○
加藤(清)
委員 先ほど山手
委員から
中小企業の公庫の精神が没却されてしま
つて、かえ
つて逆な結果を来しておるという
お話がございました。私も自分の体験上それを実地に見ているわけでございますが、その大きな
一つの理由に、公庫の本店の方々の意思というものが窓口において実行に移されていない。言いかえると親の心子知らずという点が多々見受けられるように思うのです。中野さんはこの
法律を生むころから非常にこの問題について御熱心である方で、
法律の精神はよく御存じのことと
思いますが、遺憾なことに中野さんの精神というものが窓口の方々に徹底していない向きがたくさんある。この点につきまして、実は十九国会の折に岡田長官にもその調査方をお願いしておいたはずでございますが、その結果が一体どうな
つているかを実はここで承りたい。実はあの折にこういうことをお願いしておいたはずです。第一、銀行は市中銀行、十一大銀行が
最初のうちは除去されていたのですが、その理由の
一つに、今までの貸出しのこげつきに肩がわりするのではないか、自分の過去の得意先だけをかわいが
つて、新しい得意先にこれを向けない憂いがあるのじやないか、従
つてこれは除去さるべきであるということで、十一大銀行は当初においては除かれていたはずなんです。ところがさようなことは絶対ございませんという岡田長官の
お話でリザーブまでしておいて渡した。ところがやつぱりちやんとそれが行われている。特に名前は伏せますけれども、ある銀行のごときは、そんな三百万円以下なんというちつぽけなやつを相手にしてはおりません、中にはそういう
わくは
とつくの昔になくな
つてしまいまして、来期の分もすでにございません。こういうことを言われるのです。私は議員としてではなくして、その
業界の一員としてわざと化けて借りに行つたことがある。そうすると幸いにして私の顔は知れておりませんのでそういうでたらめをおつしやる。同時にすぐに公庫の本部を調べてみたら、名前を言
つてもら
つては困るということであつたので言いませんけれども、いやまだあるはずですと言う。あそこに渡したのはまだ今期分もありますと言う。また今度は相互銀行でございますが、相互銀行あたりになるともつとひどいですね、自分の店の拡大強化の材料にこのいい玉を使
つていらつしやる向きが非常に多い。ひどいのになりますと、これはぜひ調べてもらいたいと言うておいたけれども、どう
なつたか知りませんが、リベートをと
つて貸しておる。非常に有利で、長期にして低利である、こんないい玉はございませんというので、自分の今までかわいが
つて育てたと申しましようか、お得意さんから特別の融資だというわけでリベートをと
つて貸しておる。これは名前をあげてもよろしい。次に信用金庫でございまするが、信用金庫も、これまたそれになら
つてひどいことをや
つておる。どういうことをや
つておるかというと、貸すには貸すけれども、あくる日から毎月々々支払いをさせておる。
法律に一年間はすえ置きだということにな
つておるはずなんです。それをそのまま実行せずに、百万円貸したかわりにあくる月から十万円ずつと
つておる。こうなりますと一年間はすえ置きだというあの
法律の精神はすでに没却され、一年たたぬうちに元金よりもよけいな金が金庫に集ま
つてしまうということ、ところが先ほど柳原さんがおつしやいましたように、そんなに百万円くらい借りるような
業界、特に運転
資金に借りておるような
業界が月々十万円ももうかるものじやないのですよ。とても払い切れない。そこで何とかしてこれを延ばしてもらいたいと言うて行きますると、ここにまた妙な条件をつけられる、こういう向きがある。今度は、せめて信用組合ならばと思
つて行きますると、組合員にな
つてちようだい――これは無理のないことです。組合員になることはいいけれども、組合員にな
つてせめて月々五万円なり、十万円なりを半年から七、八箇月預けて
ちようだい、こう言うておる。半年くらいたつと、百万円くらい貸してあげましよう、こういことなんです。ところで、貸してもら
つてやれうれしやと思つたら、あくる日からやはり同じように五万円なり十万円を徴発されて行く。それで、今日市中銀行が歩積みをして貸しておるが、おかげで非常に高利につく。これと同じケースが行われている。こういうことになりますると、先ほど山手
委員のおつしやいましたように、この公庫をつくつた精神というものは、どの窓口でも完全没却されてしま
つて、結局窓口の業務、窓口の成績、窓口の営業を助ける材料にはな
つているけれども、ほんとうに気の毒だからというので
中小企業を助けようと思うてつくつたその精神は、いつの間にやら消えてしま
つて、親の心子知らずが、あちらでもこちらでも行われ、
中小企業は依然として助けられていない、こういうことが行われているのであります。
そこで、こういうことだし、
法律の中にもあるんだから、ぜひひ
とつ徹底的に調べてもらいたいということを十九国会ですでに申し上げたはずです。そうしたら、ああ、それはごもつともだからさつそく調べましようということだつた。そこできよう承りたいのは、お調べに
なつた結果、私の言うておることがうそなのか、ほんとうなのか。うそだつたら私はここでうその証言をしておるということになります。もし万一ほんとうだつたら、窓口がけしからんということになるのだが、一体調査の結果いかようなことが出ておりますか。もうあれから四箇月、五箇月にもな
つておりますから、いいかげん結果が出たはずでございましよう。そこで
中小企業庁長官にお願いしたことですから、長官から承りたいと
思います。同時に、公庫の責任者からこの点を承りたいのでございます。
それからもう
一つ、幸いにしてここへ商工中金の責任者が来ていらつしやいますから、商工中金は県の信保協会及び市中銀行とは、どのような連携をと
つて貸出しをしていらつしやるのでございましようか、そういう市中銀行との協調ということがございますのか、ございませんのか、もしありとするならば、何の理由でそういうことをおやりにな
つていらつしやるのか、この点を承りたいのであります。御
答弁のいかんにより追
つて質問させていただきます。