○帆足
委員 それでは質問を続けますから、資料を整えてから御発言があ
つてけつこうです。同時にぜいたく品と目せられるようなものを、なおどの
程度輸入されておられるか。本日
貿易のことが議題になることはあらかじめ御了承を得ておるわけでありますが、昨今コカ・コーラなどというようなものを、まさか
輸入してはおらないだろうと思いますが、
日本では現在トマトも豊富ですし、オレンジも豊富ですが、ときどき
外国のマークの入
つておりますオレンジ・ジュースなど飲まされまして、あまり愉快な気持がいたさないのでありますが、そういうようなぜいたく品の
輸入が現在どういうふうにな
つておるか、こういう点もついでに伺
つておきたいと思います。これは事務的な問題でありますから、後ほど資料を取寄せて御報告願いたいのです。先ほど
川上委員も御
指摘になりましたように、国際情勢は大きくかわ
つて来ました。
貿易の問題は
国内の
産業問題であると同時に、半ばは外交の問題でありまして、外交は外務省のリンガフオン・レコードの諸君にのみまかすべきではなく、外交とは
経済外交といわれるくらいに、また国際情勢の分析は、
経済諸関係の分析から始まらなければ、問題の本質を理解できないのであります。従いまして外交の領域において、
通産省の発言をもつと権威あるものにしていただきたいと私は思います。ゼネヴアの平和
会議が成功いたしましたあとに、国際情勢は大転換を見せております。これに対しまして
部分的な摩擦もありますが、たとえば隣邦の李承晩氏はわざわざアメリカに出かけまして、上下両院においては
つたり演説をいたしまして、即刻北進するから助けてもらいたいというような、世界のもの笑いになるような発言をいたしまして、さすがの上下両院議員も唖然といたしました。上には上があるということでありましよう。さすがのダレス氏も、どうも李承晩氏の発言は、ニユーヨークは当日気温が三十五度にもな
つていたようでありますので、これは気温のせいじやなかろうかと、ダレスさんも言
つたそうですが、それに対して李承晩は、人をおだてるときはおだててと言
つて憤慨しておる由だということが朝日新聞に詳細に出ておりまして、私は唖然たる感じをしてこの記事を読みました。しかし最近の
吉田総理の御発言を拝承しますと、これまた暑さのせいでしようが、隣邦と相通ずる点があ
つて、まことに寒心のきわみで、バオダイ、李承晩、蒋介石、
吉田総理と一流の人物をよくもこうアメリカは結集されたものなるかなと大いに驚く次第です。とにかく私は
国民の感情を代表して申し上げておるのですが、
国民一般も最近はそのように
考えて、よその国のことならばどうでもよいですけれ
ども、自分の国のことでありますから、保守政党は保守政党なりに、うちのおじい様もしつかりひとつりつぱにや
つてもらいたい。進歩政党は進歩政党なりにかしこくふるまうということを
国民は希望しているものだと思うのです。その期待に沿い得ていない現状は、大いに
政府としても
考えていただかねばならないと思いますが、この国際情勢の変化と
見通しを通産
大臣はどのようにお
考えにな
つておられるか。最近岡崎総領事
——と申すとこれは失言でありまして、一応外務
大臣でありますが、しかし選挙演説などに参りますと、岡崎外務
大臣と言うともう選挙民は
承知しない。
従つてわれわれは総領事と言いますと、いや、総領事でない、副総領事と言
つてもらいたいというような声が、自由党の方の中からかかるような昨今の
状況。または池田さんに対しては、池田税務署長というようなことを言われる。まことに私は保守政党のため遺憾なことだと思います。これはどうしても名誉挽回いたさなければならないそのためか、これほど中共
貿易に対して妨害に妨害を加えて来られた岡崎さんが、中共
貿易は必要なりということを青天の霹靂のごとく言われて、われわれをびつくりさせる。そして池田さんがまた今度は責任ある地位に立たれまして、中国との
貿易は大いに考慮しなければならぬことにな
つたと言われる。私たちはま
つたく去就に苦しむわけであります。しかし平素お近づきの
愛知通産
大臣は、前から、いろいろな困難はあるけれ
ども、誠実に、せめて英国の例になら
つて中国
貿易を進展せしめたいと御
努力されてお
つた心境のほどは、われわれも十分了承しておるわけですが、一体今日の
政府としての統一的意見は那辺にあるか、そのことを私は伺いたい。と申しますのは、朝日でありましたか毎日でありましたか、権威ある新聞にこの問題の解説が出ておりました。
政府はもはや与論に抗し得なくな
つて、さすがの岡崎さんも池田さんも、中国との
貿易を是認するかのごときゼスチユアだけを
国民に示して、実は依然としてシヤツト・アウトする大体の腹組みである、少くともこれが外務省当局の今日一貫した主流をなしておるということを、新聞解説は書いておりました。私
どもよりも這般の消息に通じておられる
経済政治記者が書かれたことでありますので、また私たち日ごろの
状況から観察いたしまして、あるいはそういうこともあるのではないか、それでは困ると
思つておるのでございます。と申しますのは、今日
日本の
貿易は戦前のわずか三五%
程度、世界の
平均は、国際連合の統計を見ましても一六〇をまさに越えようとしておる。チヤーチル英国首相が今度アイゼンハウアーに会いましたときは、以前と打
つてかわ
つた態度で、四十数分にわた
つて諄々乎として世界の大勢をアイゼンハウアーに説いた、そうしてそのときのチヤーチル首相の葉巻のくわえ方は、すでに戦前の悠然たる態度をとりもどしていたとニユーヨーク・タイムズは書いておりましたが、その背後には、すでに英国のポンドが
黒字にな
つて、英国の
貿易が戦前水準の一六〇を越えるような安定度を示しておる。私はやはりこういう国力が背景にな
つて英国が英国らしく振舞うようにな
つたと思うのです。イギリスは東南アジア諸国に悪しき植民地を持
つていた国であ
つて、現在どの
程度英国の保守党が民主政治に対して改心したかしないか知りませんけれ
ども、その英国が今でも香港をかかえ、シンガポールを持ち、そしてインドをかかえておる。こういう
政策の広さと弾力性には、さすがにわれわれ革新陣営に属しておる者といえ
ども感嘆する。私はこれが歴史の事実であ
つて、保守政党の内閣も、さすがに敵ながらあつぱれだとわれわれから感嘆されるものであ
つたならば、われわれももつと勉強しなければならぬというので、学習の気風が社会党にもみなぎ
つて、社会党も私はもつとよくなると思う。ところが相手たる自由党がぐうたらであるために、われわれの方も遂にふんどしがゆるんで勉強を怠る。これは国家全体として私は大きな損失だと思うのです。
こういうふうにあれこれ
考え、さらに東西
貿易について一言言いますと、私は先日大阪に行
つて驚きました。一体東西
貿易の額がどのくらいあると
考えておられるかと商工
会議所の
理事諸公に聞いてみたが、一人として知らないのです。中国と
日本との
貿易が幾らにな
つて、英国との
貿易が幾らになる、そういう比率はどういうようにお
考えになるかと聞きましたら、
経済のことはわれわれ商人にまかせろと平素言
つている大阪商人の方が、ま
つたく無知の皮だ、無学の皮だ、ま
つたく驚くべきことであります。大東亜戦争のときに
日本の鉄の自給力は三百万トンを切れております。アメリカの鉄はまさに一億トンにほぼ近づいておりました。一億トンと三百万トンの鉄の闘いというのが、過去二十年間にわたる
国民総進軍の悲劇と喜劇の物的
基礎であります。今平和の闘いにおいて、外交の
基礎として
考えねばならぬものは、原子科学の発展の水準とそのスピードとその
見通しと、同時に超音航空機の性能とその
見通しだと思います。同時に純
経済の問題として
考えるならば、
貿易の伸張速度だと思います。その
貿易が、
日本が戦前のわずか三五%、世界の水準は一六〇を越えようとしておるということは、まさに平和の闘いにおけるガダルカナルを思わすものであ
つて、慄然として肌に粟を生ずる。もし為替を切下げなければならぬとか、または為替が不足で重要原料の統制をやらねばならぬような
事態にな
つたならば
——今日われわれは正直者は損をするという哲学を満喫するほど学んでおります。すべて
日本国民ヤミのエキスパートにな
つておりますから、この国に秩序整然たる、合理的、
国民的統制が行い得るはずもありません。そういう物的諸関係のもとにおいて物資の欠乏が起
つたならば、か
つて眠
つていたころの、豚のような状態であ
つた古い支那と同じように、統制はできず、助け合うこともできず、弱肉強食は続き、たくさんの
失業者、半
失業者はちまたに溢れ、知らない間に水虫が広ま
つて行くように、民族の根幹が冒されてしま
つて、気がついたときには取りかえしもできないような
状況になることは必至でありますから、私は今のうちにしつかりした対策を講じてもらいたいと思います。
東西
貿易の額を見ましても、アメリカが発表している金額は、東西
貿易の総額は十三億
ドル半、
輸出入合計するとして約三十億
ドル、十三億
ドル半の
輸出を
——共産圏に対する
輸出をチヤーチルはその倍額ぐらいに持
つて行きたいと豪語しておる。そうするとその額は三十億
ドル、
輸出入合計すると六十億
ドルというのが東四
貿易の目標額であるとするならば、私たちは安閑としておれないと思います。十三億
ドル半の内訳は、ソ連に対して四億
ドル、東欧諸国に対して六億
ドル、中国に対してたしか三億
ドル近くであ
つたと思いますが、その三億
ドル近くのうちの
日本の占める地位はわずかに四百五十万
ドル。その中で、香港を入れて大英帝国は一億二千万
ドルに達し、そうして西ドイツですらたしか二千五百万
ドルぐらいに達したと思いますが、しかも下半期にはそれがずつとふえつつある。こういうことを
考えますと、中共
貿易は、帆足君、あれはイデオロギーの問題である。または
日本の外交
政策において、革新政党が平和と中立を主張して、インドのネールと肝胆照らすような外交
政策も必要ではないかと叫んだときに、保守政党としては、それも一理のあること、自分たちは今日アメリカの重圧下におるから、君たちのような率直な発言はできないけれ
ども、野党としてはやはり所信を貫くことも、国全体の流れから言えば大いに利益であろうというような理解力を持
つてよいのに、これまでの岡崎さんたちの
やり方はめちやくちやであ
つて、私は言うべき言葉もない。私は野党としても与党に対しては多少の友情を感ずべきであり、与党としては、野党の少数意見に対して耳を傾けるということが最も必要なことであ
つて、それが民主政治の要諦だと思うのです。しかるにこのゼネヴア平和
会議が成功するまでは、われわれの主張というものはまるで女学生の思想だというふうに取扱われ、何を空理空論を抜かしておるか。約四箇年の間、われわれは涙を流し、歯を食いしば
つて今日に至りました。今や水爆の時代に移りまして、超音航空機はもう香港から東京までの間を五十五分で飛べるようにな
つた。音速の二倍に達したという情報すらわれわれは耳にしております。広島に投げられた原爆は六千度の温度であ
つたのに、今度ビキニに投げられたものは十億度に達すると言われておる。もう戸締りどころか、床柱どころか、大地もゆるぎ、地上数十メートルにわた
つて十億度に沸騰するときに、
経済を所管している人といえ
ども、国の防衛についてやはり一定の哲学と戦略は持
つていなければならぬ。というのは
愛知さんがどのように
貿易振興を叫ばれようとも、そのために
努力してもらうのは経営者と労働者です。そこに一定の均衡も必要であり、社会生活安定も必要である。結局バター、パンと大砲との均衡、軍事費と
貿易振興費との均衡というような問題に来るわけですから、こういう困難な時勢におけるときの政治家というものは、通産
大臣であ
つても軍略も心得、外交も心得ており、時には職を賭してまで発言するだけの勇気と責任も必要だと思うんです。こういうような
状況を背景にして英国は動き、マンデス・フランス首相は動いたわけです。マンデスさんの顔を見て、あれは顔がまんまるくてぼんぼんで、お坊ちやんじやなかろうかと批評した方がおりますが、その批評した方の方がはるかにお坊ちやんで、彼が聰明並びなき秀才であ
つたということは彼の略歴の伝えるところであります。私は最近のイーデン外務
大臣の動きやマンデス・フランス首相の動きに対しては、理性の勝利として満腔の敬意を表する次第です。この点については通産
大臣も外務
大臣も確かに保守政党は目前の事務に追われて、アメリカの圧力に追われて時勢を見る目がなか
つた。もう少し社会党の諸君の言うことを耳をすまして聞けば、もう少し早く手も打てたようなこともなか
つたかという述懐を漏らすくらいの率直さがあ
つてけつこうだと思う。明らかに今次世界情勢の転換は原子科学の力に押され、そして二つの世界が一方の世界を地球から抹消することができなくな
つて来た。何とか合理的共存の道を
考えねばならなくな
つたという大きな客観的事実に基くものであ
つて、この問題は今後長きにわたる歴史の課題であるとともに、二つの世界の間にはさまれている
日本としては、私は切実な課題としてこの問題は続く問題だと思うんです。
鉄のカーテンという言葉がありますが、鉄のカーテンよりも恐ろしいのは無知のカーテンであります。
日本民族が今日のような
状況にな
つたのは、ひとえに鉄のカーテンのせいでなくて、私は無学のカーテン、無知のカーテン、独断のカーテンのために今日の失敗を犯したものだと思います。こういうように
考えて、今後中国との
貿易を大いにイデオロギーと別にして奨励すると
政府当局は言われますけれ
ども、それならばその実を上げるために今日どういう点が困
つておるか、後ほど
一つ一つ申し上げますが、たとえば中国に商用をも
つて出かける。また
国民経済外交として私たちが参ろうと
思つても、旅券をくれない。それから中国に対する
輸出の禁止をヨーロツパ並にすると言われますけれ
ども、アメリカのバトル法の
委員会が正式に発表した文書を見ますると、英国、西ドイツ、フランスから共産圏への
輸出物資の中に、われわれが禁止されておると
思つている
鉄鋼、工作
機械、電気
機械などというものが公式の文書の中にちやんと書き込まれておると思うんです。これは一体どういう理由であるかということを
お尋ねしたい。
第二にココムの解除といいますけれ
ども、何もわずかばかりの
援助をアメリカからもら
つて、そして一々アメリカに解除を哀訴嘆願して、アメリカの主導権のみで解除されるということは不合理だ。
日本もまた自存、
自立のために、みずからこういうものは解除してしかるべきものでないか。たとえば中国向けのトラツクから自動車の部品まで禁止されておりますけれ
ども、こんなものは一向さしつかえないじやないか。わずか二年前にはDDTまでが禁止されておりました。理由を聞くと、DDTが普及すると、中国解放軍のしらみやのみがなくなる。しらみやのみがなくなると、大いに元気を出すおそれがある。こういうことで二年も前は禁止されておる。やつと去年その禁止が解かれ、解かれたときには上海でもうDDTの大量
生産ができている。西ドイツから大量に
買つて、もうその必要がないということを言
つておる。待望のDDT
輸出はほとんど中国に時期遅れにな
つている。先日外務省の文化情報部長さんとかが、中国の五箇年
計画はあまり成功していないと言われたが、行
つたこともない、見たこともないくせに、そして大して勉強するひまがあるはずがない。この諸君が何を資料になさ
つたかそういうことを言われておる。私たちはすでに二回行
つて見て来ました。最近見て来た人たちの
状況を聞きましても、非常な熱意のもとに、あの
日本より百年も遅れた後進国が今
努力しておることは事実である。決してことさらに過小評価すべき
段階でない。むしろ過重評価し過ぎて、
国民よ奮起せよ、隣邦中国、眠れる豚と言われた国が今や目をさまして、拮据経営しているではないかというふうに行く方が、文化情報部というのに多少のPTA的役割があるとするならば、そういう態度をとるべきである。アメリカに対して警告を発するためにも、そのくらいの気概を示す方がいいのではないか。
今日中国の建設は第一期をまさに終ろうとしまして、すべての資材または設備等に補修を必要としておるわけです。現代の諸設備を補修し復旧して進みたいという熱望に燃えておりますが、それらのトラツク、車両または
機械設備等の非常に多くの
部分はか
つての
日本製品です。従いまして今にしてこれらのものを解除しなければもう一年時期が遅れますと、
日本製品の進出の絶好のチヤンスを失
つてしまう。一体
日本の外交
政策というものは、われわれの税金でわれわれの
政府でや
つておるわけであ
つて、アメリカが
日本に多少の
援助をしてくれておると言いますけれ
ども、それはわれわれがアメリカに軍事基地を貸してや
つて、その地代をもら
つているだけのことであ
つて、大家さんのところにアメリカは頭を下げて来ればいいのであ
つて、気に食わなければ、貸さないぞと言えば地代は幾らでも上るわけです。アメリカが
援助しなければ
日本の国防が今日すぐ不安になるかというと、必ずしもそうでない。インドのごときもどれほどの武力を持
つておるか知りませんけれ
ども、ネール外交の道徳的威力というものが世界にどれほどの大きな発言力を示しておるかというようなこともあわせて
考えねばならぬ。またアメリカが
日本を守
つてくださると言
つて、かりに北京や満州やウラジオに水爆を投げたとするならば、その水爆のために
日本は放射能の灰を受けて全滅せねばならぬ。こういうような戦略も一応検討してみる必要がある。また私は、
日本の安全保障と言いますけれ
ども、アメリカが
日本を侵略したときに、どういうふうにして防衛すればいいかということをこの前アメリカの将校に聞いてみましたら、コツプのビールがこぼれるくらい笑
つておりました。しかしこれはわれわれ野党から言えば笑いごとでないのであ
つて、私たちが新憲法を守り、従来の安全保障条約を
国民の総意によ
つてやめたいというときに、アメリカが暴力を働いたとしたら、これに対して適当なことも
考えねばならぬ。国の安全保障という以上は、何よりもまず水爆時代における総合的な
意味の国の安全を
考えねばならぬので、もう少し与党と野党とは歩み寄る必要がある。国の重大な問題に対しては多少は話し合
つて、十分に了解し合
つた上で、しかし自分の方はこの
程度のことを正しいと信ずるからやるが、君たちの言わんと欲するところも
国民の五割くらいは賛成しておる、ましてや青年のほとんどすべてが賛成しておるのであるから、十分参考にしようというくらいの気持がなければならぬ。再軍備してみたところで青年たちは一人も戦争に行かないでしよう。それどころでなくて、
政府がもし憲法を改悪して再軍備しようというときには、私の方から再軍備法案を出そうと
思つている。その再軍備法案とは、兵隊に行く者は大体六十才以上の年寄りが行けばよろしい。今日年寄りというものはなかなか丈夫です。生き長らえただけあ
つて丈夫です。そして
機械化部隊でも再教育をするならば役に立つ。御家族やお嬢様たちは一番近い野戦病院に行かれたらいい。アメリカの兵隊さんがさびしければ、その人たちが慰安婦志願をしたらよいでしよう。しかしわが
日本社会党が背景に持
つておる勤労者や青年たちは、断じてわれわれは戦争に行かしたくない。しかしこの気持が笑いごとでない証拠には、たとい再軍備しても
日本の青年たちを海外に送らないという決議をわれわれが御相談しましたときに、改進党も自由党も社会党も一致して、
日本の武力を海外に送らないということが、一人だけ例外がおりましたが、まず満場一致
国会を通過した。私は話合
つてみればそこに共通性があると思う。中国
貿易の問題でも、自由党の諸君が一緒に入
つて満場一致可決したし、水爆の実験禁止に対する警告の決議案も、案外自由党の諸君一人残らず賛成したのであります。ですから私はマンデス・フランス首相の
努力によ
つて、国際的に二つの世界が話合いによ
つて水爆の脅威、人類殺滅の戦争から人類を守
つて行こうというような国際零囲気ができたと同じように、
国内においても保守と革新の関係ももう少し話合
つて、そして
国民は今塗炭の苦しみにおるわけですから、中国
貿易などは、中国
貿易を促進するための官民懇談会というくらいのものを開いて、私などは当面座長にでも選んでいただいてやれば、これは非常に円満に行くし、われわれ通産
大臣を助けるつもりです。しかるに中国
貿易はやるやると言いながら、今度は帆足君だけはまた旅券をやらぬというようなことをわざと言
つてみましたり、やるやると言いながら、社会党でまた向うに行こうといえば、英国の労働党が向うに行
つておるときに社会党の人たちが行くなら旅券はやらぬというようなやぼなことを言われる。こういう
国内の問題は話合いで解決することが私は五割くらいあるのではないかと思うのです。こういう観点から御質問するわけですが、中国
貿易をよくすると言いながら、今日まで私
どもが経験しておるところによると、大体
通産省は
輸出阻害省と言うてよいのでないかという思いがする。硫安の問題で私が関係官庁に五十八回足を運んだという話が新聞に出て有名にな
つてしまいましたが、ま
つたく
一つのところに行
つて解決がつかないのです。そこで通産
大臣が言われたように、
輸出振興のための
中心的な局のようなものでもこの際つくらなければ、業界の諸君が手続で、また窓口で苦労していることは、もう想像に余りある
状況だ。そういうふうにしていただきたい。現に今日一番大きな問題としては、中国から米が来るようにな
つていることはたびたび通産
大臣のお耳に入れた
通りです。これは東畑農林次官などがか
つて御苦労なさ
つた品種が芽をふいて、揚子江の沿岸、黄河の沿岸でとれる米は、
日本でとれる越後のすし米よりもおいしい米で、先日試食会をいたしましたが、まことにうまい米で、それにまぐろのとろでものせて食べたらどれほどうまいかと思いましたが、とろの方はビキニの灰で御遠慮しなければならないさんたんたる
状況です。