○
福田(一)
委員 ただいま御
質問の内容の中には、私が御
答弁いたすことのできない面も含まれておるやに
考えるのでありますが、一応私から申し上げてみますと、この前にありました
法律によりまして、
自転車事業の
振興をはか
つて行つたという
考え方については、確かにわれわれも同調いたしてお
つたのであります。できるならば、これが継続された方がよか
つたという点については、
永井さんとわれわれは決して意見を異にはいたしておりません。しかし
昭和二十九年度の
予算を一兆億円に押えようとした
政府の
立場を弁明するわけではありませんが、リフレといいますか、インフレを何としても防止するということは今の
至上命令でありまして、そういう面、またいろいろ
予算の比重の
関係その他から見て、これが二十八年度
予算のような組み方にならず、
従つて競輪関係その他のものが落ちたということは、これはやむを得なか
つたことであると私
たちは
考えておるのであります。これについての
答弁がどうしても御必要でありますれば、これは通産
大臣なり、
政府の方から聞いていただくよりいたし方がないかと存じておるのであります。そこでそういうような事情になりましたけれども、私
たちといたしましては、
競輪をや
つてお
つて、そうして
自転車事業の
振興をはか
つて来たのに急にこれを打切
つてしまうことはいかがなものであろうかという
考えがございますのと、またこういう
競輪のような
事業によ
つて得られました
収入というものは、できるならば何か有為な国家的な
事業とか、非常に有効なものに使用するようにしてはどうかという
考えを
多分に持
つているのでありまして、そういう
意味合いからい
つて、前の
法律においては、御
承知のように、大体二十八年度では
公共団体が四十億円の一種の
収入をあげ、二十億円が
国庫に入れられまして、そのうちの六億円
内外というものが
自転車振興に充てられており、それから四億円というものが
輸出産業の
振興費というようなものに使うという
意味合いで
予算が組まれてお
つたわけでありまして、十億円が
国庫の
雑収入のような
形——雑収入ではありませんが、とにかく
収入として入
つてお
つたわけであります。それが今回のような
予算の
編成になりました結果、このままに放置いたしますと、その二十億円も全部
地方財政に入
つてしまいまして、六十億円が
地方財政に全部まるまる入るということになります。かようにいたしますと、
永井さんも御
承知のように、社会党から提案されまして、
議員立法として成立いたしまして、そして従来
一つの大きな
役割を努めて来ましたこの
法律が、全然その趣旨がなくな
つてしま
つて、
競輪というものは単に
地方財政の
収入を確保するための
一つの手段としてのみ存在して行くという形に相なりますことは、これは私
たちとしてはいかがなものであろうかという疑問を非常に持たざるを得ないのであります。しかもこれは
自転車にも
関係のあることであり、また一面においては
自転車との
関係がなくても、何か
輸出産業等を
振興するような有為なものに
経費を支出するようにしてはどうか、こういうような
考え方を持
つたわけであります。その
意味合いで、今回こういうような
改正案といいますか、
法案を
提出いたしたのであります。しかしこれは、今
永井さんが
質問の中において大体言外に含ませて言われますように、こういう
やり方がはたしていいか悪いかということになりますと、将来としてはもう少し根本的につつ込んで
考えてみる問題がありはしないかということもわれわれは
多分に
考えております。従いまして、こういうことを
言つてはどうかと思いますが、
自由党内閣といいますか、
保守内閣といいますか、われわれが与党であります限りにおいては、来年度
予算の
編成にあた
つては、よほど強く筋道を通した案に持
つて行くようにしなければならないという義務をわれわれは感じておるわけでありますけれども、しかし今までに
予算案も
衆参両院を通過いたしまして、執行の
段階に入
つている
段階において、これらの目的をも
つて経費を
使つた方がいいというにかかわらず、二十九年度一年を何らの方途も講じないでおくということもいかがなものかと
考えまして実はこの
法案を
提出いたしたのであります。
そこで、この
法案が実施されました場合においてどういう結果が起るかというと、大体
競輪関係で六億二千万円ばかり、
オート・
レースその他
モーターボートの
関係等を入れまして七億五千万円ほどの
収入があるのでありますが、
モーターボートの
関係は別といたしまして、また
オート・
レースは、
オート・
レースとし、
競輪は
競輪として一応はこの
収入が確保されて行きますが、支出の面は、モーター・ボートの
関係はその
方面に、また
オート・
レースの方もできるだけその面に
経費を出す、そして
競輪の方から上
つて来ます六億二千万円ほどの金は、そのうちの約三億円を
自転車産業の
振興というか、
振興費に充ててはどうか。その内訳を申しますと、大体一億五千万円ほどが
輸出振興費になり、一億五千万円ほどが融資になるわけであります。これは従来の例によりますところの六億円の金を
自転車の
振興に使いましたのと比べますれば、約半額に削減いたしたわけでありまして、私
たちとしては、先ほど申し上げましたように、
自転車のためにのみこういう
競輪というものを置いておくことがいいか悪いかということから
考えまして、ウエートをぐつと落しまして、他の三億何千万円というものをほかの有為な
仕事に使いたい、こういうふうに
考えておるわけであります。もちろんこの
法案の表面にはこれは出ておりませんが、大体の含みを申し上げたのでありまして、
差異がどうあるかということの御
質問があ
つたから実は申し上げておるわけであります。そこで
残りの三億円何がしというものにつきましては、二億五千万円
内外を、
中小企業で
機械を輸出いたしております
機械メーカーがございますが、これが最近は
やり方いかんでは
相当伸びて
参つておりますので、これらの古い
機械を新しい
機械にかえまして合理化する場合における
貸付金として運用いたして参
つたらどうか、かように
考えております。なお
残りの三千万円は
技術研究費に充ててはどうかと
考えております。その他の二千万円
内外が一応
事務費と見ておるわけでございます。
以上のように、大体
予算的に見ますと、二十八年度とは
違つたやり方に相なるわけでありますが、いずれにいたしましても、この
法案は、先ほど申し上げましたように、臨時的な
性格でございます。
従つてこの附則にも書いてありますように、一年間の臨時
立法といたしております。この金をどこへ納め、どういうようにして使うかということにつきましては、提案理由にも御説明いたしておきましたが、一応
振興会に金が入りまして、
振興会はそのまま商工中金に渡します。そしてここに諮問
委員会ができるのでありますが、これが第三者の意見も入れて運営をうまくやるように、今までの諮問
委員会を拡大いたすわけでありまするけれども、通産
大臣がその諮問
委員会の意見をいれまして、このように運用したらよろしかろうという方針を示しまして、その方針にのつと
つて商工中金が運営をいたして行くという
やり方にいたしたい、かように
考えておるのでありまして、いろいろこの案を立案するまでには数次の検討を加えたのでありますが、現
段階におきましてはこれよりほかに方法がない、かように
考えまして案はこの
法案を提案いたしたわけでございます。なお抜けておる面も
多分にあると存じますが、順次御
質問により補足させていただきたいと思います。