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柿手説明員 お手元に配付いたしました資料のうち、「硫安原価試算」という方から先に御説明をいたします。これは現在合成硫安工業が十四社、十七工場ございますが、その十七工場の生産数量を大体現在の
状況下にあるものと想定いたしまして、すなわち硫安の生産量をその工場ができますアンモニアを全部硫安につく
つた場合における操業度といたしまして、それが
年間二百三十四万三千トンでございます。それを操業度といたしまして、
原材料の価格等も、現在の推定価格、市価を基礎にし、その他各種の資料を参考といたしまして、
日本の硫安工業の全体的な平均的原価を私
どものところで推定いたしましたものをここにお示しいたしたのでございます。
結論から申しますと、総原価が━━━━━━━━━でございますが、これは現在取引上使
つております価格は、全国着駅オン・レール、十貫一かますで取引されておりますので、その価格に比較してみますと、━━━━━━━━━は━━━━━━━━ということになります。その━━━━━━━━というのは、備考の2にあります
ように、配当とかあるいは
利益、積立金等のいわゆる企業の利潤を含んでおらない
数字であります。これは各種目がここに出ておりますが、この計算の方法は、各工場の
原材料その他物量的なものは大体の見当はつくのでありますが、実際の取引単価になりますと、非常に━━━━━━━━、なかなかわかりません。従いまして、大体の市価を見当にして物量の原単位にかけまして、そして生産総数量で割
つたのであります。
それから硫安会社と申しましても、硫安会社の現在の資本金が総計百五十三億ございますが、その硫安会社の固定資産の内容から見ますと、硫安部門は約四割に相当する五十三億見当になる
ような企業でございます。
一般の各製品の共通費目というものは、そういうふうな大きな前提を持
つた比で按分して
割当てているという
ようなものでございますので、固々にはその数値は非常にエラーが多いと思うのでございますが、大数観察としては当らずといえ
ども遠からずというものが出るのではないかと
考えて、この試算をいたしたのであります。
もう
一つの昭和二十八年度開発銀行融資対象工場生産原価というのは、これは今年度この六工場につきまして、私
どもの方から開発銀行に対しまして
合理化工事の融資を推薦したのでございますが、その場合に、その工場の工事内容とか、工事をやることによ
つてどういう効果があるとかいうことについて資料を出してもら
つたり、あるいは担当官とその工場の担当者との話でいろいろヒアリングをや
つたりいたしました際に、それらの資料をもとにいたしまして、この推薦した工場の現状の原価はどういうものであろうかということにつきまして、平均的原価よりはやや詳しい資料が入手できました。たとえば
原材料の単価等につきましてやや詳しいものが得られますし、償却等につきましても、設備ごとにそれぞれの耐用年数等も異
なつたものを手にいたしましたので、それをもとにいたしまして試算いたしたのでございます。実はここにABCDEFと符号で書いてあるのでございますが、この六工場は名前をあげることをいろいろな意味において御容赦願いたいというのでこういうふうにしたのでございます。六工場の名前を御参考にあげますと、東北肥料秋田工場、
日本水素工業小名浜工場、昭和電工川崎工場、東洋高圧砂川工場、北海道であります。新
日本窒素肥料水俣工場、別府化学工業株式会社別府工場、明石の付近にございます。この六工場についての私
どもでの推定原価でございます。これも
結論にございます
ように、最低は━━━━━━最高が━━━━━というふうにいろいろにな
つております。これも相当に私
どもで推定した部分があるのでございますが、平均的原価よりやや各個の事情が詳しく判明いたしましたので、この六工場につきまして、特に御説明いたしたわけでございます。