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渡辺政府委員 結局私の考えているところと
始関委員のお考えと多少食い違
つておりますところは、われわれの方は、現在大部分の
鉱山はすでに
相当稼行を続けて来たわけでありますが、将来も続けられて行くだろう。そこで結局その
鉱山がずつと
経営が続けられて行くために必要な
条件は何かということから、実はこの問題を取上げているわけでございます。従いましてその場合におきてましては、
先ほども言いましたように、過去において
相当探鉱費を
損金に見たということによ
つて、
会社の考えようにより
ましようが、
会社に
一つの
含みがあるのじやないか、その
意味は、結局現在における
鉱業権の
評価というものが比較的安くできている、その
鉱業権の
評価が安くできてているがゆえに、実はこういう
積立金がいるんだという
議論が
業界の方面にもあるようでございます。これは
鉱業権の
評価が高くできていれば、その
鉱業権の
償却の分で新しい
探鉱ができてる。しかし
鉱業権の
評価が安いから、それを
償却した分では、なかなか
探鉱ができないのだというふうな御
議論を承つたこともあるのでございますが、これは
ちよつと物の言いようでいろいろなことが言えるものだというふうに考えざるを得ないのです。従来におきてまして、そういうことも
損金に見ていたということは、結局
会社がそれだけすでに堅実にな
つている。
従つてそこに
探鉱を将来続けて行くだけの
余力もおのずからついて行くのではないか、伸縮自在といいますか、むしろ私の
伺つておるところでは、波の好
不況によりまして、
不況のときには
探鉱がとま
つてしまつたり、
好況のときにはそのまま続ける。しかしこれはおのずからその景気の波と同じように
探鉱をやるかやらないか、そういうふうに大きく波打つことが困るというふうな御
意見は、われわれも多少そういうことも、なるほどそうかな
あと思わないでもございませんが、そういうふうな点につきましては、とにかく過去においてもずつと
探鉱はや
つて来ておりますし、将来もそれが続けられるということは、おのずからそこに出て来るわけでございます。従来のそうしたことが、結局将来の
探鉱を続け得る素地をつく
つているんじやないかとわれわれは思
つております。ただそれが
バランス・
シートの上からとか、そういつた点にはつきり現われて来ないというところに、さらに新しい
要請が出て来る
ゆえんではないか。しかしそれは実態的にやはり十分考えて、判断をすべき問題じやないだろうか。今度の二分の一
償却の問題にいたしましても、多少
先ほど申しましたような点を会得しませんと、何かこれでは不十分だというふうにお考えになる人もあるんじやないかと思います。そういうふうに考えて参りますと、
実情は結局
一つの
免税積立金を積み立て得ると同じ
効果を持つわけでございまして、その
意味によ
つて、かなりこれが
効果を持ち得るのではないかと思
つております。
好況、
不況の波はいろいろ
お話のような点もあるかもしれませんが、しかし一応順次五年というやつが、だんだん繰越されると思うのですが、今年の分は今年から先五年、来年の分はさらに五年というようにな
つて行きますから、古いやつから順々に
償却して行く手もございますが、現実の問題として計算してみた場合に、はたして五年の
償却の繰越しでは非常に不利であるかどうであるか、こんな点についてもわれわれの方としても検討してみたいと思
つております。
なおわれわれの方の
立場も一通り
ちよつと申し上げさしていただきたいと思いますが、われわれの方としましては、
特別措置法などによりまして、ある
程度産業政策の
意味におきまして、
税制でそこにある
程度の協力をして行くということにつきましては、いろいろ検討しておりますが、同時に
大蔵委員会などの御
批判におきましては、どうも
特別措置法による
特別措置が多過ぎはしないか、もつとこういう
特別措置をやめて、一般的な
税率を下げる、こういう
特別措置がいろいろ要望されております。
会社について言えば、
法人税の
税率が四十二とか、非常に高いからこういう問題が出て来るので、そういう一々の面について、あの手この手と考えながら、
税率は四十二ですえ置く。そういうようにすることは、いたずらに
税制を複雑にし、同時に特殊な人だけに負担を軽くするそういう考え方はどうだろうか。むしろそういう特別な
免税関係はやめてしま
つて、
税率そのものを下げるという方向にものを考えて行くべきではないか、こういうような御
批判もわれわれ受けておるわけでございます。従いまして
鉱山会社の
関係につきまして、いろいろな
事情のあることもわれわれも考えられないではありませんが、しかしそれだからとい
つて、
産業政策の上にぜひ必要だから特別な
措置をするということにつきましては、今のような
批判をも考えまして、よほど慎重に考えて行かなければならない。今度やりましたのは、過去におきまして
合理化促進法とかいろいろな
関係で、この二分の一
償却のところまではいろいろ手が打
つてございますので、この
範囲におきてましては、やはり考えてもよかろう、しかしそれ以上に踏み出すことにつきてましては、さらにそれの及ぼす他の
関係の影響というような点も十分考えた上でありませんと、
鉱山だけからの
要請からいえばまだまだ足らない、こういう御
議論が出るのもあるいは、ごもつともかもしれませんが、
税制全般として考えて参りますと、その点についてはよほど慎重に考えるべきじやないか、彼此考え合せまして、現在われわれの方で考え得る
最大限度といいますか、その
意味で今度の
措置法の
改正案をわれわれの方で提案しまして、国会の御賛同を得まして成立したわけでございます。私たちといたしましても、
始関委員のおつしや
つている点が全然わからないわけではないのですが、同時に
税制全体につきまして、一応立案の責任を持
つているものとしましては、その点だけで全体の
バランスを無視して考えるわけにもいかない、こういつたような
事情もございますので、御
趣旨のような点も頭に置き、同時に
税制全体の
バランスを考えて出した
結論が今度の案であります。従いまして、われわれといたしましては、この案の成果といいますか、結果を十分見きわめた上で将来さらにどう考えて行くべきかという点について
結論を出したい。せつかく成立しました案でありまするので、その結果を十分検討してみたいと考えているわけでございます。その辺は御了承願いたいと思います。