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齋藤委員 どうも
大臣をこういうふうにしていじめてもしようがないと思いますけれ
ども、科学技術庁という組織に対してはいろいろ
検討を加える必要があるといたしましても、科学技術というものを
国家的に総合統一して、その機能を発揮せしめるということに対しては、私は御異存はないと思う。そういうことから
考えますと、この際
政府は一段とその点にお力を入れてくださいまして、その問題の解決をひとつ早急にや
つていただきたい。たとえて申しますならば、
電波一つに対しましても、これは今問題にな
つております防衛態勢の確立というようなことには、根本的な問題にな
つて来るのであります。と同時にこれは私の
考えから申しますれば、戦時といわず平時といわず、常に民族の興隆というものはブレーンによ
つてきまる。談笑の間に事を処するには、やはり民族的な競争が常に行われておる。優劣を決定するものは結局ブレーンであります。人類の進化過程を表現するのは、申すまでもなく科学の進歩であります。そういうことを
国家的に総合統一したところの機関がなく、これに対して責任をとるところの
大臣がないのであります。結局するところ問題は、政治というものと行政というものとが一致しなければ、
国家の発展というものはできないと思う。でありますから、われわれの
要求するところは、科学技術の振興というものに対して責任を負うところの
大臣というものがなければならぬと思う。科学技術の振興というものを
国家的に総合して、これを統一化したところの点について、行政的に責任を負うところの
大臣がなかつたならば、一体どうして
民間におけるところの、あるいはその他におけるところの科学技術が進歩するか。現に
調べてみるとちつとも進歩しておらぬ。物をつくる面においても、今の行政においてはセクシヨナルズムでばらばらなんです。これは
大臣お
調べにな
つてみればよくわかる。私、この間も驚いたのであります。通産省のある局においては、金属チタンをつくるために一千百トンのキヤパシテイーのある設備をやつた。やつたところがそれに入れるところの原料がないというので、カナダまで買いに
行つておるのであります。カナダまで買いに行く必要がどこにあるかと言つたら、まだそのチタン原鉱というものの
調査が行き届いておらぬと言う。
調査が行き届いておらぬのみならず、もしそこに原鉱があ
つても、これを使用してチタン・スラツグをつくる電気炉がないというわけだ。それでありますから、私は今の政治というものは作文をつづる政治であり、演壇に立
つて演説をする者は、ただ演説のけいこをしておる政治ではないかと思う。実際生産面に
行つてみたならばらばらなんです。これは
電波界の革命を引起すところのゲルマニウムでもそうです。
日本には
一つもゲルマニウムのあり方さえわからない。そうして口を開けばゲルマニウム、ゲルマニウムと騒いでおる。輸入防遏輸出振興、輸入を防遏して輸出を振興するのだというお題目は掲げておきながら、年々輸入は増加して輸出は減退しておる。それではあなた政治なんてありはせぬ。それでありますから、私がここでそういうことを申し上げてもいたし方ないと思いますけるれ
ども、
大臣にひとつ奮発していただいて、科学技術の総合統一をはかるだけの機関というものはぜひこの際つく
つて、それに対する責任
大臣を置いていただいて、ひとつ急速にこの
日本の危局を切り抜けるような面における生産態勢の確立をしていただきたい。これは行政改革においてやり得ることじやないかと思うのでありますが、この点に対して
大臣ひとつもう一度確たる御所見を
伺つておきたいと思います。