの
無線局の
許可方針、あるいはまたそれに対する
電波の
割当計画、そういうものを立てる上から、今後これらの
私設無線局の許
認可を行うにあたりまして、場合々々にいわゆるその場その場の処理として、
公社側と御
連絡の上できめて行くのでは不十分であると
考えましたので、昨年の末ごろから全般的なこういう
方面の
需給状況を調べると同時に、
電電公社側に、今後
私設無線の
要求に対してどれだけ
公社側がこれを受入れる態勢を整えておられるか、今後のお
見込みはどうかということを
伺つてお
つたのであります。その後
公社側からも
相当将来にわたる御
計画と同時に、現在の具体的な
申請に対する処置の
案等も示されましたので、それらも勘案いたしまして、従来の
無線局の開設の
根本的基準の条項を改めるという必要は起りませんけれ
ども、これの解釈にあたりまして、こういうものはこういう
基準で行こうというぐあいにはつきりいたしたのでございます。その
結論的なことを御
参考に一応申し上げてみますと、防衛用あるいは海上保安用、警察用、気象、消防用、その他国家事務と思われるような種類のもの及び航空機、船舶
関係の航行安全のための通信、それから鉄道及び軌道用の安全を確保するための通信、あるいは送配電
関係の安全を期するためのいわゆる
保安通信、それから非常災害の場合の通信の確保を
目的としたいわゆる非常通信
関係、こういうようなものはその性質上からいいましても、
公社の
関係と一応別個にこれを処理して来ておりました。今後もこの線は根本的にはかえる必要はないと思われますが、最近における電気通信
施設の
動向から
考えまして、特に超
短波、マイクロウエーブというようなものを使用することがだんだん多くな
つて来ておる
実情等から
考えまして、こういう種類のものもできるだけ
公社の電気通信
設備を利用することが適当だと思われる場合も出て参りますので、そういうような場合にはできるだけ二重
施設にならぬように、相互の間に御
連絡もし、御
計画の調整も場合によ
つてはしていただいて、総合的にむだのないようにして行くように、
許可にあた
つても考慮しよう、こういうことにいたしております。それからこれらの種類のものに準ずるものといたしましては、自動車の安全運行に関する通信、あるいはガス、水道
事業その他公益的性格の多い通信でございまして、あるいは
地方公共団体の行政上のために必要ないわゆる事務
連絡のための通信とか、こういう種類のものは、やはり
相当公共性を持
つておるのでありますが、先ほど申し上げたもののように、法的に義務づけられておるというような種類でもございませんし、これらの通信は、公共的な
事業でありますけれ
ども、その通信内容が、比較的
一般事務用に使われるものが大
部分でございますので、これらのものの
申請につきましては、できるだけ
公衆電気通信設備を利用してもらうように指導をして行こう。どうしても
公衆電気通信設備を利用したり、あるいはこれによることが不可能であつたり、不適当な場合には、
無線局の
認可ということも
考えられますけれ
ども、できるだけこれの利用をはかるようにしたい。そういう
意味から、これらの
申請に対しては、
申請者側の希望なり、
計画なりあるいはその
意見なりを十分に聴取しますと同時に、
公社側へも御
連絡を十分にして、できるだけそれらの要望は
公社の
設備によ
つて、満足してもらうようにしたい、こういうふうに思
つております。そのほかそれ以外の
一般的な
事業関係に
専用通信を持ちたいという
計画もあるわけでありますが、これらはできるだけ
公社側の
施設を使
つていただくようにしたい、こういうふうに
考えております。いずれにいたしましても、
公社の五箇年
計画の進行に伴
つて、漸次
サービスも改善されると思いますので、従来端的に申しまするならば、
一般の通信の需要に対して遺憾ながら
公社側の
サービスが不十分であつたというようなことから、これらの多くのものがみずから
私設無線局を持ちたいという要望も出て来たように思われます。またその性格上、全然公衆通信系統とは別個のものを持たざるを得ない場合もございます。たとえて申しますと、
電力会社の発電所と変電所等との問の通信とか、その他のものもございますけれ
ども、最近非常にふえましたのは、先ほど申し上げましたように
一般の
事業会社が、
公衆電気通信に十分より得ないために、みずからのものを持ちたい、こういう
考えから出て来たように思われますが、先ほど申し上げましたように、
公社側のいろいろな準備の進捗に従
つて、私
どもはいずれこれらのものは
公社施設に移行されるべきもの、
公社施設によ
つてこれは行われるべきものと存じておるのであります。しかし現在におきましては、まだそこまで行き切れない問題もございますので、十分
公社側と御
連絡をとりつつ、相互の
関係も考慮いたしまして、遺漏ないようにして行きたい、こういうふうに存じております。